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のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

トランスペアレントとクリームは やはり別物  

コンチネンタルのグランプリ5000の前に出ていた
グランプリ4000シリーズですが、
グランプリ4000→グランプリ4000S→
グランプリ4000SIIと マイナーチェンジをしています。
どのモデルも 練習用という位置づけではない
純レースタイヤのはずですが、
耐久性が非常に高く
私の雑感では 中期の4000Sが
最も耐久性が高かった気がします。

それはいいとして グランプリ5000シリーズですが、
すでに廃版になりましたが
重量が重いうえに ビードの形がごつくて
リムを かなり選ぶチューブレスタイヤの
5000TLというのがありました。
これに代わる形で出たチューブレスレディタイヤが
5000S TRです。
はい、実は末尾がTL(チューブレス)から
TR(チューブレスレディ)に変わっただけではありません。
TRは5000ではなく 5000Sとなっています。
従来のチューブドモデルは5000のままです。
なので、グランプリ5000Sや
グランプリ5000TRというタイヤは
正式名称としては存在しません。

gp5000_as_tr_imgamx15.jpg
これは発表だけされた新製品ですが、
5000S TRの耐パンク性能を強化して
タイヤサイドもプロテクション素材で覆った
5000AS TRというモデルです。
サイズは 700×28C・32C・35Cと
太い側に広く展開しています。
オールブラックのほうはタイヤサイドに
反射素材の帯も追加されています。
で、もうひとつの色のほうですが
コンチネンタルでの色名が「クリーム」となっています。

以前に トランスペアレント(透明)という名前の
タイヤサイドのグランプリ5000は オールブラックの色違いではなく
サイドまでゴムが回っていない別物だと書きましたが(→こちら)、
そのときに同社の テラ スピードや テラ トレイルにある
「クリーム」という色名のタイヤは オールブラックと同じく
サイドまでゴムで覆われているので
オールブラックの色違いだと書きました。
なので この5000AS TRのタイヤサイドは
光に透かしても 透過して見えない仕様であるはずです。

あと 訂正というか補足しておきますが、
テラ トレイルと テラ スピードには
クリームとは別に トランスペアレントの仕様も存在します。
これは現状 本国サイトには 両方載っていますが、
日本の問屋さんの扱いでは テラ トレイルも テラ スピードも
クリームは完売かつ取り扱い終了で
トランスペアレントのみの展開となっています
(テラ トレイルの650×47Bのみ クリームの在庫がまだあります)。

それと、トランスペアレントは
サイドまでゴムで覆われていないので
重量的に軽いはずですが、
本国サイトを見ると トランスペアレントよりも
オールブラックやクリームのほうが
公称重量が軽くなっています。

列挙すると
グランプリ5000 700×25C
オールブラック 225g
ブラック/トランスペアレント 230g
ブラック/クリーム 255g ←日本の問屋さんでの取り扱い無し

テラ トレイル 700×40C
オールブラック 455g
ブラック/トランスペアレント 460g
ブラック/クリーム 450g ←日本の問屋さんでの取り扱い終了

テラ スピード 700×40C
オールブラック 465g
ブラック/トランスペアレント 475g
ブラック/クリーム 465g ←日本の問屋さんでの取り扱い終了

グランプリ5000AS TR
700×28C オールブラック   335g
700×28C ブラック/クリーム 340g
700×32C オールブラック   385g
700×32C ブラック/クリーム 395g
700×35C オールブラック   425g
700×35C ブラック/クリーム 430g
と いったところです。

うーん、わけわからん。
グランプリ5000だと クリームが極端に重いのに
テラ トレイルだと クリームが かすかながら一番軽い・・・。
まあ トランスペアレントのサイドが
オールブラックよりも しなやかなのは
体感レベルで確かなので、かすかな重量差よりも
その性質のほうが個人的には大きな要素で
タイヤ選びの上でも重要だと思っています。


追記:
IMG_3568amx15.jpg
IMG_3569amx15.jpg
今まで使っていたオールブラックの23Cのトレッドが
ピキッてきたので、25Cのトランスペアレントに交換しました。
25Cのオールブラックと25Cのトランスペアレントでは
トランスペアレントのほうが好みですが、
もし 23C(オールブラックのみ)とであれば
23Cのほうが好みです。
ただ 現在23Cは このまま廃版にする気じゃないか
というくらいの超長期欠品中となっています。

IMG_3567amx15.jpg
C15リムに7.5気圧で
23.8mm幅といったところでした。
ここから まだまだ太るでしょうが。

IMG_3566amx15.jpg
これはビードの片側を リムに はめたときの画像で、
天井の照明に透かしていますが
もしかしたら5000S TRのトランスペアレントであれば
タイヤ装着後に 片側から強い光を当てると
左右まとめて貫通して透けるかもしれません。

category: その他 機材の話

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シリカのチタンボトルケージのモデルチェンジについて  

シリカのチタンボトルケージ、SICURO(シクロ)が
モデル名の末尾にV2(ヴァージョン ツー)が付いて
仕様が変更されています。
パッケージが半分 箱型だったのが
厚紙への取り付けに変わり、
チタン製ボルトが付属しなくなりました。
以前のパッケージと付属ボルトについては
(→こちら)をどうぞ。

RIMG1039amx15.jpg
↑画像左がV1(と便宜上 呼ぶ)、右がV2です。
以下 記事中、左右に並んでいる場合は
左がV1で 右がV2です。
この角度から見ると違いは ほとんど分かりません。

RIMG1040amx15.jpg
まず、フレームに取り付ける プレートの形が違います。
それ以外の違いとして、溶接の仕上げが

RIMG1041amx15.jpg
V1下側
RIMG1042amx15.jpg
V1上側

RIMG1043amx15.jpg
V2下側
RIMG1044amx15.jpg
V2上側
V2のほうが溶接の仕上げビード(V1もV2も 2回溶接しています)が
小刻みになった代わりに長くなっています。

RIMG1045amx15.jpg
↑比べると こんな感じ

RIMG1046amx15.jpg
さらなる違いとして、V2のほうが
プレートの穴が長くなっています。

RIMG1047amx15.jpg
V1とV2の上の穴の端を合わせました。
V1に取り付け跡があるのは 私物だからです。

RIMG1048amx15.jpg
その状態でV1側から見ると
プレートの穴の長さの違いは分かりませんが、

RIMG1050amx15.jpg
ひっくり返して V2側から見ると
こうなります。

RIMG1051amx15.jpg
ボトルケージの位置を上げたい人もいれば
下げたい人もいるかと思いますが、
どちらかというと 下げたい人のほうが多いのではないでしょうか。
ダウンチューブのボトルがシートチューブのボトルに干渉して
奥まで入らないという場合に「上げたい」、
シートチューブのねじ山の位置が高めで
ボトルやツール缶が 妙に浮いた位置に付くのが
見た目にも重心的にも良くない場合に
「下げたい」となるケースが多いと思います。
それを調べるのに、
まずは V1とV2のプレートの上の穴の端を合わせて
タイラップで縛ってみました。

RIMG1052amx15.jpg
V1のほうが かすかに低いです。
うーん、V2のほうが めっちゃ下げられる!というのであれば
わざわざ買い換えるのですが、結果は(私の期待からは)逆でした。

RIMG1053amx15.jpg
つづいて、下の穴の端同士を合わせます。

RIMG1054amx15.jpg
先ほどよりは顕著に V2のほうが上に上がります。
V1を2個 付けていて、いま現在ダウンチューブのボトルが
シートチューブのボトルにすれすれだという人は
ダウンチューブのみ V2にしてもいいかもしれません。

RIMG1055amx15.jpg
あと 気になったのが このプレートの形状の違いです。

RIMG1056amx15.jpg
ふーむ・・・。
アルフレッド・ウェゲナーも こういう気持ちだったのかもしれん。

RIMG1059amx15.jpg
↑プレートの横側、V1を上にして

RIMG1060amx15.jpg
↑同・V2を上にして

RIMG1061amx15.jpg
こいつら もしかして・・・。
チタンの1枚板を上の図のようにカットしたあとに

RIMG1062amx15.jpg
さらに こういう風に切り出して

RIMG1063amx15.jpg
V1とV2のプレートを作っているのかもしれません。
SDGsに配慮したモノづくりということでしょうか。
どこまで本当かは分かりませんが
シリカいわく チタンボトルケージの部材からの使用率は99.9%で
材料をカットしたときの切り屑だけが唯一の廃棄物だと言っています
(プレートの長穴のために抜いた部材は 鋳つぶしているのか?)。
あるいは、ここまでキッチリ切り出していないとしても

RIMG1065amx15.jpg
↑この程度は やっていそうではあります。
V1のプレート形状で、溶接の仕上げと
プレートの穴の長さをV2に準拠させた仕様の
V1´(ダッシュ)、あるいはV3というのを出して
以降 V2と交互に出すようであれば この説は確からしくなります。
しかし、V1の形状だけで無限敷き詰めを考えると無駄が多いですが
V2の形状だけだと それほど無駄なく敷き詰められるので
もはや V1型のプレートは不要かも知れません。

先ほど SDGsと書きましたが、
シリカは ボトルケージ部分の中空チタンチューブの端材を
チタン製のストローとして仕上げて(※)売るくらいには
商魂たくましく、その商品について
リユーザブル(再使用可能)で サスティナブル(持続可能)だと
本国サイトに 本当に書いてあります。
意識高えな オイ。

※ストレート形状とベント形状の2本セットで
ベントのほうの曲げ加工と ロゴのレーザー刻印、
全6色展開の陽極酸化処理に 出荷前の超音波洗浄と
何かと手の込んだことをしているのは確かです。

category: その他 機材の話

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舌付きワッシャーについて  

2つ前の記事の
ハブシャフトでの舌付きワッシャーですが、
RIMG0531amx15.jpg
ねじ切りフォーク用ヘッドパーツのダブルナット間の
ワッシャーも舌付きであることが 多いです。
上の画像は シマノ600のヘッドパーツで、
600は 600→600アルテグラ→アルテグラという流れで
コンポの名前が変わっているので現行のアルテグラの源流です。
宇宙猿人ゴリ→宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン→スペクトルマン
みたいな感じです。

RIMG0532amx15.jpg
↑舌付きワッシャー
フォークコラム側のスリットが浅かったり、
あるいは 全く無い場合に 舌を削るはめになるのも よくあることです。
面倒なのが、これの材質はアルミですが
スチール製のワッシャーだったときに 舌の「長さ」ではなく
おもに「幅」のほうだけを削らないといけない場合です。

RIMG0533amx15.jpg
それはともかく このダブルナット・・・。

RIMG0534amx15.jpg
RIMG0536amx15.jpg
RIMG0537amx15.jpg
RIMG0538amx15.jpg
誰も得しない 自社規格は やめろ


追記:この規格、一応 理由はあります。
当時の軽合金(いわゆるアルミ合金)が
現在のものほど鍛造技術などが発達しておらず
軟らかかったので、アルミのナットに スチールの工具だと
ナメたり 傷が付きやすかったりするので
工具のほうも材質をアルミにしつつ、
形状もトルクス形(6角じゃなく8角ですが)にしているわけです。

似たようなアイデアとしては、
RIMG0539amx15.jpg
RIMG0540amx15.jpg
↑これはシマノのホローテックIIのBB工具ですが、
画像左のものが シマノ純正のスチール製で
右のものは パークツールから出ているアルミ製のものです。
アルミ製のほうは 締め込むとき専用で、
パーツ側のスプラインにナメ傷を付けにくいようになっています。

category: その他 機材の話

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カンパニョーロの10Sチェーンを別のフレームに移すのですが  

コンポの移し替えで カンパニョーロの10Sチェーンを一旦切って
別のフレームで また接ぐのですが、
DSC08201amx15m.jpg
カンパニョーロの10Sチェーンは
「ヴァージンリンク」こと チェーンピンを圧入されたことが無い
アウターリンクにのみ コネクトピンを通させるということを
徹底しています。
初回は「アウターリンク側の端で コマ数の調整をするな」
という注意書きがなされており
インナーリンク側で長さ調整をするので
アウターリンク側の端はヴァージンリンクとして残ります。

これは11Sと12Sのチェーンでも 初回は同じですが、
11Sと12Sチェーンの再接続の際には
「メーカー以外で抜かれたチェーンピンの箇所にコネクトピンを使う」ことを
許容するようになっています。
その代償としての安全策が「コネクトピンを通した後に
ピンの頭を専用工具で潰してカシメる」という仕様なのですが。
13Sについては現状 エカルだけですが、
専用のリンクを使う形式になっています。

DSC08200amx15m.jpg
10Sチェーンでは、初回以降に
何らかの事情でチェーンを切って さらに再使用する場合
カンパニョーロのぺルマリンクを使えということになっており
コネクトピン単体の販売はありません。
ぺルマリンクとは 両端がヴァージンアウターリンクになっている
7リンクぶんの交換用チェーンで、
交換の際には 元のチェーンを最初に接いだ箇所を除く形で
7リンクぶん交換しろという指示があります。
この際に、上の図でいうところの赤い矢印のルートで
5リンクぶんと交換すると
チェーンの長さを1コマ(2リンク)増やすことも可能です。

このぺルマリンクですが、現在の税込定価で3714円と
チェーン全体の価格に対して割高なので
DSC08202amx15m.jpg
KMCのカンパニョーロ10S用ミッシングリンク
「CL559C」で接ぐことにしました。
品番の末尾のCはカンパニョーロ用を意味します。
2個入りで税込定価1782円です。
当店では、個数で割った単品売りもしています。
上の画像、中空ピンになっているのが初回のコネクトピンです。
私は いつも 初回で接いでいる箇所を探して、その隣のアウターリンクの
バイクを右から見たとき かつ チェーンステーの下側で
向かって左側のピンを抜くことにしています。
これは今回のように 初回のピンも向かって左側にある場合で、
右側にある場合は 隣のアウターリンクの右側を抜いて
チェーンを一旦フレームから取り外し、
前後を入れ換えて再取り付けします。
これは シマノが その向きでの取り付けを
推奨しているからですが(→こちら)、
今回は ミッシングリンクにするので初回のコネクトピンがあるリンクの
隣のリンクは両側ともインナーリンクになるようにピンを抜くので
この話は関係ありません。
あと、シマノ推奨の向きで向きでコネクトピンを打ちたいと思っても
ぺルマリンクの場合は 片側が それに必ず反する形になります。
仕方がないことですが。

DSC08203amx15m.jpg
反対側は こんな感じです。

DSC08221amx15m.jpg
接ぎました。
メーカー完成車の組み付けを見ると、
バイクを右から見てチェーンステー下で
この手のリンクを取り付けている向きは
上の画像と同じく ほぼ確実に「左側が長穴」です。
これは昔 ミッシングリンク以前からある
ウィッパーマン(ヴィッペルマン)のチェーンを接ぐ
「コネックスリンク」に向きがあり、
左長穴を指定していた名残ではないかと思われます。

DSC02350amx.jpg
↑昔の記事から拾ってきた画像ですが、
コネックスリンクは上下非対称の形状となっており、
左長穴(への字型の穴)で取り付けた場合
プレートの出っ張ってる側が
(リヤメカの上プーリーを通るとき以外は)
チェーンの外周側を向くので問題ありませんが、
右長穴(ハート形の穴)で取り付けると
スプロケットを通るときに 不具合が出ることがあります。

ここまでの話であれば
「ぺルマリンクではなく ミッシングリンクを使うことで
安くあげられました」という話で終わりです。
ちなみに もちろん勝手にやったわけではなくて
お客さんに事前に説明しています。
「高くなってもいいから純正の手段でやってほしい」
と言われるかもしれないので。

DSC08196amx15m.jpg
↑これは初回のコネクトピンから
6コマ隣のアウターリンクですが、
どー見ても シマノのコネクトピンが打ってあります。
折り取った痕跡があり、アウタープレートの両側に
爪が引っかかる程度には ピンが はみ出しています。

DSC08197amx15m.jpg
裏側(バイクの左側)から見た 同じリンクです。
コネクトピンを抜いてはいけない理由は
アウターリンクのプレートの穴を
圧入で何度も広げてはいけないからですが、
ここも ミッシングリンクに交換するのであれば
ぶち抜いても 問題ありません。

DSC08204amx15.jpg
ピンを抜きました。
びっくりしたのは、ピンが非常にゆるかったことです。
大げさでなく、チェーン切りのハンドルを
人差し指1本で回せるくらいでした。
このままだと 乗っているときに チェーンが切れた
(厳密にはピンが抜けた ですが)という可能性も ありえます。

というわけで、「ぺルマリンクの費用を ミッシングリンク1つの費用で
済ませられると思ったら ミッシングリンク2つを要した」という話でした。
私の反省点としては、もしシマノのピンに最初から気付いていたら
ミッシングリンクは1つで済んだという点です。
元のチェーンは私が接いだものではありませんが、
今後は 出来れば そこまで疑わないといけないのか・・・。

追記:ほぼ同じ話を書いている記事(→こちら)がありました。
新規にぺルマリンクの絵を描かずに
このリンク貼るだけで済んだけど まあいいや。

category: その他 機材の話

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DTのスターラチェットグリスと各社シーラント剤の比重を調べてみました  

以前に DTのスターラチェット用グリスが
円筒形のプラスチック容器25ml入りから
チューブ容器20g入りに切り替わったものの
単位が違うので増えたか減ったか分からん、
という話を書きましたが、これについて ちゃんと調べてみました。
DSC05807amx14.jpg
スターラチェットグリスの現行品です。
見ての通り20g入りという表記があるチューブ容器です。
旧容器に対して こちらのほうが、ラチェットの山に
より無駄なく グリスを塗布できます。
厳密に 最後の最後まで使い切れないのは
旧容器でも同じようなものなので 気にしてはいけません。

DSC05804amx14.jpg
こちらは廃版になった旧容器のほうで、

DSC05806amx14.jpg
25ml入りという表記があります。

DSC00523amx15.jpg
当店には旧容器の未使用品というのがありまして、
検証には これが必要です。

DSC00524amx15.jpg
先ほど書いた 厳密に最後まで使い切れていない旧容器もあり、
これを洗浄して目量0.1gの秤で重量を量ったところ

DSC00525amx15.jpg
3.4gでした。

DSC00526amx15.jpg
その状態で ゼロを取り、

DSC00527amx15.jpg
容器を除けると当然ながらマイナス3.4gですが
これに先ほどの新品の25ml入りを乗せると

DSC00528amx15.jpg
ちょうど 20gでした!
0.1gの狂いも無いですが
仕込みではありません念のため。

DT製品は 為替の関係で
旧容器の時期からは値上げをしていますが、
旧容器が現行の容器に変わった時点では
値上げをせずに お値段据え置きだったので
容器の変更だけで 内容量は変えていなかったということになります。
えらい!


これのついでに 前々から調べておきたいと思っていたことがあります。
シーラントの比重です。
水より軽いのか重いのか それとも同じくらいなのか、
たとえば「30mlで30g見当でいいのか」ということです。
DSC00529amx15.jpg
普段はディスクブレーキのオイルを入れている
ステンレスの計量カップです。
59.1gですが 乗せた状態でゼロを取りました。

DSC00530amx15.jpg
そこにシリンジで慎重に水を入れていきます。
最後のほうは一滴ずつ垂らしていって

DSC00531amx15.jpg
50.0gになるようにしました。

DSC00532amx15.jpg
水なので 当然ながら50mlの目盛りのところになります。
計量カップ的には50ccかもしれませんが、
とくに単位が書いていなかったので これ以降もmlで表記します。
テーブルの傾きか 秤の乗せる面の形状か、完全な水平では無いようで
50の目盛りの向かって左側のほうが やや高く
線が うっすら見えるくらいの差があります。
以降、シーラントも こうなるように
なるべく慎重に 50mlの目盛りまで注ぐこととします。
当然ながら毎回 計量カップを洗って拭き取っています念のため。

DSC00533amx15.jpg
まずは スタンズのタイヤシーラントから。

DSC00534amx15.jpg
DSC00535amx15.jpg
水とほぼ同じとみて よさそうです。

DSC00536amx15.jpg
容器に戻す際に、カップに繊維質のダマが残りました。
これは スタンズが「シーリング クリスタル」と呼んでいるものです。

DSC00537amx15.jpg
つづいて スタンズのレースシーラント。
同社のタイヤシーラントに対して ほぼ2倍量のクリスタルと
より大きなパンク穴をふさぐ機能がある「XL」クリスタルを
配合しているというものです。
確かに効きは すさまじいのですが、
タイヤの中で 完全なダマになるまでの時間も短いので
同社のタイヤシーラントとの使い分けが必要です。
当店では「明日のレースに すぐ必要」など
シーラントの効きの経過観察をする余裕が無い場合などに使います。
インジェクターの類で注入しようとすると詰まるので
タイヤ内に直接注ぎ入れる必要があります。

DSC00539amx15.jpg
新品なのですが、封入シールをめくった時点で

DSC00538amx15.jpg
クリスタルが中で固まっていました。

DSC00540amx15.jpg
赤いキャップを介さずに 計量カップに入れようとしたところ
クリスタルのカタマリが飛び出してきたので、
キャップを介して なるべくシーラントの液体だけを注ぐようにしました。

DSC00541amx15.jpg
タイヤシーラントと ほぼ同じ重量です。
先ほどより0.2g軽いのは 私の注ぎ方の誤差でしょう。
ただ、水より ごくわずか軽いのは確かなようです。

DSC00542amx15.jpg
容器に戻しました。
タイヤシーラントより カップに残ったクリスタルが少ないのは、
レースシーラントを注ぐときに なるべく液体の上澄みだけを
注ぐように気をつけたからです。
それでもカップに残っている斑点のようなダマ、
これがXLクリスタルなのかもしれません(←確証無し)。

DSC00543amx15.jpg
レースシーラントですが、クリスタルが容器の底に沈殿するので
使用前に よく振るものの それでも きれいに使い切ることはできません。
使い切ったレースシーラントの容器を切ると

DSC00545amx15.jpg
こんな感じに 底でクリスタルが固まっています。

DSC00546amx15.jpg
指で掻き出そうとすると 内側は乾燥していて
かなり固い手応えで、紙粘土のようです。
完全に無駄なく使うなら 使用前に硬い棒のようなもので
底を ひっかく必要があります。
これでも、こうなるのが分かっていて よく振ったので
沈殿しているクリスタルの量は少ないほうです。
一切 振らない場合、3~4cm以上の層になって 底に残ります。

DSC00547amx15.jpg
このクリスタルを 50mlの目盛りを超えない程度に
計量カップに入れて、レースシーラントを50mlの目盛りまで注いだところ

DSC00548amx15.jpg
↑クリスタルだけ
DSC00549amx15.jpg
明確に50gを超えました。
クリスタルはシーラントに浮かずに沈殿するので
比重はシーラント以上なのは確かでしたが、数値にも現れました。
タイヤシーラントでも、よく振れば50mlで50gを超える可能性はあります。

DSC00550amx15.jpg
つづいて エフェットマリポサのカフェラテックスです。

DSC00551amx15.jpg
けっこう慎重に注いだつもりです。
わずかながら スタンズのシーラントの液体部分よりも軽いようです。

DSC00552amx15.jpg
シーラントを容器に戻しました。
スタンズと違い クリスタルでパンクをふさぐという作用機序ではないので
カップに残った液体にも ダマはありません。

DSC00554amx15.jpg
フタをして容器を振りました。
スタンズと違い、液体がチャポンと跳ねる感触は
ひと振り目だけで、それ以降は中身が泡立つことによって
すり切りまで液体に満たされたのかのような、
あるいは個体のような感触に変化しました。
容器を振っても中で重量物が移動している感触が無く、
均質なカタマリのようになっています。

DSC00555amx15.jpg
それを50mlの目盛りまで注ぎました。
0.3g違うのは 私の注ぎ方による誤差だと思われます。
なんなら 恣意的に47.9gにすることもできますが、
「50ml正確に注いだと思ってから数値を見る」ことにしたので
このような結果になっています。

DSC00556amx15.jpg
容器にあるタイヤ内のイラストのように
いま 容器内ではシーラントが泡立っており、

DSC00557amx15.jpg
元の状態だと半分くらいの液量でしたが
容器の口の辺りまで 泡が上がってきていて

DSC00558amx15.jpg
少し注いだだけで容器から漏れたので

DSC00559amx15.jpg
もったいないですが 先ほどの
切ったレースシーラントの容器に捨てました。
振る前は無かったダマのようなものは 小さい泡で、
カタマリには なっていません。
カフェラテックスは 通常は当店では使いませんが、
すでにタイヤ内に入っているシーラントがカフェラテックスだったときに
追い足すのに必要なことがあるので 常備はしています。

DSC00563amx15.jpg
最後にイメジです。
イメジのシーラントは 経年使用後でも
水であっさり流せるという点が優秀なものの
元々の効きが弱いので、当店では より効きが強いほうの
マイクロファイバーなる黒い粒が入ったほうしか仕入れていません。
通常モデルのシンタイプと 価格は同じです。
シンは 薄いという意味のthinです念のため。
sin(原罪)ではありません。

DSC00560amx15.jpg
「秤の中央に置いたカップの
50mlの目盛りが左側だけ読める程度」になるよう注意して注ぎました。
ドロッとした質感なので これだけは水より重いかも?
と思っていたのですが

DSC00561amx15.jpg
水と同程度でした。

DSC00562amx15.jpg
容器に戻しました。

当店で常備しているシーラントの範囲では
カフェラテックスが わずかに軽かったものの、
概算では いずれも「1mlで1g見当」ということで良さそうです。
タイヤへの注入量を50mlまでに抑えられたら
最軽量ブチルチューブである
公称51g、実測51~53gのマキシスのフライウェイトよりも軽くなり
30mlまでにケチれたら ポリウレタン製のチューブに匹敵すると考えていいです。
ケチる理由はコストではなく もちろん軽量化です。

category: その他 機材の話

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