のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

前後で何グラム?  

お客さんから たまに、のむラボホイール○号は前後で何グラムですか?
というようなことを訊かれますが、これはたいへん困る質問です。
憶えていないので即答できません。
リム単体の重量であれば のむラボホイール以外のリムであっても
そらで答えられないリムのほうが少ないと思いますが。
ここでも過去に何度か触れたように、ホイールの前後輪の合計重量には
リムやホイールの硬さのデータが 取り出せる形で含まれていません。

例えば エボライトハブに対してクリスキングのR45ハブは
フロントが44g、リヤが6gほど重たいわけですが、
ハブの回転の滑らかさや 1年間ノーメンテで使った後で
ベアリングが死んでいる確率などを考えると
クリスキングのほうが高品位なハブということで間違いないので
単に重量だけで優劣を比較できません。
しかし、前後輪で50gも違うと 100gの境をまたぐこともあり、
カタログスペックで前後1320gと1270gでは
後者のほうが走るホイールだと判断されがちになります。
リム重量と硬さが同じなら大差はないというのが 私の観念なのですが。

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↑これは昨日のカーボンWOホイールの前後輪の重量です。
合計では1673gということになります。

仮に、このホイールのスポークと組み方が
前輪 エアロSBIIラジアル組み→CX-RAYラジアル組み
後輪 半ストロングヨンロク組み→全CX-RAYヨンヨン組み
という よくある構成になった場合
重量の概算値は前輪720g、後輪877g、合計で1597gとなります。
少なくとも平地から緩傾斜までは、1673gのスペックのほうが
走るホイールだということは間違いないので
重量だけに囚われてはいけません。
上り下りコーナリングなど あらゆる状況での総合的な損得で考えても
1673gのホイールのほうが レーサーから高く評価されるだろうということは
経験的に間違いがありません。

ところで、ほぼ同じリム高のWOホイールである
シマノのRS81-C35-CLが 前後で733/910g、合計で1643gです。
これと比べれば昨日のホイールも 別に重たいホイールには思えない不思議・・・
いや全然 不思議ではなく リム重量をホイールの合計重量で包んだ
まやかしラッピングなだけなんですが。

シマノのホイールの場合は
防塵防水性能の高さと フリーボディの材質と構造、
あとはカップ&コーン式のベアリングなので
極端に小さいベアリング球にできないことなどから
ハブの重量が重たいわけですが、
それ以外のたいていの完組みホイールは ハブとスポークを軽くして
リム重量を まやかしラッピングする傾向がありますので要注意です。

意図して まやかしラッピングをするつもりは無くとも、
ホイールの全体重量のみを告げて リム重量を告げない
(完組みホイールは一般的にそうですが)というのは
まやかしラッピングになります。

という理由で、私は リム重量を重要視するあまり
ホイールの全体重量に疎いのですが お許しください。
リム重量を告げるのと合わせれば ホイール全体重量も有益な情報たりえるから
のむラボホイールの範囲だけでも それくらい覚えとけよ、と言われそうですが
エボライトハブとリーフハブでも けっこう違ったりします。

もしも まやかしラッピングするつもりであれば
24Hの後輪は全CX-RAYヨンヨン組みにすればいいわけで、
私が そういうホイールを組まないということからも
単に「持った重量」を最重要視しているわけでないのは
伝わっていると思います。

追記:コメントのお返事
タイヤやチューブの転がり抵抗の性能差も含めたうえでも
WOホイール(タイヤ込み)のほうが分が悪いとお考えですか?
というコメントをいただきました。
「WOタイヤのほうが転がり抵抗が軽い」という前提での
ご質問なのかどうかは分かりませんが、
仮に WOタイヤ特有の構造に、チューブラーには無い
転がり軽さが得られる魔法がかかっていたとしても
リム重量の差による性能差は到底埋めきれるものではないと思うので、
絶対性能はチューブラーのほうが上で
WOは所詮 取り扱いが簡便なトレーニング用の代用品・・・だと
私はずっと考えてきましたが ミシュランのアクシアルプロが出て以降は
WOタイヤもレースユースに堪えられるものになりつつあるんだな、
と考えを多少は改めるようになりました。
昔であれば「最高級WOタイヤでも1000円タイヤ以下」といったところです。
1000円タイヤというのは、最廉価帯のチューブラータイヤが
1000円で買えた時代があったのです。

WOとチューブラーを ほぼ同じ構造で併売しているメーカーといえば
ヴィットリアか ヴェロフレックスです。
この2社のWOタイヤ(ヴィットリアはオープンコルサのみ)は
WOではなくオープンチューブラーと呼称していて、
「チューブラータイヤを縫わずに、端にビードを取り付けただけ」
という構造になっています。

そうでない例としては、
コンチネンタルのグランプリ4000SIIチューブラーは
WOモデルとトレッドパターンと名前が同じだけで、
タイヤサイドの形状やタイヤの高さの違いからして 全く別のタイヤです。

そこで、同じくWOとチューブラーを併売しているホイール、
例えば ボーラ ワンなどにオープンコルサCXと コルサCXチューブラーを
それぞれ履かせて乗り比べたときにWOのほうが走るということは
まず無いのではないかと思います。
先ほども書きましたが、最近のWOタイヤは昔よりは はるかにマシだけど
やはりチューブラータイヤのほうが性能が上、というのが 私の考えです。


つづいて。実は同じ方からなのですが
ボーラ ワンやRS81に対して「同じリムの上位モデル」に
ウルトラ ツーや 9000がありますが、
これらは値段に見合う性能差は無いとお考えですか?
というコメントをいただきました。

「中身」と「価格」によります。というのが 私の答えです。
まず「中身」から。
ボーラの場合は、ベアリングがUSBかCULTかの違いになりますが、
この2つは 体感できるだけの性能差は一応あります。
下りでフリーにかかっているときや、きれいな路面を走っているときなどに
明らかな違いがあります。

シマノホイールの場合は、ハブがアルテグラ相当か
デュラエース相当かになるわけですが、回転の軽さの差は ほぼありません。
アルテグラ相当のほうが うっすら濁ってはいますが、
乗って違いを見分けるのは まず無理だと思います。
フリーボディの材質の違いによる
リヤハブの軽さも、体感できることではありません。
ただ、数万kmないし数年間ノーメンテで使った場合に
ベアリングが死んでいない可能性は デュラエースホイールのほうが
明らかに高いのは間違いありません。

次に「価格」について。
これらの性能差と製品の価格差を勘案して、
どちらを買うかは人それぞれだと思いますが
私の場合は ボーラならワンのほうを買うと思います。
シマノホイールの場合は、ハブの防塵防水性能が及ばない点以外は
完全上位互換のホイールを自分で組めるので どっちも買いません。
というのが答えです。

私は普段エボライトハブでホイールを組むことが多いですが、
上位モデルということになっている ウィングハブはほとんど使いません。
セラミックベアリングに対して 価格差ほどの魅力を感じていないことと、
リヤハブの寸法がエボライトハブのほうが優れていることが理由です。

あと わりとどーでもいいことですが、
エボライトハブの前のエボハブの、ある時期のモデルは
スリット穴だったのですが、エボライトハブ化に際して丸穴だけになりました。
ウィングハブは依然としてスリット穴のままだったので
CXなどのスポークを使う場合に重宝したのですが、
最近はウィングハブも丸穴に移行しているので
そういう理由で使うことが無くなりました。

コメントありがとうございました。

category: ホイールの話

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初代コスミックエリートさん  

お客さんから 初代コスミックエリートをお預かりしました。
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広い意味での「最初の完組みホイール」は
ディスクホイールということになると思いますが、
「ロードレース用のスポークドホイールで
メーカーが量産したもの」となると 1996年のマヴィック・ヘリウムが最初です。
ヘリウムは山岳決戦用軽量モデルで
フロント26H・リヤ28Hのアルミリムホイールですが、
フロントリムはリフレックスリムを完組みホイール用に穴数違いで
特別に作ったものです。と書きながら 実は厳密には違うのですが。
ごく初期のヘリウムのチューブラーリムには340g台のものがあり、
これはリフレックスの軽い個体だとしてもありえない軽さなので
素材の厚みも含めて特別にヘリウム用に作ったものです。
後期型だと390gくらいなので、
単に穴数とリムの色が特別なリフレックスということで間違いありません。

エアロホイール系のコスミックシリーズは、
97年に コスミックカーボン(SSCではない前後16Hのモデル)と
コスミックプロとコスミックエキスパート、
98年にコスミックエキップ、
99年にコスミックエリートが出ていて
今回のこれは99年初出の初代エリートになります。
コスミックカーボン以外のモデルはアルミリムで、
38mm高リムのプロは このモデルのためだけの
レインフォースアイレット(後述)無しとなっていますが
それ以外の3モデルは リム高30.5mmのCXP30リムの
穴数と色を変更して流用した仕様となっています。

お預かりした最大の理由は、後輪の振れが大きく
お客さんいわく「スポークがリムを持ち上げている?状態」に
なっているからです。
これは、CXP30リムの仕様である
レインフォースアイレットが割れてしまったから
見かけ上そうなってしまっています。

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↑リム穴には穴振りと切り欠きがあり、
自分から見て手前に向かって伸びているスポークと
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↑向こう側に向かって伸びているスポークで
見えかたが違います。

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↑これが持ち上がっているという部分で
お客さんが目印のテープを貼ってありますが、
明らかに 何かがおかしいです。

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内周側の厚みが薄いので、
ニップルがリム穴を突き破りそうになっています。

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↑これがレインフォースアイレットです。
例えば最近の完組みホイールであれば
リム穴周辺のみ肉厚にするなどの加工がしてあるものもありますが、
それをするには高い切削技術が必要になります。
このリムの場合は、レインフォース(強化)アイレットを
リム穴にのみ挟むことで部分的に強化しているわけです。

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当該箇所ではアイレットが割れてしまったのでしょう。
リムテープ無しの状態で送られてきたので
アイレットの欠片は見当たりませんでした。

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CXP30のレインフォースアイレットです。
一応書いておくと とっくの昔に廃版になっています。

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あと40個、今日使ったのであと39個しかありません。
個人的にCXP30リムの32Hと28Hを 数本持っていますが、
これが必要になるのでホイールは1つしか組めません。

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ニップルを回収しました。このニップルのみナメた跡がひどく、
アイレットが欠けた状態でニップルを回したようですが
長さ16mmで 工具のつかみしろが3.2mm対辺なので
結局は16mm長さの DTのしんちゅうニップルにしました。

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↑この専用工具を使う必要もないのですが、
とにかく図のようにセッティングしろということです。

フランス語はじめ5ヶ国語での説明書になっていますが、
上の画像1枚目のRenforced eyeletという綴りは誤りです。
英語ならRenforceではなくReinforceとなり、
Renforceはフランス語ですが 活用するとRenfortになるので
Renforcedはフランス語のあとに英語の接尾辞~edを
付けた形になっています。

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アイレットを補填して直しました。
レインフォースアイレットは、作業中にリム内に落ち込むことがあるので
それの対策として 長いアイレットにしただけ・・・では重たくなるので
軽量化もするぜ!というのが

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↑このエキスパンディングアイレットになります。
一応書いておくと とっくの昔に廃版になっています。
ちなみに、肉抜き部分は
アステカ文字にインスパイアされた可能性があります。

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前輪は、スポークが2本 変形しているので交換をご希望です。
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交換しました。

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↑CXP30の寸法です。
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↑コスミックエキスパート・エキップ・エリートのリムの寸法です
(チューブラー仕様があるかどうかはモデルによります)。
CXP30と全く同じ寸法です。

上のほうのレインフォースアイレットの画像に
M40012と書いた袋がありますが、
これは図にもあるように

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↑これのことです。

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あと お客さんの希望として、
ハブのグリスアップをお願いされましたが
フロントハブは全く傷んでいませんでした。
リヤハブは ハブシャフトのベアリング直下に
もらい錆びがあったので どうかと思いましたが、
中身は傷んでいませんでした。

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最後に。
このフリーボディはシマノ8・9S用で、
8・9Sというのは当時の表記なので、10Sも使用可能です。
これをカンパニョーロ仕様のフリーボディに
交換してほしいということなのですが、
残念ながら不可能です。
この当時のマヴィックに カンパニョーロ用フリーボディは存在しません。


では カンパニョーロで使う場合どうするのかというと、
かなり ややこしい話になります。
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まず、マヴィックにCC9というスプロケットがありました。
CCはカセット コグという意味で、コグとはフランス語で歯車のことです。
スプロケット(コグ)とスペーサーを1枚ずつ
フリーボディのスプラインに挿していく形でセッティングするのですが、
シマノのHG(HYPER GLIDE)フリーボディとスプラインの形を同じくする
「CC9フリーボディ」というものがあり、
CC9スプロケットを黄色スペーサーで使った場合
カンパニョーロの9Sに対応するという形になっていました。
つまり、カンパニョーロのコンポで使いたければ
HGフリーボディをCC9フリーボディに交換し
マヴィックのスプロケットを買えということになります。

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CC9フリーボディは、カンパニョーロ専用のフリーボディなので
シマノのスプロケットで使ってはいけないことになっています。

そして、カンパニョーロ9Sで使う場合の方法は
「CC9を黄色スペーサーでセッティングする」以外に もうひとつあります。

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「シマノ純正の9Sギヤを、
スプロケットにスペーサーが盛られている部分は極薄スペーサーを足し、
スペーサー単体はそれよりもやや厚いスペーサーに換えることで
カンパニョーロの寸法に改造するための
HG/CC9キットなるパーツを使う」という トンデモナイ方法です。
この場合の厚いほうのスペーサーの色はグレーです。
察しのいい方はお気づきだと思いますが、
この方法ではスパイダーアームの部分の歯間距離は変更できません。
そして、異常に変速性能が落ちるのです(当たり前だ)。
この方法でカンパニョーロに対応(←対応できてねーだろ)する場合でも、
HG9フリーボディではなく CC9フリーボディへの交換が必要になります。

ちなみに、CC9から1枚 スプロケットを抜き
黄色スペーサーから 少し厚い銀スペーサーに換えることで
カンパニョーロ8Sに対応する CC8という状態にすることも可能です。
この場合もフリーボディはCC9に限られます。

今回のコスミックエリートですが、フリーボディを取り外す場合
ハブ体の左ベアリングを抜いて 12mmアーレンキーを突っ込み、
フリーボディを固定している中空ボルトを内側から回すという形式になるので
後年に出た FTS-Lフリーボディと互換性がありません。
なので カンパニョーロのスプラインを持つフリーボディの取り付けが出来ないのです。
シマノ11Sに対応したフリーボディへの換装もできません。
というのを先日 電話口でお伝えしたのですが
詳しく書くと こういうことになります。
しかもここに書くと お客さん以外に 2000人くらいに伝わるのでお得です。
今回のコスミックエリートはHG9フリーボディなので、
シマノ8・9・10Sには対応しています。
その範囲で お使いください。

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ちなみに、シマノスプラインのFTS-LフリーボディはM10という名称ですが、
スプラインの奥に2mmのスペーサーが入っています。
CC9の後継モデルとして シマノスプラインのフリーボディに取り付ける
カンパニョーロ用10Sスプロケットの「M10カセット」というものがあるのですが、
M10カセット使用時はM10フリーボディの
2mmスペーサーを抜く必要があります。

M10カセットのスペーサーの色は黒ですが、
スプロケットを1枚抜いて黄色スペーサーにすることでCC9状態に、
さらに1枚抜いて銀スペーサーにすることでCC8状態になります。
これらの場合でも2mmスペーサーは不要です。

後からの話になりますが、シマノ11Sが出たときに
シマノ10Sに対して伸びたスプラインの長さが1.85mmであったことから
0.15mmの差はあるものの
「M10フリーボディの2mmスペーサーを抜けば シマノ11Sが取り付け可能」
という対応になりました。

あれ?
つまりですね、かつてのCC9フリーボディのスプラインは
FTS-Lフリーボディでいうところの
M10(スペーサー無し)の深さと同じなのでは、ということになります。
今回のホイールでも HG9フリーボディをCC9フリーボディに交換すると
シマノ11Sスプロケットが取り付くのでは、ということですが
スプロケットの取り付けが可能であっても、
ローギヤがハブ体に接触する可能性が大きいので
実用は おそらく無理だと思われます。

FTS-Lフリーボディには M10だけでなく
カンパニョーロ用のED10(EXA DRIVE)があります
(現行はそれぞれM11とED11に改名しています)。
シマノスプラインに取り付けるカンパニョーロ11S用
マヴィック製スプロケットというのは出ていません。

さらに追記
DSC03375amx6.jpg
↑これは2005年のコスミックエリートですが、
やはり リムはCXP30の穴数違いです。
CXP30リムそのものは とっくの昔に廃版になっていますが、
完組み用リムとしては残ったわけです。

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↑こちらはエキスパンディングアイレットでした。
でも これ単品の供給はありません。

category: ホイールの話

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ゴキソのハブでカーボンホイールを組みました  

今日もホイー(以下略)。
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ゴキソのハブとカーボンチューブラーリムでホイールを組みました。
フロントリムは45mm高、リヤリムは55mm高です。

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前輪は20H CX-RAY反ヌポークラジアル組み、

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後輪は24H 半コンペヨンロク組み結線ありです。

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ゴキソの完組みホイールでは反フリー側にラジアル組みを採用していますが、
私はタンジェント組みにさせてもらいました。
どう考えても こちらのほうが フリーボディを前に向かって絞る力に対して
ねじれや ひずみを起こしにくい(≒かかりが良い)からです。

ゴキソでは、ラジアル組みにしている理由について
「リムへのストレスを最小限に抑えています」とカタログにありますが、
リムについて タンジェント組みで組めば ぶっ壊れるものの
ラジアル組みなら耐えられる、というようなことは経験的にありませんし、
ゴキソの完組みホイールに採用されている500~600gほどの
カーボンリムではそんなことを気にする必要は なおさらありません。
フリー側のスポークと組み方を同じ条件にして
反フリー側をタンジェント組み またはラジアル組みする場合、
ホイールセンターが出た状態では
ラジアル組みのほうがスポークテンションが低いので
リムへの負担は低い・・・と思われるかも知れませんが
リムを食い破る方向にまっすぐ引いている角度の要素を勘案すると
スポークテンションが高いものの リム穴に対して斜めにスポークが伸びる
タンジェント組みのほうがかえって優しい、かもしれません。
ただ、先ほど書いたように「うわータンジェント組みしたら
やっぱり リムが破損したわ(もしラジアル組みなら壊れてないわ)」
みたいな経験は 私には無いですし、
世に出ているほとんどのリムはそういうストレスに対しては
(当たり前ですが)オーバースペックなので問題になること自体ありません。

もちろん、ゴキソとしても技術的理論的背景に基づいて
反フリー側ラジアル組みを採用しているのでしょうから、
是非 ここは枉げずに貫き通してほしいところです。
ZIPPやシマノの後輪が モデルチェンジごとに
宗旨替えするようなことをせず、
反フリー側ラジアル組みを信じ抜いてください。

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ゴキソのハブが 一般的なリヤハブよりもナローフランジであることについて、
「リヤハブのフランジ幅が広すぎるハブはテンションのばらつきが大きくなり
スポークやリムの破損につながります。」
とカタログにありますが、
ここでいう「テンションのばらつき」とは
片側全てのスポーク間における ばらつきでは無いはずです。
それはリムの真円度などで おもに決まることなので。
なのでここでの ばらつきとは、上の図にもあるように
左右スポークのテンション差のことになると思うのですが、
テンションのばらつき(左右差)が
スポークやリムの破損につながるというのであれば、
反フリー側ラジアル組みは左右タンジェント組みよりも
テンションのばらつきが大きくなる
ので、
ゴキソは 好んでスポークやリムの破損につながる組み方を
しているということになります。
ハブの設計根拠と ホイールのレシピが噛み合っていません。

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シマノのワイドフランジ詐欺(→こちら)3回目の画像を貼っておきます。
興味深いのは、ゴキソはナローフランジで、シマノはワイドフランジで
高い安定性という全く同じ単語を使っているという点です。
ついでに書いておくとワイドフランジ詐欺3回目は
オプトバル化(2:1スポーク教への宗旨替え)ですが、
ゴキソでは 左右異数スポークについて
「リムには不均等な力が加わる事となり、駆動にロスが生じます。」
としています。
これについては、フルクラムやカンパニョーロの上位モデルに限って言えば
アルミスポークの変形しにくさというのが
スチールスポークからすれば ぶっ飛んでいるので関係ありません。
私は 首折れスポークで2:1ホイールを組むのは
首とびリスクの点から 確かに良くないと思うのですが、
ストレートスポークであれば まず問題は無いかと思います。
完組みホイールのスポーク補修で、
実際に出回っている割合も勘案した上での雑感でも
2:1スポークのホイールが明らかに飛びぬけて
スポークが飛びやすい、ということもありません。

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今回の後輪は、過去に無いほどに
反フリー側のスポークテンションの追随度が高くなりました。
が、これは当たり前のことで オチョコ量が少ないからというだけのことです。
斜辺の角度が違う直角三角形がピッタリ背中を合わせている状態の
各々の斜辺、というのが 私がイメージする後輪のスポークですが、
この斜辺(スポーク)の変形しにくさは
斜辺の角度差(オチョコ量)と 斜辺の硬さ(スポークテンション)から決まります。
斜辺の角度が半分になったからといって、
倍のテンションで張れるようになるわけではありません。
確かに オチョコ量が少ないハブのほうが、
フリー側のある同じテンションに対して より反フリー側を張ることが出来ます。
が、今までにも書いたように斜辺の角度のほうが要素として大きいので
角度の損失はスポークテンションで取り戻すことが出来ません。
スポークは それを許すような完全剛体ではないですし、
スポークが降伏を起こすまでに 多くの乗り手にとってホイールが
実質は完全剛体に感じられるような状態になるまで張ることも 不可能です。
(もしそれが出来れば左右ラジアル組みでOK)

そこで、角度の損失を起こさないようにワイドフランジのハブを選び、
斜辺の角度差が生む問題はスポークの選定と組み方で何とかしようぜ、
というのが 私が(だけでなく一部の完組みホイールメーカーも)
試みていることなのです。

ではなぜゴキソのハブはナローフランジにこだわるのかについてですが、
私が思うに これは ナローフランジにこだわっているのでは無く、
世界一 回転が軽いハブという一発芸
確かなものとするために採用している構造が、
レーシングパーツとしては考えられないくらいの重さと
ナローフランジなハブの寸法にならざるを得ないという
制約上の理由からです。
私は、ゴキソのハブの回転が非常に軽いということまで
否定しているわけではありません(たぶん 世界で最も低抵抗でしょう)。
それによって より少ない力でホイール(ひいてはバイク全体)が進む、
最近の言い方にすれば 出力(ワット数)の節約になるというのも
状況次第では本当の話です。
(ゴキソハブと同寸法同重量で、ありふれたベアリングを採用した
ハブで組んだホイールと比べれば、ベアリングの差のぶんだけ完全に上位互換です)

ただ、より優れた寸法やより軽いハブで組まれたホイールと使い比べたときに、
剛性や軽さといった要素がどうでもよくなるほど
ハブの回転というのは大要素ではありません。
なので 先ほど「一発芸」と書きました。
リムに剛性があれば ハブの寸法が良くないのを
ある程度ごまかせるとは思いますが、
自社の完組みで採用しているリムが カーボンWOリムとはいえ
24mm高/約500g、38mm高/約550g、
50mm高/約600g(いずれもカタログ値)というのは
いくらなんでも重すぎです。
わざわざ書くまでもないことですが(←書いてますが)、
リムの重量(だけでなくホイールの外周部重量)は
ロードバイクにとって非常に重要な要素です。

内周部重量については 私はあまり気にしませんが、
今回のハブはカタログ重量でフロントが240g、リヤが455gです。
同じくエボライトハブのカタログ重量がフロント60g、リヤ228gなので、
もし「ハブ胴に巻き付けることで ハブの回転が世界一軽くなる謎の装置」が
あったとして、エボライトハブで組まれたホイールを使っている人が
装置の重量によってハブが フロントで180g、リヤで227g、
前後合わせて407gの重量増になっても取り付けを希望するのか、
と考えたときに、ハブ寸法の損失問題が無かったとしても
Yesという人はどれだけいるのか疑問です。
もちろんエボライトハブも、ゴキソほどの性能ではなくとも
とくに回転が重たいハブというわけではありません。

4000円するバーテープや 30000円するサドルが、
ちょっと触れてみて「すごく良さそう!」と思ったら買えばいいわけでして、
このハブの回転に惚れて210000円出せるなら出せばいいのです。
かくいう私も先日100000円のライトを買いました。

回転が軽い!という事実だけをカタログに書いていればいいものを、
ナローフランジや反フリー側ラジアル組みについて
明らかにおかしいことを 言い訳みたいに(後ろめたいんでしょうな)
書いているのが 気持ち悪いというかすっきりしないのです。
カタログではゴキソホイール以外のホイールについて、
「~リムの破損に繋がります」みたいな表現がありますが、
ゴキソホイールに採用している(していた?)カーボンリムが
ごく短い使用期間で ブレーキ熱によって変形し
使いものにならなくなったという話も 聞いていますし、
伝聞だけではなく お客さんがゴキソに質問状のような形式で
問い合わせした文としてのソースも持っています。
もちろんここには出しませんが。

リムの選定が甘くて破損に繋がるようなトラブルを実際に起こしているわけですが、
これは上のほうの図にある ワイドフランジハブでの
「テンション差:大 トラブルの原因」
という文中にある トラブルとは別の単語だと思われます。
ワイドフランジにしたことによるトラブルというものを
私は 具体的に現認したことはありませんので。
無理やり ひねり出せば、オチョコ量が大きいことにより
ナローフランジよりも低テンションになってしまう反フリー側のニップルが
比較的ゆるみやすい という点はあるかもしれません。
しかしそれを言うと、フランジ幅とは別個の問題になりますが
最終交差のあやどりが存在しないラジアル組みのほうが
「スポークが1本だけガクガクにブレるほどゆるむ」という
症状が出やすいことも 経験上 間違いありません(これは前輪の場合も同じ)。
よって、先ほどと同じことを別の言い方にしただけになりますが
「ワイドフランジ」で「反フリー側ラジアル組み」というのが
最も左右のテンション差を生む条件なのに、
ワイドフランジを否定して反フリー側ラジアル組みを採用する
というのが ゴキソのおかしなところなのです。

今回、お客さんが リムをお持ち込みされたことと
後輪を半コンペヨンロク組み結線ありで希望された(私の一存ではない)のは
多分 何かを知ったうえでの慧眼だと思うのですが、邪推かもしれません。
こわいので きかないでおこう

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リムサイドの化粧カーボンは、
正六角形ではない六角形の 無限敷き詰め模様になっています。

DSC02247amx6.jpg
シクロクロスだったり そうで無かったりしますが、
リムセメントでのタイヤ張り またはベッド作りのご希望が
最近なぜか多いです。

category: ホイールの話

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完組みホイールでの左右異数組みや異径組みの話  

いろいろと書いていたら長くなったので
分割して独立した記事にしました。

先ほどの記事のコリマS+のスポークについて。
DSC09835amx5.jpg
↑反フリー側
DSC09836amx5.jpg
↑フリー側
極端な寸法のハブである場合などを除いて、
左右のスポークテンション差の是正に より強く働くのは 一般に
左右異数組み>左右異径組み>左右異本組みになります。
(一応書いておきますが 2つある>の記号は同じくらいの差ではありません)
どうしても 左右異数組みで手組みホイールを組まざるを得ない場合
私は 左右異径組みをやりません。
(左右異数組みについては、その場合 反フリー側の組み方は
ラジアル組み一択なので考える必要が無いです)
しかし2:1組みの亜種であるG3組みのゾンダでは、
それほど極端な差では無いものの
左右異径組み(フリー側が太い)をしています。
このS+では、2:1組みより是正度が低いはずの3:2組みでありながら
左右「逆」異径組みをしており、
フリー側がCX-RAY相当のエリプティックエアロスポーク、
反フリー側がそれよりスポーク比重が大きい
スクエアエアロ気味のスポークという仕様になっています。
これが正解かどうか(やったほうがいいのかどうか)は分かりませんが、
左右異数組みに対して 左右異径組みで引き算をしようという
思いつきがコリマの中の人にあったということに驚かされます。
この仕様の意図に私は気付いたぞ!
少なくともここに一人 あんたの慮りに感心している奴がいるぞ!

DSC08004amx5.jpg
コリマと全然関係ないホイールですが いい機会なので。
DTの廉価グレードの完組みホイールです。

DSC08005amx5.jpg
フリー側20H、
DSC08006amx5.jpg
反フリー側10Hの 2:1組み30Hホイールなのですが
DSC08007amx5.jpg
左右同径スポークです。
このホイール、フリー側のほうがスポークテンションが低くなっています。
片側20Hであれば6本組みではなく8本組み(あるいは10本組み)にしたほうが
良かったのではとも思いますが、
首折れスポークなので そのあたり試せるなあ(フヒヒ)と思いつつ
振れ取りをして お客さんに渡したのでありました。

以前にも書いたことがありますが、
2:1組みを特徴としている完組みホイールメーカーで
ディスクローター台座のあるMTBの後輪をどうしているのかというと
ローヴァル→反フリー側ラジアル組みはヤバいので その場合のみ左右同数組み
フルクラム→反フリー側ラジアル組みはヤバいので 2:1組みのままタンジェント組み
となっており、フルクラムの後輪は反フリー側が異常なまでにピンピンに張っていました。
コリマのS+の左右「逆」異径組みが正解かどうかはともかく、
フルクラムのMTBホイールは「逆」異径組みを採用したほうが
いいんじゃないかと ふと今日思いました。

あと、ここで書かないと いつになるのか分からないので
さらに ついでに書きますが、
black incというブランドのホイールについて。
35mm高リムのTHIRTY、50mm高リムのFIFTY、
80mm高リムのEIGHTYという展開
(チューブラーの場合。WOモデルはいずれも5mm低い)をしていますが、
FIFTYとEIGHTYは前後輪 左右全てがCX-RAYです。
ところが、THRITYは 前輪がDTエアロライト、
後輪はフリー側がDTチャンピオン/反フリー側がエアロライトという
スポークの構成になっています。
エアロライトのスポーク比重は ほぼCX-RAYと同じなので
いわゆる半チャンピをホイールメーカーがしているということになります。
フリー側だけとはいえ14番プレーンスポークを採用するというのは
公称重量の点で カタログスペック上 非常に不利に見えてしまうので、
うわべのスペックだけでホイールを選ぶ大多数のユーザーに選ばれにくいという
リスクを負うことになります。
具体的に書くと、35mm高でTHIRTYのフリー側の組み方で外出しニップルだと
スポーク長さは275mmくらいになると思いますが、
仮に275mmだとするとチャンピオン12本の重量は
169.6gという概算値になります。
これがエアロライトだと109.4gとなるので
全エアロライトと半チャンピの重量差は約60gとなります。
THIRTYの公称重量は前後輪で1298gと 前後別には出ていませんが
FIFTYが前後輪で1350g、内訳が前輪593g+後輪757gということなので、
仮にTHIRTYが後輪も全エアロライトであったなら
前後輪1238gで 前輪537g+後輪701gあたりになったと思われ、
実際は後輪が半チャンピなので
前後輪1298gで 前輪537g+後輪761gという感じになるはずです。
ラインナップしている中で 最もローハイトリム(一般に軽さが求められるリム高)の
モデルに あえて重量が重たくなる仕様を選んでいるというところが
なかなか挑戦的でいいですね。
全モデルともストレートスポークのハブを採用していますが
反フリー側ラジアル組みを避けたかったのか
左右同本組みながら反フリー側タンジェント組みのものになっています。
THIRTYの「軽さを気にするローハイトモデルであえて重いスポーク」と同じく、
EIGHTYは「空力を気にするディープリムなのに より空気を撹拌しそうな
反フリー側タンジェント組み」という一見、駄目スペックに見えて
実は「分かる奴だけ分かれ」というような構成になっているところにニヤリとします。
さらに、うわべのスペックだけでホイールを選ぶ大多数のユーザーにも
選ばれやすいように「幅が23~25Cのタイヤを履けば
空力が最大限生かされるリム幅を採用しています」という値打ちこきポイントを
別に用意していますが これについてはワイドリムというだけのことなので
私には あまり響きません。
black incのホイールはトライスポーツさんの取り扱いですが、
別に 頼まれてステマしているわけではありません念のため。
もし私がTHIRTYを履いていたとしても
それは普通に買ったものです。信じてください。

category: ホイールの話

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コメントのお返事(無荷重でのセンター出しについて)  

普段私がやっているセンター出しの作業について
「いつも無荷重でセンターをきっちり合わせてますが、
タイヤに空気を入れたときのセンターずれは無視なんですか?」
というコメントをいただきました。
おお、これは たいへんいい質問です(冷や汗)。
ありがとうございます。

はい、無視しています。と書いてしまうと あれなので詳しく書きます。
まず タイヤの空気圧ですが、
外気圧の数倍も入れると それによってリムが圧縮されるので
(とくにロードバイクだと より顕著に)スポークテンションが下がります。
リムは タイヤの空気圧に対して完全剛体のような振る舞いは見せません。
(タイヤを張る以前にホイールを組んでいるわけですが、
そのスポークテンションに対しても完全剛性ではありません。
リムによっては内周側への圧縮の量が無視できないので
スポーク長さを0.5mmや1mmほど
計算上より短くしないといけないリムがあることが分かっています)
そのとき、オチョコがあるホイールだと
リムはスポークの角度が立っている側にずれます。
これはセンターゲージで観測できることもあります。
観測できなくても 微量ながら起こってはいるはずです。
その量はリムの剛性によって変わりますが、
経験的に 重たいリムのほうが少なく、リム高が高いリムのほうが少ないです。
しかし実は、リムの剛性よりは タイヤとリムの形式ほうが
要素としては大きいと思われます。
ある空気圧に対する起こりやすさ(ずれやすさ)では
チューブレス、チューブド(WOとHE)、チューブラーの順になります。
具体的に書くと、シマノのWH-6800や イーストンの旧EA90RTでは
チューブレスタイヤの8barで「紙1枚くらい」以上のセンターずれが起こります。
旧EA90RTの件では、お客さんが いつも使うタイヤの
いつも使う空気圧の状態でセンター出しをしたこともあります。

ドンピシャ級に出した無荷重のセンター出しが
タイヤ装着と加圧も含めた実際の使用状況でも維持されている
というわけではない
のは承知していますが、
乗り手のタイヤと空気圧の条件が分からない以上
無荷重でドンピシャが作業の基本になってしまいます。
いつものタイヤ いつもの空気圧の状態でセンター出しをしてくれ、
と言われれば それでやってもいいのですが、
経年使用でタイヤ幅が23mmから25mmに太る
あるWOタイヤの場合、太ってしまうと 同じ空気圧時での
リムずらし量が減ることも分かっています。
なので 可能な限り厳密に実使用時での条件下で
センター出しをする、というのは非常に難しいのです。
(技術的にではなく 条件のほうが変わるという意味で)

あと、私が使っている タイヤを装着した状態で使えるセンターゲージは
モノサシとしてあまり信用できません。
それが出来るセンターゲージでまともなものを買えよ!と言われそうですが
私の知る限りでは存在しません。
もしあるなら教えてほしいです。買いますので。

あと、R-SYS以外の後輪では経年使用で
リムがフリー側にずれることも分かっています。
(理由については 別の切り口からいずれ書きます)
私が使っているのむラボホイール4号は
無負荷時で うっすら反フリー側にずらしていたのですが、
タイヤを交換するときごとに センターゲージで見たところ
やはりフリー側にずれる現象が確認できました。
これは、乗っていて分かる量ではないですが
量の大小としては タイヤの空気圧でずれる量よりも大きくなります。
この経年使用でフリー側にずれる現象は、2:1スポークなど
左右異数組みの後輪の場合 ずれるのが早い、
ということも経験的に分かっています。

じゃあ 普段私がやっている無負荷でのセンター出しに
意味はあるのかということになりますが、
ホイールセンターが1円玉1枚以上ずれているような吊るしのホイールを
少なくともその時点での 無負荷センタードンピシャにするのは
お持ち込みいただく前の状態よりは ずっと良いはずなので、
そういうテキトーな精度のホイールを 作業で排除するという点では
やはり意味があります。

先ほども書きましたが、
いま履いているタイヤ+この空気圧時で
センター出しをしてくれと言われれば そのように致します。
そこからタイヤが変われば(変わるというのは 太るのも含む)
実使用時でのドンピシャは保証できませんが・・・。

経年使用した後輪のホイールセンターがフリー側にずれる、
という現象が存在するのは経験上間違いありません。
のむラボホイールにしろ 完組みホイールにしろ、
無負荷センターを私が過去に出した後輪を 後日振れ取りするときに
反フリー側の増し締めによる「追いセンター出し」をするというのは
実は けっこうやっています。
今までそれをあまり書かなかったのは、それを知った同業者が
フリー側のセンターずれについて全て
「経年使用によるもの」だと言い訳されそうで ウザいからです。
私は、振れ取り作業で 可能な限りタイヤを外して作業しますが
それは 無負荷センターも ついでに出すためです。
最新のカンパニョーロ・ボーラのチューブラーモデルだと、
ワイドリムなので 幅によってはタイヤが付いた状態で
センターゲージを干渉せずに当てられ、
しかも内蔵ニップルではないので タイヤを剥がさずに調整できます。
そういう場合はタイヤ付きで点検しますが。

DSC00203amx5.jpg
いい機会なので
WH-6800の後輪とチューブレスタイヤでのセンターずれについて。
上の画像は記事用にストックしていたものですが、
撮ったのは2015年の3月14日です。

DSC09492amx5.jpg
これは 先ほど書いた、タイヤが付いていても使えるセンターゲージです。
(この画像は今日のものです念のため)
端っこの、リムに当てる部分がスライドするので
タイヤの横っ腹が リム幅からオーバーハングしていても
タイヤと干渉させないように当てられます。

DSC09493amx5.jpg
エンドに当てる部分の全体形状は こうなっていて
DSC09494amx5.jpg
先端は直角より鈍角に曲がっています。
DSC09495amx5.jpg
このユリヤボルトを締めて固定するのですが・・・。

DSC09496amx5.jpg
ユリヤボルトを締めるときに
先端をエンドに めっちゃ押さえつけているのにもかかわらず
DSC09498amx5.jpg
ボルトを締めると先端が斜め上に浮くのです。このクソ工具が!

DSC09500amx5.jpg
そこで、使い方を考えます。
まず 使い方その1ですが「先端がエンドから浮くのは仕方がない」として
そのすき間を目視で憶えておいて 反対側とくらべるという方法です。
もしくは、反対側で より詰まったとしても エンドに接触さえしなければ
「乗って分かるほどはずれてねえから でえじょうぶだ」ということなのかもしれません。
私の妥協点がそれよりも もーちょっと高いことについては
普段のセンターゲージの画像で信じていただけるかと思います。

DSC09502amx5.jpg
次に、使い方その2です。
先端をエンドより低い位置にして、ユリヤボルトを締めきったときに
エンドの端面と揃うように調整してから使うという方法です。
このセンターゲージを どうしても仕方なく使うときはこうしていますが、
以下の画像を撮ったときは 使い方その1でやりました。

DSC00204amx5.jpg
タイヤ無し無負荷センターを出しています。
工具の先端が エンドからちょっと浮いていますが
フリー側でも同量です。

DSC00207amx5.jpg
ずれる量がなるべく大きくなるように、
チューブレスタイヤ(ちなみにIRC製)で9barにしました。
先ほどの状態から全く動かしていない工具の先端が当たっています。
この程度のずれは発生しうるということですが、
本当にタイヤ側の条件で ずれの量が変わるので
この現象を知らないわけではないのですが
普段の調整では無視した形になっています。

文中で メシノタネコードに抵触することをうっかり書いていますが
どれがそれに当たるのか書かないのでセーフ(たぶん)

category: ホイールの話

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