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のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

エカルのクランクセットを買いました  

現在 私が常用している ほとんどのバイクは
フロントシングルスピードです。
少し前に シマノのGRXが出たときに
クランクセットだけを買おうと思ったのですが、やめました。
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↑これはFC-R9100Pですが、
7800系以降のフロントダブルのロードクランクで
105以上のグレードのものは
シマノのカタログにある「Qファクター」なる数値が
一貫して146mmとなっています
(フロントダブルでもティアグラやCX50などは150mm)。

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このクランクを、フレームに通さずに
ガタ取りの調整幅を全て圧縮して
左右クランクの位相を同じ向きにして 幅を測ると・・・

DSC09754amx13.jpg
ごめんさっきFC-R9100Pとか書いたけど
Pは パイオニアのPやったわ

DSC09755amx13.jpg
144mm弱となります。

DSC09756amx13.jpg
私が(勝手に)定義している「Qファクター」とは
「左右クランクの ペダルと接触する面同士の幅」です。
なので このヌスミ寸法の分も 先ほどのノギスの幅から引かれます。
BSC規格のBB幅は公称68mmですが、
実際は68.2mmくらいであることが多く
68mm未満ということは めったにありません。
多くのBSCのフレームで 105以上のグレードの
ホローテックIIのクランクを取り付けた場合の、
私が定義するところのQファクターは147.5mm前後になります。

それに対するシマノの公称値は 先ほど書いたように146mmですが、
これがGRXのクランクセットの場合 RX810系とRX600系、
フロントダブルとシングル、11S用と10S用の全てで
公称値が151mmとなっています。
なので 私が定義するところのQファクターでは
152.5mmくらいになると考えられます。
これがGRXのクランクを買わなかった理由です。

DSC09757amx13.jpg
カンパニョーロのウルトラトルクのクランクセットですが、
カンパニョーロの言うところのQファクターは
一貫して145.5mmです。
最近のクランクアームには この表記はありませんが、
カタログには145.5mmとあり 昔と変わっていません。

ごく最近 カンパニョーロから「エカル」という
1×13Sのグラベル用コンポが出ましたが、
これのフロントシングルギヤのクランクセットが
ロードと同じく145.5mmだというので

DSC09758amx13.jpg
個人的に買ってみました。

DSC09759amx13.jpg
エカルのロゴの Eの部分、
1Ξの形が13Sを表現している気がします。

DSC09785amx13.jpg
↑ちなみにこれはエカルではなくカエルです。

DSC09762amx13.jpg
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ペダル穴周りに、取り外し可能なバンパーが付いていましたが

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これの端の部分が微妙に曲線になっていて、
後日 外したときに この境目で小傷の有無が くっきり分かれると
むしろ目立つような気がしたので 使わないことにしました。

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左右クランクアームの位相を同じにして
フレームに通さずに組み付けました。
シャフトの部分にプロテックとあるのは、
防塵目的のリングが接着されている専用ベアリングのことで、
BBカップも プロテック専用品が必要になります。

DSC09768amx13.jpg
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外~外の幅は146mm弱といったところです。
これも実際に組み付けると かすかに広がり、

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ペダル取り付け部分にヌスミ寸法が無いことから
Qファクターは シマノと大差ありません。

私がロードバイクに組み付けているフロントダブルのクランクのうち
最もQファクターが狭いのは135.4mmです。
左右均等でなくていいなら133.4mmにも できます。
フロント変速に関わるチェーンラインは大いに狂っていますが
変速に支障はありません。
チェーンリングが内側すぎて インナー×トップ付近だと
チェーンがフロントメカの羽根に カリカリと擦りますが
そのあたりは使わなければいいだけです。
ちなみにデュラエーストラックのクランクの公称値は136.3mmです。

DSC09771amx13.jpg
今まで使っていたクランクは
グレード外グレードの165mmクランクです。
この時代のカーボンクランクは、コーラスに比べて
レコードのほうが クランクアームの左右幅が広くて 厚みが薄く
アームの中央にかすかながら リブ状のふくらみがあります(後述)。
これは当時のコーラスと同じ仕様のクランクアームなので
幅がやや狭く 厚みはレコードより厚くて リブがありません。
純正で付属しているチェーンリングの仕上げはレコードと同じなので
「コーラスのクランクアームに レコードのチェーンリングを取り付けて
長さを165mmにしたもの」といった仕様になっています。

コンパクトギヤではないほうなので
PCD(BCD)は135mmですが
DSC09772amx13.jpg
これに合う ナローワイドのチェーンリングというのが
ほとんど作られておらず、私も2つのメーカー/ブランドしか知りません。
コンパクトギヤとなると カンパニョーロの場合
「PCD110mm、ただしクランクアーム裏の1ヵ所のみ113mm」
という ややこしい規格で、ダブル用ギヤの社外品は 少しはありますが
ナローワイドのチェーンリングは おそらくありません
(110mmの5アームを加工するという手は ありますが)。

上の画像のチェーンリングですが、安い処理のアルマイトなので
本来 黒であったのに ブロンズ色に褪せています。
安いクロスバイクなどに付いているステムやシートクランプが
これと同じように退色したのを見たことがある方も多いかと思います。

DSC09774amx13.jpg
↑裏側は日に焼けていなので 黒いままでした。

DSC09775amx13.jpg
画像ではエカルのほうが短く見えますが 同じ165mmです念のため。
ベアリングを抜いた状態での重量差は
左クランク単体同士ではエカルのほうが17g軽かったものの
左右クランク+チェーンリング+ボルトでは33g増となりました。

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エカルのほうが チェーンリングが厚くて堅牢なので、
右クランクセットが50g重たい理由の大半は
チェーンリングの重量差だと思われます。

DSC09765amx13.jpg
裏側から。
FC21は2021年モデル、EK13はエカル13Sという意味です。
チェーンリングの歯数は 46Tにしたかったのですが、
ラインナップが38・40・42・44Tという展開なので 44Tにしました。
現状 スプロケットは11-28Tか11-30Tを使っていますが
フロントダブルで インナー39Tだった場合での単純なギヤ倍数と比較すると
44×28Tが 39×約24.8T、
44×30Tだと 39×約26.6Tとなります。
39×25Tあたりが取れていれば
普段 走っている範囲では とくに困りません。

エカルをフルコンポで導入する場合(というか普通はそういう形になるでしょうが)
N3Wという新規格の13S用フリーボディと
それに対応した13Sスプロケットを使うことになりますが、
その歯数の展開が9-36T、9-42T、10-44Tの3種類となっており
フロントギヤの歯数が38~44Tでも 十分にギヤ倍数が大きい
アウター×トップが得られるようになっています。

DSC09781amx13.jpg
フレームチューブが細いので似合わない、ということを差し引いても
こーゆー平べったい見た目のクランクが あまり好きではないのですが、
現行品だとエカルに限った話ではなく レコードも だいたいこんな感じです。

おまけ
DSC09776amx13.jpg
↑これはグレード外の165mmクランクと、
それより前の年代のレコードのクランクです。
レコードのほうが長いのは、この年代だと
170mmが最短長さなので当たり前のことです。

DSC09777amx13.jpg
見た目では分かりにくく
触ると すぐに分かりますが、

DSC09778amx13.jpg
レコードのクランクアームは かすかながら
中央にリブ状のふくらみがあります。

category: Qファクターの話

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Qファクターの話を書かない理由  

当ブログが始まったときから「Qファクターの話」という
記事のカテゴリが存在しますが、未だに ひとつの記事も書いていません。
これは書かないのではなく、書けないのです。
DSC02297amx.jpg
ここでいうQファクターとは「クランクアームの外~外幅」であるとします。
Qファクターというのは基本的に幅の調整ができません。
広げる方には かすかに調整は出来ます。
クランクのQファクターと股関節幅の関係は ハンドルバー幅と肩幅の関係に
似ていますが、前者は「幅を選ぶ」ということができません。
特に狭くする方にはほとんど選択の余地がありません。
リヤスプロケットの多段化などの影響もあって、
Qファクターは コンポの代を経るごとに広がっていく傾向にあります。
現行のBBの形式では、Qファクターを狭くする方に調整するというのが
絶望的な状況です。
クランクセットが軽い、そのうえ硬いというのは大変結構なことですが、
それとは違う方向で大事な要素もあります。

例えば実測100gのドロップバーがあって
しかも今までのドロップバーよりもずっと硬い、
と言われても 自分にとって異常に広く感じる幅であったなら
果たして使うかどうか、ということです。

私が前時代的なクランクセットを使うのも このあたりに理由があります。
これについて突っ込んだことを書くと 単にオールドパーツ礼讃や
「私はこんなパーツ持ってます自慢」みたいになるだけなので、
やはり書けません。

DSC02299amx.jpg
↑現行のクランクセットのQファクターをいろいろ調べていますが、
徐々に これに近づいていっています。

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