のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

スポークの磁性について(コメントのお返事)・後編  

ひとつ前の記事の続きです。
DSC08714amx5.jpg
星スポークの スターブライトとステンレスを買ってきました。
さっそく試してみます。

DSC08702amx5.jpg
磁石にくっつきます!
往時のスターブライトほどではないですが、
DTよりは くっつきます。
というわけで、いただいたコメントの
「星のスポークは磁石につきます」という点は
正しいということになりました。
お詫び申し上げます。

DSC08705amx5.jpg
つづいてステンレスですが、これもかすかに磁石にくっつきます。
そっと注意深く釣れば画像の状態にもなります。
これは おかしい。
なぜかというと、かつてのステンレスは磁石に対して
全くといっていいほど反応しなかったからです。

今回買った2つのスポークの、磁石への付きやすさをまとめると
・スターブライト 激強→強
・ステンレス   ゼロ→弱
と変化しています。

さらにややこしいことに、
DSC08709amx5.jpg
DSC08708amx5.jpg
どちらもスポークヘッドの印字がHマークになっているのです。
新品の束同士であれば、スターブライトとステンレスは
色が若干異なるので判別は可能ですが、スポーク単品の状態や
ホイールに組んでから汚れてしまったりすると判別が出来なくなります。

じゃあ今まで私がクソスターブライトと呼んでいたのは
今回仕入れたステンレスと同じものかというと、それもまた違います。
Hマークで磁石に無反応なスポークが存在したのは間違いないからです。
何度も現認しています。
では、それは「☆マークの旧ステンレスの性質で Hマークのもの」だということにすれば
解決するかというと、解決しません。

なぜなら、以前に Hマークのスポークで
磁石に無反応なものがあるという記事を書いたときに
「あるショップでスターブライトとして買ったスポークが磁石に全く反応しないのですが、
これはスターブライトでは無いのでしょうか?」という
コメントをいただいたことがあるからです。
ここから考えられる可能性は
・磁石に無反応なHマークのスターブライトが実在する
・そのショップがHマークのステンレスを
スターブライトと間違って(あるいは偽って)売った
の2つです。ああ ややこしい。

これについて私ではなく ある同業者が 星スポークに問い合わせした内容ですが、
Hマークはスターブライト、☆マークはステンレスであることが
圧倒的に多いものの100%ではないらしく
Hマークのステンレスは実在し(←今日買ってきました)、
☆マークのスターブライトも実在するそうです。
(私は☆マークのスターブライトというのは現認したことがありませんが
昔は間違いなく確実に☆マーク=磁石に無反応なステンレスでした)

この話は1年ほど前のことなので
ここでいうステンレスは、磁石に無反応な旧ステンレスではないはずなので
スポーク単品での磁石による確実な判別は困難です(一応つくので)。

スターブライトの性質の良さを認める(実際 昔は使ってました)としても、
スポークヘッドの印字の管理が確実になされていないことと
スターブライト・ステンレスともに 明らかに昔とものが違うということで
ちょっと不信感がぬぐえません。
今日買ったスポークのどちらもがHマークなのには本当に面食らいました。

ステンレスを一切仕入れないようにすれば
混在は避けられるじゃないか、と思われるかも知れませんが
「スターブライトとして買ったスポークが磁石に対して無反応」
という例があることと、
「☆マークのスターブライトも存在します」というのが
(人づてに訊いたので100%確実なソースとは言えないかも知れませんが)
公式の回答だというのであれば、
やはり お客さんに対して出すのには不安があります。

ひとつ前の記事で書いていませんでしたが、
ご指摘のコメントありがとうございました。
今回のこれがきっかけで 知ったこともあります。

DSC08710amx5.jpg
↑これはCNスポークの ION ゴールドというカラーのものですが、
このスポーク、磁石にほぼ無反応です。

DSC08712amx5.jpg
銀のスポークと並べないと金色っぷりが分かりません。
これはハブ・スポーク・ニップル・リム全てゴールドのホイールを組むのに
使ったときの余りですが、余ったのが補修用となったので ちょうど良かったです。
なぜなら、このスポーク、非常によく首とびを起こすのです。
私の友人のホイールですが 何度交換したか知れません。
もし のむラボホイールが この頻度でとんでいたらエライことになります。
DTのコンペティションは、お客さんにも私にも そういう手間をほとんどかけないことが
経験上分かっているので、入手性のみで選んでいるわけではありません。

この金スポークは色だけで選んでいますが。
とびやすいのは元々分かってたけど こんなにとぶとは思わなんだ。

DSC08713amx5.jpg
磁石に ほぼ無反応です。
ほぼ、というのはもっと強い磁石であれば
スポークの首折れ加工付近のみ かすかに磁性を示すからです。

category: スポークの話

tb: 0   cm: 1

スポークの磁性について(コメントのお返事)・前編  

先日、星のスターブライトについて書きましたが、
それについてコメントをいただきました。

「星スポークの事を、手元になく、調べもしないのに
いつも悪く言う野村さんに腹を立てていましたが、
今回の記事で少し気が晴れました。ありがとうございます。
星スポークは磁石につきます。糞呼ばわりは、不当評価です。
半○○に多用されるDTのスポークは磁石につきませんので、
野村さんの定義では糞スポークです。
入手性を優先して糞スポークに目を瞑るのは、
短いスポークを使う組み手と同類ですよ。」

ということですが、まずスターブライトの磁性について
もう一度ちゃんと書きます。
星のスポークで スポークヘッドが
☆マークなのがステンレス、
Hマークなのがスターブライトですが、
ステンレスは磁石に対して全く反応しません。
それに対してスターブライトは、私の知る限り
最高に磁石に強くくっつくスポークであったのです。
で、15年以上前には この2つをとくに区別せず使っていたのですが
そのうちステンレスのほうが 明らかに
スポークとびが激しいということに気が付きました。
そして星に限らず、サピムやDTのスポークも
磁石にくっつく性質を持っていて スポークとびが少ないことから、
経験的に「スポークの磁性と首のとびやすさには関係がある」ということを知りました。

ところがある時期から、Hマークのヘッドでスターブライト名目なのに
磁石に全くくっつかないスポークを星が出したものですから
「それをスターブライトの名でやるなよ まぎらわしい」となったわけです。
ソースは(→こちら
もちろん、何らかの原因で脱磁したということはありえないでしょう。
10年以上前に私が組んだホイールのスターブライトは磁石にくっつくので
磁性は 日常的な使用範囲では「失われる性質」ではないはずです。

星スポークのことを、手元にないのにということですが
旧スターブライトのことであれば 使い切ってしまったものの
磁性だけでなく 組んだ感触も含めて当時からよく知っています。
知りもしないのに非難しているわけではありません。
非難されるべきはスターブライトという同じ名前で
ある時点から別のものを作っている 星スポークのほうではないでしょうか。

次に、DTのスポークは磁石に付かないということですが
これは明確に誤りです。
旧スターブライトほどではないですが 磁石につく性質を持っています。
よって私の定義においてもクソスポークではありません。
DSC08681amx5.jpg
CX-RAY(スポークであれば何でもいいのですが)に
キャットアイのホイールマグネットを付けたものを用意しました。

DSC08683amx5.jpg
このマグネットは 振れ取り台にいつも貼り付けているもので、
先ほどのリンク先の記事で使ったものと同じものです。

DSC08684amx5.jpg
コンペティションを磁力で釣りました。
磁石がくっつきます。
調べもせずに くっつかないとかいうのはやめましょう。

DSC08686amx5.jpg
こういう風にすると、4本くらいはくっつきます。
画像は3本ですが。

DSC08687amx5.jpg
しかし、マグネットをちょっと振ると
耐えきれずにバラバラと落ちます。

DSC08688amx5.jpg
横から当てても、3~4本が限界です。

DSC08689amx5.jpg
DSC08690amx5.jpg
DSC08692amx5.jpg
つづいて、サピムのレースです。
3枚目の画像はスポークヘッドではなくねじ山側で釣っているので
有利に思えるかもしれませんが、実際は あまり変わりません。
コンペティションよりも磁石がくっつきます。
ただ、これも旧スターブライトほどではありません。
このことから、磁性からの経験則でいえば
コンペティションはレースよりも首がとびやすいということになるのですが、
実際はDTとサピムで顕著な差を感じないので
コメントにもあるように入手性を優先して
私は普段 コンペティションを主に使っています。
クソスポークだということに目を瞑っているわけではありません。
サピムにしろDTにしろ、決してとばないわけではありませんが、
私が組んだホイールで しょっちゅうスポークがとべば
過去に組んだホイールの修理だけで面倒なことになります。
お客さんが嫌な思いをするのが嫌なのは もちろんですが、
私自身もとびやすいスポークを使いたいと思う理由がありません。
そう考えたときに除外されるのは 残念ながらDTではなく星のスポークです。

DSC08657amx5.jpg
コンペティションとレースですが、この2つとも
上の画像のように フルクラムのニップルを呼ぶためのマグネットが、
柄の部分は磁石ではない単なるおもりなのに
横向きに貼りつくほどの磁性はありません。
丸断面スポークとしては 旧スターブライトが私の知る限り最強です。

DSC08696amx5.jpg
つづいてCX-RAYです。
CX-RAYは、スポーク比重的にはサピムのレーザーのバテッド部分を
平たくつぶしたものに相当します。
その加工のせいなのか、レーザーやレースと比べて
明らかに磁石の付きが強くなっています。
丸スポークだとマグネットに対して「線」で接触するところ
扁平スポークだと「面」で接触するから磁石が付きやすい、
と思うかもしれませんが

DSC08697amx5.jpg
それだと この方法でも たくさん釣れる説明にはなりません。
「扁平加工されたスポークは
同比重の丸断面スポークより磁石がくっつきやすい」というのも
どうやら間違いないようです。

DSC08699amx5.jpg
つづいて、星のエアロスターブライトIII型です。

DSC08700amx5.jpg
DSC08701amx5.jpg
旧スターブライトのくっつきやすさに 扁平加工がプラスされて
すごいことになっています。

この記事には続きがありますが
それを書くのに必要な 確実なソースが いま手元に無いので
しばらくお待ちください。

コンペティションとレースでは コンペティション(DT)を選び
エアロライトとCX-RAYでは CX-RAY(サピム)を選ぶ理由ですが、
DTの問屋さんが チャリ通の途中にあって寄れるから、だけではありません。

銀コンペティション2.0の取り扱い長さは258~306mmで1mm刻み、
銀レース2.0の取り扱い長さは254~306mmで2mm刻み
(ただし258~266mmまでは1mm刻み)となっており
700Cのたいていのホイールに必要な長さでは
レースが2mm刻みの取り扱いになっているからです。
また、レースはコンペティションよりもカット可能な長さが短いので
ある程度 細かく在庫を持つ必要があります。
これは、レースのほうが スポーク比重がかすかに軽いということでもありますが
フリー側に12本使う程度では有意な重量差にはなりません。

これが軽量エアロスポークの場合、
銀エアロライトは270・280・290・300mmの4種類だけで
マイナス10mmまでは確実にカットできるので
260~300mmに対応しているという展開です。
銀CX-RAYだと206~306mmの2mm刻みという展開で
マイナス6mmまでは確実にカットできるようになっています。

国内代理店の在庫の仕方の違いにより
2.0-1.8-2.0丸バテッドスポークは DTのほうが、
2.0-(0.9-2.3)ー2.0扁平スポークは サピムのほうが
使いたい長さが無いというリスクが少ないので
「半○○」にはコンペを選んでいます。


追記:
冒頭のコメントをいただいた方とは別ですが、
過去に何度も 複数の方から
ステンレスと磁性の関係について
たいへん有用な知識をいただいております。
この記事にもいただきました。
この場を借りてお礼を申し上げます。

category: スポークの話

tb: 0   cm: 2

ニップルの長さの話について訂正  

先日「ニップルの長さの話」という記事(→こちら)を書きましたが、
これについて訂正があります。
リンク先の記事で書いてあることを要約すると
「ニップルの外周側の終端から切ってあるねじ山の深さは
ニップルの全長にかかわらず同じ」
ということになりますが、
「DTのニップルでは、12・14・16mmで
それぞれこの長さが異なっています。
経験上も間違いないです。」
というコメントをいただきました。
ちなみに信頼性のある資料も添付してくださいましたが、
それの内容も コメント裏付けております。

これについて調べてみたのですが、
いただいたコメントの通りでした。
少なくとも DTの30系のニップルについては間違いありません。
30系というのはあとで詳しく触れますが、現行品のことです。

DSC05502amx5.jpg
私のスポーク長さの計算式は、
スポークがニップルの終端まで達した場合の長さが求まるようになっています。
この前提が覆されるなら(例外があるなら)、
ニップルによっては補正値を入れて スポークを短くしないといけません。
DSC05503amx5.jpg
例外が無いならニップルの違いは歯周ポケットの深さだけ、
というのが 前回の記事の内容です。

DSC05505amx5.jpg
12mmと16mmニップルで ねじ山の深さが一様で無い場合、
DSC05506amx5.jpg
スポークの長さをツライチで設定した場合
12mmニップルだと増し締めしろが残るものの
DSC05507amx5.jpg
16mmニップルだと突き当りに達してしまうということです。

DSC05508amx5.jpg
実際に調べてみました。
スポークは全て DTの14番チャンピオンです。
スポークのねじ山が突き当たるまで締めこんだ時の位置を見てみます。

DSC05509amx5.jpg
↑DTの12mmアルミニップルです。
2山ほど出ています。
DSC05511amx5.jpg
↑DTの16mmしんちゅうニップルです。
すり割りの下でツライチくらいです。
ということは、コメントにもあるようにニップルの終端からの
ねじ山深さは一様ではないということです。

DSC05512amx5.jpg
↑サピムの14mmアルミニップルです。
私は現在これを使いませんが CX-RAYの付属品です。
(使わない理由とねじ山深さは関係ありません)
ツライチから ちょっとだけ出ます。
DSC05515amx5.jpg
サピムの16mmアルミニップルです。
すり割りにすら達しません。
ということは、増し締めしろも含めて計算上(ツライチまで)の長さから
スポークの長さを短くしないといけません。

DSC05517amx5.jpg
星の16mmしんちゅうニップルです。
これは思いっきり出ます。



DSC05518amx5.jpg
続いて、DTのニップルについて。
DTのニップルには品番が付いていて、
材質や長さ、番手でこれが変わってきます(色品番はありません)。
これが昔は 5桁の番号だったのですが、
最近のものは「30-×××」という番号に変更されました。
例えば12mmの14番のしんちゅうは30-001です。
先ほどのDTのニップルは
12mmの14番のアルミの30-008と、
16mmの14番のしんちゅうの30-007です。

上の画像のものは5桁時代のものです。
12mmの15番のしんちゅうで 65167というニップルなのですが、
DSC05519amx5.jpg
DSC05520amx5.jpg
すり割りに 削られている場合もありますが
短い3本足が生えています。
これは14番ではなく15番であると区別するための印です。

DSC05521amx5.jpg
これは先ほどと同じ 15番の12mmのしんちゅうなのですが、
70643という別物です。
DSC05522amx5.jpg
こちらは丸く切削してあるような加工が
15番であるという印になります。

DSC05523amx5.jpg
これも15番の12mmのしんちゅうで、
現行品の30-035です。
DSC05524amx5.jpg
30-035は、70643と同じだと思われます(一応 分けて管理していますが)。
5桁品番から30系に移行する際に、
仕様が同じで 品番だけが変わったということなのでしょう。

で、5桁品番の古いバージョンのものは
16mmニップルになっても ツライチまでスポークが達したはずなのです。
というのを調べたかったのですが、あちこち探しまくっても
見当たりませんでした。たぶん持っているはずなのですが・・・。

もちろん、仮に その通りだとしても、現行品の30系では
ねじ山の深さが異なることとは関係ありません。
その点については訂正します。

ところで今日、同じ方から
「ニップルの件のシカトは酷いですね。」というコメントをいただいていますが、
シカトしていたわけではありません。
意図的にスルーする場合もあるのですが、
ちゃんとお答えしようと思いつつ
時間がかかったり時間が取れなかったりする場合もあります。
今回の件は後者です。
これは私が書いたことが間違っていたことに対する訂正なので
書かなければいけないと思っていました。

元記事が10月15日から書き始めて
上げたのが16日の午前1時、
ご指摘のコメントをいただいたのが16日未明です。
サピムと星のニップルは
この記事での検証のためだけに仕入れていますが、
サピムが入荷したのは20日、星は24日で、
発注したのはそれより2~3日前です。
伝票 見せましょうか?
で、5桁の古いバージョンの16mmニップルを探していたり
この記事を書く時間自体が取れなかったりして
今日の30日に至っているわけなので
私としては シカト呼ばわりは非常にムカつくということは
はっきり ここに書いておきます。

もちろん、間違いを指摘していただいたことは
大変ありがたく思っております。
このブログは私の備忘録を兼ねておりますので、
私個人が間違ったことを書いて恥をかくことより
このブログをより正しい内容にすることのほうが大事です。
あと、このブログは「吐いた唾は飲まない」という方針なので
誤字脱字の訂正などを除いては 基本的に削除したりなどしません。
なので リンク先の元記事では
この記事と合わせて不備を補完してくださいと
あとで書き添えておきます。

DSC05527amx5.jpg
あと、スポークに切ってあるねじ山の長さですが
メーカーによって個体差があり 最大で 2山ほど違っています。
私が使っているスポークカッターで転造されるねじ山部分の長さは
ここでいうところの 最もねじ山が長いスポークと同じ長さなのですが、
設定次第では画像のようなものが作れます。
このスポークで、ツライチで組み終わるようにすればいいというわけです。
が、汎用性を考えれば 私が組んだホイールを直すのが私とも限らないので
こういう特殊なことはせずに おとなしくニップルのねじ山深さに合わせて
スポーク長さのほうを調整したほうが良さそうです。

あと、ヴェントやボーラでスポーク比重の異なるスポークを
片側のフランジで混ぜていると書いたことに関して
「太さの違うスポーク間では単位応力あたりの伸び量が異なるだけでしょ。
そんなん誰でも判っています。もったいぶるほどのことですかね。」
というコメントをいただいていますが、
私が書きたいことは そういうことではありません。
太いスポークだから うにょーんが起きにくいというのは事実ですが、
ヴェントやボーラのアウトバテッドスポークは
単に回転時の重量バランサーとしての役割で混ぜてあるだけです。
この位相のスポークだけは うにょーんを起こさないように!
という目的ではありません。

片側フランジで異径スポークを混ぜる話と
片側フランジで異本スポークを混ぜる話については、
たぶん 4つか5つの記事を書いてから
卍状7700ホイールの話を書いて
タンジェント組みの最終交差のスポークの2本引っ張り方向の合成が
ヤマアラシさん方向に逸れる話を書いて、
DTのトライコンホイールが いかにすごくて
且つすごくないかという話に持っていく予定です。
こういうのはもっと仕事が暇なときにやるべきだったと後悔しております。

以上、コメントありがとうございました。
これについて さらに返信をいただいても
お返しすることは無いですが、
それはシカトですので ご安心ください。

あと、星のニップルは破棄だ破棄!かかった費用は取材費だ!

追記:
別の方からコメントをいただいたので シカトせずご紹介します。
「比重の異なるスポークを片側のフランジで混ぜている....
のはやめた方がいい、というのは、

太さの違うスポークが混在した側で、経年使用によって、
テンションの低い(番手の細い)スポークが緩んでくることがあり、
そのことによりフレが発生するから?ではないでしょうか?」

とのことですが、その通りです。
机上の話ではなく、
実際の現象として間違いなく起きることも確認済みです。
私が書きたいことは、その上で もうちょっと踏み込んだことなのですが
この件でやる気になったので そのうち書きます。
もうしばらくお待ちください。

category: スポークの話

tb: 0   cm: 4

ニップルの長さの話  

追記:この記事の内容に関して訂正がありますので、
いただいたコメントを元に検証した(→こちら)の記事も ご覧ください。


ひとつ前の記事中に書こうとも思ったのですが、
分けたほうがよさそうなので 個別記事にします。

先ほど組み換えたホイール、おそらくはサピムの赤ニップルです。
なぜかというと長さが14mmだったからで、
DTにも14mmアルミニップルは存在しますが
安定供給はされていません。
あと、アルマイトの赤が濃かったのも理由です。
最近のDTの赤ニップルの赤は やや薄めです。

汎用ニップルの長さは通常12mm、
ロングニップルと呼ばれるものが16mmですが
サピムのCX-RAYに付属している銀アルミニップルは14mmです。
(サピムのアルミニップルは、別売りであれば12mmのものも入手可能です)

「ロングニップルを使えばスポークの長さが短くなる」
と誤解している人もいますが、そんなことはありません。同じです。
というのが 今回の話です。
DSC05206amx5.jpg
12mmニップルを大雑把に描くと こんな感じです。
ホイールに仕立てたときの内周側からスポークを突っ込むと、
ねじ山に突き当たるまでに ねじ山が無い部分があります。
これは だいたい4mmほどで、私は歯周ポケットと呼んでいます。
外周側に マイナスドライバーが入るようなすり割りがありますが、
これの深さはだいたい1mmほどです。
なので差し引き7mmが ねじ山部分となります。

DSC05208amx5.jpg
私のスポーク長さ計算式では、
スポークの端が ニップルの外周側の端とツライチになる長さを
算出するようにしています。

DSC05210amx5.jpg
このとき、スポークのねじ山終わりは
ニップルのねじ山始まりに達していません。
もしスポークの長さを間違えて長いものを使ってしまった場合
スポークの端がニップルから飛び出して
ねじ山を使い切ってしまいます。
ツライチから増し締めしていって
ねじ山が突き当たるまでの長さは2mm弱といったところです。
突き当たった状態でホイールを使うと
スポークのねじ山終わりの境目で折れるリスクが非常に高くなります。
増し締めでの振れ取り調整も出来ません。

スポークの長さは ハブとリムの寸法、あとは組み方で決まるわけですが
その長さはニップルの外周側の端までを算出しているので
もしニップルの長さによって ニップルのねじ始まりの位置が
変動するとなると、かえって不便です。

DSC05211amx5.jpg
なので、12mmより長いニップルは歯周ポケットが深いだけであって
ニップルのねじ山始まりは 本体の全長に関係なく
外周側の端から約8mmとなっています。
では なぜロングニップルが存在するのかというと、
そうでないと都合の悪いリムが存在するからです。
マヴィックのCXP30リムや 初代コスミックエリートのリム(←実は穴数以外同じもの)
ではニップルの首下が収まる箇所が やや内周部寄りになっており、
ロングニップルにしないと工具がかかりません。
また、ホンフゥのカーボンリムなどでは 強度確保のためか
内周側の厚みを大きく取ってあり、
12mmニップルだと 工具でつかむ四面の部分が
かすかに出るだけになるので 14mmニップルにしたほうがいい場合もあります。
が、歯周ポケットが長いニップルは 調整時のひねり切れ耐性が低いので
特別な理由が無い限り 私は現在12mmのニップルしか使いません。
サピムのCX-RAYに付属している14mmアルミニップルも
使わないので、かなり貯まってきました。

DSC05143amx5.jpg
↑で、これはひとつ前の記事のホイールの組み換え前の画像ですが
初動ゆるみを防ぐだけで ニップルを再度回せば ほぼ効果が無い
パリッと割れるタイプの ねじ止め剤が 歯垢状に固まっていたので、
歯周ポケットが目視できるなーと思ったことが この記事を書く動機になりました。
私は この手のねじ止め剤を使わないので 普段これを見ることが無いのです。

category: スポークの話

tb: 0   cm: 1

CXというスポーク  

先日組んだのむラボホイール2.5号の前輪について、

>CXという前後方向に変形しにくいスポーク
ここ、ダウトです。
そりゃ、テンションがかかった状態のスポークの真ん中に、前後方向の
力(にぎにぎですね)をかけたらエアロスポークの方が変形しない
でしょうけど、走行中にそんな力がかかることはありませんよね。
スポークはその両端(ハブ側、リム側)でその伸長方向の力を受け、
その伸長方向の力を伝えます。
その分力は縦、横、捩れ、の方向に分解はできますが。
その点において、丸断面のスポークとエアロ形状のスポークの差は
なく、断面積や素材の硬さ(圧延による変性等も含みます)の違いが
ホイールの剛性として現れるだけです。
と、考えますがいかがでしょうか。

というコメントをいただきました。
全面的にその通りです。
「スポークの前後方向の変形しにくさ」について、
走行中にそういう力が実際かかるわけでないことは承知しております。

ここで書きたかったことについて。
まず スポークテンションメーターでテンションを測る方法ですが、
スポークの前後または左右方向から
くの字に曲げるように測定子で押さえて測ります。
CXはスポーク比重が実測で100.3%なので
14番プレーン(スポーク比重100%)をつぶしたものだと考えられます。
CXは、扁平なスポークの形状により
同比重の丸断面スポークより前後方向での
テンションメーターの測定では 変形しにくさが 上と出ます(当たり前ですが)。

そのときのメーター読みの数字が
たまたまレーシングゼロのヌルめの個体をうっすら上回っていました、
というだけの話です。
これについて、もし
スポーク本数が18Hより多かったり
スポークがCX-RAYであったり
リム高が50mmより低かったりしたら
この数字は出なかったろうなぁ、というだけの話です。

元の記事中にもありますが、
スポークに対して 前後方向からスポークテンションを当てたときの数値、
つまり ある種の方法で検知される
数値上でのスポークの変形しにくさ「だけ」が
上回ったからといって、
すなわちレーシングゼロと同じ硬さのホイールを
組んだということにはなりません。
アルミスポークは断面積と材質(←コメントの言葉をお借りすれば
「素材の硬さ」)がスチールスポークと 別物だからです。

「CXという前後方向に変形しにくいスポーク」というのは
確かに不正確な表現でした。
同じ比重100%の14番プレーンより
実走時においても前後方向に変形しにくい、というような
ニュアンスで書いたのではありません。
なので「CXという前後方向でメーターを当てたときに
高い数値が出るスポーク」と書いたほうが正確でした。

その「高い数値」がレーシングゼロの下限を超えたので
「おー すごい」と思ったという話です。
スチールスポークの手組みホイールで
それを超えることは めったに無いので。

ホイール走行中のスポークの振る舞いについては
コメントにあるとおりです。

コメントありがとうございました。



追記:
いい機会なので ついでに前から書こうと思っていたことを。
現実的な範囲では、スポーク比重100%のスポークというのは
「形状にかかわらず」ホイールを組むときに
テンションを際限なく上げていったとして
真っ先に壊れるパーツではありません。
リム穴が抜けるか ニップルが破断するかが先でしょう。

ところが、スポーク比重65%のスポークになると 事情が変わってきます。
1200N以上に十分耐えられるリムであったならば、
丸断面スポークの場合
うにょーん(伸張方向の塑性変形)が 起きるのです。
これが扁平加工されたスポークであれば
現実的な ほとんどの範囲において うにょーんは起きません。
よって私がCX-RAYに期待していること評価していることというのは
レボリューションと同じ軽さなのに降伏がはるかに起きにくいという点です。
さらに、その対処法が扁平加工なので
ホイール組みの際にスポークを工具でつかんで
供回りを押さえることができるため 作業性に優れているという点もです。
実は この2つの条件を満たすだけなら、
スポークの扁平方向が 前後方向ではなく左右方向でもかまいません。
ただ、空力的なことを考えると どうせなら
前後方向に扁平であったほうがいいですね。
私がスポークに求めている空力特性というのは、
この「どうせなら」という程度のことです。
ホイールの組み手としては、スポークのエアロ効果というものを
過小評価している・・・とは思いませんが 崇拝まではしていないのは確かです。

スポーク比重が同じ100%同士の チャンピオンとCXで
各々スポークテンションをなるべく張った場合
同じ剛性のホイールを得ることは出来ますが、
スポーク比重が同じ65%同士の レボリューションとCX-RAYでは
各々スポークテンションをなるべく張った場合
同じ剛性のホイールにはなりません。
これはコメントにもある「圧延による変性等も含みます」というのが
スポーク比重によって 現実的なホイール組みの範囲で
無視できる場合と そうでない場合があるということです。

DSC04841e.jpg
ところで話は変わりますが、
これは旧ITMのクロノビップ3という製品の箱です。
なぜエアロバーと書かず DHバーと書かず エクステンションバーと書かず
製品と書いたのかについては 後ほど。

DSC04842e.jpg
DSC04843e.jpg
DSC04844e.jpg
↑それぞれ こんな形です。
それはどうでもいいのですが、
これが「何なのか」についての説明が
DSC04845e.jpg
箱の側面にあります。
上からイタリア語・英語・フランス語・ドイツ語と
ロゼッタストーンみたいになっていますが
イタリア語以外の言語は イタリア語の直訳・・・ではありません。

上から直訳すると
イタリア語  延長されたハンドルと 肘掛け
英語     調整可能なバーエンドと 腕休め
フランス語  空力ハンドルバーと 肘サポート
ドイツ語   空力ハンドルバーと 肘パッド
となります。
ここで言いたいのは、まったく同じものに対して
長さが調整できることについて言及している説明もあれば
使ったときの空力特性に着目している説明もあるということです。

複数のホイールの組み手に CX-RAYの特徴を尋ねれば
「扁平なので空力に優れたスポークだ」とか
「とにかく軽いスポークだ」とか
いろんな見解が返ってくると思うのですが、
私は「スポーク比重の割りに 異常に降伏が起きにくいスポークだ」
というのが第一の感想です。
私の場合は エアロがどうこうとかを強く意識して
CX-RAYを使っているわけではありません。
なので私にすれば CX-RAYのようなスポークを
エアロスポークと呼ぶのは、最も注目したい要素が
名前のなかで表現されていないという点が 少し気になります。

もしかしたら扁平スポークを最初に考えた人が
フラットスポークという呼び名を広めていたら
それが一般化したかも知れませんし、
圧延によってこの形にした!というのを強調したいなら
ロールドスポークとかプレスドスポークという
名前になっていたかもしれませんし、
きしめんに着想を得て作られたのなら
ナゴヤスタイルヌードルスポークという名称になっていたかもしれません。

そこで、多くの人に「これは加工硬化のために こうしたんだ」という
観念をまず得てもらうために、空力特性や形状に一切言及せず
ストレインハードニングスポークという呼び名を考えたのですが、
どう考えても普及しそうにはありません。
また この場合、ストレインハードニング(加工硬化)されている
スポークであれば 空力的に有利な形状かどうかは問われないのですが
現状存在しているものでは 空力的に有利な形状をしちゃってるので
形状を端的に表現してエアロスポークと呼ぶのはどうでしょうか。

レイノルズやローヴァルのホイールには、
40mm高以上のリムなのに
丸断面バテッドスポークを使っているものがありますが、
うにょーんさえ起きていなければ
「空力的に不利だからダメだ」などと思ったりはしません。

category: スポークの話

tb: 0   cm: 0

プロフィール

検索フォーム

最新記事

最新コメント

カテゴリ

月別アーカイブ

リンク

カウンター