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のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

リムセメントのススメ  

遅れに遅れてすみません。
リムセメントかリムテープか(→こちら)の続きです。
リムセメントの基本的な取り扱いについて書きます。
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おうちに こういうスタンドがある方は、前輪でもリヤ用のクイックをはめて
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こういう状態にすると作業が楽です。
リムセメントが床に垂れると困るので、
新聞紙などを敷くことを強くオススメします。
ペルシャじゅうたんに垂れても知りませんよ。

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ハケ付き缶入りリムセメントのハケ先を、
口の部分で拭うのはやめた方がいいです。

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ねじ山の部分にリムセメントが付くと・・・。

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次回以降プライヤーで開けるはめになります。

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ハケ先にたくさん乗ったリムセメントをきれいに切る
正しい?作法は「ハケ先をクルクル回す」です。
ハチミツをイメージしてください。
とにかくねじ山にセメントを垂らさないことが重要です。

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↑ハケの根元の部分にも ねじ山があります。
シャフトを水平以下に倒すと シャフトを伝ってフタのねじ山まで
セメントが流れてきます。これにも注意してください。

本当に「基本的な取り扱いについて」です。
まだフタを開けただけですから。

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まずはベッドを作ります。必須の作業ではありませんが、
リムセメントに挑戦するなら作った方がいいです。
厚めに塗ることを心がけて、乾燥させます。
セメントに触って糸を引いたり指に付くようであれば乾いていません。
触ってもネチネチした感触がするだけで
指のほうにセメントが付かない程度まで乾かしてください。

リムサイド(ブレーキゾーン)にセメントが付いたままにすると
ブレーキのときにキュキュッー!と異音がする原因になりますので
パーツクリーナーなどできれいに拭き取ってください。
なまじ乾いていない状態で取るのではなく
指で丸められるくらい乾いてから取る方が楽ですが、
その際も最後にはリムを拭き取った方がいいです。

これを何度か繰り返します。2~3回でいいです。
リムを過度に暖めないのであればドライヤーを使ってもいいです。
ベッドは作ったあと数日置いた方がいいですが、
急ぎであればその日のうちにタイヤを貼ってもかまいません。

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TUFOのタイヤなど一部例外もありますが、
大抵のチューブラータイヤはリムにはめずに空気を入れると横を向きます。
タイヤのフンドシが真上を向くところまで空気を入れてください。

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それ以上入れると反転します。

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接着力を高めるためにタイヤ側にもリムセメントを塗った方がいいです。
上級者向けのテクニックとして、
「過分にリムに貼りつかれると いざ剥がすときに難儀するので あえて甘めに貼る」
というのがありますが、私個人のであればともかく 仕事としてはタイヤにも塗ります。

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タイヤ側に塗るのは1回で十分です。
また、リムセメント派の方は出先でパンクしたときにリムセメントを
使わずにスペアタイヤを貼る
のですが、
そのためにはフンドシに適当にリムセメントが付いている必要があります。
スペアタイヤはパンクしていない使い古しのタイヤでもいいのですが、
新品のタイヤのフンドシにリムセメントを塗って乾かした
「生まれつきスペアタイヤ」を作ることもあります。

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タイヤの貼り方について。ベッドの有無はともかく
リムの上 全面にセメントを塗ります。
指で触ってもネチネチするだけで糸を引かない程度まで乾かします。
完全に乾かしてはいけません。
この時間は季節(というより気温)によっても変わりますが
15分前後でしょうか。

で、乾ききらないうちにタイヤを貼ります。
ただリムの上に乗せただけでは上の画像のようにセンターが出ていません。
上の2つの画像は同じ位置の左右を撮っています。
タイヤがまっすぐ入っていません。

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1気圧くらい空気を入れ、センター出しをします。
タイヤを持ち上げてまっすぐに収め直すという作業です。
ここでもたついて セメントが乾いてしまうとアウトです。
リムテープのいいところは この段階でいくら時間をかけてもいいという点ですね。

目安としてはフンドシの見え具合を左右均等かつ
同じ側の全周で均等になるようにすることです。
余程の高級タイヤでないかぎり 完全なセンター出しは望めませんので
(特にバルブの根元)、あまり神経質に追い込みすぎる必要はありません。
もちろん、タイヤがあまりにユラユラしているようではダメですが。

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はまりました。

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余談ですが、コンチネンタルのハイエンドモデルは非常に内径が小さいです。
私はストレッチャーYなるタイヤ伸ばし機でストレッチして広げますが、
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ストレッチ前と後で、
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こっちを揃えると、
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反対側でこれくらい違ってきます。
ストレッチャーYが おうちになくてコンチネンタルのタイヤがはまらないという方は
最寄りの自転車屋さんでタイヤを伸ばしてもらった方がいいかもしれません。

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スペアタイヤについて。
バルブ穴の反対側からタイヤを平たく伸していきます。
伸した部分から空気を追い出すイメージです。

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追い出して 寄せた空気をバルブを適宜押して抜いていきます。

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↑こういう、おなかとせなかがぺったんこな状態を作ってください。

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それをバルブ部分から折っていきます。

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これは使い古しのタイヤですが、一折り目はフンドシ同士が接触し、
二折り目からはフンドシとトレッドが接触する格好になります。
このときフンドシにセメントがついていても
乾いていればくっついたりはしません。大丈夫です。
しかしそれでも出先でパンクしたときにセメントの塗り直し無しで
貼っても そうそうは剥がれたりしません。

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折っていった最後が
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こういう風にツライチになればいいのですが、
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巻き取るには半端な量だけ出るようであれば巻き直しです。
タイヤの太さと折り返しの長さでスペアタイヤの外径が決まりますが、
ボトルケージ用の巻き径や サドルの後ろ用の巻き径など
最適なサイズになるよう何度も試してみてください。

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↑これはヴェロフレックスのセルヴィツィオコルセなので
かなり細身ですが、サドルの後ろ用の巻き方です。

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これをトゥストラップでサドルレールに縛り付けます。

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↑これはTUFOのタイヤですが、ジャージのポケットに入れる用のたたみ方です。
これも小さくまとまるタイヤなので、あまり参考にならないかもしれません。

前回の記事にいただいたコメントについてお答えしておきます。
MTBの29erのチューブラーでもセメントのほうがいいのですか?と
いうコメントをいただきました。
シクロクロスでは泥などの水分でリムテープがふやけて
タイヤがずれたり 最悪外れたりという事例が頻発しています。
なのでトラブルを防ぐならセメント一択です。
MTBでも同様か それ以上に厳しい条件だと思われますので、
セメントの方がいいのではないかと思います。
ところでこのコメントを下さった方は外国に在住だそうで・・・。
「追伸:最近私の近所で鳥インフルエンザが流行っているのですが、
御社のエヘン虫様のご親戚でしょうか?
受け流し特性の高いヒトになりたいので
西の方に向かって蟹光線を照射して下さい!!」(原文ママ)
というコメントもいただいています。

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↑エヘン虫と鳥インフルエンザは上の画像のように全く異なる生き物です。

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あと、鳥インフルエンザに効くかどうかは不明ですが、
蟹光線を西のほうに向かってフルパワーで照射しておきました。
届きますように。


つづいて、
私がパナレーサーのリムセメントをオススメする理由について
質問をいただいたのでお答えします。
パナレーサーのリムセメントですが、リムセメント全般で見ると
かなりの速乾性になります。
他社のリムセメントの多くは冒頭で触れた乾燥時間などが
パナレーサーよりも長いものが多いと思います。

パナレーサーのリムセメントは貼ってから数時間でも使えます。
(メーカーでは24時間以上で最大接着力になると言っています
のでオススメはしません)

乾燥時間による接着力が経験上 読めて、
かつ しっかり付くという実績があるので
私はパナレーサーをオススメしています。
コンチネンタルでは熱ひずみに強く カーボンの表面に適しているという
カーボンリム用のリムセメントもありますが、
とりあえずパナレーサーのリムセメントでしっかり下地を作れば
カーボンリムにおいてもトラブルは特にありません。

あと、質問ばかりで 当店で物を買わないのは
気が引けるということですが、全然気にしないでください。

追記:
缶入りではなくチューブ入りのリムセメントを使う方へ。
チューブからリムに出したリムセメントを、
サランラップ(←商標)を巻いた指で延ばすと作業が楽です。

追記その2:
ちゃんと下地から作ったとして、シーズン前に新品のタイヤを貼れば
パンクしなかった場合少なくとも1年間は十分使えます。
(リムセメントの接着が怪しくなって貼り直しを要する、ということは無いです)

追記その3:
「読んでみたけど 思ったほど面倒くさくないというほどではなさそう」という
コメントをいただきましたが、現状 チューブラータイヤを使う動機が
「カーボンリムの導入・購入にあたって実質ほぼすべてが
チューブラーなので仕方なく」という方が多いかと思われます。
私としては「ロードバイクは基本的にチューブラー」という、
1996年以前の完組みホイールが無い時代からの自転車乗りですから
(当時からWOもそれなりに多かったのは付記しておきます)
チューブラーに対して「面倒くさい」という思いは特にありません。
出先でパンクした場合WOとテープ派のチューブラーとセメント派のチューブラー、
この3つのうちパンクした瞬間から再発進に至るまでに要する時間が
最短で済むのはおそらくセメント派のチューブラーです。
「剥がれはしないけど 剥がしやすい強度で調整して貼っている」
のであればなおさらです。
ただ、持っている本数以上にパンクするとアウトなのは怖いですね。
私はチューブラーのときはサドルの裏と ジャージのポケットに各1本の
計2本持つようにしていますが、1日3回パンクするとアウトです。
で、1日3回パンクしたことはあります。
スペアタイヤが 決戦タイヤの退役お下がりだったのですが、
それの摩耗がそもそも激しくてスペアとして弱かったためです。

例えば10人で連れ立って走るとして、
スペアのチューブラーが合計何本あるかというのは大事です。
私は2本持っているとして、10人集まれば・・・
10人の合計が2本でチューブラーは私だけ
という不遇の時代もありました。悲しい つるかめ算です。
が、最近はカーボンホイールを常用する方も多いので
10人いて全員WOというのも逆にないくらいです。
ある1日に1人が3回パンクすることはあっても
10人が30回パンクすることはないですから、
それなりの人数がいればスペアは2本要らないかもしれません。
前述の3回パンクした日は 人にタイヤを借りました。
普段は私が貸すことが多いです。
WOであればスペアチューブにパッチがあれば
タイヤカットとバーストでない限り出先でも修理が出来ますね。
その点については安心です。

チューブラーの場合はパンクの事案がタイヤカットだろうが
タイヤにまだ異物が刺さったままだろうがゴミ箱に直行が基本です。
この「パンクの原因を特定しなくても良い」というのが
チューブラーのタイヤ交換が早く済む理由でもあります。
あっ、でも家に帰ればスペアタイヤのままか新品に換えるか
いずれにしてもセメントでの貼り直しは必要ですね。
結局は慣れの問題ということですが、チューブラーはWOよりも
習熟を要するのは確かです。だからこうして啓蒙しているのですが。

category: その他 機材の話

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お持ち込みのリムとハブでホイールを組みました  

今日もホイー(以下略)。
お客さんお持ち込みのリムとハブでホイールを組みました。
「他府県から来ている人の特権、即興組みでお願いします(笑)」
言われましたが、
そんなサービスはありません。
しかし、事前にアポがあったので即興組みでお渡しはしました。
スポークの数がギリギリでヤバかったです。
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謎のローハイトカーボンリム(めちゃ軽い)で前後ホイールを組みます。
まずは前輪から。

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反ヌポークラジアル組みにしました。

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どこかで見たことがある気がするハブですね。
流行っているんでしょうか。

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つづいて後輪です。

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前後ともフルCX-RAYで、後輪はヨンロク組み結線ありです。

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ハブはフロントと同じメーカーのものです。
オチョコがきつめですが、フランジ幅が広めでハイローフランジなので
条件的にはそれほど悪いハブではありません。むしろいい方です。

別件でパワータップのホイールの組み換えと
パワータップのホイールの組み立てをお預かりしましたが、
反フリー側用のスポークが在庫切れになりました。
急いで補充します。

category: のむラボ日記

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600アルテグラのSTIを分解しました  

世界初のSTIレバーである7400系デュラエースの時代のアルテグラ、
「600アルテグラ」のSTIレバーを分解しました。
レバー操作時にスカりが出て
ワイヤーを巻き取らないという症状が出ていたためです。
現行モデルほどブラックボックスではないので、
部品の交換を要さない修理は可能です。
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長い間乗らなかった場合に、グリスが固まって
ラチェットの爪が動かなくなることがあります。
日々乗っているバイクではむしろ起きない症状です。
グリスをオイルかパーツクリーナーでやわらかくしつつ
ラチェットの爪をドライバーの先か 千枚通しで何度も起こしてやると、
正常に機能するようになります。
ひと昔前のMTBのシフターでも同じ症状が出ます。
特に冬場に多いので、グリスの固さと気温は関係があります。

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↑ピーナッツバターみたいな固さになっていますが、
完全防水ではないSTIの内部で流れずに残っているというのも
ひとつの性能です。これを洗い流すと、
次に差すグリスを何にするかが難しかったりします。

現行のSTIはこの症状が極端に出にくいですが、
もしダメな場合はアタマグミ(専門用語でレバー体の部分のこと)を
まるごと交換してください。

category: のむラボ日記

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お客さん持ち込みのステッカーを貼りました  

先日組み換えたホイールで「まだ作業がある」と書いていたホイールの件です。
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お客さんがステッカーをお持ち込みされたので貼りました。
精度といい 糊の強さといい かなり良くできています。
貼りつけには相当 神経を使いました。

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私にはこんな器用な真似は出来ませんので、
「同じのが欲しい!」というご要望には残念ながらお答えできません。

category: のむラボ日記

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カンパニョーロのオメガを組みました  

今日もホイー(以下略)。
今日は営業時間中にホイールを組めなかったので残業です。
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リムはカンパニョーロのオメガです。
文字が読めるという意味では上の画像の方向が正方向ということになりますが、
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同じ側から見たカンパニョーロのロゴは逆になります。
これには理由があります。

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ハブはヴェローチェです。
カンパニョーロのすごいところは、
下位グレードのハブでも回転がスムースだという点ですね。
このハブより高価なハブでも、これより回転のしぶいハブはいくらでもあります。

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組めました。32H6本組みという普通のホイールです。

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↑ハブに移りこんだスポークがきれいです。
イタリアン組みなのとハブのロゴの方向から
画像右側が進行方向になるのですが、
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オメガの表記をホイールの下側で正方向になるようにすると、
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カンパニョーロのロゴが上側のとき正方向で読めるという状態になります。
これのために一見ロゴが逆になっているように見えるんですね。

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小さい字ですが、MadeInItalyの表記も正方向で読めます。
これらの画像はすべて進行方向の右側から撮っています。
なので「オメガの表記が右側から正方向で読めるように」が多分 正解の方向です。
逆にすると「カンパニョーロが下のとき オメガが上でどちらも正方向で読める」に
なるのですが、MadeInItalyの表記が逆になります。
ホイールの性能には全く関係ない話ですが、
これを逆に組むと何となく締まらない見た目になる気がします。

category: のむラボ日記

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訂正  

ひとつ前の記事で「リムが低いほどスポークが寝る」と
書きましたが、「リムが低いほどスポークが立つ」の間違いでした。
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数件ツッコミをいただきました。
みなさん よく読んでおられる。
すいません 訂正しておきます。

category: のむラボ日記

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紺屋の七人 一人目と二人目  

いろんなお仕事をいただいていて納期に圧殺されそうですが、
紺屋の七人も組んでいかねばなりません。
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お客さんのほうでフランジ幅の広いフロントハブをお持ち込みいただきました。
いや、広すぎるやろ(ノリツッコミ)。
オーバーロックナット寸法100mm中、約86mmがフランジ幅という
驚異のフロントハブです。どこで見つけてくるんだ こんなん。

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リムはキンリンXR200の20Hと24Hです。
なのでフロントは20Hで組みます。

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組めました。
ふざけた組み方を除いて 組み方については一任されていたのですが、
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ヌポークラジアル組みの欲望を抑えられませんでした。

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うーんヤバイ。フォークによっては干渉するな これは。
ピナレロのONDAフォークで干渉するのは確認済みです。
フォークエンド付近が肉厚なモデルは厳しい気がします。
もし お客さんのバイクに合わないなら組み直しをします。
XR200はローハイトリムですが、昔のチューブラーのパイプリムを除いては
かなり リム高が低い部類となります。
なので スポークの左右方向の角度がかなり立つことになります。
私が過去組んだホイールの中でも 特にスポークが立っている前輪です。
横剛性はフランジ幅に依存する要素です。
スポークテンションによっても調整は出来ますが、それをリムの上限まで上げたとすると
結局はフランジ幅で横剛性が決まります。
その点では これ、最高のハブなのかもしれません。

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後輪も組みました。

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ノヴァテックのハブです。紺屋の七人中 後輪は3つ組むことになるのですが、
そのどれもがフリー側コンペ 反フリー側CX-RAYをご希望です。

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タイムアタック  

今日もホイー(以下略)。
今日もパワータップのホイールを組みました。
他府県から来てくださったお客さんだったのですが、
以前にも私にホイール組みをお願いしてくださった経緯もあり
大阪に来たついでに寄ってくださいました。
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いや、パワータップといっても前輪なんですけど(笑)。
お客さんとしては「2週間後に来れたら来ます」と預けるつもりだったのですが、
私のほうで「40分ください」ということで即興組みをお願いしました。

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ちょうど25分で組めました。
早く組むにあたって良い条件がそろっていたので助かりました。
・前輪(センター出しが容易)
・エアロスポーク(ニップル調整時のスポークの共回りを抑えられる)
・スポーク数が20本(スポークが多いと時間がかかるのは確かですが、
 かといって16Hくらいになると 縦振れの追い込みがシビアになり時間がかかります。
 そういう点では 20H・24Hあたりがもっとも組みやすい穴数です)
・リムの精度が良い(仮組み時の「だいたい組めている具合」が違ってきます)

でも、この記事を見たからと言って
当店で即興組みを頼んだときに
「おいテメー25分で前輪 組めるんじゃねーのか」
といじめるのはやめてください(笑)。

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このハブ、単純な構造ですが滑らかさと堅牢さについては非常に良さそうです。
ちょっとバレになりますが、お客さんは四国の方です。

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徳島うどんをいただきました。
お気遣いすみません。

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うわー多い。と思っていたら
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箱が深くて想像以上に入っています。
しばらく うどんデイズを楽しみます。
ありがとうございました。

category: のむラボ日記

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紺屋の七人  

このブログにたどり着いた来歴によっては誰のものかバレバレかもしれませんが、
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ある方から リムを6本とホイールを1つ、
計7つのホイール組みと調整をお願いされています。
いやー 急がないといけません。

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紺屋の七人は誤変換ではなく、
いつも通りのスベリ気味のネタです。気にしないでください。

category: のむラボ日記

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のむラボホイール2号を組みました  

休みの日ですが今日もホイー(以下略)。
のむラボホイール2号のフロント18H・リヤ24Hの
当店リム在庫最終分を組みました。
リムの再入荷まで一旦お休みです。
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7700の18Hエアロスリット穴仕様を
お持ち込みしてもらいました。
うーん、あるところにはあるんだ このハブ。

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組みました。
スポークはあえてのCXです。

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体重が50kg台なのでCX-RAYでも十分いけるのですが、
前輪をガシガシいじめても びくともしない感触が欲しかったので
CXで組んでいます。いや、エアロスリット穴のデュラエースのハブで
CX-RAYもどうかと思ったのもあるのですが。
これを使う方がショート中心のトライアスリートでもありますので
今回はこうしましたが、ロング中心の方であればCX-RAYにしたと思います。
(CXで組むと本当に硬く組めるので過剰剛性が怖いくらいです)
このあたりの さじ加減は手組みのいいところですね。

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後輪も組みました。

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ハブは 11S化を見越して9000にしました。
フリー側コンペ反フリー側CX-RAYです。結線はする予定です。

リムセメントでタイヤを貼る予定なので、
「リムセメントはこわくないよ!めんどくさくもないよ!」という記事を
多分書くと思います。思うだけなので 乞うご期待とは言えません。

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コンチネンタルはじめました  

コンチネンタルのタイヤの取り扱いを始めました。
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当店は「ホイールをよく組んだり売ったりしているくせに
タイヤの在庫が全然無い」というご指摘をよく頂いていましたが、
コンチネンタルを中心に扱うつもりだったので
今日の今日まで積極的にタイヤの在庫を置かなかったのです。
いやー長かった。当店のオープンのときから
コンチネンタルの取り扱いをしたかったのです。
奇しくも、当店に取り付け希望でお持ち込みされる
タイヤのほとんどが なぜかコンチネンタルです。
チューブラーの場合は「この 内径が小さいタイヤを張ってくれ」と
いう意味もあるのでしょうが、
WOタイヤのグランプリ4000Sの
お持ち込み率の高さはそれでは説明がつきません。
これらのタイヤの長所と短所については後日書きます。
今からホイール組むので。
あと、コメントのお返事が溜まっています。
暇を見て書きたいのですが、最近なかなか暇がありません。

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風が吹けば桶屋が  

最近パワータップのハブの組み立て、組み換えが多いのですが、
新規に組む分に関しては5月1日以降のパワータップの値上げによる
駆け込み需要が多少関係しているとは思います。
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当店のおなじみさんが
「多分 今買わないとずっと買わない。前から欲しかった」と
犯行動機買った理由を言っていました。

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新品なので洗う必要はないのですが、
シマノ用フリーをカンパニョーロ用フリーに換えたので ついでにご紹介。
新品のフリーの爪に塗布してあるグリスはこんな感じです。
昨日のハブはそんなに汚れていないというのが分かります。

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組めました。
先日ハブをお預かりしましたが、
今日はお持ち帰り用のホイールバッグを持って来られたので
その場で組んでホイールバッグと一緒にお渡ししました。
ああ、これで明日少し楽になる。
あっ、明日は恒例「結局開ける定休日」こと最終土曜日です。
お客さんとの約束があるので一応やります。

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左右DTコンペ イタリアンヨンロク組み 結線あり仕様です。

category: のむラボ日記

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昨日の続き  

今日もホイー(以下略)。
今日は昨日のパワータップの相方の前輪を組みました。
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配慮さん滑り込みナイスセーブ。危ない危ない。

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黒レボ24H4本組みでしたが、昨日のだだ甘な後輪と違い、
けっこうしっかりテンションを張っていました。
昨日の後輪もフリー側をこれくらいに張れば良かったのに。

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組み換えました。

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ハブがTniなので、お持ち込みで完成した1号SLの前輪ということになります。
このホイールセットはまだ作業が残っていますが、
お客さんの目の前でしようと思います。

category: のむラボ日記

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パワータップを組み換えました  

今日もホイー(以下略)。
今日もパワータ(以下略)。
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↑組み換え前。
配慮さんの出番です。

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DTのレボリューションで組まれていましたが、
スポークの細さを差し引いてもテンションが だだ甘だったので
組み換えることになりました。
そもそもこれを組んだお店いわく このホイールはレーシングゼロに匹敵するほど
走るとのことですが、私から言わせればそれはあり得ません
確かにリムの重量はレーシングゼロと比べて軽いです。
WOのチューブが1本チャラになるくらいは軽いでしょう。
しかし、剛体感ありありのアルミスポークが フリー側でほぼ接線方向に
引いてあるのがレーシングゼロです。
踏んだ時の「進む感じ」はスチールスポークでは まず出せないのです。
縦硬さだけは2.0mmプレーンスポークを32Hか36Hで組めば
近しい感触は得られるかもしれませんが、それをするとレーシングゼロよりも
ずっと重たいホイールになるだけです。

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↑反フリー側の反ヤマアラシさん方向のスポーク
(イタリアン組みなので反ヌポークになります)の
スポークの交点直下ぎりぎりに 目印のテープを貼りました。

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↑で、スポークを握りました。
レーシングゼロはこんなにたわみませんし、
大概の手組みホイールもここまでたわみません。
換算後の真のスポークテンションで、張っている部分が30kgf、
経年使用でゆるみが出ていると思われる部分で
最低だった部分が15kgfくらいでした。
レボリューションでも これ以上に張って組むことは出来ます。

このホイールが悪いのではありません。
ヌルいのは 狙ってやったのであれば別にいいですし、
使い手(お客さん)が納得していればいいのです。
(納得してたらここに持って来ないでしょうが)
しかし これを以ってレーシングゼロ相当というのは妄言です。
ホイールを触って分かる、乗って分かる人も世の中にはたくさんいますから、
これでそんなん言ってると笑われますよ。

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経年使用が、と さっき書きましたが、
この赤いグリスは新品のときに 塗布されているものです。
いままでたくさんのパワータップの中身を晒してきましたが(スイマセン)、
比較的きれいな方ですね。

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シャフトの回転もスルスルで異物感が全くなかったので、
ベアリングの分解洗浄まではしませんでした。
フリー部分の洗浄だけにしておきます。
この状態からフリーの爪に再度グリスを塗ります。

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DSC03915amx.jpg
↑あ、これはやっておきました。

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組み換えました。実は まだ続きの作業があります。
今日は許してください。

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フリー側コンペ反フリー側CX-RAYイタリアンヨンロク組みです。
結線は する予定ですが、その前に
「フリー側のテンションの割りには 反フリー側、張ってるんじゃね?」というのを
お客さんに確認してほしいくらいです。
結線をすると前後方向の変形量は 見かけ上左右一緒みたいになるので。
(見かけ上です。真のスポークテンションは変わりません)

結線なしでも組み換え前よりずっと「かかりがいい」と思いますが、
それでも私はこのホイールがレーシングゼロに匹敵するとは思えません。
限られた材料で出来るだけのことをしたとは思っていますが。

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ピナレロのヘッドパーツ交換をしました  

ピナレロのヘッドパーツ交換をしました。
別件でお預かりしていたのですが、ハンドルを切ると
「真ん中でガクッと止ま~る現象」が出ていたのでベアリングが要交換です。
真ん中で(中略)現象は 軽微であれば そのままでも乗れないことはないですが
ベアリングのボールレースの前後に虫食い(偏摩耗)が出ているので
やはり換えた方がいいです。
あと、するかどうかは別として手放し運転ができなくなります。
走行中に前輪が自然と真ん中に切れる力をベアリングの固さが上回るからです。
DSC03895amx.jpg
上下異径ベアリングですが、今回は上が死んでました。
パーツクリーナーを吹くと 錆び汁が無限に出るかのように出ます。

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ほとんどのインテグラルヘッドのカートリッジベアリングは
ヘッドチューブの奥との接点にいくらかの角度がついています。
45°(上の画像 左)か 36°(同 右)かのどちらかです。

DSC03906amx.jpg
この角度のおかげで 円錐を押し込む格好になるので
センターが出てガタも取れるわけですが、

DSC03899amx.jpg
ピナレロのヘッドは押し込む部分が90°です。

DSC03907amx.jpg
90°の場合 横方向のガタを理論上取ることができませんから、
ヘッドベアリングは圧入になっています。
ピナレロのフォークが手で抜けないのはこのためです。
BB30のクランクが縦向きに入っていると思ってください。
上の図では内径と外径がイコールということにしていますが、
0.1mmでもフレームの内径のほうが大きいと
ベアリングが手で入り、かつ横ガタが解消されないと思われますので、
フレームのほうがややマイナスだとは思います。

DSC03894amx.jpg
DSC03900amx.jpg
ついでにトップキャップを薄いものに換えました。
これ、ピナレロの取り扱いのあるお店であればどこでも取り寄せ可能です。
(問屋さんに在庫があるかどうかは分かりません)
ピナレロのバイクを 富士山トップキャップの状態で
ステムを一番下にして使っている方のうち、
「もっと下げられるなら下げたい」と思っている方は潜在的に多いと思うのですが、
これを知らないばかりにそのままで乗っている方も多いと思います。

で、ピナレロのヘッドパーツは圧入なので 一般の方はおそらく
このパーツを簡単に交換できません。
このお客さんが持っている もう1台のバイクのポジションに近付けるには
ステムを低くする必要があったのですが、
ヘッドパーツ交換のときであれば 一緒に作業できるので
ついでにどうですかと ご提案しました。
ということで、このパーツが気になった方は
お近くのピナレロ取扱店にご相談ください。

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CXP22を組み換えました  

今日もホイー(以下略)。
今日はマヴィックのCXP22のホイールを組み換えました。
DSC03881amx.jpg
↑組み換え前

DSC03882amx.jpg
スポークが1本飛んでいます。

DSC03883amx.jpg
DSC03884amx.jpg
私自身 見るのは2度目の超レアケース、
「スポークが途中で折れる」という事例です。
途中で折れるといっても 物を突っ込むとか 何かにぶつけたとかではなく、
疲労で折れるという場合の話です。

DSC03885amx.jpg
DSC03886amx.jpg
とはいえ原因は はっきりしています。
ダブルクロスで組んでいるからです。
スポークはレボリューションなのですが、
ハブから出た直後は2.0mmなので スポークの曲げがきつくなります。
技に溺れおって愚か者め!
いや、組んだのは昔の私なんですけど。
過去の記事でもダブルクロスはスポークが飛びやすいということを
書いていますが(→こちら)、途中で折れる事例が出るくらいなので余程ですね。

話はそれますが、あるお客さんが自分で組んだ2:1スポーク数のホイールで
反フリー側のスポークが2回 立て続けに飛んだという話を今日聞きました。
首折れスポークの2:1組みでは 反フリー側のスポークの首元に
すさまじいストレスがかかるので、
左右のスポークテンションの差が ほぼ無くなるということが
分かっていながら 売り物としては組みません。
こういう経験の積み重ねが「ホイールにとって良いこと・悪いこと」や
「売り物にしていいかどうか」の判断の材料となります。

DSC03889amx.jpg
↑ステンレスもやし
こんな曲げがかかります。
今回の件で折れたところと もやしの最後の屈曲ポイントが同じです。

DSC03887amx.jpg
またまた脱線。このCXP22、ハトメがついていますが、
DSC03888amx.jpg
私のシクロクロスのCXP22にはハトメがありません。
年代が違うから?確かに年代は違いますが(ブレーキゾーンに溝が無い)
それが理由ではありません。
119248.jpg
↑これ、同じリムですがハトメがありますね。
ハトメなしのCXP22は完成車メーカー用の特注品です。
一手間少ないので安く上がるのでしょう。

DSC03890amx.jpg
組み換えました。
これは私のレース仲間のホイールで、ある程度は実験的なことも許してくれますが
明らかに良くない組み方をする必要はないので
今回はロクロク組み(組み換え前と同じ)、要は普通の6本組みです。
ダブルクロスはやめて しんちゅうニップルで普通に組んでいます。

DSC03891amx.jpg
ちょっと試したことは左右異径組みです。
フリー側が2.0mmDTチャンピオン、
反フリー側が2.0-1.8-2.0mmDTコンペティションです。
結線はしません。

DSC03892amx.jpg
Tacxのローラー台用のクイックがついていました。
マヴィックのリムは縦方向の精度が非常に高いので
ローラー台で乗っても縦にブレないホイールを組みやすいです。
リムの継ぎ目の部分のみ縦振れに見える かすかな凸がありますが、
縦振れを追い込むとそのかすかな凸以外はきれいに取れます。
ということは継ぎ目の部分の本当にかすかな凸以上の縦振れは
リム一周の中で存在しないということです。
凸はヤスリで仕上げてもいいですが、私はこれは縦振れと見なさないので
放置することが多いです。
オープンプロで組む方は、リム一周にたった一か所、
継ぎ目にのみ かすかに「シャッ」と振れ取りのゲージが
接触するまで縦振れを追い込んでください。
これ、オープンプロで組んだことある人にだけ伝わると思います(笑)。

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赤い風105を組み換えました  

今日もホイー(以下略)。と言いたいところですが
自分のホイールを営業時間外に組んだので私的にはノーカウントです。
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コスミックカーボンSLのWOのリムは
(といっても今はチューブラーはないですが)550g前後です。
REDWIND105は登りで踏んだ感じが
コスミックカーボンよりも進む気がするので
リム重量が気になっていました。

DSC03865amx.jpg
↑いや、意外に軽くはなかったです。
にもかかわらず登りで進む感があるわけですが、
考えられる原因は2つ。
まず、リム高が105mmなので それだけ内周部に重量が分散するため。
もうひとつはスポーク長さです。
コスミックカーボンはローハイトリムにカーボンのフードをかぶせている構造なので、
ローハイトアルミリムの内部にニップルがあります。
スポーク長さを算出するうえでのリム内径は、
オープンプロとほぼ同じです。半径で0.5mmとは違いません。
心の目で見れば、「20Hのオープンプロに風防をかぶせたリム」と
いう見方もできます。
たいしてREDWINDでは、リムの頂点にニップルがあります。
当然スポークは非常に短く、スポークの変形量も少ない=硬いという状態になっています。

REDWIND105XLRのカタログ重量は
資料によって1070gだったり1050gだったりしますが、
実測重量は1041gでした。
もっともこれはカンパニョーロ用のアルミ製フリーボディにしているので、
シマノ用のスチール製フリーボディであればカタログ重量くらいになるはずです。
REDWINDにはリム高80mmと50mmがありますが、
リムが低くなれば当然それだけスポークの長さも長くなります。
あと、105mmと80mmはスポーク数が2:1の3本×6ペアの18本ですが、
50mmのみ2:1の3本×7ペアの21本となります。
私は このホイールのスポークの比重を今回つかんだので
それによって80mmリムと50mmリムの
かなり正確な概算重量を得ることができます。

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ベアリングは USBですが、ワンと玉押しが
CULTと見分けが ほぼつかない
銀色のものに仕様変更されていました。

DSC03862amx.jpg
↑リムに丸い凹みがあります。

DSC03861amx.jpg
ステッカーの下なので分かりにくいですが、
そこだけカーボンのクロスが違います。
これはバルーン抜きの穴か ニップル入れ用の穴か、
あるいは両方でしょう。
今回の組み換えでもニップルの交換はちょっとコツを要しました。
この穴が使えるなら少し作業が楽になります。

DSC03873amx.jpg
バルブ カタカタ音ガードを
DSC03874amx.jpg
バルブ穴に
DSC03875amx.jpg
セットします。

DSC03876amx.jpg
私は市販の延長バルブで対応していますが、
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ホイールに付属の延長バルブ、これ、よく見るとチューブレスバルブにそっくりです。

DSC03880amx.jpg
↑WOモデルのリムでも「ビード落とし込み用凹み」がすでに付いています。
これに加えてハンプ(リムの耳からチューブレスタイヤのビードが
外れないようにする引っかかり部分)を追加してチューブレスバルブを付ければ
すぐにでもチューブレス化できそうです。
このままでもチューブレスタイヤを使うことは一応出来るはずです。
パンク時に一瞬でタイヤが外れて大怪我をしてもいいのなら。

DSC03867amx.jpg
サピムのリーダー2.0mmプレーンのストレートスポークで組み換えました。
スポークが短いので変形量がほぼゼロです。
驚いたことに反フリー側ラジアル組みのほうも同様です。
同じフランジ側のスポークを2本まとめて握ると
通常 多少はたわむものですが、このホイールでは一切たわまないくらいなので
ハブに向かってススーッと指が滑っていきます。

DSC03869amx.jpg
組み換え前は編んでいないスポークの交点ですが、編んでみました。

DSC03872amx.jpg
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サピムのストレートスポークの国内代理店さんの取り扱いが
2.0mmプレーンでDTチャンピオン相当の「リーダー」と
2.0-1.8-2.0mm丸バテッドでDTコンペティション相当の
「レース」の2品目だけなのが惜しまれます。
何でもありならCXを使ったことでしょう。
フリー側は「引っかけ」なので使えます。
反フリー側は「通し」なのでCX-RAYにすると思います。
残念ながらできませんが。

今回の組み換えで重量増とエアロ的に損をしているのは間違いないですが、
剛性(特に横剛性)が向上しているのは体感レベルで分かります。
重量増は分かりませんし、エアロ的損失も体感は出来ません。
(反フリー側のオチョコが非常に大きいハブなので 丸スポークは最悪のはずですが)
普段お客さんのホイールでやっているベクトルの組み換えですが、
自分のホイールでもやってみました。
これを買う前から この仕様にすることは考えていました。

category: 新手のスタンド使い

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パワータップを組み換えました  

今日もホイー(以下略)。
パワータップのホイールを組み換えたのですが、
今回は非常に苦戦しました。
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↑組み換え前

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サピムのレーザーというスポークです。
DTでいうとレボリューションに相当する丸バテッドスポークですが、
このスポークのせいなのかテンションが甘く、
しかも送られてきた状態では振れていました。

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マグ(以下略)

DSC03844amx.jpg
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フリーボディから何からきれいにします。
これはいつも通りのことです。

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今回は中身がけっこう汚れていました。
にもかかわらずベアリングの回転は きれいだったので
グリスアップで済みました。

DSC03852amx.jpg
で、組めました。
リムはキンリンXR-200かTni AL22ですが
(ステッカーが無いので判別不能)、
ラージフランジなのでヨンパチ組みが出来ました。

DSC03854amx.jpg
しかし、なんというか・・・。
組んでいて気持ち良くなかったので組み直すことにしました。
組み換え前はゴールドのアルミニップルだったのですが、
使い回さず新品のゴールドのアルミニップルにしています。
が、カラーニップルはリムとの接触面の摩擦抵抗が大きいので
多少組みにくいのです。
リムを使い回していることも関係しているのですが、
今回はシルバーのアルミニップルのほうが より良いものになるという
気がしたので、お客さんの了解の元 組み直すことにしました。

DSC03855amx.jpg
で、組み換えの組み直しです。
二度手間になりましたが仕方ありません。

category: のむラボ日記

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のむラボホイールの近況と報告  

のむラボホイールですが、最近ほぼ毎日 お問い合わせやご注文をいただいています。
しかしハブが長期欠品のため現在 開店休業状態です。
納期については目処が立ちましたので、お知らせします。
DSC03829amx.jpg
まずハブですが、よく使うのはフロントの20Hとリヤの20H・24Hです。
これについては代替品(同等品)を私のほうで大量に用意しようかと
思っていたのですが 色々あって断念しました。
代替品の予定納期は5月半ばだったのですが、
Tniのエボリューションハブの納期が7~8月と言っていたのが
5月下旬予定になりましたので、それを待つことにしました。

代替品のハブが同等品どころか同じに見える?な、何のことやら・・・。

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のむラボホイール1号について。
リムは潤沢にあるつもりでしたが、お持ち込みのハブなどでホイールを組み
日々消費しているので最近減り方が激しいです。
これについては同等品(キンリンXR-300)で対応することにしましたので
今後はTniステッカー無しのものが標準になると思います。
その分のリムの入荷は5月半ばを予定しています。
現状でも20・24・28・32Hと揃ってはいますので、
ハブさえあればホイールは組めます。

DSC03831amx.jpg
のむラボホイール2号について。
リムが欠品しています。フロント20H・リヤ24Hを吊るしの仕様で
設定していましたが、20Hが欠品したのでフロント18Hでいける方から
組んでお渡ししていました。
現状、問屋さんの在庫は全ての穴数で全滅です。
5月下旬に再入荷する予定です。

上の画像は当店取り置き分の18Hと24Hの最後の1本ずつで、
お客さんのハブお持ち込み待ちの分です(ステッカー剥がし済み)。

DSC03832amx.jpg
のむラボホイール3号について。
リムは在庫があります。
このリム、フロント20H(リヤにも使える)と
リヤ専用24Hの2種類の穴数がありますが、
20Hでも十分に剛性が確保できるので20Hの後輪を
吊るしの仕様としています。
なので20Hのリヤハブ待ちです。

先日コメントで 24H仕様の後輪についてお問い合わせをいただいていましたが、
24Hリムは現在 問屋さんにあります。
24Hリヤハブは当店に少しありますので、おそらくは即納可能です。ご検討下さいませ。

DSC03833amx.jpg
のむラボホイール4号について。
発表以来 欠番なのには理由があります。
このリムの問屋さんの取り扱いの最小穴数が28Hなのですが、
20Hと24Hの取り扱いを当店ではじめることになったので
そちらをオススメしたくて今まであえて売っていませんでした。
リムの性質としては1号のチューブラー版のようなものです。
これは私も組むのが楽しみなリムです。
リムは5月下旬頃 入荷予定です。
上の画像は32Hのものです。

DSC03835amx.jpg
のむラボホイール5号について。
Tni AL22としては32Hしか仕様がありませんが、
キンリンのXR-200としては20Hから展開があります。
最近お客さんお持ち込みでXR-200の20Hや24Hを組む機会が
多いので、私のほうでも用意することにしました。
それについても5月下旬頃 入荷予定です。

DSC03836amx.jpg
先日あるホイールを組んだときのこと。
「もし差し支えなければ蟹光線のサインをリムに入れてください」と
お願いされました。なぜか愛されているようです。
私には絵心が無いので お断りしましたが(スミマセン)、
やはりお店として何か意匠が無いのはどうかと思い ステッカーを製作中です。
過去 私の組んだホイールをお使いの方でご希望の方にもお送りします。
もう少しお待ちください。

ハブ・リムがそろう頃には オーダー消化のため
しばらくの間 ホイールを組みまくることになります。
いままでは「納期は材料がそろった日か その翌日」と言ってましたが
それは さすがに無理になると思います。

category: のむラボホイール

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パワータップを組みました  

今日もホイー(以下略)。
パワータップのハブが送られてきたので組みました。
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当店在庫のTni AL300リムで組みました。

DSC03825amx.jpg
本当はブラックスポークをご希望だったのですが、
シルバースポークだと即納なります→じゃあシルバーで
ということでシルバースポークになりました。

DSC03828amx.jpg
で、シルバースポークなので結線もお願いされました。
今回、ハブについては状態が良かったので 分解洗浄はしていません。

category: のむラボ日記

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レイノルズDV46(以下略)とXentisを調整しました  

先日 レイノルズのDV46ULを組み換えましたが、
作業中 私がお客さんに
「電話で言ってたシュータッチしそうな横たわみですが・・・」と
言ったところ「それ、私じゃないです」と言われました。
DSC03805amx.jpg
別件でした。ハズカシー(私が)。
まさかほとんど同じタイミングで
DV46ULの組み換えが来るだなんて思いませんでした。
こちらの方も他府県から来られているので
時間をいただいて即興で組み換えさせてもらいました。

DSC03806amx.jpg
組み換え前はフリー側逆イタリアンヨンゼロ組みです。

DSC03807amx.jpg
組み換えました。

DSC03809amx.jpg
イタリアンヨンロク組み結線ありです。

前の前のレイノルズの件、MV32ULを組み換えた方からコメントで
「軽くパリッっと掛かるようになると思っていたのですが、
想像よりも劇的な変化はありませんでした。
ただ、やたら足が売り切れるのが早くなった感じです。」
という感想をいただきました。
フリー側のスポークを、組み換え前と同じ番手(太さ)にして
スポークテンションを組み換え前と同じか微増くらいにしているので
弱くなったということはないはずですが、
劇的なカッチリ感を演出するには至らなかったようです。
たいへん参考になりました。
で、コメントの続きでヨンゼロ組み→ヨンロク組みで
10g増になったということと、
この方の意見でも反フリー側はタンジェント組みのほうが
いいのではないか ということを書かれていました。
さらに
「それにしては大メーカー様が
ラジアルで組んでいることが多すぎる気がします。
なにか秘密が有るのか無いのか、
分かりませんがとても不思議です。」
ということですが、私も不思議です。

2:1スポーク数でハイローフランジの場合(←フルクラムですが)、
反フリー側をタンジェント組みするとスポークテンションの逆転
(反フリー側が高テンション)が起こりえます。

R-SYSをキシリウムのようにフリー側ラジアル組みにすると
カーボンスポークをフリー側に配することになり、
もしもの際のチェーン脱落で根こそぎスポークがダメになる可能性があるので
カーボンスポークを反フリー側のみの採用とし、ラジアル組みとする。
(カーボンスポークではスポークヘッドが太すぎてタンジェント組みにできない)

この2点を除いて、反フリー側ラジアル組みに妥当な理由を
見い出すことは(私は)出来ません。
強いて言うなら「エアロ」でしょうか。

DSC03810amx.jpg
話が脱線しました。
前輪も調整したのですが、振れ取りついでの増し締めをしました。

DSC03811amx.jpg
それと同時にゼンティスのホイールも振れ取りと
ほんのちょっと増し締めをしました。
レイノルズもゼンティスも今日見たものは全てセンターは出ていました。

DSC03812amx.jpg
ゼンティスのリムですが、組んでいて分かるレベルで硬い!
ブレーキゾーンの内側くらいから波形のリブが入っています。
これは野菜を切ったときの刃離れの良さのためではなく、
剛性確保のためなのでしょう。
波形なのは空力的な意味があるのか 単なるデザインなのかは分かりません。
ゼンティスもハブはレイノルズと同じDT(ああ、言ってしまった)なのですが、
同じヨンゼロ組みでも全然硬さが違っていました。
リムの限界スポークテンションの差なのかもしれません。
調整で触れた感じでは とにかく硬かったです。アルミリムみたいな印象です。
これは乗っても硬いとはっきりわかるそうです。
あとシマノのC50のチューブラーも持っているとのことですが
こちらは軟らかい乗り味だそうで、
ただそういうホイールも長距離向きと考えれば
適材適所 一長一短 需要と供給 ぐりとぐら です。

category: のむラボ日記

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のむラボホイール1号SLを組みました  

今日もホイー(以下略)。
今日はのむラボホイール1号SLを組みました。
DSC03813amx.jpg
↑前輪です
最近、ほぼ毎日 のむラボホイールに付いてのお問い合わせ
またはご予約のコメントを頂いていますが、
のむラボホイールを いま組めない最大の理由はハブの欠品です。
リムについては1号と3号は在庫がありますので、
ハブさえあれば組めます。
今回はお客さんにハブを見つけてもらって組むことができました。

ハブやリムの納期については いろいろと書くことがありますので
あとで記事を書きます。

DSC03815amx.jpg
前後とも24Hのハブが送られてきました。

DSC03816amx.jpg
↑後輪です(←見ればわかる)

DSC03818amx.jpg
フリー側コンペ反フリー側CX-RAYの左右異径組みと、
反フリー側を24Hの最接線組みになるヨンロク組みで、
というオーダーでした。
結線は 無しをご希望なのでしません。

最近思うのですが、このブログが無ければ上記のようなオーダーを
お客さんのほうからするということが無かったと思うのです。
「お店に手組みのホイールを頼む」というのは
普通はせいぜいリムやハブなど材料を指定するくらいです。
このブログは そこからさらに
左右でスポーク径や組み方をこうして欲しいというような
突っ込んだオーダーをするきっかけになっていると思うのです。

これは先日書いた、私がお客さんから教えてもらった
「ホイールを見て読めるようになった」ということだと思うのですが、
見て読めるようになるということは
完組みホイールを見たときにアタリかハズレか何となく分かるという
目をすでに持っているということです。
カタログをいろいろ眺めていて、重量以外のスペックについて
どこをどう見ればいいのか分からないというレベルから
ホイールの構造を吟味できるレベルになっているわけですね。
これは手組みホイールでも同様です。
私がここで書いているホイール観のようなものを知ってしまったがために
当店含め ホイール組みをするお店が「見て読める」お客さんを
だましにくくなってしまっています。
これが自分の首を絞めているのか、
それともテキトーな仕事を出来なくする戒めとして
良いように機能しているのか、もちろん後者であるべきですが
それが出来ているかどうかは日々の仕事で示すしかないですね。

いや、なんでこんなことを書いたかというと同業の方から
(要約すると)「客に知恵を付けるな、おかげでこっちまで
小難しいこと言われて かなわん」という文句を言われたもので。
知らんがな。

category: のむラボホイール

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ドミノ移植をしました  

今日もホイー(以下略)。
と言いたいところですが その前に。
昨日組んだホイールで写真の撮り忘れがあったので
上げられなかった分から。
DSC03744amx.jpg
パワータップの組み換えをお預かりしました。
これは昨日の仕事です。
組み換え前はアンブロージオのリムでしたが
DSC03745amx.jpg
上から目線で恐縮ですが、けっこうちゃんと組めてました。
のむラボホイール5号のリムの お取り置き分の最後の1本を使って
組み換えるので、リムが軽くなるのは確かです。

DSC03746amx.jpg
その前にハブを分解洗浄。

DSC03748amx.jpg
と思っていたら、エリートプラスは パワータップの他のモデルと違って
簡単に分解できないタイプ(ハブナット式)でした。
私は、パワータップのハブは 分解と再組立てが平易だからホイール組み時に
ついでにやるのであって、ハブナット式はその限りではありません。
と言いたいところなのですが、結局ばらしました。
回転に何となく違和感を感じたので。

DSC03750amx.jpg
反フリー側のベアリングが錆びているように見えます。

DSC03752amx.jpg
これは終了か・・・?
と思っていましたが、スチールシャフトのもらい錆びがほとんどで、
グリスアップしたところ フリー側のベアリングと比べて
遜色なく回るようになりました。
エリートプラスは他モデルと違い ベアリングは左右同径なので
位置の交換も考えましたが、位置は変えませんでした。

DSC03763amx.jpg
シャフトの錆びもオイルで拭いたところ あっさりきれいになったので、
深刻なものではありませんでした。

DSC03756amx.jpg
DSC03764amx.jpg
残りのパーツもきれいにします。
気持ちがいいですね。

DSC03754amx.jpg
恒例の「やる気のないテープ」ですが、
DSC03760amx.jpg
マグネットはかなり強い接着剤で止まっているので、テープは補助的なものです。

DSC03766amx.jpg
私が巻き直しているのはビニールテープではありません。
熱で糊が化けて ずれてきたりなどしない ちょっと特殊なテープです。

DSC03796amx.jpg
組めました。

DSC03797amx.jpg
フリー側コンペ反フリー側CX-RAY組みを ご希望だったので
そのように組みました。

DSC03798amx.jpg
のむラボホイール5号では反フリー側の8本組みが出来る長さのスポークがないので
32Hヨンロク組みとなっていますが、
このホイールはラージフランジに助けられて、何とかヨンパチ組みが出来ました。
でも301mm以上はあります。DTのエアロライトでは無理ですね。

DSC03782amx.jpg
ここからが今日もホイー(以下略)の内容です。
ZIPPの303の組み換えをお願いされました。
ハブはHB-7800とFH-7850、リムはハブと同じ年代のものです。
組み換え後のハブは9000にして11S化に対応しつつ、
ヨンロク組みと結線ハンダ付けをご希望ということです。

DSC03784amx.jpg
その前に気になったことが。
「バルブ穴から覗いてハブの名前」という位相で組まれていません。
気になる。気になる!ああー気になる!
いや、性能には関係ないんですけでもね。
ただ、前後ともハブの名前から90°ずれた位置だったので、
組み手の方に思うところがあったのかもしれません。

DSC03785amx.jpg
後輪はヨンゼロ組みです。

DSC03788amx.jpg
それよりも気になったのが、スポークが短すぎるということです。
まだ一切触っていない状態でこれです。

DSC03789amx.jpg
組み換えました。まずは前輪から。

DSC03792amx.jpg
私は「バルブ穴から覗いてDURA-ACE表記」になるよう
ホイールを組みますが、
DSC03793amx.jpg
シマノの完組みではそれと180°反対の位相の この表記を見えるようにしています。
まあどっちでもいいのですが「気を付けてわざわざここに持ってきたな」という
意図が感じられる組み方であればいいなというだけのことです。

DSC03794amx.jpg
続いて後輪です。

DSC03795amx.jpg
ヨンロク組みですが、28Hなので反フリー側は最接線組みではありません。
しかしそれでもスポークテンションの左右差の是正において
ヨンヨン組みよりは ましです。
当然、ヨンゼロ組みより はるかにましです。

DSC03804amx.jpg
組み換え後のタイヤはヴェロフレックスから
コンチネンタルのコンペティションになりました。
今日 別のお客さんと話したのですが、
ここ2~3年で このタイヤの長さ(径)が
小さくなっているのは間違いないと思います。
元々内径が小さめとはいえ、こんなに はまらないタイヤではなかったはず。
以前のコンチネンタルのままなら私も「ストレッチャーY」(→こちら)を
作ったりはしません。

DSC03799amx.jpg
↑ZIPPの組み換えで余った旧々デュラエースのハブで
のむラボホイール1号を組んで下さいというオーダーです。

DSC03800amx.jpg
DSC03801amx.jpg
↑いやー、ハブの光沢がいいですね。
大事に使っていたという感じです。
(ZIPPに付いていたので決戦用オンリーだったかも知れませんが)
今後は使いまくられることでしょう(笑)。
前輪の振れを追い込みきれないので不思議に思っていましたが、
フロントハブに ごくかすかなガタがありました。
ガタを取ったところ振れ調整も追い込めました。

別件で今日もハブが届きました。また明日組みます。

category: のむラボ日記

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レーシングZEROを売りました  

フルクラムのレーシングZEROのご注文があったので販売しました。
DSC03776amx.jpg
DSC03778amx.jpg
チューブラー仕様です。
アルミリムとスチールスポークでは、
スポークテンションをいくら上げても この縦硬さには到達し得ません。
それが走りに直結するかどうかは使う人の足次第です。
傾向としては足のある人ほど「硬い」と文句?を言います。
めっちゃ硬いという特性が 使う場所の勾配や走る距離、
その人の脚質と合致すれば無二のホイールとも成りえます。

私の知り合いのある選手は初代レーシング1のWOを持っていますが、
のむラボホイール1号を常用しています。
ところが練習=のむラボ1号、試合=レーシング1という
使い分けをしているわけではないんです。
試合であっても長距離長時間になるとレーシング1は「足にくる」そうで、
そういう状況が想定される場合はのむラボ1号を使っています。

DSC03777amx.jpg
リムのアールは深めです。
ディスクホイールと同じくバルブ穴以外の穴がないので
接着面積が多く、タイヤが よりしっかりと貼れそうです。

売る前の点検ですが、センターはバッチリ出てました。
振れについては取らなくてもいい程度でしたが ちょっと触りました。
ハブの回転は後輪がやや渋かったので甘めにしましたが、
あまりに甘くするとガタが出やすいのでほどほどにしました。
そうでなくてもカンパニョーロ・フルクラムの上位モデルの
リテーナーボールベアリングは新品から500km走行以内で
ガタが出やすい(反面 こなれて回転が軽くなる)ので
購入後1~3ヶ月くらいは特にこまめに見たほうがいいです。

今回は右から左に売っても 差し支えない感じでしたが
差し支えないかどうかは見てみないと分からないので 全数検査は必要です。

DSC03780amx.jpg
うーん。すばらしい。

ちょっと前に、
「このブログを見てから「ホイールが見て読める」ようになりました」と
言うコメントをいただきました。
いままで何の気なしに持っていたゾンダ2WAY-FITやZIPP404が
フランジ幅や組み方などを「見て読める」ようになってから
実際の使用感について思っていたあれこれが
説明できるようになったということらしいです。
その結果「値段に負けて○○○○(さすがに伏せます)のホイールを
買わなくて正解だった」ということも書かれていました。

ホイールを色眼鏡なしで見るというのは非常に重要です。
私は好き勝手にハブを設計して実際に作るということが出来ないので
市販の材料から「制限つきの最適解」を見つけるしかないですが、
完組みホイールのメーカーは材料から設計から何から好きなようにできます。

例えば(例えばの話ですよ)、フリー側と反フリー側のスポーク本数の比が
2:1になっているホイールが2つあるとします。
ひとつは左右同径フランジで フリー側は同軸フランジ逆イタリアン相当組み、
もうひとつは超ハイローフランジで フリー側は同軸フランジイタリアン相当組みで
あったとします。どちらのほうがより優れているホイールだと考えられるでしょうか?
リムの重量が同じであれば ほぼ間違いなく後者でしょう。
いや、例えばの話なんですけどもね(←なんべん言うねん)。

category: のむラボ日記

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サイクルコンピュータを久々に買いました  

私事ですが、サイクルコンピュータを久々に買いました。
DSC03737amx.jpg
キャットアイのストラーダ スリムです。

DSC03736amx.jpg
本体が薄いのがいいですね。

DSC03738amx.jpg
上から見るとステムに溶け込んでいる感があります。
表示項目は画面上部が常時 現行速度、
画面下部が
時計
走行時間
走行距離1
走行距離2
平均速度
最高速度
積算距離

なのですが、赤文字で示した5つに関しては
表示・非表示の切り替えが出来ます。
特に知りたくない情報を飛ばした設定に出来るということです。
走行距離1と2の違いは、走行距離1は走行時間・平均速度・最高速度と
連動して記録されているということです。
これらのうちどれかをリセットすると上記の4つともが同時に消えます。
走行距離2はそれらと関係なく記録されていて、
消すときは走行距離2だけが消えます。
月間走行距離の記録や チェーン交換時からの走行距離を見るのに使うと便利です。

私はサイクルコンピュータを普段使いません。
練習を、距離を指標として見ていないので距離の情報は要りません。
あるいは、登りで 私を1分当たり 20m置き去りにする人がいたとします。
5分後には100m離されるわけです。
そのときの速度が例えば時速16kmだと分かったとして、
その情報が何か追いつくための役に立つでしょうか?
あるいは、平地で集団走行しているとして、
前に出るときには「引いてもらっていた時の速度」を
目安として集団を引く必要がありますが、そういうときには便利です。
で、今回買った理由は「欲しかったから」です(笑)。
実は小難しいものではありません。

DSC03739amx.jpg
薄いのは本体だけではありません。
センサーが薄いのも「欲しくなった」理由です。
画像では付属のゴムで留めていますが、
タイラップ留めもできるようになっています。

DSC03741amx.jpg
キャットアイのセンサーの多くはSENSOR ZONEの表記の位置が
もっともマグネットの感度の高い位置ではありません。
距離や磁力の条件が厳しくて速度が表示されない場合は
センサーゾーンの位置を疑うと解決することが多いです。

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本当に薄いセンサーです。

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↑ゴム留めと
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↑タイラップ留め

当店には在庫がありませんので、もし欲しい方は
最寄りの自転車屋さんにてお求めください。
それでも当店で買いたいという奇特な方は取り寄せ手配は可能です。

category: キャットアイのステマ

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レイノルズのDV46ULを組み換えました  

今日もホイー(以下略)。
今日はレイノルズのDV46ULを組み換えました。
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↑組み換え前
先日MV32ULを組み換えましたが、それとは違うお客さんです。
同じなのは「フリー側コンペ反フリー側CX-RAYヨンロク組み結線ハンダ付け仕様」を
ご希望なのと、他府県から来られたので 即興組み換えでさせてもらった点です。

DSC03768amx.jpg
組み換え前はフリー側コンペ・反フリー側エアロライトという構成です。
よく「なぜエアロライトではなくCX-RAYを使うの?」という質問をいただきますが、
これについて お答えしておきます。
サピムCX-RAYの国内取り扱い長さは長くて304mm、
そこから700Cのホイールを組むのにまったく困らない範囲で
2mm刻みで取り扱いしてくれています。
CX-RAYはスポークカッターで8mmは余裕で切れますが、
私は「カットは6mmまで」と勝手に決めています。
ということは、当店の内規に照らしても6mm刻みで在庫を持てば
すべてのスポーク長さを網羅していることになります。

例えば274mmが欲しいとして、274mm以外に
280mm・278mm・276mmの在庫を
当店か問屋さんが持っていれば困らないわけです。
サピムの問屋さんは在庫切れがまったく無いわけではないですが、
それでも必要な長さに空白を生じたことは1度もありません。
私のほうでも飛び込み・即興でホイール組みをすることになっても
なるべく困らないようには努めています。

で、DTのエアロライトですが、国内取り扱い長さがシルバー・ブラックとも
270mm・280mm・290mm・300mmの4種類だけなんです。
エアロライトは10mmくらいはカットできるので、
これはお店がスポークカッター持ちであるということを前提とした展開です。
で、仮に274mmが欲しいとします。
その場合280mmの在庫を切らされるとアウトです。
290mmから274mmは作れません。
現実に在庫切れも多いので常備は考えていません。
あと、270mmからカットした長さでは80mm高さのリムなどは組めません。
(この場合は250mm前半くらいが必要です)
ローハイトリムの反フリー側 最接線組みは
300mmちょっとになることがありますが、これも無理ですね。
DTというメーカーそのものの展開では当然細かくそろっています。
要は問屋さんの本気度に依存するということです。

話をレイノルズに戻しますが、反フリー側ラジアル組みは
だいたいの場合スポークテンションがうにゃうにゃなのに
今回の組み換え前は比較的ましでした。
左右異径スポーク仕様が効いているのかも知れません。

DSC03771amx.jpg
組み換えました。
仮組み時にちょっともたついたので少し時間がかかりました。
(組みかけてからスポークの長さの計算を間違えたのに気づいた)

DSC03774amx.jpg
結線ハンダ付けはしましたが、その前に反フリー側のテンションの向上を
お客さんに確認してもらいました。
ヨンゼロ組みからヨンロク組みにしたわけですが、
フリー側のテンションが同じで反フリー側のテンションが上がるというメリットと、
スポークの総延長が増える分の重量的なデメリットと
タンジェント組みのほうがラジアル組みよりも空気を攪拌しそうというデメリットを
総合的に勘案すれば「体感できること」を重視し
「体感できないこと」を軽視することになります。
反フリー側のタンジェント組みによる重量増とエアロ的不利は乗って分かるのか?
といえば怪しいものですが、反フリー側のスポークテンションの向上は
乗って分かる変化だと思います。

たまに「よその店なりメーカーなりが組んだホイールにケチつけて
自分の組んだホイールがより優れていると言いたいのか」というような
コメントをいただくことがありますが、
これは私が組んだからではなくて物理法則的にそうなるというだけのことです。
それを証明したくて私のホイール組みのメソッドからメシノタネコードを省いた
残り90%くらいの情報をここで明かしています。
実際にマイ手組みホイール派の読者の方からも
ホイールを組んで追証した結果のレポートをいただいたりもします。
(幾人か おられますが、いつも本当にすいません。勉強になります。)
家に振れ取り台がある方は一度お試しください、
無い方 または当店が組んだほうが良さそうという方はホイールをお預けください。
出来る限りのことはします。

category: のむラボ日記

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コメントのお返事  

最近忙しくてこれを書くのが実に億劫でした。
以下、恒例の「コメントのお返事」です。

まずは、R-SYSの修理について。
DSC00845amx.jpg
「上記にあったR-SYSをもっているのですが、
スポークが折れてしまいました。
ですが、スポークの購入方法がわかりません。
知っていたら
ぜひ教えていただけませんか?
よろしくお願いします!」
というコメントをいただきました。
マヴィックを取り扱っているお店であればどこでも買えますし、
どこでも修理してくれます。

スポーク1本の交換であれば10分くらいで出来るはずです。
と 勝手に他のお店で直す場合のハードルを上げてみる(笑)。


続いて、Tniのカーボンリムのホイールで
18・20・24・28Hとラインナップがありますが、
体重がある場合フロントを24Hにした方がいいのでしょうか、
というような内容のコメントをいただいています。
Tniのカーボンリム(38と50)ですが、24Hと28Hはリヤ専用です。
フリー側の向きを指定するステッカーも貼ってあります。
目視では穴振りが無いように見えますが、
前輪に使うのは やはり気持ちのいいものではありません。
なので体重85kgくらいでもフロント20Hで組む必要がありますが、
スポークをCX-RAYではなくCXにすれば 剛性感というか
スポークの変形量の少なさに関して かなり化けますので
そういう仕様で組むのがオススメです。


続いて、ノヴァテックやDTのストレートプルのハブで手組みホイールを組めば
完組みホイールに伍するものができるのではないかという
内容のコメントをいただいています。
DSC03729amx.jpg
普通のの首折れスポークと それ用の普通のハブでホイールを組むことを考えてみます。
組み立て時にニップルを際限なく締めた場合では
最も先に破損するのはリム穴かもしれません。
特にカーボンリムならそうなります。
そうではなく、経年使用での破損事例の多さでは
ダントツでスポークの首折れがトップです。

上の図に書いていないレアケースでは スポークのエアロバテッドの始まり部分での折れ、
スポーク途中での折れ、ハブフランジがちぎれる、などもあります。

ストレートスポークにすることによって、
経年使用によるスポークの首飛びを
心配する必要はほぼ無くなります。
少なくとも、破損事例においてニップル側よりは強くなりますから
従来の首折れスポーク以上に遠慮なくホイールを組めます。

A281SB_F282SB-AL_rearamx.jpg
↑で、例えばノヴァテックにこういうハブがあります。
超ハイローフランジですね。
これは私が勝手に認定しているところの
「反フリー側ラジアル組みでもまあいいか」と思える程度の
ハイローフランジ具合です。
これが仮に20Hだとすると、フリー側は10Hの3本組みになりますが
そういう呼び名がややこしいので「2クロス」と呼びます、
というのが先日の位相の話 その3の内容でした。
2クロスは通常のハブでは4本組みに相当しますから、
このハブで組むホイールはヨンゼロ組み相当となるわけです。
で、それがより良いホイールを生むことになるかというと、
ちょっと疑問なんですね。
DSC03732amx.jpg
反フリー側がスモールフランジになればなるほど
タンジェント組みをする意義は薄れていきます。
スモールフランジになるほどスポークの角度が
ラジアル組みのそれに近しくなるからです。
しかし する意味がないというわけではありません。
20本スポーク(20Hという表現を避けるのは1H2スポークのハブの場合もあるから)
の後輪の反フリー側を2クロス、24Hの場合は3クロスにすれば
さらなるスポークテンションの左右差の軽減を狙えます。
左右差の軽減とは言っても フリー側のテンションが歩み寄るわけではなく、
反フリー側のみ高テンションになるわけですから
単純に剛性アップとなります。
が、先ほどのノヴァテックのハブでは
反フリー側をラジアル組み以外で 組ませてはくれません。
のむラボホイール1号のリムであるTniのAL300は
リム重量でいうとフルクラムのレーシング3と同じくらいではありますが、
DSC03733amx.jpg
フルクラムの場合、同じようなハブ寸法に加えて2:1スポーク数でもあります。
つまり、先ほどのノヴァテックのハブでホイールを組んでも
劣化レーシング3ができるだけなのではないか、という気がするのです。
それならレーシング3をお客さんに勧めたほうがいいですね。
また、超ハイローフランジながらヨンゼロ組み相当でしか組ませてくれない
ハブを使うくらいなら、Tniのエボリューションハブでヨンヨン組みや
ヨンロク組みをした方がいいような気がします。
(例え首折れスポークを使うことになっても、です)

20120317112922fee.jpg
↑あるいは、こういうハブを手に入れたとします。
これは左右とも2クロスの20本スポークですが、
これが24本スポークで もし可能なら反フリー側のみ3クロスにすれば
ヨンロク組み相当のホイールとなります。
しかし、スポークヘッドの部分の指向性が非常に限られているので
これがもし12H(24本スポーク)であったとしても
3クロス(12Hの4本組み)では組めません。

ストレートスポークのハブというのは組み方が限定されるので、
組み方如何でホイールの性質を変えるということが一切できない
のです。

DSC03440amx.jpg
では、フロントハブならどうでしょうか?
ラジアル組みしかできませんが、それによって困ることはないはずです。
DTとサピムのストレートスポークの国内代理店の取り扱い状況ですが、
DTは一切なし、サピムは丸プレーンの「リーダー」と丸バテッドの「レース」のみ
取り扱っていて、肝心のCX-RAYのストレートをやっていません。
なので例えストレートスポークのハブが安定供給されたとしても、
魅力あるフロントホイールを組むのは実質 無理なのです。
ストレートスポークのレースで前輪を組むくらいなら
首折れのCX-RAYで組む方が まだ良いものができるということです。
というわけで、ストレート仕様のスチールスポークで組んだホイールは
外周部の軽さならシマノのC24、左右バランスならレーシング3、
縦硬さ中心のカッチリ感ならキシリウムエリートを買うのがいいと思います。


続いて。
26インチのチューブラーホイールをお使いの方から
なにか安定供給されるリムはないかというコメントをいただいています。
コリマは26インチのチューブラーリムをラインナップから欠かしたことが無いですが、
常用には不向きですね。内蔵ニップルなので日常的なメンテも不便です。
ちょっと前までならニジーのコルサバンビーノやアラヤのR-50でも
入手できたのですが・・・。
現在では心当たりがありません。お力になれずすみません。

category: のむラボ日記

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リムセメントかリムテープか  

お客さんから たまに訊かれる質問に、
「チューブラータイヤの接着、リムセメントとリムテープではどっちがいいの?」
というのがあります。
私個人は断然リムセメント派ですが、それぞれメリット・デメリットがあるので
書いていこうと思います。
以下、
リムセメント=セメント
リムテープ=テープ
チューブラータイヤ=タイヤ
と略します。

まず、単純な接着力について。
これはセメントのほうが上です。
テープで貼ったタイヤを剥がすのに それほどの労力は要りませんが、
セメントでしっかり貼ったタイヤは 剥がすのにたいへん難儀することがあります。
また、シクロクロスでは実質セメント一択です。
テープが泥の水分に弱いのでしょう、テープで貼ったタイヤがずれたり
最悪 剥がれたりという事例をよく見ます。

次に、ブレーキ熱の耐性について。
これはテープのほうが上だと思います。
急勾配の下りで ブレーキレバーを握りっぱなしでいると、
リムがシューとの摩擦で徐々に熱くなっていきます。
最終的に、リムを触ると やけどするくらいの温度まで上がりますが、
これによってセメントが溶けてタイヤがリムに対して前方向にずれます。
テープでもなるかも知れませんが、セメントのほうが先に起こります。


次に、出先でパンクした場合について。
DSC03717amx.jpg
↑セメント式であれば、タイヤを剥がしたリム面にいくらかのセメントが残ります。
また、スペアタイヤを使い古しのタイヤ、もしくは あらかじめフンドシにセメントを
塗ってあるタイヤにしておけば 出先でリムセメントを塗る必要はありません。
このままリムにはめて7気圧でも空気を入れれば、よほど下りを攻めるなど
無茶をしない限りは大丈夫です。そうそうは剥がれません。
後述しますが、リム側に「ベッド」をきちんと作っておけば なおさら安心です。
テープ式の場合は スペアタイヤの装着にテープを必要とします。
ということはテープを携帯する必要があるということですね。
これが面倒だというのが私がセメント派である最大の理由です。
というより、私が自転車を始めたときは
テープというものがなかったというのもありますが。
DSC03718amx.jpg
↑このビットリアと延々書いてあるタイヤのセメント塗布面が
元来「リムテープ」と呼ばれる部分なのですが、
俗称では「フンドシ」と言います。
現在では「リムテープ」と言うと「チューブラータイヤの接着用テープ」を
差す場合が多いので 混同を避けるため 先ほどはフンドシの呼称を用いました。

話がそれますが「スーパーレコード」という単語の指すものも
「1985年ごろまでのカンパニョーロのコンポのフラッグシップモデル」ではなく
現行の11Sコンポのフラッグシップモデルを指す場合が一般的になりました。
それと同じで、サンマルコに「コンコールスプリント」という
後ろが はね上がった形状のコンコールがあったのですが、
現在 同名で普通の形状の全く違うサドルが出ているので
非常にまぎらわしいですね。
私が話をする場合 古いほうのものを指す場合が多いのも
混乱に拍車をかけます。
脱線終わり


次に、タイヤの貼り方について。
この点がセメントについての食わず嫌いを生んでいるのではないでしょうか。
まずテープの場合ですが、リムに一周テープを貼って、
端の部分だけを少しめくっておきます。
その上でタイヤをまず張り、軽く空気を入れます。
チューブラータイヤは「センター出し」という作業が必要です。
目安はリムから見えるフンドシの出しろが左右一緒、
かつ片側一周で同じくらいに見える感じになれば
あとはタイヤ自身のセンター精度の問題となります。
タイヤの中心がホイールの外周の頂点に来るようにセットした後、
先ほどめくっておいたテープの端を引き出せばタイヤ貼りとなります。

セメントの場合ですが、まずはリム側にセメントを塗布します。
夏と冬(というより気温)で乾燥時間が変わりますが、
指でセメントを触っても糸を引かない程度
(指にセメントがつかない程度)まで乾かします。
それからすぐにタイヤを張って 軽く空気を入れ、センター出しをします。
これは速やかに行わないとタイヤがリムに完全に接着されてしまうので
もたついてはいけません。
また、タイヤ張り時にセメントに触れると 指にセメントが付いてしまい
なかなか落ちなくなってしまいます。
特に個体差として内径の小さいタイヤ(コンチネンタルの高級モデルと TUFO)では
リムにタイヤをはめるのを手こずるあまり バルブの反対側の部分のタイヤサイドと
指をセメントまみれにすることもあるでしょう。
このあたりもセメントが敬遠される理由のようです。

また、セメントの場合ですが
接着力を上げるために タイヤ貼り時はタイヤのフンドシにも
うっすらセメントを塗布した方がいいです。
リムに張っていないタイヤに空気を入れると
フンドシ面が横を向いてきますので(TUFOなどで例外あり)
地面に横たえたときにフンドシが真上を向く状態にしておくと
この作業がしやすいです。
慣れてくると「タイヤ交換時にすぐ剥がれる方がいい」という理由で
接着力を必要以上にしないため あえてこの工程を省いたりもしますが、
私が仕事として預かる場合は100%タイヤにもセメントを塗ります。

また、新しいリムであれば まずリム側にセメントをうっすらと塗り、
完全に乾燥させます。その後 再びセメントを塗り重ねます。
これを何度か繰り返し、タイヤ剥がし時でも そうそう簡単に剥がれない
セメントの膜をリム側にきっちり作ることをオススメします。
この膜を「ベッド」と言います。
最近のセメントは高性能なので
ベッド無しの1回塗りでもタイヤはちゃんと付きますが、
ベッドありのほうが接着力が上になります。
シクロクロスではセメント1回塗り程度では
タイヤ剥がれが起きることがありますから、
ベッドをきっちり作ることはロードバイクよりも重要です。
また、ベッドには リムのタイヤ貼り面を保護する役割があり、
アルミリムではどうでもいいですが カーボンリムではこの点が
重要となることがあります。これについても後述します。


次に、どっちがいいの?という点について。
タイヤ貼りの作業時の簡便さと失敗しにくさ(指が汚れない)から
私はまず初心者の方にはテープをオススメしています。
もうひとつテープを勧める理由があります。
テープを使う場合は リムのタイヤ貼り面がセメントなど全く乗っていない
クリーンな状態でなければいけない、というのが理由です。
DSC03719amx.jpg
↑これはベッド・・・を通り越して 単なるセメントカスになってますが、
この上からセメントを塗るなり もういちどベッドを作るなりすることは容易です。
しかし、テープに移行するために これをきれいに落とすのは至難の業です。
「リムセメントクリーナー」なるトルエン入りの溶剤を使うのですが、
消しゴムで鉛筆の字を消すような簡単な作業ではないのです。
ラリッてしまいそうになる臭気の中、金属のブラシでゴシゴシこすって
リムセメントカスまたはベッドを落とさねばなりません。
なので、セメント→テープへの移行は実質 不可能だと思ったほうがいいです。
私としてはセメント派が増えてほしいのはやまやまですが、
テープ→セメントがいつでも移行可能なのに対して
セメント→テープは実質 不可逆という事情から、
まずはテープをオススメすることにしています。


次に、作業後の接着力について。
テープの、作業の簡便さ以外での もうひとつのメリットです。
セメントで貼ったタイヤは、貼った直後にハードなブレーキングをすると
タイヤが進行方向に対してずれます。
十分な接着力を得るのに作業後 最低でも数時間を要します。
テープの場合はそんなことはありません。
貼ってすぐにレースで使うことも可能です。
最終的な接着力はセメントが勝りますが、
貼った直後に限って言えばテープのほうが上です。


次に、カーボンリムに対するダメージについて。
Tniのリムの説明書には「セメントの場合 溶剤の影響でリムが剥がれることがあります」
とあり、テープを推奨しています。が、これはちょっと疑問です。
カーボンリムからタイヤを剥がすときに
タイヤ張り面のカーボンの表層が剥がれることがありますが、
経験上セメントよりもテープのほうが剥がれ事例が多いです。
セメントの話ですが、これを防ぐために カーボンリムの場合は
アルミリム以上にベッド作りが重要になってきます。
先日のボーラワンの振れ取りの後日談がそれに関連するので
ご紹介します。
DSC03666amx.jpg
↑これ、ボーラワンですが あろうことか
テープの上からセメントを塗るということをしています。
やったのはお客さんではなくてショップらしいですが。
そのときに「タイヤを剥がしたら表層が剥離したぜHAHAHA」と
言われたそうなので(これ自体は起こりうることなので仕方ないです)、
リムの保護を考えて 今後は完全にセメントに移行することになりました。

DSC03672amx.jpg
爪がもげそうだ。
まず、リムに癒着したテープを剥がすのが難儀しました。
これを怠るとベッドが作れません。
頑張ります。

DSC03675amx.jpg
↑きれいにしました。クリアな層が乗っている質感ですね。
これは表層剥がれの起きていない部分です。

DSC03674amx.jpg
↑こちらは表層剥がれの起きている部分。
色つやの無いのが分かります。
今後ここをテープで剥がした場合、
剥がれ箇所がさらに広がる可能性があります。

DSC03676amx.jpg
というわけで1回塗りではなく、
ベッドを厚めに作りました。
本当なら1週間以上かけることができればいいのですが、
白浜のクリテリウムに間に合わせる都合上そういうわけにもいきません。

DSC03678amx.jpg
で、貼れました。

DSC03679amx.jpg
このボーラワンに付随した作業についての私信です。
気にしないでください。
このディスクホイール、コリマのフレキシブルバルブエクステンダーを使うと
かえって良くない(穴に収まらない)ので 延長なしにしておきましたよ~。

DSC03722amx.jpg
話がそれました。
上の画像のリムですが、これはセメント1回塗りで貼った後なので
ベッドがありません。この程度ならきれいに剥がしてテープに移行するのも
不可能ではないかなという感じです。

DSC03725amx.jpg
タイヤを剥がすときに、リム側にセメントが残る方がいいのですが、
DSC03726amx.jpg
タイヤ側にセメントの膜を持っていかれることもあります。
そうしてベッドが無くなった、または薄くなった部分は
次回以降 やや厚めにセメントを塗って乾かします。
先日、ヴェロフレックスのタイヤのフンドシにワックスのようなコーティングが
あると書きましたが、それについて「接着力に不安はないですか」
というようなコメントをいただきました。
セメントでもテープでもそれについては全く問題ありません。
あれはタイヤ剥がし時に ベッドが剥がれにくくするためのタイヤ側での工夫です。


最後に。
セメントとテープ、どちらが有利不利というのはありません。
使いやすいほうでいいと思います。
(シクロクロスではセメントを推しますが)
チューブラータイヤでセメント式の場合、
出先のパンクのとき パンクから再発進までに要する時間は
慣れればWOや チューブラーのテープ式よりも短時間で済みます。
チューブラータイヤは思ったほど面倒くさいものでもありません。
タイヤの構造上 WOよりも乗り心地が良く、
コーナリングの限界が高いものが多いので
機会があれば ぜひ使ってみてください。

category: その他 機材の話

tb: 0   cm: 3

あのホイールをもう一度  

今日もホイー(以下略)。
DSC03707amx.jpg
先日組んだスーパーノヴァのダイナモハブの小径ホイール、
お客さんがリムのサイズを間違えていたとのことで
組み換えになりました。
テーブルクロス引きの一発芸のように
「おりゃっ!」と一瞬で組み換えられればいいのですが・・・。

DSC03712amx.jpg
「おりゃっ!」

DSC03711amx.jpg
せーので・・・。

DSC03713amx.jpg
「おりゃっ!」

DSC03708amx.jpg
よく同じモデルのリムでサイズ違いがありましたね。

DSC03714amx.jpg
実際はもちろん そんなに簡単にはいきませんでした。

category: のむラボ日記

tb: 0   cm: 0

心のゆとり  

今日はデジカメを持って来るのを忘れたので
ipodのカメラでブログを書いてますが、
IMG_0442amx.jpg
サーモンのカルパッチョ

IMG_0459amx.jpg
カプレーゼ

IMG_0455amx.jpg
ペンネ アラビアータ

IMG_0438amx.jpg
白身魚のオーブン焼き

IMG_0491amx.jpg
IMG_0494amx.jpg
IMG_0497amx.jpg
IMG_0500amx.jpg
IMG_0501amx.jpg
太るグラタン

IMG_0483amx.jpg
ボンゴレビアンコ

そういえば最近あんまり料理とかしてないということに気づきました。

category: 新手のスタンド使い

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