のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

R-SYSさん  

お客さんから R-SYSの後輪をお預かりしました。
DSC05931amx6.jpg
フリー側のスポークが1本、曲がっているとのことです。

DSC05932amx6.jpg
↑ここですね。

DSC05933amx6.jpg
直りました。

DSC05936amx6.jpg
↑交換したスポーク
DSC05937amx6.jpg
うねうね
DSC05938amx6.jpg
スポークとニップルの間が固着していたので、
どうせ交換するからと バキッといきました。

DSC05939amx6.jpg
マヴィックの固着の話も いずれ書きたいのですが(画像は撮ってある)、
カンパニョーロ・フルクラムの固着よりも対処に困ります。

これ以外のニップルが回せない場合
細かい振れ取りをあきらめざるを得ないのですが、
固着していたのは なぜかこれだけでした。

うっすらセンターずれがあり それも直しましたが、
固着ニップルがあると センター出しができないことも まれにあります。

category: のむラボ日記

tb: 0   cm: 0

のむラボホイール5号の前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
DSC05934amx6.jpg
のむラボホイール5号の前輪を組みました。

DSC05935amx6.jpg
エボライトハブ20H 黒CX-RAY反ヌポークラジアル組みです。

category: のむラボホイール

tb: 0   cm: 0

レーシングゼロさん  

お客さんから レーシングゼロの後輪をお預かりしました。
DSC05925amx6.jpg
自転車部の備品だそうです。

DSC05926amx6.jpg
レース終了後に 横からおっちゃんが突っ込んできたということで、
スポークが曲がっています。

DSC05927amx6.jpg
DSC05928amx6.jpg
↑交換したスポーク
これとは別に もう1本、ほんのかすかにベコッていて
換えてもいいくらいのスポークがあり、
作業中は 印もつけていたのですが
交換無しでも 縦振れが現れなかったので
振れ取りだけで済ましました。

category: のむラボ日記

tb: 0   cm: 1

ゴキソハブでのむラボホイール2号の後輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
DSC05929amx6.jpg
ゴキソハブでのむラボホイール2号の後輪を組みました。

DSC05930amx6.jpg
24H 黒半コンペヨンロク組みです。
結線は あとでやります。

category: のむラボホイール

tb: 0   cm: 2

アルミスポークについて  

アルミスポークについて書いてください、というコメントを多数いただいたり
または 実際に来店された方から言われたりしています。
少なくとも、どこかの目端の利かない奴(すっとぼけ)が ほざいている
「スチールスポークと比べて ほぼ意味が無い」という主張は明らかに誤りです。

それの根拠として「レーシングゼロを ちょっと使ったら
スチールスポークで出せない硬さのホイールであることは明白やろ」という
体感的な話をすれば終わりのような気もしますが、
そういうのではなくて のむラボ的ホイール観に当てはめれば
どうなるかという話を書いていきます。

「第1のスポークテンション(以下 第1ST)」
「第2のスポークテンション(以下 第2ST)」
「スポーク比重」
「ビーカー論」
これらをアルミスポークで当てはめればいいのですが、
ビーカー論の話(今まで一切触れたことは無い)は長くなるうえ
アルミスポークに直接関係が無い話なので それは後日にします。

まず、第1STについて。
第1STとは、スポークテンションメーターに出ている
「メーターの読み」の数値そのもののことです。
もちろんのむラボ用語です念のため。

第2STとは、第1STを換算表に落とし込んだときの
スポークテンションの概算値で、一般にスポークテンションと言えば
これを指します。

そんなヤヤコシイ言い方をしないで 第1STは「メーターの読み」、
第2STは「スポークテンション」で ええやんけ、
というのは もっともなご意見ですが
第1STもニップルの締めゆるめで増減する、
スポークテンションを数値化したものの一種であり
スポークテンション(←第2STのこと)だけで
ホイールの硬さや駆動剛性を論じることはできません。
なぜかについては これから書きます。

アルミスポークは、レーシングゼロの
きしめんエアロ(バテッド部分がどこも同形状のスクエアエアロ)を使います。
これは、決して恣意的な結果に導くために都合がいいからとか
そういうのではありません。
純然たる観測的事実に対して 私の考えを述べるために、
観測的事実のほうのぶれが 最も少ないアルミスポークだと考えられるからです。
その点、ネクタイスポークはダメです。
それについては もっと後で書きますが、
まずは マヴィックのアルミスポークを選ばない理由について先に書いておきます。

DSC05894amx6.jpg
マヴィックのアルミスポークは、少なくとも 4種類はあります。
私が不勉強なだけで もっとあるかもしれません。
上の図の「H1ST」は、今は無視してください。

まず1のスポークですが、初代キシリウムSSCからある形状で
バテッド部分の端に 魚の尾ひれのような筋があり
前後幅が最も大きなタイプになります。
2のスポークは、1より前後幅が小さくバテッドの境目に筋がないタイプです。
3のスポークは、丸断面のスポークです。
4のスポークは、2によく似ていますが扁平率が違います。

初代からESまでのキシリウムは 工具をかけるスプラインの部分が
小さいニップルを採用していますが、
R-SYSのニップルは それよりも大径のスプラインとなり 工具も違います。
R-SYS以降のキシリウムはR-SYSと同サイズのニップルとなっていて、
いずれの場合もスポークの製造時に封入された形になっているので
スポーク単体での重量を測ることができません。
なので正確なスポーク比重が求めにくくなっています。
これが、アルミスポークの話をするのに
マヴィックのスポークを採用しない理由です。

DSC05891amx6.jpg
↑1のスポーク
DSC05893amx6.jpg
↑2のスポーク
DSC05892amx6.jpg
↑3のスポーク

DSC05896amx6.jpg
つづいて、第1STと第2STの関係について。
以前に書いたこと(→こちら)(→こちら)と重複しますが、軽く触れておきます。
第3のスポークテンションについては、
核心には触れませんが ビーカー論の話のときに書きます。

もし「第1STが2倍になると 第2STも2倍になり、
第1STがn倍になると 第2STもn倍になる・・・」というのであれば、
第1STと第2STの関係をグラフにすれば比例直線になります。
が、実際には そうはなりません。なので 換算表が必要なのです。
リンク先の記事で書いていますが、
DTやパークツールのテンションメーターは
換算表に対してキャリブレーションしたものであり
個体の誤差は無いことになっています(パークツールは やや怪しい)。
ホーザンでは、テンションメーターごとの誤差を認めたうえで
メーターごとに換算表を付属させています。
例えば私のホーザンでは、14番プレーンの丸スポークで
第1STが130を示したときに 第2STは1000Nということになっています。
第2STは各々の計器が正確なら同じ値になりますが、
第1STはテンションメーターのメーカーが違えば全く違う数値になりますし、
同じ(ということになっている)製品ごとでも かすかな誤差があります。

これ以降、上の図にもあるように
ホーザンのテンションメーターの第1STを H1STと呼ぶことにします。
DTならD1ST、パークツールならP1STでいいでしょう。
同じスポークを測ったとき、H1STとD1STとP1STの数値はバラバラですが
各々の換算表に落とし込んだときの第2STは同じになる、ということです。

DSC05874amx6.jpg
私のホーザンのテンションメーターの換算表です。
先ほども書きましたが、ホーザンにとってのH1STは
メーターの数だけあるということになっています。

DSC05876amx6.jpg
第1STと第2STのグラフです。
私が書いた図と横軸・縦軸が逆なので 曲線の反りも逆になっていますが、

DSC05878amx6.jpg
裏から光に透かした こっちの図だと同じになります。
DTの換算表がこっち(横軸 第2ST・縦軸 第1ST)なので
そう描くのが癖になっています。
今回の話とは関係が無いですが、応力-ひずみ曲線の反りと似た
形になるほうで見たほうが色々イメージしやすいというのも理由です。

DSC05877amx6.jpg
具体的な第1STの数値は こんな感じです。
ホーザンのテンションメーターは 13番・14番・15番のプレーンスポークの
第1STについて表記があるだけで、
バテッドスポークの数値は分かりません。
なので、これでコンペティションやCX-RAYを測ることはできません。

DSC05879amx6.jpg
こちらは、DTのグラフ(チャンピオン14番プレーン)になります。
DSC05880amx6.jpg
数値だけの表もあります。
私がまず やったことは、D1STとH1STの対比表を作ったことです。
具体的に書くと、例えば あるコンペティション(14番のほう)の
D1STが2.00を示したとします。
DTの換算表によれば D1STが1.96のときに第2STが1200N、
2.04のときに1300Nということなので
このコンペの第2STは1250Nくらいだということになりますが、
それをH1STで見ると134を示します。
ホーザンの換算表によれば 第2STが1300Nの14番プレーンが138、
15番プレーンが126なので だいたい実状とも合います。
というのを普段使うスポークで細かく調べた
「バテッドスポーク用のH1STの表」というのを作ってあるので、
ホーザンのテンションメーターで
バテッドスポークを計測することができるようにしてあります。
サピムのスポークについては、同じ断面寸法のDTのスポークと
全く同じものだと仮定して、DTの換算表からH1STを求めています。
プレーンスポークのリーダーとチャンピオンは
ほぼ同じということでいいのですが、
CX-RAYとエアロライト、レースとコンペティションも同じと見做しています。
実は、レースは1.8mmの丸バテッド部分がコンペより明らかに長く
スポーク比重の端数に現れるくらいにはスポーク比重も違うのですが
レースのD1STないしH1STをコンペと同じだとしても
ホイールを組むうえで問題は無いと判断しています。
レーザーとレボリューションについては、
普段あまり使わないので これらのスポークでホイールを組む際は
DTのテンションメーターを使っています。
H1STを求めるのは非常に面倒なので。
その用途を除いて、DTのテンションメーターは
H1STを調べるとき以外には使いません。

DSC05881amx6.jpg
ひとつ重要なことを。
DTの換算表のD1STは、スポークの左右方向から測定子を当てた数値です。

DSC05882amx6.jpg
(疑似エアロライトの)CX-RAYで、0.38弱と出ました。
エアロライトは0.37で1000N、0.41で1050Nなので
第2STは 1000Nちょっとだということになります。

DSC05883amx6.jpg
DSC05884amx6.jpg
前後方向から当てたところ、数値が2.19と跳ねあがりました。
こちらは換算表で使う数値ではありませんが、
「エアロライトのD1STが左右方向で0.38のとき、前後方向だと2.19」
というような数値も 実は細かく採っています。

理由は後で書きますが、H1STは 基本的に前後方向の数値を使っています。
ちなみに このスポークの「前後方向の」H1STは130です。
以下、とくに断りが無い限り H1STの数値は前後方向で測ったものになります。

あとで触れますが「扁平スポークの半径が大きい側で測ると
小さい側で測るより 大きな数値が出る」というのを覚えておいてください。

DSC05897amx6.jpg
13番・14番・15番プレーンスポークの第2STが
1000Nのときの H1STとD1STをまとめました。
丸スポークは左右方向・前後方向など どう測っても第1STは変わりません。

この第1STの多寡ですが、ホイールの体感上の硬さや
駆動時のかかりの良さを数値化していると考えられます。


前後方向・左右方向それぞれの変形しにくさを数値化したものなので、
例えば14番プレーンの1000NをD1STで表現すると
左右方向の変形しにくさ2.19 前後方向の変形しにくさ2.19で、
1000Nちょっとのエアロライトは
左右方向の変形しにくさ0.38 前後方向の変形しにくさ2.19と
表現できるのでは、ということです。

最も単純なホイールとして、ラジアル組みの前輪で考えると
13番プレーンで H1STが155の前輪と
15番プレーンで H1STが116の前輪では
スポークテンション(←第2STのことです)は同じであるものの
乗った感触や モガいたときのたわみは
前者のほうが硬く、たわみにくいことは間違いありません。

これがもし「第1STに関係なく 第2STが同じでさえあれば
ホイール剛性は同じ」であるとするなら、
スポークは うにょーん(伸張方向の塑性変形)を起こさない範囲で
ひたすら軽いものにすれば良いということになります。

もっと極端な話をすれば、H1STが50くらいで
第2STが1000Nになるような極細プレーンスポークがあったとして、
それでも第2STを1000Nに張れば
13番のH1ST 155と同じ剛性が出るということになります。
もちろん、そんなことはありません。

スポークテンション(←しつこいですが第2ST)が同じでも
第1STが違えば ホイールの硬さに違いが出ます。
もちろん、第2STに対して 第1STが大きくなるスポークは
スポーク比重が大きいということになるので
軽量化に反するというデメリットはあります。


DSC05898amx6.jpg
ところで、H1STとD1STの比率は同じではありません。近くもないです。
これは私にとって 非常に頭が痛い問題なのですが、
ビーカー論のときに書きます。



サピムのCXとCX-RAYは
ともに楕円断面の扁平(エリプティックエアロ)スポークで、
スポーク比重は100%と65%です。
メーカーの公称値からの概算では98.9%と63.6%ですが、
実測では もう1%ほど大きいです。
まあ ざっくりでいいので100%と65%にしました。

これらのスポークを目一杯張った場合の
(これ以上ニップルを増し締めできない)状態で、
H1STはCXで190、CX-RAYで150くらいになります。
先ほどの黒CX-RAYで130というのは
のむラボホイール5号の前輪ですが、
150までは とてもじゃないですが張りません(張れません)。
CX-RAYのH1STで150が見られるのは、
24Hのヨンゼロ組みのフリー側をとにかく張りまくった
(そうしないと反フリー側が たゆんたゆんになる)場合などです。
それが出来るリムも多少は限られます。
具体的に言うと、メカニコの完組みの後輪がそんな感じです。

DSC05899amx6.jpg
CXとCX-RAYの、第1STとスポーク比重の関係をグラフにしました。
恣意的な見た目にならないよう、ホワイトボードのマス目に沿って
右の正方形と同じ数値の比になるよう
そこそこ気を付けて描いています。
ここで、CXからCX-RAYに至るまで
スポーク比重を1%刻みに変更した エリプティックエアロスポークを
並べた場合 どういう点の集まりになるのかを考えます。

DSC05900amx6.jpg
CXとCX-RAYでは、扁平率が異なります。
CXのほうが ややずんぐりしています。
扁平率は丸スポークで 1なので、そこから遠ざかるほど平べったいということです。

DSC05901amx6.jpg
CXの扁平率を保ったままスポーク比重を65%まで絞った場合の
点の集まりを考えてみました。
実際は もう少しばらつくと思いますが
「まあこのへんで シュッと直線引けるんじゃないの」
というのが見えてくると思うので、その引いた線が 青の破線です。
実際のCX-RAYの扁平率は2.15ではなく2.44なので

DSC05902amx6.jpg
扁平率2.15でスポーク比重65%のスポークよりも
第1STは上方修正を受けるはずです
(D1STの左右方向と前後方向の差が根拠です)。

CXからCX-RAYに至るまで、扁平率もじんわりと変わっていくとするならば
青の破線から起き上がった青の実線が残って

DSC05903amx6.jpg
こんな感じになるはずです。
まあ別に、ちょっと曲線だろうと もう少し直線だろうと
今後の話には関係が無いのですが。


そろそろアルミスポークの話を始めろや、と言われそうですが
ここまでの前置きが必要でした。
DSC05570amx6.jpg
で、お待ちかね。
フルクラムのきしめんアルミスポークです。

DSC05571amx6.jpg
DSC05573amx6.jpg
H1STは268でした。
これは少し例外的な数値です。
しんちゅうニップル時代のレーシング1を、さらに増し締めしているので。

現行のアルミニップルのレーシングゼロの フロントまたはリヤ右で、
H1STは235といったところです。
220を切ると明らかに乗り味がヌルくなります。

ちょっと前に、どこかのショップでリム交換をした
レーシングゼロ2WAY-FITが 明らかにヌルいので
張り直しした件(→こちら)では、
H1STの最低値が205 最高値が220でした。
そこから、下限が230で平均が235になるくらいまで張っています。
この数値は お客さんには伝えました。
今後もどこか別のホーザンのH1STで235を保ってね!という意図ではなく
当店にある他のレーシングゼロと同じくらいです、というのを示すためです。

DSC05904amx6.jpg
次に、スポーク比重を測ってみます。
その前に。
このアルミスポークのスポーク長さを
どう定義していいものかという問題があります。
スポークの全長(上の図A)ということにするのか、
首下長さ(同B)を測るのか。

このスポークの公称長さは279.2mmですが、
それがどこからどこまでに当たるのか調べたところ
全長Aとピッタリ同じだったので、それを採用します。
スポーク比重的には かすかに不利にはなりますが。

DSC05905amx6.jpg
少ない本数でも計算できるように、0.1gから量れる秤にしました。
アルマイトの色で重量に差異が無いとは思いますが、
一応別々に測ってみます。

DSC05906amx6.jpg
↑黒24本
DSC05907amx6.jpg
↑銀5本
DSC05908amx6.jpg
↑赤7本
DSC05909amx6.jpg
↑36本まとめて
1本あたり 5gをごくわずか上回るくらいのようです。
で、こいつのスポーク比重は69.8%という結果になりました。
サピムのスポークも概算値にしたので これは70%ということにしましょう。

DSC05910amx6.jpg
というのを先ほどの図に描き加えました。
ぶっ飛んでいるのが お分かりでしょうか。
どこが「スチールスポークと同程度」なんですかね。
もしかして これを見ても「第1STは駆動剛性に関係が無い!」
とか言い出すんでしょうか。

DSC05911amx6.jpg
↑恣意バージョン

つづいて、なぜ 同じフルクラムでも ネクタイスポークを測らなかったかについて。
DSC05739amx6.jpg
レーシング1の後輪のフリー側、
ネクタイスポークの このあたりを測ると
DSC05740amx6.jpg
H1STは 421ちょっとと出ます。

DSC05741amx6.jpg
が、もうちょっとハブ寄りで測ると
DSC05742amx6.jpg
281と激減します。扁平率が変わっているからです。
念のため書いておきますが当然 同じ箇所のスポークです。
きしめんスポークだと どこで測っても ほとんど変わらないので
安定した数値を採るためにネクタイスポークを避けました。

あと、ずいぶん さかのぼることになりますが
マヴィックのアルミスポークのH1STも分かる範囲で書いておきました。
丸スポークについては前後方向と左右方向、どう測っても数値は同じです。

なぜ丸アルミスポークのH1STが最も高いのかというと、
それはH1STを スポークの前後方向から測っていることと関係があります。

DSC05912amx6.jpg
ホーザンのテンションメーターの測定子ですが、
コの字型の凹みの底に スポークを当てるようになっています。
13番プレーンスポーク(2.34mm径)が測れる以上
最大幅がそれよりかすかに小さいCX-RAYやエアロライトは
D1STの左右方向を H1STの左右方向に変換する表を作れます。

DSC05913amx6.jpg
私物の のむラボホイール2号です。

DSC05914amx6.jpg
DSC05915amx6.jpg
星のエアロスターブライトII型で
可能な限りキンキンに張って組みました。
フヒヒ。

こいつのスポーク比重は約93%です。

DSC05916amx6.jpg
で、H1STは 187です。
先ほど書いたように CXで190が限界といったところなので、
それよりスポーク比重が うっすら小さい
エアロSBIIで同程度に張っているということは相当に張っているというわけです。

ここで、CX-RAYでの具体的な数値を書きますが
前後方向のH1STが130のとき 左右方向だと78くらいになります。
120だと 63くらいです。

なので このエアロSBIIも、CX-RAYと 扁平率は違うものの
左右方向のH1STは187未満になるはずなのですが・・・

DSC05917amx6.jpg
実際は295弱という とんでもない数値になりました。

DSC05918amx6.jpg
これは、測定子の底にスポークが入らないためです。
フルクラムのきしめんアルミスポークの薄い側の幅は
実測で1.4mmほどだったので 前後方向からは測れますが、

DSC05743amx6.jpg
左右方向からは測れません。

先ほどのネクタイスポークも、
前後方向で281なのに 左右方向で364になっています。
マヴィックの丸スポークの数値が跳ねあがるのも これが原因で、
私がH1STを前後方向から採るようにしているのも これが理由です。

なのでアルミ丸スポークの360というのは誤りで、実際はもっと低いはずです。
ただ、リムの組み換え作業でバラす前に
「底についていないけど360」というのを知っておけば
再組み立てする際の参考にはなります。
なので測る意味はあります。



というわけで アルミスポークの何がすごいのかというと、
上のほうで青文字で書いてますが コピペしてくると
第2STに対して 第1STが大きくなるスポークは
スポーク比重が大きいということになるので
軽量化に反するというデメリットはあります。

と書きました。
これは「スポークはスチールだけ」という大前提の上での話です。
比重100%のスチールスポークでも到底出せない第1STでありながら
且つ スポーク比重はCX-RAYより少し重いくらい・・・というのが実現できているのは、
本当の意味での「比重」がアルミとスチールで違うからです。

これを、アルミとスチールのインゴットか何かなのか
素材の物性だけで比較して意味が無いとか
ほざいている奴がいるらしいですが(すっとぼけ)、
とんでもないことです。スポークとして評価してあげないと意味がありません。

ついでに書いておくと、あれはアカン これはアカンと
他社のホイールを否定しておきながら
値打ちこいて 自分でパーツや組み方を選定した完組みホイール、
現物を見ましたが大したものではありませんでした。
24H 左右同径スポークヨンゼロ組みの後輪で
フリー側のH1STが150、反フリー側が120です。
ヨンゼロ組みにしては150に対する120というのは追随度が高いのですが、
これの主因はオフセットリムだからです。
で、150をCX-RAYで出していれば なかなか大したものですが
ピラー製の、CX-RAYよりもスポーク比重が大きい
エアロスポークでの150なので、それほど張っているわけでもありません。
さらにツラいことに、反フリー側ラジアル組みの常として
スポークにぎにぎで そこそこたわむんですが・・・。

リムが硬いのは置いといて、ペダリング時にリヤリムの内側が
(ロスの発生を体感できるほどに)絞られている、
言い方を変えれば かかりが悪い後輪だというのは
色んなホイールを触ってきた経験から ものだけを見ての感想ですが、
実際のオーナーの使用したうえでの感想も それと大差なかったので
ああやっぱりそうかと思いました。

DSC05919amx6.jpg
フリー側ピラーのスポークで H1ST150とは、
つまり このへんです。
やはり レーゼロは遠いですな。

アルミとスチールで「スポークとしての」差が無い、
または ほぼ無いというのであれば
スポーク比重70%のスチールスポークでH1STを230くらいに張ってみせろ。
不可能だよ バーカ。
スポーク比重100%でも難しいのに。

あるいは、見方を変えれば フルクラムのアルミスポークと同じ
スポーク比重70%のスチールスポークで
レーシングゼロと同じ本数である16Hの前輪を組んで、
あの硬さを超えられるイメージが まったく湧きません。

DSC05920amx6.jpg
予想される反論について。
H1STが ネクタイアルミスポークで390、
きしめんアルミスポークで235、CX-RAYで140だとして、
これらの第2ST(つまり一般的な意味でのスポークテンション)は
同じくらいじゃないの?ということについて。

その通りです。
例えば、レーシングゼロと レーシング3ではリムの重量は同じくらいか
ゼロのほうが少し軽いくらいだと思いますが、
レーシング3のスポークは ごっついスクエアエアロで
H1STは180~185くらいです。
第1STの差がスポークによって2倍以上違うからといって
第2STにそこまでの差があるとは思えません。

第1STの差ほどには、リム穴にかかっている負担は
違わないはずだというのは確かです。

ただ、これらが同じ駆動剛性やモガキ耐性だとするのは やはり無理があります。
冒頭のほうで書きましたが、第2ST(1000N)が同じ
13番の前輪と15番の前輪が同じ硬さ(モガキ耐性)になるわけがありません。
完全に正確に連動しているわけではないものの、
1000N時のたわみにくさは 13番で155、15番で116という
第1STの数値の差で表現されている部分はあるはずです。

なので、上のグラフを見て読み取るべきは
「見かけ上の第1STは違っても第2STが同じくらいなので
アルミスポークに意味は無い」ということではなく
「同じ第2STで、スポーク1本ごとのたわみにくさ(第1ST)が違う」
という点であり、しかもスポーク比重なりの第1STという見方をすれば
ぶっ飛んでいるということです。

DSC05924amx6.jpg
第2ST「だけ」で静的に評価すれば、そうですね、
組んだホイールを椅子の脚として使うなら
スポークの材質が違っても
「同じようなもの」と言えるかもしれません。

レーシングゼロと手組みホイールを履きかえて
ホイールを見ることなく 乗ってどちらか当てろと言われれば
可能かもしれませんが、
脚の部分がホイールになっている椅子(第2STは同じにしてある)に座って
座り心地で スポークの材質を当てる自信はありません。

DSC05922amx6.jpg
DSC05923amx6.jpg
もうちょっと続くよ。
仮に、スチールスポークでH1STを230くらいまで張れたとしましょう。
それを首折れスチールスポークでやるのと
ストレートスチールスポークでやるのは
駆動時のひずみで考えると少し違ってきます。

スポークテンションがまったくかかっていない状態での
スポークの可動域を考えると、ストレートスポークのほうが
ねじれやひずみに強いと考えられるからです。
さらにアルミスポークの場合、素材の特性上
断面積を大きく取らないといけませんが
そのせいで(そのおかげで?)スポークヘッドの形状の自由度が
非常に高いという利点があります。
フルクラムのアルミスポークのスライスエリンギヘッドは、
フロントとリヤ左ではパズルのようにガッチリとはまり、
リヤ右ではやや揺らぎはあるものの可動域は ほぼありません。

DSC05921amx6.jpg
なので、同じスポークテンション(←しつこすぎですが第2ST)であっても
駆動時のスポークヘッドの揺らぎが ほぼ無いので
かかりの良し悪しに関するロスも少ないと思うのです。
これを言い出すと まずアルミスポークであるということ自体が
大要素過ぎて ここだけの違いを抽出して体感するのは無理なのですが。

以上、書けば書くだけ私が損するアルミスポークについての話でした。
ビーカー論は もうちょっと時間をください。

追記:
明らかな観測的事実について
私見を述べるのは(たとえ誤りであっても)別にいいのです。

ただ、どこの誰とは書きませんが
「だからウチのホイールはすごいんだ」
という結論ありきのための枕詞として
理論もどきを振りかざす

のは おかしいと思うのです。
ライトウェイトもレーシングゼロも、私よりずっと賢い頭脳者集団が
脳に汗をダラダラ流して考えた産物なので、
手組みホイールが勝てるわけがないのです。
唯一 つけ込みどころがあるとすれば、
完組みより軽いリムを使うということくらいです。

ライトウェイトやレーシングゼロのすごさを素直に理解できていないとなると、
あまりの見識の低さに こいつヤバいんじゃないのと思ってしまいます。

今日の話でいうなら、私独自の工夫によって
CX-RAYでH1ST 235を出せれば それを以って
「私のホイールはレーゼロを超えた!」とか
「アルミスポークに意味は無いぜ フヒヒ」とか
言えると思うのですが不可能です。
CX-RAYも、破断に関して青天井というわけではありませんので。

しかし、スポーク比重も 具体例(レーゼロのスポークで、とか)も出さずに
スチールスポークとアルミスポークが だいたい同じ重量とか言われても・・・。

昔、シマノのテクニカルセミナーで
C75のホイールを開発したという人の話を聞いたことがあります。
50過ぎでしょうか いい年のおっちゃんだったんですが、
ロングのトライアスロンに参戦していて、バイクパートを走っているときに
「私は 風のヨー角(Yaw Angle)が分かる」というんです。
しかも、最も空力的に有利なヨー角を保持し続けるために
風を読んでバイクの軌道をジグザクにして走るとまで言い切りました。
じゃあ逆から風吹いたら回れ右して帰るのかと ツッコミたかったのですが、
この話、エンドユーザーではない プロショップのスタッフだけを集めた場で
堂々と話しているのを聞いて、あまりに馬鹿らしいので
セミナーの資料の背表紙に おっちゃんの似顔絵を描いて
時間を潰していたのを覚えています。
(寝てるやつもたくさんいたので 聞いてるだけエライということにしてください)

この話を聞いて思ったのは、C75というホイールは
「走りながら風のヨー角が読めると 本気で思っている人間が
考えたもの」だということです。
そういう、自覚があるのかないのかオカルトめいた
思想というか哲学の元で作られたという来歴が、
ものの良し悪しは別として なんとも気持ち悪いのです。
(良いのかどうかは訊かないでください、
このブログの読者なら答えは分かってるでしょうから)


という話を なぜか思い出しました。

category: スポークの話

tb: 0   cm: 7

プロフィール

検索フォーム

最新記事

最新コメント

カテゴリ

月別アーカイブ

リンク

カウンター