のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

スポーク量について  

「スポーク量」について、過去に書いたことと 一部 重複しますが
左右異径組みと左右異数組みの関係について ちょっと書きます。
DSC02376amx8.jpg
まず、スポーク量というのは
ハブとリムの間にあるスチールスポークの、
スチールの体積の総量のことです。
スポーク比重の%の数値に本数をかけるだけですが、
簡単に考えるときは 長さについては無視することが多いです。

ちなみに、長さをかけたものに さらに0.0257をかけると
スポークの重量の概算値(g)になります。

DSC02377amx8.jpg
ここで、前輪を3つ並べてみます。
スポーク比重65%の20H、100%の13H、
あと現実には存在しないスポーク比重ですが216%の6Hです。
これらはホイールに使われているスチールスポークの体積が同じなので、
(ニップルの個数が違うやんけという細かい点を除けば)
ハブとリムが同じなら ホイールの重量も同じになります。
もちろん、例えば10%の130Hも同じ重量になりますが、
同じであれば 高比重/少スポークと 低比重/多スポークの
どちらが優れているのかというと
・ホイールを組みきるまでに スポークがうにょーんを起こさない
・そのホイールの乗り手が ヌルいと感じない
範囲であるという条件下で なるべくスポークが多いほうが良い、
というのが私の結論です。
あと、スポークが多いと空力的に不利、というのは
スポーク量の吟味よりも小要素です。

「うにょーんを起こさない」という条件は
スポーク比重65%の丸バテッドスポークだと たいへん厳しく、
スポーク比重65%の扁平スポークだと全然大丈夫ということが
経験的に分かっているので 実質の最低スポーク比重は
扁平スポークであるという条件付きの65%になります。

「そのホイールの乗り手が ヌルいと感じない」という条件ですが、
常々 私が言っていることとして
「シマノのC24の前輪の16Hというのは少なすぎる、
空力やスポーク重量の削減などのメリット以上の
剛性上のデメリットがあり 大要素小要素を勘案すると
明らかに良くない」というのを例にすると
C24のスポーク量は 65(%)×16(H)なので1040となります。
私は、C24のWOリムと ほぼ同重量のキンリンXR200リムを
CX-RAY(スポーク比重65%)で組んだ前輪を
数百は販売していますが、C24と使い比べたことがある人に訊くと
「C24より硬い」と言われなかったことがありません。
その前輪のスポーク量は65(%)×20(H)なので1300です。
なのでC24が「16Hであること」に こだわるのであれば
スポーク比重81.25(%)×16(H)で ちょうど1300になるので、
そうしたほうが良いということになります。
が、うにょーんを起こさない範囲で
スポーク本数を増やしたほうがいいので、
結局は同じスポーク量では 81.25×16よりも
65×20のほうが さらに良い、ということになります。

81.25%×16の実践例としては、レーシング3が だいたいそれに相当します。
あと、マヴィックのスチールスポークの前輪は
少スポーク数で これでもかというくらいの高比重スポークになっていて、
安易にスポークを細くしない点は 本当によく考えていると思います。
モデルによっては13番ベースのスポークを採用していますが、
16Hのスチールスポークの「まともな」前輪を組もうとすれば
そういう仕様にも納得がいきます。
これらのメーカーは「スポーク量」とか「スポーク比重」とか
「うにょーん」とかいう のむラボ用語では把握していないでしょうが、
私と同じ考えを もっと高次でつかんでいるのは間違いないので
出来たものを見たときに「ほほー」と唸らされることが多々あります。

あと、スポーク本数を減らしすぎると リム高や リムの剛性にもよりますが
スポークテンションで リムが左右に波打って
横振れ取りの妥協点を下げざるを得なくなります。
上の図でいうと、216%の6Hの前輪は
リムが左右にグニャグニャになって
まともに使えるように組めないはずです。
C24の16Hの前輪も同じ傾向があり、
振れ取り台のゲージを詰めると 20H以上のホイールでは出ない、
取れない横振れがあるのが分かります。
それを発生させないように少スポークにしようとすれば
ペアスポーク位相にするしかありません。
まさに ロルフプリマのホイールがそうです。
もしあれが均等間隔のリム穴であれば まともなホイールにはなりません。

冒頭で、スポーク重量から「長さを無視する」と書きましたが
長さを無視しないとすればスポーク量65(%)×16(H)で
まともなホイールになる リム高(リム剛性)は存在します。
C50の前輪だと 16Hでもいけるんじゃないでしょうか。
16Hが間違っている、というのではなく
軽量ローハイトリムと低比重スポークで16Hにするのが
間違っている、というわけです。
カーボンフードリムの元祖コスミックカーボンのリム内径は
オープンプロとほぼ同じです。
なので 構造としては実質オープンプロの16Hの前輪に相当するわけですが
高比重の13番エアロスポークにすることで
スポーク量が少なくなり過ぎないようにしていて、
実際に コスミックカーボンの前輪は
「ほとんどの乗り手がヌルいと感じない」という条件を満たしています。

C24のリムと比べるとレーシング3やコスミックカーボンのリムは
はるかに重い、ということは事実です。
が、仮に C24のリムが重たくなったとしても
リムの横振れの妥協点については解決すると思いますが
スポーク量の少なさに起因する剛性の低さは
(リム高が同じであれば)それほど変わらないと思われます。
「レーシング3のリムをCX-RAYストレートで組んだ前輪」は
リムが硬くとも重くとも ヌルいというわけです。
去年の年末に組み直したWH-7800の前輪も16Hですが、
元のスポークはCX-RAYよりスポーク比重が大きい扁平スポークで、
組み換え後もCX-RAY相当のスポークが怖くて使えなかったので
星のエアロSB3を加工したものにしました。

DSC02378amx8.jpg
で、ここからが本題。
左右異径組みと左右異本組みの「スポーク量」の置き換えについてです。
描くのが面倒なので8+4の12Hの後輪を書きました。
左右ラジアル組みです。左右ラジアル組みにしても
オチョコのぶんだけは スポーク長さの違いを
計算に盛り込むべきですが、長さは無視します。
スポーク比重100%のスポーク12本としたので
スポーク量は1200になります。
右が100×8、左が100×4です。

DSC02380amx8.jpg
そこから、反フリー側のスポークを割り箸のように分割すると

DSC02381amx8.jpg
2:1組みの左右同径組みが
左右同数組みの左右異径組みに変換されます。
スポーク量は変わっていません。
反フリー側のスポーク比重が50%になりましたが、
現実には スポーク比重50%のスポークというのは存在しません。
サピムのCXスーパー(15番ベースの超軽量エアロスポーク)の
メーカー公称値から計算すると約54%になりますが、
確実に うにょーんを起こさないということが
経験上確からしいとなると やはり扁平の65%が限界です。
ここから、スポーク量を変えずに左右同径スポークにする
左右ともスポーク比重75%で スポーク量が1200になります。
そこから、左右同数スポークなので左右異径組みを盛り込むとして、
現実に安定供給されるスポークからスポーク比重を勘案して選べとなると
いつも私がやっている半コンペでスポーク比重 右85%左65%となるわけですが、
スポークテンションの左右差の是正度「だけ」でいうと
2:1組みのほうが圧倒的に優れています。

2:1組みについて経験的に分かっていることとして
・首折れスポークでやると反フリー側のスポークの首とびリスクが非常に高い
・反フリー側をタンジェント組みすると反フリー側のほうがスポークテンションが高くなる
・丸と扁平に関わらずスポーク比重65%のスポークでは やらないほうが良い
というのが挙げられます。

首折れスポークうんぬんは、
完組みホイールであればストレートスポークを使うことで解決していると思われます。
例えば ゾンダやボーラで反フリー側の首折れが顕著ということも無いので。

2:1組みだと 反フリー側を基本的にラジアル組みせざるを得ない、というのは
駆動時のねじれにとって不利な条件だと思います。
例えば 24Hの後輪で、12+12Hのタンジェント組みの
(私の場合は結線もしますが)反フリー側の12Hの構造より、
16+8Hの反フリー側のラジアル組みの8Hの構造が
ねじれに強いとは とても思えないのです。
ただ、フリー側が16Hになることで大要素小要素的に
ペイできている可能性はあります。
なので、ストレートスポークでさえあれば
2:1組みのホイールについては悪いものだとは思いません。
フリーボディぶんのオチョコ量がある後輪の結論だ!とまでは思いませんが。

2:1組みの後輪では スポーク比重65%の
レボリューションやCX-RAYを使わないほうがいい、
というのは経験的なことです。
実際の手組みでもそうですし、
ローヴァルのCLX40(24H)で シュータッチ事例をそこそこ聞くのに
ボーラ35(21H)では ほぼ聞かないというのは
そこにあるのではと思っています。
ローヴァルの前世代はスポーク比重65%の丸スポーク、
最近では同じスポーク比重でエアロスポークになっていますが、
これのスポーク量が 全ての乗り手に対してでは無いものの
何割かの乗り手にとって シュータッチを起こすかどうかの
閾値を下回っているのではと思います。
リヤハブ寸法について ボーラのほうが優れている、というのは
スポーク量よりは小要素だと思われるので
もしローヴァルの後輪でシュータッチを起こすのであれば
スポーク比重が大きいスポーク(扁平なら たぶんスクエアエアロになるはず)で
組み直すことで大幅に改善される(シュータッチが起きる人率が下がる)
はずですが、残念ながら それに相当するスポークで
安定供給されているものが 私の知る限りでは ありません。

だいぶ話が逸れていますが 今回 書きたかったのは
スポーク量の概念は 左右異径組みと左右異数組みを統一しうる、ということです。
で、コリマの12+8Hの後輪や ゾンダDBの後輪で
逆異径組み(反フリー側のスポークのほうがスポーク比重が大きい)しているのは
これらのメーカーは左右異径組みと左右異径組みの是正度について
具体的な係数や それを統一する式を持っているのではないか、
と思われるのですが 私にはそれが無いので
ゾンダDBの前輪よりは極端ではないだろうと
オチョコがあるフロントハブで左右異径組みしてみたら
たまたま ちょうど良い具合の左右差に落ち着き、
はっきり言って自画自賛ながら「ほほー」と思ったのが
ひとつ前の記事の前輪です、という話でした。

ちなみに、スポーク量は「ビーカー論」にも関係します。

category: スポークの話

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続・サピムのニップルについて  

サピムのCX-RAYを仕入れました。
DSC00491amx8.jpg
わりと まとまった数です。
いつもはもっと小まめに仕入れるのですが、
問屋さんで長期欠品していた長さの補充もあるので 今回は多めです。
CX-RAYの問屋さんの取り扱い長さは偶数の2mm刻みで、
私は252~276mmまでは6mm刻み
(252・258・264・270・276)、
それ以降は280~300mmまで4mm刻み
(280・284・288・292・296・300)、
あと、また6mmとんで306mmの計12種類の長さを
銀と黒で常備するように努めています。

カット可能な限界は8mmくらいでしょうが内規で6mmにしています。
これで246~306mmのスポークが全て得られることになりますが、
300mmが長らく欠品していたので
299mmは302mmをイレギュラーで仕入れて対応していました。
300mmと302mmからそれぞれ作った299mmを
混ぜて使うことは やりません。
バテッド部分とプレーン部分の割合が変わるのが嫌だからです。

DSC00492amx8.jpg
で、黒スポークの一部に黄色い袋入りのニップルがありました。
以前に、黄色い袋入りの銀ニップルが12mm長さのものになっている
と書きましたが(→こちら)、

DSC00493amx8.jpg
今回の黄色い袋の黒ニップルは間違いなく 14mm長さで、
従来のものと同じです。
ややこしい。黄色い袋は12mmじゃなかったのか。
銀ニップルでしか見たことが無いとはいえ
この例までは100%「黄色い袋=12mm」だったのです。

DSC00494amx8.jpg
14mmニップルだったので それ用の容れ物に混ぜました。
この容れ物に14mmニップル以外の異物を入れたくないのです。

DSC00495amx8.jpg
根元の部分の球体関節的な形状「だけ」でいえば
DTより優秀なのですが、使う気がしません。

DSC00496amx8.jpg
さらにややこしいのは、今回仕入れた銀スポークの中にも
黄色い袋があったのですが、
DSC00497amx8.jpg
こちらもなぜか 従来通りに14mmでした。
この前と違う結果です。

なので今後は、袋の色に関わらず 長さを見極めることにします。

category: スポークの話

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バレットさん  

お客さん(一応)から バレットをお預かりしました。
DSC00427amx8.jpg
DSC00430amx8.jpg
ヌルいので張ってほしい、ということですが
バレット相手にヌルいと言えるほど大層な脚してんのかコラと
言いかけたところ・・・本当にヌルいわ こいつ。
吊るしの下限は超えていましたが。
前輪は 振れ取りついでの増し締め程度にしか上げていませんが
後輪は かなりの増し締めをしました。

DSC00428amx8.jpg
DSC00429amx8.jpg
前後リムとも バルブブッシュが無いので補填しましたが、
とくに使っていると思われるフロントブレーキのせいなのか
(リヤリムのブレーキ痕が フロントリムより明らかに少ない)
フロントリムのバルブ穴の前後が削れているようで、
バルブブッシュがスカスカになっていて すぐに外れます。
チューブのバルブ部分は ねじ山が切っていないタイプだったので
バルブナットで押さえることもできません。
なので瞬間接着剤で貼り付けました。

ところで、カンパニョーロ・フルクラムのホイールの
吊るしのスポークテンションの上限・下限については
憶測でなく断言ができます。
それは ある資料が根拠なのですが、
DSC00453amx8.jpg
たまたま あるページの一番上がユーラスだったので
それで見てみると
DSC00454amx8.jpg
スポークの公称寸法と長さ、
(スポーク長さがLengthではなくLenghtなのは
スペルミスとも言い切れないところです)
DSC00455amx8.jpg
出荷基準のスポークテンションが載っています。
ここで重要なのが、アルミスポークの第1スポークテンション
書いてあるということです。
DTのテンションメーターの第1STなので D1STですが、
カンパニョーロのアルミスポークが あるD1STであったとき、
第2ST(上の表のSpoke tension)がいくらになるのか定義できるのは
DTではなく カンパニョーロになります。

D1STは ホーザンテンションメーターでのH1STに変換可能なので
これを知っておけばカンパニョーロのアルミスポークのテンションを
H1STで管理することが出来るようになります。
ちょっとだけ書いておくと
D1STの1.6mmが H1STの235(2.35mm)に相当します。

こういうのを見て いつも思うのですが、
スポークテンションの指定は フロントとリヤ右だけでいいのではないでしょうか?
リヤ右を指定テンションの上限付近まで張った状態で
リムのホイールセンターが出ていれば、
リヤ左のテンションは ホイールの寸法的条件で勝手に決まってしまうので
どうすることもできません。
なので 寸法的条件のほうを 与えられた材料で最大限 良くしようというのが
私が普段書いていることですし、
完組みホイールも 寸法的条件をよく見て選んでほしいのです。

具体的に どれとは書きませんが、
マヴィックのホイールで リヤ右を上限に張ったときに
リヤ左が下限に達するかどうかというホイールがあるのです。
ああなるほど。そこから(指定テンションにすべく) リヤ左だけ増し締めするから
マヴィックの後輪のセンターずれは
リムが反フリー側に寄っている場合が多いんだ(←これは憶測)。

category: スポークの話

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サピムのニップルについて  

サピムのCX-RAYには 14mm長さのアルミニップルが付属していますが、
私は いくつかの事情から それを使いません。
DTの12mmアルミニップルを使っています。
DSC07073amx6.jpg
で、最近CX-RAYのニップルの袋が白から黄色になったのですが
よく見るとこれ、12mm長さになっています。

DSC07074amx6.jpg
↑白い袋とは これ

DSC07075amx6.jpg
長さが違います。
まあ、どっちみち使いませんけど。

DSC07076amx6.jpg
DSC07077amx6.jpg
それでも 捨てはしないという性分。
12mmニップルは これと混ぜたくないので 別の容れ物を考えます。

category: スポークの話

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カンパニョーロとフルクラムのアルミスポークの刻印について  

カンパニョーロとフルクラムのアルミスポークですが、
DSC06955msn.jpg
スポークヘッドの端に線で刻印が入れてあります。
長手方向を水平と見て 縦なら縦、横なら横として
その本数と合わせて 例えば「縦3本」などと呼ぶことにします。
上の図は縦3本の実例です。
この刻印ですが、カンパニョーロ・フルクラム問わず
同じ刻印であれば 同じ長さ
という法則があり、
いまのところ例外はありません。

また、フロントスポークは年代やモデルによっては
リヤ左と兼用になっている場合があります。

DSC06913msn.jpg
↑これは縦3本で リヤ左のスポークです。
赤はレーシングゼロの赤、銀はレーシング1の銀ですが
黒はレーシングゼロの黒か シャマルウルトラの黒か判別が出来ません。
縦3本なら同じ長さです。

なので シャマルウルトラのリヤ左の黒スポークが縦3本であったなら、
縦3本の赤または銀のスポークで おしゃれ泥棒が出来るということになります。

DSC06914msn.jpg
↑これは縦4本です。
画像では銀スポークの縦線の長さが違いますが、他の色と全く同じ長さです。

DSC06911msn.jpg
↑これはリヤハブがメガG3化する以前のシャマルウルトラのスポークで、
初代の金と その次のグレーです。
当店では これらは長さではなく 色で分けているので
縦3・4・5本が混在しています。
3種類あるということはフロントとリヤ左は 同じ長さではありません。

グレーの縦4本にドットが打ってありますが、少なくとも長さに関して違いはありません。
同じ長さでスポークのねじ山始まりが違う、という例もあり 後述しますが、
それに関しても全く同じでした。

DSC06906msn.jpg
こういうケースに入れていますが、
DSC06908msn.jpg
フロントスポークの長さが
DSC06909msn.jpg
リヤ右未満で
DSC06910msn.jpg
リヤ左以上なので、ケースのフタに貼ってある
フロントスポークと同じ長さを引いた紙に当てることで
同じ→フロント、スポークが長い→リヤ右、スポークが短い→リヤ左と
判別が出来るようにもしてあります。
ちなみに、縦5本はメガG3以前の 旧G3のフリー側なので、
現行のメガG3および2:1で合う長さはありません。
私が おしゃれ泥棒をするときに フロントとリヤ左でするのは
この刻印が合う可能性を高くしたいからというのもあります。

DSC06890msn.jpg
先日、レーシングゼロカーボンで おしゃれ泥棒をしましたが
レーシングゼロカーボンはフロントとリヤ左のスポークが
同じ長さ(縦4本で同じ刻印)だったので
従来のレーシングゼロの赤スポークが使えました。

で、ひとつ前の記事のレーシングゼロナイトですが、
DSC06926msn.jpg
横2本です。

DSC06915msn.jpg
これはシャマル ミレのフロント(上の画像)と同じ長さです。
ややこしい話になりますが、この横2本は「横並び横2本」と呼ぶことにします。
フロントベアリングを小径化した関係で ハブフランジも小径になり、
従来よりスポークが少し長くなっています。

ここで、レーシングゼロカーボンも小径フロントベアリングなのに
スポークが横並び横2本ではなく 縦4本なの?
という疑問が湧いてくると思いますが、これについて書いておきます。
フルクラムのアルミスポーク・ニップルの供給は
「フロントスポークのみ一式16本」
「リヤスポークのみ一式21本」
「スポーク1本とニップル1個」
「ニップルのみ10個」
という4つの形があります。

このうち「フロントスポークのみ一式」の品番は
レーシングゼロ(アルミリム)と レーシングゼロカーボンで同じですが、
「スポ-ク1本とニップル1個」になると違う品番になります。
なぜかというと、

DSC06935msn.jpg
DSC06937msn.jpg
ニップルが違うからです。
スポークは同じ縦4本なので スポークのみの品番は同じですが、
ニップルとセットになると品番が違ってきます。
上の画像、なべネジの頭のように丸くなっているほうが
レーシングゼロカーボンのニップルです。
この違いと リム内径がアルミリムと違うことによって
レーシングゼロカーボンのフロントスポークは 小径ハブながら
横並び横2本ではなく 縦4本となっているわけです。

話を戻しますが、レーシングゼロナイトでおしゃれ泥棒をする場合、
フロントスポークは 横並び横2本の赤スポークを
用意する必要があるわけですが、そんなものは存在しません。
もちろん、従来のレーシングゼロの赤スポークで長さが合うものもありません。
こりゃ困った。

というわけで 色々調べたのですが、
レーシングゼロ コンペティツィオーネのスポークの品番が
旧来から一新されていることに気が付きました。
ハブとリムの寸法が同じなのに、スポーク長さが違います。
これはどういうことかと思い 現物を取り寄せました。

DSC06919msn.jpg
コンペティツィオーネの フロントスポークのみ一式16本です。
刻印は 斜め3本です。1本だけ赤いコスメチックスポークですが、
当然 他の15本と同じ長さなので、法則通り「同じ刻印なら 同じ長さ」となります。

DSC06922msn.jpg
コンペティツィオーネの リヤスポークのみ一式21本です。
斜め2本の刻印が7本で 左スポーク(1本が赤スポーク)、
縦並び横2本が14本で 右スポークです。

DSC06925msn.jpg
↑こいつのせいで横2本という表現を さらに区別する必要が出てきました。
この縦並び横2本と レーシングゼロナイトのフロントの横並び横2本は
全く違う長さです。

DSC06938msn.jpg
DSC06927msn.jpg
小径フロントハブの新旧スポークを比べてみます。
いずれも画像上が横並び横2本、下が斜め3本です。

DSC06928msn.jpg
スポーク全体の長さは全く同じなのですが、

DSC06929msn.jpg
ねじ山部分の長さが異なります。

DSC06930msn.jpg
実は、新スポークは「スポーク1本とニップル1個」
または「ニップルのみ10個」の形で注文すると分かるのですが
ニップルも新しくなっていて ねじ山の長さも それに対応しています。

DSC06931msn.jpg
新ニップルは、ゆるみ止めのナイロンが埋め込まれています。
2つ前の記事で リムから異物が出るとあるのは、ちぎれたこれのことです。
これによって ニップルのねじ山始まりの深さも変わっていて、

DSC06932msn.jpg
新スポークをニップルのねじ山に突き当たるまで突っ込んだ場合、
DSC06933msn.jpg
↑旧ニップル
DSC06934msn.jpg
↑新ニップル
歯周ポケットの深さに違いがあります。
これらの事情から、斜め3本の新スポークと
旧ニップルとの組み合わせは可能だと判断し、
斜め3本の赤スポークを レーシングゼロ ナイトのフロントに使いました。

DSC06939msn.jpg
同様に、リヤ左スポークも比べました。
上の画像 赤いほうが新スポークです。

DSC06940msn.jpg
こちらの場合は「スポーク長さは違うものの
ねじ山始まりの位置は同じ」ということになっていました。

DSC06941msn.jpg
新スポークと旧ニップルで、ねじ山を使い切るところまで 回してみました。
実際は、この状態になるまで張ることは不可能です。

DSC06942msn.jpg
組み上がりの状態だと このくらいでしょうか
(これでも相当に張っていると思いますが)。
新ニップルは旧ニップルよりも 全長が長いので、
上の画像で はみ出しているところが ゆるみ止めにかかるはずです。

カンパニョーロ・フルクラムのアルミスポークは、
1本だけガクガクにゆるんでくるという症状を(私は)見たことが無いので
ゆるみ止めは はっきり言って不要です。
固着ニップルが余計に固まって回しにくくなるだけだと思うのですが。

それはともかく、こちらの場合はスポークの実効長さが同じなので
フロントと事情は違うものの 新スポークと旧ニップルの組み合わせが
可能だと判断しコンペティツィオーネのリヤ左スポークを ナイトに使いました。

DSC06944msn.jpg
↑実際にナイトから外したリヤ左スポークと、新リヤ左の赤スポークです。

「フロントまたはリヤスポークのみ一式」から
早速 コスメチックスポークを抜いて大丈夫なのか、と思われそうですが
問題ありません。この記事の趣旨には大いに問題がありますが。

DSC06916msn.jpg
DSC06917msn.jpg
↑斜め3本(新フロント)と 斜め2本(新リヤ左)の
「赤スポーク+ニップル1個ずつ」を 別に仕入れてあるからです。
これについては、問屋さんからも
「どうせロクな使い方をしないんだろう」と
看破されてしまいました。カンパだけに。

DSC06958msn.jpg
初代レーシングゼロのネクタイスポークでは
縦線とも横線ともつかない感じの刻印でした。
一応、縦1本と縦2本ということにしています。

DSC06997amx6.jpg
ネクタイスポークでなく、メガ右フランジになる前の
2:1のフリー側は横1本です。
このスポークのみ「スポーク4本とニップル4個」という販売単位になっています。
このモデルが最新だった往時は そういう販売単位だったという名残です。

DSC06956msn.jpg
どの品番のスポークがどの刻印なのかは 調べが付いております。
例えば 縦4本なら上の図の 上から
レーシングゼロ フロント スポークブラック01
レーシングゼロ フロント スポークレッド01
レーシング1 フロント スポークシルバー01
ホイール 105 シャマル ブラック
という意味になりますが、刻印は全て縦4本なので 長さは同じです。
そして、黒スポーク同士に関しては
レーシングゼロとシャマルウルトラを 見た目で判別することはできません。

category: スポークの話

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