1.0mmロースペーサーの話 
2023/05/09 Tue. 22:34 [edit]
ひとつ前のレーシングゼロのフリーボディ破損の話が
長くなったので、別記事として分割しました。

なぜ フリーボディの端が切れたのかという話です。

切れている部分を 割れに合うように
指で押して はめ込むと

欠けている箇所があるのが分かります。
このフリーボディについては お客さんのほうで
交換なり何なりするので とりあえず放置でいいということになりました。

↑これは 時系列が戻って ハブの分解洗浄前ですが、
今回のハブにはシマノ10S用フリーボディが付いていました。
シマノの10Sスプロケットには
ローギヤの奥に 厚み1.0mmの「ロースペーサー」なる
スペーサーの取り付けが必要ですが、
それを取り付け忘れると フリーボディのスプラインに占める
スプロケットパーツの寸法が1mm足りないことになります。
すると当然 スプロケットに左右のガタが発生するわけですが
それを ロックリングの締め込みがゆるいことによるものだと
勘違いして ロックリングをバカ締めすると
スプラインの端の薄い部分が切れて割れることになります。
これは ノヴァテックのフリーボディでも
起きた事例が複数件あります。
11Sフリーボディに 10Sスプロケットを取り付ける場合
11Sと10Sの寸法差を埋める1.85mmスペーサーを
フリーボディの奥に入れるわけですが、
その1.85mmスペーサーを入れると
なぜか1.0mmロースペーサーを抜く人がおり、
その状態でロックリングをバカ締めして
フリーボディの端を切るという発生の手順です。
さすがに1.85mmスペーサーの入れ忘れは
スプロケットがガチャガチャと動きすぎるので 気付きますが、
それが1.0mmだと 気付かないこともあるようです。
11Sフリーボディの場合は 1.85mmはハブ側のパーツ、
1.0mmはスプロケット側のパーツで
どちらも必要なので 都合 2枚入れることになります。

↑これが1.0mmロースペーサーです。
当然ながら フリーボディのスプラインの奥まで入ります。

↑これはシマノの7800ハブのフリーボディですが、
10S「専用」となっていて これ以前の9Sコンポの
スプロケットが取り付けられないように
スプラインの高さを途中から高くしています。
このフリーボディの場合には ロースペーサーは要りません。
「新10Sのデュラエースホイール(またはハブ)には
以前の9Sスプロケットの取り付けは不可!
これを使いたければコンポを10S化しろ!」
という ほんの一時の しょーもない嫌がらせ、
露骨な計画的陳腐化を図ったために
それ以降 ロースペーサーが要るだの要らんだのという
ややこしい問題を後世に残しました。
ちなみにスペーサー関係の問題は起こしていませんが
現行のデュラエースグレードの後輪も
「新12Sのデュラエースホイールには
以前の11Sスプロケットの取り付けは不可!
これを使いたければコンポを12S化しろ!」
と 全く同じことをしています。
物の売り方が透けて見える話です。
あっ、表向きの理由は「軽量化などを追求したら
どうしても こういう形になってしまったんだよ」
ということになっています念のため。

10S専用フリーボディには
1.0mmロースペーサーが奥まで入りません
(ついでに書くと 9Sスプロケットも ここで引っかかります)。
なので、ロースペーサーを要するフリーボディに
入れ忘れることはあっても
ロースペーサーが不要なフリーボディに
過分に入れてしまうことは無いということになります。

図にすると こうなります。
10Sスプロケットの裏側には
ロースペーサー用のヌスミ寸法が設けてあります。
ここまでの話であれば、ロースペーサーが不要な場合
そもそも取り付けようが無いのだから
「ロースペーサーが奥まで通るフリーボディの場合 必ず入れる」
ってことで いいんじゃないの?と思うかもしれませんが
これには例外があります。

↑これは 6600系アルテグラの
14-25Tの10Sスプロケットです。

トップギヤが13T以上あるスプロケットは、
UCIのジュニアカテゴリーのレギュレーションで
アウター×トップのギヤ倍数に制限があったころに(現在では撤廃)
高体連で よく使われていたころから
通称 高体連ギヤとも呼ばれていました。
CS-6600では13-25T・14-25T・
15-25T・16-27Tの4種類がありますが、
16-27Tは どちらかというと 当時のロード用として
最も大きいローギヤである27Tに加えて
18・20・22Tが付いていて
ロー側の歯数を詰めて寄せているので
ヒルクライム用としての用途が大きかったり、
13-25Tは 時速50kmオーバーの下りで
ガンガン踏むことをしない限り困らない
クロスレシオの歯数なので 使いでがあるなど
必ずしも高校生専用のスプロケットというわけではありません。
13-25Tの10Sに 11Tと12Tを加えた
11-25Tの12Sスプロケットというのがあれば
非常に有用なのですが、現在のロードバイクでは
最小ローギヤのコンビネーションを選んでも
11-30Tというクソアホワイドレシオだったりします。
まあシングルテンションのリヤメカで
最小ローギヤの歯数を 25Tにも34Tにも適合させるのは
無理でしょうから仕方がないのでしょう。
おっと。話が それましたが
この高体連ギヤ、

ローギヤの内側の形状が
ロースペーサー1.0mmを内包した寸法になっています。
なので 10S専用でないフリーボディに対してであっても
高体連ギヤの場合のみ ロースペーサーは不要という
例外となっています。ややこしい!

図にすると こうなります。
10S新デュラエースへの買い替え圧を より強めたいという
メーカー側の 一時の しょーもない都合の押し付けで
ロースペーサーが要るだの要らんだのという問題に
さらに ややこしい例外を設けているわけです。
ひとつまえの記事のレーシングゼロですが、
高校の自転車部の部室にあると書きました。
ホイールの年代からしても ギヤ比規制があったころのものです。
練習などで 11Tまたは12Tトップの
普通のスプロケットを使うことは違反ではないので、
普通のスプロケットと高体連ギヤを
部室でとっかえひっかえして
ロースペーサーを入れ忘れることは 充分にあり得ます。
なので 結果フリーボディの端を
ロックリングの締め付け力で切ってしまうのも
起こること自体は仕方がないという話です。
おまけ

↑これは11-25Tの11Sスプロケットですが、

10Sフリーボディに取り付けるために
ローギヤのスパイダーアームの内側を削いでいるものです。
この記事の論旨に全く関係ないので
見たことを忘れてください。←じゃあ載せるな
長くなったので、別記事として分割しました。

なぜ フリーボディの端が切れたのかという話です。

切れている部分を 割れに合うように
指で押して はめ込むと

欠けている箇所があるのが分かります。
このフリーボディについては お客さんのほうで
交換なり何なりするので とりあえず放置でいいということになりました。

↑これは 時系列が戻って ハブの分解洗浄前ですが、
今回のハブにはシマノ10S用フリーボディが付いていました。
シマノの10Sスプロケットには
ローギヤの奥に 厚み1.0mmの「ロースペーサー」なる
スペーサーの取り付けが必要ですが、
それを取り付け忘れると フリーボディのスプラインに占める
スプロケットパーツの寸法が1mm足りないことになります。
すると当然 スプロケットに左右のガタが発生するわけですが
それを ロックリングの締め込みがゆるいことによるものだと
勘違いして ロックリングをバカ締めすると
スプラインの端の薄い部分が切れて割れることになります。
これは ノヴァテックのフリーボディでも
起きた事例が複数件あります。
11Sフリーボディに 10Sスプロケットを取り付ける場合
11Sと10Sの寸法差を埋める1.85mmスペーサーを
フリーボディの奥に入れるわけですが、
その1.85mmスペーサーを入れると
なぜか1.0mmロースペーサーを抜く人がおり、
その状態でロックリングをバカ締めして
フリーボディの端を切るという発生の手順です。
さすがに1.85mmスペーサーの入れ忘れは
スプロケットがガチャガチャと動きすぎるので 気付きますが、
それが1.0mmだと 気付かないこともあるようです。
11Sフリーボディの場合は 1.85mmはハブ側のパーツ、
1.0mmはスプロケット側のパーツで
どちらも必要なので 都合 2枚入れることになります。

↑これが1.0mmロースペーサーです。
当然ながら フリーボディのスプラインの奥まで入ります。

↑これはシマノの7800ハブのフリーボディですが、
10S「専用」となっていて これ以前の9Sコンポの
スプロケットが取り付けられないように
スプラインの高さを途中から高くしています。
このフリーボディの場合には ロースペーサーは要りません。
「新10Sのデュラエースホイール(またはハブ)には
以前の9Sスプロケットの取り付けは不可!
これを使いたければコンポを10S化しろ!」
という ほんの一時の しょーもない嫌がらせ、
露骨な計画的陳腐化を図ったために
それ以降 ロースペーサーが要るだの要らんだのという
ややこしい問題を後世に残しました。
ちなみにスペーサー関係の問題は起こしていませんが
現行のデュラエースグレードの後輪も
「新12Sのデュラエースホイールには
以前の11Sスプロケットの取り付けは不可!
これを使いたければコンポを12S化しろ!」
と 全く同じことをしています。
物の売り方が透けて見える話です。
あっ、表向きの理由は「軽量化などを追求したら
どうしても こういう形になってしまったんだよ」
ということになっています念のため。

10S専用フリーボディには
1.0mmロースペーサーが奥まで入りません
(ついでに書くと 9Sスプロケットも ここで引っかかります)。
なので、ロースペーサーを要するフリーボディに
入れ忘れることはあっても
ロースペーサーが不要なフリーボディに
過分に入れてしまうことは無いということになります。

図にすると こうなります。
10Sスプロケットの裏側には
ロースペーサー用のヌスミ寸法が設けてあります。
ここまでの話であれば、ロースペーサーが不要な場合
そもそも取り付けようが無いのだから
「ロースペーサーが奥まで通るフリーボディの場合 必ず入れる」
ってことで いいんじゃないの?と思うかもしれませんが
これには例外があります。

↑これは 6600系アルテグラの
14-25Tの10Sスプロケットです。

トップギヤが13T以上あるスプロケットは、
UCIのジュニアカテゴリーのレギュレーションで
アウター×トップのギヤ倍数に制限があったころに(現在では撤廃)
高体連で よく使われていたころから
通称 高体連ギヤとも呼ばれていました。
CS-6600では13-25T・14-25T・
15-25T・16-27Tの4種類がありますが、
16-27Tは どちらかというと 当時のロード用として
最も大きいローギヤである27Tに加えて
18・20・22Tが付いていて
ロー側の歯数を詰めて寄せているので
ヒルクライム用としての用途が大きかったり、
13-25Tは 時速50kmオーバーの下りで
ガンガン踏むことをしない限り困らない
クロスレシオの歯数なので 使いでがあるなど
必ずしも高校生専用のスプロケットというわけではありません。
13-25Tの10Sに 11Tと12Tを加えた
11-25Tの12Sスプロケットというのがあれば
非常に有用なのですが、現在のロードバイクでは
最小ローギヤのコンビネーションを選んでも
11-30Tというクソアホワイドレシオだったりします。
まあシングルテンションのリヤメカで
最小ローギヤの歯数を 25Tにも34Tにも適合させるのは
無理でしょうから仕方がないのでしょう。
おっと。話が それましたが
この高体連ギヤ、

ローギヤの内側の形状が
ロースペーサー1.0mmを内包した寸法になっています。
なので 10S専用でないフリーボディに対してであっても
高体連ギヤの場合のみ ロースペーサーは不要という
例外となっています。ややこしい!

図にすると こうなります。
10S新デュラエースへの買い替え圧を より強めたいという
メーカー側の 一時の しょーもない都合の押し付けで
ロースペーサーが要るだの要らんだのという問題に
さらに ややこしい例外を設けているわけです。
ひとつまえの記事のレーシングゼロですが、
高校の自転車部の部室にあると書きました。
ホイールの年代からしても ギヤ比規制があったころのものです。
練習などで 11Tまたは12Tトップの
普通のスプロケットを使うことは違反ではないので、
普通のスプロケットと高体連ギヤを
部室でとっかえひっかえして
ロースペーサーを入れ忘れることは 充分にあり得ます。
なので 結果フリーボディの端を
ロックリングの締め付け力で切ってしまうのも
起こること自体は仕方がないという話です。
おまけ

↑これは11-25Tの11Sスプロケットですが、

10Sフリーボディに取り付けるために
ローギヤのスパイダーアームの内側を削いでいるものです。
この記事の論旨に全く関係ないので
見たことを忘れてください。←じゃあ載せるな
category: ホイールの話
カンパニョーロとDTのラチェットリングについて 
2023/02/09 Thu. 23:27 [edit]
ひとつ前の記事の レーシングゼロの後輪の
ラチェットの山について書いていたら
長くなったので 別記事にしました。

このラチェットの山ですが、実は交換可能です。
今は載っていませんが、
かつてカンパニョーロのスペアパーツカタログには
このパーツの品番と 3個1セットでの価格が載っていました。
が、「サービスセンター オンリー」という注釈があり、
脱着する工具を一般販売していないので
交換は サービスセンターこと
カンパニョーロにジャパンいちくわしい問屋さん送り
という対応となります。
このラチェットの山が あまりに減ると
爪かかりが たまに前に滑る症状が出ます。
爪起こしバネが新品でも滑る場合は ここを交換したほうがいいです。
このパーツは3個1セットでの価格設定ですが、
1個を その3分の1の価格で売ってくれました
(取り付けはサービスセンターでですが)。

過去に交換してもらったラチェットリングです。

山の摩耗度がひどいものほど
下に置くようにすると こんな感じ

一番ひどいものです。
DTでは、同社のハブのラチェットリングの交換工具を販売しています。
なぜかというと、ハブ体右側ベアリングの交換に
このラチェットリングの脱着を要する仕様だからです。


↑画像左が3つ爪ポールスプリング用、
右がスターラチェット用の工具です。
どちらのラチェットリングも ハブ体に対する
ねじ山の寸法は同じなので、費用的に考えて
やる人は まずいないと思いますが
3つ爪ポールスプリングのリヤハブをスターラチェット化することも可能です。
さらに やる意味が不明ですが、その逆も可能です。
ちなみに この3つ爪ポールスプリング用の工具を
カンパニョーロのラチェットリングにかけようとすると
工具の径のほうが小さくて 全くかかりません。

私物として DTのX1900というホイールの後輪だけを買いました。
142mm幅のスルーアクスルですが、
私は この後輪に適合するフレームを所有しておりません。

3つ爪ポールスプリング仕様ですが、
全く同じ形状では無いものの 爪の納まる位置が
鏡対象に近くて 爪の向きを反転させても
機能しそうだったので反転させました。

↑こんな感じ

ラチェットリングを一度外し、逆さにして入れました。
フリーボディでレフトドライブのリヤハブが
作れないかと思ったのです。

フリーボディが右側にあるものだとして
ペダリング時の方向に回すと、空転します。
通常の逆です。
次に、フリーボディが左側にあるものだとして
ペダリング時の方向に回すと・・・

ラチェットリングが ゆるんで出てきました。
手の力で こうなるくらいなので、
脚の力で ゆるんでこないようにするのは無理です。
固定ギヤのレフトドライブの場合は
逆ねじのロックリングを締め込めば可能ですが。
また、ラチェットリングが ゆるみ出てくると
フリーボディ自体も外側に移動します。
上の画像では取り付けていませんが
右側ポン当てエンドも外れます。
もし フレームにスルーアクスルで取り付けていたら
それが押さえになる可能性はありますが、
危険なので使えません。

寸法が それほど悪くない
28Hのストレートスポークハブとして使うことにします。
レフトドライブが可能そうな フリーボディハブとしては、
一世代前のONYXのハブがあります。
スプラグの爪の取り付けを逆さにすることができますし、
スプラグを受ける部分は 単なる真円の円筒で、
ラチェットのように山があるわけではありません。
一世代前の、と書いたのは 現行のONYXのハブを
そこまでバラしたことが無いからです。
ラチェットの山について書いていたら
長くなったので 別記事にしました。

このラチェットの山ですが、実は交換可能です。
今は載っていませんが、
かつてカンパニョーロのスペアパーツカタログには
このパーツの品番と 3個1セットでの価格が載っていました。
が、「サービスセンター オンリー」という注釈があり、
脱着する工具を一般販売していないので
交換は サービスセンターこと
カンパニョーロにジャパンいちくわしい問屋さん送り
という対応となります。
このラチェットの山が あまりに減ると
爪かかりが たまに前に滑る症状が出ます。
爪起こしバネが新品でも滑る場合は ここを交換したほうがいいです。
このパーツは3個1セットでの価格設定ですが、
1個を その3分の1の価格で売ってくれました
(取り付けはサービスセンターでですが)。

過去に交換してもらったラチェットリングです。

山の摩耗度がひどいものほど
下に置くようにすると こんな感じ

一番ひどいものです。
DTでは、同社のハブのラチェットリングの交換工具を販売しています。
なぜかというと、ハブ体右側ベアリングの交換に
このラチェットリングの脱着を要する仕様だからです。


↑画像左が3つ爪ポールスプリング用、
右がスターラチェット用の工具です。
どちらのラチェットリングも ハブ体に対する
ねじ山の寸法は同じなので、費用的に考えて
やる人は まずいないと思いますが
3つ爪ポールスプリングのリヤハブをスターラチェット化することも可能です。
さらに やる意味が不明ですが、その逆も可能です。
ちなみに この3つ爪ポールスプリング用の工具を
カンパニョーロのラチェットリングにかけようとすると
工具の径のほうが小さくて 全くかかりません。

私物として DTのX1900というホイールの後輪だけを買いました。
142mm幅のスルーアクスルですが、
私は この後輪に適合するフレームを所有しておりません。

3つ爪ポールスプリング仕様ですが、
全く同じ形状では無いものの 爪の納まる位置が
鏡対象に近くて 爪の向きを反転させても
機能しそうだったので反転させました。

↑こんな感じ

ラチェットリングを一度外し、逆さにして入れました。
フリーボディでレフトドライブのリヤハブが
作れないかと思ったのです。

フリーボディが右側にあるものだとして
ペダリング時の方向に回すと、空転します。
通常の逆です。
次に、フリーボディが左側にあるものだとして
ペダリング時の方向に回すと・・・

ラチェットリングが ゆるんで出てきました。
手の力で こうなるくらいなので、
脚の力で ゆるんでこないようにするのは無理です。
固定ギヤのレフトドライブの場合は
逆ねじのロックリングを締め込めば可能ですが。
また、ラチェットリングが ゆるみ出てくると
フリーボディ自体も外側に移動します。
上の画像では取り付けていませんが
右側ポン当てエンドも外れます。
もし フレームにスルーアクスルで取り付けていたら
それが押さえになる可能性はありますが、
危険なので使えません。

寸法が それほど悪くない
28Hのストレートスポークハブとして使うことにします。
レフトドライブが可能そうな フリーボディハブとしては、
一世代前のONYXのハブがあります。
スプラグの爪の取り付けを逆さにすることができますし、
スプラグを受ける部分は 単なる真円の円筒で、
ラチェットのように山があるわけではありません。
一世代前の、と書いたのは 現行のONYXのハブを
そこまでバラしたことが無いからです。
category: ホイールの話
左右異数組みのカウンターとしての左右逆異径組みについて 
2022/07/16 Sat. 10:42 [edit]
先日、レーシングゼロ コンペティツィオーネ DBの
日本限定カラーを点検しました。


↑こやつ


後輪の暫定センターを見ると、紙1枚ほどのずれがあったのですが
撮影用に再び当ててみると 上の画像(作業前です)のように
センタードンピシャでした。
どうやら かすかな振れがあるだけのようで、
最初に見た暫定センターが たまたま最も振れていた位相付近だったようです。

それはいいとして このホイール、
前後輪とも2:1組みの少スポーク側のほうが
分厚いスポークに なっています。
初代レーシング1やレーシングゼロに採用されていた
ネクタイアルミスポークをやめて以降の
スクエアアルミスポークについては
どのホイールでも 同じ寸法のものが使われていて、
シャマルウルトラとユーラスまで含めても
違うのは色と長さだけという状態でした。
が、その法則を初めて破ったのが
このホイールのスポークです。

多スポーク側は 純正工具のC溝で
供回りを ちょうど押さえられる厚みになっていますが、

少スポーク側は 真横から見たスポークの幅は同じで
厚みだけが少し大きいスポークが使われているので
C溝に入りません。

A溝で押さえられるので 作業上の問題は ありませんが。
スチールスポークと違い、スポーク比重が違うアルミスポークを
わざわざ用意するというのは面倒です。
かつてのマヴィックでは、左右同数20Hの
全アルミスポークのキシリウムの後輪で
左右異径(フリー側のほうがスポーク比重が大きい)を
やっていたことがありますが。


これは別件で、当店で販売したレーシング3 DBです。
これも 前後輪とも左右逆異径組みで、

多スポーク タンジェント組み側のスポークが
純正工具のC溝に入るところ、

少スポーク ラジアル組み側だと
スポークが太いので入りません。
この場合は いずれにしても丸断面スポークなので、
供回り押さえとしての意味はなく
単にスポークの径を比較するためのモノサシでしかありませんが。
コリマのリムブレーキ用の完組みホイールに、
スポークの数の上での比でいうと 3:2となる
12+8Hで20Hの後輪がありましたが、
リム高が32mm・47mm・58mmとあるうちの
32mm高のモデルだけが逆異径組みを採用していました。
ロヴァ―ルのリムブレーキ用の後輪でも、
CLX32だけは 左右逆異径組みを採用していました。
この記事にある レーシングゼロ DBのリム高は30mm、
レーシング3 DBのリム高は28.5mmです。
フルクラムでも スピード40 DBでは左右逆異径組みを採用しておらず、
理由は憶測ながら分かっているつもりですが
完組みホイールメーカーでは リム高が高くなると
左右異数組みに左右逆異径組みを盛り込まない傾向があります。
フルクラムでは、30mm高だと
「わざわざ特製のアルミスポークを新規に作ってでも
逆異径組みを盛り込みたい」と判断するリム高というわけです。
これが カンパニョーロのボーラWTOでは
33mm高を含む すべてのリム高で 左右同径組みとなっています。
WTO(風洞実験で最適化された)というスポークの形状が
空力重視の専用品なので 変えたくは無かったのでしょう。
スポークの供回り止め工具も、
この記事中にある今までのものとは別に
ボーラWTOの専用品が用意されています。
私は ロヴァ―ルの組み直しで
リム高が32mm以上でも 左右逆異径組みを盛り込んでいますが、
ロヴァ―ルはタンジェント組みの角度が悪いのと
不用意に前輪のスポークの数を減らす傾向があるので
(ラピーデの18Hも論外ですが それ以外のモデルの21Hでも少ない)
リム高が50mmあっても 左右逆異径組みをしたほうがいいと思っています。
完組みホイールメーカーが リム高が高くなると
左右異数組みで逆異径組みをしなくなる理由について
私なりの考えは ここには書きませんが、
私が 逆異径組みが不要だと思うリム高が
どれくらいなのかというと、80mm高くらいからです。
つまり「だいたいのリム高で やったほうがいい」ということになります。
あるいは、24+12Hの36Hのホイールというものが
もし存在すれば、リム高が低くても
左右同径組みのほうが無難だろうとは思われますが。
日本限定カラーを点検しました。


↑こやつ


後輪の暫定センターを見ると、紙1枚ほどのずれがあったのですが
撮影用に再び当ててみると 上の画像(作業前です)のように
センタードンピシャでした。
どうやら かすかな振れがあるだけのようで、
最初に見た暫定センターが たまたま最も振れていた位相付近だったようです。

それはいいとして このホイール、
前後輪とも2:1組みの少スポーク側のほうが
分厚いスポークに なっています。
初代レーシング1やレーシングゼロに採用されていた
ネクタイアルミスポークをやめて以降の
スクエアアルミスポークについては
どのホイールでも 同じ寸法のものが使われていて、
シャマルウルトラとユーラスまで含めても
違うのは色と長さだけという状態でした。
が、その法則を初めて破ったのが
このホイールのスポークです。

多スポーク側は 純正工具のC溝で
供回りを ちょうど押さえられる厚みになっていますが、

少スポーク側は 真横から見たスポークの幅は同じで
厚みだけが少し大きいスポークが使われているので
C溝に入りません。

A溝で押さえられるので 作業上の問題は ありませんが。
スチールスポークと違い、スポーク比重が違うアルミスポークを
わざわざ用意するというのは面倒です。
かつてのマヴィックでは、左右同数20Hの
全アルミスポークのキシリウムの後輪で
左右異径(フリー側のほうがスポーク比重が大きい)を
やっていたことがありますが。


これは別件で、当店で販売したレーシング3 DBです。
これも 前後輪とも左右逆異径組みで、

多スポーク タンジェント組み側のスポークが
純正工具のC溝に入るところ、

少スポーク ラジアル組み側だと
スポークが太いので入りません。
この場合は いずれにしても丸断面スポークなので、
供回り押さえとしての意味はなく
単にスポークの径を比較するためのモノサシでしかありませんが。
コリマのリムブレーキ用の完組みホイールに、
スポークの数の上での比でいうと 3:2となる
12+8Hで20Hの後輪がありましたが、
リム高が32mm・47mm・58mmとあるうちの
32mm高のモデルだけが逆異径組みを採用していました。
ロヴァ―ルのリムブレーキ用の後輪でも、
CLX32だけは 左右逆異径組みを採用していました。
この記事にある レーシングゼロ DBのリム高は30mm、
レーシング3 DBのリム高は28.5mmです。
フルクラムでも スピード40 DBでは左右逆異径組みを採用しておらず、
理由は憶測ながら分かっているつもりですが
完組みホイールメーカーでは リム高が高くなると
左右異数組みに左右逆異径組みを盛り込まない傾向があります。
フルクラムでは、30mm高だと
「わざわざ特製のアルミスポークを新規に作ってでも
逆異径組みを盛り込みたい」と判断するリム高というわけです。
これが カンパニョーロのボーラWTOでは
33mm高を含む すべてのリム高で 左右同径組みとなっています。
WTO(風洞実験で最適化された)というスポークの形状が
空力重視の専用品なので 変えたくは無かったのでしょう。
スポークの供回り止め工具も、
この記事中にある今までのものとは別に
ボーラWTOの専用品が用意されています。
私は ロヴァ―ルの組み直しで
リム高が32mm以上でも 左右逆異径組みを盛り込んでいますが、
ロヴァ―ルはタンジェント組みの角度が悪いのと
不用意に前輪のスポークの数を減らす傾向があるので
(ラピーデの18Hも論外ですが それ以外のモデルの21Hでも少ない)
リム高が50mmあっても 左右逆異径組みをしたほうがいいと思っています。
完組みホイールメーカーが リム高が高くなると
左右異数組みで逆異径組みをしなくなる理由について
私なりの考えは ここには書きませんが、
私が 逆異径組みが不要だと思うリム高が
どれくらいなのかというと、80mm高くらいからです。
つまり「だいたいのリム高で やったほうがいい」ということになります。
あるいは、24+12Hの36Hのホイールというものが
もし存在すれば、リム高が低くても
左右同径組みのほうが無難だろうとは思われますが。
category: ホイールの話
660リヤハブの寸法について 
2022/07/11 Mon. 23:31 [edit]
660(ロクロクマル)ハブこと
Six60(シックスシックスティー)ハブのリヤハブについて。

↑画像上がエボライトリヤハブ、下が660リヤハブです。
配慮さんGTは ハブが転がるのを防いでいます。

ざっと 右フランジの位置を合わせると

左フランジは フランジの厚み以上に660ハブのほうが広いです。

660リヤハブは 11S用ハブとしては
超ワイドフランジと言ってもいい寸法で、
フランジ幅が明確に60mmを超えている
フリーハブというもの自体が珍しいです。
シマノのBOOSTのリヤハブなどでは
62mm台のものもありますが、
148mm幅で しかもフランジ幅の広さを意識した
MTBのリヤハブ並みのフランジ幅を
130mmで実現しているといえば、どれほど広いか分かるでしょう。
昔、レイノルズが DT製のハブになる前のリヤハブで
汎用スポーク用の10Sハブで
フランジ幅が 約59mmというものがありましたが、
それも かなり広めながら60mmは超えていません。
上の画像の数値は メーカーの公称値と 私の実測値です。
大した違いは無いので どちらを採用しても
スポークの長さは ほぼ変わりません。
エボライトハブは、左+右のフランジ幅(mm)が
公称値で36.825+16.425で
53.25となっていますが、
ノヴァテックのフランジ幅の公称値はフランジの厚みの中央なので
単純な比較はできません。
もし本当に ハブ中心~右フランジ外側で16mm台だったのであれば
すぐに フリー側がキンキンに張りつめてしまうので
まともなホイールを組むのは困難です。
私の実測、660ハブのメーカー、シマノなどは
フランジ幅を外~外で測っています。
で、「フランジ幅が広ければ広いほど 横剛性が上がるからいいじゃん、
右フランジ幅はフリーボディの都合上 寸法に制約があるから
左フランジ幅だけを広げる形になる、つまりオチョコがひどくなって
左右のスポークテンションの差は大きくなるけど
それは左右異径異本組みやオフセットリムとかで
完全に解決しないまでも 悪あがきできるじゃん」と
私は いつも言っていますが、
超ワイドフランジのフリーボディハブというものを
メーカーが作らない理由が分かりました。
とんでもなく スポークテンションの左右差が大きいからです。
660ハブが ざっと61mm幅だとして、それが43:18ではなく
41:20であれば まだ だいぶマシにはなったはずです。
130mm幅のハブの場合、フリーボディが9Sであれば
右フランジ幅は20~21mmくらいにはできますが、
11Sハブだと19mm未満になるのが 一般的です。
左フランジの1~2mmの違いというのは
ホイールを組んでいても分かりませんが、
これが右フランジだと 確実に分かります。
660ハブは、私の実測だと
右フランジ幅が18mmを かすかに割るほど狭いのに
左フランジ幅を めいっぱい広く取っているという寸法なので、
スポークテンションの左右差が かなり大きいです。
もし このハブで非オフセットリムで 左右同径(全CX-RAYなど)で
ヨンゼロ組みをした場合、低テンションのラジアル組みというのは
スポークテンションのバラツキが大きく出るので
「フリー側のテンションが ほぼ袋小路で、ホイールセンターも出ているのに
反フリー側のスポークのうち1本または数本が
指でつまんでゆするとガクガク動く(テンション測定不可)ほど
ゆるいものがある」という状態に なりかねません。
それ以上張りたくとも もしフリー側のテンションが袋小路なら張れませんし、、
しかも左フランジ幅が広いということは
スポークの軌道の横の成分が強いということなので
ニップル1回転当たりのリム移動量の左右差も大きくなります。
反フリー側ラジアル組みでなく
同径同本組みの左右タンジェント組みであったとしても、
フリー側が すでに かなり張っていて センターも出ている状態で
反フリー側が明らかにヌルいところから
まず フリー側をニップル1周ずつ
増し締めたとして(増し締めが可能だったとして)、
反フリー側のニップルはスポークの軌道の横成分が強いので
半周ちょっとしか増し締めできません。
それ以上 反フリー側を増し締めすると
リムが反フリー側に ずれる、という事態になります。
私は Tniのエボディスクリヤハブ(現行品はエボディスクII)について
「逆ハイローフランジなので、反フリー側が なるべくヌルくならないように
組めという試験問題に使えるようなハブ」だと いつも言っていますが、
660ハブも そういう試験問題にしてもいいくらい
反フリー側を張るのが難しいハブです。
もし選択できるなら リムはオフセットリムがオススメです。
というか本当に この660リヤハブ、
左右同径組みとか 反フリー側ラジアル組みで
まともなホイールが組めることが想像できません。
反面 うまくすれば 130mm幅のハブとしては
比類なき横剛性が得られるという希望もあるのですが。
Six60(シックスシックスティー)ハブのリヤハブについて。

↑画像上がエボライトリヤハブ、下が660リヤハブです。
配慮さんGTは ハブが転がるのを防いでいます。

ざっと 右フランジの位置を合わせると

左フランジは フランジの厚み以上に660ハブのほうが広いです。

660リヤハブは 11S用ハブとしては
超ワイドフランジと言ってもいい寸法で、
フランジ幅が明確に60mmを超えている
フリーハブというもの自体が珍しいです。
シマノのBOOSTのリヤハブなどでは
62mm台のものもありますが、
148mm幅で しかもフランジ幅の広さを意識した
MTBのリヤハブ並みのフランジ幅を
130mmで実現しているといえば、どれほど広いか分かるでしょう。
昔、レイノルズが DT製のハブになる前のリヤハブで
汎用スポーク用の10Sハブで
フランジ幅が 約59mmというものがありましたが、
それも かなり広めながら60mmは超えていません。
上の画像の数値は メーカーの公称値と 私の実測値です。
大した違いは無いので どちらを採用しても
スポークの長さは ほぼ変わりません。
エボライトハブは、左+右のフランジ幅(mm)が
公称値で36.825+16.425で
53.25となっていますが、
ノヴァテックのフランジ幅の公称値はフランジの厚みの中央なので
単純な比較はできません。
もし本当に ハブ中心~右フランジ外側で16mm台だったのであれば
すぐに フリー側がキンキンに張りつめてしまうので
まともなホイールを組むのは困難です。
私の実測、660ハブのメーカー、シマノなどは
フランジ幅を外~外で測っています。
で、「フランジ幅が広ければ広いほど 横剛性が上がるからいいじゃん、
右フランジ幅はフリーボディの都合上 寸法に制約があるから
左フランジ幅だけを広げる形になる、つまりオチョコがひどくなって
左右のスポークテンションの差は大きくなるけど
それは左右異径異本組みやオフセットリムとかで
完全に解決しないまでも 悪あがきできるじゃん」と
私は いつも言っていますが、
超ワイドフランジのフリーボディハブというものを
メーカーが作らない理由が分かりました。
とんでもなく スポークテンションの左右差が大きいからです。
660ハブが ざっと61mm幅だとして、それが43:18ではなく
41:20であれば まだ だいぶマシにはなったはずです。
130mm幅のハブの場合、フリーボディが9Sであれば
右フランジ幅は20~21mmくらいにはできますが、
11Sハブだと19mm未満になるのが 一般的です。
左フランジの1~2mmの違いというのは
ホイールを組んでいても分かりませんが、
これが右フランジだと 確実に分かります。
660ハブは、私の実測だと
右フランジ幅が18mmを かすかに割るほど狭いのに
左フランジ幅を めいっぱい広く取っているという寸法なので、
スポークテンションの左右差が かなり大きいです。
もし このハブで非オフセットリムで 左右同径(全CX-RAYなど)で
ヨンゼロ組みをした場合、低テンションのラジアル組みというのは
スポークテンションのバラツキが大きく出るので
「フリー側のテンションが ほぼ袋小路で、ホイールセンターも出ているのに
反フリー側のスポークのうち1本または数本が
指でつまんでゆするとガクガク動く(テンション測定不可)ほど
ゆるいものがある」という状態に なりかねません。
それ以上張りたくとも もしフリー側のテンションが袋小路なら張れませんし、、
しかも左フランジ幅が広いということは
スポークの軌道の横の成分が強いということなので
ニップル1回転当たりのリム移動量の左右差も大きくなります。
反フリー側ラジアル組みでなく
同径同本組みの左右タンジェント組みであったとしても、
フリー側が すでに かなり張っていて センターも出ている状態で
反フリー側が明らかにヌルいところから
まず フリー側をニップル1周ずつ
増し締めたとして(増し締めが可能だったとして)、
反フリー側のニップルはスポークの軌道の横成分が強いので
半周ちょっとしか増し締めできません。
それ以上 反フリー側を増し締めすると
リムが反フリー側に ずれる、という事態になります。
私は Tniのエボディスクリヤハブ(現行品はエボディスクII)について
「逆ハイローフランジなので、反フリー側が なるべくヌルくならないように
組めという試験問題に使えるようなハブ」だと いつも言っていますが、
660ハブも そういう試験問題にしてもいいくらい
反フリー側を張るのが難しいハブです。
もし選択できるなら リムはオフセットリムがオススメです。
というか本当に この660リヤハブ、
左右同径組みとか 反フリー側ラジアル組みで
まともなホイールが組めることが想像できません。
反面 うまくすれば 130mm幅のハブとしては
比類なき横剛性が得られるという希望もあるのですが。
category: ホイールの話
オフセットリムを使ったときにオフセット量の絶対値を最小化する話 
2022/06/28 Tue. 23:27 [edit]
先日 組んだキャノンデールのAIの後輪の話から始めたいのですが、
その前に。

リムをずらした量と センターゲージとエンドの間にできる
すき間についての話から。
オーバーロックナット寸法100mmの
リムブレーキの前輪で考えます。
想像しやすい具体的なリム幅を設定しないとカンチガイするアホがいるので
リム幅を20mmとしました。
この場合、ホイールセンターが出ていれば
両エンド(のゲージを当てる面)から リムまでの距離は
左右とも 40mmとなります。

そこから、リムを1mm左側に ずらしました。
このとき、左エンドとリムまでの距離は 40-1=39mm、
右エンドとリムまでの距離は 40+1=41mmとなります。

なので、エンドとリムの距離が遠い側(41mm側)で採った寸法を
近い側(39mm側)のリムに当てると、
エンドとリムのすき間は2mmとなります。
いつも記事で上げているセンターずれの画像が この部分のすき間です。
これは言い換えると「Xmmリムがずれている場合に
センターゲージで見れるずれの寸法は 2Xmm」ということです。
キャノンデールのAIフレーム用の後輪を最初に組んだときに、
「6mmリムをずらす」と言われたので
左エンドとリムをの距離を6mmにしてしまったことがあります(→こちら)。
これは後日 修正しました。
というわけで冒頭のアホというのは私のことです。

これはまた別の話で、オーバーロックナット寸法126mmの
ボスハブ(でなくてもいいのですが これをやるのは大抵ボスハブ)を

130mmに変更するときは 左側のみを4mm延長します。
必要であれば ハブシャフトも交換します。
右側の寸法を変えてはいけません。
変速の位置設定が変わってしまいます。
左右に2mm足すと ホイールのスポークの角度は変わらず、
変速の位置設定が変わります。
右側にのみ4mm足すと、オチョコが劇的に悪化します。
片側のみオーバーロックナット寸法を4mm延長した場合の
リム移動量は2mmです。

キャノンデールのAIですが、
これはリムを6mmオフセットさせて
リヤハブのオチョコを減らそうという試みです。
一般的なフレームに対して
スポークテンションの左右差は 確かに縮まりますが、
一般的なリヤハブに対して フランジ幅が特段に広いものを
用いるわけではないので 横剛性が劇的に改善するという効果はありません。
フランジ幅を後天的に広げることはできませんが、
スポークテンションの左右差(というより変形量)を
軽減する工夫は色々あるので、オチョコがきつくなってしまってもいいので
ハブのフランジ幅を広げてほしいというのが 私の願うところです。
上の図に書き込んでいる 左右フランジ幅は
キャノンデールのトップストーンの完成車に付属していたリヤハブを
私が実測した寸法です。
私が測るフランジ幅は フランジ外側までの幅ですが、これはシマノと同じです。
このフランジ外~外幅は 11Sや12Sのハブの場合
極端に狭いものを除いて53mmくらいだと狭め、
58mmくらいあれば広めといったところです
(BOOST規格だと 62~63mmのものもありますが)。
先日のキャノンデールのハブだと
35.7+21.6=57.3mmだったので
狭いというわけでありませんが、
寸法が極端な専用品というわけではなく
一般的なリヤハブと同程度のものでした。
上の図は普通のフレームに装着した場合のリムの位置で、
オーバーロックナット寸法142mmを リムの中心で分割すると
左右とも71mmとなりますが

このハブの寸法を
左側を71-6=65mm、右側を71+6=77mmとして
使おうというのがAIです。
65:77mmの箇所に リムの中心とフレームの中心があります。
ここまでなら、ほぼ同じ話を過去にも書いています(→こちら)。
今回はオフセットリムの話なので その点について続けます。
このハブを普通のフレームで使った場合 フランジ幅57.3mmの内訳は
左フランジ幅:右フランジ幅で 35.7:21.6mmだったわけですが、
AIフレーム用のホイールとして組むと 29.7:27.6mmとなりました。
オチョコがかなり軽減されています。
これはオフセットリムではない 普通のリムの場合で、
先日 組み換えに使ったスタンズのクレストMK4は
前作 MK3(すでに廃版)と違い オフセットリムとなっていました。
軽いアルミリムを探すと そうなっただけであって、
この場合のオフセットは私にとっては余計なお世話です。
もしクレストMK3と併売状態であったなら、
あるいは問屋さんに在庫が残っていれば MK3を仕入れています。
今回のハブの場合、AIフレームに使う場合でも
右側フランジが狭い 正オチョコとなっていました。
なので オフセットリムを逆向きで使うことはしません。
クレストMK4のオチョコ量は1.5mmということなので、
それを通常のオフセットリムの向きで使った場合

↑こうなります。
左フランジ幅がマイナス1.5mm、右フランジ幅がプラス1.5mmとなるので
フランジ幅は28.2:29.1mmの逆オチョコとなりました。
しかしフランジ幅の左右差自体は2.1mmから0.9mmに減っています。
「1.5mmリムが動いたのに フランジの左右差は1.2mm違いなのはおかしい」
と思われるかも知れませんが、
元は正オチョコ2.1mmで オフセットリムにより逆オチョコの0.9mmとなっているので
2.1mmと-0.9mmで 3mm差です。
正オチョコを正、逆オチョコを負として
正負の境をまたいだ絶対値を比較するので こういうことになります。
リムが1.5.mmずれたときに フランジの左右差が
元の状態と比べて3mmになるのは 冒頭の話と同じ理屈です。
「左エンドとリムまでの距離~」を
「左フランジ外側端面とリムまでの距離~」に言い換えるだけです。
逆オチョコとはいえ、ダイナモフロントハブに
たまに見られる程度のオチョコ量だったので
先日のAIの後輪は左右同径同本組みとしました。

つづいて、ひとつ前の記事の後輪について。
ハブはサーリーで
オーバーロックナット寸法135mmのクイック仕様で、
片側が固定ギヤ台座 もう片側がディスクローター台座です。
フランジ幅の数値は私の実測値です。
右フランジ幅のほうが広い逆オチョコハブとなっています。
左の図が だいたい真ん中で分割されているっぽいのは
気にしないでください。ハブの この部分の寸法ですよという意味です。

同じ135mm幅のクイックのハブとして、
デオーレのFH-M6000の公称の寸法を書き足しました。
デオーレにしたのは、XTRやXTには スルーアクスルのハブしか無いからです。
先ほども書いたように シマノの公称値で測っている箇所は
私と同じなので 数値は同じ測り方をしたものとして比較できます。
これも過去に書いたことですが、
現在 シマノでは左右のフランジ幅をそのまま掲載すればいいのに
フランジ幅とオフセット量という情報しか カタログに載せていません。
これはフランジ幅の半分に オフセット量をプラスとマイナスすれば
左右のフランジ幅が計算できます。

計算しました。
ついでに、サーリーのハブのシマノ風の表現も書いておきます。

さらに、デュラエーストラックの片側ねじ山の
ラージフランジリヤハブの寸法も書き加えました。
デオーレのハブは フリーボディの部分が長いので右フランジが狭い、
サーリーのハブはデュラエーストラックより
オーバーロックナット寸法が15mmも広いのに
フランジ幅が同じくらいなのは
ディスクローター台座に寸法を食われている感じ、
サーリーのハブのオフセット量の少なさは優秀・・・
でも これ逆オチョコやんけ、など いろいろなことが分かります。

先ほどの左の図に リムを描き足しました。
フランジ幅を分割する線も 中心からずらして描き直しています。
AL22Wリムのオフセット仕様は 問屋さんの資料によれば
3mmオフセットらしいですが、そんなにあるように見えないので
調べてみました。

ブレーキゾーンがあって ガラスの定盤にピタッと当たる
リムブレーキ仕様のAL22Wオフセットリムの

リムの端から穴の端までの左右の寸法と
穴の直径を実測します。

私が測った限りでは こういう内訳になりました。
3つを足すと24.0mmとなり、リムの公称の外幅も24mmですが
リムの外幅を実測すると なぜか24.2mmくらいです。
リム穴の直径も 4.3mmと出る穴もあり
0.1mmレベルの誤差は全ての部分にあります。
リム穴には左右の穴振りがあったので
右穴振りと左穴振りを それぞれ測った平均を出しています。

リム穴の径をゼロにした場合、
あるいはリムの端から穴の中心までの長さを計算すると
9:15mmとなりました。

これは リム自体の中心12mmからプラスマイナス3mmなので
3mmオフセットという公称値は正しかったです。
数値が3.0mmちょうどになったのは
恣意的に端数をいじったわけではありません。
私自身 3mmオフセットが本当だったとしても
計測と計算の結果は2.9mmとか3.2mmとか
きれいに3mmちょうどにはならないと思っていました。

ひとつ前の記事の後輪ですが、
オフセットリムを通常と逆の向きにして
逆オチョコだったのを反転させています。
35.7-39.1=-3.4mmから
38.7-36.1=2.6mmなので
リム穴3mmの移動で オチョコが6mm変わっています。
オチョコ量の絶対値は0.8mm減りました。
リムのオフセット量まで含めた最終的な状態を シマノ風に書くと
フランジ幅74.8mm オフセット量1.3mmとなります。
これはほとんどオチョコ無しとなるので
新規にホイールを組むなら ロクロク組みでいいのですが、
スポークをなるべく使い回すという条件があったので
ヨンロク組みにしました。
結果 右側(小ギヤ側)のほうが高テンションになりましたが
左右同径同本同数組みの ふつーのフリーハブの後輪よりは
スポークテンション(と変形量)の左右差は少ないですし、
ふつ―の後輪でいうところの反フリー側のスポークのほうが
明確に変形量が少ない(硬い)後輪というのは 非常に気色悪いものの
(ロヴァ―ルのディスクブレーキの後輪テメーだよ テメー)
ギヤ側が多少硬いぶんには別にいいかと思いました。
組んでいて あまりに良くないと思ったなら
お客さんに お伺いを立てて 組み方を変更します。
シマノのカタログにあるハブの「オフセット量」なる数値ですが
リムのオフセット量と そのまま比較できるので
こういう場合には考え方として便利です。
が、AI仕様のフレームや 逆オチョコのハブと
オフセットリムでホイールを組む時に
オフセット量の絶対値を小さくするにはどうしたらいいかと
考えること自体が レアケースで、
そういうときは私のほうで勝手に調べるので
左右フランジ幅の公称値については やはり数値そのものを
書いていてくれたほうが助かります。
AIフレームの場合は、オフセットリムではないほうが気が楽です。
オフセットリムで無いのであれば、まだ少しオチョコが残っていようが
キャノンデールと関係ないフランジ幅が極端に狭いハブ
(とくに左フランジ側が狭いハブ)のときに 逆オチョコが発生するかもとか
リムをひっくり返しても何も変わらない以上 気にする必要が無いので。
その前に。

リムをずらした量と センターゲージとエンドの間にできる
すき間についての話から。
オーバーロックナット寸法100mmの
リムブレーキの前輪で考えます。
想像しやすい具体的なリム幅を設定しないとカンチガイするアホがいるので
リム幅を20mmとしました。
この場合、ホイールセンターが出ていれば
両エンド(のゲージを当てる面)から リムまでの距離は
左右とも 40mmとなります。

そこから、リムを1mm左側に ずらしました。
このとき、左エンドとリムまでの距離は 40-1=39mm、
右エンドとリムまでの距離は 40+1=41mmとなります。

なので、エンドとリムの距離が遠い側(41mm側)で採った寸法を
近い側(39mm側)のリムに当てると、
エンドとリムのすき間は2mmとなります。
いつも記事で上げているセンターずれの画像が この部分のすき間です。
これは言い換えると「Xmmリムがずれている場合に
センターゲージで見れるずれの寸法は 2Xmm」ということです。
キャノンデールのAIフレーム用の後輪を最初に組んだときに、
「6mmリムをずらす」と言われたので
左エンドとリムをの距離を6mmにしてしまったことがあります(→こちら)。
これは後日 修正しました。
というわけで冒頭のアホというのは私のことです。

これはまた別の話で、オーバーロックナット寸法126mmの
ボスハブ(でなくてもいいのですが これをやるのは大抵ボスハブ)を

130mmに変更するときは 左側のみを4mm延長します。
必要であれば ハブシャフトも交換します。
右側の寸法を変えてはいけません。
変速の位置設定が変わってしまいます。
左右に2mm足すと ホイールのスポークの角度は変わらず、
変速の位置設定が変わります。
右側にのみ4mm足すと、オチョコが劇的に悪化します。
片側のみオーバーロックナット寸法を4mm延長した場合の
リム移動量は2mmです。

キャノンデールのAIですが、
これはリムを6mmオフセットさせて
リヤハブのオチョコを減らそうという試みです。
一般的なフレームに対して
スポークテンションの左右差は 確かに縮まりますが、
一般的なリヤハブに対して フランジ幅が特段に広いものを
用いるわけではないので 横剛性が劇的に改善するという効果はありません。
フランジ幅を後天的に広げることはできませんが、
スポークテンションの左右差(というより変形量)を
軽減する工夫は色々あるので、オチョコがきつくなってしまってもいいので
ハブのフランジ幅を広げてほしいというのが 私の願うところです。
上の図に書き込んでいる 左右フランジ幅は
キャノンデールのトップストーンの完成車に付属していたリヤハブを
私が実測した寸法です。
私が測るフランジ幅は フランジ外側までの幅ですが、これはシマノと同じです。
このフランジ外~外幅は 11Sや12Sのハブの場合
極端に狭いものを除いて53mmくらいだと狭め、
58mmくらいあれば広めといったところです
(BOOST規格だと 62~63mmのものもありますが)。
先日のキャノンデールのハブだと
35.7+21.6=57.3mmだったので
狭いというわけでありませんが、
寸法が極端な専用品というわけではなく
一般的なリヤハブと同程度のものでした。
上の図は普通のフレームに装着した場合のリムの位置で、
オーバーロックナット寸法142mmを リムの中心で分割すると
左右とも71mmとなりますが

このハブの寸法を
左側を71-6=65mm、右側を71+6=77mmとして
使おうというのがAIです。
65:77mmの箇所に リムの中心とフレームの中心があります。
ここまでなら、ほぼ同じ話を過去にも書いています(→こちら)。
今回はオフセットリムの話なので その点について続けます。
このハブを普通のフレームで使った場合 フランジ幅57.3mmの内訳は
左フランジ幅:右フランジ幅で 35.7:21.6mmだったわけですが、
AIフレーム用のホイールとして組むと 29.7:27.6mmとなりました。
オチョコがかなり軽減されています。
これはオフセットリムではない 普通のリムの場合で、
先日 組み換えに使ったスタンズのクレストMK4は
前作 MK3(すでに廃版)と違い オフセットリムとなっていました。
軽いアルミリムを探すと そうなっただけであって、
この場合のオフセットは私にとっては余計なお世話です。
もしクレストMK3と併売状態であったなら、
あるいは問屋さんに在庫が残っていれば MK3を仕入れています。
今回のハブの場合、AIフレームに使う場合でも
右側フランジが狭い 正オチョコとなっていました。
なので オフセットリムを逆向きで使うことはしません。
クレストMK4のオチョコ量は1.5mmということなので、
それを通常のオフセットリムの向きで使った場合

↑こうなります。
左フランジ幅がマイナス1.5mm、右フランジ幅がプラス1.5mmとなるので
フランジ幅は28.2:29.1mmの逆オチョコとなりました。
しかしフランジ幅の左右差自体は2.1mmから0.9mmに減っています。
「1.5mmリムが動いたのに フランジの左右差は1.2mm違いなのはおかしい」
と思われるかも知れませんが、
元は正オチョコ2.1mmで オフセットリムにより逆オチョコの0.9mmとなっているので
2.1mmと-0.9mmで 3mm差です。
正オチョコを正、逆オチョコを負として
正負の境をまたいだ絶対値を比較するので こういうことになります。
リムが1.5.mmずれたときに フランジの左右差が
元の状態と比べて3mmになるのは 冒頭の話と同じ理屈です。
「左エンドとリムまでの距離~」を
「左フランジ外側端面とリムまでの距離~」に言い換えるだけです。
逆オチョコとはいえ、ダイナモフロントハブに
たまに見られる程度のオチョコ量だったので
先日のAIの後輪は左右同径同本組みとしました。

つづいて、ひとつ前の記事の後輪について。
ハブはサーリーで
オーバーロックナット寸法135mmのクイック仕様で、
片側が固定ギヤ台座 もう片側がディスクローター台座です。
フランジ幅の数値は私の実測値です。
右フランジ幅のほうが広い逆オチョコハブとなっています。
左の図が だいたい真ん中で分割されているっぽいのは
気にしないでください。ハブの この部分の寸法ですよという意味です。

同じ135mm幅のクイックのハブとして、
デオーレのFH-M6000の公称の寸法を書き足しました。
デオーレにしたのは、XTRやXTには スルーアクスルのハブしか無いからです。
先ほども書いたように シマノの公称値で測っている箇所は
私と同じなので 数値は同じ測り方をしたものとして比較できます。
これも過去に書いたことですが、
現在 シマノでは左右のフランジ幅をそのまま掲載すればいいのに
フランジ幅とオフセット量という情報しか カタログに載せていません。
これはフランジ幅の半分に オフセット量をプラスとマイナスすれば
左右のフランジ幅が計算できます。

計算しました。
ついでに、サーリーのハブのシマノ風の表現も書いておきます。

さらに、デュラエーストラックの片側ねじ山の
ラージフランジリヤハブの寸法も書き加えました。
デオーレのハブは フリーボディの部分が長いので右フランジが狭い、
サーリーのハブはデュラエーストラックより
オーバーロックナット寸法が15mmも広いのに
フランジ幅が同じくらいなのは
ディスクローター台座に寸法を食われている感じ、
サーリーのハブのオフセット量の少なさは優秀・・・
でも これ逆オチョコやんけ、など いろいろなことが分かります。

先ほどの左の図に リムを描き足しました。
フランジ幅を分割する線も 中心からずらして描き直しています。
AL22Wリムのオフセット仕様は 問屋さんの資料によれば
3mmオフセットらしいですが、そんなにあるように見えないので
調べてみました。

ブレーキゾーンがあって ガラスの定盤にピタッと当たる
リムブレーキ仕様のAL22Wオフセットリムの

リムの端から穴の端までの左右の寸法と
穴の直径を実測します。

私が測った限りでは こういう内訳になりました。
3つを足すと24.0mmとなり、リムの公称の外幅も24mmですが
リムの外幅を実測すると なぜか24.2mmくらいです。
リム穴の直径も 4.3mmと出る穴もあり
0.1mmレベルの誤差は全ての部分にあります。
リム穴には左右の穴振りがあったので
右穴振りと左穴振りを それぞれ測った平均を出しています。

リム穴の径をゼロにした場合、
あるいはリムの端から穴の中心までの長さを計算すると
9:15mmとなりました。

これは リム自体の中心12mmからプラスマイナス3mmなので
3mmオフセットという公称値は正しかったです。
数値が3.0mmちょうどになったのは
恣意的に端数をいじったわけではありません。
私自身 3mmオフセットが本当だったとしても
計測と計算の結果は2.9mmとか3.2mmとか
きれいに3mmちょうどにはならないと思っていました。

ひとつ前の記事の後輪ですが、
オフセットリムを通常と逆の向きにして
逆オチョコだったのを反転させています。
35.7-39.1=-3.4mmから
38.7-36.1=2.6mmなので
リム穴3mmの移動で オチョコが6mm変わっています。
オチョコ量の絶対値は0.8mm減りました。
リムのオフセット量まで含めた最終的な状態を シマノ風に書くと
フランジ幅74.8mm オフセット量1.3mmとなります。
これはほとんどオチョコ無しとなるので
新規にホイールを組むなら ロクロク組みでいいのですが、
スポークをなるべく使い回すという条件があったので
ヨンロク組みにしました。
結果 右側(小ギヤ側)のほうが高テンションになりましたが
左右同径同本同数組みの ふつーのフリーハブの後輪よりは
スポークテンション(と変形量)の左右差は少ないですし、
ふつ―の後輪でいうところの反フリー側のスポークのほうが
明確に変形量が少ない(硬い)後輪というのは 非常に気色悪いものの
(ロヴァ―ルのディスクブレーキの後輪テメーだよ テメー)
ギヤ側が多少硬いぶんには別にいいかと思いました。
組んでいて あまりに良くないと思ったなら
お客さんに お伺いを立てて 組み方を変更します。
シマノのカタログにあるハブの「オフセット量」なる数値ですが
リムのオフセット量と そのまま比較できるので
こういう場合には考え方として便利です。
が、AI仕様のフレームや 逆オチョコのハブと
オフセットリムでホイールを組む時に
オフセット量の絶対値を小さくするにはどうしたらいいかと
考えること自体が レアケースで、
そういうときは私のほうで勝手に調べるので
左右フランジ幅の公称値については やはり数値そのものを
書いていてくれたほうが助かります。
AIフレームの場合は、オフセットリムではないほうが気が楽です。
オフセットリムで無いのであれば、まだ少しオチョコが残っていようが
キャノンデールと関係ないフランジ幅が極端に狭いハブ
(とくに左フランジ側が狭いハブ)のときに 逆オチョコが発生するかもとか
リムをひっくり返しても何も変わらない以上 気にする必要が無いので。
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