のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

カンパニョーロのダイレクトマウントブレーキについて  

大手コンポーネントメーカーで、ダイレクトマウントブレーキを
出していないほうのS社のレバーで使うために
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カンパニョーロのダイレクトマウントブレーキを仕入れました。

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カンパニョーロのダイレクトマウント用ブレーキは2つのグレードがあり、
スーパーレコードとレコードは「レコード」グレードのブレーキ、
コーラス以下は「グレード外グレード」のブレーキが対応しています。
こちらは後者です。

ロード用キャリパーブレーキの力率は 伝統的にカンチブレーキとほぼ同じでしたが、
7900系以降のシマノのロード用ブレーキは
MTBで言うならVブレーキ寄りになっていて
7800以前のブレーキとは基本的に互換性がありません。

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基本的に、というのは
新レバーと旧ブレーキであれば「互換性△」で 勧めはしないものの一応使えなくはない、
旧レバーと新ブレーキは「互換性×」で 危ないので使うなということになっています。
上の図の破線が互換性△です。

しかし、新レバーと旧ブレーキではシュータッチ以降のレバーの握りが
リムの挟みこみに変換されていないような感触
(まさにVブレーキレバーでカンチブレーキを引いたときの感触と同じで
それが軽度になったもの)があり、ブレーキが本当に利きません。
私のシクロクロスにはTRPのユーロXというカンチブレーキが付いていますが、
これが6770のレバーでは本当に利きが悪く 怖い思いをしました。
現在はスラムの初代ライヴァルのレバーの中身を抜いたものを使っています。
先日ここに上げた私物のトリニティの左前ブレーキレバーに
BL-TT78を使っているのも 同様の理由です。

この理屈でいうと、上の図のBR-7800がある囲いには
カンパニョーロとスラムのキャリパーブレーキ、
旧来の(新シマノでない)カンチブレーキなどが入ることになります。

スラムがロードコンポに本格参入(※)してきて、
色んな規格をシマノ(当時は7800系)に合わせてきたわけですが、
リヤ変速のワイヤー引き量が違う以外はミックスコンポが出来たので
当時は 初代の10Sレッドを「ダブルタップレバーとリヤメカのみレッド、
それ以外全部デュラエース」で使うというのが流行りました。
ブレーキのみ ガツンと利くのがいいならシマノ、
スピードコントロールと感触重視ならスラムという一長一短はありましたが。

※スラムの前身のSACHS(ザックス)では
カンパニョーロにレバーを作ってもらっていた時代もありました。
ザックス エルゴパワー(sachs ergopower)で検索すれば出てきます。

当時のスラムはプロレースでチェーン切れが頻発し、
レッドのフロントメカは チタン製の羽根がだめなのか
プロチームでは一つ下のグレードのフォースを使うところが多かったので
シマノとのミックスコンポは有効な手段でした。

それにムカついたのか7900系デュラエースでは
フロントメカのワイヤー引き量と ブレーキの力率を変えるという
大胆な変更に出ました。
結果、スラムに乗っかられている規格は
ブレーキシューとフリーボディとチェーンくらいになりました。

こういうことをするのであれば、もし私なら
9000やR9100のクランクセットのアームの裏に
「補強のため」と称してリブを入れます。
パイオニアのペダリングモニターが付かなくなるように。

だいぶ話がそれましたが、
スラムのレバーとシマノのダイレクトマウントブレーキの組み合わせだと
シュータッチ以降レバーがどこまでも ぐにゅ~んと握りこめて
バーテープに当たるような感触になる方向で 力率が狂うはずなので
使えないということです。

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で、ここからが書きたかったことですが
カンパニョーロのダイレクトマウントブレーキは、
左右固定ボルトを連結するブースター状のパーツが付いています。

MTBがカンチブレーキからVブレーキに移行した頃を知っている人だと
説明不要ですが、Vブレーキは利きが強すぎるリムブレーキなので
シュータッチ以降 とくにリヤブレーキでフレームのバックが うにうにと動きます。
Vブレーキを想定していない作りのフレームだと、
ブレーキを取り付けている台座間の距離が レバーの握り込みで広がるわけです。
それを防ぐために「ブレーキブースター」という馬蹄状のパーツを
台座間に供締めして取り付けたわけですが、
シマノのダイレクトマウントブレーキには これがありません。
ブースターが無いと、ブレーキ単体の状態では
バネの力で ぐちゃっと左右のアームが近づき 取り付けがしづらくなるので、
取り付け時にのみ使うプラスチック製のガイドが
ブレーキにはさんであり、台座ボルトはクリップ状の針金で仮固定してあります。
これらのパーツは取り付け以降は外すので、
ブースターに相当するパーツはありません。

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9000以降のキャリパーブレーキは、ダイレクトマウントの2穴を
従来のフォークやフレームの1穴に変換するための
アダプター(兼ブースター)を設けてあるような構造になっています。
ブレーキをかけて、シュータッチ以降のレバーの握り込みで
アダプター部分の2穴の距離が広がることは無いですが、
ブースター無しのダイレクトマウントブレーキの場合
(とくにVブレーキと同様 シートステーに付けるリヤブレーキだと)
シュータッチ以降の挟みこみの力が ブレーキの利きだけでなく
シートステーの変形のほうにも流れてしまうはずです。

それと、カンパニョーロの社内試験で ダイレクトマウントブレーキ使用時の
リムの左右の温度を調べるというのがあったのですが、
競合S社(スラムじゃない)のブレーキは
左右の温度差が大きいという結果が出ていました。
撮影禁止のスライドで見たので ここに出せるソースは無いのですが。
つまり、シマノの(←しまった書いてもうた)ダイレクトマウントブレーキは
シュータッチ以降 片側がもう片側に対してブレーキの仕事を
あまりしていないということになります(リムを温められていないので)。
ここでの温度は高いほうで100℃くらいまで数値が出ていたのですが、
シマノの左右差は ほんのちょっとどころではありませんでした。

デローザのある時期のKING XSのフォークや BHのTTフレームなどで、
従来のキャリパーブレーキとダイレクトマウントのどちらも取り付けられるように
3穴になっているフォークやフレームがありますが、
シマノのリヤブレーキに関してはキャリパーのほうが
利きが良い可能性もあるのではないかと思います。

「シュータッチ以降の挟みこみでシートステーが うにうに動く」
のは静止した状態でのブレーキングであって、実走でのブレーキングだと
ブレーキがホイールの回転に巻き込まれるような力がかかるはずなので
ダイレクトマウントだと そういうひずみには強い、というのも確かではありますが。

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カンパニョーロの現行のブレーキシューは、
シューホルダー奥にあるバネにパチンと はめる形で
抜け落ち防止の保険としていますが、
下位グレードのダイレクトマウントブレーキでは
シマノコンパチブルのシューホルダーになりました。
なので、シューホルダー手前の小ねじで 抜け落ち止めとしています。
これの名称を「ユニバーサル(普遍的な)」としてあるのですが、
競合他社の規格を「普遍的」と認めるのは 正直どうかと思います。
なに媚びとんねん。

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今までのカンパニョーロにおけるシマノコンパチブルのブレーキシューは
「デュラエース用」という表現になっていました。

ユニバーサルシューホルダーですが、
来年に復活する普及グレードのケンタウルのブレーキも
これに なっています。

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シューホルダーの溝がシマノコンパチブルなのであって、
シューホルダーそのものはカンパニョーロのそれです。
シマノはシューホルダー固定「ボルト」で、
カンパニョーロはシューホルダー固定「ナット」となっているため
アームの先のスリットの幅がシマノよりも広くなっています。
なので、下位ダイレクトや新ケンタウルにシマノのシューホルダーが付く、
という話ではありません。

それでも助かります。例えば スイスストップのブレーキシューには
シマノ用の「フラッシュ」と カンパニョーロ用の「レース」がありますが、
イエローキング同士やブラックプリンス同士など 同じ仕様で比べると
フラッシュよりレースのほうが価格が高いのです。
型代の回収コストを 製品の価格にそのまま反映させているのでしょうか。

あと、今回は スラムのブレーキに取り付けていた
エグザリット用のブレーキシューが そのまま移せたので
その点でも助かりました。
カンパニョーロ用のエグザリットのシューを買わなくて済んでいます。

category: その他 機材の話

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2:1組みの後輪を組み直しました  

今日もホイー(以下略)。
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パワータップのGSハブ24H 半リーダーヨンヨン組み相当・・・
おっとこれは 今日もホイー(以下略)ノーカウント枠だった。

というわけで今度こそ 今日もホイー(以下略)。
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お客さんから36mm高カーボンチューブラーリムで組まれた
後輪をお預かりしました。

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DT 350ハブ32Hで 24Hリムを2:1組みしています。
フリー側はそこそこ張っていますが もうちょっと張れそうです。
また、リムが かすかにフリー側に寄っているので
反フリー側の増し締めができます。

なので まずはフリー側の増し締めをしてセンターずれを増大させつつ、
それから反フリー側の増し締めでセンター出しをすることによって
全てのニップルを締めることとなり 硬さも多少はマシになりますが、

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お客さんの希望で 半コンペヨンロク組み結線ありにしました。
前輪の仕様との兼ね合いで組み換え前と同じく
銀スポーク・黒ニップルにしています。

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ハブは エボライトハブにしました。
組み換え前のDTのハブですが、
フランジ幅が少し狭いので その点でもオススメできません。

ちなみに、お客さんが組み換えを希望された理由は
「のむラボ的ホイール観」に毒されたからではなく
本当に使ってみて「こいつイマイチだなー」と思ったからです。

category: のむラボ日記

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ホワイトインダストリーのH2ハブで前輪を組みました(前輪だけど後編)  

先日の続きです。
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お客さんから ホワイトインダストリーのH2ハブで組まれた
前輪をお預かりしました。


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全黒コンペロクロクJIS組みです。
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ハブ体に 玉当たり調整用の穴があいている側が見なし左側、とすると
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ハブ体のロゴが逆さ向きになりますが、
JIS組みだと 左右をひっくり返してもスポークの
位置関係が変わらないので 性能は同じです。
リムのラベル、リムテープの印字の向き、クイックの通し方などからして
ハブ体の穴を見なし右側(ハブのロゴの向きを優先)で
組んでいると思われますが。

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後輪と違って スポーク長さはちょうどです。
テンションはヌルめですが、シクロクロス用ということで
あえてそうしている可能性もあります。
シクロ用だのブルベ用だのといったホイールをヌルめに組む、
というのは 私はやりませんが。
点検や増し締めだけでも良かったのですが、

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組み換えることになりました。
今後の用途はシクロクロスに限らないので
ラジアル組みでもいいそうです。

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28H 黒CX-RAY反ヌポークラジアル組みです。
ラジアル組みなので 組み換え前と同じく 性能上の左右の区別はありませんが、

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後輪は バルブが真上の状態で後ろから見ると

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対岸のリムの継ぎ目の、仕上げ隠しも兼ねて貼ってある
このステッカーが正方向で読めるように組んであるので

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前輪もそれに倣うと ハブ体の穴が左側にくるように組みました。
つまり、ハブ胴のロゴが逆さになるように組んでいます。

category: のむラボ日記

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のむラボホイール1号の後輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール1号の後輪を組みました。

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エボライトハブ24H 半コンペヨンロク組みです。
結線は あとでやります。

これは後輪のみのご注文ですが、
偶然にも「これと同じパーツ構成で後輪だけのご注文」という件が
現在2つあり、こちらは愛知県の方のほうです。
滋賀県の方のほうは また後日やります。
今日、千葉県からのむラボホイール5号の注文をしに
当店に直接来られたお客さんがいますが、
自身でホイールを組んだことがあるということなので
この後輪を目の前で組みつつ
ホイール組みの要点などについて話しました。
ここでは書かないことも、実演だと わりと喋ってしまいます。

category: のむラボホイール

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レーシングゼロ 2WAY-FITさん  

お客さんから レーシングゼロをお預かりしました。
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以前に当店で 振れ取りやスポーク交換などしたホイールですが、
今回はベアリングの交換をご希望です。

「黒ボールレースのUSBは全て虫食い予備軍」とか書くと
また某所からお叱りをいただくかもしれませんが、
黒ボールレース時代のUSBは 言わば全てが虫食い予備軍なので
こういう機会に全交換をしてもいいかもしれません。
いま交換しておけば、少なくとも リムの寿命までは使えるはずです。

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フロント

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リヤ右
赤いのは ねじ止め剤ではなくグリスです。

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リヤ左のこいつらが ゴリゴリの主犯です。
最低限の修理であればリヤ左のワンと玉押し、
できればあとリテーナーベアリングの交換だけでもいいのですが
今回は気持ちよく全交換にしました。

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ちなみに、虫食っていない磨耗の玉押しだと こんな感じです。

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前後ハブとも、回転に 新品特有のサリサリした抵抗感があるので
なじむまで ちょっとだけ頑張って乗ってください。
よろしくお願いします。

category: のむラボ日記

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