のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

シディのシューズのクリートボルト折れを解決しました  

ドリルがうなる!
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SDカードからの復旧データなので ダメな画像は こうなります。
お客さんから シディのカーボンソールのロード用シューズをお預かりしました。
前1穴でクリートボルトがパキンと折れたので 何とかしてほしいとのことです。
行きつけのショップでは断られたそうですが、
そこは購入店では無いとのことなので まあいいや。

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ツライチで折れています。
鉄をサクサク切れる超硬ドリルで

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ミニマイナスドライバー用のスリットを作って回す、
という策では無理でした。

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では仕方ない、芯を出しつつの露天掘り(鉄相手だと高難度)で
なんとか抜いて

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ヘリサートコイルを打ち込む策に方針転換です。
最悪 別にぶち抜いてもいいのですが、
シューズの底材にドリルの先を当てずに 穴をあけられました。
どうだ すごいだろ!(自画自賛)

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↑こんな感じ

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作業後の画像は壊れてませんでした。

category: ドリルがうなる!

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BONTのシューズのストラップ穴を新設しました  

ドリルがうなる!
ドリルがうなる!系の記事用画像で
記事にしていないものがたくさんあるのですが、
ちょうどいい機会のものがあるので出します。
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お客さんから BONTのシューズをお預かりしました。
一番上のストラップの締め具合が左右で違うので
とても履いていられないとのことです。

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キャリパーバックル(というのはシディでの呼び名ですが)の取り付け穴が
左右で全然違っており、すでに外している遠いほうだと
ストラップの山が1山かかる程度になるので、
もう片方と位置を合わせて穴をあけてほしいということです。

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遠いほうの穴、カーボンの部分だけでなく
革の部分にかかっているのも 地味にマズイ気がするのですが・・・。

DSC02855amx6.jpg
あけました。

BONTのシューズを買う時のチェック項目が またひとつ増えましたね。
他メーカーだと気にする必要はありません。
このレベルの瑕疵なら 普通は交換してもらえるので。

ついでに挙げておくと、スピードプレイのクリートの横方向の可動域を
クランク側いっぱいに詰めたときに 左右でクランクとの距離が違うのを
「仕様です」と代理店に押し切られた件
(前編は→こちら)(後編は→こちら)を貼っておきます。
片側を遠くに、もう片側を近くに詰めれば「左右同じ」にはなりますが、
お客さんのやりたいことは「左右とも いっぱいに詰めること」なので
解決には なりません。
この件ではお客さんが購入店(名は伏せますがシルベストサイクル)
かなりの やり取りをしたはずですが、
代理店は のれんに腕押し、ショップは ぬかに釘だったので
当店をご利用しての自己解決になりました。
よそで買ったものの面倒まで死ぬ気で見ろとは言わんが
自分とこで売ったものの面倒くらい最後まで見ろよ。

category: ドリルがうなる!

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BONTのシューズのクリート穴を新設しました  

ドリルがうなる!
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お客さんから BONTのシューズをお預かりしました。
BONTのシューズですが、作りが異常に悪いものが多いです。
最近は多少マシになったようですが。
あと、国内代理店の中の人は 技術的な話がまともに通じないのも痛いです。
一応 擁護すると、シューズの作り(精度や仕上げ)が クソなのは
メーカーが悪いことなので これは仕様です、これは仕様です、
と言うだけしか出来ないのも 仕方がありません。
ただ、他メーカーのシューズでは まずありえないような瑕疵が見られるのに
「それも仕様なので交換は出来ません」の一点張りに終始するのは
ちょっとどうかと思います。
BONTのシューズが足に合うとか、
デザインが気に入ったので欲しいなどの場合の 自己防衛策としては、
買う前に現物を吟味するくらいしか ありません。

今回の話は BONT側に そういう瑕疵や落ち度があるわけではないので
これ以上は書かないでおきます。

DSC01466msn.jpg
これを履いているのは女性ですが、
クリート用の3穴が かかと寄りにあいているので
もっとクリートを前に出したいところ これ以上は無理なので
3穴を前側に別に設けて欲しい、ということです。

クリートの穴が かかと寄りだというのは無根拠な話ではなく、
以前に履いていたスペシャライズドのシューズと比べると
明らかに違うとのことです。

以前から話は聞いていたので、
シューズからクリートナットを外せる構造であれば
たぶん出来ますとは答えていました。

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クリートを外しました。
まず最初にしたのは、かかと側で左右のシューズの端をそろえて
靴底同士で合わせてみたことです。
左右で3穴の前後位置が違う(仕様です)、
という例が 過去にあったので信用できません。
実は 同じことを お客さんのほうでも すでにやったらしいです。
はっはっは そうですよね、まず そこからですよね。

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クリートナットは、クリート固定ボルトに呼ばれて
シューズ側に食いつく方式になっていました。

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お客さんのほうで、クリートナットのスペアパーツを
用意してくれていたのが助かりました。
新しいのにしたいから、ではなく
現状 食いついているクリートナットの構造が分かれば
確信を持って作業が出来るからです。
クリートナットの交換は必須ではないですが、
お客さんの希望なので やりました。

DSC01473msn.jpg
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フランジ部分にスパイクが付いていて、
シューズ側に食いついています。

ここで問題なのが、どの程度前側に 穴をあけるかということです。
穴がつながった長穴にするのは まずいので、
ある程度 距離を置く必要があります。
あと、元の穴のクリートナットを取り外さない場合
新旧のクリートナットのフランジが干渉します。

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新旧のクリートナットが干渉しない最短距離
(フランジを加工しない場合)は このようになりますが、

DSC01476msn.jpg
これがクリート側の調整幅より大きいので
「新穴の一番後ろの位置が 旧穴の一番前の位置よりも さらに前」となり
どちらの穴でも出せない位置が発生することになります。
お客さんは ガッツリ前に寄せたいとのことなので
それ自体は問題ないのですが、

DSC01477msn.jpg
↑旧穴のクリートナットを撤去しない最短距離だと
前に出すぎるので これよりは穴の間隔を詰める必要があります。
どれくらい前に出すのかは お客さんと相談して決めました。

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クリートナットを外しました。
これと同じサイズの穴を まっすぐ前方に「同じ間隔で」設ければ・・・
いいわけ無いだろ クソシューズめ
お前の頭の悪さに引きずりこまれると思うなよ。

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旧穴の後ろ2穴ギリギリに クリートの長穴を合わせました。
が、前の穴がクリートで隠れているので
この位置に固定することが出来ません。

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旧穴の前1穴ギリギリに クリートの長穴を合わせました。
今度は後ろ2穴がふさがります。

お客さんの旧穴での位置は これが起こらない範囲で
クリートをなるべく前にしていたので
DSC01481msn.jpg
↑ここになります。
クリートの稼動域を使い切れるような
穴位置設定になっていないということです。

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クリートの前後穴の間隔は、広くても狭くても クリートの稼動域を殺します。
極端な話 上の図の穴位置では クリートを動かすことが出来ません。

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これは私のシディとシマノのシューズですが、
クリートの長穴に対するボルトの位置が だいたい同じになっています。
シディが ちょっと「広い」んですが、
今回のBONTの「狭い」具合は 前1穴が長穴の後端のときに
後ろ2穴が だいたい長穴の真ん中という位置なので、
クリートの調整幅が本来の半分程度しかないということになります。
ペダルメーカーによって寸法が違うので 冗長性を持たせている、
としても納得できない寸法です。
これは瑕疵ではなく「仕様」なので、不良交換の対象にはなりません。

冒頭で書いた「吟味」ですが、3穴自体の前後位置と
自分が使っている規格のクリートの稼動域を調べるというのも重要です。

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まず 後ろ2穴を新設しました。
先ほど書いたように、旧クリートナットを撤去したので
フランジが干渉しない最短距離よりは間隔を詰めてあります。

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つづいて、前1穴を新設しました。

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これで、クリートの稼動域を最大限使えます。

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↑一番後ろにすると こんな感じ
クリートナットが陥没気味なのは まだスパイクを呼んでいないからです。

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↑新穴の一番後ろです。
旧クリート位置が白線で描いてありますが、
この間の位置にはクリートを設定できません。
ガッツリ前に寄せたいとのことなので
問題ないという確認は取っていますが。

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↑新穴の一番前です。

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クリート固定ボルトを締めて スパイクを呼びました。

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つづいて もう片方も
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やりました。
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まえ~
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うしろ~

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↑シューズの内側から。
前1穴のクリートナットの前進量が 後ろ2穴よりも大きい、
つまり以前は「狭かった」わけです。

インナーソールをはめても 旧クリートナットの凹みが
感触で分かるようであれば、ガムテープなど貼って埋めて下さい。


この件と同じ お客さんのバイクで、
シートチューブにボトルケージ穴が3つあるものの
一番下の穴にリベットナットを打ち忘れている(穴自体はある)ので
上2つの穴でボトルケージを固定したら ロングボトルが実質使えない、
というフレームにリベットナット打ちをしましたが、
とくに書くこともないので記事用の画像を撮りませんでした。
それはいいのですが、おそらく前輪だけを外して車載していると思うのですが
前輪が付いた状態のバイクで持って帰られたので
前輪が入っていたホイールバッグを お忘れになっています。
もしここを読んでたら そういうことなのでよろしくお願いします。

category: ドリルがうなる!

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BHのシクロクロスを組んだのですが  

ドリルがうなる!
↑これはお決まりの口上であって、今回 実際にうなったのは おもにリューターです。
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BHのシクロフレーム、RXチームを組みました。
このフレームセット、適合ハブはフロント100mm・リヤ135mmのクイック、
ディスクブレーキ台座付きではあるものの カンチブレーキ台座用の穴があり
台座も付属するのでリムブレーキにも対応、
BBの規格はBB386で、圧入式ベアリングと
シマノクランク用のアダプターも付属しているので
対応クランクであればBB小物を買う必要無し
(余計に出費がかかるのは スラムの24/22mmクランクか
カンパニョーロにする場合くらい)、
と至れり尽くせりの仕様となっております。

追記:3件くらいコメントをいただきましたが、
BB86ではなくBB386です。訂正しておきました。

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今回はフロントシングルギヤと
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機械式ディスクブレーキで組んでいます。
このTRPのSPYREというブレーキ、パッドが自社規格ではなく
シマノのE01Sというパッドとコンパチブルなのが優秀です。
新スーパーSLR(現行のシマノのロードブレーキの力率)とも合っており
パッドタッチ以降の握り込みで ブレーキレバーが どこまでも
ぐにゅ~んと引けてしまう症状もありません。

この「フロントシングル且つディスクブレーキ」というのが 今回のポイントです。

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リムブレーキではないので、トップチューブの前後にある穴は使いません。
フレームに付属していた 専用のフタで塞いでいます。
それ以外の この穴用の小物ですが、
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↑シフトアウター用
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↑ブレーキアウター用
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↑電動用
があり、単なるフタと合わせて4種類あります。

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ここで要注意なのが、
ブレーキアウターは5mm径、シフトアウターは4mm径で
アウターキャップを取り付けると いずれも6mm径になるということです。

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このフレームに付属しているシフト用の小物は、
キャップ無しで直接 突っ込むサイズになっています。
6mm穴と4mm穴があるということですね。

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トップチューブの前後、ダウンチューブの左右、右チェーンステーの計5ヵ所に
どのような組み合わせであっても足りるように小物が付属しています。
具体的には6mmが2個、4mmが3個、電動が2個、フタが3個です。

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なので、今回の仕様でセオリー通りに組むと
ダウンチューブは左がフタ 右が4mm、

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チェーンステーが4mmとなりますが、これがちょっと気持ち悪いのです。

DSC00169amx8.jpg
↑これは別件での画像ですが、
シフトアウターの端が剥けて鋼線の巻きが爆発しています。
これをなるべく避けたいので 私は
「シフトアウターを金属製のアウターキャップで受け止めたい」のです。
もちろん、仕様上 それが出来ないフレームも多々あります。

ジャグワイヤーでブレーキアウターと同じ鋼線の巻き方をしている
シフトアウターがありますが、あれは変速性能と耐久性のいずれをとっても
コンポメーカーの純正品には及びません。
完成車にアッセンブルされていることも多く 見るたびにゾッとします。

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あと、一旦組んでおいて なんですが
ダウンチューブ裏にブレーキアウターが這っているのも気に入りません。

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泥 めっちゃ噛みそう。

今回は、フロントシングル(=ダウンチューブ左の穴が空いている)で
ディスクブレーキ(=トップチューブ用の6mm小物が余っている)ということから
これらの問題が解決しました。
不可逆加工があるので 事前に お客さんの了承はいただいております。

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BB裏は、専用のフタが ねじ止めになっており
電動コンポの場合は これだけですが

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機械式コンポの場合はワイヤーリードと共締めになります。

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ダウンチューブ裏のブレーキアウターを内蔵式に変更しました。

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裏のフタは、このように加工しています。

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ダウンチューブ左側の小物は、電動用のものにグロメットを付けて
ブレーキアウターを通しました。
このグロメットはコンポメーカーやフレームの付属品などではなく、
私が別に用意したものです。

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ディスクブレーキなので、6mmの小物が2つ余ったのを
金属製アウターキャップ有りのシフト用として転用できました。

フロントシングルなので 6mmは2つで足ります。

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リヤブレーキアウターの軌道が変わったので
保護ステッカーの位置を変える必要があります。

アウターとフレーム接触点に取り付けるチューブ状のパーツは、
フレームに対するダメージが幾分か軽減されるのは確かですが
間に砂を噛んで動きがあれば フレームに擦れ傷が付くのは同じなので、
気になるなら 保護ステッカーを貼りつける以外に手はありません。

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ダウンチューブ裏が かなりすっきりしました。

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セオリー通りに組むよりは 掃除がしやすいはずです。

このフレームは 必ずしも こう組むべき!というわけではないのですが、
小物の余り具合からして もしこれが私物なら
きっとこうするだろうなと思ったので お客さんに提案させてもらいました。

category: ドリルがうなる!

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トリニティのアッパーステムに上JCを仕込みました  

ドリルがうなる!
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私物のジャイアント・トリニティを電動コンポ化しました。
元は シマノ9Sのバーコンを右のベースバーの穴に突っ込み、
穴に突っ込む系のブレーキレバーが使えないので
外径24.0mm用のサブレバーをブレーキレバーにしていたのですが、

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9S用のバーコン、SL-BS77-9の右側が
別件で必要になったので ついでに電動化しました。

ちなみに このバーコン、7700系ですが
左右セットでいいなら 現在でも新品の入手が可能です。
(昔は片方だけの販売形態がありました)

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アッパーステムにシマノの新型の上ジャンクションを仕込みました。
ドロップバーエンドに仕込む用の上JCではありますが、
トップチューブなどの平面部分に これ用の穴があいている
フレームに取り付けるための板も付属しているので、
それを使って このように仕込みました。

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壁に埋め込まれているので 薄型テレビのように見えますが

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実はブラウン管が長い、といった感じです。
コードは2口なので、まともに使おうとすれば
分岐タイプのコードが必須です。それについては後述します。

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出来ました。
非常に すっきりした見た目です。
BB穴が完全密室でなければ フレームに仕込もうと思ったのですが、
アッパーステムにして良かったかもしれません。

このフレーム、3種類のハンドル高さが選べる仕様で
アッパーステムとローワーステムが3セット付属していますが、
これは一番低いステムです。

DSC06583amx6.jpg
トリニティのステムについて。今から書くことは、
2011年のトリニティ アドヴァンスド SLについてのことで
現行モデルと同じではありません。
また、最上位グレードでないトリニティでは
普通の仕様のヘッドチューブのものもあります。

まずフォークですが、左右にねじ穴があります。
これは ねじ径や取り付け位置の関係から
ダイレクトマウントブレーキのためのものではありません。
それ以前に当時はコンポメーカーが出している
ダイレクトマウントブレーキというのは無いので
規格そのものが違います。

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通常のステムと同じように、アッパーステムを取り付けます。

DSC06585amx6.jpg
つづいて、アッパーステムの裏側から
M4ボルト1本でハンドルバーを固定します。

固定といっても、ハンドルバーが横にずれるのを防ぐ程度の効果しかなく
これで乗車すると いずれ ねじ穴がもげてハンドルが外れることになります。
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↑これ

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そこで、フォークのねじ山にローワーステムを取り付け
アッパーステムとローワーステムで
ハンドルバーをはさみこむことによって 固定するという形を取っています。
アッパーステムとローワーステムの間は、
後ろ側にすき間があるのでベースバーを確実に固定できています
(前後ともピッチリ閉じると固定が怪しくなる)。

なぜわざわざ こういう構造にしたのかですが、
「ローワーステムが無いとハンドルバーが固定できない、
なのでローワーステムは エアロ追求のために取り付けているわけではなく
あくまで必要不可欠な機能部品である」
と主張するためです。
F1のレギュレーションすり抜けみたいな言い訳ですが、まさにそういうことです。
フレームの各チューブの最大径は8cmを超えてはならないという
UCIルールもありますが、ハンドル周りの構造体はステムであって
フレームではないので8cmを超えていないのでOK、
という言い訳も兼ねています。
スペシャライズドのSHIVも同じような構造で
当時のUCIルールを通そうとしましたが、
3回か4回 連続で却下されたので UCIルールはあきらめて
トライアスロンに特化したバイクになりました。
フレームチューブの扁平率が3:1を超えてはならない、
というUCIルールもトライアスロンには関係ないので
気持ちよく破っています。

で、このトリニティも デビュー当初はUCIルールに適合していたのですが、
現行のルールではステムとフォーク周りで引っかかります。
2015年モデルまでは 同様の構造で継続、
2016年は トライアスロンに特化したトリニティが海外でのみ発売
(そのトリニティは国内未発売ですが 同様のヘッド周りを採用した
女性用トライアスロンバイクのアヴォウはLivブランドで国内展開あり)、
2017年からはUCIルールに適合したフォークになったトリニティと
トライアスロン特化型トリニティがそれぞれ展開されることになりました。

トライアスロン特化型トリニティは一体型ハイドレーションユニットや
BB下のエアロカバーがUCIルールを通りませんが、
フォークブレードの扁平率も5:1くらいにしてあるので その点でも通りません。
アヴォウはトライアスロン特化型トリニティの色違いのように見えますが、
フォークの扁平率は控え目になっています。

で、ある年の白浜の実業団レースで
その年初めての実業団TTがあったのですが、
シマノレーシングがトリニティでレースを走った後に全員失格になりました。
その時点でのUCIルールに違反していたからです。
「検車を通したのは審判だから そちらにも問題がある」
という論調で食ってかかられた ある審判員から 当店に電話がありまして、
トリニティのどの辺がUCIルール違反なのか詳しく教えてくれということなので
ローワーステムがかくかくしかじかと説明しました。
気の毒ですが ルール知らん奴が悪いとしか言えません。
レース前までに気付けば
ロードバイクでTTレースを走るという手もあったのですが・・・。
「レースの前日から徹夜して一晩かけて全員のTTバイクをメンテしたぜ」
みたいなツイートをチームメカニックの人がしていたらしいですが、
その後どうなったのかは知りません。

DSC06500amx6.jpg
下JCは、ダウンチューブ上部に元からある穴が
ちょうどのサイズだったので ここから入れますが
本当に ちょうどのサイズなので
ブレーキアウターを通してからでは通りません。

DSC06501amx6.jpg
↑画像左(右クランク側)から
リヤメカの配線・バッテリーの配線・ブレーキアウターです。

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外付けバッテリー台座を リベッターナットで設けました。

DSC06505amx6.jpg
後輪はカンパニョーロのギブリですが、
ギブリは ケヴラー張りのシートが ややレンズ形状になっている都合上、
フリーボディが短くなっていてギブリ専用の9Sギヤ
(11-19Tまたは11-21T)の取り付けしかできません。
ちなみに9Sの11-19Tはとんでいる歯が無いフルクロスです。
10Sのヴェローチェにも 14-23Tというフルクロスの歯がありましたが
あれは本当に重宝しました。

スプラインそのものはカンパニョーロのそれなので、
10Sギヤと9Sスペーサーをいろいろ組み合わせて
シマノの9Sバーコンのインデックス(無段階ではなく カチカチの変速)で
何とか使えるようにしていましたが、
カンパニョーロの11Sギヤから1枚抜いた
「11Sギヤの間隔の10Sギヤ」であれば
シマノの11Sコンポで問題なく(→こちら)動作するので
この後の変速調整では カンパニョーロのスプロケットだということを
すっかり忘れるくらいには合いました。

DSC06506amx6.jpg
フロントシングルで そこそこ登れるように、と思い
コーラスの12-29Tから16Tを1枚抜いた10Sギヤにしました。
この選択にも理由があって、

DSC06602amx6.jpg
↑現行のカンパニョーロのスプロケット上3つのグレードのワイドレシオギヤ、
11-27T・11-29T・12-27T・12-29Tのギヤ構成を書き出しました。
この3グレードはロー側ギヤの材質が違うだけで、構成は同じです。
四角で囲った3枚セットのギヤは分割できません。
トップギヤはロックリング用のギザが切ってあるので抜けません。
11Tトップのスプロケットのトップを抜いて12Tトップには出来ないということです。
また、11Tトップの次の12Tは 11Tギヤが12Tに少し埋まる形状になっているので
その理由でも12Tトップにはできません。

ギヤの歯数とは別に書いた3桁の数字は
そのギヤのスペアパーツの品番です。
よく見ると11Tトップと12Tトップでは
13・14・15Tあたりも同じパーツではありません。
ローギヤ3枚と、その下の3枚は
同じ色で四角で囲ったもの同士の品番は同じです。

ローギヤの357または369は、スーパーレコードとレコードでは
チタンギヤの357Tまたは369Tとなり、
その下の791はスーパーレコードのみ チタンギヤの791Tとなります。
それよりトップ側は、3グレードとも同じ品番なので同じパーツです。

で、1枚抜くとなると ロー側から数えて2つの3枚セットギヤの
次のギヤになると思うのですが、11Tトップで それをやると
14Tの次が17Tとなり、おかしなことになります。
なのでワイドレシオのギヤで1枚抜くとすれば
12Tトップの16Tを抜く以外に無いのです。

一応、さらに下位グレードに「CAMPAGNOLO 11S」という
グレード外グレードのスプロケットがあり、
ロー側3枚がまとまっていて残り8枚がバラバラという仕様なのですが、
それには12-27Tはあっても12-29Tがありません。
このグレード外スプロケット、カンパニョーロの問屋さんによっては
ポテンツァ11のスプロケットになっていたり
「その他」という括りのグレードで販売していたりします。

DSC06507amx6.jpg
ギブリのフリーボディに11Sから1枚抜いたスプロケットをポン付けしました。
いい感じです。
このままでもローギヤ変速時に
リヤメカとディスクとの干渉は起きませんでしたが、
不安ならマヴィックのED11極薄スペーサーを
1枚追加してもいいかもしれません。

DSC06532amx6.jpg
リヤメカはR9150にしました。
ローギヤ30Tまで対応しているというのが理由のひとつですが、
9070のリヤメカでも 29Tくらいなら使えるとは思います。

DSC06607amx6.jpg
電動関係の配線は この通りです。
重要なのは、右レバーを2ボタンの ST-6871にしていることです。
先ほど、まともに使おうとすれば
分岐タイプのコードが必須だと書きましたが
フロント変速が無い仕様なので通常のコードだけでいけます。

私は左前ブレーキですが、左のブレーキレバーは
7800時代のブレーキレバーBL-TT78を使っています。
そうしないとフロントブレーキとの力率が合わず、
ブレーキの感触も利きも悪くなります。

DSC06604amx6.jpg
これはST-9160ですが、1ボタンに仕様変更されています。
シンクロシフトに設定すれば 右2ボタンをリヤ変速、
左2ボタンをフロント変速に割り当てなくとも良いという考えのようです。
余計なことを・・・。

レバーから出ているコードは短く、メス側で終わっているので
任意の長さのコードを使うことになります。

DSC06605amx6.jpg
ブレーキアウターがハンドル内引きなのは従来通りですが、
今回からはシフトのコードも内引きになりました。

DSC06511amx6.jpg
ST-6871ではシフトのコードは外引きです。

DSC06603amx6.jpg
新型のバーエンドシフターは、突き出しの長さが最小限になっています。
今までのに慣れていると やや押しにくいのですが、
TTバイクのUCIレギュレーションの
「BBからエクステンションバー先端まで750mm以内であること」の
規制に引っかからない範囲でバーの突き出しを増やせます。
今までのバーエンドシフターは
ある程度の長さのコードが出ているという仕様でしたが、
今回からはコードが別売りで任意の長さを選べるようになりました。
だからカタログでコード付きの画像を載せるのはやめてくれまぎらわしい
もしくは横に大きく「コード別売り」と書いといてくれ


DSC06608amx6.jpg
分岐コードを使えば 従来の3口JCで
TTのハンドルセットが組める可能性があります(上の図)。
やったことは ありませんが。

DSC06514amx6.jpg
トリニティのエクステンションバーはベースバーの下側に取り付くよう改造しています。

DSC06515amx6.jpg
↑上から見ると こんな感じ
エクステンションバーの後ろの突き出しに
プロファイルのパッドホルダーを取り付け、
異常に低くて近いポジションを取れるようにしています。
このハンドルバーセットの許す限りで
オブリースタイルに近づけたいというのが狙いです。

エクステンションバーを握った状態から
疲れてきて指をふわーっと開くと、前輪の回転が指に当たり
あばばっばっばああとなるので要注意です。

単純に空力的に理想だと思われるポジションと、
そこから外れるもののペダリング効率が最適だと思われるポジション、
どちらが良いかというと後者であることはもちろんですが、
このエクステンションバーを握ったときのポジションは
短時間ながら異次元の乗車体験ができます。フヒヒ。

DSC06517amx6.jpg
DSC06609amx6.jpg
↑ベースバー裏側は平面ではないので、
ブレーキアーチの沈頭ナットのねじ山をぶち抜いた高スペーサーで
平面を出して固定しています。

DSC06530amx6.jpg
シフト関係の機能をエクステンションバーに持たせないことで、
すぐに外せるようにしてあります。
機械式コンポで組んでいたときに
バーコンをベースバー側に取り付けていた理由もそれですが、
電動コンポだとシフタ-を仕込んでも取り外しが かなり簡便になりますね。

最近、ロードバイクでも ハンドル周りにゴチャゴチャと
色んなものを取り付けているのが当たり前になりましたが
ペダリングモニターだのレックマウントだのといった一切を取っ払うと
ステアリングが非常に軽快になります
(というかそっちが元の状態なのですが)。
そういったパーツのおかげで
効率的な練習ができるという面も否定はできませんが、
可能な限り単純化された美しさというのが
ロードバイクにはあると思うのです。

で、エクステンションバーを取っ払うと
サイクルコンピュータやライトを取っ払ったどころではない
軽快な操舵感が得られます。
こっちの乗り味のほうが個人的には好きなので、
扱いに習熟したうえでエクステンションバーを取り付けた状態のほうが
レースの成績がより良くなる、という
当たり前のことも分かっているのですが 外して乗ることも多いです。

DSC01350amx6.jpg
DSC01352amx6.jpg
↑昔の画像がありました。
機械式のバーコンを突っ込んでいる場合は
ブレーキレバーは このように処理します。

category: ドリルがうなる!

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