のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

XR300リムで後輪を組みました   

今日もホイー(以下略)。
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先日の続きです。
XR300の銀リムで後輪を組みました。

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リーフハブっぽいリヤハブ24H
半コンペヨンロク組み結線ありです。

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スプロケットがスプラインに噛みこむのを防ぐ
アンチバイトガードが付いているフリーボディです。
ノヴァテックのものより薄い鉄板ですが、
120°位相で3ヵ所に入っているので
効果としては十分だと思います。

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反フリー側にテープで留めているのは
オーバーロックナット寸法を
130mmから135mmにするアダプターで、

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それ込みでセンター出しをしています。
これがなかなか絶大でして、反フリー側の結線が
不要じゃないかと思うくらいのホイールに仕上がりました。
お客さんの希望なので やりましたが。

結線について 競輪関係から さらに知った話があるのですが、その前に。
競輪で使われるアラヤの16B GOLDというリムは
昔ながらの製法なので非常に軟らかく、
最近の 鍛造や切削やらが施されたリムと同じ調子で組もうとすると
スポークテンションでハトメが浮いてきて、
最悪ニップルがリムを突き破って割れます。

というリムなのですが、決戦用として
使い捨てのつもりで ハトメが浮くほど張った場合は
結線の効果があんまり分からない、ということでした。
これと、私がフリー側の結線をしない理由は おそらく同じです。
体感できるほどの違いが現れないなら飾りと一緒、というわけです。
反フリー側に施した場合は駆動剛性に関して
体感上の違いがあるので やりますが。
競輪の後輪の場合は、両切りハブならオチョコ無し、
片切りハブは(例えばデュラエースなら)オチョコがありますが、
それほど大きいものではありません。
右側からスプロケットが10枚も11枚も押し寄せてきて
大きなオチョコを取らざるを得ないロードバイクの場合は
考えられることをやり尽くしても なお 反フリー側のほうがヌルくなります。

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私が持っているチネリのスーパーコルサは
リヤエンドが126mmなのですが、
ピナレロのステルヴィオという(峠の名前が付いた)フレームと
後輪(カンパニョーロのボスフリー用ハブ)を共用していた時期があります。

ステルヴィオのリヤエンドが130mm幅なので、
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ハブシャフトのスペーサーを左側に4mm足して、
130mmの後輪に変換していたことがありました
(そんなにしょっちゅう 変換していたわけではないですが)。
右側のエンドのWナットも一旦ゆるめて、
ハブシャフト自体も左側にずらす必要があります。
なので エンドにかかるハブシャフトのねじ山部分が少し浅くなります。
もちろん これだけだと新しいオーバーロックナット寸法の
ホイールセンターに対して リムがずれたままになるので、

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リムの位置を 寸法を増やした側に、
増やした寸法の半分だけずらしてやる必要があります。
増やす4mmですが、左右2mmずつや 右だけ4mmというのはいけません。
変速(スプロケット)の位置が変わるというのもありますが、
右だけ4mmの場合はホイールの理屈的にも悪くなるからです。

リムを反フリー側に寄せるというのは
「一方的に反フリー側だけを増し締めできる」ということで、
この2mmというのは たった2mm・・・どころではなく
絶大な是正になるのです。
これは、乗り手としての 乗ってどうこうでも分かるかも知れませんが
組み手としてのホイールを組んだ感触だと 確実に違いが分かります。

というわけで今回のホイールも、
リーフハブで組んだのむラボホイール1号を
130mmでの完成状態から
さらにリムが2.5mm反フリー側にずれるまで
一方的に増し締めしたのと同じ状態になっています。
なので左右のスポークテンションの差が非常に少ないのです。

これと同じ効果を得られるのが オフセットリムだというのは
たぶんここまでで多くの方が気付いたと思いますが、
今回のこれも フランジ幅の損失無しでオチョコが軽減されています。

そのうち書こうと思っていたのですが、
キャノンデールのMTBやシクロクロスなどで
142mm幅のスルーアクスルエンドを
フリー側を6mm伸ばした形でオフセットした規格があります。
それでホイールを組めますか?というコメントを だいぶ前にいただいていますが、
リヤハブは142mmの汎用品でもいいということなので もちろん組めます。
スポーク長さの計算もそれほど面倒ではないですし、
既存の142mm幅の後輪であっても
左右のスポーク長さがニップルの端面で終わっているような長さであれば
反フリー側を締めて フリー側をゆるめることで
スポークの交換なしに6mmオフセット状態にすることも可能です。

右側を伸ばすのはダメ、というのは左右同寸法だからという
既成概念の上の話で 左右異寸法ならいいだろ、という考えのようですね。
キャノンデールがそれをする理由は
リム直下にハブフランジ間の中心を持ってくる、
つまりオチョコを無くしたいからのようですが
フランジ幅が変わらないなら横剛性が劇的に上がるわけではありません。

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フレームの142mmエンドを71/71mmではなく
65/77mm用で設計するということです。
上の図 上が普通の142mm、下が6mmオフセットです。
ハブを基準にして描くとこうなりますが、

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実際は6mmの「オフセット」なので フレームのシートチューブの中心と
ホイールセンター(上の図の破線)の関係は変わりません。
スプロケットが外に出る形になるので チェーンラインの問題なども軽減されます。

リヤハブのフランジ幅は(例外はたくさんありますが)だいたい平均して56mm、
その内訳がフリー側21mm 反フリー側35mmといったところなので
6mmオフセットさせると フリー側27mm 反フリー側29mmとなり
フランジ幅は変わりませんがオチョコは減ります。
専用に設計すれば左右同幅、オチョコ無しのリヤハブも作れるでしょう。
この場合 多くの組み手に取って助かるのが、左右同径同本組みで
左右同テンション・同スポーク角・同スポーク長さになるということです。
ここでいう多くの組み手というのは、32Hのオープンプロリムを渡されたら
一生 左右同径スポークでロクロク組みかハチハチ組みをし続けることに
何の疑問も抱かないような人達のことです。
そっちの人たちに合わせたモノづくりというのは困りますね。
オチョコがひどくなってもいいから、フランジ幅を広げてもらうほうが
私としてはありがたいのですが。
スポークの左右バランスを是正する術はいろいろありますが、
フランジ幅の損失を取り戻すような方法は無いのです。
それに・・・オチョコが無い後輪だと結線する場合
左右ともにしなくちゃいけないので 面倒くさいだろうが!(←これが本音)

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私物ですが、一例を。

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130mm幅 オチョコ無しのWフリーハブです。

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よって 結線するなら左右すべてになります。

category: ホイールの話

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別軸フランジと同軸フランジの話で使わなかったネタについて  

先日の長文の記事で使わなかったネタについて。
私は スポークの根元の横位置の類型として
同軸フランジと別軸フランジに大別しているわけですが、
タンジェント組みのように 半分ヌポーク 半分反ヌポークだと
厳密には同軸フランジではありません。
でもそれくらいなら同軸フランジとして扱うよ、という話ですが
それとは関係のない動機で
「エボハブを全ヌポークラジアル組みして高テンションで張ると
ハブシャフトの横ガタが出ることがあるが
半ヌポーク(反ヌポークではない)なら どうなんだ?」
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という のむラボホイール5号が こちらになります。

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↑半ヌポーク
一般に、タンジェント組みは 半ヌポークを編んだ状態になります
(2本組みを編むなら 全ヌポークか全反ヌポークになりますが)。

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けっこう横位置が違います。
ハブシャフトのガタは出ませんでした。
おそらくはサンプル数を重ねても同じです(エボハブなら)。

ヌポークと反ヌポークのスポークテンションは厳密には違いますが、
変形量の大きいほうが必ずゆるむ(※)というほどの差は無いので
その点は問題ありません。
理論上 これは全反ヌポークラジアル組みより 横剛性が高いと思うのですが、
体感できる差が無い(スポークテンションの多寡のほうが大要素っぽい)ので
売り物には採用しませんでした。

※最終交差の2本のスポークで異径組みすると、
反ヤマアラシさん方向の細スポークが異常にゆるみやすくなります。
これは、結線で防ぐことができませんでした。
もし防げるとすれば、ストレートスポークの2:1組みで
フリー側交差異径組み 反フリー側ラジアル組み、
フリー側結線ありとか 面白い気がします。

category: ホイールの話

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ソルダリング エグザミナ  

サクラ(SACRA)のホームページにて、
「結線ハンダ付けに意味は無い」という記事が上がっていますが
それについてどう思いますか?という質問を
コメントまたは来店された方から かなりの数 されています。
実は、私はまだ その内容を見ていません。
あらましは聞きましたが。

どうせ大したことは書いていないと思いますが
この記事を上げる直前か 上げたあとに見てみます。

しかし、意味が無いとは ずいぶん大きく出ましたね。
吐いたツバ飲むんじゃねえぞ。

結線が無意味などと書いた動機については、以前私が書いた
サクラのホイールについての忌憚無き意見(→こちら)に対する
しょーもない意趣返しといったところでしょうが、
そうであろうとなかろうと どうでもいいことです。
いい機会なので、結線ハンダ付けについて
私の考えなど詳しく書いていこうと思います。

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確か 日本自転車振興会(NJS)でも試験をしていたと思いますが、
ホイールに静加重をかけた際の変形量が
結線の有無で変わることは無かったと記憶しています。
ものすごくミクロまで見れば(例えば原子1個レベルということになれば)
そんなことも無いでしょうが、
とにかく有意な差は見受けられないということですね。

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それはともかく 実験その1。
これは以前にどこかで書いた覚えがありますが、
お客さんが ペダルを踏み込んだときに 後輪から異音がするというので、
後輪単体の状態でロックリング回しを取り付けて
原因箇所を調べてみたことがあります。

上の画像は その再現ですが、工具の柄を持って下に力をかけると
ギチッ、ギチッと異音がしました。
どうも、黒スポークの 編んである最終交差が 変形で擦れて
音が鳴っているようです。

ここで重要なのは、手の力ごときで鳴ることと
再現性が100%(鳴らそうと思えば必ず鳴らせる)だということです。

で、最終交差に注油して音が鳴らなくなるかどうか調べようと思ったのですが、
左右同時に それをしてしまうと どちらか片方が原因だった場合
どっちだったのか分からなくなるので

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まず、スポークテンションが低く より鳴りやすいだろうと思われる
反フリー側の最終交差だけに注油することにしました(上の画像)。
そうすると、必ず鳴らせたあの異音が 全く鳴らなくなりました。
鳴らそうとして、最初に鳴らしたときよりも 工具にかける力を大きくしましたが
それでも鳴りません。
ここで知ったのは、フリーボディの前方向への ねじれが
反フリー側の最終交差を それなりにたわませていたという事実です。
もちろん、工具の柄を持って手で締める力より
ペダリングの方が 力の大きさは上です。

念のため書いておきますが、上の画像2つは
そのときの状態を再現したものであって、
この後輪(先日 組み換えたFiRのスピードライトの 組み換え前)が
鳴るというわけではありません。
黒スポーク左右タンジェント組み最終交差編みありなので
使わせてもらいました。

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クランクを踏み込むと、
チェーンが引っ張られ、
フリーボディが前に向かって回転し、
(おもにヤマアラシさん方向の)スポークがそれを受け止めることで、
タイヤが地面を蹴る、
という一連の動きの中で、最初のペダリングの力が
機械的損失や 材質の変形によって いくらか減ぜられるうち
上の図4のスポークの変形が 結線によって いくらか抑えられるのが
体感できる大きさの要素であったなら
結線によって「かかりが良くなった」と言えると思うのですが、
私含め 結線をした後輪を使った人の多くが
そういう感想を述べるので、結線は まやかしの類いではありません。
といっても当店では多くの場合、最初から結線をしているので
結線の有無の差だけを比べた人は多くはありません。
フリー側の最終交差を結線しないのは、これも体感の話になりますが
反フリー側ほど劇的に乗り味が変わらないからです。
苦労に見合うほど化けないので 私はやりません。
もちろん、オチョコが無いホイールの場合は別です。

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↑結線6ヵ所(オチョコありのホイールなので片側のみ)による重量増

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↑結線18ヵ所(オチョコ無しのホイールなので両側とも)による重量増
いずれも、最近組んだホイールです。
最終交差の角度によって鋼線の巻き数が変わるので
結線1つあたりの重量は一定では無いですが、
効果に対して微々たるものです。

また、結線によるハブやリムへのダメージについてはどうですかという
コメントをいただいていますが、リム穴にクラックが発生するのは
反フリー側のみ結線している後輪でも ほぼフリー側に限られますので、
クラックの発生に関しては経験上
スポークテンションそのものの方が大要素だと考えられます。

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つづいて実験その2。前後方向からのスポークにぎにぎです。
結線をしていない反フリー側の最終交差2本のスポークを
最終交差の外周側で握りこむと、最終交差の位置が外周に移動します。

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反フリー側の最終交差スポーク2本の中間、
フリー側のリム穴に目印のテープを貼っています。
このホイールを振れ取り台にかけて

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これでもかというくらいに交差を握ると
リムが反フリー側に向かって動きます。
最も外側に変形しきったところで 振れ取り台のゲージを当てました。

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手を離すとこうなります(ノーにぎにぎ状態)。
スポークにぎにぎによって、
上の画像2枚の状態を 往復するということになります。

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ハンダ付け無しの、鋼線の結束のみ やりました。
これは「結びの結線」なので、ハンダ付け無しであっても
スポークにぎにぎによる 最終交差の移動は起きなくなります。
仮に ただ鋼線を巻いただけの「巻きの結線」であったなら
スポークにぎにぎで 交差がギチギチと動きます。
ところが、巻きの結線であっても ハンダ付けをすれば一応は
最終交差の動きを殺すことができます。
ただ それは鋼線の結束が主体となっている固定ではありません。
結線にハンダ付けをしたあとで 余った鋼線を切るのですが、
ハンダに期待しているのは「結束のほどけ止めの仕事」だけです。
私の結線は ある競輪のフレームビルダーから伝授されたのが最初で
それがバージョン1ですが、その時点から結びの結線です。

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再び振れ取り台にかけました。
誓いますが、先ほどの ノーにぎにぎ状態と
リムとゲージの間隔は同じです。
狂わないように かなりの注意を払っています。

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そこから、思いっきりスポークを握りこみました。
公平を期しすぎるためにも、結線前で握った以上の力で握っています。
リムをゲージに当てることができません。
このホイールは結線以外は済んでいる状態なので 横振れは無いですが、
結線をしていない最終交差 残り5ヵ所は 握るとゲージに当たります。

これによって「最終交差のたわみが減るとシュータッチが起きにくくなる」と
したいところなのですが、
かなり前に「走行中のホイールの最終交差に
思いっきりにぎにぎ相等の応力はかかってませんよね?」というような
コメントをいただいたことがあります。確かに その通りです。
しかし、シュータッチする後輪を
ホイールの組み換えによって起きなくするという案件を
数え切れないほどやってきた経験からも、
結線の有無によって シュータッチが起きにくくなっているということは
まず間違いないと思います。
もちろん、そういう後輪の組み換え前の状態は
たいてい全CX-RAYのヨンヨン組みかヨンゼロ組みなので、
それを半コンペヨンロク組みにしたことのほうが大要素なのは確かです。

結線に意味が無いのであれば、
半コンペヨンロク組み結線無しと
半コンペヨンロク組み結線ありが
同じホイールということになりますが・・・どう考えても ありえません。


つづいて 競輪の結線について。
私の結線ハンダ付けは NJSビルダーに教わったわけですが、
当店のお客さんの元競輪選手の方にお願いして
現役の競輪選手にも色々訊いてもらったところ、
競輪の世界では今 皆がみな結線をする・・・というわけでもないそうです。
というのも、競輪ホイールの組み手の間でも 失伝しつつある技術らしく、
あと 競輪場で落車があった場合 ホイールの修理は
競輪場の検査員の方がするそうですが、
結線できる検査員が減ってきているということでした。
ただ、効果が無い 意味が無いと言っている選手は まず いないそうです。
競輪のホイールは、NJS認定を受けた機材で
36HハチハチJIS組みと組み方も決まっていますが、
結線してはいけないという決まりはありません。
リムは実質アラヤの16Bゴールドのみなので、
ホイールの性能差は 組み立て精度、わずかな差のスポークテンション、
ハブのフランジ径、結線の有無くらいしかないことと
機材に関して すさまじくセンシティブな人が多い(一部例外あり)ので
結線の有無の差が分からない人も ほぼいないのでしょう。
(あとで書きますが、結線の有無の差は
すさまじくセンシティブな人でなくとも分かるくらい大きなものです)

勉強になったのは、結線の効果が確実に分かるのは前輪だということでした。
モガいたときのたわみが違うとのことです。
これとは違う話になりますが、クリスキングのピンクのハブ32Hと
オープンプロのリムでラジアル組みの前輪を組んだ お客さんがいるのですが、
後日 趣きを求めてか タンジェント組みに組み直してほしいと言われて
やったことがありました(→こちら)。
それについて さらに後日、組み方の違いで 何か差はあるのか訊いたところ
間違いなく、確実に、絶対に気のせいではなく
「フロントブレーキが利くようになった」とのことでした。
スポークの変形自体が目に見えなくとも
体感レベルの差で現れることがあるという意味で、
私の中でこの2つの話は非常に大きな収穫です。

あと、この時点でもまだ サクラの記事は見ていませんが
「メーカーがやらないのも 意味がない証拠」と
いうようなことが書いてあるらしいです。
伝聞なので 書いてなかったらすみません。
メーカーがしない理由ですが、結線をする手間がかかることと
ショップの方で修理ができる体制を整えることが まず不可能だから、
というのが 1つめです。

2つめに、構造上タンジェント組みでも
完組みホイールによくあるストレートスポークの多くは
最終交差を編んでいないということがあります。
編んでいない交差は結線できません。
編まない理由は、スポーク(とくに黒スポーク)の接触が
異音の原因になるからです。
キシリウムエリートは完組みホイールとしては珍しく
最終交差を編んでいた時期がありますが、
そのときは 超扁平形状の銀スポークでした。
あと もちろん、そもそも反フリー側をラジアル組みしているホイールは
結線のやりようがありません。

DSC04661amx6.jpg
「メーカーのホイール」について 多少の例外を。
これはイーストンの後輪ですが、
ほぼ同軸フランジのスポーク2本の最終交差を編んでいます。
フリー側なので、異音の原因には まずなりません。
反フリー側は ラジアル組みです。
同軸フランジというのは ハブのほぼ同じ横位置から
スポークが出ているフランジのことで、一応のむラボ用語です。
詳しくは(→こちら
手組みホイール用のハブであっても、ヌポークと反ヌポークでは
スポークの根元の横位置が違うので 厳密には別軸フランジになりますが、
その程度の差は同軸フランジと見なします。

DSC05638amx6.jpg
同じような同軸フランジハブのレーシング3では
最終交差を編んでいません。
(編んでいても紙は はさめますが、明確に空いているという表現です)

なのでイーストンでは思うところあって編んでいると思われます。
編みの有無が違うのにスポークの重なりが同じ向きなのは、
ハブ側での組み方、イタリアン組み相当か 逆イタリアン組み相当かが
異なっているためです。

DSC05639amx6.jpg
↑こんな感じ

DSC05636amx6.jpg
DSC05637amx6.jpg
メーカーは結線をしないということは、
なるほど、これはメーカーには該当しないらしいです。
ラ、ライトウェイトさん・・・。

・・・いまサクラのホームページを見てきました。
確かに、結線をしても剛性は上がりませんと書いていますね。
それはサクラの中の人の知の及ぶ範囲ではそうなだけであって、
これは明らかに誤りです。
結線をしたところで ハブからリムに至るまでの
スポークのテンションに変化はありませんが、
ある方向からの応力に対する変形は確実に減っています。
それは先ほどの実験の通りです。

確かに ホイールをテンション構造だけで静的に見れば、
結線の有無に意味は無いかもしれません。
ホイールが直立した状態で、上下からプレス機に はさんで潰すとするならば
結線したホイールのほうが壊れにくい、ということはないでしょう。

実験その1で、反フリー側の最終交差に注油することで
音鳴りが無くなったと書きましたが、
もちろん 交差の摺動が無くなったわけではありません。
もし 実験その1で 注油無し結線ありという条件を付加したとすると
最終交差のたわみが殺されますから(でもスポークテンションは同じ)
音鳴りは起きなくなります。
この変化が実走時に「体感できる差」なのかどうかが問題ですが、
もし手ずから(←これめっちゃ重要)それなりの数のホイールを組んだことがあり
結びの結線の有無を乗り比べて その差が分からないというのであれば、
相当に目端が利かないとしか言いようがありません。残念ながら。
結線の画像も よそからの引用なので サクラの中の人が
本当に結線をしたことがあるのかどうかすら疑わしいですが、
もし実践をほぼ伴っていないにも関わらず 結線は無意味だと断じたのであれば、
主張そのものが あまりにも薄っぺらいものになります。
結線の効果については、あれこれ説明しなくても(あれこれ説明してきましたが)
乗って分からないはずが無いのです。
これが先ほど書いた「すさまじくセンシティブな人でなくとも分かるくらい大きい」
ということです。
のむラボホイールのほとんどは 反フリー側を結線していますが、
それらのホイールの使用者全てが「結線信者」というわけではないにしても
いくらかの効果を認めてくれる人が大半だと思います。
それらの人たちに私、あと競輪選手の多くを加えた人たちの目が
ことごとく曇っていて「結線などという意味の無いまやかし」を
信じているアホだとすれば サクラの中の人の主張が正しいわけですが、
どちらに分があるかは読者の方がご判断ください。

それとは別の話で 笑えるのが、
応力解析できるお絵かきソフトをお持ちのようですが
それを駆使して考えた結果(サクラホイール)が、
ヨンゼロ組みやヨンヨン組みだということです。
スポークの番手について触れてすらいません。
これはのむラボホイール1号でいうと
XR300リムで前後総重量が何g!程度の情報量です。
全CX-RAYと半コンペと半チャンピ、
ヨンゼロ組みとヨンヨン組みとヨンロク組み、結線の有無、
ハブの選定(とくにリヤハブ)、これらでホイールの性能はいくらでも変わります。
それらについて何も触れず リムの空気抵抗と剛性を
大要素として過大評価しすぎ(まるでそれでホイールの性能が決まるかのよう)、
ハブとリムの間の理屈を軽視しているのか浅学なのか
凡百のホイールから抜きんでた構造に仕上げていないホイールの
自己評価がなぜ かくも高いのか、私には分かりません。

初めのほうで 吐いたツバ飲むなよ、と書いていますが
これには意味があります。
伝聞なので私が直に見たわけではありませんが、
サクラのホームページに
「世界初のアルミ用ブレーキシューが使用可能なカーボンリム」というような
文言があり、いやXentis(ゼンティス)が すでに
昔からあるやろとツッコまれてその表現を取り下げたらしいのですが
(ホイール屋でゼンティス知らんのもやばいですが)、
この記事を読んだ結果「結線は無意味」とした表現を
どうか削除しないでほしいのです(消したら負けやぞ)。
そんな簡単に変節を重ねては 筋の通ったものづくりはできません。
どうか自説を枉げず、貫き通してください。

冒頭のリンク先の記事、
読んで気を悪くした方がいるとか商売の妨げになるとかで
削除を希望している(つまり結線についての記述を消すなと言っている私と逆)
らしいですが、
私が一生懸命(サクラ的には人生の時間の無駄使い)結んだ結線を
意味がないと断じたことによって 読んで気を悪くした方がいるとか
私の商売の妨げになるという可能性があることについては
思い至らないダブスタっぷりには驚きです。
とはいえ、私の結線した後輪を使っている人たちの大半は
「結線が無意味とか んなわけねーだろ」とツッコミを入れたと思いますが(笑)。
そのくらいの自信なら あります。
お渡し後のリサーチも 来店可能なお客さんの範囲では一応していますので。

あと、叩いているとかいうわけではないですよ。誤解のなきよう。
私自身の知識と経験に基づくホイール観に照らし合わせたときに
そういう感想が出てきただけであって、叩かれたと感じたのであれば
所詮その程度のものだというだけのことです。
サクラさんも自身の知識と経験に基づくホイール観に照らし合わせたときに
結線に意味がないという感想が出てきているようですが、
私はそれについて全く気を悪くしていません。いや本当に。

むしろこのような長文の記事を書く機会を与えていただきありがたい限りです。



追記:サクラの中の人から お電話があり、
ウチを名指しで叩くなということと
記事の削除をお願いされました。
何を言ってるのか意味が分かりません。
リンク先の記事やこの記事の内容が
サクラ叩きだと感じるなら、その程度のものだってことという
本文中の意味が分からないんでしょうか。
私は のむラボさんを叩いていない、とか言ってましたが
仮に叩かれてもいいですし、
どこかで のむラボホイールを入手して精査したところ
のむラボの言ってることは間違っている!という
技術的な批判(※)をしていただいても構いませんし(むしろ組んでやろうか?)、
のむラボの文章の端々から 書いた奴の性格がクズだということ(事実です)が
にじみ出ている、という人格攻撃をしてもらっても 別にかまいません。

※結線は無意味、と述べるのは技術的な批判であり人格攻撃は含みません。
なので その点について私は全く怒っていませんし、
この記事は その技術的な批判に対する批判であり、
サクラへの攻撃の意図はありません。
重ねて書きますが なぜ叩いていると思うのか。

記事の削除は拒否します。
私は 吐いたツバを飲んだことが無いので。
このブログで私の書いたことが誤りであった場合、
訂正や 指摘についてのお礼を述べたことは多々ありますが、
記事そのものの消し逃げは やったことがありません。
誤字脱字の訂正くらいはありますが。
この記事の表題、イグザミナーではなく
エグザミナと表記しているのも ちょっとした誤りなのですが、
それ以上にちょっとした こだわりがあるので これで行きました。

今後は当ブログでサクラについての言及はやめてくれと言うので
それについては同意しました。正直、どうでもいい相手です。

あと ひとつだけ。サクラのホームページ中にある
アルミスポークに意味が無いという記述について
私なりの考えを述べよという宿題をたくさんの人からいただいています。

今後はサクラについて言及を避けるので
最後に ここに 原文ママで明らかな誤りを引用しておきます。
「市場にあるアルミスポークとステンレススポークは
だいたい同じ重さで作られているようだと感覚的に分かります。」
「アルミスポーク20本でステンレススポークで21本で組んだ相当の
剛性がでることになります。」
「ようするにアルミスポークは工学的に意味がありません。」

ついでに少しコメントのお返事を。
「リムを固定しヤマアラシ方向にあらかじめ与圧を掛けた状態で、
半田つけすると、より駆動時の変形が押さえられるのではないでしょうか? 」
ということですが、私は やったことはありません。
固定と与圧の方法も思いつきません。
やったことが無いうえで書きますが、
左右のスポークテンションが揃う状態に復元したがる力が
常にかかるのが気になります。
でも面白いですね。
ヤマアラシさん方向と反ヤマアラシさん方向のスポークについては、
ものすごく極端な話 モガキ倒した瞬間の後輪は
ヤマアラシさん方向のスポークしか仕事をしていない(※)ので
最終交差のスポーク2本で異径組みをする
(もちろんヤマアラシさん方向のスポークのほうが スポーク比重が大きい)、
というホイールを組んだことがありますし、
GIANTの完組みホイールにもそういうのがありますが
(すでに記事用の画像は撮ってます)、これは失敗作でした。
それについては またいつか。

※この瞬間に、反ヤマアラシさん方向のスポークにも
いくらかの仕事をさせるのが 結線ハンダ付けです。

さらにコメントのお返事を。
最終交差を編んでいるホイールが少ないのは承知の上で、
結線できる完組みホイールで結線をしたことがありますか?
したなりの効果は見込めますか?
というコメントをいただきました。
のむラボ開店以後はありません。無かったはずです。
WH-R500でやったことはありますが・・・。
条件に合致するホイールって本当に少ないんですよね。
先ほど例に上げた 編みありのキシリウムエリートですが、
もしやれば体感できるだけの差は出るのではと思います。

さらに追記。ちょっと調べたら出てきました。
編みなし黒キシエリは(→こちら)、
編みあり銀キシエリは(→こちら)です。

category: ホイールの話

オープンプロ エグザリットさん  

釣りタイトルです。すみません。
これを表題にすると、調べごとでここに行きつく人が
それなりに出るんじゃないかと。

オープンプロ エグザリットについて どう思いますか?
という質問が最近 非常に多いのですが
当店はマヴィックの取り扱いが無いから知りませんというのが
表向きの答えです。
24H仕様などがあれば かなり使えるのですが。

個人的には エグザリットの性能そのものには否定的ではないのですが、
消耗品のブレーキシューが安くなく 消耗頻度も通常以上なので、
それを考えると コストや手間に見合うだけのメリットは薄いと思います。
と言いながら 土砂降りの雨の中レースを走らざるを得ない状況で
カーボンリム、通常のアルミリム、エグザリットのアルミリムのホイールから
選択できるなら、エグザリットを手に取る、とも思います。

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それはいいとして、資料用のホイールの写真を撮りたいから
「あの後輪」履いて来てくれと友人に頼んで、乗ってきてもらいました。

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オープンプロの初代ラベルの36Hリムですが、

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反フリー側を 最終交差の手前の交差も編むWクロスで組み
結線はんだ付けもしています。
これは 理に走り過ぎの組み方で、もしスポークが1本でもとべば
新しいスポークを通すのに隣の交差も解く必要があり
それを解くには また隣の・・・となり
片側のスポーク全てをバラさないといけなくなります。
丸スポークだと スポークのうねりも大きくなるので、
もしやるなら扁平スポークのほうがいいですね。

スポークが絶対にとばないのであれば、という
ありえない前提条件付きでなら
のむラボホイールに採用するのですが。

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結線はんだ付けバージョン2です。
我ながら恥ずかしい仕事です。
このホイールを組んだのは のむラボ以前、
のむラボ開店時点でバージョン3、現行はバージョン4です。
バージョン4での進展は結線の巻き方のかすかな変更
(しかしJIS組みの後輪の反フリー側では絶大な違いがあります)と
黒スポークの結線が可能になったことです。

DSC05600amx6.jpg
で、このオープンプロは マヴィックでいうところの
ハードアルマイトの「CD」仕上げなだけでなく
ブレーキゾーンにセラミックをかぶせたCDセラミックという仕様になります。
レーザー刻印をミスっていて、表記が2つありますが
化学式が書いてあります。

MACH2(マッハ ツー)では
銀リムでセラミックブレーキゾーンのモデルがあったと思いますが、
それ以外ではCD+セラミックの組み合わせしか無いはずです。

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同じ仕様のリフレックスWOは、私も持っています。

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1997年当時の価格だと、CD/CDセラミックで ロード用リムが
オープンSUP 6800/12000円、リフレックスWO 6800/11800円、
MTB用リムだと 217が7000/11800円といったところです。
それに対応したブレーキシューが 当時の7700系デュラエースと
950系XTR(Vブレーキ用)で出ており、
それと合わせると雨天時のブレーキ性能が絶大なのですが
CDセラミックのいいところは通常のブレーキシューでも使えるところです。
専用シューほどの利きではないものの 通常のブレーキゾーンよりは利き、
シューの減りはやや早いですが エグザリットほど顕著ではありません。

エグザリットが単目の鉄工ヤスリなら、
セラミックはダイヤモンドヤスリという感じになります。

エグザリットの手組み用リムを出すより、こっちを再販してくれという話でした。

category: ホイールの話

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前後で何グラム?  

お客さんから たまに、のむラボホイール○号は前後で何グラムですか?
というようなことを訊かれますが、これはたいへん困る質問です。
憶えていないので即答できません。
リム単体の重量であれば のむラボホイール以外のリムであっても
そらで答えられないリムのほうが少ないと思いますが。
ここでも過去に何度か触れたように、ホイールの前後輪の合計重量には
リムやホイールの硬さのデータが 取り出せる形で含まれていません。

例えば エボライトハブに対してクリスキングのR45ハブは
フロントが44g、リヤが6gほど重たいわけですが、
ハブの回転の滑らかさや 1年間ノーメンテで使った後で
ベアリングが死んでいる確率などを考えると
クリスキングのほうが高品位なハブということで間違いないので
単に重量だけで優劣を比較できません。
しかし、前後輪で50gも違うと 100gの境をまたぐこともあり、
カタログスペックで前後1320gと1270gでは
後者のほうが走るホイールだと判断されがちになります。
リム重量と硬さが同じなら大差はないというのが 私の観念なのですが。

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↑これは昨日のカーボンWOホイールの前後輪の重量です。
合計では1673gということになります。

仮に、このホイールのスポークと組み方が
前輪 エアロSBIIラジアル組み→CX-RAYラジアル組み
後輪 半ストロングヨンロク組み→全CX-RAYヨンヨン組み
という よくある構成になった場合
重量の概算値は前輪720g、後輪877g、合計で1597gとなります。
少なくとも平地から緩傾斜までは、1673gのスペックのほうが
走るホイールだということは間違いないので
重量だけに囚われてはいけません。
上り下りコーナリングなど あらゆる状況での総合的な損得で考えても
1673gのホイールのほうが レーサーから高く評価されるだろうということは
経験的に間違いがありません。

ところで、ほぼ同じリム高のWOホイールである
シマノのRS81-C35-CLが 前後で733/910g、合計で1643gです。
これと比べれば昨日のホイールも 別に重たいホイールには思えない不思議・・・
いや全然 不思議ではなく リム重量をホイールの合計重量で包んだ
まやかしラッピングなだけなんですが。

シマノのホイールの場合は
防塵防水性能の高さと フリーボディの材質と構造、
あとはカップ&コーン式のベアリングなので
極端に小さいベアリング球にできないことなどから
ハブの重量が重たいわけですが、
それ以外のたいていの完組みホイールは ハブとスポークを軽くして
リム重量を まやかしラッピングする傾向がありますので要注意です。

意図して まやかしラッピングをするつもりは無くとも、
ホイールの全体重量のみを告げて リム重量を告げない
(完組みホイールは一般的にそうですが)というのは
まやかしラッピングになります。

という理由で、私は リム重量を重要視するあまり
ホイールの全体重量に疎いのですが お許しください。
リム重量を告げるのと合わせれば ホイール全体重量も有益な情報たりえるから
のむラボホイールの範囲だけでも それくらい覚えとけよ、と言われそうですが
エボライトハブとリーフハブでも けっこう違ったりします。

もしも まやかしラッピングするつもりであれば
24Hの後輪は全CX-RAYヨンヨン組みにすればいいわけで、
私が そういうホイールを組まないということからも
単に「持った重量」を最重要視しているわけでないのは
伝わっていると思います。

追記:コメントのお返事
タイヤやチューブの転がり抵抗の性能差も含めたうえでも
WOホイール(タイヤ込み)のほうが分が悪いとお考えですか?
というコメントをいただきました。
「WOタイヤのほうが転がり抵抗が軽い」という前提での
ご質問なのかどうかは分かりませんが、
仮に WOタイヤ特有の構造に、チューブラーには無い
転がり軽さが得られる魔法がかかっていたとしても
リム重量の差による性能差は到底埋めきれるものではないと思うので、
絶対性能はチューブラーのほうが上で
WOは所詮 取り扱いが簡便なトレーニング用の代用品・・・だと
私はずっと考えてきましたが ミシュランのアクシアルプロが出て以降は
WOタイヤもレースユースに堪えられるものになりつつあるんだな、
と考えを多少は改めるようになりました。
昔であれば「最高級WOタイヤでも1000円タイヤ以下」といったところです。
1000円タイヤというのは、最廉価帯のチューブラータイヤが
1000円で買えた時代があったのです。

WOとチューブラーを ほぼ同じ構造で併売しているメーカーといえば
ヴィットリアか ヴェロフレックスです。
この2社のWOタイヤ(ヴィットリアはオープンコルサのみ)は
WOではなくオープンチューブラーと呼称していて、
「チューブラータイヤを縫わずに、端にビードを取り付けただけ」
という構造になっています。

そうでない例としては、
コンチネンタルのグランプリ4000SIIチューブラーは
WOモデルとトレッドパターンと名前が同じだけで、
タイヤサイドの形状やタイヤの高さの違いからして 全く別のタイヤです。

そこで、同じくWOとチューブラーを併売しているホイール、
例えば ボーラ ワンなどにオープンコルサCXと コルサCXチューブラーを
それぞれ履かせて乗り比べたときにWOのほうが走るということは
まず無いのではないかと思います。
先ほども書きましたが、最近のWOタイヤは昔よりは はるかにマシだけど
やはりチューブラータイヤのほうが性能が上、というのが 私の考えです。


つづいて。実は同じ方からなのですが
ボーラ ワンやRS81に対して「同じリムの上位モデル」に
ウルトラ ツーや 9000がありますが、
これらは値段に見合う性能差は無いとお考えですか?
というコメントをいただきました。

「中身」と「価格」によります。というのが 私の答えです。
まず「中身」から。
ボーラの場合は、ベアリングがUSBかCULTかの違いになりますが、
この2つは 体感できるだけの性能差は一応あります。
下りでフリーにかかっているときや、きれいな路面を走っているときなどに
明らかな違いがあります。

シマノホイールの場合は、ハブがアルテグラ相当か
デュラエース相当かになるわけですが、回転の軽さの差は ほぼありません。
アルテグラ相当のほうが うっすら濁ってはいますが、
乗って違いを見分けるのは まず無理だと思います。
フリーボディの材質の違いによる
リヤハブの軽さも、体感できることではありません。
ただ、数万kmないし数年間ノーメンテで使った場合に
ベアリングが死んでいない可能性は デュラエースホイールのほうが
明らかに高いのは間違いありません。

次に「価格」について。
これらの性能差と製品の価格差を勘案して、
どちらを買うかは人それぞれだと思いますが
私の場合は ボーラならワンのほうを買うと思います。
シマノホイールの場合は、ハブの防塵防水性能が及ばない点以外は
完全上位互換のホイールを自分で組めるので どっちも買いません。
というのが答えです。

私は普段エボライトハブでホイールを組むことが多いですが、
上位モデルということになっている ウィングハブはほとんど使いません。
セラミックベアリングに対して 価格差ほどの魅力を感じていないことと、
リヤハブの寸法がエボライトハブのほうが優れていることが理由です。

あと わりとどーでもいいことですが、
エボライトハブの前のエボハブの、ある時期のモデルは
スリット穴だったのですが、エボライトハブ化に際して丸穴だけになりました。
ウィングハブは依然としてスリット穴のままだったので
CXなどのスポークを使う場合に重宝したのですが、
最近はウィングハブも丸穴に移行しているので
そういう理由で使うことが無くなりました。

コメントありがとうございました。

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