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のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

MOSTのステム一体型ハンドルバーにステー用の台座を設けました  

ドリルがうなる!
RIMG1819amx15.jpg
お客さんからピナレロのパーツブランド、
MOST(モスト)のステム一体型
カーボンハンドルバーを お預かりしました。

RIMG1820amx15.jpg
レックマウントのサイクルコンピュータ台座付きステーが
タイラップと両面テープで留めてあります。
実際に これで使用していた期間があるとのことです。
ステーが かなり前に出ている気がしますが、
地図も見れるような大きなサイコンなのか
実際の機種を訊きました。ここには書きませんが。
このステム部分の裏に M5ボルト用のリベットナットを
打ち込んでほしいというのが お客さんの希望です。

RIMG1821amx15.jpg
裏から見ると こんな感じ

RIMG1822amx15.jpg
ステーを これ以上 後ろにすると、
フレームと干渉しそうになるとのことです。

RIMG1823amx15.jpg
というわけで 元のステーの後端の位置として
目印のテープを貼りました。

RIMG1824amx15.jpg
これはそれとは別の目印のテープで、
2つある長穴のうち 前の長穴の後端に貼りました。

RIMG1825amx15.jpg
ステム部分の底が 前のほうで上に向かって反っていて、
前の長穴を利用できる位置に
リベットナットを打ち込めそうにありません。

RIMG1827amx15.jpg
というわけで いろいろ考えて この位置にしました。

RIMG1830amx15.jpg
まず、元の位置と同じで
後ろの長穴を使いつつ かすかに前後移動もできる位置です。
これを以後 Aの位置と呼ぶことにします。

RIMG1832amx15.jpg
ほとんど調整幅は無いですが
前後の長穴を またげるようにしています。
これを以後 Bの位置と呼ぶことにします。

RIMG1833bamx15.jpg
前の長穴を使う位置です。
これを以後 Cの位置と呼ぶことにします。
BとCの位置にするときは ステーを適宜ぶった切ってください。

RIMG1834amx15.jpg
↑Aの位置

RIMG1835amx15.jpg
↑Bの位置

RIMG1838amx15.jpg
↑Cの位置

RIMG1836amx15.jpg
これはBの位置の撮影時の裏側ですが、
ステーがステム本体に干渉したので
固定ボルトは最後まで締めていません。

RIMG1840amx15.jpg
ワッシャーとボルトはサービスで付けておきます。
このボルトの頭の形状は キャップスクリューというものですが、
トラスという半球状の低頭ボルトにすれば
見た目は すっきりします。が、その場合
使用するアーレンキーが4mmでなく 3mmになるので
しっかり締めこみたいというのがあり
あえて このボルトにしました。

RIMG1842amx15.jpg
RIMG1843amx15.jpg
できました。元と同じ Aの位置です。

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ホローテックII左クランクの固定ボルトを回収しました  

ドリルがうなる!
RIMG0753amx15.jpg
お客さんから、FC-9100の左クランクの
固定ボルトの六角穴をナメたので
破壊してもいいから回収してほしいということで
バイクごと お預かりしました。

上の画像の時点でボルトの頭を ねじ山部分から
削り飛ばしており、さらに イモネジ回収君で
いくらか ゆるめて出しているところです。

RIMG0754amx15.jpg
回収できました。

RIMG0843amx15.jpg
RIMG0845amx15.jpg
ボルトの頭を飛ばして 面圧を開放しているだけなので、
ドリルの刃はクランクのアルミを一切 削っていません。

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イモネジ状の部分は もう不要ですが、
この頭の部分は ドリル刃の径を覚えておくために
持っておくことにしました。

RIMG0846amx15.jpg
RIMG0847amx15.jpg
やはり専用工具は便利ですね。
これ以外には全く出番が無いのですが。
イモネジ回収君について詳しくは(→こちら)をどうぞ。

category: ドリルがうなる!

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スラムクランクの折れたボルトを回収しましたた  

追記:10月20日の記事ですが
このクランクのお客さんが記事を探しやすいように
順番を上にしました。


ドリルがうなる!
RIMG0029amx15.jpg
お客さんから スラムのREDの一見 左クランクに見える
右クランクを お預かりしました。

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スパイダーを固定する8ボルトのうち
1本が折れたとのことです。

RIMG0031amx15.jpg
↑こやつ

RIMG0047amx15.jpg
ぎゅいーん!
今回は半穴ではなく貫通穴ですが、
穴をあけたあと イモネジゆるめ~る君で
イモネジ状の物体を回して

RIMG0048amx15.jpg
回収しました。
イモネジゆるめ~る君はねじ穴のサイズに応じて
複数の種類があります。

RIMG0049amx15.jpg
超硬ドリルによる切削カスです。
さくさく切れます。

RIMG0149amx15.jpg
回収した ねじです。
破断面が斜めだったので中心に穴をあけるのが難しく、

RIMG0153amx15.jpg
ねじが固着気味だったので 半穴では回せず
貫通穴にしましたが、クランク側の ねじ山を
ほぼ削らずに済みました
(ねじの先端部分は 谷の径になっているので
かなり細くなっています)。

RIMG0050amx15.jpg
クランクは「2本」あったッ!
こちらはQUARQ表記のものです。
同じお客さんからの お預かり品ですが 長さは違います。

RIMG0051amx15.jpg
↑こやつ

RIMG0143amx15.jpg
こちらは ねじ山が固着していたので
ヘリサートコイルで処理することになりました。

RIMG0138amx15.jpg
対応スパイダーアームを取り付けて、

RIMG0139amx15.jpg
ヘリコイルが まっすぐ入っているのと
わりと しっかり締めても
コイルが抜けてこないのを確認しています。

このスパイダーですが、来歴からいうと
買いたくて買ったわけではありません。
この8ボルトは 8本セットで税別定価2709円です。
税込だと2979.9円となるので
税込2980円となるように 逆算した価格設定なのでしょう。
当店では、このボルトを1本単位で販売しており、
今回のような件では お客さんが希望するのであれば
2本 販売して無駄な買い物をさせるのを避けつつ
当店でも なるべく在庫を持てるようにしています。
が、ボルト8本セットは長期欠品をしており
仕方なく 当時 在庫があったBCD94mmの
4アームスパイダー(8ボルト付き)を
ボルト欲しさに買ったわけです。
ただ、今となっては ヘリコイルで処理した際の
確認用の治具として 役に立ってはいます。

PCD(ピッチ サークル ダイアメーター)ではなく
同じ部分の長さを指す別の用語の
BCD(ボルト サークル ダイアメーター)表記にしているのは
スラムの公式表記に倣ったからです。

スラムのスパイダーは
3ボルト留め 5アーム BCD130mm 税込定価6350円
3ボルト留め 5アーム BCD110mm 税込定価6350円
8ボルト留め 4アーム BCD107mm 税込定価7220円
8ボルト留め 4アーム BCD94mm 税込定価7220円
の4種類がありますが、これらは全て
いま現在 問屋さん在庫が欠品中です。
8ボルトのみのセットの在庫も欠品中です。
ちなみに 当店でBCD94スパイダーを仕入れた時点での
当時の税込定価は6490円でした。

RIMG0161amx15.jpg
修理が完了したので クランクを送りたいのですが、
ボルトの単品購入を希望されるかどうか分からないので
出荷を止めています。
今日も電話をしましたが、もし ここを見ておられましたら
ご連絡くださいませ。

↑済

category: ドリルがうなる!

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ホローテックII左クランクの固定ボルトを回収しました  

ドリルがうなる!
DSC00234amx15.jpg
お客さんから、シマノのデュラエースの左クランクの
固定ボルトの六角穴をナメてしまって
どうしようもなくなったというものを お預かりしました。
近所のショップでは 出来ないと断られたそうです。
荒事は なるべく避けたいところですが、
5mmアーレンキーが全くかからないほどに
穴がバカになっており ねじ頭を吹っ飛ばすルートを
早々に選択しました。
見ての通り、クランク側のアルミは一切 削っていません。

DSC00264amx15.jpg
↑これ

DSC00265amx15.jpg
ねじ頭を削り飛ばすのはいいとして、
DSC00266amx15.jpg
このイモネジ状の部分を
クランクアームの割りの片側のねじ穴から
どうやって回収するかが問題です。

DSC00267amx15.jpg
そこで特殊工具箱を漁っていたら
ホローテックIIの固定ボルトの頭を削り飛ばしたあとの
イモネジ部分を回収するのに特化した工具が
DSC00268amx15.jpg
見つかりました。

DSC00236amx15.jpg
こんな感じで 割りの間に入れて
ねじをつかみ、回します。
1回で60°くらいは進められるでしょうか。
頭を削り飛ばしているので ねじ締結の座面圧は失われており、
このイモネジが腐食や焼き付きで固着しているということは まず無いので
しっかり つかめる形状でさえあれば 割と簡単に回せます。
工具のつかみ部分の厚みは
クランクの割りに入るように削いでいます念のため。

DSC00237amx15.jpg
おっ!
DSC00238amx15.jpg
ゆるんできたゆるんできた。
DSC00269amx15.jpg
取ったど!

category: ドリルがうなる!

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キシリウムESの破損ニップルを回収しました  

ドリルがうなる!
DSC09323amx14.jpg
DSC09324amx14.jpg
お客さんから キシリウムESの前輪をお預かりしました。
上の画像は作業後のものです。
リム穴周りを接写するのを忘れてました。
この記事の画像は2592×1944ピクセルの画像を
640×480ピクセルに圧縮していますが、
上の画像2枚目の圧縮前の画像から
作業をしたリム穴周りを640×480ピクセルにカットしたのが

es0622amx14.jpg
↑これです。
リム穴周りにドリルが滑った跡などが無いというのを
接写したかったのですが・・・。

DSC09337amx14.jpg
↑本題に入る前に。
これは、キシリウムの旧型の工具に対応するニップルの
ジクラルアルミスポークです。
ニップルは スポークの扁平バテッドとリム側エンドの丸い加工の間を
スカスカに動かせますが、

DSC09338amx14.jpg
実際にホイールに組み付けられた時の状態は
当然ながら こうなります。
腐食が進むとニップルは 回らなくなったり、
なんとか回せてスポークを回収できた場合でも
内周側にスカスカに動くわけではなくなったりします。

DSC09339amx14.jpg
画像下は新型のニップルで、対応する工具も違います。
ついでに書いておくとR-SYSのスポークのニップル部分は
これの新型ニップルと同じ形状です。
キシリウムESは2006年モデルで、ニップルは旧型です。
ねじ山自体は同じなので、長ささえ合えば
新スポークを混ぜて補修することも可能です。
ひとつのホイールのニップルで工具が混在するわけですが、
それしか手に入らないということで
仕方なく混ぜて直したことも 多々あります。

DSC09315amx14.jpg
で、最も振れている位相直下のニップルが こうなっていました。
お客さん自身で振れ取りを試みようとしたら
ニップルが腐っていて破断したとのことです。

DSC09313amx14.jpg
同じリム穴を反対側から見ると こんな感じ
しくじっても あとから文句を言わないという条件付きで、
これを何とかする作業に入りました。
なるべく簡単に事が済むように、難しくないことから試していきましたが
結果 最も難しい作業を強いられました。

DSC09316amx14.jpg
ニップルの残存部分を切らないように スポークだけを切りました。
ここから、スポークの断面を叩けば
リムの中にスポークの切れ端が落ちるはずです。
リム高から考えて、落ちたスポークがバルブ穴まで誘導できる長さにしています。
この状態にする前に出来ることがあるのでは?と思われるかもしれませんが、
バイスクリップで ニップルの露出部分をつかんで
回すのを試みるなど すでにしています。
固着がひどくて スポークがリム内に落ちなかったので

DSC09317amx14.jpg
ド中心を露天掘りする方針に切り換えました。
露天掘りといっても円錘ではなく円柱ですが。
削れたスポークが面圧を失って リム内に落ちました。

DSC09319amx14.jpg
穴を広げていきます。
さすがに 穴の奥をドリルでかすかに突いてしまいましたが、

DSC09318amx14.jpg
リムの外周部は貫通していません。

DSC09320amx14.jpg
ニップルのねじの谷底の径(谷径です。谷啓ではありません)
ギリギリまで穴を拡張して、厚みを 可能な限り薄くすると

DSC09321amx14.jpg
このように めくることができ、

DSC09322amx14.jpg
ねじ穴側を傷つけずに 破壊したニップルを回収するか、
リム内に落とせます。

で、なぜか在庫として持っていたキシリウムESのスポークを
補填して振れ取りをしたのが 冒頭の画像の状態です。

DSC09341amx14.jpg
↑回収したスポークとニップルの欠片

DSC09342amx14.jpg
DSC09343amx14.jpg
DSC09344amx14.jpg
スポークのリム側エンドですが、
ほぼ ド中心にドリリングできています。

DSC09345amx14.jpg
DSC09346amx14.jpg
ニップル側の欠片です。
もっと大きなものもあったのですが、失くしてしまいました。

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