のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

くりとりす  

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のっぴきならない用事があったので
梅田まで行ってきました。

category: のむラボ日記

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最終土曜日は お休みですが  

ここ1ヶ月以上コメントやメールのお問い合わせ、ご注文に
ちゃんとしたお返事ができていません。
水曜日(定休日)のたびに少しずつお返ししていますが
全然追いついていません。
さっとお答えできるようなコメントなどについては
すぐにお返しすることもありますが、
ご質問などのコメントも相当溜まっております。
いつかお返ししますのでしばらくお待ちください。
EVO II
「GOKISOハブは右フランジが狭すぎるのでダメ、という理屈はわかりました。
ただ、TniエボハブⅡはトライスポーツのサイトでみるかぎり
右フランジ幅が同じくらい狭いのですが、それはかまわないのでしょうか。
それとも私の図の見方が誤っているのでしょうか。」
というコメントをいただきました。

見方は間違っておりません。
上の図の「フランジ幅」の定義が普通ではないためです。
ハブの寸法を公表しているメーカーのいうところの「フランジ幅」のほとんどは
「片方のフランジの外側から 反対側のフランジの外側まで」の寸法です。
たとえばシマノも外~外です。
外~外を根拠に導かれるスポーク長さは、実は「ヌポークの長さ」です。
タンジェント組みの場合はヌポークと反ヌポークを交互にフランジ穴に通していますし、
首折れスポークの一般的なラジアル組みの組み方は 反ヌポーク通しですが
これらは全てヌポークの長さで組んでいることになります。
この程度であればスポークのねじ山長さに吸収されるので
作業上の問題はありません。

上の図、「この図で言うところの左右フランジ幅」は
16.425mm+36.825mmで53.25mmですが、
これは「フランジの中心から中心まで」という非常に珍しい測り方をしています。
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外~外の幅で見ると約57.7mmです。
私がこのブログで「フランジ幅」と言っているのは この幅のことです。

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試しに、53.25mmに合わせたノギスを当ててみました。
フランジ中心~中心の長さですね。

ハブもリムもメーカーの公称値を信じてスポーク長さを算出すると
たまにエライ目にあうことがあります。

上の図のエボハブIIですが、オーバーロックナット寸法が
65mm+65mmで130mmということになっていますが、
実際はすべて約130.5mmです。

Tniでは他にも AERO80のリム(のむラボホイール3号のリム)の
ERD(リム内径・サポート長)が506mmとありますが
これも間違っています。実測値と全然違います。
内蔵ニップルを勘案した補正値かな?と思って計算してみても それとも合いません。
結果 実測するはめになります。

ROAD38(のむラボホイール2号のリム)と ROAD50(同2.5号のリム)の
内蔵ニップルによるスポーク長さの補正値はおなじですが、
AERO80の補正値とは違います。

話がそれましたが、TniのエボハブIIの右フランジ幅
(ハブ全体の中心から右フランジ外側まで)は18mm台です。
これは11S対応ハブとしては標準的な数値です。
もし外幅計測で16mm台なら フリー側のスポークテンションがすぐに上がりきって
反フリー側がぬるいままのアンバランスなホイールになります。
組み方をよほど考えれば多少ましにはなりますが。

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のむラボホイール3ごうんごうんごうん  

のむラボホイール3号を組みました。
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タイヤはお客さんのお持ち込み分です。
仮付けして伸ばしてます。

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Tniのエボハブですが、11S化してからスリット穴ではなくなったので
CXなどの扁平エアロスポークが使えません。
カッチリ感重視ということでフリー側DTチャンピオン、
反フリー側CX-RAYで左右異径組みの極致を狙います。
(理論上の最大左右差はストロング/CXスーパーとかになりますが
現実的な範囲ではこのあたりです)

スポークの選定や組み方、結線も関係していますが
何よりリム高のせいで「スポークにぎにぎ時の変形量ほぼゼロ」が出ました。
超ディープリムは単純に硬いホイールが組みやすいです。

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3号の前輪も組みました。
ふふふ、ごうんごうん体験の世界へようこそ・・・。

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ヌポークとも反ヌポークとも言われていないので 反ヌポークにしましたが、
リム高があまりに高い場合はヌポークではない方がいい気がします。

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かっこいいなー 自分用にも組みたいぜー(そんな暇は無い)

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ストレッチャーYが出来るまで  

チューブラータイヤ伸ばしマシーン「ストレッチャーY」ですが、
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Y字の台部分とリム部分に分かれています。
リム部分については、より条件がいいものが手に入れば
順次 交換していっています。
円を均等に3分割すると120°位相ごととなりますが、
110°位相くらいで分割されたリムが用意できれば都合がいいです。
先代のリムは3代目ですが、元は20Hでした。
20Hは6H半くらいで分割すれば必要な角度分のリムが得られます。
4代目の今回は私のシャマルウルトラのチューブラー フロントの16Hですが、
16Hは5と3分の2Hくらい(上の画像の状態)で分割すると ちょうどいいです。

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いやー いい感じだ。

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↑こだわりの本革(厚いゴム板など、色々試しましたが これがベストです)

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Y字の台に付けるシャコ万ですが、
EIGER(エイガー)と言うメーカーのクランプを使っています。
ねじの先にある押さえ板は切ってしまいます。
ねじ径はM8のものが最も都合がいいです(理由は後述)。

こういう道具をシャコ万力、またはシャコ万というのですが
お店で「シャコマンください!」と言うと
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↑こいつとスパーリングをする破目になる可能性があるので ご注意ください。
シャコパンチは人間の目では見切れません。

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シャコ万のねじにナットを取り付けます。
供回りによる ゆるみを防ぐためにWナットにします。
リムの中にそれなりのねじ長さが入らないと
使用中に抜けるかもしれないので ナットからねじ山を ある程度出します。
リム穴はシャコ万のねじ径に合わせてドリルで拡張してください。
このとき M6だとリムを押すには細く、M10だと穴が大きすぎる、というのが
M8にしている理由です。

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リム側に必要な条件 その1
リムの頂点は ナットが擦るので出来るだけ平らであることが望ましいです。
これに合致するリムが意外に少なくて困ります。
切断面を やすりで仕上げればWOリムでもOKです。

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リム側に必要な条件 その2
シャコ万のねじがリムに十分入る必要があるので
クラシカルなローハイトリムは不向きです。
ある程度のリム高が必要です。

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のばすまえ

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のばしたあと

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くうきいれる

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あとはそのまま


おまけ
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この手のリムは磁石でニップルを1つ1つ呼ぶのですが、
リムの継ぎ目部分に「壁」のようなものがあり、
ニップルはここを通過できないことは経験的に知っていました。
なので、仮組みのときはバルブ穴の反対側に近い方から順に
ニップルを通すというのを片側ずつすることになります。

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↑リムの継ぎ目の部分

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↑壁があります。実際見たのは初めてです。

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継ぎ目部分の切れ端の重さを測りました。

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↑さっきの切れ端と同じくらいの長さの切れ端の重さを測りました。
端数の揺らぎがあるので「壁」の重さは12gくらいです。
たぶんこれはわざとで、バルブ側との重量バランスを意識した
仕様上の工夫だと思われます。

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のむラボホイール2号を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール2号を組みました。

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前輪はCX-RAY反ヌポーク、
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後輪は半コンペヨンロク組みです。
結線ができないので結線無しです。

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のむラボホイール4号を組みました  

日をまたいでいるので今日もホイー(以下略)。に なるのでしょうか。
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さっき長文の記事を書いたので組むのが遅れました。

昨日、お客さんには
「西の空に明けの明星が輝く頃、一つの光が宇宙へ飛んでゆく。
それがお客さんの4号です。」じゃなかった、
「次に前輪ヌポークラジアルの4号がブログに上がったとき、
それがお客さんの4号です。それを以って「組めた」というご連絡とさせてください。
今日中には組めますよHAHAHA。」
と言っていましたが無理でした。

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結線はしますが今は無理だもう限界だ帰りたい許して

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コメントのお返事(ゴキソハブについて)  

多分こういうコメントをいただくのではと思っていましたが、
先日の記事でゴキソハブについて触れた内容について
「リム単体の剛性が例えばENVEのディープリムのようにもの凄く高くて、
ブレース角も確保しやすく、スポークテンションも充分にあげられるという仕様で、
スポークもCX-RAYとかで高いテンションに耐える、という場合なら、
フランジ幅の狭いGOKISOハブでも
充分な横剛性を確保したホイールを組めると思うのですが、どうでしょう?」
というコメントをいただきました。

このブログで何度も触れていますが、
「フランジ幅が狭いことによる横剛性の低さ」というのは
スポークテンションを頑張って上げましたとか
リムが硬いですとか その程度の条件付けでは到底解消できないのです。
ENVEのリムにしても限界スポークテンションが せいぜい130~140kgf、
これはカーボンリムとしては高めですがアルミリムのそれと大差はありません。

仮にデュラエースのハブで ENVEリムとCX-RAYスポークでカッチリと組めば
間違いなくゴキソハブのホイールよりも横剛性の高いホイールが出来ます。
この場合、デュラエースハブが ゴキソハブよりも劣っているのはハブの回転性能だけで、
それ以外のホイールの要素は全てデュラエースが勝っています。
ただ、デュラエースハブをどれほどカリカリにチューンしても
ゴキソハブの回転軽さにはなりません。これは確かです。

その「回転性能」に構造上付いて回るハブ重量の重さと、
多分 回転性能のために構造上必要ではないと思われる
ナローフランジゆえの横剛性の無さとを 秤にかけたとき、
「この回転性能なら ハブが重たくても横剛性が無くても別にいいや」
ということに20万円以上出せるという方には 良いハブだとは思いますが。

もうひとつゴキソハブで辛いのが「オチョコのひどさ」です。
シマノ9Sの純正ハブの右フランジ幅は、モデルにもよりますが
21.1mm~20.8mmといったところです。
9000デュラエースでは多段化のために18.7mmとなっています。
私がホイールを組んだ感触では、右フランジ幅が20mmを切ると
「オチョコがひどくて左側のスポークテンションが甘くなる」と
いう感じを強く受けます。
現行のカンパニョーロのレコードのハブ(右フランジ幅19mm弱)は
2002年からハブの寸法については変わっていませんが、
出た当時は「オチョコがひどいなー。左スポーク甘いじゃねーか」と
思っていましたが、結局そのフリーボディで11Sまで対応したことと
現行では どのメーカーの11Sハブも だいたい右フランジ幅20mm未満であり
時代がカンパハブに追いついてきたので(追いついたらダメなんですが)
今では「レコードハブだけがオチョコがひどい」とは感じません。
右フランジ幅の1mm2mmというのは非常に絶大な数字で、
例えば24Hのリヤハブの場合(左フランジ幅にもよりますが)
「右フランジ幅21mmのヨンヨン組み」と
「右フランジ幅19mmのヨンロク組み」では
左のスポークテンションに大差が無い感じになります。
私が左右異本組みと称して組んでいる組み方も、
ホイールバランスの是正度では
右フランジのオチョコ2mmを取り返した程度ということです。
(するとしないでは全然違いますが)

で、ゴキソハブのオチョコについてですが フランジ幅 約44mmのハブで
右フランジ幅16.5mmという 異常な数値となっています。
これを左右同本組みしたとすると左のスポークテンションが右に対して
大して上がらず、左シュータッチしやすいホイールになります。
反フリー側ラジアル組みをしたとすれば さらにひどくなるでしょう。
16.5mmというのは他に見たことが無い数字なので、
フランジ幅約44mmと相まって「世界一 左シュータッチしやすいリヤハブ」に
なるのではないでしょうか。
重ねて書きますが、これは「スポークテンション上げたよ!」
「硬いリム使ったよ!」で解消できない問題です。

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私のWフリーハブはフランジ幅約42mmですが、
これは右21mm左21mmなのでオチョコがありません。
なのでゴキソよりも2mm狭いフランジ幅ながら
シュータッチに関しては むしろ ましなのではないかと思います。

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リムはXR300アルミリムですが、リムのねじれにくさは
ENVEの1-45よりは上なのではないかと思います。
ホイールを組むときに、ホイールを横たえて床に向かってリム部分を加重する
「なじみ出し」という作業をしますが 同スポークテンションなら
経験上 XR300のほうがたわみが少ないからです。
ENVEのリムもカーボンとしては非常に硬いほうなのですが、
アルミリムと そういう比較をすれば さすがに劣ります。
スポークは2.0mmプレーンですが、これはCX-RAYよりは
はるかに横に変形しにくいスポークです。
それを 悪あがきの限りを尽くして硬めに組んではいますが、
横剛性がどうやっても稼げません。
私は自分の自転車についてはブレーキレバーの引きしろを
大きめにセッティングするので シューとリムの間隔は広く、
それがためにシュータッチはしませんが、
この間隔を詰めれば(といっても一般にありえる範囲)、
シュータッチするのは確認済みです。
「スポークテンション上げたよ!」と
「硬いリム使ったよ!」に加え、
「太いスポーク使ったよ!」と
「えげつない組み方したよ!」も追加しましたがダメでした。

色眼鏡無しで構造だけを見てやれば
「ゴキソのハブはこのWフリーハブに オチョコの偏りを追加して
寸法に関する条件をさらに悪くしたリヤハブ」ということになります。
回転性能は世界一だと思いますが。

また、コメントにて
「また、実際の組み上がったホイールとしての横剛性が低くとも、
リム単体に充分すぎる横方向の剛性があれば、
デメリットは感知しにくいとも思うのですが?」
というご指摘をいただいていますが、そんなことはありません。
実際に組み上がったホイールの横剛性が低ければ、
実際に走ると横剛性が低いです。
リムの硬さは関係ありません。
理由はさきほど書いたとおりです。

さっきも同じことを書きましたが、
ゴキソのハブの回転の軽さにとって
ナローフランジであることは構造上必要な条件ではないと思うので
フランジ幅だけ何とかすれば化けるハブだと思うのです。
(構造上必要な条件なら仕方ないです)
限度はありますが、ハブの重さは走行感にそれほど影響しません。
この「限度」というのはヒルクライム目的となると
走行感に関係なく途端にシビアになりますが。

工学的な知識や技術のある無しはともかく、
自転車のパーツについて経験的に詳しければ
こんな寸法のハブは絶対に作らないと思うのですが。
「前例にとらわれないものづくり」といいますが、
回転性能だけに固執した視野狭窄に終わっている気がします。

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カーボンのWOリムを組みました  

今日もホイー(以下略)。
とその前に。
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先日、このハブで反ヌポークラジアル組みをしたときに
ヌポークラジアルにしなかったのには理由があります。
このハブの説明書きに
「ラジアルまたは1クロスで組む場合は ヘッド アウト(エルボー イン)で組むこと」
とあったからです。

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ヘッド アウトというのはスポークヘッドが外側に向いている状態、
エルボー インというのはスポークの曲げがハブフランジ内側に向いている状態を指し、
この2つは同義です。このブログ的に言えば 反ヌポークです。
これにあたる日本語が思い当たらないうえ ブログを書く上で頻出する概念だと思ったので
「ヌポーク」「反ヌポーク」という造語を作りました。

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で、本題です。
お客さんからカーボンリムをお預かりしました。

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↑「反ヌポーク」が一般名詞化しとる!

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組めました。

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デュラエースハブもお客さんのお持ち込みです。
18Hはあっても20Hはないという謎のラインナップですが、
ぜひ20Hを出してほしいものです。

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カーボンクリンチャーリムですが、
ビードの耳が厚めなので 座屈に対して強そうです。

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ホイールの左右バランスが見えるという話  

ホイールの左右バランスについて書きたいことがあるので書きます。
これは青い破線を幻視するあまり ついに狂った男の物語でもあります。フヒヒ。

その前に。この記事では「フリー側」「反フリー側」という単語を
ひんぱんに書かなければならないことが予想されますので
フリー側を「右側」、反フリー側を「左側」と表現することにします。
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リヤハブを描いてみました。
フランジ幅(端~端)は57mm、
ハブの中心から右フランジ端までは19mm、同 左は38mmとします。
ハブの中心は黒い破線で描きました。
このフランジ幅は一般的なハブのものです。
これから書くことについて有利になるような恣意的な条件付けではありません。
フランジ径については左右同径とします。
このリヤハブで、左右のスポークテンションが同じになるように
ホイールを組むことが出来ます。

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ハブの全幅の中心ではなく、フランジ幅の中心にリムの中心が来るように
ホイールを組めばそうなります。
前提条件として左右同本組みである必要があります。
リムの中心は赤い破線で描きます。
この「リムの中心」ですが、オフセットリムでないリムの左右穴振りの中間、
または穴振りのないリムの中心で考えます。

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このときの「ホイールの左右バランス」を考えてみます。
ハブ全体に対するリム位置の左右の偏りは置いておいて、
フランジ幅とリムの関係から見れば 前輪と同じですから
ホイールの左右バランスにも偏りはありません。
スポークテンションの偏りの大きさを 青い破線の左右位置で表現することにします。
この場合 左右の偏りがないので 青い破線は赤い破線と重なります。
破線にしたのは 重なっても描けるようにするためです。
赤い破線は目視できますが(リムの位置なので)、
左右のずれを正確に知るには リムセンターゲージが必要です。
青い破線は目視できませんが、スポークテンションゲージでスポークテンションを量り、
その左右差から 計算上どこにあるかを定めることはできます。

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先ほどの状態から、ハイローフランジにしてみました。
リムの左右位置は変えません。
左側のフランジが小さくなったので 左側のスポークテンションが上がります。
左右バランスが偏りました。
青い破線についてですが
「スポークテンションの高いほうに向かって、偏りの大きいほど横にずれる」こととします。

今後 青い破線のずれを「スポークテンションの高い側+寄り」という呼び方で
「右寄り」とか「左寄り」とか呼ぶことにします。
もちろん政治思想のそれとはまったく関係ありません。

この場合スポークテンションは左のほうが高くなったので
ホイールバランスは左寄りになりました。

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先ほどの状態から、さらに左右異本組みにしてみました。
(仮に32Hのヨンパチ組みだったとします)
青い破線はさらに左寄りになります。

この後輪は赤い破線がフランジ幅の中心にあるという 通常ではありえないものです。
実際の後輪では赤い破線はどこにあるのかというと、
DSC06392amx.jpg
↑当然このようにハブ全体の中心となります。
赤い破線は 先ほどの黒い破線と同じ位置です。
(リム中心=ハブ中心)
この一般的な後輪に青い破線を書き加えるとすると
DSC06393amx.jpg
この辺りになります。
とはいっても感覚的な問題で、正確にこの位置かどうかは定義次第で変わります。
何が言いたいかというと絶望的に右寄りということです。
右寄りなのは もちろん多段ギヤ化の弊害で、これをあの手この手で左に寄せようぜというのが
完組みホイール手組みホイールの重大なテーマです。


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これをさらに右に寄せる奴はいないだろう、と思っていたら
そんなことはありません。
右側タンジェント組み・左側ラジアル組みにすると
青い破線はさらに右に寄ります。恐らくは、
「前後左右 全てラジアル組みが最軽量かつ空力的に有利、
でも後輪の右側はペダリングトルクのねじれ対策のためにタンジェント組みにしよう」
という発想から生まれたのでしょうが、
多少のスポークの軽量化や整流効果が
左シュータッチしやすくなるほどに横剛性を下げること以上のメリットになるとは
とても考えられません。

例外は後述しますが、基本的には反フリー側ラジアル組みは時代遅れの組み方だと思います。
ワイドフランジ詐欺前科3犯で 仕様がコロコロ変節するシマノホイールですら
理由のない反フリー側ラジアル組みは 今までしていません。

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左に寄せる方法はたくさんあります。
書いている上から順に。

ハイローフランジですが、ホイールの中心とスポークの挟角(以下 挟角)が変わります。
左右差是正度は大きくないのですが、するとしないでは違うので意味はあります。

オフセットリムですが、理論上の赤い破線をずらすことで
挟角を変えるという優れたアイデアです。
これのすごいところは、右側を鈍角・左側を鋭角に同時にしてしまうことですが
残念なのは(ロードの場合)リム幅が20mm前後なので
オフセットできる量にハブ側ほどの自由度がないことです。
左右是正度はやや大きいです。

左右異本組みですが、究極形はキシリウムの
「右側ラジアル組み・左側タンジェント組み」です。
そこまでやれば左右是正度は大きいのですが、
首折れスポーク(手組み)では「右側を4本組み+左側を6本組み以上」が
スポーク飛びやペダリングトルク時の損失を考えると限界ではないかと思います。
左側のタンジェント組み(可能ならば最接線組みが望ましい)は
ハイローフランジと合わせると左右是正度が低下します。
が、しないよりはしたほうがずっといいです。

左右異数組みですが、大抵の場合は右2:左1のスポーク本数で
ホイールを組むことを指します。
これの左右是正度は絶大です。
2:1スポークで左右異本組みをするとスポークテンションが左右で揃いかねません。
揃うということは青い破線が赤い破線上に重なるということです。
具体的に言うと 32Hハブで右16H:左8Hの後輪を組むときに
左8Hをタンジェント組みすると、ハブの寸法によっては
スポークテンションが逆転してしまうことがあります。
2:1組み自体 首折れスポークで組むことがリスキーだと私は考えていますが、
左側をタンジェント組みするとさらに問題が増えるので
「理論上ある点では最高」と分かっていながら組みません。

先ほどの「反フリー側ラジアル組みの例外」というのはこれのことです。
2:1スポークであれば反フリー側ラジアル組みのほうがデメリットが少ない
(メリットが多いという書き方をしないところにメシノタネコードがあります)
ので、この場合に限りOKです。

「ちょっと違う」と書いた 左右異径組みと
スポークテンションが低い側(通常 左側)の結線ですが、
これらはスポークテンションメーターの数値上では差異が出ますが
本質的な左右差の是正とは少し違うと私は考えています。
これについてもメシノタネコードゆえに書けません。

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ここまで書いた内容では右寄りバランスが絶対悪のようですが、といって
スポークテンションの左右差の是正だけに固執するという短慮な考えは禁物です。
オフセットリムでリム側をずらすがごとく 左ハブフランジを中心に寄せると
左右バランスは劇的に是正されます。
が、フランジ幅を狭くすると横剛性も劇的に下がります。
これによって下がった横剛性は スポークテンションを上げるなどの手段では
到底取り戻せません。フランジ径を大きくしてもほとんど意味はありません。
これが有効なら、前輪は 後輪よりも空力にとって重要なので
ナローでラージなフロントハブが世に出ていてもいいはずです。
アメリカンクラシックのハブの寸法的な不出来について書くと
反論のコメントをいただくことが多いですが、これは事実なのでゆずれません。
左右のスポークテンションを揃えるということは横剛性の向上には関係がありません。
私のWフリーハブはフランジ幅が約42mmと狭く、左右幅が同じなので
左右のスポークテンションも揃いますが どう組んでも横剛性は稼げません。
アメクラのハブはフランジ幅が約50mmなので
(モデルによっては53mmくらいのものもあります)
これは普通のハブとWフリーハブの中間くらいです。

かなり前にいただいて まだお答えしていないコメントで
「ゴキソのハブについてどう思いますか?」という質問がありますが、
いい機会なのでお答えしておきます。
まず ゴキソのハブですが、私も組んだことがありますが
超低抵抗なベアリングの回転です。
これについては他者の追随はないでしょう。別次元です。
重量が重いのは確かですが(通常モデルのリヤハブがパワータップのPROより少し重い)、
回転を低抵抗にするための構造に起因した重量であることと
ハブの内周部であることから
飛びぬけた回転性能を取るなら仕方ない、と私は思います。
問題はリヤハブのフランジ幅の狭さです。
ワイドフランジと謳っているほうでも約44mmと狭く、横剛性は稼げません。

追記:ゴキソのハブのフランジ幅について ご指摘をいただきました。
「44mmではなく もっと広い」とのことですが、
シマノ8・9S仕様とシマノ10S専用仕様ハブの場合は約48mmですが、
シマノ11S対応のハブは約44mmとなっています。

これはともにロード用のワイドフランジの場合で、
小径車用のナローフランジで かつシマノ11S対応のものは約42mmです。

自転車が静止した状態で後輪の真上あたりをつかみ、左右にゆすったときに
通常のハブよりも(特に左側に)うにゃうにゃするホイールを、
乗車時に動的な評価をしたとしても、回転性能の良さが横剛性の助けには成りえません。
ゴキソは「前例にとらわれない技術者集団」を自称していますが
温故知新という言葉もあるわけで、「前例」の積み重ねによって
現行の様々なハブが ある一定の幅の(言いかえれば常識的な)寸法に
行き着いた経緯と結果を軽く見てはいけません。
技術の方向音痴とか書くと荒れるので止めておこう。
この文字サイズならスルーされるはず


重いハブ(=平地は気にならない)で
ナローフランジ(=立ちこぎしなければ気にならない)なので
ディスクホイールのリヤハブ部分に使えば 面白いのではないかとは思います。

DSC06399amx.jpg
最近、手組み完組み問わずホイールを見ると
そのホイールごとの青い破線こと「バランス線」を幻視するようになってきました。
組み換え可能なホイールについては 組み換え前よりバランス線が中心寄りに
なっているかどうかを 特に考えるようにしています。
スポークテンションについては「張ればいい」というものではないので
「組み換え前よりカッチリにする」ということに固執はしていません。
お客さんの要望でそうなることは多いですが。

バランス線の幻視については このブログに毒されて「ホイールを読む」ことを
し始めた方の中にも 同様の症状があらわれることがあるかと思いますが、
私の場合 上の図のように見えていますので
バランス線が見えるという方はそのことを人に言わない方がいいでしょう。



書き始めたときはこんなに長くなる予定はなかったのですが、
最近の私のホイールについての総論みたいになってしまいました。

category: ホイールの話

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のむラボホイール5号的なホイールを組みました  

今日もホイー(以下略)。
DSC06377amx.jpg
キンリンのXR200リムでホイールを組みました。
当店在庫分ではなく お客さんのお持ち込み品です。

DSC06380amx.jpg
ハブは前後ともTniエボハブの同等品(といってもこっちが本家ですが)の
ノヴァテックの482と291です。
後輪は半コンペイタリアンヨンロク組み反フリー側結線あり、
DSC06378amx.jpg
前輪はCX-RAYヌポークラジアル組みです。

私個人のホイールならば 構造上できない場合を除き
ラジアル組みは必ずヌポークで組みますが、
世間一般にある 首折れスポークでラジアル組みされたホイールは
その99.9%以上が反ヌポークで組まれていますから
マイノリティが出しゃばるのもどうかと思い
ヌポーク組みは お客さんに指定されたときにしかしません
(私のほうからヌポーク組みでいいですかとは訊きません)。
でも最近 非常に多いです。

category: のむラボ日記

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コメントのお返事と訂正  

先日、左右異本組みの話を書いたときに
DSC06316amx.jpg
こういう図を描きましたが、ここに「角度が同じ」という記述があります。
これは「X本組みのXが変わってもホイールの中心線とスポークの挟角は不変」
ということですが、これについて「信じられません」というコメントをいただきました。
結論からいうと私が間違っております。
ご指摘ありがとうございました。

DSC06347amx.jpg
↑こういう直方体を考えます。

DSC06348amx.jpg
それを対角線上に真っ二つにした場合の面AFGDを書き足します。

DSC06349amx.jpg
AからF、AからGに直線を引きます。

DSC06351amx.jpg
さらにAから線分FGに向かって直線を適当に何本か引きます。
これらの赤い線は全てAFGD面にあるので、
この直方体を真正面から見た場合
DSC06352amx.jpg
赤い線はすべて同一線上になる、ということから勘違いをしておりました。

DSC06363amx.jpg
「ハブフランジ穴が頂点の位相にあるときの、
その穴から出るX本組みのスポークの伸長方向」を基準にして考えてみます。

DSC06358amx.jpg
以下 赤く塗ったスポークの方向について書きます。
スポークヘッドが見やすいほうがいいと思い 反ヌポークにしています。

で、ラジアル組みの場合はこうなります。
水平面(地面)に対して直交しているので90°です。

DSC06355amx.jpg
とある32Hの4本組みだと このくらいです。
「4本組み」といっても角度は一定ではなく、フランジ径やリム高、
何よりスポーク本数で角度が変動します。
極端な話をすれば1000Hくらいになれば
ほぼラジアル組みと同じくらいの角度になってしまいます。

DSC06362amx.jpg
とある32Hの8本組みだと このくらいです。
32Hの8本組みは最接線組みですが、
水平を少し割っているくらいでしょうか。

DSC06364amx.jpg
これらを図示するとこんな感じになります。
「角度は同じ」ではありません。



DSC06365amx.jpg
次に「スポークの引っ張り方向が真上のとき」を基準として考えます。
スポークの引っ張り方向ですが、ラジアル組みのときはスポークの伸張方向そのもの、
タンジェント組みのときは最終交差する2本のスポークの合力方向で考えます。

DSC06366amx.jpg
仮に24Hのハブだとすると、ハブの二分線を超えた交差は考えないとして
タンジェント組みは2・4・6本組みがありえます。

DSC06367amx.jpg
これに0本組み(ラジアル組み)を書き足しました。
スポークの引っ張り方向基準で考えるので、
0本組みだけはハブ穴の位相が異なります。

DSC06368amx.jpg
それをこういう図に落とし込むと・・・
DSC06370amx.jpg
こうなります。
「角度は同じ」ではありません。

コメントにて「ラジアル組みは角度がにぶく、最接線組みは角度が鋭くなる」という
趣旨のことを書いておられましたが、それを表現するには
さっきの図よりこっちの図のほうがよいかと思います。

コメントは大変参考になりました。
ありがとうございます。
私は基本的に過去記事の変更・削除は誤字脱字を除いてしない方針なので
この訂正記事を元記事からリンクさせておきます。



DSC06400amx.jpg
余談ですが、ヌポークと反ヌポークでも角度は変わります。
これはラジアル組みの話で、タンジェント組みの場合 一般的には
ヌポークと反ヌポークを編むので どちらのスポークがよりホイールの外側なのかは
位置によって変わります。
ホイールを横たえた状態で外側を「上」と表現した場合、

DSC06373amx.jpg
ハブフランジの部分ではヌポークが上ですが
DSC06374amx.jpg
スポークの交差(編んでいる場合)部分では反ヌポークが上になります。

DSC06376amx.jpg
しかし、ニップル部分では 上下関係は収束してしまうのではないかと思います。
角度が同じ、または ほぼ差がないという状態です。

あと、コメントに「これまでスポーク長さが書かれていない」とありましたが、
これはメシノタネコードに触れるからです。
触れるのはスポーク長さそのものではないのですが、
書いてしまうと気付かれるかもしれない「ある事」のために書けないのです。
おっと危ない危ない。

category: ホイールの話

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蟹の血は青い  

先日のスマートエンヴィを組んだハブについて
「どこのハブですか?」という お問い合わせや
「気になってるハブです」というコメントをいただきました。
どこのハブなのか私の口からは言えません。
申し訳ありません。


















DSC06344amx.jpg
↑ダイイングメッセージ


















DSC06345amx.jpg
↑ダイニングメッセージ

category: のむラボ日記

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のむラボホイールを組みました  

今日もホイー(以下略)。
最近非常に忙しかったのですが、
営業時間中にのむラボホイールに取りかかれる位までは落ち着いてきました。
このまま一気に ご予約分を組みたいところです。
230本くらいあったバックオーダーが 140本くらいまでになりました。
予期していたペースを下回ってはいますが、確実に進んでいます。
DSC06340amx.jpg
のむラボホイール1号を組みました。
DSC06341amx.jpg
スポークは全コンペで 前輪はヌポークラジアルです。

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のむラボホイール5号を組みました。
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スポークは前輪がCX-RAYで 後輪が半コンペです。
こちらの前輪は反ヌポークラジアルです。

最近ブログの内容が今日もホイー(以下略)の報告に終始していますがお許しください。
コメントのお返事も相当滞っておりますし、
・ベアリング軽くするの どんだけ意味あるの
・ターボサドルのススメ
・ホイールの左右バランスの話
・コンチネンタルのチューブラータイヤについて
などの「そのうち書きます」という話を書いていないのも承知しております。

「人を雇ったら?」と言われたりもしますが
ホイール組みと このしょーもないブログ書き、
どちらも任せられないので却下です。

category: のむラボホイール

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アサヒのエアロを使い回せ  

今日もホイー(以下略)。
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お客さんからホイールをお預かりしました。
アンブロージオのエクセルライトSSCリムと現行レコードハブの後輪です。

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買ったものの使っていないそうです。

DSC06323amx.jpg
スポークはDTコンペで、イタリアンロクロク組みで組まれています。
今回 用があるのは このハブです。

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もうひとつホイールをお預かりしています。
アメリカンクラシックCR350リムと 同社のハブの前輪です。

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スポークはアサヒの15番エアロです。
スポークヘッドの文字がアサヒの「A」になっています。
このスポーク、非常に軽くて硬いのですが
硬くて うにょーんが出にくい反面 首折れが起きやすいスポークです。

CX-RAYが出る前から存在していたスポークですが、
エアロバテッド部分はCX-RAYより やや厚いものの
ねじ部分の番手が15番(1.8mm径)なので
14番(2.0mm径)しか存在しないCX-RAYよりも細く、
その点では軽さに関して有利です。
ばらしたところ294mmが32本で165.3gでした。
294mmについてですが、スポークの長さを加工した形跡が無いので
スポークの比重を求めるサンプルとしての価値はあります。
165.3(g)÷32(本)÷294(mm)は0.01757・・・です。
2.0mmプレーンの基準値が0.0257ですから
このスポークの比重は68.3%となります。
サンプルが1種類の長さで32本だけと少ないですが
同じスポークの違う長さで それなりの数を量り続けたとしても
プラスマイナス1%以上の変動はないと思います。
CX-RAYは64.5%(当店調べ)なので かなり肉薄しています。
CX-RAYのほうが14番なのに軽いのがすごい、という見方も出来ますが・・・。

DSC06328amx.jpg
で、このCR-350リムとアサヒの15番エアロと先ほどのレコードハブで
スポークを使い回してホイールを組んでほしいというのが お客さんの希望です。
絶版スポークなので、CX-RAYなどで組み換えてしまうよりは
使えるなら使いたいということなのでしょう。
前輪はスモールフランジのロクロク組みで リヤハブのほうがラージフランジですから、
スポークのねじ部分側の非バテッド長さによっては
スポークカッターで長さを調整することにより使い回せそうです。

このホイールのお客さんですが、持っているホイールは完組みより手組みが多く、
その手組みの大半はお客さん自身で組んだものなので ホイールが組めるはずなのです。

「右落としとか左落としとか気にせず まったくのランダムでスポークをハブに通す
→とりあえず片側を組んでみる
→もう片側はスポークの交差がバルブ穴をまたがないように組む」という
JIS・逆JIS・イタ・逆イタが運次第という野生のホイール組み
ではありますが、組んだ数自体はその辺のショップ店員よりは
よほど多いと思われますので ホイール自体はちゃんとしたものを組める人です。

しかしスポークカッターを持っていないので今回 私に頼んだのでしょう。

DSC06331amx.jpg
スポークを使い回せ、とは言われていますが
ヨンロク組みするなとは言われていません。
クックックッ。

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フリー側4本組みの長さにカット可能だったので ついやってしまいました。
上の画像の上の束が反フリー側6本組み用(こっちも少し切っています)、
下の束がフリー側4本組み用です。

DSC06335amx.jpg
組めました。
DSC06333amx.jpg
右落としで
DSC06338amx.jpg
イタリアン組み!

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アルミニップルは使い回しではなく新しいものにしました。
これはお客さんの希望ではなく 私の判断です。

category: のむラボ日記

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ハイローフランジVS左右異本組み  

ハイローフランジと左右異本組み(リヤ反フリー側を フリー側よりも接線方向に組む)は
ともにスポークテンションの左右差の是正に効果がありますが、
実際の是正度は同じではありません。
DSC06316amx.jpg
16Hのハイローフランジのリヤハブで組んだホイールで考えてみます。
16Hの最接線組みは4本組みですから、
左右異本組みをするなら 反フリー側は4本組みとなります。
反フリー側を2本組みした場合と4本組みした場合では
ホイールを横から見たときのスポークの角度
(ラジアル組みから より角度が離れている具合)が異なります。
が、ホイールを前後方向から見たときのスポークの角度は同じです。

追記:「角度は同じ」ではありません!私の勘違いです!
訂正については(→こちら

DSC06317amx.jpg
もしこのハブがハイローフランジで無かったなら、
スポークとホイールの中心線の間の角度は よりにぶくなり、
スポークテンションの左右差は増大します。
ここの角度の差はスポークテンションの左右差について、かなり大きな要素です。
角度を是正(反フリー側を鋭角化)する もうひとつの手段はオフセットリムですね。

DSC06318amx.jpg
次に、反フリー側のフランジが極端に小さい場合を考えます。
思考実験上の極論として、左フランジが「点」だと考えてもいいです。

DSC06319amx.jpg
↑左フランジが小さくなればなるほど4本組みと2本組みの
スポークの伸長方向の差が小さくなります。
何が言いたいかというと、左フランジ径が小さくなればなるほど
左右異本組みで得られるスポークテンションの是正度が小さくなるということです。
ではハイローフランジハブで左右異本組みするのは意味が無いかというと
そんなことは無く、実際上のハブ(私が普段使うTniエボなど)のフランジ径では
意味があります(テンションメーターの数字に明らかな差異が出ます)。
ただ、是正度の大きさについては ハブのハイローフランジ具合のほうが
影響大だということです。

それなりのハイローフランジのハブだと、左右同本組みをしても
同じくらいのフランジ幅の左右同径フランジハブと比べて
左右のスポークテンションの差が少ないのが分かります。

左右同径フランジハブで左右異本組み(24Hのヨンロク組みや32Hのヨンパチ組み)を
すると、やはり左右のスポークテンションの差が少ないのが分かります。

で、ハイローフランジのハブで 左右異本組みをしたとすると
左右異本組みの是正度は薄れますが まったく意味が無いわけではなく、
当然 そのハブで左右同本組みした場合と比べてスポークテンションの左右差は
少なくなります。

表題の結論を言うと 基本的には「ハイローフランジ>左右異本組み」です。

デュラエースのリヤハブは右フランジが45mm、左フランジが44mmなので
半径で0.5mmぶんだけ(一応は)ハイローフランジとなります。
これをフリー側ラジアル組みでキシリウムのような組み方をしたとすると
さすがに左右異本組みの効果のほうが大きくなるでしょうが、
この場合は右45/左44mmをハイローフランジと呼ぶべきかどうかという点が問題です。

最近のハブは多段化のせいで 右フランジ幅が20mm以下のものも多いですが、
第一に フランジ幅55mm以上、
第二に 出来ればハイローフランジのものを選ぶのが
オススメです。第一と第二の重要度には 大いなる隔たりがあり、
決して逆にはなりません。
ハブの寸法は 組み手がいじりようの無い要素であり、
組み方やスポークの選定は 組み手の悪あがきでしかありません。
私は私なりの「ベスト オブ 悪あがき」を以ってホイールを組んでいるつもりですが、
それ以前のハブの選定も重要です。

私はここに 組んだホイールの全てを上げているわけではないのですが、
最近お持ち込みされるハブに 上記のルールを理解したうえで
選んでいるとしか思えない怪しいハブが多いので驚いています。

手組みホイールも面白くなってきたじゃねーかクォックォックォッ(笑い声)

category: ホイールの話

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SMART ENVEを組み換えました  

スマートエンヴィの35の前輪と45の後輪のハブを組み換えました。
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前後ともDT240Sハブで組まれていますが、
DSC06306amx.jpg
↑このハブに組み換えをご希望です。

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ベアリングがギリギリ外にあるのは賢いのですが、
ここまで露骨なのは初めて見ました。

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前輪が組めました。

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ワイドフランジハブですが、ヌポーク通しにはしませんでした。
反ヌポークですが、これでもTniエボハブのヌポーク通しよりは
計算上のフランジ幅が広いくらいです。

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赤アルマイトのハブに合わせてなのか 同じような色のENVEステッカーも
お預かりしていたので貼り替えました。
正直ホイール組みよりもこっちのほうが神経を使いました。

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後輪も組めました。

DSC06315amx.jpg
組み換え前はヨンヨン組みでしたが 組み換えついでにヨンロク組みに、
というのもご希望だったのでヨンロク組みにしました。
スポークは左右ともCX-RAYです。

DSC06314amx.jpg
↑一見フランジ幅がそれほど広いようには見えませんが、
それはハブ胴が左の端まで太い径のまま 突き抜けているためです。
フランジ幅は実測で約60mmなのでリヤハブも かなりのワイドフランジです。
デュラエースとTniエボが約57mm、DTが約53mm、
アメクラが約50mm、ゴキソが約44mm、私のWフリーハブが約42mmです。
フランジ幅というのは非常に絶大な要素で、狭いことによる横剛性の損失は
ハイローフランジや左右異本組みなどの悪あがきでは到底取り戻せません
(悪あがきとはいえ、するとしないでは やはり違うので最大限何とかしますが)。

ナローフランジの横剛性の稼げ無さについては再三このブログで触れていますが、
近々これについても長文の記事を書く予定があります。

DSC03633amx.jpg
↑以前に組んだ このレイノルズのハブ、これも約59mmと非常に広いハブです。
リヤハブは まずフランジ幅、次いでハイローフランジ具合で選ぶと
まず間違いありません。

category: のむラボ日記

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ENVEの1-45リムを組みました  

今日もホイー(以下略)。
DSC06288amx.jpg
ENVEの1-45チューブラーリムを組みました。
リム自体は当店で仕入れていますが、
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お客さんの方から お預かりしたステッカーに張り替えました。

「はりかえ」の変換候補には「張り替え」と出ますが
「張り換え」とは出ませんので ホイールの「くみかえ」も
やはり組み替えが正解のようです。

DSC06291amx.jpg
↑こんなステッカーです。

DSC06292amx.jpg
後輪を組みました。

DSC06295amx.jpg
半コンペヨンロク組み結線ありです。
お客さんは黒スポークをご希望でしたが、
その場合 結線できなくなりますとお伝えしたところ
じゃあ銀スポークで、となりました。
「結線したホイールを使ってみたい」というのが
当店にホイールをオーダーされる
動機のひとつになっているのかもしれません。

DSC06298amx.jpg
前輪も組めました。

このリムのホイールをのむラボホイール0号にしようかと思ったこともありましたが、
究極の番号を このリムに与えていいものかと思い やめました。
今後これ以上に 重量とリム高のバランスが優れたリムが出る可能性はありますが、
現状では最強リムではないかと思っています。

DSC06294amx.jpg
お客さんお持ち込みのヴェロフレックス・アレンバーグを張りました。
フランス語風に言うとアランベールで、パリ~ルーべの悪名高い石畳区間の名前です。
最近太いタイヤがチューブラー・WO問わず 流行っていますね。
当店でもコンチネンタルのグランプリ4000Sの25Cが よく売れます。

category: のむラボ日記

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サンのアサルトリムを組みました  

今日もホイー(以下略)。
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お客さんのお持ち込みでサンのアサルトというリムをお預かりしました。

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このリム、シルバー・ブラック・ゴールド以外に
カモフラージュ・ウインターカモという迷彩柄があります。
ウインターカモはホワイト・グレー・ブラックの冬季迷彩なので
このリムはカモフラージュという色です。
シルバー・ブラック・ゴールドは リムサイドにブレーキゾーンの処理がありますが、
カモフラージュ系の2色についてはリムサイドまで塗装しています。
なので原則リムブレーキ向きではありません。

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ハブはホープのディスクハブをお預かりしていますので、
リムブレーキで使うことは まずないと思われます。
用途はシクロクロスだそうです。

DSC06278amx.jpg
前輪が組めました。
ロクロク逆イタリアン組みです。
ホイールバランスだけを考えるなら 前輪は逆オチョコなので
ロクヨン組み またはハチヨン組みでもいいのですが、
その場合ローター側が4本組み(ラジアル組みに より近いタンジェント組み)に
なるので 避けました。

DSC06279amx.jpg
お客さんの希望で黒スポーク金ニップルです。
黒スポークは 結線ができないので しません。
鉄はアルマイトができないので、黒い色は原理的には塗装です。
黒スポークであっても結線部分にハンダが浸潤すれば ハンダ付けできるかも、
と試したこともありますが 無理でした。

DSC06282amx.jpg
フロントハブですが、
DSC06281amx.jpg
エンドキャップは簡単に外れます。
ベアリングの外形と内径の差の少なさ(=大径シャフトが通せる)を見るに、
部品交換のみの簡単なスルーアクスル化にも対応していると思われます。

DSC06287amx.jpg
後輪も組めました。

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特にお客さんから組み方の指定をされない限り ディスクブレーキハブは
前輪を逆イタリアン組み 後輪をJIS組みにするので
これもJIS組みです。
アサルトはローハイトリムですが ハブ側がそこそこラージフランジなので
反フリー側を8本組みするのに必要な長さが 306mm以内でした。
が、DTの黒コンペティションの入手可能な最長長さが300mmまでだったので
結局反フリー側6本組みのヨンロク組みとなりました。

フリー側X本組み 反フリー側Y本組みだとして、
X/2とY/2がそれぞれ偶数同士または奇数同士の場合は
大多数の穴振りのリム(このブログでいうところの正リム)で組む場合
スポークとハブフランジ穴の位相関係が 左落としでイタリアン組み、
右落としでJIS組になり、
X/2とY/2がそれぞれ片側が奇数で片側が偶数となる場合は
この関係が逆転する、というヨンロク組み特有のワナを
すっかり忘れてました。
仮組み中に気付き、一旦ばらして やりなおしました。

DSC06285amx.jpg
↑ヨンロク組みなので、JIS組みなのに左落としです。
私自身から「要注意」だの「テストに出る」だの言っておいて
最初は右落としで組み始めてました。
JISでヨンロク組みというのは めったにしないので・・・。
と言い訳しておきます。
詳しくは(→こちら

category: のむラボ日記

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DTのRR1.2でホイールを組み換えました  

今日もホイー(以下略)。
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ピストホイールをお預かりしました。

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ハブはデュラエーストラックのスモールフランジ、
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リムはヴェロシティのエアロヘッドというリムです。

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後輪も同様にデュラエーストラックのスモールフランジハブに 同じリムです。

前輪に 一目見て振れ取りを断念するくらいの振れがあったので
リムを換えて組み直します。リムは昨日のDT RR1.2を使います。

今まで「組み換え」という表記で通してきましたが、
「換える」は「AとBを交換する」という意味で
「替える」は「AをやめてBにする」という意味なので
「組み替え」という方が正しいということに だいぶ前から気づいてましたが
今までの書いた分を訂正するのも大変なので
組み換えでいいやもう(投げやり)。
「遺伝子組み替え」は誤記です。この場合は「組み換え」です。
それ以外のたいていの場合は「組み替え」が正解です。

DSC06252amx.jpg
リムのブレーキゾーンの磨耗と固定ギヤの錆びから見るに、
普段はフリーギヤのほうで使っていると思われます。

ボスフリーハブもそうですが、フリーボディハブでないホイールを
ギヤが付いたままで ばらすとギヤを外すのが非常に困難になります。
その場合 ハブ体をバイスでつかむなどする必要がありますが、
99%ハブに傷が付きます。

DSC06255amx.jpg
なので ホイールをばらす前にギヤを外します。

DSC06256amx.jpg
エンドナットが邪魔するので 外す工具がかかりません。

DSC06257amx.jpg
なのでシャフトを抜きました。

DSC06259amx.jpg
ハブの回転に砂噛み感があり どっちみちばらすつもりだったので 手間ではありません。
ボールとボールレースは傷んでいませんでしたが、
もし傷んでいた場合は ほとんどの場合 傷みに左右差があるので
ハブをばらすときはボールの左右が混ざらないようにしないといけません。

DSC06263amx.jpg
洗ってグリスアップしました。

DSC06264amx.jpg
組めました。

DSC06266amx.jpg
中古のリムにしてはきれいだなー(棒読み)

DSC06268amx.jpg
組み換え前も組み換え後も、前後輪ともロクロクJIS組みです。
スポークはDTチャンピオン2.0mmプレーンにしました。

DSC06269amx.jpg
フロントハブは、リヤハブの砂噛み感とはまた違う
「グリス切れてカラッカラ感」がしたので やはりばらしました。
デュラエーストラックのハブは回転の軽さ重視なので
シールがプラスチックのダストカバーのみとなっており 防水防塵性が低いです。
もっともこれは欠点ではなくトラックハブとして必要な性能のために
比較的 不必要な性能を切り捨てた結果です。

ラージフランジモデルの7600のフロントハブは
8mmシャフト仕様と9mmシャフト仕様がありますが、
スモールフランジモデルの7710は9mmシャフト仕様のみです。
9mmシャフトはロードのハブと同じ径なので
クイックレバーが使える中空シャフトに交換も出来ます。
「28・32・36H仕様のみ」「ラジアル組み不可」「要メンテ頻度が高い」というのに
問題が無いのであればロード用のフロントハブとしてカリカリにチューンして使えますが、
メーカーの想定している使用方法ではないのでオススメはしません。

DSC06270amx.jpg
ボールレースに虫食いはありませんでした。
グリスアップだけでいけそうです。

DSC06271amx.jpg
リヤハブもそうですが、今回はかすかに横ガタのある状態でひとまずセッティングしました。
ホイールを組むとフランジがスポークに引かれるわけですが、
その結果ハブの回転が軽くなります。
横方向にも甘くなるので ハブ単体で ぎりぎりガタのない緩めのセッティングにすると、
たいていの場合 ホイールを組むと横ガタが発生します。
それを見越してややボールがカジリ気味なくらいにセットすると
組んだときにちょうど良くなるかもしれませんが、
カジリ気味のセッティングには一瞬たりともしたくはありません。
なので、甘め(ほんのかすかに横ガタあり)の状態でホイールをほぼ組んでから
玉当たりを追い込む、ということをしました。
ハブのオーバーホールとホイール組みが連動しているから したのであって、
ハブ単体のオーバーホールのお預かりならば ガタのあるセッティングにはしません。

DSC06275amx.jpg
DSC06277amx.jpg
組めました。

DSC06260amx.jpg
DSC06273amx.jpg
ギヤの錆びと汚れも可能な限り落としました。
錆びについては「いま錆びを完全に落とす代わりに、後日 一瞬で錆びる」というのがOKなら
もっとやりようがありますが、やめときます。

category: のむラボ日記

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DTのRR1.2でホイールを組み換えませんでした  

今日もホイー(以下略)。
DSC06214amx.jpg
DSC06212amx.jpg
お客さんから6600アルテグラハブ・DT RR1.2リムのホイールをお預かりしました。

DSC06213amx.jpg
DTはリム単体売り事業を始めるに当たり、
現行のRR415に相当する「RR1.1」と
RR585に相当する「RR1.2」から展開を始めました。
なのでこれは現行のRR585と同じリムですが、
ステッカーの糊の強度は違うようで 端っこからピラピラめくれてきたり
といった様子がまったくありません。
私見ですが こっちのステッカーのほうが かっこいいような・・・。

DSC06222amx.jpg
何があったのかは訊きませんでしたが(組み換えに必要な情報ではないので)、
前輪のスポークが1本こうなったのが組み換えの動機だと思われます。

DSC06223amx.jpg
首とびでもなく、ねじ山との境目部分での破断でもない症状です。
ニップルはリムの中に残っていました。

DSC06218amx.jpg
DSC06219amx.jpg
DSC06220amx.jpg
DSC06221amx.jpg
↑どう見てもスポークが短すぎです。
この事と ニップルがゆるんでリム内に落ち込んだこととは無関係ではないでしょう。
どっちみち ばらすので もう関係ないですが。

DSC06227amx.jpg
ばらしました。
ハブを洗って下さいということなので
DSC06228amx.jpg
洗いました。
もし言われてなくてもしてますが。

DSC06231amx.jpg
リムについては何も言われていませんが
DSC06232amx.jpg
ブレーキゾーンを磨き、
(上の画像、リムの左側がきれいに見えるのは光の加減ではなく 磨いたからです)
DSC06233amx.jpg
DSC06234amx.jpg
それから洗って
DSC06235amx.jpg
乾かしました。

新品同然とはいきませんでしたが、かなりきれいになったのではと思います。

DSC06236amx.jpg
べっ、別に東京ばな奈を差し入れてもらったから
リムを洗ったわけじゃないんだからねっ!///

いや本当に恐縮です。
ありがたくいただきましたが、気を遣われるのが苦手なので
できれば差し入れなどは ご遠慮くださいませ。
上では ふざけて書いていますが、仕事の内容や納期に関係することはありません。

DSC06244amx.jpg
組めました。
RR1.2は別件で使います。
リムはXR300にしました。
DSC06245amx.jpg
前後輪ともスポークは全コンペで
後輪はヨンパチ組みの反フリー側結線あり、
DSC06246amx.jpg
前輪は
DSC06247amx.jpg
ヌポークラジアルです。
ご指定される仕様から察するに このブログをよく読んでおられるようです。

あと、いつも書いていてテンプレ化していることをひとつ。
ぴかぴかのシルバーハブっていいですね。

category: のむラボ日記

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R-SYSの音鳴りについて  

昨日の記事とも関連しますが 別件でお問い合わせもあったので。
DSC06211amx.jpg
R-SYSですが、構造上 走行時の下半分(特に接地面からの垂直線上)は
荷重によって スポークヘッドがハブ内部のスポークリングにグリグリ当たっているはずです。
もちろんスポークがガタガタするほど ゆるく組まれてはいませんが、
接触面に削れた跡ができるくらいのグリグリは発生しているわけで、
これは金属(アルミ)同士の接触なので音鳴りの原因に十分なりえます。

スポークヘッドの首元にケヴラーっぽい布を当てていることから
メーカーの方でもスポークがハブ内部方向に抜ける現象は
認知しているものと思われます。

DSC06197amx.jpg
↑スポークヘッドとハブシェルの間の青いのが「ケヴラーっぽい布」です。
これのおかげでスポークヘッドとハブシェルの間では音鳴りはしないはずです。
R-SYSはニップルを増し締めしてもカッチリ感には ほとんど関係しませんが、
「走行時に座屈方向の力がスポークにかかったとき スポークヘッドがハブ内部に抜ける量」は
ニップルの増し締めによって軽減されると思われます。
それと合わせてスポークリングとの接触面にグリスを塗ることで
音鳴りは無くなるか軽減されます。
少なくとも私の経験上ではそうでした。

昨日のR-SYSは音鳴りでお預かりしたわけではないので
ニップルの意識的な増し締めはしていませんが
(振れ取りをしましたが、おもにかすかに締める方向で調整してはいます)
接触点へのグリスの塗布はしました。

「構造上 音鳴りが避けられず、いま鳴っていないR-SYSは
まだ鳴っていないだけ」というくらい頻発する症状なので
お困りの方は一度これで対処してみてください。

category: ホイールの話

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初代レーシング1の振れ取りをしました  

フルクラムの初代レーシング1をお預かりしました。
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振れ取りとセンター出しをご希望です。
この手の仕事は最近ここに上げないことも多いですが、上げた理由は
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こんなに状態のいいレーシング1が現存している!すごい!と書きたかったからです。
おもにローラー台で使っていたそうです。

category: のむラボ日記

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某メーカーのキシリウムK10のオーバーホールをしました  

キシリウムK10と一般に呼ばれるのは日本の代理店が そう呼ぶからであって、
海外ではキシリウムイクシオンK10またはキシリウムイクシオンと
いう表記が多いようです。
なぜ急に「海外では」と書いたのかは秘密です。
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新品です。厳密には自転車に取り付けて当店まで乗ってきていますが。
新品なのでハブは開けずに振れ取りとセンターのチェックをご希望です。
買ったお店で検品・・・というのが無いルートで買われているので
当店が有料でそれをするわけですが、
「その価格」+「当店の工賃」でも国内の流通価格(以下検閲済み)。

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「フリー側ラジアルの左右異本組み」になっています。
この某メーカーで言うところのイソパルスレーシング、
当ブログの定義に当てはめるとゼロヨン組みですが、
スポークテンションの左右差の是正に絶大な効果があります。
首折れスポークでフリー側をラジアル組みにするのは
デメリット大なので 私はフリー側を4本組み、
反フリー側を6本組み以上にするという組み方を普段していますが、
売り物にしないホイールでフリー側ラジアル組みをしてみると
ホイールバランスの変化は一目瞭然です。

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↑スポークヘッドの収まる位置をフランジ穴とすると
厳密には かすかに逆ハイローフランジなのですが、
ホイールバランスにはイソパルスのほうが効果大なので問題はありません。

キシリウムはアルミスポークのホイール組みたさに出来たものではなく、
フリー側ラジアル組みの欠点である ペダリングトルクのねじれ損失を
最小にするために考えた結果アルミスポークになったというのが 私の考えです。

キシリウムのすごいところは、開発方針を変えず モデルチェンジごとに
確実に良いものにしていっているという点です。
しょうもない心変わりや頓挫をせずに 年々熟成を重ねています。
仮に 4~5年ごとにキシリウムのフラッグシップモデルを
買い換えるということをした場合、
常に「前より良くなってる!」という経験ができるということです。

これが ある違うメーカー(どこかは伏せます)の場合、
ペアスポークのホイールだったものが なぜかフリー側ラジアル組みのホイールになり、
さらに左右2クロスになり、さらに2:1スポークになったりと
二転三転して節操がなかったりします。

1999年の初代キシリウムですが、私の実測値メモでは
フロントWOリムが510gとなっています。
2002年にリムに切削を入れたキシリウムSLが出ました。
2004年には全面シルバーのキシリウムSLになりましたが、
これのごく初期のロットのみ切削が深いものがあり
リムが実測で400g以下となっています。
「切削しすぎたから次のロットからは切削を浅めにします」と
いうアナウンスが当時ありました。
2006年のキシリウムESからはフロントハブがカーボン胴になりますが、
重要なのはそこではなく ハブフランジのスポーク引っかけ形式が見直されたことです。
現行のキシリウムSLは ハブに関してはこれがベースです。
K10からはリムサイドにも切削を入れました。
これの嚆矢は同社のクロスマックスSLです。
ディスクブレーキ専用ホイールの場合リムサイドも切削できるからです。
K10はリムブレーキなのでブレーキゾーンは必要ですが、
それでも何とか少しでもサイドを削ろうという試みをしています。
実はリム重量に関しては2004年の初期ロットが最軽量なのですが
K10のリムはそれに匹敵しているのではないかという疑いがあります。
2006年のESのチューブラーは390gくらいなのですが、
WOでは400gを少し超えます。
かつて断念した400g切りのWOリム、に仕上がっているかどうかは
ホイールをばらさないと分かりません。
私はこのリムの実測重量を知りませんが、知っているという奴を知っています。
が、この某メーカーに対して何やらトラウマがあるようで教えてくれません。
しかし今回 匿名とすることを条件に重い口を開いてくれました。
冒頭から白々しく某メーカーという表記で通しているのはこのためです。

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↑どこの誰かはいえません。
あと、「重い口」といいながら やたらと嬉々としているように見えますが気のせいです。

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400g切りとなっていました!
違うメーカー(どこかは伏せます)のカーボンラミネートアルミ軽量リムと
10g以内の差ですが、ホイール体としてのカッチリ感はキシリウムのほうが上です。
特に後輪は比較にならないくらい違います。

キシリウムも「手組みでは超えられない壁」のひとつです。
完組みホイール側としても、専用設計で考え抜いたホイールの性能が
市販の材料のホイール以下になるなら 完組みホイールをいうものを
そもそも作る理由がありません。

この辺のホイールを引き合いに出して「ウチの手組みホイールはそれ以上」と
主張するお店もありますが、到底ありえない話です。

設計のしっかりしている完組みホイールの性能を認めたうえで
手組みホイールと向き合うという「生みの苦しみ」を味わわせてくれるのですよ、
キシリウム先生は。

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マヴィックのR-SYS SLRのオーバーホールをしました  

お客さんからR-SYSをお預かりしました。
DSC06199amx.jpg
1年くらい使っているそうですが、
振れ取り・センター出し・ベアリングのグリスアップなどをご希望です。
センターについては前輪問題なし後輪少しあり、
振れについては前後とも少しありでしたが 大してひどくはなかったです。
ベアリングも痛んではいませんでしたがグリスアップはしました。

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R-SYSのカーボンスポークは、リム側のアルミニップル部分と
ハブ側のスポークヘッド部分をカーボンスポーク部分に接着しており
この3つは 1つのカタマリになっています。
なのでニップルをまわすと ねじれのない連動でスポークヘッド部分も
同じだけ回ります。

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なので振れ取りをする場合、
スポークヘッドがグリグリ当たっているスポークリングを外した上で
振れ取りしないといけません。
ここは金属(アルミ)同士が接触しており、R-SYSのハブ側の異音の原因は
だいたいこれです。今回はそういう用件でお預かりしたわけではないですが、
スポークリングをハブに再取り付けするときに 接点にグリスを塗りました。

R-SYSの前輪のニップルの増し締めは、
乗り味のカッチリ感向上には直接反映されません。
(マヴィックが自称するところの)コンプレッション構造と
カーボンスポークの張力による変形の無さが理由です。
が、ここの増し締め(限度はあります)とグリスアップは
音鳴りの軽減に効果大です。

赤いプラスチックパーツはスポークリングの回り止めなのですが、
初代R-SYSにはありません。
これが改良点かどうかはちょっと疑問です。

DSC06198amx.jpg
この回り止めのせいでスポークリングとスポークヘッドの接触点を
変更できないからです。
初代のリングなら 再組み付け時に今まで接触していなかった部分に
位相をずらすことが出来ました。
回り止めと書きましたが、実際にスポークリングが回転方向にずれた事例は
私は見たことがありません。

DSC06197amx.jpg
↑これはスポークリングを外しただけの状態です。
ここからシャフトを取り付けて振れ取りをするのですが、
スポークヘッドの磨耗が中心よりもハブ寄りでそろっています。
これは本来のスポークリングとの接触点で、そこでそろっているということは
この前輪は振れ取りをしたことがないということです。

category: のむラボ日記

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マヴィックのコスミックカーボンアルチメイトのオーバーホールをしました  

表題の通りですが、振れ取りが実質不可(後輪は条件付きでOK)なので
触って良くなる要素は 少ないです。
DSC06208amx.jpg
お預かりした用件はタイヤの張り直しです。
1年以上張りっぱなしなので 一度剥がして張り直しました。

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1年ごとに必須というわけではないですが、
リムセメントで長期間 張りっぱなしのタイヤは
100%の接着力でなくなっていることもあるので
張り直ししたほうがいい場合もあります。

このホイールの場合はベッド(セメントの下地)が薄めだったので
張り直しの際に やや厚めにベッドを作りました。

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前輪のカートリッジベアリングの埋まっている深さですが、
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玉当たり調整側は構造の都合上 少し内側になっています。
実際に乗って分かるような影響はありません。
左右同じ深さにそろえると 理論上の横剛性は下がるので、
あえてこうしたという見方もできます。

私もこのホイールを持っています。
ライトウェイトと比して どっちがいいとかいうのは難しい話ですが、
ひとつ確実に言えるのは こっちのほうがブレーキの利きがいいです。
縦硬さは私にとっては過剰なくらいです。
リム重量は 同じくらいの高さのカーボンリムと比べて
特段に軽いというわけではないはずですが(多分)、
それだけでは説明のつかない軽い加速感があります。
こういうホイールをみると手組みじゃ勝てんわと思うわけですが、
価格がとんでもなく高いことだけが救いです。

「6万円くらいまでのアルミWOホイール」と
「20万円くらいまでのカーボンチューブラーホイール」に限っては
手組みでも完組みに太刀打ちできうるものが組めますので。

category: のむラボ日記

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のむラボホイール3号を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール3号を組みました。
後輪のみです。

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黒スポーク(結線できない)で 20H(ヨンロク組みできない)なので
スポークテンションの左右差を是正する手段が
左右異径スポーク組みくらいしかありません。
(2:1スポークというのは首折れスポークではリスキーなので論外)

ということで半コンペで組みました。

category: のむラボホイール

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のむラボホイール2号を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール2号を組みました。

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前輪は黒CX-RAY、
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後輪は黒半コンペ仕様です。
黒スポークなので結線は無しです。

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タイヤはお客さんのお持ち込みです。
ヴェロフレックスのタイヤはセンター精度が非常に高くていいですね。

category: のむラボホイール

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EDGEの1-25を組み換えました  

今日もホイー(以下略)。
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EDGEの1-25リムのホイールの組み換えをお預かりしました。

DSC06161amx.jpg
組み換えの理由はTniの10Sハブを11Sハブにするためです。
元は全CX-RAYのヨンヨン組みで結線ありです。
はい、そうです。これのかつての組み手は私です。
以前これを組んだ時点(数年前)で すでに左右異本組みの考えは
私の中にありましたし、私物としても売り物としても 組んではいました。
では何故24Hのこのリムをヨンロク組みにしなかったかというと、
ちょっとでも軽くしたかったからです。
リムが過度に重い場合を除いて ホイールに重要なのは基本的に「軽さ<剛性」ですが、
これぐらい軽いリムが他にまずないので 持った軽さを重視した次第です。

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カタログ値195g時代の次、215g時代のリムでありながら
軽い方に外れています。
現状(ENVEでの)このリムは公称値250g、
実測値も250gちょっとといったところです。

それなら実測300g弱のENVE1-45と比べても
リム高25mm部分までの外周部重量が大して変わらないこと、
1-45のほうがニップルやスポークの重量も内周部に寄り、
スポークが短くなるので剛性も出ることなどから
現状のENVEの場合は純ヒルクライムの使用に限っても
1-45のほうがいいのではないかというのが私の考えです。
座屈(段差や穴踏んでリム割れた、など)にも強いですし。

さすがにこれだけ軽ければ1-25のほうがヒルクライム向きといえます。

DSC06172amx.jpg
↑結線が荒々しいですね。ハンダを盛りすぎです。いや お恥ずかしい。

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組み換えました。

DSC06177amx.jpg
懲りずにヨンヨン組みの結線ありです。
実測576gに仕上がりましたが、
仮に もう少しハブが重くて 且つヨンロク組みにした場合
600g台になったかもしれません。ここは大きな分水嶺です。
207gのリムなら424g以内で前輪を組めますから、
前後で1kg未満のホイールも組めます。

DSC06179amx.jpg
↑結線ですが、もっと上手い人から見れば失笑ものかも知れませんが
数年単位でみれば かなりましな仕上げになったのではないかと思います。

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お客さんの希望で「セメントからテープに移行したいので セメントを剥いで下さい」という
作業をお願いされました。先ほどの記事で苦行だと書いたのは これです。

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何とかテープに移行できるくらいまで取りました。
先ほどの実測207gは この状態を測ったものです。

category: のむラボ日記

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営業停止  

引越しの荷造りのときなどに、不意に手に取った漫画本を 一冊読み始めたが最後、
巻を追ってどこまでも読んでしまうという現実逃避がありますね。
本当はそんなことしてる場合じゃないのに・・・。
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今日の私の現実逃避は「冷凍庫の霜取り」です。

今組んでいるホイールの話ですが、 たいへん面倒な内容を含んでおり
これから逃げたい気持ちでいっぱいです。苦行です。
ホイール組みそのものではなく それに付随する作業が面倒なのですが・・・。
それについては あとで書きます。







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☆ 営 業 停 止 処 分 確 定 ☆

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のむラボホイール2.5号を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール2.5号を組みました。
50mm高のカーボンリムです。

DSC06152amx.jpg
前輪はお客さんの希望だったのでヌポークラジアルにしました。
あまりにディープリムだとヌポーク通しは良くないと
私は考えていますが、50mm高なら別に問題はありません。
これがもし私個人のホイールなら同じようにして組みます。

DSC06155amx.jpg
後輪は半コンペヨンロク組みです。

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