のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

のむラボホイール2.5号?  

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実は50mm高のカーボンリムも38mmと同価格なので
ホイールに仕上げても同価格でできます。

が、Tniのカーボンリムの説明書を見ると
スポークテンションの上限が38mmの場合 130kgなのに対し
50mmではなぜか 100kgになっています。
リムの変形量が50mmの方が少ない(リムが硬い)ので
相殺しているという考え方も出来ますが、
私はカッチリ組める38mmのほうをオススメします。
38mmの130kgというのは かなりテンションを張れるほうです。
メーカーにもよりますが、アルミのWOリムはだいたい120kgが上限です。
いくつか注意する点はありますが、38mmは実際にアルミリムのように組めました。
Tniのカーボン38mmを のむラボホイール2号の素材にしようと思ったのは、
バラで買って組んだ場合 Tniのメーカーモデルよりも安くできることと
130kgまで張れるリムだからというのが理由です。

category: のむラボホイール

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のむラボホイール2号  

のむラボホイール2号、できました!
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リムはTniのカーボンチューブラーリム38mm高モデルです。
のむラボホイール1号のAL300リムは、リムでの販売しかないので
必ず組まなければならない点が私にはありがたかったのですが、
このリムの場合Tniの方でも完組みモデルが出ているんですね。
それでもなお組んで売るというのですから、吊るしホイールと比べて
差別化できるポイントがなければなりません。
それについて書きます。

リムには前後の区別があります。
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穴数は18H、20H、24H、28Hと4種類ありますが、
18Hと20Hが前輪用、24Hと28Hが後輪用のリムです。
このリムは製造元(Tniではない)の品番がWH007というリムなのですが、
同じWH007でも
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↑前後で区別があり、リヤ用リムはフリー側をこっちにして組めという指示があります。
自称リヤ用リムはスポークの入射角が左右で違うことを見越した内部形状に
なっていて穴振りが違うのかと思ったら、どう見ても同じっぽい・・・
いや、リヤ用リムは リムの形状が左右でちょっと違っています!
なんとかすかにオフセットリムです。賢い!
フロント用の20Hで後輪を組むことは可能ですが、
リヤ用の24Hや28Hで前輪を組むのは やめた方がいいです。

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まずは前輪から。
18Hと20Hのリムのカタログ重量は340gです。実測は347gでした。
のむラボホイール2号では20Hをフロントの標準にします。
もちろん18Hでのオーダーも可能です。

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ハブはTniのエボリューションです。
1号のときは全てスポークをDTのコンペティションで組みましたが、
このリム高でフロントがエアロスポークでないのもどうかと思い
サピムのCX-RAYにしました。
実はここまではTniの完組みモデルとスペック的にほぼ同じです。
じゃあフロントはホイールの吊るしを仕入れたらいいじゃんと思われるかもしれませんが、
そうしたくない理由がいくつかあるんです。

まず第一に、自分で組みたいということ。
トライスポーツさんのサイトではリム内径の公称値が584mmとなってますが、
私が測ったかぎりでは どう見ても567mmくらいなんですね。
584mmというのを信用してスポーク長さを計算し、リムと同時に仕入れていたら
えらい目に合うところでした。何となくそんな予感がしたのでリムだけを先に注文し、
内径を実測してから次の日にスポークを注文したのでセーフです。
こうして数字をつかんでおかないと、スポークがとんだ時に すぐ対処できません。

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第二の理由がニップルです。
サピムのCX-RAYには、スポーク1本当たり アルミニップルが1個付属します。
スポークの色がシルバーならシルバーの、ブラックならブラックの二ップルが付いてきますが、
これは罠です。
ブラックならともかく、シルバーのニップルはちょっと看過できない問題があるので
私は絶対に使いません。おかげで貯まっていく一方です。
自分のホイールにならと思って これを使ったホイールがありましたが、
案の定あああああああという問題が発生したので やっぱりお客さんのホイールには
使えないということを思い知りました。それが何なのかは書けません。
ということでニップルはDTのアルミを使っています。

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リヤ専用の24Hと28Hのカタログ重量は336gです。
実測は349gでした。
のむラボホイール2号では24Hをリヤの標準にします。

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↑予告通り、ヨンロク組みで 反フリー側のみ結線ハンダ付け仕様にしました。
メーカーの吊るしでは反フリー側は反ヌポークラジアルなので、
テンションが甘いです。ほんの少しの重量増(外周部ではない)で
ホイールの剛性とバランスを飛躍的に高めているのがポイントです。


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私はホイールを組むときに何でもかんでも
結線ハンダ付けしているわけではありません(笑)。
しかし、38mmのカーボンリムという条件を与えられて
手組みで理論上最強ホイールを組もうと思ったら、今回は結線が必要でした。

価格について。
1号が前輪12000円・後輪17000円と5000円差なのは
フロントハブとリヤハブの価格差です。
厳密にはリヤのスポークが4本多いのも含んでいますが。
で、カーボン38で計算したところ コンペティションスポークで
前輪38000円・後輪43000円になりました。
前輪はスポークをCX-RAYにしたのですが、
コンペティションスポークは1本80円、CX-RAYは340円なので
差額260円×20本で5200円アップになります。
キリのいいところで5000円アップにしたので
前輪43000円・後輪43000円で前後同じ価格になりました。
前後バラ売りももちろん可能です。

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気になる実測重量は前輪523g、後輪759gです。

Tniのメーカー組みモデルのカタログ重量は前輪550g・後輪735gで
定価105000円です。

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ホイールのスポークテンションの左右差の話 その2  

やっとここまで来た!
これから書くことは私の総論に近いです。
まだまだネタはありますが、これを書くためにヌポークだのなんだのと
これまで書いてきました。例によって めっちゃ長いです。
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リヤホイールのスポークテンションの左右差について、
前回はホイールを前後方向から見た場合の 是正方法について書きました。
答えはオフセットリム、ハイローフランジということでしたが、
今日はホイールを左右方向から見た場合についてです。

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この図ではヌポークラジアルのスポークを描いていますが、
DSC00179amx.jpg
ラジアル組みのスポークは横方向から見た場合のスポークの延長線
(上の図の赤の破線)がハブの中心を通ります。
これを今後「ラジアル線」と呼びます。
円の半径から取り出した線分という見方も出来ます。
アマチュア無線の世界でもラジアル線という単語が存在しますが、
全く関係ありません。私の造語です。

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次にヌポークと反ヌポークで4本組みした場合を考えます。

DSC00182amx.jpg
ヌポークのハブ穴から見たラジアル線はこのようになります。

DSC00183amx.jpg
見づらいので反ヌポークを消してヌポークだけにしました。
ハブから出たスポークが最も直接的にリムを引っ張るのは
スポークがラジアル線の上に重なったとき(ラジアル組み)になります。
そこからタンジェント組みの 組み数が大きくなってスポークが
ラジアル線から逸れれば逸れるほど、スポークテンションの損失が発生します。

DSC00187amx.jpg
スポークテンション(スポークのピーンとした張り具合)は
上の図のような方法でたわみ量を見ることで計測できます。
太いスポークほど変形しにくい(たわみにくい)ので
実は 一意的な測定方法ではないのですが、
他に方法もないのでこのように計測します。

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↑この図はリムとハブが90°直交していることになるので
おかしな図ですが、そこはノー ツッコミでお願いします。

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ニップルを締めるとスポークテンションが増大します。
(上の図の赤い矢印)
それと同時にニップルの首元がリムに対して食いつきます。
(上の図の青い矢印)

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ここから際限なくスポークテンションを上げていったとすると、
リム・ニップル・スポーク・ハブの4つのうち
どれかが破損してホイールとして使えなくなります。

ハブが弱いと、ハブフランジがちぎれます。
組んでいる最中でなったことはないですが、
ラジアル組みで組んだ後に時間が経ってちぎれた例は本当にあります。
4つのうち一番起こりえない現象です。

スポークが弱いと、首折れ部分でちぎれます。
これも組んでいる最中にはまずならないですが、ホイールを使っていて
スポーク折れが起きることはありますね(金属疲労)。
使い込んだホイールを振れ取りするとき、ニップルを締めた瞬間に
スポークが弾けるように首元が折れてしまうこともあります。
4つのうち1番起こりやすい現象です。

ニップルが弱いと、ニップルのリムへの首かかりの部分で
亀裂が一周にわたって入り、スポークがリムから抜ける格好になります。
これはスポーク折れの次に多いです。
一般の方はこれも「スポーク折れ」ということが多いですね。
スポーク関係で破損している部分があって 要修理なのですから
間違いではないですが。
ニップルの材質には しんちゅうとアルミがありますが、軽いアルミの方が
これになりやすいと思われているようです。
アルミニップルはホイールを組んでいるときに 四角をナメやすいのは確かですが、
引張強度はしんちゅうより弱いかというと、そうでもないと思うのです。
個人的な経験ではアルミの方が 組んでしまえば強いのではないかと
思うのですが、私の中での理論的根拠が薄いので 断言はしません。
もしアルミの方が強いのなら、(ホイールを組む側の人にとってではなく
ただ使う側の人にとって)ノーリスクで軽量化できるということになります。

リムが弱いと、上の図のようにリムが破損してしまいます。
(文章が長すぎて上の図が見えないですが)
使用による経年変化でなる場合もありますが、スポーク穴の耐引張強度が
低いリムだと、組んでいる最中に起こることもあります。
カーボンリムはアルミリムよりもこれに対して弱い、と言いたいところですが
最近はむしろアルミリム以上にスポークテンションが上げられる
リムも出てきているので一概には言えません。
リムメーカーがスポークテンションの上限値を定めているのは、
これを起こりにくくするためです。

DSC00191amx.jpg
ここでスポークテンションをST
ニップルがリムを食い破ろうとする力をRKと以下表現します。
pokeensionのSTと
imをui破るのRKです。

DSC00192amx.jpg
冒頭と同じような図に戻りますが、ラジアル組みで100STの力で
スポークを張ったとき、リムに100RKの引っ張りが発生しているとします。
メーカーがリムの破損について問題にしているのはRKのほうですが、
RKは計測のしようがないので(専門的な検査機関なら可能かも)、
普通は前述の方法でSTの方を計測します。

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次に、4本組みで100RKの引っ張りを出すことを考えてみます。
4本組みのスポークは引っ張り方向がラジアル線から逸れているので、
引っ張りの力の損失があります。その上で100RKに持っていくわけですから
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100RKにするには100ST以上の力で引っ張らないといけなくなります。
上の図では120STと書いてますが、実際の正確な値ではありません。
100ST以上なのは確実ですが、まあ これくらいかなという数字です。
もしメーカーが「100ST以上で組むな」というのであれば
4本組みでも100STを上限として組みますが、
その時のRKは たぶん80RKくらいになるでしょう。


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ここで重要なのは、同じRKならラジアル組みの方がタンジェント組みよりも
スポークテンションが低くなる
、ということです。
ここまでの文章、これが言いたいだけなんですよ。

DSC00197amx.jpg
RKはホイールの縦硬さに直結しますが、リムメーカーが指定している限界値は
STのほうなので、STを指定上限いっぱいまで張ったとき
もっともRKが高くなるのは 0本組み(ラジアル組み)です。
「ラジアル組みが縦に硬いホイールになる」というのは迷信でも何でもありません。
そこから2→4→6→8本組みとタンジェント組みになるにしたがって、
1STあたりに上昇するRKが ラジアル線から外れる損失により減少していきます。

DSC00198amx.jpg
↑この画像の青く塗ったスポークは8本組のヌポークですが、
ラジアル線とほぼ垂直に近いですね。
円(ハブフランジ)の接線に近いです。タンジェント組みのタンジェントとは
接線という意味ですから、まさに接線組みです。

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0~8本組みをするとき、ハブ穴が何Hから可能かを書いておきます。
ここでy≦4/xを使います。いやー便利だ。

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ホイールを前後方向から見るとき、いつもは真後ろから見た図を描いているつもりですが
今回は真上から見たとします。
目の付けどころが、シャープでしょ。に見える目ですが、
シャープとは関係ありません。
シャープが自転車のホイールを考えたとしたら、きっと
プラズマクラスターを付けるでしょう。

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プラズマクラスター発生装置付きのハブで組んだホイールが
走行しているとして、前からエヘン虫を流してみます。
マイナスイオンの効果により、
きれいなエヘン虫になりました。

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エヘン虫はどうでもいいのですが(じゃあ書くな)、
タイヤを履いていないホイールを上から見てみます。
バルブ穴は真上にあるとします。

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このホイールをヌポーク その1(→こちら)のときに出てきた魔法のナイフで
サクサク切開していきます。リムの穴振りを縫うように避けて、
ハブは真ん中で 真っ二つにします。
スプロケットのついている側からも明らかですが、
画面上が進行方向になります。
両側ともラジアル組みなのは、
見やすさ重視ということでスルーしてください(笑)。

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今回は平たくのさずに 開くだけです。
二枚貝を最大限開いた状態のようなものです。

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それをリムの切開面ではなく、ブレーキゾーンの側から見た図が
上の図です。

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前回の話のときに、リヤホイールはオチョコがあるので
フリー側の方がスポークテンションが高くなると書きました。
上の図では左右ともタンジェント組みになっています。

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↑反フリー側をラジアル組みにしたホイールの場合、こうなります。
「前後ホイールとも全部ラジアル組みにしたら空力と軽さの面で
最高に有利だけど、フリー側は強烈なねじれがかかるので
ねじれに強い タンジェント組みで残しておこう」という
発想です。これをやっているホイールメーカーは実に多いのですが、
代表的なのはイーストンでしょうか。それ以外にもたくさんあります。

DSC00211amx.jpg
前述したように、ラジアル組みにするとスポークテンションが下がります。
もともとスポークテンションの低い反フリー側のテンションを
さらに下げるわけですから、スポークテンションの左右差は
余計にひどくなります。ホイールの左右バランス的には最悪の組み方です。

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私の謎コスミックカーボンは反フリー側がラジアル組みですが、
これはリムにあいているスポーク穴の都合で
こう組まざるを得ませんでした。
実際に反フリー側のスポークをにぎると、かなりぬるいです。
ただ、ラジアル組みの場合 スポーク同士の接触がないので
接触によるカキカキという異音が発生せず、
左が弱いというのは ばれにくいです。
ラジアル組みをヌポークでしているのは かすかな反抗です。

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↑ではフリー側をラジアル組み、反フリー側をタンジェント組みしてみては
どうでしょうか。こうすればフリー側のスポークテンションが下がるので、
相対的に左右のスポークバランスが近づきます。
ホイールのバランス的にはこれが最高の組み方です。が、
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ラジアル組みは
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↑こういうねじれに弱いんですね。
前輪で発生する このねじれはリム側ブレーキによるもののみなので
大した問題ではないですが、後輪のフリー側ではペダリングから伝わる
フリーボディのねじれパワーが半端ではないので、問題が出てきます。

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実際に手組みホイールでフリー側ラジアル組みをしてみました。
これはヌポークラジアルですが、これには理由があります。

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反ヌポークラジアルでは横剛性が確保しづらいのです。
横剛性の計算根拠はハブフランジからスポークが出た位置に
なりますが、反ヌポークはそれが非常に狭いです。
さらに、ラジアル組みでスポークテンションが下がるということは、
フリーの強烈なねじれにも耐えにくくなるということでもあります。
手組みホイールの組み方において この反ヌポークラジアルというのは
スポークの首折れリスク的にも最悪の組み方です。

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といってヌポークでラジアル組みをすると、
スポーク同士を編んでいないので スポークの横の張り出しが大きくなり、
リヤメカをローギヤに入れると プーリーケージとスポークが接触するという
不具合が発生しやすくなります。
対処法はありますが、それをしても登りの立ちこぎや 平地のもがきで
接触することがありますので、この組み方はやめた方がいいでしょう。
2本組みもスポークを編むのであれば、
2本ともヌポーク→リヤメカと接触する可能性あり
2本とも反ヌポーク→横剛性低い
となるので、オススメしません。
しかし、フリー側ラジアル組みは スポークテンションの左右差の是正にとって
大きなメリットがあるのも事実。何とかならないものか・・・

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↑「ハブとスポークを専用設計にして、スポークを大径アルミにしたらいいんじゃね?」
という めっちゃ賢いホイールが、「キシリウム」です。キシリウムキター
ハブフランジ部分の構造を見るに、フリーボディのねじれでスポークが
ひずんだりしなさそうですし、アルミスポークも堅牢そのものです。
これを1999年の時点で考えたというのがマヴィックのすごいところです。
これは私の想像ですが、キシリウムの出発点は
「アルミスポークのホイールを作ろう」ではなく、
「フリー側ラジアル組みのホイールを作ろう」だったと思うんです。
その過程で、フリーボディねじれにびくともしない構造を求めた結果
アルミスポークの採用に至ったということだと思います。



~脱線~
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↑これは7800系のデュラエースの完組みホイールです。
フリー側ラジアル組みです。現行モデルではジップのホイールと
マヴィックのキシリウムエリートがスチールスポークでラジアル組みですが、
ストレートスポークのみで可能な高テンションと 賢いハブの設計で、
スチールスポークながらフリー側ラジアル組みで問題ないように出来ています。
このホイールも同様に、スチールスポークでフリーラジアルです。

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よくこの時代のデュラエースのホイールが「調整しにくい」などと文句を言われますが、
そんなことはホイールの走る走らないに関係ないので どうでもいいです。
直すのは私の仕事ですし。
このホイール、ハブの内部構造はカンパニョーロの丸パクリで
組み方はキシリウムの丸パクリですが、ホイールの理屈の突き詰め具合で言うと
これがシマノ史上最高傑作のリヤホイールだと私は思います。
これ以降、無理して自分の頭で考えるからしょうもないホイールが出来ちゃうんですね。

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左フランジの位置も目いっぱい外に持っていってます。賢い!
WH-9000がワイドフランジとか言ってますが、
幅は これと同じくらいですよ。

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エクストラワイドフランジとか言ってますが、
元々WH-7800の時代は ほぼエクストラワイドフランジでした。
で、昨日まで出してた自社製品(WH-7900)をこき下ろすとかすごいなー。

~脱線終わり~

ホイールの撮影にご協力いただいたT村さんへ。
そのホイール、傑作なんで手放したらダメですよ。

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フリー側をラジアル組みにできるのは完組みホイールだけ!
(○○先生の漫画が読めるのはジャンプだけ!)
なので、手組みホイールでなんとかスポークテンションの左右差を是正する
組み方を考えてみたいと思います。
上の図では左右ともに0~8本組みと書いていますが、
DSC00223amx.jpg
ラジアル組みと2本組みはデメリットが大きすぎるので除外します。

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残った組み方の中で フリー側がクロスになっていて
かつ最もラジアル組みに近くなるのは4本組みです。
4本組みは16Hから可能ですが、16H以下の手組みホイールを組むことは
あまりないでしょう。フリー側は4本組みにします。

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反フリー側は、スポーク数の許す限り よりタンジェントに組みたいです。
24Hからは6本組が、32Hからは8本組みが可能になるので、
24H以上の場合は反フリー側を6本組みや8本組みにすると、
フリー側のスポークテンションに対して 反フリー側のスポークテンションが
高くなります。左右差が少なくなったということです。


DSC00063amx.jpg
先日、このリヤホイールで左右差是正の工夫をしてますと書いたのはそのことです。
これは28Hですが、フリー側を4本組み、反フリー側を6本組みにしています。
反フリー側を4本組みにした場合と比べて、左がかなりカッチリと組めます。
本当に全然違います。といっても実はそれよりは結線ハンダ付けの方が
スポークの見かけ上の変形量の軽減に寄与していますので、
結線ハンダ付けをするなら反フリー側は4本組みでもそんなに変わらないのですが。
私はこれを右→左の組み方順に「ヨンロク組み」と勝手に命名してますが、
結線ハンダ付け無しならヨンヨン組みとヨンロク組みは全然違います。

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私が20Hと24Hのリヤホイールは違うというのは そこです。
20Hではヨンロク組みができません。
スポークが4本減るという剛性上のリスクと使用者の体重から考えて
20Hの手組みリヤホイールをオススメしないという一般論も
もちろんありますが。
といっても、20Hでも のむラボホイール1号は
70kg以下の人なら全然いけそうです。

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↑これは私のホイールですが、マヴィック・リフレックスWOの
CDセラミックモデルです。

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レーザー刻印とは手が込んでますね。
同じ処理のオープンプロも存在していましたが、
そちらは酸化被膜の化学式が書いてあって もっとかっこいいです。

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フリー側を4本組み、
DSC00229amx.jpg
反フリー側を8本組みしています。
ヨンパチ組みと勝手に命名しています。
32Hのヨンパチ組みが 手組みホイールでスポークテンションの左右差を
軽減する最高の組み方だと思います。36Hでもヨンパチ組みは可能ですが、
なぜ32Hの方がいいのかは後日書きます。

DSC00230amx.jpg
6本組みと8本組みは最終交差の一つ手前の交差も編むことができます。
Wクロス組みです。それに加えて このホイールでは結線ハンダ付けをしていますが、
Wクロスと結線ハンダ付けを同時にすると、スポークが1本とんだときに
とんだスポークの結線をほどきつつ、新しいスポークを通すために
その隣の結線をほどかねばなりません。
それが順繰りに一周します。
つまり、これをやってしまうとスポークが1本飛んだら片側全てを替える羽目になります。
よって お客さんのホイールでは希望のない限りしません。
Wクロスでなければ最悪でも結線された2本の交換で済みます。

DSC00234amx.jpg
↑これはWクロスではありません。
DSC00233amx.jpg
↑紙をはさんだ部分を編むのがWクロスです。
Wクロスはスポークの見かけ上の変形量を減らすことができますが、
効果としてはヨンロク組みの方が大きいと思います。

先ほどの私のリフレックスは「ヨンパチ組みWクロス結線ハンダ付け」という
ラーメンのトッピングを全部盛ったような仕様です。
さすがにこれだけすれば 普通に組んだ場合と比べて全然別物です。
のむラボホイール2号ではこのあたりの理屈も盛り込みます。
↑この1文を書くために長々といろいろ書きました。
読んでくださった方、お疲れ様でした(笑)。ありがとうございます。

ホイールのスポークテンションの左右差の話 その2は
キシリウムえらい!という話でもありましたが、
その3は フルクラムえらい!という話を書きます。また後日。

category: スポークテンションの話

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コメントのお返事  

お久しぶりです、姫様。
記事の内容がよく分からなくても大丈夫ですよ。
道具(この場合はホイール)を使う側にとっては、
ただ使ってみて性能や性質といった結果だけを評価すればいいのです。

例えば普通の人がテレビを見て、「画面がきれい」などと評価することは
出来ますが、テレビの構造や技術的な内容を熟知している人は極めてまれです。

私の記事はこの例えで言うなら
テレビ製造者のオリジナルテレビ製作日記ということになるのでしょう。

「私の作ったテレビは よそのと比べてちょっと映りが違うんだ」と
言ったとして、「じゃあ どう違うんだ」と訊かれたときに
何の根拠もないと売りとして弱いですね。
というか何の根拠もなければ そんなことを言ってはいけません。
なのでその根拠というやつをちょっとずつ書いていっている次第です。
中身や理屈を理解したうえで評価してくれれば うれしいですが、
「理屈は分からんけど、これいいね」と言われるのもうれしいです。



それとは関係ないですが、バイクのメンテに関して
私にできることがあれば 当店まで持ってきてくださいませ。

category: のむラボ日記

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ホイール組みが増えてきました。  

当ブログで たまに お客さんの自転車の一部あるいは全体を
出していることがありますが、そういう場合は事前に了承をいただいております。
DSC00166amx.jpg
街乗りバイクのホイールを組みました!
26インチMTB規格のリムです。苦戦しました。
このホイールではなくこれを付けるバイクの方で。

DSC00167amx.jpg
最新のデオーレハブは価格の割に質感がいいですね。

DSC00169amx.jpg
のむラボホイール1号の前輪もひとつ追加です。
なぜ急に1号を名乗り始めたのかというと、もうすぐ2号ができるからです。

DSC00171amx.jpg
2号はもう少し待ちください。
過去の記事の表題も1号に書きかえて、
ブログカテゴリに「のむラボホイール」というのを追加しました。

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先日のヘリウムホイールの前輪の方です。
ヌポークラジアル組みにしました。

DSC00176amx.jpg
実はヌポーク向きのハブ形状ではないですが、ヌポークで組んでも
特に問題はないので そうしました。
というより、お客さんが
「ヌポークで組んで」って言ったんですよ!
どこかのおかしなブログを読んだに違いありません。

category: のむラボ日記

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y≦X/4(ワイしょうなりイコールよんぶんのエックス)の話  

よーしサクサクいくぞー!
今日はタンジェント組みする場合に
スポークを何本組みできるかの限界について。
DSC00132amx.jpg
↑この文章のとおりです。以上。
というわけにはいかないので・・・

まず ハブとリムの穴数が同じで穴の位相が等間隔なとき、
という くだりは、要は普通のリムとスポークですよということです。
抜けていたことがひとつありました。左右のスポーク本数も同じです。
その前提で話を進めます。

その普通のリムでy本組みしたい場合、スポークの本数がx本なら
y≦x/4の範囲でホイールが組めるということです。

DSC00134amx.jpg
そういえば ホイールの何本組みという概念について
これまでまったく触れてこなかったので、書いておきます。
上の図はハブフランジです。

DSC00135amx.jpg
横から見て最後に交差するスポーク同士が、ハブフランジのどの穴から
出ているのか数えたとき、1本目と2本目が交差するのが2本組みです。
通常、交差するスポークは ヌポークと反ヌポークになりますが、
上の図ではどちらもヌポークです。
横から見て交差している部分を接触させるのを「編む」と今後表現します。
2本組で交点を編もうとしても、ハブフランジの厚みのせいで不可能です。
しかし、2本組みするスポークの両方をヌポークまたは反ヌポークで揃えると、
2本組みでもスポークが編めます。

DSC00137amx.jpg
↑これがヌポーク2本組み



ちょっと脱線。「編み」の話もついでにします。
DSC00161amx.jpg
これはマヴィックのマッハ2 CDセラミックですが、
そんなリム自慢はどうでもいいです(笑)。
スポークの交点を接触させていますね。これが「編み」です。
スポークを編むと横ねじれに強くなったり 振れが出にくくなったりします。
デメリットは、スポークテンションが低いとカキカキと異音がすることです。
私は完組みホイールでなぜか多用される黒スポークが大嫌いですが、
理由の一つが「黒スポークの方がカキカキ鳴りやすい」からです。
もう一つの理由が「実質 結線ハンダ付け出来ない」からです。

DSC00162amx.jpg
↑キシリウムのようなアルミスポークの場合、
横から見て交差しているスポークでも
DSC00163amx.jpg
前後方向から見れば、編んでいません。
アルミスポークは スチールスポークとは比較にならないくらい
削れに弱いので 当然の措置ですが、完組みホイールはスチールスポークでも
編んでいないことが多いです。

現行のキシリウムエリートはエアロスチールスポークを
異常なテンションで張っていて、かつ編んでいます。
それを見ると「ああ、完組みのこういうところには勝てんわ」と思います。



タンジェント組みの話に戻ります。
DSC00139amx.jpg
↑これは4本組みです。1本目と4本目が交差しています。
4本組み以上はヌポークと反ヌポークで交差させます。

DSC00141amx.jpg
↑つづいて6本組。

DSC00142amx.jpg
↑最後に。8本組みです。

DSC00144amx.jpg
例えば、24Hのハブでタンジェント組みすることを考えてみます。
24Hですから、片側のフランジには12個の穴があいています。

DSC00145amx.jpg
↑6本組みしてみました。問題なさそうです。

DSC00148amx.jpg
8本組みしてみました。何かおかしいですね。

DSC00150amx.jpg
タンジェント組みで最後に交差しているスポークの出る穴の位相は、
180°を超えることは出来ません。
(実際はスポークがハブ胴に触れない限りは不可能ではないのですが
力学的にメリットはありません)

DSC00149amx.jpg
タンジェント組みで普通に組む場合、スポークを通すことができる
穴の位置は、ハブの穴の総数の半分の そのまた半分が限界だということです。
半分の半分なので 4分の1です。

DSC00157amx.jpg
で、冒頭の式です。
xにスポーク本数、yに何本組みというのを代入すると、
x本のスポークでタンジェント組みできる限界や
y本組みできるスポークの最低本数が一瞬で計算できます

DSC00158amx.jpg
例えば24Hなら、最大で6本組みできるということです。
左辺と右辺をつなぐのが「≦」なので、
6本組み以下の4本組み、2本組み、0本組み(ラジアル組みのことです)も
成り立ちます。
8本組みは左辺の方が大きくなるので成り立ちません。

DSC00159amx.jpg
8本組みができるようになるのは32H以上からです。
現在では仕様として絶滅している(材料がない)ので
実際に組んだことはないですが、40Hからは10本組みが出来ますね。

DSC00160amx.jpg
この式はなかなか便利で、例えば仮想上の200Hのハブというものを考えた場合、
「限界は50本組み」とすぐに計算できます。

私は、120Hくらいのホイールから規則的に あるいは不規則的に
スポークを間引いていくと どういう風な応力変化を示すのかという
思考実験をよくしますが(アブナイ奴ですね)、そういうときに
この式が役に立ちます。

実際のホイールにおいては、「20Hのリムでは6本組みできないが
24Hではギリギリ出来る」
という話につながります。
それはまた後日。

category: ホイールの話

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半製品  

今日もホイールを組みました。
DSC00129amx.jpg
↑今日組んだのは上の画像 右側のホイールです。
何が違うかというと
DSC00130amx.jpg
↑結線ハンダ付けをしていないか、
DSC00131amx.jpg
↑しているか、という点です。
20Hのリヤホイールはホイールの理屈で考えたとき、
反フリー側を結線することは 私にとって半ば必須です。
これが24Hになると スポークが4本多いということ以上の意味があります。

後日「y≦x/4の法則」という話と
「ホイールのスポークテンションの左右差の話 その2」という話を
書きますが、その2つの話を書ききれば
のむラボホイール第2弾、カーボンチューブラーホイール
(前後で税込86000円になる予定)の話が書けます。
もう少しお待ちください。

私にとってはこのリムの20Hの結線なしホイールというのは
いわば半製品になるのですが、あえてこの状態で置いておいて
結線の効果を見てもらうのがいいと思ったので
結線なしのものも展示しておきます。

category: のむラボホイール

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ひょ~~~  

ひぇ・・・た・・・たすけてく・・・
DSC00112amx.jpg
たわば!!

追記:こんな しょうもない記事に拍手を入れたそこのあなた!
誰か わかってますよ!


追記の追記:すいません、最初の2人くらいは心当たりがあるのですが、
あとは分かりません。私の負けです。

category: のむラボ日記

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ハトメの話とニップルの話  

今日は豪華2本立て!ハトメの話とニップルの話です。
2つとも、TniのAL300のインプレを書く前に
書いておかないといけない話なので いっぺんにいきます。

まずはハトメの話から。
DSC00074amx.jpg
一般的なリムでホイールを組む場合、
まずニップルをリムの外側から中に入れます。

DSC00075amx.jpg
で、こう組むんですが、
DSC00076amx.jpg
スポーク張力が高くなってくると、ニップルがリムを食い破って
出てこようとする力が働きます。

DSC00077amx.jpg
リムは、成型機から押し出された直後はカーテンレールみたいな
まっすぐの形状なのですが、
DSC00078amx.jpg
それを曲げわっぱのように 丸く曲げて接合、
接合部の真反対側(例外あり)にバルブ穴をあけて完成です。

DSC00080amx.jpg
わざとボコボコ気味に描いてますが、押し出し成型の精度が甘いと
ニップル穴周りの厚みが不均一になり、厚みの薄い部分で
リムが破損しやすくなります。

DSC00081amx.jpg
↑それの補強としてリベットのようなものをかしめているのが
「ハトメ(アイレット)」です。材質はしんちゅうです。
重量増にはなりますが、リム破損のリスクが軽減されます。
これはリム内側だけの「片ハトメ(シングルアイレット)」というもので、
DSC00082amx.jpg
リムの上下に通っている「両ハトメ(ダブルアイレット)」というハトメもあります。
この場合はスポーク張力をリムの外側でも受けることになるので、
リム破損リスクはさらに軽減されます。

DSC09409amx.jpg
以前ご紹介した新旧コスミックカーボンの図ですが、
上のコスミックカーボンSLは片ハトメ、
下の旧コスミックカーボンは両ハトメです。
これがリムの重さの違いの理由のひとつになっています。

DSC00083amx.jpg
アイレットを日本語でハトメと呼ぶのは、鳩目、つまり鳩の目に似ているからです。

DSC00104amx.jpg
↑今ではリムの成型技術が上がっているので、こういう複雑な
形状も可能です。外側だけでなく、内側でみても
スポーク穴の周辺だけ肉厚を増やすということもできるので、
ハトメは必ずしも必要ではなくなってきています。
こう書くとハトメは成型技術の低さを隠すために入れているような
印象を受けますが、ハトメが付いているからといって
悪いリムというわけではありません。


つづいてアルミ(とカーボン)スポークの完組みホイールのニップルについて
DSC00084amx.jpg
スポーク張力によるリム破損リスクの軽減のため、だけではないですが
キシリウムのリムはリム内側にしかスポーク穴があいていません。
これは高熱のビットを回転しつつリムに押しつけることで
ねじ付きの穴をあけるというマヴィック独自の技術です。

DSC00085amx.jpg
それを専用のアルミスポークで張るわけですが、この 専用リムに
専用スポーク&ニップルという組み合わせは 手組みホイールでは
なかなか出せない剛性を出すことができます。
1996年デビューのヘリウムはストレートスポークでこそありますが、
スポークやニップルは手組みホイールと同じ規格なので
手組みホイールでも同等か それ以上のものを作れる可能性はあったわけです。
1999年デビューのキシリウム以降、専用設計の完組みホイールで
手組みホイールでは絶対出せないような縦剛性でホイールを組めるようになったので、
重量的に手組みホイールと変わらなくても、乗ったら全然違う(完組みの方が硬い=走る)
というホイールができるようになりました。

先日のTni AL300ホイールは、そういう専用設計完組みホイールには
剛性(ホイールで一番重要な要素)ではまず勝てないと はっきり認めたうえで
それより一段下のスチールスポークの完組みホイールと伍して 走りますよ、
価格も加味すればコストパフォーマンス的にもいいですよ、という立ち位置です。

DSC00087amx.jpg
この構造ではリムテープがいらないのもメリットです。
リム外側にバルブ穴以外の穴がないので、このままでは無理ですが
チューブレス化もしやすいですね。
チューブレスタイヤはマヴィックとハッチンソンがMTBで始めたのが
最初なので、マヴィックがロードチューブレスを最初に出すと思ってましたが、
後発のカンパニョーロとシマノよりも なぜかロードチューブレスに消極的です。

DSC00089amx.jpg
2006年にフルクラムがレーシング1・3・5というラインナップで
登場しましたが、その中でフラッグシップモデルのレーシング1が
「リム内側のみにスポーク穴があいた完組みホイール」として発表されました。
この時点ではカンパニョーロのミドルハイトホイールのトップモデルである
エウラスはスチールスポークです。

実はレーシング1の構造は、マヴィックとの間で 特許に関して争っていました。
名目上カンパニョーロと別会社なら もし裁判で負けても会社をたためばいい、
ということでわざわざフルクラムという会社を立ち上げたのだと思います。
マヴィックと和解したのか どうなのかは知りませんが
フルクラムのレーシング1の構造を世に出すことに問題はなくなったようで、
カンパニョーロのホイールも後にフルクラム化してしまいました。

その特許避けのためだと思うのですが、レーシング1型のリムは
ニップルをひとつひとつ磁石で呼ぶようになっています。

DSC00090amx.jpg
初代レーシング1はしんちゅうニップル、レーシングZEROはアルミニップルですが、
キシリウムにしろレーシング1にしろアルミスポークは断面積を稼がないと
剛性が確保できません。スチールスポークは太くて2.0mmの真円断面ですが、
アルミではそんなに細くできないので、太いスポークに合わせて
DSC00101amx.jpg
当然ニップルも ごつくなります。
DSC00102amx.jpg
普通のニップルはこんな感じです。

DSC00095amx.jpg
↑スチールスポークの場合

DSC00096amx.jpg
↑アルミスポークの場合
外周部にこんなごつくて角ばったものがあると、
DSC00097amx.jpg
整流効果(当ブログではエヘン虫受け流し特性とも呼びます)
の面では明らかに不利です。

DSC00099amx.jpg
ホイールの頂点はバイクの速度の2倍で前進していると
サイクロイド曲線の話のときに書きましたが、計算してみると
キシリウムないしレーシング1のニップル部分は、
ハブの真上を通過するとき車速の約1.85倍で前進しています。
車速が40km/hならニップル部分は約74km/hです。

しかしこの構造のおかげで剛性が飛躍的に上がっているので
差し引きのホイールの性能では間違いなく向上しています。
そうでないとレーシング3(スチールスポークでリム内側のみスポーク穴の仕様)が
最強ってことになってしまうので。

DSC00093amx.jpg
じゃあニップルを内蔵すればいいじゃん、と思ってしまいますが、
それをやるとリムの外側にも穴をあけないといけなくなります。
リムテープ分の重量増や チューブレスにできなくなるなどの
問題も発生しますが、
DSC00094amx.jpg
太いスポーク、とそれを取り巻くニップル、をさらに囲むスポークレンチが
通るような穴といえば かなり大きな穴径になります。
この面でもアルミスポークの内蔵ニップルは実質無理なのではないでしょうか。

DSC00107amx.jpg
チューブラーリムならリムテープを張ることはないので、
リムの外側にニップルを入れる穴を設けても重量増にはなりません。
さらに、ニップルを磁石で呼ぶ必要もなくなります。
ということで 私はシャマルウルトラのチューブラーリムで
スポークの穴位置ドンピシャに穴をあけていますが、
もちろん自己責任です。

DSC00091amx.jpg
今回の話と直接関係ないですが、チューブレスタイヤ用リムについて。
チューブレス用のリムは、リム中央にまずビードを落ち込ませる凹みが必要です。
DSC00092amx.jpg
さらに、空気が入った後 ビードを保持するハンプという部分を
設ける必要があります。その2点を上の図では青い線で書いてるんですが、
ちょっと分かりにくいですね。この分だけリムが重たくなります。
だいたい15gくらいでしょうか。
キシリウム(チューブレス非対応のレーシング1型ホイールも)に
チューブレスバルブを付けてチューブレスタイヤをはめて空気を入れると
一見チューブレスとして使える状態にはなりますが、
パンクの時に一瞬でタイヤが外れる可能性があるので非常に危険です。
ニップル用の穴をピッタリふさぐことで普通のリムをチューブレス化する
というキットも存在しますが、ハンプなしのリムにチューブレスタイヤを
付けるのは何となく こわいですね。

category: ホイールの話

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アルテア欲しい  

プロファイルデザインにアルテアというカーボンホイールがあります。
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リム高が52mmと80mmの2種類、
スポークは全モデルともフロント20H リヤ24H、
リムはアルミブレーキゾーンのセミカーボンWOと
カーボンブレーキゾーンのフルカーボンWOと
フルカーボンチューブラーの3種類が52mmと80mmそれぞれにあり、
前後バラ売りOKという素晴らしいホイールです。

pd_wheels_altair_carbon_tubular_52.jpg
↑最も軽いのはアルテア52のチューブラーですが、
pd_wheels_altair_semi_clincher_80.jpg
↑私は 最も重いアルテア80のセミカーボンWOが欲しいのです。
が、代理店さんの在庫でアルテア80のセミWOのリヤだけが売り切れという状態。
リヤのフリーボディはシマノ仕様のみですが 首折れスポークなので
自己責任で好きに組むことができます。
価格も安いので、邪道ですがリム欲しさに買ってもいいくらいです。
そこでふと思ったのですが、フロント20Hをばらして リヤに組み替えれば
いいのではと。リヤ20Hというのは首折れスポークではやや心もとないですが、
このリム高では大丈夫でしょう。
迷う。迷う・・・。

DSC00071amx.jpg
DSC00072amx.jpg
いま使っているフロハイルデザインのユアタリ50もいいホイールです。
TniのAL300リムの前輪を使うにあたって、リヤリムの方が低いのが
かっこ悪い気がしたので後輪はこれにしました。
AL300の使用感等については書くことがありますが
その前に書きたい ホイールのニップルの話があるので、
それは後日にします。こうして自分で宿題を増やすのでした。

category: 新手のスタンド使い

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改造ヘリウム その1  

世界で最初の完組みホイールは何?といわれたら、
1996年以前にも いくつかあるのですが、何千ペアという数で同じ仕様のホイールを
世界中に売ったという意味では1996年デビューのマヴィック・ヘリウムが
最初の完組みホイールといってもいいです。
「ホイールはショップで組むもの」という概念自体を
ものの数年で破壊した、最初のきっかけでもあります。
DSC00066amx.jpg
そのヘリウムですが、フロントが26Hという非常に特殊な穴数なんです。
リヤは28Hで、手組みホイールの材料で組める普通のリムなので、
リヤリムを2本入手して28Hの普通のハブと合わせてホイールを組む、
ということも可能です。

DSC00054amx.jpg
という仕様で組まれているヘリウムが今日やってきたのですが、
左右とも結線ハンダ付けされていました。

DSC00056amx.jpg
↑かなり荒々しく。

DSC00059amx.jpg
PMPのハブで組み替えました。

DSC00061amx.jpg
結線ハンダ付けを反フリー側だけにしています。
スポークのたわみを軽減するのが目的ですが、フリー側はしてもしなくても
たわみ量にほとんど変化がないのと、
元々たわみ量の大きい反フリー側だけを結線することで
左右バランスが是正される気がするからです。

DSC00063amx.jpg
PMPのハブは けっこうなハイローフランジなので
左スポークのテンションがそれほど甘くはなりません。
それ以外にももう一つスポークテンションの左右差を軽減する方法を
採っていますが、長くなるので また今度。

category: のむラボ日記

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コメントのお返事  

コメントをいただいたので、そのお返事です。

私がこのブログで何度も「ホイールの軽さで重要なのは外周部」と書いています。
じゃあハブ周りの軽量化は意味がないのかというと、
加速性能において外周部ほど重要ではないというだけで
ハブの回転性能が同じなら もちろん軽いに越したことはないです。

私が理解できないことの一つに、
「カタログスペック上の 前後ホイールの総重量を
ホイールを選ぶ(買う)根拠にする」というのがあります。
例えば「どこそこのなんとかというホイールは1500g」といって、
他のホイールのそれと比べるというやつです。
前後の総重量1500gのホイールであれば、
だいたい前輪650g、後輪850gくらいの配分になります。
この「650gの前輪」というのも私にとってはあまり意味のない情報で、
結局はリムが何gなのかが重要なんです。
例を挙げると紙幅が付きませんが、例えばマヴィックの
1999年の初代キシリウムのWOフロントリムは510g、
2010年のコスミックカーボンSLのWOフロントリムは542g、
2011年のキシリウムK10のWOフロントリムは392g、
2012年のR-SYSプレミアムのWOフロントリムは385gです。
オープンプロのWOリムは年代にもよりますが
ブラックであればだいたい440gくらいになります。
(穴数はあまり重量に影響しませんが、リムの色と表面処理は影響大です)
すべて私の実測です。

DSC00068amx.jpg
画像がない記事は さびしい気がしたので
どうでもいい画像をはさみました。本文とは全く関係ありません。

例えばオープンプロの28Hと36Hで 同じハブとスポークで組んだ場合、
スポークにもよりますが50g強 36Hのホイールの方が重たくなります。
それが前輪だとして、「実測750g」というのと「実測805g」というのでは
ずいぶん印象が違いますが、リムの重さが同じなら 同じくらいの加速性能のホイールに
なるので、これらは「700g台のホイール」「800g台のホイール」という
うわべの情報に騙されずに「440gのリムのホイール」として評価するのが正解です。
しかし、普通の人は完組みホイールをばらす機会はなかなかないですね。
今ではちょっとやりすぎたと思わないでもないですが、
完組みホイールを仕入れて 即ばらして晒す、しかも改造するということを
やったこともあります(→こちら)。

完組みホイールは「どこの誰がどんな風に使うかわからない吊るしのホイール」なので、
強度の安全マージンをかなり大きくとっています。なのでリムはあまり軽くできません。
スポークは多くの場合ストレートスポークですが、高強度リムをすごいテンションで
張っているので、スポーク本数は少なくできます。
ハブは専用に設計することができるので、強度の必要な部分以外は徹底的に肉抜きできます。
つまり、手組みホイールに対して外周部は重く、内周部は軽くなる傾向が強いんですね。
R-SYSプレミアムはフロントリムが385gで ホイール体にすると595gです。
リム+210gでホイールになっているわけですが、手組みの材料ではこれは無理です。
完組みホイールは 走行性能(特に加速性能)に関してプラスの影響が薄い部分を
軽くすることで、カタログスペック上で より軽く見せようとしている傾向が強いです。
極端な話、R-SYSのフロントハブがあと100g重たくなったとしても
平地走行ではほとんど分からないと思います。
これがリムが100g重たくなったとすると、走らないホイールの出来上がりです。

ハブの重量も、軽いに越したことはないとさっき書きました。
乗鞍のヒルクライムで20kmあまりを1時間くらいで登る人たちがいますが、
「乗鞍のスタート地点からゴール地点まで
人力と、動力のない機械で より早く移動しろ」と言われたら、
「ロードバイクに乗って移動する」が人類の最適解だと思います。
自転車自体に助けられつつ、自転車という荷物を 山の上まで持って上げている
わけですが、当然その荷物自体が軽い方が有利です。

GOKISOというハブがあります。
リヤハブのカタログ重量が455g、実測値が447gですが、
非常に低抵抗な回転性能が特徴です。
これはパワータップのSL+リヤハブ(実測426g)より重いのですが、
さすがにここまで重いと いくらよく回るハブであってもちょっと気になります。

ハブの重量は平地ではあまり気になりませんが
登りではバイクの他の部分と同じように軽い方が有利なので
軽いに越したことはない、というのが私の結論です。

category: のむラボ日記

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いただきました。  

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↑お客さんからグーテ・ド・アナトールのクッキーやフィナンシェの詰め合わせを
いただきました。ありがとうございます。

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↑シルベストの時から毎月 私にお菓子を送ってくださる方がいるのですが、
今月はユーハイムのバウムクーヘンをいただきました。いつもすいません。

category: のむラボ日記

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ヌポークその4  

まだまだヌポークで回収していない話があるので
ちょっとずつ進めていきますね。
今日はラジアル組みのときのスポークの通し方について。
DSC00001amx.jpg
その前に。久しぶりなので一応書いておきます。
当ブログではハブフランジの内側から外側に通したスポークを
「ヌポーク」、
DSC00002amx.jpg
ハブフランジの外側から内側に通したスポークを
「反ヌポーク」と呼んでいます。

DSC00007amx.jpg
↑タンジェント組みでは フランジに通されるスポークは
ヌポークと反ヌポークが交互に並んだ形になりますが、
ラジアル組みではヌポークか 反ヌポーク、どちらかのみとなります。

DSC09995amx.jpg
↑これはシマノのWH-R501ですが、反ヌポークでラジアル組みしています。
首折れスポークでラジアル組みしている完組みホイールは、
ほんのわずかの例外を除いて、ほぼ全て「反ヌポークラジアル」で組まれています。

DSC00004amx.jpg
昨日のTniホイール(お問い合わせ多かったです。ありがとうございます)も
吊るしなので自己主張を抑えて 反ヌポークラジアルにしました。

DSC08510amx.jpg
自己主張を抑えて と書きましたが、私はラジアル組みするときに
「ヌポークラジアル」で組むことがあります。
これは一般的ではない組み方ですが、反ヌポークラジアルと比べて
メリットとデメリットがあり、それを勘案した上で
ヌポークラジアルが有利そうなら選択しています。

DSC00008amx.jpg
ヌポークでも反ヌポークでも スポークの根っこの部分、
つまりスポークがハブフランジから出ているところを
横剛性の計算根拠にします。
反ヌポークは底辺の幅が狭いので、ヌポークよりも横剛性に
劣ります(と私は思っています)。
これは剛性的な面から見た反ヌポークラジアルの性質ですが、
DSC00009amx.jpg
空力的な面からも見てみます。
スポークの、リム寄りの部分はリムやタイヤに隠れますが
反ヌポークラジアルは前面投影面積がより少なくなるので、
空力的には有利です。

DSC00010amx.jpg
これがヌポークラジアルの場合、反ヌポークラジアルとくらべて
より多くの部分がリムないしタイヤから露出します。
空力的には損です。が、スポークのたわみ始めポイントが
より広い幅になっているので、横剛性的には有利です。

DSC00011amx.jpg
また、反ヌポークは スポークの首元がフランジから出るときに
開く方向になります。
対してヌポークの場合は内側に折れ曲がる方向になるわけですが、
スポークの首が飛びにくくなるのはヌポークの方です
これが私がヌポークラジアルでホイールを組むことがある最大の理由です。

DSC00012amx.jpg
首折れスポーク仕様の完組みホイールの中には、
フランジ幅が非常に厚く、それに合わせて
スポークの首元の曲げまでの部分が長い特注スポークを使うことで
反ヌポークラジアルでありながら 首飛びリスクを軽減している
ものもあります。ロルフプリマがそうですね。
特注フランジのホワイトインダストリーのハブ(ペアスポークなので穴の位相も特注)に
特注寸法のサピムスポークという徹底ぶりです。

DSC00013amx.jpg
メーカーがヌポークラジアルを避けている(恐らく最大の)理由は、
フランジ形状(特に高さ)によってはスポークとハブフランジが干渉する
問題があるためです。上の図のような接触は、反ヌポークラジアルでは絶対に起きません。

DSC00014amx.jpg
これはリム高によっても問題の深刻度が違ってきます。
低いリムではヌポークがリムへ延びる角度が立っているので
フランジ接触問題が起きにくそうですが、
DSC00015amx.jpg
リムが高くなるとスポークの角度が寝てしまうので、
フランジ接触問題が起きてしまいます。
私がヌポークラジアルをしたい事情があるホイールの場合でも、
リム高が高いと断念して反ヌポークラジアルにすることも多々あります。

DSC09296amx.jpg
DSC09930amx.jpg
同じリムなんですが、エッジ時代の45リムとエンヴェの45リムです。
このリム高でもヌポークラジアル組みをしています。

DSC09953amx.jpg
↑私の謎コスミックカーボンも、反フリー側のラジアルをヌポークで組んでいます。

DSC08635amx.jpg
ヌポークラジアルで仮組み中のホイールは
スポークがぼわーんとふくらんでます。
関係ないですがハブはサンツアー・シュパーブプロです。

DSC08638amx.jpg
組む前
DSC08641amx.jpg
組んだ後

DSC00033amx.jpg
話は変わりますが、
Tni AL300リムのホイールについて
「剛性感はどうですか?」とよく聞かれます。
知りません。
と答えるのもなんなので、自分用に前輪を組みました。

DSC00034amx.jpg
これもヌポークラジアル組みです。
ハブはホワイトインダストリーのH2、
スポークはサピムのCX-RAYです。
画像上側が進行方向になります。
ハブの文字が逆になりますが、わざとです。理由はあとで。

昨日の のむラボホイールをCX-RAYで組むことももちろん可能で、
前後輪 各¥5000アップで出来ます(20Hの場合)。
24Hの場合は¥6000アップになります。

DSC09976amx.jpg
DSC09975amx.jpg
このハブを選んだのには理由があって、
ハブフランジがまっすぐではないんですね。

DSC00036amx.jpg
↑かなり大げさに描くとこんな感じです。

DSC09979amx.jpg
フランジ接触問題が起きそうにないのでこれにしました。

DSC09971amx.jpg
ヌポークと関係ない話ですが・・・。
今回、画像上側が進行方向になるようにホイールを組みました。

DSC09972amx.jpg
文字は向かって逆になってしまいます。

DSC09973amx.jpg
ハブを組み立て調整するいもねじが 進行方向に向かって左側にあるのが
正解だと思うのですが、そういう風にすると文字が逆になるんですね。
それでもこっちの方が正解だと思います。
リヤハブの場合、このいもねじ穴は左側についています。
(右側はフリーボディがあるので無理)
「調整機構は前後とも左側」と考えるとこうなると思うのですが、
この説を後押しするハブが 別のメーカーで存在します。

rear sx 2.0 shima
↑エクストラライトというメーカーのリヤハブです。
調整機構は当然 左側についています。
ハブ体の左側にヤスリ目加工されたダイヤルのようなものが付いています。

ultrafront sx
で、これがフロントハブなんですが リヤハブ同様のヤスリ目ダイヤルが
(文字が読める方向から向かって)右側についています。
しかし、ハブ体に「LeftSide>>」とわざわざ注釈がついているので、
ultrafront sx -2
こういう方向で組めと言ってるんですね。
リヤハブではロゴが進行方向に向かったときに読めるのに、
フロントハブでは逆になるということです。
ホワイトのH2ハブも同じ理屈だと判断したので、
私は今回 一見して逆に見える方向で組みました。

DSC09986amx.jpg
私の4820gのアカマツのアルミバイクは、
アカマツのシステマハブで前輪を組んでいます。
これより重量的に軽いハブもありますが、
ここは軽さより このハブを使いたいという気持ちを採りました。
本当にいいハブです。よーし、言うぞ。
システマハブのステマです
・・・すいません。スルーしてください。

フランジ幅が狭いので、横剛性が構造上 出ないわけですが
ガシガシ ダンシングしない限りは気になりません。
せっかくフランジ幅が狭いんだから、
ここはヌポークラジアルで横剛性アップを狙うより、
反ヌポークラジアルで究極的なスポークの前面投影面積の少なさを
狙いたいと思って反ヌポークラジアルにしています。

DSC09989amx.jpg
狭い!空力的にはかなりおいしい前輪です。

DSC09993amx.jpg
ホワイトのH2ハブではこうなります。
H2ハブはフランジ幅がかなり広いハブなので、この2つのホイールは
ラジアル組みの両極にあるといってもいいでしょう。

DSC00017amx.jpg
なぜシステマハブがナローフランジなのかと言えば、
このハブは小径車に使うことを前提にもしているからです。
計算してみると、20インチ(HE)の小径リムのリム内径と同じ
700Cのリムは、およそリム高90mmほどになります。

DSC00021amx.jpg
そのリムでヌポークラジアル組みをした場合、スポークの角度がかなりきつくなります。
フランジ接触問題が起きやすいですね。
あるいはタンジェント組みしたとしても、半分はヌポークです。
タンジェント組みでさらにスポークの交点を編んだとすると、
ヌポークがフランジから出始める部分の角度がラジアル組み以上にきつくなります。

DSC00023amx.jpg
ここで、20インチのリムと同じリム高の700Cリムを考えてみます。

DSC00025amx.jpg
このリムをヌポークラジアルで組んだとすると、
スポークは上の図の赤の破線になります。

DSC00027amx.jpg
そのスポークの織り成す角度(上の図の青い角度)と
同じくらいになるように20インチのリムを組みたいのであれば
DSC00030amx.jpg
ハブフランジを内側に詰めればいいんですね。
これがシステマハブが小径車向きだという理由です。

DSC00031amx.jpg
その状態から700Cのリムを反ヌポークで組むと
前面投影面積的に最高の前輪(スポークドホイールとしては)が
出来ます。私の前輪はこれを狙ってのことです。


TniのAL300リムをヌポークラジアルで組むことを
オーダーしていただいてもいいですが、色々あってオススメはしません。
(不可能ではないです)
じゃあなんでエンヴェ45はヌポークで組んだんだと言われると
ここで書けないことなので困りますが・・・

今日は「ラジアル組みには2種類あるよ」という お話でした。

category: ヌポークの話

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全自動チェーン洗浄機 肩ロースソテー2号  

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全自動チェーン洗浄機、「肩ロースソテー2号」です。
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起動しました!チェーン洗浄中・・・
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ピカピカになりました。

category: のむラボ日記

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CMみたい  

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お客さんから缶コーヒーとコーラをいただきました。
そういえば この冷蔵庫も新品のいただきものです。

category: のむラボ日記

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コルナゴ CLX3.0 入荷!  

コルナゴのCLX3.0、入荷しました!
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箱で届く完成車は厳重な梱包がなされています。
これを解いて組んでいくのですが
DSC09963amx.jpg
キング・オブ・余計な親切、「バーテープが巻いてある」完成車はちょっと面倒です。
99%の確率ではがす必要があるのですが、
失敗するとバーテープを無駄にするからです。
DSC09964amx.jpg
それ以前に、仮組みされた状態自体が余計な親切ですね。
一旦ばらす分だけ二度手間ですが、
仮組みされててありがたいと思っている
お店もあるということでしょう。
DSC09965amx.jpg
バーテープをはがす理由はいろいろあって
レバーの位置がイケてない、レバーの高さが左右で違う、
バーテープの巻き方がイケてないなどありますが、
シフトアウターをハンドルバーに沿わせている変速レバーの場合
少なくともレバー部分までは剥く必要があります。
(理由は書きません)
今回は一旦 全てはがしました。
今ではカンパニョーロとスラムとシマノ、3社ともシフトアウターを
バーテープの下に巻き込んでいるので、出来れば仮組みの際にバーテープを
巻くのはやめてほしいのですが・・・。

DSC09967amx.jpg
で、やっと組めました。本当はこれが冒頭に持ってくるべき画像です。

DSC09969amx.jpg
パーツのことで個人的に「いいな」と思ったことを。
完成車に組み付けるサドルのブランドをプロロゴからセライタリアにスイッチしています。
私がセライタリア党なのでちょっとうれしいですね。
ピナレロがセライタリア、デローザがフィジークをここ15年以上
一貫して使っていますが、コルナゴはセラバッサーノからセラサンマルコ、
プロロゴにセライタリアと 提携サドルをよく替えています。

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ヘッドパーツのトップキャップが非常に薄っぺらいですが、
こういう形状は非常に私好みです。

category: 新着情報!

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のむラボホイール1号  

当店のオリジナルホイール、作りました!
DSC09940amx.jpg
リムはTniのAL300リムです。重量はカタログ値460g、
実測460~464g(今のところの最小値と最大値)です。
カタログ値どおりで かつ重量の個体差が非常に少ないのがポイントです。
今日の入荷分は461g、461g、462gでした。
3本まとめて1384gなので この3本の平均は461.3gです。

DSC09939amx.jpg
リムの穴数が20H、24H、28H、32Hという展開なので、
吊るしのホイールはフロント20H、リヤ24Hで組もうと考えていました。
が、24Hのリムの入荷が かなり遅れるとのことなので
まず20Hのフロントのみを組んで販売しています。

DSC09942amx.jpg
↑これがそれです。価格はあとで(実は先日書いてますが)。
前の記事は(→こちら
DSC09947amx.jpg
↑24Hのリムが待ちきれないので20Hでリヤを組みました。

DSC09950amx.jpg
リヤの反フリー側のスポーク交点を結線ハンダ付けしています。
これによって見かけ上のスポークの変形量の左右差をかなり近づけることができます。

DSC09941amx.jpg
↑これはハンダ付け前です。
ハンダにはスポークの交点を縛っておく力はありません。
スポークを固定しているのは あくまで鋼線です。
ハンダは鋼線がほつれないようにしているだけです。

DSC09948amx.jpg
Tniのリヤハブには スチールベアリングの「エボリューション」と
セラミックベアリングの「ウイング」の2種類がありますが、
エボリューションはややハイローフランジなので、
左側のスポークテンションを右側のテンションにかなり近付けられます。
結線ハンダ付け無しで右側のスポークテンションを同じにして
同じリムを 同じ組み方で組んだ場合、左側のスポークの張り具合が
全然違います。ホイールが回りだせば話は別ですが、静止した状態で
理論上 より優れているのはエボリューションの方です。
Tniのハブでホイールを組むときに、私に「エボの方が良い後輪が組めます」と
言われた方もたくさんいると思いますが、ハブの寸法形状がその理由です。

DSC09952amx.jpg
DSC09953amx.jpg
私の謎コスミックカーボンは実はウイングハブで組んでいるのですが、
やっぱり左がぬるいです。エボハブでもウイングハブ並みに回転するよう
チューンできるので、どうしてもセラミックがいい!というのでなければ
エボハブを強くオススメします。
ウイングハブを擁護しておくと、やはりセラミックベアリングなので
ノーメンテで使い続けた時の性能低下が低い
(初期性能の持続時間が長い)のは確かです。

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TniAL300リムにDTコンペティション2.0-1.8-2.0スポーク、
DTアルミニップルに前後ともTniエボリューションハブで組んでいます。
リム461gで前輪667g・後輪836gになりました!
リムの穴数や組み方をオーダーしてもらうことも可能です。
反フリー側の結線ハンダ付けは標準の仕様で、
ハンダ付け無しを選んでもらうこともできます。

この仕様で
前輪12000円・後輪17000円で販売します。
昨日書いたことですが、このホイールが10万円前後するアルミスポークの
特殊設計完組みホイールに対して、性能的に上位互換だとは思っていません。
しかし、売価29000円で こんなに軽くて走るホイールは なかなかないよ!
と思ってはいます。

参考までに(参考になるのかどうか)
シマノWH-9000-C24-CL 前輪 570g ¥44365
シマノWH-9000-C24-CL 後輪 794g ¥51877

シマノWH-RS80-A-C24 前輪 634g ¥33139
シマノWH-RS80-A-C24 後輪 870g ¥37371
↑重量での仮想ライバルはこのあたりです。

シマノWH-6700 前輪 695g ¥19035
シマノWH-6700 後輪 956g ¥22346

シマノWH-RS30Aブラック 前輪 846g  ¥12008
シマノWH-RS30Aブラック 後輪 1116g ¥14096
↑価格での仮想ライバルはこのあたりです。

category: のむラボホイール

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手組みホイールの限界  

私が たまにホイールのことについて長文を書くことがありますが、
それらを書き切ったら 「手組みホイール 対 完組みホイール」という
総括の話を書こうと思っていました。
今はその前振り段階ですが、多分まだ半分も書いてません。

しかし思うところがあるので、理論上の話は時間をみて進めつつも
先に総括の話を書くことにします。

DSC09915amx.jpg
結局、良いホイールというのは、踏んでより進むホイールのことです。
上死点からペダルを踏み込むと(上の図の1)、
リヤホイールが ガッ!と進む(上の図の2)わけですが、
1の入力が同じ力の大きさなのに、2の結果がホイールによって変わると
すれば、それはホイールの性能差そのものです。
あるパワーでペダルを上から踏んだ時に、ペダルのベアリングの内部抵抗、
クランクのたわみ、フレームのたわみ、BBの内部抵抗、
チェーンとチェーンリングの抵抗、チェーンの内部抵抗、
チェーンとスプロケットの抵抗、
リヤディレイラーのチェーンテンションを保つ力、スポークのたわみ、
他にもあるかも知れませんが そういう部分で少しづつ間引かれて
残った力がリヤホイールが地面を蹴る力になります。
タイヤの特性(接地面積やグリップなど)も大きな要素の一つですね。

そのうちの、ホイールの間引き分を理論上どうすれば
減らせられるかというのが普段の長文のテーマです。

上の図の2で示した力の多寡をホイールの反応性と呼ぶことにします。

DSC09916amx.jpg
その反応性を決める要素を考えてみました。
私の考えですが、剛性(厳密には縦剛性と横剛性に分かれる)・軽さ・空力特性・
左右のホイールバランスの4つに分かれると思います。
それをパラメータグラフで表すと、上の図のようになります。
上の図では あるホイールが4つの要素で
5点満点中すべて3点ということです。
それを結んだ赤い四角形の面積が大きいほど反応性の高いホイールと
言いたいのですが・・・
DSC09917amx.jpg
反応性に対する要素の大きさは平等ではありません。
最も軽視していいのはバランスです。
前輪はオチョコがないので元々左右のバランス差が無いですが、
後輪で左右のバランス差が大きいと 先日も書いた通り
左側だけシュータッチするホイールになります。
しかし、左のスポークテンションが多少ぬるくても、右側(フリー側)が
きっちり張ってあれば 実際はそれほど大きな問題ではありません。
(左にシュータッチさえしなければ)
上の図ではバランス以外の要素が3点、バランスのみ1点ですが、
DSC09918amx.jpg
これがバランス4点になったとしてもホイールの反応性には
大きく影響しない(そんなに面積が変わらない)ということです。
左右のスポークテンションが同じロードの後輪というのは基本的に存在しません。
バランスが5点というのは左右のスポークテンションが一緒のホイールだけに
与えられるものだと(私が勝手に決めたのですが)すれば、
私のWフリー リヤホイールは左右バランス5点ということになります。
しかしあれは剛性が自己採点で0.5点です(特に横剛性が弱い)。
反応性にとって重要なのは圧倒的に「剛性>バランス」なので、
バランスのために剛性を捨てては意味がありません。

DSC09919amx.jpg
DSC09921amx.jpg
もう一つ。状況によっても反応性に対する評価は変わります。
例えばホイールの空力性能に対する重要度は、ヒルクライムとトラックレースでは
全く異なります。軽さ4点・空力1点(例えばR-SYS)をトラックレースで使ったり
軽さ1点・空力4点(例えばコスミックカーボン)をヒルクライムで使うのは
適材適所でありません。
ここで大事なのは、
ホイールは 剛性が一番大事な要素
ということです。
例えヒルクライム専用の異常に軽いホイールであっても、
剛性が弱くては使えません。

DSC09923amx.jpg
で、「反応性の高いホイールを作る」ということだけを考えて
手組みホイールと完組みホイールの各要素について考えていきます。
まずはハブから。普通のハブは首折れスポーク用のフランジのものに
限られ、スポーク穴の間隔も等間隔であいたものしか ありません。
ハイローフランジのリヤハブもありますが、
あまりに極端な左右差のものはないです。

対して完組みホイールは、組み付けるリムを想定してフランジ形状を
専用ハブとして設計できますし、汎用性を捨てて かなり極端なデザインのものを
作ることができます。

DSC09924amx.jpg
つづいてスポークとニップル。
手組みホイールではいわゆる普通のスポークとニップルしか
使えませんが、完組みホイールでは材質からしてアルミやカーボンなど
特殊なものを使うことも出来ます。

手組みホイールのスポークはハブとリムが決まった状態から
組み方を変えることができ、黒くペイントしたスポークでない限り
結線ハンダ付けが可能です。

それが上の画像で赤い丸で囲った部分ですが、
これは手組みホイールが完組みホイールにたてつく上で、
数少ない有利な要素です。

DSC09926amx.jpg
最後にリム。完組みホイールではリムのスポーク穴位置を
自由に設定できます。
普通のリムでは 普通のハブと組み合わされる都合上
リムのスポーク穴も等間隔にあいたものしか ありません。

ここでは反応性がより高いホイールを作ることだけを考えているので、
普段の振れ取りがしやすいとか スポークの替えが入手しやすいなどの
「メンテナンス性能」はホイールの性能とは見なしていません。
「クロモリフレームには32Hや36Hのホイールを付けたほうが情緒がある」
などの審美性もどうでもいいです。

完組みホイールでもっとも有利な要素はストレートスポークです。
これにするだけで、首折れスポークではまず上げられないような
スポークテンションでホイールが組めるので、
ホイールの最重要要素の剛性も簡単に高く出来ます。

DSC09937amx.jpg
ホイールの結論ですが、実は「ライトウェイト買ってください」で終了です。
さっき書いたことと重複しますが、振れ取りのできるできないは
ホイールの反応性に関係ないので(ここでは)どうでもいいです。
あとはマヴィックのコスミックカーボンアルチメイトや
レイノルズのRZRシリーズなど、カーボンスポークのカーボンチューブラー
ホイールが多分最強のホイールです。
TTのときは後輪がディスクの方がいいだろ、とかごく限られた状況を除いては
これらのホイールより反応性が高いホイールはないでしょう。
手組みのホイールで、「ライトウェイトと同重量で より強い」または
「ライトウェイトと同剛性で より軽い」などの上位互換のホイールを
組むのは不可能(少なくとも私には)なので、これは専用設計ホイールの
極みであって、手組みホイールでは太刀打ちできません。

DSC09929amx.jpg
次に、40~50mmくらいのリム高のカーボンチューブラーホイールを
考えてみます。振れ取りできるので常用に耐えるし、価格も飛びぬけていない
ということで、実際に所有している人数はライトウェイトの比ではない多さです。
私のこの分野での仮想敵はカンパニョーロのボーラやジップの404などですが、
DSC09930amx.jpg
このクラスの場合、エンヴェの1-45のリムでホイールを組めば、
一長一短あるものの 遜色ない性能のものを組む自信があります。
縦剛性でやや劣り、外周部重量でやや勝るといった感じでしょうか。
乗り手の体重に応じて組み方やスポーク本数を調整できるという点でも
手組みの方が有利ですね。
ボーラワンが欲しいという人に、エンヴェにしときなさい、
とまでは言いませんが エンヴェが欲しいと言われたら、
「こっちを選んでよかった」と思ってもらえるようなホイールを組みます!
上の画像は実際にそういう風に私が組んだものです。

DSC09933amx.jpg
次にアルミのリムをアルミやカーボンのスポークで組んだ
WOのホイールについて。
WOのリムではマヴィック・オープンプロがオススメですが、
これをどう組んだところで、R-SYSより軽く組んだり
レーシングゼロより硬く組むことは出来ません。
(後者は厳密には可能ですが、レーシングゼロより重たくなります)

チューブラーはめんどくさいなあ、でも走るホイールが欲しい!という方には
私はフルクラムのレーシングゼロをオススメすることが多いです。

DSC09934amx.jpg
最後にアルミリムをスチールスポークで組んでいる
WOのホイールについて。
このクラスのホイールは、完成車に元々付いていることも多く、
手組みホイールとの違いはストレートスポークかどうかくらいです。
ものによっては首折れスポークだったりもします。
DSC09936amx.jpg
このクラスなら、Tniのアルミリムで「こっちの方がいいよ」と
オススメできるホイールを組む自信があります!
リムが届くのが明日なので、続報は明日!

DSC09935amx.jpg
↑スチールスポーク仕様であれば、完組みホイールに比肩する
手組みホイールが組める可能性があるということですね。

category: 手組み 対 完組み

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ひらめいた!  

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ひらめいた!

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だまされるな こいつは かれいだ

category: のむラボ日記

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シュパーブ再び  

先日のスギノの話と シュバーブのクランクの大敗北の話の続きです。
DSC09900amx.jpg
このシュパーブのクランク、
左右クランクのペダル取り付け面までの水平距離(を今後Qファクターと呼びます)が
136.5mmになる代わりに、チェーンラインが内に入りすぎて
フロントインナー×リヤロー側2枚が実質使用不能になるということで
あきらめたのが先日のこと。

Qファクターは シマノのFC-7900で148mmくらい、
スギノのOX801Dで145mmくらいになるのですが、
このシュパーブでインナー×ローを使おうとするなら机上計算で
142mmくらいになるということで断念。していたのですが、
何とかインナー×ローを使用可能にしつつQファクターを
138mmにすることができたので、やっぱりシュパーブにしました。

さらなるメリットは、BBの回転が非常に軽いことです。
フレームの外側にベアリングが出るタイプ(ホローテックIIタイプ)を
セラミックベアリングでカリカリにチューンしても
この軽さには届きません。

デメリットは、このQファクターにするレシピがサンツアーのシュパーブか
スギノのスーパーマイティーにほぼ限られることです(理由は秘密)。
私がやたらとスギノの昔のクランクを持っているのはこのためです。
PCD144mmの5アームなので、最小ギヤが42Tになります。
ヒルクライム向けではありません。

マイティーではなくシュパーブを使うのは こっちの方がカンパニョーロの
スーパーレコードを模倣したデザインでかっこいいと私が思っているからです。
今朝 朝練で元サンツアーの方にも美しいと言ってもらえました。

DSC09904amx.jpg
フロントメカは、10S用のレコードの羽根を削いだ物を使っています。
これについてちょっと注意点が。

DSC09905amx.jpg
チェーンのアウターリンクの間に見えているインナーリンク部分の幅
(上の図のA)より
DSC09907amx.jpg
削いだ羽根の縦幅(上の図のB)が細いと、
DSC09902amx.jpg
インナー×トップ辺りで
DSC09903amx.jpg
こういう風にチェーンがせり上がることがあります。
フロントメカを削る方はご注意ください
(そんな人はいないだろというツッコミは なしで)

FC-7800のときはせり上がりましたが、このクランクでは
インナーギヤの位置が内側すぎて これは起こりません。
そもそも私はインナー×トップ自体 変速調整のときにしか
かけないので問題ありません。

category: 新手のスタンド使い

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エスパーダができるまで  

競技自転車の機材というものを突き詰めて考えて、
その時点で最も進んだ素材・工法・理論を結集した究極の形態こそが
TTバイクという車種だと思います。
「究極」に制限を課すと 究極とは呼べなくなるだろということで、
せめてTTバイクだけは UCI規定から 前後異径ホイール(ファニーバイク)や
非ダイヤモンドフレームを解放してほしいな、
と私はずっと思っています。


先日お客さん(階級は少佐)と話をしていた時のこと。
ピナレロのTTバイク、エスパーダがフルカーボンバイクだと思っている
人が多いけど、あれは厳密にはカーボンバイクじゃないよ、と
私が言ったのですが なにぶんソースがないので後日ここで書くわと
いうことがあったので、今日はその話です。

DSC09862amx.jpg
で、これがそのソース?です。バイシクルクラブ2006年3月号付録、
ピナレロブランドヒストリーなる小冊子です。

DSC09869amx.jpg
まずはエスパーダの後継モデルとなるパリジーナから。
トップチューブレスのフレームなので、今の規定は通りません。
これはブレーキやディレイラーがついているので、ロードTTモデルです。
これは多分カーボンモノコック製法でしょう。

DSC09872amx.jpg
ウルリッヒが乗っていたというイメージが強いですね。
私の持っているピナレロのポスターでもウルリッヒが乗っています。

DSC09865amx.jpg
で、問題のエスパーダです。
これもブレーキとディレイラーが付いているので
ロードTTモデルです。
前輪が小さく見えるのは気のせいではなくて、
フロント26インチ・リヤ27インチのファニーバイクです。
(700Cチューブラーはイタリア人いわく28インチになります。
ヴィットリアのチューブラーは28インチ表記です。
700C=700mm、1インチ=25.4mmなので
700Cは約27.55インチなのですが、それを切り上げるか
切り捨てるかという解釈の違いです)

ミゲール・インデュラインと描かれたストレートフォークが
付いていますが、これについてもあとで触れます。

DSC09866amx.jpg
↑キャプションには思いっきりフルカーボンバイクとありますね。
あれ?

DSC09868amx.jpg
↑製作途中を見てもカーボンバイクっぽいですね。
あれ?
エスパーダはやっぱりカーボンバイクなのかも知れませんね(弱気)。

DSC09873amx.jpg
というわけでソースその2。イタリアの自転車競技専門誌「ビチスポルト」
1994年10月号の登場です。ジャンニ・ブーニョかっこいい!

DSC09874amx.jpg
この号ではミゲール・インデュラインのアワーレコード53.040kmについて
詳細に触れられています。

と、その前に。
DSC09876amx.jpg
シディの広告。

DSC09877amx.jpg
ピナレロの広告。

DSC09882amx.jpg
ナリーニの広告。

DSC09895amx.jpg
ヴィットリアの広告。

他の号は混ざってません。
とにかくインデュラインの出ているページの多いこと多いこと。

で、記事にいきます。
DSC09878amx.jpg
アワーレコード特集ですね。

DSC09879amx.jpg
右ページ下にあるのは
過去のアワーレコード達成者(メルクス以降)の
距離ごとにかかった時間を比較した表です。

DSC09881amx.jpg
左ページ中ほどの電光掲示板は、グレーム・オブリーとの比較です。
19km地点まではインデュラインの方が遅いのですが、
20km地点では逆転しています。

DSC09885amx.jpg
右ページ上の赤いシャツの人物はエディ・メルクスです。
その下でインデュラインが電話しています。
手術を拒む病気の少年に「僕がアワーレコードを達成したら君も勇気を出して
手術を受けるんだ」という約束をしていたわけではなく、
ドーピングコントロールの結果を聞いている最中です。

DSC09886amx.jpg
右のページも、ドーピング検査の結果待ちです。

DSC09889amx.jpg
インデュラインのバイクの秘密!的な解説です。
左から、「59Tのビッグギヤ!」
「ファイバーコンポジットサドル、セライタリア・イデア!」
「ストレートフォーク!」
「エアロヘルメット!」
「ITMのデルタバー!」といった感じです。

DSC09887amx.jpg
ピストモデルのエスパーダなのでパーツの点数が少なくて
究極的にシンプルです。
前後異径ホイールも非ダイヤモンドフレームも今の規定では使えないので、
2013年時点のTTバイクと比べても
こっちの方が理にかなっている要素が多々あります。


DSC09894amx.jpg
本題。エスパーダができるまで。
先ほどのバイシクルクラブの小冊子の状態よりもまだ前の段階です。
カーボン?の下にうっすら骨組みのようなものが見えますね。
ルックペダルが付いていますが、インデュラインはタイムペダルを愛好しています。
試作段階だから別に何でもいいのですが。
この画像で最もすごいのはフロントフォークです。
なにやら珍妙な形ですが、これはフォークブレードの
前面投影面積が最小になる形状なんです。

DSC09896amx.jpg
↑普通のフロントフォークはこんな感じですが、
DSC09898amx.jpg
↑前輪の真後ろまでクラウンが伸びているフォークの場合、こうなります。
エスパーダの完成品では なぜか普通のフォークになってます。
剛性的な問題かルールに抵触したか どちらかだと思われますが、どうなんでしょうか。

Ruegamer_Blackbird_concept_full_side_view.jpg
↑余談ですが、ルウゲーマー(と読むのでしょうか)というブランドの
コンセプトバイクに、同様のアイデアのフォークがあります。
エスパーダをぱくったわけではなく、賢い人間の考えることは結局同じ
というだけのことだと思いますが。

DSC09890amx.jpg
さらに時間をさかのぼります。
骨組みですね。エスパーダの場合、カーボン素材は剛性担保のためでなく
単なる風防に過ぎません。ホイールで言うとコスミックカーボンのようなものです。
これが私がエスパーダがフルカーボンフレームではないという理由です。

DSC09891amx.jpg
しかし逆にいうと、ここから あの何とも言えない有機的なデザインに
持っていってるわけで、しかもそれで実際にアワーレコードを記録したわけで・・・

エスパーダは TTバイクの歴史に残るモデルです。
後の時代のTTバイクのデザインに間違いなく影響を与えています。
こういう艶めかしさは今のフレームにはあまり見られないものですね。

もう一度書きますが、TTバイクだけでいいから
「何でもあり」になってほしいものです。

category: その他 機材の話

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お弁当  

お弁当を作れなかった日は、お弁当屋さんのを買うことが多いです。
街頭にパラソルを立てて サラリーマンのひと相手に手作り弁当を
売っているのが場所柄 非常に多いのですが、
私がよく買うところは ご飯+おかず+即席みそ汁で400円です。
DSC09790amx.jpg
で、先日おかず部分が チンジャオか、洋風幕の内か、豚しゃぶの中から
選べたので チンジャオ弁当にしたのですが、
売り子のおねーさんに「豚しゃぶのおかずが期限ギリギリなので
もしよかったら どうですか」と言われました。
一度は丁重に断ったのですが「タダですよ~」とさらに押されたので
ありがたく頂戴したのが上の状態です。
多い。
ごちそう様でした。先にサービスの豚しゃぶをいただいて、
チンジャオは ずっとあとに食べました。

DSC09861amx.jpg
今日はピーマンの塩コショウ炒めと玉子焼きです。
こんなんで十分です。

category: のむラボ日記

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スギノが本気出した  

今に始まったことではないのかもしれませんが、スギノが本気です。
と、その前に。
DSC09836amx.jpg
私の軽量バイクに付いている30数年前のマイティツアーのクランク、
これを使っている理由は「軽いから」です。
少なくとも7900デュラや現行スーパーレコードよりは軽くなります。
ストロングライトのプルションよりも軽いですし、ローターの3Dよりも軽いです。
さすがにTHMのクラビクラには負けますが、
その次くらいには軽いのではないでしょうか。

これには秘密があって、クランク自体も軽いのですが このクランクに合うBBを
非常に軽くできるので、BB込みのクランクセットで考えると
おおかたのクランクセットよりも軽くなるんです。

このフレームは1068g、バイク全体で4820gですが、
BB30や上下異径ヘッドのフレームに このバイクのクランクセットや
フォークをそのまま移植できるわけではないので、
例えばこれより300g軽いフレームに組み換えたとて
4520gのバイクが出来上がる、というわけではありません。

DSC09840amx.jpg
エアロマイティーというクランクがあります。

DSC09841amx.jpg
美しい・・・

DSC09842amx.jpg
こう美しいと、
ついつい集めてしまいますね。
(↑大丈夫です。同意は求めていません)

DSC09843amx.jpg
スーパーマイティーとシュパーブも
見ていて飽きないクランクです。
本当の見どころは右クランクの5アームの先端付近なんですが。

DSC09844amx.jpg
梨地加工された削ぎこみの端の仕上げがちょっと違うのがポイントです。

DSC09845amx.jpg
ピスト用のマイティーもいいですね。

DSC09847amx.jpg
5アームの先がカンパニョーロのスーパーレコードのように
くびれてますが、スーパーレコードよりも ややずんぐりとした
カーブになっています。

DSC09846amx.jpg
そりゃもうミュンヘンオリンピック(1972)で
金メダル2個獲るわ、という感じです。←意味不明

DSC09848amx.jpg
↑これはピスト用のスーパーマイティーですが
DSC09850amx.jpg
5アーム先端の外側が5ピン用の枕頭形状になっていることと
斜めにカットされた形状からして、5アームの内側にチェーンリングを
付ける為だけに特化したデザインになっています。
かっこよすぎです。

DSC09857amx.jpg
このギヤバッグに入っているのはサンツアー・シュパーブプロの
PCD130時代のチェーンリングですが
DSC09859amx.jpg
ゴールドは珍品らしいです。

以上、全く同意や共感を頂けないであろうスギノの話でした。


そろそろ本題です。
DSC09851amx.jpg
スギノのPE110Sというチェーンリングにアウターの42T
出ています。これはブラックですが、色も豊富に出しています。

DSC09852amx.jpg
この42T、前述のとおりアウターなんですね。
5ピンの枕頭加工を見れば確かにアウターギヤです。

DSC09853amx.jpg
で、すごいのは、42Tという小ささのためにチェーンリングの
抜き窓がないのですが、そこに変速ピンを打つという大胆な加工です。
名を捨てて実を取るというか、体裁よりも性能ということですね。
(といっても私にはこのピンが特別 不細工には見えません。しかし
前述のとおり 私はスギノに対しては ひいき目というか、
目が曇っているので 気にならないだけかもしれません)

DSC09855amx.jpg
「道」の加工も なかなかです!
変速の「道」に付いては昔の私の記事(→こちら)をどうぞ。

DSC09854amx.jpg
それが4ヵ所あります。いろんなメーカーのアウターギヤの裏を
見てきましたが、コンポメーカー以外のものでは出色の出来ですよ、これ。

category: その他 機材の話

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トラクション チェンジャー  

自転車は後輪駆動ですが、ロードバイクのタイヤは 対アスファルトの路面抵抗を
下げるというのが基本的な仕事になるので タイヤのノブを高くしません。
タイヤパターンといえばトレッドにミゾを彫りこむ程度です。
それぐらいになると タイヤの性能はパターンよりもコンパウンド(ゴムの材質)に
依存するということなのか、パターンなしのスリックタイヤを出しているメーカーも
多々あります。
しかしシクロクロスではそうはいかないですね。
DSC09809amx.jpg
↑例によって右側が進行方向です。
これは私が前輪に履いているパナレーサーのCGですが、
かすかに前後の区別があるものの、もし逆に履いたところでほとんど
パターンは変わりません(もちろん ちゃんとした方向で使いますが)。

DSC09807amx.jpg
↑こっちは後輪に履いているチャレンジのグリフォですが、
普通に考えるならば 写真右側が進行方向になるように履きます。

DSC09821amx.jpg
接地面の部分を拡大してみると・・・
DSC09824amx.jpg
こうなります。
DSC09826amx.jpg
これは泥を次々切っていく方向になるので
基本的にはこういう風に履きます。
ロードバイクのタイヤのミゾは水切り性能に期待してのことですが、
考え方は一緒です。

DSC09827amx.jpg
ところがMTBの場合は、こういう矢印型ノブのタイヤの場合、
リヤタイヤのみ逆にすることもあるんですね。
リヤを逆に履くと上の図で書いた青い線の部分が
熊手のように地面をひっかくように転がります。
トラクション(タイヤの駆動力を地面に伝える能力)が
より かかる方向になるということです。

DSC09829amx.jpg
↑マウンテンバイクで 路面が濡れている、落ち葉で覆われている、上り坂・・・
など、タイヤグリップが確保しづらい条件がいくつか重なると
クランクの回転が前にすっぽ抜けます。
正確には後輪の接地面で タイヤが地面を蹴らずに滑ってます。
ロードバイクでも冬場 道が凍結している登りで立ちこぎすると
よく起こります。
トラクション重視でタイヤを付けると これが起きにくくなりますが、
シクロクロスでは逆に履くことは基本的にありません。
が、私は逆に履くこともあります。

DSC09832amx.jpg
DSC09834amx.jpg
ロード用Wフリーなら ものの10秒ほどでタイヤの前後方向を変換できます。
タイヤを外して方向を入れかえ、空気を入れるのが いくら早くても
10秒そこらでは無理でしょう。
とWフリーの優位性をひとつ謳ってみるというオチでした。

category: 新手のスタンド使い

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Wコグの話  

今日はWコグのロードホイールについて。
私のバイクに付いている機材の中でも
ネタとして屈指のおいしさを誇ります(多分)。
写真撮らせてと言われることがよくあります。
DSC09804amx.jpg
↑これですね。シマノのフリーハブが左右ともに付いているホイールです。
寸法きっちりに作っているので、反転させてギヤ比を変えることができます。

このバイクはフロントギヤ46Tシングル、リヤスプロケットが
14-25Tと12-30Tの構成になっています。
「こんなん重いだけやろ」と言われることも多いですが、
実際にこういうものを作らないと分からないことが色々あったので、
これ自体の機材としての是非は問題ではありません。

まず分かったこと その1から。
14-25Tの側を普段よく使うのですが、そちら側を使っている場合
反対側のスプロケットは完全なお荷物です。
で、その12-30T(CS-4600・ティアグラグレード)は
カタログ値329g、実測324gもあるので相当に重いわけですが、
ハブ内周部にあるためなのか、300g超の重量増を感じることができません。
実際に右側だけ(フリー側だけというと、両方フリー側なので)に
スプロケットを付けて走った場合と 両側に付けた場合とを
その場ですぐに付け外しして比べても、はっきりとは分かりませんでした。
サイクロイド曲線の話のときに 走りの軽さは
ホイール外周部の軽さで決まると書きましたが、言い換えれば
内周部の多少の重量増はホイールの踏み出し軽さには
あまり影響しないということですね。

これがもし、リムに320ccの水を注入して ある程度の速度で
水がリムの内部の外側に張り付くとか、
1円玉10枚(10g)を各ニップル部分に張り付けるとか
(32Hなので320gになります)、外周部で320gも重量が増えれば
一発で分かります。リムの重さは50g違えば分かるくらいなので、
320gも重くなれば苦行そのものとなるでしょう。

ここで「昔ジャンニ・モッタがチューブに水を入れて練習していた」という
話を思い出した人は、相当 古参の自転車乗りです。

DSC08565amx.jpg
つづいて分かったこと その2です。
両側にフリーボディが付くという構造上 フランジ幅が異常に狭いのですが、
先日のホイールの左右バランスの話のとおり、これだけ狭いと横剛性が
めっちゃ弱いです。
DSC08563amx.jpg
そのことに後ろめたさを感じていたので、この時点ではWクロスで組んでいます。
上の写真、スポークの交差しているところで、
最後の交差部分だけでなく、そのひとつ前の交差部分でもスポークを編んでいます。
スポークの見かけ上の変形量をちょっとでも少なくしたかったからです。
あと、ひっくり返して使う可能性があるので、JIS組みです。

DSC08125amx.jpg
テンションをかける前は こんな感じです。
今はエアロスポークをWクロスせずに組む 組み方にしています。

DSC09794amx.jpg
分かったこと その3・・・の前に
一般にWコグと言われる トラックハブの場合について。
上の写真は固定ではなくフリーギヤなのですが、いずれにせよ
スプロケットの歯の位置がフレームのかなり内側にあります。
DSC09797amx.jpg
エンドも「正爪」と呼ばれる ホイールをほぼ真後ろに抜いて外すタイプになるので、
ホイールの着脱時に スプロケットがフレームと接触することはまずありません。

DSC09813amx.jpg
ところがWコグ20S(勝手に命名)の場合、
スプロケットの歯先がエンドすれすれまで存在します。
さらに、ロードバイクで一般的な「逆爪」にホイールをはめる場合、
リヤホイールをフレームに対して半身ずらししている瞬間があるんですね。
(リヤメカの部分にスプロケットをくぐらせてチェーンを引っ掛けるため)
そのとき、たいていのホイールには左にスプロケットが付いていない(笑)ので
気には留めなかったのですが、左側のトップギヤ近辺がフレームの左エンドに
ガリガリ当たってしまうんです。
第2弾として片側カンパニョーロ・片側シマノのホイールも考えていたのですが、
これのせいで却下になりました。
お店の変速調整用に作ろうと思っていたのですが、フレームに傷が付く可能性が
あるとあっては使えません。

以上、こういうハブを実際に作って初めて分かったこと
その1 ハブ周りが多少重たくても あまり実感できない
その2 横剛性がめっちゃ低い
その3 ホイールをはめる時 左側のスプロケットの歯先がフレームに当たる
でした。



作り方
DSC08580amx.jpg
これの場合は105のハブを2つ買って、
ちょうど真ん中で切って組み立てるだけ。です。
今考えれば、片側をシルバーのハブにすればよかったかなと思ってます。
組み立てるだけ、というのはちょっとウソで ある処理が必要です。
全てのハブに必要なことではないですが、このハブの場合は多分 必須です。
それが何か ここでは書きませんが、実際やってみれば
私と同じ道をたどることになるでしょう。
(誰もやらんわ、というツッコミはおいといて)
DSC08579amx.jpg
で、このハブ、左右のハブ体を接着や溶接などしていません。
ハブ単体では このように回ります。
DSC08557amx.jpg
DSC08559amx.jpg
キシリウムのフロントハブも、カーボンのハブ胴に対して
アルミのフランジが接着されていないんですね。
ホイールとして組んでしまえば リム側のスポーク穴の位相で
結局あるべき位置に納まりますし、スポーク張力で
フランジがハブ胴を挟む形になるのでOKということなのでしょう。

DSC08567amx.jpg
あと問題がもう一つ。両方フリーボディ側になるので、
ハブスパナでダブルナット固定ができません。
ということで これ専用のハブスパナを作りました
上の画像は普通のハブスパナです。これでは内側のナットに絶対かかりません。

DSC09816amx.jpg
↑これは私が作った簡単なグラフですが、
フロント50-34T、リヤ12-25Tのギヤの重さを表しています。
DSC09817amx.jpg
↑これは同様に52-39Tで11-23Tの場合です。
いろんな見方ができますが、例えば52Tの下から11枚目(ローギヤ)が
39Tの8枚目とほぼ同じ重さです。
ということは、このギヤの組み合わせの場合
インナー39Tでしか出せない軽さはロー側3枚ということになります。
などというように普段使っているのですが、
フロントギヤの組み合わせがどうあれ この線が交わることは決してありません。
スプロケットが1種類だからです。

DSC09819amx.jpg
で、私のシクロクロスではこうなります。
14-25Tと12-30Tなので、
「トップギヤが小さいのは12-30Tのほう、
ローギヤが大きいのも12-30Tのほう」という
奇妙な組み合わせになります。
これは実に無駄が多くて
DSC09820amx.jpg
↑赤い線で結んだ点同士は同じ重さになります。
5枚もかぶってます。
これは20Sと言いながら実質15S、
しかも20Tと21T、23Tと24Tなどは
同じような重さになるので
「20色入りの色鉛筆を買ったつもりが20本入りなだけで実際は15色、
その15色の中でも ほとんど同じような色が3組もある」
というかぶりっぷりです。
14-25Tを右側、12-30Tを左側として 厳密に少しづつ
軽い方へ変速しつつ、左右の反転も少なくなるように使うには
左1段目(12T)
左2段目(13T)
左3段目(14T)
左4段目(15T)
反転
右3段目(16T)
右4段目(17T)
右5段目(18T)
右6段目(19T)
右7段目(20T)
右8段目(21T)
右9段目(23T)
反転
左8段目(24T)
反転
右10段目(25T)
反転
左9段目(27T)
左10段目(30T)
とすれば15Sギヤとして使えますが、後半が1枚ごとに反転になるところが
連続して、これがレースならホイールの付け外しのタイムロスで
即終了ですね(右10段目の25Tを省けば多少ましにはなりますが)。

で、思ったのですが、
脚力とコースに合ったギヤレシオのスプロケットを右側だけに付けて、
左側にギヤを付けない代わりにハブフランジを出来るだけ外に広げると
横剛性アップかつ軽量化となって よりパフォーマンスの高いホイールになる
という結論に達しました。

category: 新手のスタンド使い

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フルクラム レーシング3 2013モデル 入荷!  

フルクラムのレーシング3が入荷しました!
DSC09677amx.jpg
完組みホイールの前輪は、やることがもう決まっています。
「ラジアル組みで硬く組む、その上で軽いに越したことはない。以上」です。

DSC09685amx.jpg
フルクラムの見どころは、このハイローフランジっぷりですね。
これが何をもたらすかは すでに書きました。

DSC09682amx.jpg
一番右側のスポークがヤマアラシさん方向に伸びています。
ハブフランジの大径化は、スプロケットを前に向かって強烈にねじった時の
ひずみに対しても強そうですね。
リムの硬さとスポークテンション以外で「このホイール、走る!」と
いう実感に関わるのは こういう部分の理論的な積み重ねだけです。

DSC09686amx.jpg
例によって 前後ともカスが出まくりでした。
切り子よりは ねじ止め材のカスの方が多いです。

category: 新着情報!

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リンクさせてもらいます  

私が 日ごろお世話になっている方々のブログをご紹介。
SILBSET新着情報

かめじろうロードバイク

鍋谷ストの日記
といっても、当ブログを知っている方は
こちらのブログを知らないことはまずないと思うのですが。

リンクの項目にも追加しておきますね。

category: のむラボ日記

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ホイールのスポークテンションの左右差の話 その1  

書く前に確実に言えること・・・
この話は長くなります。

あと、もう一つ。以下 リヤホイールの右側というとフリーボディのある側、
左側というとその反対側ということでお願いします。

ホイールのスポークテンションの左右差の話なのですが、
ホイールを前後方向から見た場合と 横方向から見た場合とで
各々書くことがあります。
今日は前後方向から見た場合の話を。
DSC09597amx.jpg
ハブフランジの左右の幅と高さが同じ、というハブで
ホイールを組んだ場合、左右の組み方も同じであれば
理論上スポークテンションも左右同じになるはずです。
ディスクブレーキのローターを取り付けたいとか
多段ギヤを取り付けたいとかいう事情のない
前輪ないし後輪であれば、左右のスポークテンションを
同じくすることは可能です。

DSC09598amx.jpg
ですが、ロードバイクの後輪の場合、進行方向に向かって右側に
たくさんの枚数のギヤを付ける必要があるので、
ハブフランジが内側に入ってしまいます。
こうなると右側のスポークは左側よりも立った角度になります。
この状態を「オチョコ」と呼びます(私の造語ではありません)。
横に向けてみると お猪口みたいだからですね。
英語圏では皿に見立てて「ディッシュ」と呼ぶようです。

DSC09602amx.jpg
スポークを引く方向が より垂直に近くなるほど張力の損失が少ないので、
スポークの角度が立っている側(右側・フリー側)のスポークテンションが
高くなります。
スポークのテンションの左右差が大きいということは実は結構な問題です。
あるリムの指定している限界スポークテンションが110kgだとします。
右側を限界ギリギリまで張った場合、左右の組み方やハブの寸法などで
左側が80kgになることもあれば 60kgにしかならないこともあります。

左側のスポークテンションが右側と違いすぎると、
スプリント時にもがいた時に 左側がシュータッチするような
リヤホイールになってしまいます。

DSC09603amx.jpg
では こういうリヤホイールはどうでしょうか。
これならスポークテンションの左右差はありません。
が、これはNGです。

フランジ幅を狭くすると劇的に横剛性が落ちます

理屈で言うと、弱い方に合わせているということになります。
ハブフランジの寸法というのはリヤホイールのスポークテンションにとって
非常に重要で、大げさな話ではなく ほんの数ミリ寸法が変わるだけで
スポークテンションの左右差に影響します。

DSC09774amx.jpg
↑これについては後日詳述しますが、
両側にフリーボディの付いている後輪です。
DSC09777amx.jpg
フランジ幅が異常に狭いので、横剛性が出せません。

DSC09783amx.jpg
そこまで極端でなくても、こういう例もあります。
先日ご紹介した私のチネリ・スーパーコルサ(→こちら)に使っているハブは
当時のレコード(ボスフリーギヤ)ですが、
オーバーロックナット寸法(リヤエンド幅)は126mmです。
当然、リムのセンターはエンドから63mmずつ離れています。

DSC09784amx.jpg
このホイールを130mmのフレームに使いたいと思ったら、
当然オーバーロックナット寸法を4mm長くする必要があるのですが、
右側をいじると 変速に問題が出てきます。
それに合わせて再調整する事も出来ますが、リヤだけでなくフロントの変速も
要調整になります(インナー×ローのチェーン位置が変わるので)。
また、もともと130mm幅になっているリヤハブで 同じボスフリーを付けた
ホイールと入れ替えても、ギヤ位置が違うため そのままでは使えません。

で、そういう問題が起こらないよう
左側に4mm分 ハブシャフトのスペーサーを足すのですが、
こうすると上の図にあるとおり、リムのセンターが狂います。

DSC09785amx.jpg
そこで新しいセンター位置に リムを持っていくわけですが、
(この程度ならスポークそのものの交換なしで出来ます)
DSC09786amx.jpg
センターを出しなおす量は 左に足したスペーサーの半量になります。
この場合は4mmの半分なので2mmです。
こうすることで、右のスポークの角度が立っている→かすかに寝る
左のスポークの角度が寝ている→かすかに立つ となるわけですが、
たったこれだけのことで、左右のスポークテンション差が
少なくなるのが分かります。
理論上そうなるというだけではなく、実感として分かります。
これは後述するオフセットリムの考えにも通じます。

DSC09608amx.jpg
左の横剛性確保のために、
たとえ左右のスポークテンションの
バランスが悪くなろうとも、
左フランジ幅は絶対に狭くするべきではない

というのがほとんどの完組みホイールメーカーの基本方針のようです。
要は、「ひどいオチョコ」のままで なんとか左右のテンションバランスを
均等に近づけたいのです。
そこで、リムへのスポークの入射角(上の図の角度)を
何とか左右で近くする方法を考えてみたいと思います。

DSC09609amx.jpg
その方法の1つがハイローフランジです。
上の図では右フランジの高さだけを大きくしてみました。
実際にはこんな極端なハイローフランジはないですが、
スポークの角度が均等に近づくのはイメージしていただけると思います。
スポークの角度が左右同じになったとしても 長さは違いますから、
スポークテンションの左右差はこれで埋まったりはしませんが、
それでもかなり ましになります。

DSC09672amx.jpg
ハイローフランジの有効性は昔から分かっていたことで、
DSC09676amx.jpg
DSC09675amx.jpg
DSC09673amx.jpg
↑カンパニョーロもこういうハブを出してました。

DSC09612amx.jpg
もう1つの方法がオフセットリムです。
リムのスポーク穴を左に振ることによって、
右側のスポークをちょっとでも寝かせ、左のスポークをちょっとでも立たせることによって
スポークの入射角を均一に近づけようという試みです。
先ほどのハイローフランジと併用することも可能なので、
実際にオフセットリムかつハイローフランジでデザインされた
完組みリヤホイールは多いです。ある程度以上のディープリムになると
左スポークのニップルの振り角度がきつくなるからなのか、
「ディープリムでオフセットリム」というのはあまり見かけません。

DSC09688amx.jpg
↑これはマヴィックのコスミックカーボン アルチメイトですが、
フロントリムは当然オフセットしていません。
DSC09689amx.jpg
↑ところがリヤリムはオフセットリムなんですね。
バルブ穴の周りの形状を見れば分かりやすいです。
実はこれ、結構すごいことなんです。
リム側にニップルという概念がないので出来ることなのでしょう。

DSC09617amx.jpg
シマノの7900系の完組みホイールでは、24mmリム高のモデルは
オフセットリムになっています。

DSC09619amx.jpg
C35とC50はディープリムなのでオフセットリムではないのですが、
違う問題があります。なぜかリムが高くなると左フランジ幅を狭くしているんですね。
さっき大きな字で2度書いたことですが、左フランジは狭くしたらダメなんです。
特にC50、「もがくと左にたわむ」という声を実際にけっこう聞きます。

DSC09624amx.jpg
↑「フランジが狭くなりつつ リムが高くなるので、結果的にスポークの角度が
一緒くらいになるからいいや」と思ったのかもしれませんね。

20120317112925cf2.jpg
↑実際の写真では、これがC24のリヤハブで
20120317112922fee.jpg
↑これがC50のリヤハブです。
左ダストキャップと左フランジの位置関係を見れば
分かりやすいでしょうか。こんなにフランジを内側に詰めると
横剛性がガタ落ちです。
私のWフリー リヤハブに剛性的な意味で 理論上かなり近づく形になります。
いや、近づいたらダメなんですが。

で、ここで思うのは「C24のハブでC50のリムを組めないのか?」と
いう疑問です。わざわざハブの寸法を変えているのですから、
左ニップルの振り角度問題と合わせて「無理」というのがシマノの
結論のようです。
DSC09788amx.jpg
WH-9000では、
C24だけでなくC35もC50も、
果てはC75まで 左フランジを
広くしたハブで組んでいますが

おーい!無理なんじゃなかったのかー

これを読む限り、WH-7900のC35とC50は「低い安定性」ということですね。
↑私が言ってるのではないですよ。
私はWH-7900のリヤハブ寸法のことをシマノさんのテクニカルセミナーで
突っ込んだことがあるのですが、その時は「これが我が社の最適解」みたいなことを
言ってたのに・・・
私が言ったから変わったとは思いません。
こんなん当たり前のことなので。

後日書きますが、左右のスポーク数の割合を変えることでも
スポークテンションの左右差は変えられます。
WH-9000系列ではそれも採用しているので、
ディープリムでも左フランジが広いままでいけると踏んだのでしょう。

そこで私が思うことは、「カンパニョーロのボーラG3って
10年進んだホイールだったんだ」ということです。

category: スポークテンションの話

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リムを振ってみよう  

今日はリムを振ってみようという話です。
DSC09561amx.jpg
DSC09562amx.jpg
例を出すうえで 別にこれである必要はないのですが、
上の写真のリムはアラヤ・チタエースというリムで、
その名の通りチタン製です。
このリム、ハトメ(アイレット)がリムの内側から外側まで
貫通している(いわゆる両ハトメ)なので、
バルブ穴以外に リム内部と外との出入り口がありません

こういうリムは、製造工程でリム内部に
切削カスなどが残ってしまうことが多々あります。
リムを持って 前後に振ってやると残留物がリム内部でカラカラ動いているのが分かる
ことも多いので、なんとかバルブ穴まで誘導して取り出した方が
精神衛生上 好ましいですね。

DSC09565amx.jpg
↑リム内側

DSC09566amx.jpg
↑リム外側
バルブ穴以外にリムに穴があいていません。

DSC09564amx.jpg
で、ハトメを避けてバルブ穴に誘導して取り出したカスがこれです。
ドリル加工時に出る「切り子」です。
この場合チタンなので 捨てるのがなんとなく惜しい気が(笑)。

こういうカス入りのリムのホイールで 実際に走ったところで
異音がしたという例は(少なくとも私の知る限りでは)ないですが、
取っておくにこしたことはありません。

最近のカンパニョーロ・フルクラム・マヴィックなどの
ハイエンドアルミリムホイールも、ホイールの状態では
バルブ穴以外に穴がない仕様です。
これらのホイールも、出荷時には かなりの高確率でカスが入っています。
上の写真のような長い切り子ではなく、
爪切りで切った爪のような 三日月形のアルミの切り子と、
スポークのねじ山に塗布している ゆるみ止めが剥落したカスが
けっこうポロポロ出てきます。

タイヤを外した状態でバルブ穴を下にしてリムを前後に振れば
簡単に取れますので、気になる方はお試しください。


全くの余談ですが
昔のカンパニョーロのシャマルホイール(ディープリムのモデル)で
走っていたら、福引のガラガラ抽選箱みたいな音がリムからするので
タイヤを外して見てみると ニップルが1個リムの中で余っていました。
ニップルはすべてのスポークにきっちり付いていたので、
ホイール組みの際にリムの中に落としたのを回収せずに
そのままニップルを追加して組んだ結果ということで間違いないです。
さすがにそのサイズだと走行中に音がします。

category: ホイールの話

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