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のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

WH-9000-C24さんとC35さん  

お客さんから9000のC24とC35のWOホイールをお預かりしました。
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まずはC24から。
前後ともセンターずれ無しで 振れが少しありました。
前輪は振れを取ったためにセンターずれを起こしたので
最終的にバッチリ出し直しています。

余談ですが、アルミスポークのキシリウムなどの場合は
ニップルのねじ山のピッチが粗いので
片側だけの振れ取りをすると簡単にセンターずれします。
このあたりは要注意です。

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つづいてC35です。
前輪はハブの玉あたりにガタがあったので直しましたが、
振れ無しセンターずれ無しで 振れ取り台にかけて見るだけで終わりました。

後輪は振れほぼなしでセンターずれありですが
フリー側にリムがずれていたので 助かりました。
振れ取りを兼ねる場合、センターが出ているより直しやすいかもしれません。

最後のC35の後輪だけがセンターずれありでしたが、
お客さんが言う来歴では
C24は まず間違いなく点検していないだろうというショップ、
C35は 国内ショップの通販で「1000円アップで点検します」という
有料サービスを受けたそうですが、
なぜかC35のほうが追い込みが甘いという結果でした。

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レーシング1さん  

お客さんからレーシング1の後輪をお預かりしました。
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こっ、これは!
カンパニョーロやフルクラムのスペアパーツで
約2年間ほど「ハブ胴」が入手できる時期に 私が組んだ
リム/スポーク/ハブが 黒/銀/黒または銀/黒/銀になっている
「手組みレーシング1」じゃないか!

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と思ったら違いました。
お休みの位相がある非ネクタイスポークのレーシング1が
出ていた時期はハブ胴が入手不可になっていたはずです。
これは元からこういう仕様でした。

お預かりした理由は「ハブの回転がゴリゴリだから」です。

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シャフト側のボールレースが完全に虫食っていました。
お客さんは工業系の知識があり 自分でホイールを組んだりもする方なので、
「本格的におかしくなる前に かすかな異常を察知して整備する」ことが出来るのですが
このホイールの最初のオーナーではないので今回は無理だったようです。
ハブの回転がおかしいというのもお客さんからの申告です。

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つい先日も同じことをしましたが、画像を撮り忘れたので。
爪を起こすバネ(どこがバネなんだと思うかもしれませんが
pawl springという名前)ですが、形が いびつになっていました。
この状態では3つの爪を起こす力が均一にならず、
場合によっては ある爪がほとんど寝たままになったりします(←これは非常にまずい)。
なので折れていなくとも 交換をオススメすることがありますが、
その際の見分け方は簡単です。

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↑これは新品ですが、
新品の場合は 重なっているところも含めて きれいな円になっています。
バネの形が円からあまりにいびつな場合は要交換です。

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ハブ側のボールレースは交換しなくてもいけそうだったのですが、
リテーナーボールを交換するので そのあたりに新旧混ざるのが
嫌だったので気持ちよく新品にしました。



~おまけ~
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↑これが「手組みレーシング1」だ!
 
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スペアパーツとしてのハブ胴にはステッカーが貼ってありません。
リムと違い ハブ胴のステッカーはスペアパーツとしての入手は不可能です。

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GSアスチュートのカーボンホイールを組み換えました  

今日もホイー(以下略)。
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配慮さんで隠しきれないから もういいや。
お客さんからGSアスチュートというブランドの
カーボンホイールをお預かりしました。

お客さんは京都在住ですが、かつて東京で買った このホイールの修理を
引き受けてくれるところが近所に無い(訊いたら断られた)とのことで
当店に何度か持ってこられています。

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その要件は「とんだスポークの補填」です。
とんだ箇所にスポークを補填して それ以降すぐに
後追いするスポークが出なければいいのですが、
補填したスポーク以外が短期間に次々ととぶという現象が
起こることがあります。必ずしもではないですが多いです。
この場合、補填した新しいスポークがとぶことはまずありません。
元から張ってあったスポークがとびます。
今まで3度にわたってサピムのCXを補填してきましたが、
当店のCX常時在庫分がシルバーのみなので
補填したスポークは一目で分かります。
今回の件でもシルバーのスポークがとんだことはありません。
4度目の補填分の 4本目のスポークはお客さんが応急で張っています。
本当に近所に「ショップ」が無いのでしょう。

とび癖の付いたスポークは総張り換えしたほうがいいので、
スポークを一新して組み直すことになりました。

元のスポークはピラーというメーカーのものですが、
これが特に飛びやすいというわけではありません。
完組みホイールにもピラー製スポークのものが多々あります。

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組めました。
お客さんの希望で赤ニップルにしていますが、
組み換え前の赤ニップルとは別物です。
当店の赤ニップルにはメーカーとサイズが同じでありながら
紙箱と ナイロン袋に選り分けられた2つのものがありますが、
今回はナイロン袋のほうを使いました。
この2つに性能の優劣はありません。
お客さんにだけは「選り分けている根拠」をお伝えしましたが
知ったうえで見ると全然違うというのを確認してもらいました。

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ハブはBITEXの24Hで、リーフハブの兄弟です。
(どっちが兄なのかは不明)
組み換え前は左右ともCX相当のスポークでヨンゼロ組み、
組み換え後は半コンペヨンロク組み結線ありです。

左右とも組み換え後のほうが スポークが細くなっているにもかかわらず
組み換え前よりスポークの変形量が減っているのを確認してもらいました。
特に反フリー側は 組み換え前がうにゃうにゃだったので
組み換え後の結線無しの状態で はるかにカッチリしていました。

フリー側の編み方を逆イタリアン組み相当から
イタリアン組み相当に変えています。フヒヒ。

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のむラボホイール4号を組みました  

今日は最終土曜日なので定休日です。
が、ちょっとだけ出てきました。

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール4号を組みました。

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前輪は旧エボハブ24H 全コンペ反ヌポークラジアル組み、

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後輪はリーフハブ24H 全コンペヨンロク組み結線ありです。

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金リムの場合 多くの方がそうするとは思いますが
お客さんの希望でアルミ金ニップルにしました。

category: のむラボホイール

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キシリウムSLRさん  

お客さんからキシリウムSLRをお預かりしました。
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前後とも センターがガッツリとずれていました。
同封の手紙には触れられてはいませんでしたが
当店に送られてきたのは おそらく
それに気づいてのことだと思います。
「ずれていました」の表現ですが、
多少のぶれはありますが ひどいほうから
・ガッツリと
・かすかに
・ゲージで検知できるくらいには
・これで出荷してもOKかなという程度でしたが
・濡れた子犬のような
の順となります。

あと、後輪のスポークテンションが明らかに低かったのですが
リムが反フリー側にずれていました。
張りたくもないフリー側が要増し締め、
張りたい反フリー側が触れない またはゆるめる必要があるということです。
結果としてリムのずれが反転するくらい 一旦フリー側を増し締め、
それから反フリー側をかすかに増し締めしました。
出荷状態から こうなのかは不明ですが、
少なくともお預かりした時点ではヌル過ぎましたし
実際にフリー側をそれなりに増し締めできたので
初めからヌルかったのだと思います。
(張ってあれば増し締めしないし そもそもあまり増し締めできない)

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反フリー側のニップルを調整するには
スポークリングを外す必要があります。

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フリー側の調整だけでは振れが追い込めなかったので 外しました。

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再組み立てに際してきれいにしました。


「画像」
↑スポークリングを はめる前に
スポークの頭に異音防止のグリスを塗ります。
水で流れにくいグリスがいいのですが、当店ではこれを使っています。
しまったがぞうをとりわすれた

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過去に、キシリウムのスポークについて
スポークの形状が丸断面から扁平に移行する部分が
魚の尾びれのようになっていて扁平幅が大きいものが旧型、

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通常のエアロスポークのように移行していて
扁平幅が小さいのが新型(キシリウムSLSあたりから採用)、
というようなことを書きましたが、
新旧は完全移行というわけでもなく
前後輪で使い分けていることもあります。

不思議なのは
キシリウムSLSでは前輪が新型、後輪が旧型なのに対し
このキシリウムSLRでは前輪が旧型、
後輪のフリー側が新型(反フリー側はトラコンプカーボンスポーク)
という逆の構成になっています。

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レーシング1 2WAY-FITさん  

お客さんからレーシング1 2WAY-FITをお預かりしました。
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振れが少しあり センターもずれていました。
それに加えて フリーボディの回転がおかしいかもしれないということで
中を見てみたところ、爪を起こすバネがかすかに曲がっていたので
それも交換しました。

ジィーーーーーーーーーーーーーッではなくて
ジィーーーーッコジィーーーーッコという感じの音になっていて
3つの爪のうち 1つの起き上がりが やや鈍くなっていました。
即 要交換というほどでもないですが、
高価なパーツではないですし 換えないことの不安もあるので
交換しました。

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↑バルブカタカタ音防止ガードが無くなっていたので 交換しました。
最近、これの紛失事例が非常に多いので
「当店で常時在庫を努めるパーツ」にしました。

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4つ爪なのが2WAY-FITアルミリム用、

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2つ爪なのがバレットやレッドウインドなどのカーボンリム用です。
この2つに互換性は無く、合わないリムに代用することは できません。

「ながいえび」は 自前の画像だぞという自己主張を含みつつ
転載しづらくさせるために仕込まれている落書きです。
気にしないでください。

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シャマルウルトラさん  

お客さんからシャマルウルトラをお預かりしました。
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前後とも同じくらいセンターがずれていました。
お客さんの前で、ガランガランとリムに当たるケージを
ビタッ!とセンター出しするのは気持ちがいいものです。

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シリコン製のバンド付きケースの小型LEDライトを
ハブに付けているのかなと思いましたが、
(↑街乗りピスト(ノーブレーキは○ね)などで たまに見かけます)

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ガーミンの新型センサーでした。
自転車の見た目はシンプルになりそうですが、
一瞬で盗られそうな仕様です。

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のむラボホイール4号を組み換えました  

お客さんから のむラボホイール4号をお預かりしました。
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先ほどの2号と逆で、リムだけを使い回します。
画像は組み換え後です。
組み換え前は うっかり撮り忘れました。

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エボライトハブ24H 半コンペ結線ありです。

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リムは新品ではありません。

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タイヤとスプロケットを付けました。
この記事を以って連絡に代えています。
おーい 見てるー?

category: のむラボホイール

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のむラボホイール2号を組み換えました  

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール2号をお預かりしました。

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落車で リムが壊れています。

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↑反対側

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リムを交換して組み直しました。

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フリー側のスポークだけは使い回せないでもないですが、
そういうケチり方をして 後日泣きを見るのが嫌なので(お客さんも私も)、
ハブ以外は一新しました。
エボライトハブ24H 半コンペヨンロク組み結線ありで、
組み換え前と 同スペックです。

category: のむラボホイール

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明日休みます  

明日11月27日(木)はお休みをいただきます。
申し訳ありませんがよろしくお願いします。

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のむラボホイール2号を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール2号を組みました。

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前輪はリーフハブ20H 反ヌポークラジアル組み、

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後輪はパワータップG3ハブ24H 半コンペヨンロク組みです。
結線は 終電の時間が迫っているので出来ません。

category: のむラボホイール

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EA90SLXさん  

お客さんからEA90SLXを お預かりしました。
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四国の方で、当店に何度か来ていただいていますが
「橋を渡って鳥取に行ったついでに 大阪に来た」ということです。
方角が全然「ついで」ではない気がするのですが・・・。

そこまでして持ってこられたのに、残念ながら(?)
センタードンピシャ、振れほぼ無しでした。
リヤハブの回転に濁りがあったのでばらしたところ、
ハブ体内部フリー側のベアリングが かすかに傷んでいました。
(ちなみにセラミックベアリングです)
即 要交換といった感じではなかったので 今回は何もしていません。

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そういえば先日 カンパニョーロとフルクラムの
シマノ10S専用アルミフリーボディのロックリングが、
カンパニョーロ規格のものになっている理由について書きました。
このイーストンもシマノ10S専用アルミフリーボディです。

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↑ロックリングのねじ山部分の肉厚が非常に薄いです。
イーストンの場合は ロックリングの規格はシマノに対応しています。

カンパニョーロの場合、当初 シマノ対応のフリーボディを出していなかったので
既存の寸法のフリーボディから流用する形で シマノ用を後から出しています。
その結果 ねじ山の径がカンパニョーロのロックリングより大きい
シマノのロックリングを採用できなかったので、
フリーボディの端の肉厚を稼ぐために
シマノ用アルミフリーボディにカンパニョーロ用ロックリングという
特例的仕様になったというわけです。

このイーストンも 強度的な問題はないのでしょうが、けっこう 薄いです。

category: のむラボ日記

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はねまくる話  

はねる話(→こちら)の続き?です。
今日はアルミニップルを はねます。
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ぐええ めんどくせぇ。

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↑はねました。
画像が粗いのは気のせいではありません。

左によけたニップルは封印です。
右下によけたニップルだけを使います。
こんなことこそ丁稚を雇って やらせればいいのかもしれませんが、
何を基準にして分けているのかはメシノタネコードなので
結局 自分でするしかないのです。
右上の2個(といっても粗さのせいで分かりにくいですが)はアルマイト不良です。

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↑なんか黒い
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↑裏返すと こんなん

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今回はねた分です。
はねているほうが多いですが、問題はありません。
これらはスポークの付属品で、
普段使うニップルは別にわざわざ仕入れているものを使っています。
わざわざ仕入れているニップルと はねたニップルは別メーカーです。
はねたニップルはある特定のリムにだけ使います。
「特定のリム」というのは組む機会が非常に少ないので
今のところ困ったことはありません。

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↑それとは別に 今まではねた分

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どうしよう これ。

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ついでに。最近はねたCX-RAYです。

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↑製造工程が推測できるタイプの不良です。
こういうのはめったと無いのですが、
仕入れている本数が多いので 定期的に見かけます。
こういうやつらのせいでCX-RAYをギリギリの本数だけ
仕入れるのが、怖くて できません。

category: その他 機材の話

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のむラボホイール3号を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール3号の後輪を組みました。
フロント用20H、リヤ用24Hという形で供されているリムですが
24Hだと硬すぎる後輪ができる傾向があるので
後輪もあえて20Hで組むことが多いです。
これくらいのリム高なら 前輪はもっと少スポーク数でもOKなのですが・・・。
(首折れスポークでも18Hくらいがベターだと思われます)

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今日のは24Hです。
エボライトハブ 半コンペヨンロク組みにしました。
この仕様だと ほぼ毎回書いていますが
結線は たぶん要りません。
スポークの交差をにぎにぎしても ほとんど変形しないので
交差の変形を抑える処理=結線ハンダ付けの意味が薄いからです。
お客さんの希望ということもあり やりましたが。

category: のむラボホイール

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エウラスさん  

お客さんからエウラスを お預かりしました。
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後輪のセンターがちょっとずれていた他は 特に問題無しです。

最近のカンパニョーロ/フルクラムのアルミスポークモデルの
ニップルは ねじ止め剤が変わったのか供回り無しで苦も無く回せます。
ちょっと前のある時期のものは ねじ止め剤が強すぎて
工具でニップルの角をナメさせてしまうことが起こりやすかったのです。

category: のむラボ日記

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ボーラ ワン35さん  

お客さんからボーラ ワン35をお預かりしました。
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ボーラ50シリーズと比べて何が助かるかというと
内蔵ニップルでないという点ですね。
チューブラータイヤが張ってあっても振れ取り可能というのは
実は非常に大きいです。
細かいことを言えば ニップルのような四角いカタマリが
ホイールの外周部にあるのは空力的には不利です。間違いありません。
ただ、それと メンテナンス性能のどちらを「大要素」と見るかの話です。

先日のROVALの記事で書き忘れたことがまだありました。
あれも 外ニップルですが、特にシクロクロスの場合
特殊かつ面倒な方法で入念にガッチリと タイヤ張りをすることが多いので、
内蔵ニップル式のホイールだと
タイヤを剥がす手間(以上に張り直す手間)を考えれば
少々の振れ取りなら断念することが多いのです。
なのでシクロクロス用カーボンチューブラーホイールを検討している方で
メンテナンス性も重視するという方には外ニップル仕様のリムかどうかを
チェック項目に入れるのをオススメします。

すっかり脱線していますが、今回のボーラ35は
ショップの点検がなされないお買い物ルートによるものながら
振れもセンターも ほぼ問題無しでした。

category: のむラボ日記

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キシリウムエリートさん  

お客さんからキシリウムエリートをお預かりしました。
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完組みホイールは、黒スポーク仕様が多いこともあってか
お隣との音鳴り(※)を避けるために交差が編んでいないことが多いです。
そんな中でこのモデルは 最終交差に至る2クロスともを編んでいるという
特異な例です。

(※)これが言いたかっただけだと思われます

それはともかく、振れもそこそこありセンターもずれていました。
センターずれは反フリー側の増し締め方向で なんとかなる側だったので
こう書くのも変ですが ずれていてくれて良かったです。

前輪はある重篤な症状があったので お預かりになりました。

category: のむラボ日記

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キシリウムSLさん  

お客さんからキシリウムSLをお預かりしました。
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後輪がおそらくおかしいそうです。
前輪はセンターバッチリ、
振れも取ろうと思えば取るところはあるかな、という程度で ほぼ無しでした。

後輪の振れのほうが大きかったですが これも大した振れではありません。
もしこれが私のホイールだったなら
振れを知っていても放っておくだろうという程度です。
ただ、センターだけが顕著にずれていました。
詳しくは伺っていませんが他のショップで見てもらったそうです。
なるほど 振れがほぼ無いのはそういう理由のようです。
センターゲージが ガタガタするくらいのずれだったので
「2つ以上の後輪を持っていて これ以外がまともだったなら
リヤブレーキのセッティングで気づくレベルです」というようなことを
お客さんに言ったら、まさにそれが理由で
センターずれに気づいて当店に持ってこられたということでした。
マヴィックのこの手のニップルは ねじ山のピッチが非常に荒いので
片側だけの振れ取りを追いかけると簡単にセンターが狂います。
要注意です。

category: のむラボ日記

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のむラボホイール4号の前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール4号の前輪を組みました。

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ハブはあえて 旧エボハブの24Hを選択しました。
いきなりエボライトハブに仕様がスイッチされたため あぶれた在庫です。
スポークはCX-RAYでヌポークラジアル組みにしています。

エボライトフロントハブは旧エボフロントハブより
25gほど軽いのですが、エボライトハブのデザイン上で目を引く
フランジの肉抜き加工による軽量化は 実際は微々たるものです。
アルミ合金と 純アルミの比重差を無視すれば、
1円玉1枚分の体積をドリリングでヌスめば 1g軽量化できることになりますが
エボライトハブの肉抜き分をすべて足しても
1円玉1枚分に達するかどうかといったところです。
軽量化の大きな要因はベアリングの小型化、
ハブ胴とシャフトの小径化によるところがほとんどです。

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タイヤは死蔵していたコルサCXエリートをリムセメントで張りました。
このタイヤが最新モデルであったときは
ロードバイクはチューブラーなら21C幅、WOなら23C幅が
標準的な選択ということになっていましたが
現状ではなぜかそれぞれ それの2C増しが流行しています。

ヴィットリアなどはコルサCXチューブラーで各色そろっているのが
21Cのみで、23Cや25Cはオールブラックしか展開が無かったはずなのですが
いまや各色取り揃えモデルは23Cとなっていて
21Cと25Cがオールブラックのみの展開となっています。
このへんに「最近の太タイヤブームはメーカーが作り出している」というのを
感じたりするのですが・・・。
カーボンリムのほうも 座屈にビビって幅が広いモデルが中心的になっています。
それとの調和もあるのかもしれません。
(ZIPPファイアクレストや SMART ENVEでは
空力が理由ということになっていますが
リム高が特に高いモデル以外でも 幅広リム化しているので
耐座屈性能は意識しているはずです)

死蔵していたタイヤ~という表記や、
この記事のカテゴリーが「のむラボホイール」ではないことから
気づかれるかもしれないので書いておきますが
これ、私物です。すいません。

category: 新手のスタンド使い

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そんなことないよ  

えーと、先日のカーボンホイールのことだと思いますが
「ガソリンアレイさんをいじめないでください」というようなコメントをいただきました。
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いじめてません

category: 新手のスタンド使い

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コメントのお返事(2:1組みとF3スポークの話について)  

2:1組みとF3スポークの話について
「「非均衡型」と言いますが、
’F1スポークと、隣のクロスのF2スポークの合力’と
反フリー側のスポークが正対します
から、
非均衡ということはないですよね。
クロスしたスポークに拘りすぎて視野が狭くなっていませんか?」
という コメントをいただきました。

赤字にした部分について。
その通りなのですが、
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↑ラジアル組みから交互に半分間引く場合と違って、
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↑F3スポーク均衡型と非均衡型では
横振れ取りの追い込める限界が全く異なるのです。
ここでいう「均衡」とは「ホイール全体のバランス」ではなく
「リムの横方向の変形」についてです。
視野が狭いというより、
「ここでは これについてしか触れていない」
と思ってくだされば幸いです。

つづいて
「フルクラムに関する記述も間違っています。
(敢えてこの書き方をしますが)初期のものは等間隔均衡型、
ある時期からは不等間隔非均衡型(似非G3とでもいうんでしょうか)、
ですよね。 」
ということですが、
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↑記事に使った画像は初代レーシング3で等間隔均衡型です。
現行モデルは
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DSC05863amx3.jpg
最新モデルであっても
スチールスポークの等間隔モデルは均衡型なのですが・・・
DSC05866amx3.jpg
DSC05865amx3.jpg
反フリー側に位相のお休みがある
アルミスポークモデルは
非均衡型でした!

確かに間違っております。ご指摘ありがとうございました。
訂正を入れております(→こちら
ちなみに位相のお休みを入れた初出モデルは
レーシング1とゼロの2WAY-FITです。
(このときにレーシング1もアルミスポーク仕様になり
フロントハブ胴がカーボンになりました)
それ以降は非2WAY-FITモデルもお休み位相に変わっています。

最後に。
「それにしても別記事の2:1ホイールは、クロスしたスポークをリムの
隣り合う穴に入れるとはおバカなパターンですね」
ということですが
実は それが書きたかっただけです。
手組みと完組みで立て続けにF3スポーク非均衡型2:1組みのホイールを
お預かりしたので好機だと思いました。

記事中に書き忘れたので書いておきますが、
2:1組みの最大のネガは「反フリー側のスポークがすぐとびそう」なことだと
私は考えています。
その大要素に比べれば 非均衡型の横振れ取りのしにくい点など小要素・・・
だと思っていたら 実際に使い物にならないような実例があったので
実はそこそこ大きい要素だということが分かりました。
「売り物にするには克服しないといけないレベルの問題」ということです。

それを考えると フルクラムでは、リンク先の記事にも書きましたが
「頑丈なリム」つまりスポークテンションに対する変形に強いリムである
という条件をちゃんと満たしているということです。
なぜなら今まで お休み位相のレーシングなんとかさんの
後輪の振れ取りを数限りなくしてきて
「ああ、こいつ非均衡型だから横振れ取りしにくいぜ」と
思ったことが無かったからです。
(2:1組みだから しにくいぜ、というのは確かです。
旧モデルの均等間隔のアルミスポークモデルに対して
特に非均衡型だからということを意識させない、という意味です)

category: ホイールの話

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のむラボホイール5号を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール5号を組みました。

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前輪はリーフハブ20H CX-RAY反ヌポークラジアル組み、

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後輪はリーフハブ24H 全CX-RAYヨンロク組みです。
結線はする予定ですが 今日はシクロクロスのチューブラータイヤを
張りまくって指が痛いので無理です。

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リーフハブの軽さを以ってすれば 後輪700g切りもありえますが
結線でさらに重たくなるうえ リムテープが21gくらいあります。

category: のむラボ日記

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のむラボホイール5号の前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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六甲山練習用ホイールを組みました。
↑お客さんに向けての連絡用の符丁なので 深い意味はありません。

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エボライトハブ20H CX-RAYヌポークラジアル組みです。

category: のむラボホイール

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ROVAL ラピーデ CL40さん  

ふたつ前の記事のつづきなので
未読の方はそちらを先にどうぞ。

お客さんからROVALのカーボン700Cシクロクロス用
ディスクブレーキホイールをお預かりしました。
ROVALの読みについては「ローヴァル」だと思うのですが
現行の代理店さんが「ロヴァール」と呼ぶので、
今後はそれに従わずローヴァルと呼ぶことにします。
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あるショップで買ってから その足で すぐ当店に持ってこられています。
いやそっちで見てもらえよ。
振れとセンターのチェック、あとチューブラータイヤ張りをご希望です。

センターは前後ともバッチリでした。
あまりにドンピシャすぎるので 販売前にキッチリ精度を出しているかもしれません。

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↑ローヴァルの特徴である2:1組みを採用しています。

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前輪はオチョコの関係上 スポークの角度が寝ている側が
反ローター側になるのでラジアル組みが可能です。

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この2:1組みですが、F3スポーク非均衡型になっていました。
ホイールセンターの次に横振れを見ましたが、
ものすご~く追い込めば振れはありました。
が、通常の左右同数スポークの前輪ほどには
横振れがどうしても取りきれなかったので
(あまりに固執すると縦振れが出る)
ホイールの組み方の性質上 仕方がないのかもしれません。

このホイールはディスクブレーキ専用でリムブレーキ不可ですが、
仮にリムブレーキで使っても 利きムラが出ないのでは?
というくらいには仕上がっていました。

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左右同径スポークなのですが、
タンジェント組み側のスポーク1本と
ラジアル組み側のスポーク1本同士で
テンションを比べると、ラジアル組みのほうが張っていました。
左右同径なのでスポークの変形量も
タンジェント組みの1本のほうが大きいということです。
もしこれが後輪で、ローターがシングルギヤで
ローター側が右側なら スポークテンション差が近いどころか
逆転しているということです。
これが2:1組みのすごいところですね。

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タンジェント組み側は8H16本スポークです。
ハブフランジ穴の読みで言えば4本組みですが
1H2本式のハブフランジなので
最終交差までのクロス数を読むほうが間違いがありません。
3クロスなので6本組み相当、あと最接線組みです。

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後輪はオチョコの関係上 2:1組にするなら
ローター側をラジアル組みにしないといけません。
(2:1組みで反フリー側をタンジェント組みすると
条件次第ではスポークテンションが逆転します)

ローター側ラジアル組みの禁を破るのは
さすがに冒険が過ぎるということなのか左右同数スポークです。

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↑ストレートスポークですが JIS組み相当になっています。
この後輪は28本スポークですが、奇数の4倍なので
F3スポークの位相はハブ穴(スポークヘッドの位置)同士の
中間になっています。

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実はハブ体に答えが書いてありますが、
このフリーボディは 特徴的なラチェット方式の
ある別のメーカーのものを そのまま採用しています。
それがどこなのかはここには書きませんが。

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↑2:1組みの後輪になっていますが気にしないでください。
F3スポーク非均衡型の2:1組みは最終交差するスポークが
隣り合った穴同士になるわけですが、
この組み方は どうしても横振れ取りの精度に妥協が出ます。
上の図で このへんと描いた部分の横振れ取りをするときに
リムの位置を実線から破線のほうに横振れ取りしたいとします。
この場合、タンジェント組みのどちらを締めても
リムは寄せられますが縦振れはむしろ大きくなります。
これが均衡型なら反フリー側をゆるめるという選択ができるのですが、
非均衡型では無理です。
かすかな縦振れなら タイヤの接地面の変形量のほうが大きいので
あまり問題はないですが、
もし横振れがそれと同量あれば ブレーキの感触に現れます。
こういう状況になりにくいように 振れを詰めていくのはもちろんですが、
それでも左右同数スポークほどには
横振れを追い込み切れないのは 事実です。

category: ホイールの話

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シクロクロスのタイヤをお預かりしました  

ひとつ前の記事のつづきなので
未読の方はそちらを先にどうぞ。

お客さんからシクロクロスのタイヤをお預かりしました。
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先日組んだ のむラボホイール4号に張るためのタイヤです。

このタイヤが張ってあるホイールですが、
乗ってヌルいなどは置いておいて(実際そうらしいですが)
もっと深刻な問題があるので使わないことになりました。もったいない。

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DTの350ハブ32H2:1組みの全CX-RAYロクゼロ組みですが、

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先ほどの記事でいうところのF3スポーク非均衡型で組まれています。
なのでリムのブレーキゾーンに取りきれない横振れがあり、
シュータッチでガクンガクンとハンドルが前後にゆすられるので
怖くて使ってられないということでした。

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実際、反フリー側のスポークの根元の進行方向やや後ろの部分に限って
リムの偏磨耗がありました。
シューを当て利きするとここを通るたび ガクン!ガクン!となるようです。

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連続したリム穴に番号を振りました。

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1と2がフリー側の最終交差したタンジェント組み、
3が反フリー側のラジアル組みです。

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仮に ここで1と3がフリー側のF3スポーク均衡型タンジェント組みになり、
2がフリー側のラジアル組みになったとしましょう。

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その場合のハブ穴側の位相は
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ここになります。
ハブを加工するかホイールをばらさないと
F3スポーク均衡型に移行できません。
スポーク長さが変わるのでフリー側のスポークは使えません。
(長くなるので無理。短くなる場合でも
CX-RAYの場合はバテッド部分の長さの関係上やっぱり無理)

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逆にハブ穴の位相をずらした場合だと・・・

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リム穴の1と2の中間に穴をあけないといけない形になります。
この場合はG3組みのフリー側の平行に伸びた2本のスポークを
交差させたような後輪になりますね。
というより、空いている位相が 詰まっている位相の倍になるので
現行のフルクラムです。

この組み方は このホイールの組み手が最初に考えたとのことですが、
この程度のことも予期できないで売り物にするとは軽率ですな。

それはともかく このリヤリム、
いまから左右同数スポークに組み換えれば
ブレーキの利きムラが出ないのかどうか気になります。
お客さんはかなり萎えていて リムがもうダメだと言っていますが・・・。

category: ホイールの話

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2:1組みホイールを手組みでしない理由のひとつ  

先日お休みをいただいたときに
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↑こんな落書きを載せていましたが、
これについて詳しく書くつもりが 忙しくて無理でした。

「2:1組みのパターンの比較ですか?」というコメントを
いただきましたが その通りです。

私の考えでは、例えば16:8の24Hの後輪などは
反フリー側をたった8本のスポークで支えているわけですが
これを首折れスポークで組むことが まず考えられません。
直ちに とびはしないでしょうが、スポーク折れのリスクが大きすぎます。
次に、2:1組みをすれば 左右のスポークテンションは概ね同じになりますが
ホイールの片側を担保しているスポークの本数が違う以上
左右からの入力に対する変形量までが左右同じになるわけでは
ないと考えるからです。

これらは否定的な見解からの「大要素」ですが、
今日は2:1組みの否定的見解の「小要素」について。
2:1組みには大別して2種類あるという話です。
で、小要素だと思っていたらそうでもなかったでござる、
やっぱりF3スポーク非均衡型2:1組みはダメだな!
ということになるのですが・・・。

いま当店で ある手組みの2:1組みホイールと
ある完組みの2:1組みホイールをお預かりしていますが、
次の記事と 次の次の記事はそれの実例になります。

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左右同数スポークで反フリー側ラジアル組みの後輪を
ハブ-リム-ハブ型のホイール平面展開図で描きます。

ここから反フリー側のスポークを交互に間引くだけで
(バランスはともかく)2:1組みホイールになります。

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その場合、2つのパターンがあります。
フリー側のタンジェント組みの最終交差の
対岸のスポークを残す形(上の図 下の左側)と
その逆(同 右側)です。
これってバランス的に考えて同じなのでしょうか?

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左右ラジアル組みの後輪なら同じになりますが・・・。

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タンジェント組みは、最終交差している2本のスポークの交差を通る
ラジアル線方向が、引っぱり方向の合力になります。

↑これが成り立つのはスポークの太さが同じ場合です。
「フリーボディをペダリングで前方向に強力に絞った瞬間は
ヤマアラシさん方向のスポークしか実質存在していないから
ヤマアラシさん方向のスポークだけ太くしよう」という
「片側フランジ異径組み」の場合には成り立ちません。
片側フランジ異径組みもNGな組み方ですが(過去 実際にやりました)、
それについて書くと非常に長くなるので また後日。

で、最終交差しているスポークをそれぞれF1、F2と名付けることにします。
F1とF2の合力であるF3は実在しているスポークではないですが、
これを「F3スポーク」として実在上のスポークとして見ることにします。

DSC05772amx3.jpg
反フリー側もタンジェント組みであった場合、
反フリー側のF3スポークというのも定義できます。

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ちょっと話がそれますが、F3スポークの仮想上のリム穴の位置というのは
均等間隔にはなりません。上の図のような感じになります。

DSC05776amx3.jpg
↑これは私物のWH-6800です。
私のハブのホール数の定義は「スポークが出ている箇所の数」になります。
この後輪だと左右で合計20本スポークですが
スポークが出ている箇所は10箇所なので
このハブは「10Hの20本スポーク」ということになります。
(スポーク長さの計算上この考え方が必要です)

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銀色のスポークを最終交差からラジアル線上に置いてみました。
これは可視化したF3スポークです。
なので この場合F3スポークは
片側5Hから出ているラジアル組みのスポークとなります。

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↑で、対岸のF3スポークの根元を見ると
位相的には半分の角度の位置ではなく ちょっとずれた感じになっています。
なので左右タンジェント組みのホイールは
F3スポークで見れば ペアスポーク位相のラジアル組みになります。

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話を戻しますが、結論を書くと
フリー側タンジェント組み反フリー側ラジアル組みの
左右同数スポークの後輪から 半分のスポークを間引くなら

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フリー側のF3スポークと位相的に均衡が取れる側を残したほうが
横振れ取りのバランスが良いです。

DSC05784amx3.jpg
↑上の図の上側を「F3スポーク均衡型2:1組み」、
下側を「F3スポーク非均衡型2:1組み」と呼ぶことにします。

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経験上は間違いなく F3スポーク均衡型のほうが
横振れを細やかに取ることができます。
ただ、この場合は左右同数スポークの後輪(例えば16:16の32H)から
反フリー側の半分(32Hなら8本)を間引いているだけなので
DSC05787amx3.jpg
↑リム穴側に使わない穴ができてしまいます。
ハブフランジ穴が余るぶんには浸水の問題はないですが、
リム穴側だと困ります。

位相のずれなども考えた場合 最も実用上問題ないと思われる
手組みの2:1組みホイールは
24Hリム/32Hハブの組み合わせになります。

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それを久々に ちゃんとした平面展開図で書いてみることにしました。

DSC05789amx3.jpg
穴振りが存在しない24Hリムを用意します。
24Hなので90°分のリム穴は6つです。

DSC05790amx3.jpg
描きました。

DSC05791amx3.jpg
それを4回 回転反復させました。

DSC05792amx3.jpg
つづいてハブ側の穴とスポークも描きこみます。
0本組みをラジアル組みにしたいので反フリー側から描きます。

DSC05793amx3.jpg
↑結論を知っているので ここになります。

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90°ごとに反復しました。これだけだと まだ4Hです。

DSC05795amx3.jpg
残りの4Hは すでに描いた4Hのちょうど中間になるわけですが、
その位相にちょうどリム側の穴があります。

DSC05796amx3.jpg
ここですね。

DSC05797amx3.jpg
反フリー側8Hラジアル組みが描けました。

DSC05798amx3.jpg
いま描いた反フリー側8Hのさらに中間の位相(ハブ側)を描くと、

DSC05799amx3.jpg
ここになります。
リム側に対応した穴が存在しません。

フリー側の穴の位相を描き込んでいきますが、
16:16で左右同数穴のハブなので
位相が これの中間になります。

DSC05801amx3.jpg
↑こうなります。
このいずれのハブ穴からも、0本組みしてラジアル組みになるリム穴は存在しません。
普通のホイールではないことですが、これも
「0本組みがラジアル組みとは限らない」の一例です。
言い方を変えると リム線上のリム穴から垂直に線を伸ばしても
フリー側のハブ穴を通る箇所はひとつもないということです。
ここから、F3スポーク均衡型と非均衡型のタンジェント組みを
それぞれ描いてみます。

DSC05803amx3.jpg
↑均衡型

DSC05805amx3.jpg
↑非均衡型

この24Hリム/32Hハブの2:1組みですが、
「よって、F3スポーク均衡型のほうが優れている」
と単純には いきません。
まず非均衡型ですが、細かい横振れが取りきれません。
シュータッチしているときのブレーキ感に現れないなら
「感知できない=存在していないようなもの」という暴論もOKですが。

つづいて均衡型ですが、タンジェント組みの最終交差が大きくなるので
非均衡型ほどにはスポークテンションの左右差を縮められません。
ただ、超ハイローフランジを盛り込めるなら
その点は概ねカバーできると思われます。
あと、均衡型のほうがスポーク長さの計算が少し面倒です。

いずれにしても、手組みホイールの場合であれば
左右同数スポークにすれば解決する点ばかりなので
2:1組みに固執する必要性がありません。

DSC01397amx.jpg
↑私が過去に組んだもので画像が残っているものも
24Hリム/32Hハブ2:1組みF3スポーク非均衡型です。
XR300リムはスポークテンションによる変形に かなり強いリムですが、
それでもこれを売り物にしようとは思いませんでした。

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↑これはフルクラムのレーシング3ですが、
フルクラムはF3スポーク均衡型を採用しています。
当初のモデルはリム穴の位相が均等間隔で
現行モデルは非均等間隔ですが、
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空いている間隔は 詰まっている部分のちょうど倍なので
21Hの2:1組みならば「28Hから反フリー側を半分間引いた後輪」となっています。

追記:
「28Hから反フリー側を半分間引いた後輪」ですが、
間引くスポークを間違っていました。
コメントでのご指摘ありがとうございます。

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↑お休みの位相でスポークを間引いている場合、
こちらのようになります。

これが成立するのは頑丈なリム、ストレートスポーク、
モデルによってはアルミスポーク、
超ハイローフランジ(詳しく書きませんがフリー側のスポークがハブフランジのほぼ接線方向)、
F3スポーク均衡型だから、などの点で非常に考えられているからです。

これらの多くが手組みで(このレベルで)実現出来ないので
2:1組みは専用設計された完組みホイールの特権だと思ったほうがいいです。

category: ホイールの話

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初代レーシング1さん  

お客さんからレーシング1をお預かりしました。
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レーシングゼロが出る前なので 当時はフラッグシップモデルです。

自動車相手の事故でぶつけてしまったということで、
前輪のスポークが何本も曲がっていました。
上の画像は作業後なので 見て分かりませんが。
スポークが曲がっている状態ながら応急的な振れ取りをしてあったので
「振れはなかった」のですが、センターがガッツリずれていました。
やったショップいわく「大丈夫」ということですが全然大丈夫じゃねーよ。
フロントブレーキが斜めに付くレベルです。
一応、スポークが仮に入手不可だとしても
もう少しまともな調整はできるはずです。

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↑こことか
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↑ここのスポークが曲がっています。

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前輪18本、片側9本のうち ぶつけられたと思われる側だけの6本がダメでした。

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外しているのは運よくスポークが当店にあったからです。

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後輪はシマノ10S専用アルミ製フリーボディです。
シマノ対応フリーボディの現行モデルがスチール製なのは、
スプロケットのロックリングのねじ山の径が
カンパニョーロよりもシマノのほうが大きいためです。

このフリーボディのみ シマノスプロケットのスプラインながら
カンパニョーロの工具対応のロックリングが付いています。
当時これのためにカンパニョーロ用のロックリング工具を
買った方も多いかと思います。

DSC05765amx3.jpg
↑こんな感じになるので、シマノのロックリングのねじ山の径で
アルミフリーボディにするのは難しかったのでしょう。
例外(シマノロックリングでアルミフリー)は
本家シマノや イーストンなどでありますが、
カンパニョーロの場合は 元々あったカンパニョーロ対応フリーボディから
後付けでシマノフリーを出したので寸法的に ここがキビシイのです。
具体的にいうと、フリーボディに圧入されている
2連のカートリッジベアリングの外径は
ロックリングのねじ穴の内径より かすかに小さいだけなので、
カンパニョーロのフリーボディから 内部のベアリングの外径を変えずに
外側のスプラインの切削加工だけを変えて流用した
シマノ対応アルミフリーボディを作るならば
シマノのロックリング径では無理があるということです。

category: のむラボ日記

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RED WIND XLR50さん  

お客さんからレッドウインドをお預かりしました。
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DSC05696amx3.jpg
振れとセンターのチェックですが、どちらも特に問題はありませんでした。
作業前に付いていたタイヤをセンターチェックの都合上 外していますが、
作業後に別のタイヤを新たに付けることになりました。
それがシュワルベのアルトレモなのですが、
カンパニョーロとフルクラムにアルトレモを付ける際に
ちょっと気をつけたほうがいいことがあります。

DSC05760amx3.jpg
例えば コンチネンタルのグランプリ4000Sの場合、
メーカー名とモデル名の表記が概ね対岸同士にありますが、
これの文字の向きはホイール中心を下側としています。
なのでホイールの頂点付近にある表記だけが
正向きで読めるというわけです。

DSC05761amx3.jpg
これがシュワルベのアルトレモの場合、
対岸同士にメーカー名とモデル名という点では同じですが
「表記の文字の向きが同じ」という印字になっています。
なので「シュワルベが正向きで読めるときに
アルトレモも正向きで読める」という関係になっているのですが、

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フルクラムのホイールのリムの表記も そうなっているので、

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ホイール上側でシュワルベ/フルクラム表記が正向きで揃うとき、
DSC05693amx3.jpg
ホイール下側でアルトレモ/レッドウインド表記が正向きで揃います。
性能には関係ないことですが、
文字の向きが揃っていると見栄えがいいので こうするのがオススメです。

category: のむラボ日記

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のむラボホイール1号を組みました  

2日休めば(休んでないけど)長いトンネルを抜けられると思ったら
抜けられませんでした。どっちが出口だったっけ・・・?

それはともかく 今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール1号を組みました。

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前輪はエボライトハブ20H CX-RAYヌポークラジアル組み、

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DSC05754amx3.jpg
後輪はエボライトハブ24H 半コンペヨンロク組み結線ありです。

DSC05758amx3.jpg
DSC05759amx3.jpg
ちょっと前に 同じ構成のホイールを組んでいますが
もちろん別件です 念のため。

category: のむラボホイール

tb: 0   cm: 1

臨時休業します  

明日11月18日(火)はお休みをいただきます。
申し訳ありませんが よろしくお願いします。
DSC05752amx3.jpg

category: のむラボ日記

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