CL50の後輪を組み直しました 
2021/12/03 Fri. 23:45 [edit]
今日もホイー(以下略)。の前に。

表題と別件で 当店仕入れのフルクラムのスピード40 DBを
今日 販売しました。

フルクラムのロゴ入りの赤いタイヤレバーが付属していました。

前輪はオチョコの関係上 2:1組みの1本側が
反ローター台座側になるので ラジアル組みでも大丈夫だと思いますが、
後輪はローター台座側であっても ラジアル組みにするという
なかなかのイカレっぷりです(一応 誉め言葉です念のため)。
スポーク1本に対して あまりにも堅牢なフランジを設けているなど
対策は ちゃんとしていますが。
スポークヘッドの位置している部分が ハブ体からオーバーハングしていて
フランジ幅が広くなっているのも重要なポイントです。
それでひどくなるスポークテンションの左右差は
他の点で 何とかできる可能性はありますが、
フランジ幅が狭いのを スポークテンションや
スポークの番手で取り戻すことは不可能です。
このホイールですが、丸断面のバテッドスポークで組まれていて
ある程度リム高があるからか 左右異径ではなく同径組みとなっています。
そして左右同径組みであった場合、
第1スポークテンションと第2スポークテンション(以下ST)の
大小を比較することが可能です。
ただ、第1STと第2STの関係は
比例直線ではなく 弓なり曲線なので、
たとえば 第1STのフリー側と反フリー側の数値が
それぞれ120と100で 20%違いであったとしても
第2STの差も 20%違いになるとは限りません。
丸断面スポークは、テンションメーターの測定子を当てる向きで
第1STが変わることがありません。
扁平スポーク(エアロスポーク)の場合は
左右方向より前後方向、スポークの幅が広い側で当てたほうが
数値が大きくなります。
で、この後輪の左右の第1STを測ってみました。
テンションメーターはホーザンなので ここでの呼称はH1STです。



3つ採ったフリー側の数値は 126、123、125でした。



反フリー側は122、120、119でした。
フリー側のほうが かすかに張っているものの
だいたい同じくらいです。
この後輪、スポークをにぎにぎしても
左右とも ほとんどたわみがありません。
今日もホイー(以下略)。

ロヴァ―ルのCL50の後輪を組み直しました。
先日 組み直した前輪の相方です。

左右同径 丸断面バテッドスポークで、
前輪が21Hであるところ 反フリー側をタンジェント組みしている関係上
スポークの本数が偶数である必要があるので
16+8の24Hとなっています。
反フリー側を びびってタンジェント組みしていますが、
ストレートスポークとはいえ むしろこれが正常な判断です。
もうちょっと柔軟な考えを持っていれば
2:1組みの提唱者という縛りにとらわれずに
左右同数の12+12の24Hにしたほうが
まだ いくらかマシなホイールになったでしょうが。
左右同数の24Hとか それ ただの普通のホイールやんけ!と
思うかもしれませんが、その通りです。
普通でないスポークアレンジメントにした結果
普通以下のホイールになったというのが このロヴァ―ルなので。
この後輪も左右同径組みなので、
第1STが高い側が第2STも高いことが断言できるわけですが



フリー側のH1STは101、97、97で



反フリー側は103、100、99でした。
私は 反フリー側ラジアル組みの後輪は好きではありませんが、
2:1組みの後輪は反フリー側ラジアル組みをせざるを得ません。
ヨンゼロ組み相当かロクゼロ組み相当か、
オチョコ量の多寡や ハブ寸法によっても変わりますが
2:1組みの後輪の反フリー側をタンジェント組みした場合、
反フリー側のほうが高テンションになります。
リムの許容限界スレスレまで スポークテンション(第2ST)を張るとして、
先に袋小路で打ち止めになるのが 反フリー側になり、
結果 フリー側の第2STが反フリー側の100%未満になるというのは
後輪が受ける力の向きや性質を考えると
どう考えても よろしくありません。
で、今回の この後輪の左右差ですが私が思っていたより 小さな差でした。
平均を採れば間違いなく反フリー側のほうが高テンションですが、
ほぼ同じと言っていい程度の差しかありません。
で、先ほどのスピード40DBの後輪のH1STが だいたい120前後、
このCL50の後輪が100前後なので フルクラムのほうが優秀!
・・・という短絡的な論調にはなりません。
フルクラムのほうが優秀という点は間違いないですが。
この2つの後輪、実は第2STは ほぼ同じです。
何が違うのかというと、どちらのホイールも左右同径組みだと書きましたが
それぞれのホイールのスポークの番手が同じだとは書いていません。
スピード40DBのスポークは2.0-1.8-2.0mmで、
CL50のスポークは DTのコンペではなく コンペレースなので
2.0-1.6-2.0mmです。
スポークが細くなると 同じ第2STのときの
第1STの数値は小さくなります。
リム高や スポークの本数が同じだとして、
「同じスポークテンション(第2ST)の場合 ホイールの硬さも同じになる!」
わけではなく、むしろスポークの変形しにくさの評価基準としては
第1STのほうが参考になるのではないかと 私が考えるのは
このあたりのことが理由です。
「じゃあ、CL50をコンペレースのままで
H1STで120くらいまで張ればいいじゃん!」と言われそうですが
丸断面のバテッド径が1.6mmや1.5mmとなると、
そこに至るまでに スポークが うにょーんを起こす第2ST域に突っ込みます。
なので スポーク比重が小さいスポークを使うのであれば
バテッド部分が加工硬化していて うにょーんが起きない、
反面 降伏点と破断点が非常に近くて
仮に うにょーんが起きた場合 そのすぐ先でバツ―ン!と破断するものの
それが ほぼ全てのリムの許容限界より上なので
ホイール組みにおいて 実質 青天井というスポーク、
いわゆるエアロスポークにする必要があります。
これも何度も書いていますが
扁平スポークが その形状から「エアロスポーク」と呼ばれることで
一般的には 第一義が空力特性にあると思われているようですが、
私が重視しているのは「低いスポーク比重なのに張れる」という点です。
もちろん、扁平部分を わざわざ風を受ける向きにする必要は無く
風を切る向きにしたほうがいいのは 確かなので、
エアロスポークのエアロ的な面を軽視しているわけではありません。
逆に、スピード40DBの後輪を H1STが100になるくらいまで
ゆるめてあげれば CL50に近い乗り味になるとは思います(笑)。
そんなことは誰もしないというのに、CL50を買う人はいるという不思議。
おっと、ロヴァ―ルの場合は完成車に付いてくるというイヤガラセで
世にバラまかれているという点があるので それを忘れてはいけなかったな。
CL50を コンペレースではなくコンペで組めば
多少 マシなホイールになるはずです。
そうしないのはロヴァ―ルがホイールのことを深く考えていないからです。
これより もっと ナメたホイールだなあと思うのは
ラピーデCLXの前輪の12+6の18Hの前輪ですが。
ただ、スポーク比重を スピード40DBに合わせても
まだ追いつかない部分が いくつかあります。
大きなところでは 左フランジ幅と フリー側の最終交差の挟角です。
CL50の左右の第2STの差は 私の予想に反して
ごくごく小さいものでしたが、
フリー側の最終交差のペアのスポークを2本まとめて にぎにぎすると
黒の丸スポークということもあり カキカキと鳴って たわみます。
スポークテンション(第2ST)だけで
ホイールの硬さが決まるわけではないということです。
もし「スポークテンションさえ しっかり確保できれば
ホイールを横から見たときのスポークの角度は どうでもいい」
というのであれば 後輪は左右ともラジアル組みでもいいはずです。
ロヴァ―ルの後輪のフリー側のスポークの角度は
それに近くなっています。これは そこそこ大要素です。
私が普段やっているヨンロク組みも
フリー側をラジアル組みに近くしていますが、
それは左右同数組みだからというのと
結線をする反フリー側の最終交差を
ハブとリムの中間になるべく近く出来るという
結線ありきの理由もあります。
おっと これはメシノタネコードに突っ込んでいるから これ以上書かないぞ。
左右同数組みと異数組みでは そのあたりの要素の大小が変わります。
それ以前に「首折れスポークで2:1組みをするのは
反フリー側のスポークの首とびリスクが高すぎる」という
マイナスの要素(勘案すべきこと)が大きすぎるので
私は めったなことでは2:1組みをしませんが。

ホイールを組み直しました。

黒CX-RAYと黒CXスプリントの逆異径組みです。
わりと張ったつもりですが


反フリー側のスポークにぎにぎが ほぼ不動なのに対し
フリー側は最終交差が動く程度には たわみます。
まあ これはあとで結線をして殺すんですが。



組み直し後のフリー側のH1STは128、131、132で



反フリー側が137、138、133でした。
逆異径組み+2:1組みで反フリー側タンジェント組みなので
反フリー側のほうが第1STが大きくなるのは確実なのですが、
これも 私の予想よりも差が小さかったです。
反フリー側が これなら
フリー側は平均125くらいになると思っていました。
わりと最初のほうに書いていますが、
扁平スポークを この向きで測ると数値は大きくなります。


組み直し後のホイールについては
センターが出ていることは 当然ながら請け負いますが、
実は 元のCL50のホイールセンターを見ていません。
なので ずれていた場合、かすかながら
H1STの左右差が信用できないということになりますが
まあ それほど大きく狂ってはいなかっただろうというのと
仮に微細にずれていた場合 張って直すのと
ゆるめて直すのと どちらも恣意的な操作になりそうなので
あえて見なかったというのもあります(言い訳)。
元のCL50が(センターが出ていたと仮定して)
左右同径組みで第1STも ほぼ同じだったので、
組み直し後の左右逆異径組みは 第1STに
一応 有意な左右差がありますが
第2STの左右差は無いということになります。
ホーザンのテンションメーターの換算表は
プレーンスポークの場合しか載っていませんが、
第1STと第2STの関係を利用すれば 片側を14番プレーン、
もう片側をCX-RAYやCXスプリントなどの扁平スポークにした
左右ラジアル組みの前輪で、ホイールセンターを保ちつつ
テンションの上げ下げをして数値を採れば
「扁平スポークを前後方向から挟んだときのH1STに対する
第2STの換算表」を作れます。
これと、DTのテンションメーターのD1STと
エアロライト(CX-RAYと同じものだと見なす)の換算表を使って
あるD1ST(第2ST)のときの H1STとの比較をした場合の表は、
当たり前ですが ほぼ一致します。
完全に一致すると書きたいところですが、ずれが大きくなるのは
とても ホイールとして成立しないような 低テンション域で、
100kgfや120kgfのあたりでは
実使用上 問題ない程度の精度におさまりました。

表題と別件で 当店仕入れのフルクラムのスピード40 DBを
今日 販売しました。

フルクラムのロゴ入りの赤いタイヤレバーが付属していました。

前輪はオチョコの関係上 2:1組みの1本側が
反ローター台座側になるので ラジアル組みでも大丈夫だと思いますが、
後輪はローター台座側であっても ラジアル組みにするという
なかなかのイカレっぷりです(一応 誉め言葉です念のため)。
スポーク1本に対して あまりにも堅牢なフランジを設けているなど
対策は ちゃんとしていますが。
スポークヘッドの位置している部分が ハブ体からオーバーハングしていて
フランジ幅が広くなっているのも重要なポイントです。
それでひどくなるスポークテンションの左右差は
他の点で 何とかできる可能性はありますが、
フランジ幅が狭いのを スポークテンションや
スポークの番手で取り戻すことは不可能です。
このホイールですが、丸断面のバテッドスポークで組まれていて
ある程度リム高があるからか 左右異径ではなく同径組みとなっています。
そして左右同径組みであった場合、
第1スポークテンションと第2スポークテンション(以下ST)の
大小を比較することが可能です。
ただ、第1STと第2STの関係は
比例直線ではなく 弓なり曲線なので、
たとえば 第1STのフリー側と反フリー側の数値が
それぞれ120と100で 20%違いであったとしても
第2STの差も 20%違いになるとは限りません。
丸断面スポークは、テンションメーターの測定子を当てる向きで
第1STが変わることがありません。
扁平スポーク(エアロスポーク)の場合は
左右方向より前後方向、スポークの幅が広い側で当てたほうが
数値が大きくなります。
で、この後輪の左右の第1STを測ってみました。
テンションメーターはホーザンなので ここでの呼称はH1STです。



3つ採ったフリー側の数値は 126、123、125でした。



反フリー側は122、120、119でした。
フリー側のほうが かすかに張っているものの
だいたい同じくらいです。
この後輪、スポークをにぎにぎしても
左右とも ほとんどたわみがありません。
今日もホイー(以下略)。

ロヴァ―ルのCL50の後輪を組み直しました。
先日 組み直した前輪の相方です。

左右同径 丸断面バテッドスポークで、
前輪が21Hであるところ 反フリー側をタンジェント組みしている関係上
スポークの本数が偶数である必要があるので
16+8の24Hとなっています。
反フリー側を びびってタンジェント組みしていますが、
ストレートスポークとはいえ むしろこれが正常な判断です。
もうちょっと柔軟な考えを持っていれば
2:1組みの提唱者という縛りにとらわれずに
左右同数の12+12の24Hにしたほうが
まだ いくらかマシなホイールになったでしょうが。
左右同数の24Hとか それ ただの普通のホイールやんけ!と
思うかもしれませんが、その通りです。
普通でないスポークアレンジメントにした結果
普通以下のホイールになったというのが このロヴァ―ルなので。
この後輪も左右同径組みなので、
第1STが高い側が第2STも高いことが断言できるわけですが



フリー側のH1STは101、97、97で



反フリー側は103、100、99でした。
私は 反フリー側ラジアル組みの後輪は好きではありませんが、
2:1組みの後輪は反フリー側ラジアル組みをせざるを得ません。
ヨンゼロ組み相当かロクゼロ組み相当か、
オチョコ量の多寡や ハブ寸法によっても変わりますが
2:1組みの後輪の反フリー側をタンジェント組みした場合、
反フリー側のほうが高テンションになります。
リムの許容限界スレスレまで スポークテンション(第2ST)を張るとして、
先に袋小路で打ち止めになるのが 反フリー側になり、
結果 フリー側の第2STが反フリー側の100%未満になるというのは
後輪が受ける力の向きや性質を考えると
どう考えても よろしくありません。
で、今回の この後輪の左右差ですが私が思っていたより 小さな差でした。
平均を採れば間違いなく反フリー側のほうが高テンションですが、
ほぼ同じと言っていい程度の差しかありません。
で、先ほどのスピード40DBの後輪のH1STが だいたい120前後、
このCL50の後輪が100前後なので フルクラムのほうが優秀!
・・・という短絡的な論調にはなりません。
フルクラムのほうが優秀という点は間違いないですが。
この2つの後輪、実は第2STは ほぼ同じです。
何が違うのかというと、どちらのホイールも左右同径組みだと書きましたが
それぞれのホイールのスポークの番手が同じだとは書いていません。
スピード40DBのスポークは2.0-1.8-2.0mmで、
CL50のスポークは DTのコンペではなく コンペレースなので
2.0-1.6-2.0mmです。
スポークが細くなると 同じ第2STのときの
第1STの数値は小さくなります。
リム高や スポークの本数が同じだとして、
「同じスポークテンション(第2ST)の場合 ホイールの硬さも同じになる!」
わけではなく、むしろスポークの変形しにくさの評価基準としては
第1STのほうが参考になるのではないかと 私が考えるのは
このあたりのことが理由です。
「じゃあ、CL50をコンペレースのままで
H1STで120くらいまで張ればいいじゃん!」と言われそうですが
丸断面のバテッド径が1.6mmや1.5mmとなると、
そこに至るまでに スポークが うにょーんを起こす第2ST域に突っ込みます。
なので スポーク比重が小さいスポークを使うのであれば
バテッド部分が加工硬化していて うにょーんが起きない、
反面 降伏点と破断点が非常に近くて
仮に うにょーんが起きた場合 そのすぐ先でバツ―ン!と破断するものの
それが ほぼ全てのリムの許容限界より上なので
ホイール組みにおいて 実質 青天井というスポーク、
いわゆるエアロスポークにする必要があります。
これも何度も書いていますが
扁平スポークが その形状から「エアロスポーク」と呼ばれることで
一般的には 第一義が空力特性にあると思われているようですが、
私が重視しているのは「低いスポーク比重なのに張れる」という点です。
もちろん、扁平部分を わざわざ風を受ける向きにする必要は無く
風を切る向きにしたほうがいいのは 確かなので、
エアロスポークのエアロ的な面を軽視しているわけではありません。
逆に、スピード40DBの後輪を H1STが100になるくらいまで
ゆるめてあげれば CL50に近い乗り味になるとは思います(笑)。
そんなことは誰もしないというのに、CL50を買う人はいるという不思議。
おっと、ロヴァ―ルの場合は完成車に付いてくるというイヤガラセで
世にバラまかれているという点があるので それを忘れてはいけなかったな。
CL50を コンペレースではなくコンペで組めば
多少 マシなホイールになるはずです。
そうしないのはロヴァ―ルがホイールのことを深く考えていないからです。
これより もっと ナメたホイールだなあと思うのは
ラピーデCLXの前輪の12+6の18Hの前輪ですが。
ただ、スポーク比重を スピード40DBに合わせても
まだ追いつかない部分が いくつかあります。
大きなところでは 左フランジ幅と フリー側の最終交差の挟角です。
CL50の左右の第2STの差は 私の予想に反して
ごくごく小さいものでしたが、
フリー側の最終交差のペアのスポークを2本まとめて にぎにぎすると
黒の丸スポークということもあり カキカキと鳴って たわみます。
スポークテンション(第2ST)だけで
ホイールの硬さが決まるわけではないということです。
もし「スポークテンションさえ しっかり確保できれば
ホイールを横から見たときのスポークの角度は どうでもいい」
というのであれば 後輪は左右ともラジアル組みでもいいはずです。
ロヴァ―ルの後輪のフリー側のスポークの角度は
それに近くなっています。これは そこそこ大要素です。
私が普段やっているヨンロク組みも
フリー側をラジアル組みに近くしていますが、
それは左右同数組みだからというのと
結線をする反フリー側の最終交差を
ハブとリムの中間になるべく近く出来るという
結線ありきの理由もあります。
おっと これはメシノタネコードに突っ込んでいるから これ以上書かないぞ。
左右同数組みと異数組みでは そのあたりの要素の大小が変わります。
それ以前に「首折れスポークで2:1組みをするのは
反フリー側のスポークの首とびリスクが高すぎる」という
マイナスの要素(勘案すべきこと)が大きすぎるので
私は めったなことでは2:1組みをしませんが。

ホイールを組み直しました。

黒CX-RAYと黒CXスプリントの逆異径組みです。
わりと張ったつもりですが


反フリー側のスポークにぎにぎが ほぼ不動なのに対し
フリー側は最終交差が動く程度には たわみます。
まあ これはあとで結線をして殺すんですが。



組み直し後のフリー側のH1STは128、131、132で



反フリー側が137、138、133でした。
逆異径組み+2:1組みで反フリー側タンジェント組みなので
反フリー側のほうが第1STが大きくなるのは確実なのですが、
これも 私の予想よりも差が小さかったです。
反フリー側が これなら
フリー側は平均125くらいになると思っていました。
わりと最初のほうに書いていますが、
扁平スポークを この向きで測ると数値は大きくなります。


組み直し後のホイールについては
センターが出ていることは 当然ながら請け負いますが、
実は 元のCL50のホイールセンターを見ていません。
なので ずれていた場合、かすかながら
H1STの左右差が信用できないということになりますが
まあ それほど大きく狂ってはいなかっただろうというのと
仮に微細にずれていた場合 張って直すのと
ゆるめて直すのと どちらも恣意的な操作になりそうなので
あえて見なかったというのもあります(言い訳)。
元のCL50が(センターが出ていたと仮定して)
左右同径組みで第1STも ほぼ同じだったので、
組み直し後の左右逆異径組みは 第1STに
一応 有意な左右差がありますが
第2STの左右差は無いということになります。
ホーザンのテンションメーターの換算表は
プレーンスポークの場合しか載っていませんが、
第1STと第2STの関係を利用すれば 片側を14番プレーン、
もう片側をCX-RAYやCXスプリントなどの扁平スポークにした
左右ラジアル組みの前輪で、ホイールセンターを保ちつつ
テンションの上げ下げをして数値を採れば
「扁平スポークを前後方向から挟んだときのH1STに対する
第2STの換算表」を作れます。
これと、DTのテンションメーターのD1STと
エアロライト(CX-RAYと同じものだと見なす)の換算表を使って
あるD1ST(第2ST)のときの H1STとの比較をした場合の表は、
当たり前ですが ほぼ一致します。
完全に一致すると書きたいところですが、ずれが大きくなるのは
とても ホイールとして成立しないような 低テンション域で、
100kgfや120kgfのあたりでは
実使用上 問題ない程度の精度におさまりました。
category: スポークテンションの話
のむラボホイール5号の前輪を組みましたがバックオーダーには関係ありません 
2018/06/18 Mon. 17:22 [edit]
私はこれまで 左右異径組みでスポークテンションの左右差が是正される、
という表現をしてきましたが それについてコメントをいただきました。
「異径組をした時にテンションが変わるというのは完全に間違っているとおもいます。
テンション両側で釣り合っているので片側だけ変わりようがないのです。」
とのことです。
はい、実は これそのものは正しいです。
それとは別に
「第なんとかテンションという勝手な定義もやめてほしいです。」
とありましたが これはそういうわけにはいきません。
今日は そのあたりのことについて書きます。

今日もホイー(以下略)。に関してノーカウントな
のむラボホイール5号の前輪を組みました。

リムに はじめから傷があるので売り物にはなりません。
きれいに削って売り物ではないホイールに 後日 組み換える予定はあります。

ブラッックハブ20H 全チャンピ反ヌポークラジアル組みで、
わざわざ書くことでもないですが 縦横振れをキッチリ追い込み
センタードンピシャです。
で、全チャンピではありますが


片側を14番プレーン、もう片側を15番プレーンで組んでいます。

私はテンションメーターに出る数値を 第1スポークテンション、
それを換算表に落とし込んだ一般的な意味でのスポークテンションを
第2スポークテンションと呼んでいますが、
これは他人に押しつけているわけではないので
嫌だというなら 私のいうところの第2STだけを「スポークテンション」と呼んで
それで把握できる範囲でのみ ホイールを組んだり 評価したりすればいいのです。
誰かに やめろと言われる筋合いはありません。
第1STもスポークテンションの多寡で変わる数値には違いないので
私は スポークテンションの一種として扱っていて、
それを基に第2STが分かるので(第2STのほうが後)
一般的な意味のスポークテンションを2番目にしています。

先ほどのホイール、第2STが1000N付近になるように組みました。
14番プレーンと15番プレーンにしたのは
ホーザンのテンションメーターの換算表を そのまま使えるようにするためです。
1000Nのときの ホーザンでの第1ST(H1ST)は
14番で130、15番で116となっています。

同様に、DTのテンションメーターでの第1ST(D1ST)も調べます。
横に3行あるうちの左が15番、真ん中が14番ですが

第2ST 1000N近辺の数値は このようになっています。
ホーザンの換算表は1000Nの次が1300Nとなっていて
実用上 問題がある程度には開いているので、
D1STで 1100Nや1200Nに相当するときのH1STを別に調べてあります。
私にとってはDTのテンションメーターが いわゆる「原器」で、
ホーザンは日常使い用です。
DTのほうが(なにせスポークメーカーなので)
いろんなバテッドスポークに対して換算表が個別にありますが、
工具としての使用感はホーザンのほうが簡便です。

スポークテンション(←これは第1も第2も)に多少のバラつきがあるものの
14番側で H1STが ほぼ130のスポークを見つけました。
これのD1STは2.19になるはずですが、

2.16でした。誤差の範囲です。
ホーザンの換算表では第1STから第2STへの変換は
13・14・15番プレーンの3種類だけに限られますので、
コンペティションやCX-RAY(エアロライトと同じと見做す)などの場合は
それらのD1STから調べ上げたH1STでの換算表を作る必要があります。
14番側がH1STとD1STで1000Nと判定されるということは、
15番側はH1STで116近辺、D1STで1.77近辺になるはずですが


だいたいそれぐらいになるスポークを
バラつきの中から恣意的に探しました。
これから分かることは、左右異径組みをしたときに
第2STは変わらない ということです。
が、スポークの断面積が違うので 変形しにくさは異なります。
スポークの変形しにくさは第2STだけで決まるものではなく、
断面積(番手・スポーク比重)も関係しているからです。
それを なるべく数値化して把握したいと思って考えたのが
第3STであり、これはメシノタネコードなので詳しく書くことはありません。
私の、ホイールに組み付けられたスポークの評価基準は 実は第3STであり、
第3STの数値と 私または他人が組んだ手組みホイールや
完組みホイールの世間的な評価は だいたい合致するので
それを基に オチョコがあるホイールのスポークの番手や
組み方を決めるようにしています。
なので、オチョコのあるハブでの左右異径組みで
スポークテンションの左右差が是正されるという
表現をしたのは、第2STではなく 第3STです。その点は申し訳ありません。
実は過去にも 第3STの意味でスポークテンションという
単語を使っている箇所はあります。
リムが規定している限界指定テンションは 第2STですが、
第2STだけでホイールを考えると
「チャンピオンとレボリューションでそれぞれ組まれた
スポークテンション1000Nのラジアル組みの前輪の硬さは、
スポークテンションが同じなので どちらも一緒」という
勘違いをすることにも なりかねません。もちろん、そんなことはありません。
つづいて「第なんとかテンションという勝手な定義もやめてほしいです」について。
知るかボケ。お前が使わんかったら ええだけやろ。
と言うだけでは あれなので 第1STの考え方なくして組めないホイールの例を挙げます。


カンパニョーロのアルミスポークのホイールですが、
当初は上にあるような資料が手に入らなかったので
「吊るしの後輪のフリー側でH1STが240に達しているものは ほとんど無く、
張っている個体の張っている位相で 235近辺」ということだけしか
分かっていなかったので リムの交換や増し締めの際には
それを基準にしていました。
現在では、リヤ右で D1STを1.75上限で組めばよい
ということが分かっています(でも H1STで235、のほうを採用していますが)。
ちなみに、アルミスポークは 第3STでは非常に高い評価となります。

↑これはローヴァルのホイールのインスペクションシートですが、
画像の一番下の0.41などとあるのが 後輪のスポークテンションです。
で、これは第2STではなく D1STです。
確かに、同じスペックのホイールを大量に組むのであれば
換算表と見比べる必要が無い第1STのほうを基準にしたほうが簡便です
(これは のむラボホイールにも言えることですが)。
あと、ホイール組みをする素人さんで
パークツールのテンションメーターを使っている人が多いと思いますが、
何本か組んで慣れてくると 換算表を見ずに
P1ST(パークツールのテンションメーターの第1ST)が
基準になってしまうという人も多いのではないでしょうか。
冒頭のようなコメントをいただく際に
「あんたは物理の基本すら分かってない」とか
「物理が分かる人には笑われるだけ」
ということを言われたりすることもあるのですが、
では その物理の基本とやらに則って
世に問えるだけのホイールを実際に組み上げた例があるかというと、
私の知る限り ありません(本当に無いんだわ これが)。
実践が伴っていなければ「学者バカのタワゴト」に過ぎないのです。
もし出来るっていうなら、どーぞ ホイールを組んだうえで
これは アホののむラボが組むより優れたホイールだと おっしゃってくださいませ。
私は ZIPPやレイノルズやシマノの後輪を のむラボメソッドで組み直して
「前より悪くなった」と言われたことは無いですし、
組み直しの結果 シュータッチなどが起きなくなったということも多々ありますが、
例えばその 私が組み直したレイノルズの後輪を
さらに組み直して 体感レベルで違いが分かるだけの差を得られるような、
そういうホイール組みが出来るのかどうかという話です。
あと、ZIPP・レイノルズ・シマノあたりの後輪は
物理の基本すらわかっていない私の考えにすら劣った設計なわけですね。
このことは実践によって証明されています。
私なりに 現状の のむラボホイールを超えるようなアイデアが
無いわけでは無いのですが、それで おもにやりたいことは
「ハブの寸法を自在に決める」という メーカーでないと手出しできない部分になります。
が、カンパニョーロとフルクラム・ライトウェイトなどで
すでに それらを(それぞれ形は違いますが)実践していて、
手組みホイールでは出来ない領分に 突っ込んだホイールを出しています。
(次点でマヴィック・コリマなど。それ以外のメーカーは だいたい
ストレートスポークで組んである以外は 手組みホイールとほぼ同じです。
これはホイールの理屈の話であって、
ENVE・ZIPP・レイノルズなどはリム屋さんなので リムは非常に優秀です。)
ボーラワンが5万円くらいで入手できるなら
のむラボホイールを組む必要は無いかもしれません。
あと 具体的な話を ここには書かないものの、お客さんに
「のむラボホイール○号と すでに持っていた××の完組みホイールでは
どっちが走りますか、平地では?登りでは?かかりがいいのは?」
と よく訊くのですが、これは第3STのためのデータ集めです。フヒヒ。
という表現をしてきましたが それについてコメントをいただきました。
「異径組をした時にテンションが変わるというのは完全に間違っているとおもいます。
テンション両側で釣り合っているので片側だけ変わりようがないのです。」
とのことです。
はい、実は これそのものは正しいです。
それとは別に
「第なんとかテンションという勝手な定義もやめてほしいです。」
とありましたが これはそういうわけにはいきません。
今日は そのあたりのことについて書きます。

今日もホイー(以下略)。に関してノーカウントな
のむラボホイール5号の前輪を組みました。

リムに はじめから傷があるので売り物にはなりません。
きれいに削って売り物ではないホイールに 後日 組み換える予定はあります。

ブラッックハブ20H 全チャンピ反ヌポークラジアル組みで、
わざわざ書くことでもないですが 縦横振れをキッチリ追い込み
センタードンピシャです。
で、全チャンピではありますが


片側を14番プレーン、もう片側を15番プレーンで組んでいます。

私はテンションメーターに出る数値を 第1スポークテンション、
それを換算表に落とし込んだ一般的な意味でのスポークテンションを
第2スポークテンションと呼んでいますが、
これは他人に押しつけているわけではないので
嫌だというなら 私のいうところの第2STだけを「スポークテンション」と呼んで
それで把握できる範囲でのみ ホイールを組んだり 評価したりすればいいのです。
誰かに やめろと言われる筋合いはありません。
第1STもスポークテンションの多寡で変わる数値には違いないので
私は スポークテンションの一種として扱っていて、
それを基に第2STが分かるので(第2STのほうが後)
一般的な意味のスポークテンションを2番目にしています。

先ほどのホイール、第2STが1000N付近になるように組みました。
14番プレーンと15番プレーンにしたのは
ホーザンのテンションメーターの換算表を そのまま使えるようにするためです。
1000Nのときの ホーザンでの第1ST(H1ST)は
14番で130、15番で116となっています。

同様に、DTのテンションメーターでの第1ST(D1ST)も調べます。
横に3行あるうちの左が15番、真ん中が14番ですが

第2ST 1000N近辺の数値は このようになっています。
ホーザンの換算表は1000Nの次が1300Nとなっていて
実用上 問題がある程度には開いているので、
D1STで 1100Nや1200Nに相当するときのH1STを別に調べてあります。
私にとってはDTのテンションメーターが いわゆる「原器」で、
ホーザンは日常使い用です。
DTのほうが(なにせスポークメーカーなので)
いろんなバテッドスポークに対して換算表が個別にありますが、
工具としての使用感はホーザンのほうが簡便です。

スポークテンション(←これは第1も第2も)に多少のバラつきがあるものの
14番側で H1STが ほぼ130のスポークを見つけました。
これのD1STは2.19になるはずですが、

2.16でした。誤差の範囲です。
ホーザンの換算表では第1STから第2STへの変換は
13・14・15番プレーンの3種類だけに限られますので、
コンペティションやCX-RAY(エアロライトと同じと見做す)などの場合は
それらのD1STから調べ上げたH1STでの換算表を作る必要があります。
14番側がH1STとD1STで1000Nと判定されるということは、
15番側はH1STで116近辺、D1STで1.77近辺になるはずですが


だいたいそれぐらいになるスポークを
バラつきの中から恣意的に探しました。
これから分かることは、左右異径組みをしたときに
第2STは変わらない ということです。
が、スポークの断面積が違うので 変形しにくさは異なります。
スポークの変形しにくさは第2STだけで決まるものではなく、
断面積(番手・スポーク比重)も関係しているからです。
それを なるべく数値化して把握したいと思って考えたのが
第3STであり、これはメシノタネコードなので詳しく書くことはありません。
私の、ホイールに組み付けられたスポークの評価基準は 実は第3STであり、
第3STの数値と 私または他人が組んだ手組みホイールや
完組みホイールの世間的な評価は だいたい合致するので
それを基に オチョコがあるホイールのスポークの番手や
組み方を決めるようにしています。
なので、オチョコのあるハブでの左右異径組みで
スポークテンションの左右差が是正されるという
表現をしたのは、第2STではなく 第3STです。その点は申し訳ありません。
実は過去にも 第3STの意味でスポークテンションという
単語を使っている箇所はあります。
リムが規定している限界指定テンションは 第2STですが、
第2STだけでホイールを考えると
「チャンピオンとレボリューションでそれぞれ組まれた
スポークテンション1000Nのラジアル組みの前輪の硬さは、
スポークテンションが同じなので どちらも一緒」という
勘違いをすることにも なりかねません。もちろん、そんなことはありません。
つづいて「第なんとかテンションという勝手な定義もやめてほしいです」について。
知るかボケ。お前が使わんかったら ええだけやろ。
と言うだけでは あれなので 第1STの考え方なくして組めないホイールの例を挙げます。


カンパニョーロのアルミスポークのホイールですが、
当初は上にあるような資料が手に入らなかったので
「吊るしの後輪のフリー側でH1STが240に達しているものは ほとんど無く、
張っている個体の張っている位相で 235近辺」ということだけしか
分かっていなかったので リムの交換や増し締めの際には
それを基準にしていました。
現在では、リヤ右で D1STを1.75上限で組めばよい
ということが分かっています(でも H1STで235、のほうを採用していますが)。
ちなみに、アルミスポークは 第3STでは非常に高い評価となります。

↑これはローヴァルのホイールのインスペクションシートですが、
画像の一番下の0.41などとあるのが 後輪のスポークテンションです。
で、これは第2STではなく D1STです。
確かに、同じスペックのホイールを大量に組むのであれば
換算表と見比べる必要が無い第1STのほうを基準にしたほうが簡便です
(これは のむラボホイールにも言えることですが)。
あと、ホイール組みをする素人さんで
パークツールのテンションメーターを使っている人が多いと思いますが、
何本か組んで慣れてくると 換算表を見ずに
P1ST(パークツールのテンションメーターの第1ST)が
基準になってしまうという人も多いのではないでしょうか。
冒頭のようなコメントをいただく際に
「あんたは物理の基本すら分かってない」とか
「物理が分かる人には笑われるだけ」
ということを言われたりすることもあるのですが、
では その物理の基本とやらに則って
世に問えるだけのホイールを実際に組み上げた例があるかというと、
私の知る限り ありません(本当に無いんだわ これが)。
実践が伴っていなければ「学者バカのタワゴト」に過ぎないのです。
もし出来るっていうなら、どーぞ ホイールを組んだうえで
これは アホののむラボが組むより優れたホイールだと おっしゃってくださいませ。
私は ZIPPやレイノルズやシマノの後輪を のむラボメソッドで組み直して
「前より悪くなった」と言われたことは無いですし、
組み直しの結果 シュータッチなどが起きなくなったということも多々ありますが、
例えばその 私が組み直したレイノルズの後輪を
さらに組み直して 体感レベルで違いが分かるだけの差を得られるような、
そういうホイール組みが出来るのかどうかという話です。
あと、ZIPP・レイノルズ・シマノあたりの後輪は
物理の基本すらわかっていない私の考えにすら劣った設計なわけですね。
このことは実践によって証明されています。
私なりに 現状の のむラボホイールを超えるようなアイデアが
無いわけでは無いのですが、それで おもにやりたいことは
「ハブの寸法を自在に決める」という メーカーでないと手出しできない部分になります。
が、カンパニョーロとフルクラム・ライトウェイトなどで
すでに それらを(それぞれ形は違いますが)実践していて、
手組みホイールでは出来ない領分に 突っ込んだホイールを出しています。
(次点でマヴィック・コリマなど。それ以外のメーカーは だいたい
ストレートスポークで組んである以外は 手組みホイールとほぼ同じです。
これはホイールの理屈の話であって、
ENVE・ZIPP・レイノルズなどはリム屋さんなので リムは非常に優秀です。)
ボーラワンが5万円くらいで入手できるなら
のむラボホイールを組む必要は無いかもしれません。
あと 具体的な話を ここには書かないものの、お客さんに
「のむラボホイール○号と すでに持っていた××の完組みホイールでは
どっちが走りますか、平地では?登りでは?かかりがいいのは?」
と よく訊くのですが、これは第3STのためのデータ集めです。フヒヒ。
category: スポークテンションの話
スポークテンションを利用しているハブキャップの話 
2015/10/26 Mon. 22:17 [edit]
お客さんから のむラボホイール2.5号の前輪をお預かりしました。

ZIPPの18Hフロントハブで組んであります。

何かに巻き込んだのか、スポークが激しく曲がっています。
これの交換だけなら大したことではないのですが、
このハブのキャップは スポークテンションでフランジが開くことで
キャップを固定するようにできているので、

片側のスポーク全てを それなりにゆるめないと外れません。
正直 面倒です。

直しました。

根元がグキッと曲がっているスポークの
隣のスポークも曲がっていたので 交換しています。

ZIPPの18Hフロントハブで組んであります。

何かに巻き込んだのか、スポークが激しく曲がっています。
これの交換だけなら大したことではないのですが、
このハブのキャップは スポークテンションでフランジが開くことで
キャップを固定するようにできているので、

片側のスポーク全てを それなりにゆるめないと外れません。

直しました。

根元がグキッと曲がっているスポークの
隣のスポークも曲がっていたので 交換しています。
category: スポークテンションの話
エロイムエッサイム(コメントのお返事) 
2014/12/21 Sun. 02:05 [edit]
先日、DTのレボリューションスポークを使って ホイールを組みましたが、
うにょーんは出ませんでしたか?というようなコメントをいただきました。
前輪は全レボですが、うにょーんが確率的に発生しうる閾値ギリギリで組んでいます。
後輪はコンペ/レボですが、もしフリー側がレボだったなら
間違いなく うにょーんが発生する(コンペだから発生しない)張り具合で組みました。
左右異径組みをスポークの形状(丸とか扁平とか)に依らず
単にスポーク比重差で見るならコンペ/レボは
コンペ/CX-RAY(←半コンペ)と同等です。
コメントのお返事はここまでで、
次に うにょーんの発生について経験的に確かなことを書きます。

仮に24Hの前輪で考えてみます。
後輪でもいいのですが、後輪だとスポークテンションが
リム穴順で交互に上下します。
単純に考えたいので 前輪ということにします。
24Hにするのはオチのために六芒星を描きたいからで、
それ以上の意味はありません。
20Hだと五芒星になるので。
それはともかくリム穴の24Hに番号をふりました。

ホイール組みの最終仕上げのずっと前の段階で、
振れ取りではなく スポークの張りのためだけに
順番(上の図の番号順)に同じ量ずつ増し締めをしますが、

うにょーんは この増し締めの締め終わり付近で
最も発生しやすくなります。
これは経験上間違いありません。
例えば1000Nを超えると うにょーんが出始めるスポークであったとして、
定量的な増し締め前が950N、増し締め後が1020Nになるとすると
最後のほうは全てのスポークが1000Nを超えるわけですが
「ニップルを回されながら1000Nを超える」場合でないと
まず うにょーんは起きません。
ある1つのニップルを増し締めしたときの伸びのストレスと
そのときに起こっている他の23のニップルのテンション増のストレスは
同じではないということです。
前輪だと仮組みの段階で ほぼ組み終わりのテンションをいきなり狙えますが、
その手順を少なくしようとして例えば「一気にニップルを5周ずつ回す」などすると
うにょーんが出やすくなります。とくにリム1周の終わり付近で。
なのでそういう場合は「3周ずつ増し締めしたあと 2周ずつ増し締め」などとすると
うにょーんが出にくくなります。
さらに言うなら、5周なら「1周ずつ増し締め×5」や「半周ずつ増し締め×10」のほうが
スポークにやさしいのかも知れませんが
「ホイールが組めるまでの予定増し締め数」が見えているような場合は
なるべく少ない手順で組んでしまいます。
といっても私のホイール組みの範囲で
うにょーんが普通に起きうるのはDTのレボリューションと
サピムのレーザーくらいしかありませんから、
これらのスポークでない限りは そこまで気は遣いません。

うにょーんが起きにくくなるかもしれない
増し締め順というのを考えてみました。
まずは上の図のように三角形を描き
時計回りに番号をふっていきます。

次に、このように番号をふります。
六芒星で時計回りに1・4・2・5・3・6となりました。

つづいて位相をずらして同じことをします。
7~9の位置を決めました。

つづいて10~12の位置。

ここからは6つごとにいきます。13~18の位置を決めました。

最後に19~24。
この数字の順番でニップルを同量ずつ増し締めしていけば
うにょーんが起きにくくなるのでは?ということです。
しかし こんな面倒な組み方をしている最中に番号や位置を見失った場合、
縦振れがメチャクチャな状態になってしまいます。
やめたほうがいいですね。

しかも この順番は
邪神 黒ヤギさん(→こちら)の召喚プロセスに酷似していますので
何かの間違いで異界との扉を開いてしまうかもしれません。
黒ヤギさんは紙、とくに手紙や証書の類が好物で
ひとしきり食べ尽くすまでは帰ってくれません。
たとえ事実であっても 税務署には
「領収証は黒ヤギさんが食べてしまいました」という
言い訳は通じませんので 気をつけないといけません。
うにょーんは出ませんでしたか?というようなコメントをいただきました。
前輪は全レボですが、うにょーんが確率的に発生しうる閾値ギリギリで組んでいます。
後輪はコンペ/レボですが、もしフリー側がレボだったなら
間違いなく うにょーんが発生する(コンペだから発生しない)張り具合で組みました。
左右異径組みをスポークの形状(丸とか扁平とか)に依らず
単にスポーク比重差で見るならコンペ/レボは
コンペ/CX-RAY(←半コンペ)と同等です。
コメントのお返事はここまでで、
次に うにょーんの発生について経験的に確かなことを書きます。

仮に24Hの前輪で考えてみます。
後輪でもいいのですが、後輪だとスポークテンションが
リム穴順で交互に上下します。
単純に考えたいので 前輪ということにします。
24Hにするのはオチのために六芒星を描きたいからで、
それ以上の意味はありません。
20Hだと五芒星になるので。
それはともかくリム穴の24Hに番号をふりました。

ホイール組みの最終仕上げのずっと前の段階で、
振れ取りではなく スポークの張りのためだけに
順番(上の図の番号順)に同じ量ずつ増し締めをしますが、

うにょーんは この増し締めの締め終わり付近で
最も発生しやすくなります。
これは経験上間違いありません。
例えば1000Nを超えると うにょーんが出始めるスポークであったとして、
定量的な増し締め前が950N、増し締め後が1020Nになるとすると
最後のほうは全てのスポークが1000Nを超えるわけですが
「ニップルを回されながら1000Nを超える」場合でないと
まず うにょーんは起きません。
ある1つのニップルを増し締めしたときの伸びのストレスと
そのときに起こっている他の23のニップルのテンション増のストレスは
同じではないということです。
前輪だと仮組みの段階で ほぼ組み終わりのテンションをいきなり狙えますが、
その手順を少なくしようとして例えば「一気にニップルを5周ずつ回す」などすると
うにょーんが出やすくなります。とくにリム1周の終わり付近で。
なのでそういう場合は「3周ずつ増し締めしたあと 2周ずつ増し締め」などとすると
うにょーんが出にくくなります。
さらに言うなら、5周なら「1周ずつ増し締め×5」や「半周ずつ増し締め×10」のほうが
スポークにやさしいのかも知れませんが
「ホイールが組めるまでの予定増し締め数」が見えているような場合は
なるべく少ない手順で組んでしまいます。
といっても私のホイール組みの範囲で
うにょーんが普通に起きうるのはDTのレボリューションと
サピムのレーザーくらいしかありませんから、
これらのスポークでない限りは そこまで気は遣いません。

うにょーんが起きにくくなるかもしれない
増し締め順というのを考えてみました。
まずは上の図のように三角形を描き
時計回りに番号をふっていきます。

次に、このように番号をふります。
六芒星で時計回りに1・4・2・5・3・6となりました。

つづいて位相をずらして同じことをします。
7~9の位置を決めました。

つづいて10~12の位置。

ここからは6つごとにいきます。13~18の位置を決めました。

最後に19~24。
この数字の順番でニップルを同量ずつ増し締めしていけば
うにょーんが起きにくくなるのでは?ということです。
しかし こんな面倒な組み方をしている最中に番号や位置を見失った場合、
縦振れがメチャクチャな状態になってしまいます。
やめたほうがいいですね。

しかも この順番は
邪神 黒ヤギさん(→こちら)の召喚プロセスに酷似していますので
何かの間違いで異界との扉を開いてしまうかもしれません。
黒ヤギさんは紙、とくに手紙や証書の類が好物で
ひとしきり食べ尽くすまでは帰ってくれません。
たとえ事実であっても 税務署には
「領収証は黒ヤギさんが食べてしまいました」という
言い訳は通じませんので 気をつけないといけません。
category: スポークテンションの話
コメントのお返事など 
2014/03/01 Sat. 20:26 [edit]
スポークテンションとメーターの話でコメントをいただきました。
記事のあとに追記してもいいのですが 記事自体が長いので
(メーターの話と第3のスポークテンションの話をいっぺんにしたからですが)
別記事にします。
えーと まずは
「ややこしいことせずに両ネジのスポーク用意して錘吊って
自分で較正したらいいじゃないですか… というのはだめですか?」
というコメントをいただきました。
なるほど!信頼に足るスポークから 工具のアタリを逆転写で取るということですね。
その信頼に足る装置を自作する自信がありません・・・。

↑こういうのはどうでしょう。「1000N原器」です。
白金とイリジウムの分厚い合金の枠の中に
ハープの弦のように1000Nでスポークが張ってあるという原器です。
コメントのご提案より はるかに大掛かりで実質製造不可能じゃないか
というツッコミもありますが、
それ以前に経年変化でスポークの部分がすぐに狂いそうです。
すぐに、というのは枠の部分の不変具合と比べて、という意味ですよ。
つづいて
「DTのメーターは触ったこともありませんが、
こいつを基準器にして頑張って校正したTM-1を2つ以上用意すれば」
おっとこれ以上は引用できないぜ。危ないところだった。
第4のスポークテンションとは何なのか?ですが、
詳しくは書けませんが「精度的に同じ」メーターを2つ以上用意するのは
手段であって 目的ではありません。
2つ用意して初めて出来る・分かることがあるのです。
「同じ」TM-1を2つ用意するのは非常に難しいと思われます。
DTとホーザンは測定子のばねの縮み「だけ」が調整ポイントですが
パークツールはカシメのガタ具合や 握ったときの摺動部など
調整ポイントが複数あるので同じコンディションのものを
調整で得られるかどうかというと厳しそうです。
「カシメが固いけれど 針の部分が摺れていない」ものと
「カシメがゆるいけれど 針の部分が摺れている」ものとを
同じ状態に持っていくのは無理っぽいです。
測定子の調整だけでいいならホーザン2つでもいいのですが、
DTの換算表とからめる必要があるのでDT2つのほうが都合がいいのです。


↑DTのカシメ部分はベアリング入りです。
ばねの返りが非常にスムーズなので 個体差は生じにくいと思われます。
ここからは おまけの記事です。
コメントのお返事ではありません。

700Cの80mm高リムの内径と
24インチのローハイトリムの内径は ほぼ同じです。
私はよく のむラボホイール3号を組んだときに
「スポークにぎにぎ時の変形量がほぼゼロだぜフヒヒ」などと言いますが
同じスポーク長さのホイールである24インチのホイールでは
そういった現象はあまり見られません。
きっとリムの内周部(上の図の青い円)がスポークテンションによって
内側にひずむ量がリムの剛性によって変わるのでしょう。
しかしスポークが短くなれば スポークテンションなりの変形量が
少なくなることは確かです。
16インチの小径ホイールくらいになると そういうことも意識しないといけません。

何が言いたいかというと、スポークが短くなると
第2テンションの割りに第1テンションが高くなるということです。
しかし第1→第2の変換の際の
「2.0mmチャンピオンは2.2mmで1000N」という情報の中には
スポーク長さが含まれていません。
極端に長いスポークと短いスポークでは
厳密には変換表の弓なり曲線の形と位置が変わってくるはずなのです。
ディープリムとテンションメーターでは テンションメーターのほうが先に
存在していましたから、仮に基準の長さを300mmとしましょう。
昔からあるローハイトパイプリム32H6本組みで大体これくらいです。
80mm高のリムを組むときのスポーク長さは250mmとします。

DTコンペティションの場合、非バテッド部分の長さは
スポークの全長にかかわらず同じです。
ということはスポークが短くなると 細いバテッド部分が相対的に減り、
スポークの比重が重くなるということになります。
重くなるということは変形しにくくなりますから、
短いスポークの弓なり曲線は 長いスポークのそれより
上に位置することになります。
スポークの長さが短くなるだけでも変形量は減りますから、
別にバテッドスポークでなくとも長さが違えば
弓なり曲線の位置は変わります。
実際は線がほぼ重なるくらいの微々たる差でしょうが、
上の図では離して描いています。
ではなぜバテッドスポークで描いたのかというと・・・

DTのコンペティションと同じバテッド寸法ながら
非バテッド部分が より短いサピムのレースを
この表に放り込みたかったからです。
300mmレースは300mmコンペよりも比重が軽いので
弓なり曲線は下に位置することになります。
これも微々たる差で、実際には線が重なるくらいの差でしかないでしょう。
以上、「弓なり曲線に長さの情報が含まれていないという大まかさが許されるなら
DTコンペとサピムレースを同一視するくらい許されるんじゃないの?」
という詭弁でした。
もうひとつ。レボリューションについて。

2.0-1.5-2.0mmのレボリューションの換算表のコピーです。
これは2mmくらいの針金の引っ張り試験の結果でしかないわけですが、

↑1800Nまで描いていますね。
ここが破断点かどうかは分かりません。
それは置いておいて・・・いやいや そんなわけはないやろ。
レボリューションは1000N以上くらいから確率的に、
1300N以上くらいから確定的に「うにょーん」がでます。
ニップルの増し締めが スポークの張りではなく
スポーク自体の伸びに変換されるという現象です。

↑なので本当は降伏点がこの辺にあるはずです。
この手のグラフで降伏点を伏せて描く奴は卑怯だ!
後ろめたいことでもあるのか!と糾弾する資格は私にはありません。
私も基本的には あえて描かないので。
レボリューションが1800Nまで気持ちよく張れるということはありえません。
これはレボリューション(完全剛体)という
別のスポークの曲線なんです。きっと。
(完全剛体なら曲線の形自体が変わるだろ!というツッコミはNG)

それはともかくレボリューションのスポーク張りの「天井」は
多少ひいき目に見てやってこの辺でしょう。

そのときの第1テンションこと メーターの読みは1.3mmといったところです。

つづいて2.0mmプレーンのチャンピオンの換算表です。

1.3mmのところから横線を引いてみます。

こうなりました。

で、レボリューションの換算表と1.3mmの線が合うように
並べてみるのですが、これを見る限りレボリューションの天井と
チャンピオンの曲線のほぼ下限が同じ高さということになります。
なんだこのやわらかスポークは。
さっき「完全剛体のレボリューション」と書きましたが、
それに近い存在はあります。
サピムのCX-RAYです。
レボリューションもCX-RAYも2.0mmプレーンスポーク比 約65%の
重さのスポークですが、CX-RAYは エアロ加工による加工硬化により
うにょーんが ほぼ起きません。
降伏点はレボリューションより ずっと上です。
その代わり降伏点と破断点が非常に近いと思いますが、
首折れスポークでは そこまでテンションを張ることはまずないので大丈夫です。
レボリューションのネガキャン及びCX-RAYのステマのように思われるかも
しれませんが、その通りです 何か問題でも?(開き直り)
比重が同じスポークでここまで 耐うにょーん性能が違うのであれば
「CX-RAYに取って代わられた」「レボリューションを選ぶ理由は無い」
としか言えません。残念ながら。
記事のあとに追記してもいいのですが 記事自体が長いので
(メーターの話と第3のスポークテンションの話をいっぺんにしたからですが)
別記事にします。
えーと まずは
「ややこしいことせずに両ネジのスポーク用意して錘吊って
自分で較正したらいいじゃないですか… というのはだめですか?」
というコメントをいただきました。
なるほど!信頼に足るスポークから 工具のアタリを逆転写で取るということですね。
その信頼に足る装置を自作する自信がありません・・・。

↑こういうのはどうでしょう。「1000N原器」です。
白金とイリジウムの分厚い合金の枠の中に
ハープの弦のように1000Nでスポークが張ってあるという原器です。
コメントのご提案より はるかに大掛かりで実質製造不可能じゃないか
というツッコミもありますが、
それ以前に経年変化でスポークの部分がすぐに狂いそうです。
すぐに、というのは枠の部分の不変具合と比べて、という意味ですよ。
つづいて
「DTのメーターは触ったこともありませんが、
こいつを基準器にして頑張って校正したTM-1を2つ以上用意すれば」
おっとこれ以上は引用できないぜ。危ないところだった。
第4のスポークテンションとは何なのか?ですが、
詳しくは書けませんが「精度的に同じ」メーターを2つ以上用意するのは
手段であって 目的ではありません。
2つ用意して初めて出来る・分かることがあるのです。
「同じ」TM-1を2つ用意するのは非常に難しいと思われます。
DTとホーザンは測定子のばねの縮み「だけ」が調整ポイントですが
パークツールはカシメのガタ具合や 握ったときの摺動部など
調整ポイントが複数あるので同じコンディションのものを
調整で得られるかどうかというと厳しそうです。
「カシメが固いけれど 針の部分が摺れていない」ものと
「カシメがゆるいけれど 針の部分が摺れている」ものとを
同じ状態に持っていくのは無理っぽいです。
測定子の調整だけでいいならホーザン2つでもいいのですが、
DTの換算表とからめる必要があるのでDT2つのほうが都合がいいのです。


↑DTのカシメ部分はベアリング入りです。
ばねの返りが非常にスムーズなので 個体差は生じにくいと思われます。
ここからは おまけの記事です。
コメントのお返事ではありません。

700Cの80mm高リムの内径と
24インチのローハイトリムの内径は ほぼ同じです。
私はよく のむラボホイール3号を組んだときに
「スポークにぎにぎ時の変形量がほぼゼロだぜフヒヒ」などと言いますが
同じスポーク長さのホイールである24インチのホイールでは
そういった現象はあまり見られません。
きっとリムの内周部(上の図の青い円)がスポークテンションによって
内側にひずむ量がリムの剛性によって変わるのでしょう。
しかしスポークが短くなれば スポークテンションなりの変形量が
少なくなることは確かです。
16インチの小径ホイールくらいになると そういうことも意識しないといけません。

何が言いたいかというと、スポークが短くなると
第2テンションの割りに第1テンションが高くなるということです。
しかし第1→第2の変換の際の
「2.0mmチャンピオンは2.2mmで1000N」という情報の中には
スポーク長さが含まれていません。
極端に長いスポークと短いスポークでは
厳密には変換表の弓なり曲線の形と位置が変わってくるはずなのです。
ディープリムとテンションメーターでは テンションメーターのほうが先に
存在していましたから、仮に基準の長さを300mmとしましょう。
昔からあるローハイトパイプリム32H6本組みで大体これくらいです。
80mm高のリムを組むときのスポーク長さは250mmとします。

DTコンペティションの場合、非バテッド部分の長さは
スポークの全長にかかわらず同じです。
ということはスポークが短くなると 細いバテッド部分が相対的に減り、
スポークの比重が重くなるということになります。
重くなるということは変形しにくくなりますから、
短いスポークの弓なり曲線は 長いスポークのそれより
上に位置することになります。
スポークの長さが短くなるだけでも変形量は減りますから、
別にバテッドスポークでなくとも長さが違えば
弓なり曲線の位置は変わります。
実際は線がほぼ重なるくらいの微々たる差でしょうが、
上の図では離して描いています。
ではなぜバテッドスポークで描いたのかというと・・・

DTのコンペティションと同じバテッド寸法ながら
非バテッド部分が より短いサピムのレースを
この表に放り込みたかったからです。
300mmレースは300mmコンペよりも比重が軽いので
弓なり曲線は下に位置することになります。
これも微々たる差で、実際には線が重なるくらいの差でしかないでしょう。
以上、「弓なり曲線に長さの情報が含まれていないという大まかさが許されるなら
DTコンペとサピムレースを同一視するくらい許されるんじゃないの?」
という詭弁でした。
もうひとつ。レボリューションについて。

2.0-1.5-2.0mmのレボリューションの換算表のコピーです。
これは2mmくらいの針金の引っ張り試験の結果でしかないわけですが、

↑1800Nまで描いていますね。
ここが破断点かどうかは分かりません。
それは置いておいて・・・いやいや そんなわけはないやろ。
レボリューションは1000N以上くらいから確率的に、
1300N以上くらいから確定的に「うにょーん」がでます。
ニップルの増し締めが スポークの張りではなく
スポーク自体の伸びに変換されるという現象です。

↑なので本当は降伏点がこの辺にあるはずです。
この手のグラフで降伏点を伏せて描く奴は卑怯だ!
後ろめたいことでもあるのか!と糾弾する資格は私にはありません。
私も基本的には あえて描かないので。
レボリューションが1800Nまで気持ちよく張れるということはありえません。
これはレボリューション(完全剛体)という
別のスポークの曲線なんです。きっと。
(完全剛体なら曲線の形自体が変わるだろ!というツッコミはNG)

それはともかくレボリューションのスポーク張りの「天井」は
多少ひいき目に見てやってこの辺でしょう。

そのときの第1テンションこと メーターの読みは1.3mmといったところです。

つづいて2.0mmプレーンのチャンピオンの換算表です。

1.3mmのところから横線を引いてみます。

こうなりました。

で、レボリューションの換算表と1.3mmの線が合うように
並べてみるのですが、これを見る限りレボリューションの天井と
チャンピオンの曲線のほぼ下限が同じ高さということになります。
なんだこのやわらかスポークは。
さっき「完全剛体のレボリューション」と書きましたが、
それに近い存在はあります。
サピムのCX-RAYです。
レボリューションもCX-RAYも2.0mmプレーンスポーク比 約65%の
重さのスポークですが、CX-RAYは エアロ加工による加工硬化により
うにょーんが ほぼ起きません。
降伏点はレボリューションより ずっと上です。
その代わり降伏点と破断点が非常に近いと思いますが、
首折れスポークでは そこまでテンションを張ることはまずないので大丈夫です。
レボリューションのネガキャン及びCX-RAYのステマのように思われるかも
しれませんが、その通りです 何か問題でも?(開き直り)
比重が同じスポークでここまで 耐うにょーん性能が違うのであれば
「CX-RAYに取って代わられた」「レボリューションを選ぶ理由は無い」
としか言えません。残念ながら。
category: スポークテンションの話