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のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

ボーラ ワン 50さん  

お客さんから ボーラワンをお預かりしました。
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振れや センターずれは ちょこっと作業して直しましたが、
もっとえげつない問題が色々ありました。

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↑まず、フロントハブの右エンド中空ボルトが外れています。

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従来のカンパニョーロとフルクラムのフロントハブシャフトは、
右エンド部分がシャフトと一体でした。
これは左右の5mm六角穴に アーレンキーを突っ込んで回して
締めゆるめをします。

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ところが、ベアリング径が前後同径でなく
従来より小さくなった新フロントハブでは、
右エンドとシャフトが別体なので 右エンドのほうが先にゆるむ可能性があります。
これは新フロントハブの 欠陥レベルの設計で、
構造を改めない限り 今後同様のトラブルが多発すると思われます。

同様の件で すでに5件以上 直しました。
レーシングゼロナイトで シャフトそのものを交換したことも すでにあります。
ここを触る場合は本当に要注意です。

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右エンドのねじ山に ゆるみ止めを塗布してありますが、
左エンドも同様の処置をしているうえ やたらと締めこんであることが多く
こちらが先にゆるむ可能性も十分に高いです。

これを元に戻せばいいだけなのですが、
ハブスパナのつかみ部分はアルミ製です。
自転車専用工具ではない薄口スパナが通るほど 幅が広くもないので

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ハブスパナ2枚がけで固定してください。
1枚がけだと おそらくナメるか、滑って傷が付きます。
お客さんが色々触ってしまってテロンテロンに丸くなってしまった状態から
シャフトを専用バイスでつかんで直したこともあります。
初手を間違うとエライことになります。

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ねじ込みました。
接着剤レベルのねじ止め剤を塗布したのと
左エンド側にグリスを塗って締めこんだこと、
あとは過度に締めこんでいないことから
今後は大丈夫だと思われます。

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フリーボディの空転音を静かにしたかったそうですが、
デュラエースグリスを そこかしこにカンカンに詰めてあったので
全洗浄して グリスアップをし直しました。
作業中に触っただけで 意図したことではないとは思いますが
ハブフランジまでグリスまみれでした。
乳化していないデュラグリスはパーツクリーナーでも なかなか落ちません。

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リヤハブの玉当たり調整ナットの固定ねじを ひねり切っていました。
というより持って来られた最大の要件は これだそうです。
回収できるかな・・・?


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回収できました。
カンパニョーロのスペアパーツとしては ねじ単体の販売は無く、
上の画像の割り入りナット型キャップとセットとなります。

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ここのねじは、単なるM3ボルトかと思えばそうではなく、
首下が丸い特殊な形状になっています。
これは過度に締めると あっさり折れます。

そうならないためのコツは
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締めていって・・・

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割りがピッチリ閉じた瞬間に手を止めればOKです。
これ以上も簡単に締めこめますが
あと1周いかないうちにポキンと折れます(たぶん)。

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今回は私の手持ちのねじ単体で何とかしましたが、
割り入り調整ナットごと買う場合 パーツ代だけで数千円します。

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エウラス 2WAY-FITさん  

お客さんから エウラスをお預かりしました。
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オーバーホールをご希望です。

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普通に使っていてグリスが切れただけという感じで ガタも無く
ベアリング球なども 交換を要するほど傷んでいたパーツはありませんでした。

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フリーボディの爪起こしバネも歪んでいません。

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ひとつだけパーツを換えました。
ボールレースに はめるシールですが、ゴムの部分が切れて
金属の芯が出ていたので交換しています。
(画像の状態は 私が引っ張ってめくったので誇張されています)

お客さんには このパーツ代を請求していない(工賃に含めた)うえ
手紙にも書き忘れたので まだお伝えしておりません。

点検ですが、普通に使えばこれくらいはという横振れが出ていました。
センターずれが前後ともありましたが、後輪のほうは やや大きかったです。
お客さんは のむラボホイール2号も持っているので
ホイールを入れ換えた際に ブレーキシューの間隔から
センターずれに気付いていたかも知れません。

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先日のレイノルズのリムで後輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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先日バラした レイノルズの26インチチューブラーリムで後輪を組みました。
(→こちら)の件の続きです。

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エボライトハブ20H 黒半コンペヨンヨンイタリアン組み結線無しです。
結線無しは お客さんの希望です。

今回のイタリアン組みですが、右落としで通しています。
イタリアン組みする場合 ヨンヨン組みの場合は左落とし、
ヨンロク組みの場合は右落としとなるわけですが
なぜ右落としで組めるのかというと リムの穴振りを逆リム扱いしたからです。

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リム単体の状態で見たときに、
リム穴のフチが「ピリッ」ときている箇所が いくつかありました。

リム穴の厚みがそこそこあるのと 内蔵ニップルであることから
ホイールの再組み立てで ぶっ壊れるとは思いませんが、
当然 ビビったほうがよさそうです。

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↑ピリッと きている箇所
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↑そうじゃない箇所

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レイノルズの この世代のリムは、内外周とも穴振りがありません。
正リム扱い・逆リム扱いのどちらでも組めます。
レイノルズの完組みホイールでも 正リム扱いと逆リム扱いが混在しています。
手組みの場合 ホイールビルダードットコムなどでは正リム扱いで組んでいるようですし、
私もリム単品を組む場合は正リム扱いで組むことがほとんどです。

ライトウェイト的カーボンスポークモデルの「RZR」では、
なぜか年代により 逆リム扱いだったり正リム扱いだったりします。
RZRを見ればレイノルズの公式見解が得られると思ったのに
そこからして曖昧とは困ったものだ。

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仮に 組み換え前が正リム扱いであった場合、
組み換え後も正リム扱いして組む限りは
リムの左右を入れ換えても リム穴がピリッとしている向きと
スポークの引っ張り方向は変わりません。
フリー側か否かで 角度とテンションは変わりますが。

この状態から あえて逆リム扱いすることで
ピリッとしている方向と逆にスポークを張るほうがいいのでは?
というのが 今回の趣旨です。

DSC03902amx4.jpg
↑リンク先の記事にもある 組み換え前の状態です。
DSC04057amx4.jpg
↑それと同じような位相で撮った組み換え後の状態です。
ドライバーを突っ込んでいるのが バルブ穴です。

リムに貼ってあるウェイト兼マグネットを見れば分かりますが、
組み換えに際して リムの左右は変えていません。

組み換え前は左落としニーニー逆イタリアン組みなのですが、
左落としでイタリアン組みか 逆イタリアン組みをする場合
必ず正リムの穴振りになるはずです。
が、組み換え前は逆リム扱いでした。
DSC04054amx4.jpg
なぜかというと、組み換え前は
「左右一対の最終交差の中にバルブ穴が来ている」という
不細工な組み方をしており、
これによって位相が1つずれていたからです。

バルブ穴から時計回りに隣のスポークが
自分から見て手前のフランジから出ているわけですが、
これは逆リム扱いです。
元が逆リム扱いだから ピリッときている方向と逆にスポークを張るには
正リム扱いで組めばいい・・・のですが、他にも思うところがあり
あえて組み換え前と同じ方向にスポークを張りました。

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右落としにしたので バルブ穴は左右4本の交差の組みの間に来ています。
「もしリム穴がピリッときていなければ 正リム扱いで組んだのか」
と言われれば たぶんそうしたと思います。
なぜあえて スポークを張る方向を変えなかったかは ここには書きません。
そもそも リム穴がピリッときているのを見て 逆リムを正リムにしようとしたのに、
それでも結局 逆リムで組んだというのは おかしいと思うかもしれませんが
そうしただけの理由はあります。

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カンパニョーロやフルクラムの前輪は
基本的に 逆リム扱いのラジアル組みです。
スポークを1本交換するくらいなら関係ないですが、
バラバラの状態から組むときは要注意です。
後輪は 左右異数スポークの場合
バルブ穴の両側ともフリー側のスポークということがありえるので
穴振りについては特殊です。

上の画像はキシリウムESですが
マヴィックの完組みホイールは基本的には正穴振りです。
タイヤが付いてないのにバルブがある=チューブレスバルブ
ということですが 気にしてはいけません。

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コスミックカーボンアルチメイトは なぜか逆穴振りです。
リムとハブフランジの成型など、どう見てもコリマと同じです。

ところで、コリマの完組みホイールは
基本的に逆穴振りなのですが それがどういうことなのかは
気にしてはいけません。

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キシリウムSLRさん  

お客さんから キシリウムSLRをお預かりしました。
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スポークが1本とんでいます。
修理後の画像は撮り忘れましたが
スポークを交換して 直しています。

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↑こんなん なってました。

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キシリウムSLさん  

お客さんから キシリウムSLをお預かりしました。
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スポークが1本とんでいます。
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直しました。
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↑こんなん なってました。

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キシリウムESさん  

お客さんから キシリウムESをお預かりしました。
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ちょっと画像がボケていますが、バルブが斜めになっているのは
斜めに通っているわけではなく 途中で曲がっていて、
バルブコアも吹っ飛んでいます。

レースで落車したそうですが 骨折や捻挫などたいした怪我もなく
バイクのほうがダメージ大です。
それらも直しましたが記事にするのはこれだけです。

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「もうリムが終わった」と思うほど振れていましたが
よく見ると スポークが曲がっています。

こう見るとまず分かりませんが
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↑こっちから見ると こんな感じ

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スポークを交換して 直しました。
リムに血痕とか付いていた気がするのですが 気のせいです。

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曲がっていない
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フリは やめろ。
最初 本当にリムが終わったのかと思いました。

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キシリウムSLRさん  

お客さんから キシリウムSLRをお預かりしました。
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前輪は ほぼ問題なし、
後輪は横触れがきっちり取ってあって センターずれがありました。
幸いにも(?)反フリー側にリムがずれているので
うまくいけばフリー側の増し締めだけで調整できるかもしれません。

結果、何とかなりました。
最後にあった小さな横触れもフリー側のニップル直下だったので
これは本当に本当に運がいいです。

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というのも、もし反フリー側を ほんのちょっとでも触る必要があるなら
一旦ハブシャフトを抜いてトラコンプリングを外す必要があり
非常に面倒なことになるからです。

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レーシングゼロ ナイトさん  

お客さんからレーシングゼロ ナイトを お預かりしました。
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ボーラ ワンやシャマル ミレなど、上位グレードのホイールの精度が
最近 非常に高いのでこれもそうだろうと思いつつ見てみると
まず前輪は 振れほぼ無しセンターバッチリでした。
後輪も振れほぼ無しだったので前後とも当たり・・・かと思ったら
ゲージに検知されるセンターずれがあったので直しました。
全体としては優秀でしたが、予断はいけません。

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スペアパーツの保有年数について  

先日、HB-7800ハブで組まれた前輪のオーバーホールをしましたが
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↑(イタリアン組みなので)見なし左側が こんな感じで
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↑見なし右側が なにやら腐っていました。

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玉押し一体型シャフトのほうが見なし右側で
ダブルナットで調整する側が見なし左側ですが
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↑左側
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↑右側
それぞれこんな感じです。
このハブですが、パーツが入手できないので 完全な修理は不可能です。
私も しょっちゅう調べているので間違いないですが、
玉押し系のパーツは 完組みホイールの年代でいうと
7900系が何とか入手可能で 7850系とそれ以前は廃版です。

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7900のシャフト(画像 下)で代用・・・できません。
ボールの位置(ハブ体内部の玉押し間の距離)が異なるので 合いません。
今回の場合もそうですが、ハブ側の玉押しには虫食いが無いので
エンドナット側のボールレースが交換できるだけで ずいぶん結果が変わってくるのです。

HB-7800は2004年に出たパーツですが、
これの相方の後輪のハブがFH-7801(リヤだけマイナーチェンジした)なので
実際は2005年か2006年に組んだものだと思われます。
2005年というと マヴィックならES直前の銀色キシリウムの頃、
フルクラムならデビュー当時ですが
これらのホイールはパーツの入手が可能で 修理もできます。
DURA-ACEが ジュラエースと呼ばれていた頃は
ジュラルミンのジュラだということになっていましたが、
最近の後付け設定では デュラエースのデュラは
durability(耐久性)から来ているということになっています。
10年経たずにサポートを打ち切るということは、
メーカーが想定しているデュラエースの寿命自体が
その程度ということなのかもしれません。

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というわけで、今回は 洗浄とグリスアップで ごまかしました。
ハブ側の玉押しとボールは それほど傷んでいません。

おまけ
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7800系は シマノのロード用リヤハブで唯一
ハブ体右側にベアリングがある形式です。
カンパニョーロのハブそっくりです。

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のむラボホイール1号の後輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール1号の後輪を組みました。

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エボライトハブ24H 半コンペヨンロク組み結線ありです。

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スピナジー REV-Xさん  

お客さんからスピナジーのレブ エックスをお預かりしました。
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テンション構造の8枚(4対)のブレードで作られたホイールです。
(これのMTB用ホイール版では12枚(6対)になっています)
これは初期のモデルで、後になって ブレードに
大きな三角形のステッカーが貼られるようになりますが
これとほぼ同じモデルで青ステッカーのものが「スタンダード」、
ブレードに補強を入れた赤ステッカーのものが「スーパースティフ」、
ハブ軸を軽量化した(※)黄ステッカーのものが「エクストラライト」と
細分化されるようになり、その後に エクストラライトのハブ軸で
スーパースティフのブレードという統合された仕様のものが最後に出ました。

※:フロントハブはアルミ軸、リヤハブはチタン軸です。
エクストラライトについては「エキストラライト」と書こうと思ったのですが、
モデル名がExtraLiteではなくXtraLiteなのでエクストラにしてみました。

このホイール、当然 振れ取りなどは出来ませんが、
点検できることはしてほしいということで 持って来られました。

横振れが 前後ともかすかに1ヵ所ありましたが、
ホイールの年代から考えると十分に少ないといっていい程度です。
前輪のセンターがずれていましたが どうしようもありません。

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まず前輪ですが、もしベアリングやシャフトの交換をするのであれば
ここのスナップリングを外します。
取っ掛かりのいいようにスナップリングの片方の端に切り欠きがあります。

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エンドナットは C型スナップリングが はまっているので
これを起こすと 外せます。

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ベアリングのグリスアップをするだけなので
本当はどちらも外さなくていいのですが 参考までに。

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リヤハブのところに「センター オブ テンション ハブ」とありますが、
単にオチョコが無いというだけのことです。

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↑フロントハブもナローですが、リヤハブのフランジ幅の無さは
バトンやディスクを除く テンション構造の後輪の中で一番かもしれません。
少々ナローフランジなハブ程度では(実際するかどうかは別として)
反フリー側にもフリーボディを付けるだけの寸法はありませんが、
このハブはやろうと思えば出来るからです。
今までは 私が自作したWフリーハブが
最もナローフランジなリヤハブだと思っていましたが、
これのほうが狭いかもしれません。

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リヤハブですが、これはシマノのフリーボディを流用しています。
出た年代からして8S用だと思いますが 10Sまでは使えます。

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右エンドのナットを外して
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シャフトを反フリー側に引き抜くと こうなります。
ベアリングの状態が非常にいいですね。
ここからフリーボディを外すために中空ボルトをゆるめるわけですが、
最初のフリーハブである7400系の場合のみ 専用工具が必要になります。
それ以降の中空ボルトは10mmか12mmのアーレンキーで外せます。

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シマノハブと同じスプラインです。
フリーボディの どん突き防止用ワッシャーも入っています。
(黒いので分かりやすい)

この構造は7800系を除いて 9000系に至るまで 基本的には同じです。
スプラインの形状を変えるというユーザーの切り捨てはありましたが(→こちら)。

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反フリー側がカートリッジベアリング、フリー側が大きなバラ玉ですが
これでトラブルが多発していないのが不思議です。

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シマノがフリーボディハブを考えた最大の理由は
「ベアリング間の距離を広げたかったから」です。
(「軽量化」ではありません。軽いボスフリーギヤを使えば
当時のフリーボディハブ+カセットスプロケットよりは軽くなるので)

発想がボスハブの延長なのでベアリングは左右1ヵ所ずつしかなく、
フリーボディを外した場合「オチョコのある前輪」 状態で回転させることは出来ません。
現行のハブでも 反フリー側がバラ玉でなく
リテーナー式になっている以外は 同じ構造です。

これでトラブルなく使えるのは、左右ともアンギュラ(角度)コンタクトで
球径がそれなりに大きなベアリングだからです。

DSC04009amx4.jpg
↑現在の一般的なフリーハブではハブ体の左右に1つずつ、
フリーボディの両端に1つずつで 計4つのベアリングが使われています。
通常はカートリッジ式のラジアルベアリングですが、
カンパニョーロの場合はハブ体のベアリングのみ
アンギュラコンタクトのリテーナーベアリングです。
例外として ハブ体に アンギュラコンタクトのカートリッジ風ベアリングを
採用していて玉当たり調整を煮詰められるようにしているメーカーもあります。
この手のハブの場合は フリーボディを外した状態でも
ギヤ無しハブとして転がることは可能です。
ラジアルベアリングだけの場合 上の図の状態で計4つ配していないと
実用上ベアリングがすぐに壊れてしまうようで、
ここからベアリングを省略するのは難しいようです。
アルケミーのハブで ベアリング幅を ほぼハブいっぱいに取って
3つにしたものがありましたが、残念ながらリコールになりました。

DSC04011amx4.jpg
マヴィックの場合は ベアリングが3つなのですが、
ハブ体フリー側のベアリングを 外いっぱいに取っています。
あと、図では描き忘れましたがフリーボディとハブ体の間に
ゴムのシールリングがはさんであり、
車の半クラッチのように 常にスリスリと擦っています。
フリーボディのオイル(グリスではない)の粘度が
低いにもかかわらず漏れ出しにくいのも、
後輪が浮いた状態で 後輪を回すと
チェーンを介してクランクが回るのも ここの接触が原因です。
フリーボディでも ペダルをよどみなく漕いでいる間は固定ギヤと同じなので
ここの摩擦は気にしないということなのでしょう。
ベアリング3つで成立しているのは、シールゴムの接触が
ベアリングではないブッシュとして働いているからかもしれません。

DSC04013amx4.jpg
と考えると 左側がカートリッジベアリング(しかもナローで球径も小さい)で
ベアリングの数も2ヵ所な このスピナジーのハブが
当時あまり不具合も聞かずに一応使えていたというのは
不思議です、という話です。
ガッタガタになったのを見たことはありますが。

私のWフリーハブは上の図の右半分を2つくっつけた状態になるので
ナローフランジによるスポークの性質はともかく
ベアリング幅は超ワイドで 球径も大きくアンギュラコンタクトなので
その点での不安はありません。

DSC03366amx4.jpg
フリー側のダブルナットで玉当たり調整をするので
ハブスパナが2つかかるようになっていました。
これが当時のシマノハブの元からの仕様なのか
スピナジーの慮りなのかは分かりませんが、たぶん後者です。

追記:私は記事を上げてすぐに誤字脱字のチェックや
「てにおは」を直したりするのですが、こんな時間だというのに
そのあいだに3拍手も付いていました。
こんなクソブログで夜更かしするのはオススメしません。

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ZIPPのハブで のむラボホイール1号の前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール1号の前輪を組みました。

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ZIPPのフロントハブ20H ストレートCX-RAYラジアル組みです。

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訂正します(コメントのお返事)  

先日のZIPPのハブについて書いた記事で
DSC03990amx4.jpg
36Hの6本組みと 24Hの4本組みでは
スポークの角度が同じ、と書きましたが、
それについて
「36Hの6本組と24Hの4本組でスポークの角度が同じ、という部分なのですが、
ちょっと疑問に思ったので質問させて下さい。
ハブの中心からスポークを通した穴の角度(画像の赤ペンで書かれた角度)が、
私の計算では36Hの6本組が100度、24Hの4本組が90度なのですが、
のむらぼさんはどのような計算をされているのでしょうか?」
というコメントをいただきました。

ご指摘の通りです。私が間違っておりました。元記事も訂正します。
度数法と弧度法がごっちゃになっておりました。
同じになるのは「スポークの長さ」です。
XHのY本組みで X÷Yの解が同じになる場合、スポークの長さも同じになります。
リムとハブが同じなら 36Hの6本組みと24Hの4本組みと
60000Hの10000本組みはスポークの長さが同じです。
最終交差の線分(=スポーク)の長さが同じになるということから
角度も同じになるというカンチガイをしておりました。
コメントありがとうございました。

ちなみに、60000Hの10000本組みの計算式が組めれば
そこからスポーク長さが計算できます(各種補正値除く)。
DSC03997amx4.jpg
60000Hの10000本組みを図にしてみましたが、
前述のX÷Yが6のときに 
24Hで90°、36Hで100°になる角度が
60000Hでは ほぼ120°ですが
(穴数が無限大のときに120°になります)
スポーク長さは全て同じです。
最終交差の線分の挟角は違うのでハブ側の穴とハブ軸とを結んだ
補助線(冒頭の画像の赤い線)の角度は異なります。

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のむラボホイール1号の前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール1号の前輪を組みました。

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エボライトハブ20H CX-RAY反ヌポークラジアル組みです。
先日のZIPPハブの後輪の相方・・・ではなく別件です。

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コメントのお返事(ZIPPのハブについて)  

ひとつ前の記事のZIPPハブの後輪について、コメントをいただきました。
「スポークの根元が随分苦しそうですけど、これ大丈夫なんですか?
XR300よりもディープなリムで組まれていたハブでしょうか。
808とか。
ストレートスポーク専用ハブの苦しいところですね。」
とのことですが、これはいい質問です。フヒヒ。

DSC03977amx4.jpg
↑こういうことですね。
実際のスポークの軌道が ハブ穴の中心軸延長の軌道から見て
ハブフランジの接線の外側のほうに逸れているということです。
組んでしまえば(テンションをかければ)どうということはなかったのですが、
仮組み時には たわんで スポークがかすかに弓なりになったので、
4本組みでは組めないのでは?と疑ったほどです。
(その場合はスポークの長さが変わります)

気になったので ホイールを組む前に調べごとをしていますが、
以下 それについて。
DSC03978amx4.jpg
↑あのリヤハブは2005年のカタログに載っています。

DSC03983amx4.jpg
↑これの 202というハブです。
ローハイトリムホイールの202とは関係ありません。
というより表にも載っていないように 当時は202ホイールはありません。

同じ見た目の材質違いでより軽い 175というハブもありますが、
DSC03984amx4.jpg
175は かつて存在したZIPPの最高級ラインの
Zシリーズに元から付いているだけで、それ以外での入手方法はありません。

202リヤハブは24Hと28Hの仕様があります。
完組みホイールも この2つの穴数のどちらかを採用している形になりますが、
リヤ28Hというのは 404ホイールのトラック用の後輪や
シクロクロス用の後輪などに採用されていました。

余談ですが、808ホイール(リム高81mm)の場合は
後輪は24Hより20Hのほうがいいというより
むしろ24Hは過剰本数なのですが(これは のむラボホイール3号でも同じ)、
当時の808の後輪は 24H仕様です。

DSC03985amx4.jpg
当時の完組みホイールの組み方ですが、
表のとおり 24Hでも28Hでも
フロントと リヤのノンドライブ側(反フリー側)がラジアル組み、
リヤのドライブ側が2x(ツークロス=4本組み)となっています。
なので 28Hハブでもやはり4本組みで正解でした。

しかし冒頭の図で描いたように ハブ穴の指向性と
実際の軌道がやや合っていないのは事実です。
ハブを見る限り 組み合わされるリムの高さによってハブ穴のザグリを
綿密に変えているというのは考えにくいので、
単純に 28Hではフランジ穴の箇所を1つ増やしただけで
ハブ穴の加工はそのまま同じにしてある結果
このようなことになっているのだと思われます。

コメントにもあるように リム高が高くなれば
この角度も接線寄りにはなるのですが、
当時の完組みホイールでリヤ28Hがあるのは
303と404のパヴェクロス、あとは404のトラックの3つで、
これらのリムと XR300リムの高さの差で緩和される角度差より
24Hハブの指向性のままで 28Hハブを作り
同じ組み方(4本組み)をした場合の角度差のほうが大きいと思われます。
(「24Hハブの指向性のままで 28Hハブを作った」というのは
仮定の話ですが)

ところで上の画像の表、左にリヤ20Hというのが見えますが
これは26インチホイールです。
単品売りのハブでは出していないものの
26インチの完組みの後輪をバラせば
202ハブの20Hが手に入るということです。

で、20Hの場合でも4本組みなのですが
同じ寸法のハブで同じ組み方をして 一種類の指向性で
20H・24H・28Hの3つ全てに対応するというのは 結構 無茶な話で、
「○本組みのときのスポークの角度」というのは
実は絶対的なものではなく 相対的なものです。

ハブとリムの寸法が同じ場合
20Hの4本組みと 24Hの4本組みと 28Hの4本組みは
スポークの角度が全て異なるので、
「ひとつの指向性のハブで 違う穴数なのに同じ組み方」というのは
ちょっとキツイのです。

DSC03991amx4.jpg
DSC03993amx4.jpg
さっきも書いたように ハブの指向性を変えていないというのは
私が勝手に決めつけていることですが、
ZIPP自身が4本組みしている28Hハブで 4本組みしたときに
スポークの首元がフランジ穴に擦る
(リムが404でも おそらく完全に回避は出来ない)以上、
仕様としてこういうものなので 仕方が無いと思います。
首折れスポークの首元の負担を考えれば
無視してよい程度のことではないでしょうか。

ところでいただいたコメントですが、
ひとつ前の記事中の画像を見ただけで このことに気付くとは・・・。
しかもリム高が違えば条件が変わることにも言及するとは・・・。
慧眼です おそろしや。
コメントありがとうございました。

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ZIPPのリヤハブで のむラボホイール1号を組みました  

今日もホイー(以下略)。
DSC03965amx4.jpg
ZIPPのリヤハブで のむラボホイール1号を組みました。

DSC03966amx4.jpg
28H ヨンゼロ組み相当です。

DSC03970amx4.jpg
スポークは フリー側をサピムのリーダー(2.0mmプレーン)、
反フリー側をサピムのCX-RAYにしました。

フリー側のストレートスポークは サピムのレース(2.0-1.8-2.0mmバテッド)で
安定供給されている長さの範囲内だったので
レース/CX-RAYの「半レース」で組むことも可能でしたが、
反フリー側がラジアル組みなので、
ちょっとでも左右異径スポークの恩恵に与りたくて
フリー側を2.0mmプレーンにしました。

リーダーストレートスポークは 310mmのねじ山無しを持っているので
それ以下の長さであれば プレーンなので任意に得られます。

レースストレートスポークは ねじ山ありで302mmから288mmまで
安定供給されますが、マイナス8mmほどは カット可能なので
280mmくらいが使用可能な長さとなります。
レースストレートで このあたりの長さがあれば
イー○トンのEA9○などの補修にちょうどいいので
これに助けられたことは多々あります。

CX-RAYストレートスポークは ねじ山無しで
リム側のプレーン部分が長い カット用の補修スポークがあり、
仕様については(→こちら)の通りです。

DSC03968amx4.jpg
↑フリー側のフランジですが、私の勝手な定義では
「H(ホール)はスポークヘッドが収まる箇所の数」になるので
これは14Hではなく 7Hとなります。
なぜ そう定義しなければならないのかというと
スポーク長さの計算式で 7Hとして扱うからです。
といってフリー側7H+反フリー側14Hで合計21H、
などと書くと ややこしいので
冒頭で普通にスポーク本数の通り28Hと書きました。

~脱線~
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↑例えば この7900の完組みハブは片側5Hとなります。
DSC03975amx4.jpg
↑邪悪なるのむラボホイール5号です。
~脱線終わり~

DSC03972amx4.jpg
今回の反フリー側の長さは270mmちょっとでした。
CX-RAYストレートは 310mmが270mmまでカット可能、
270mmが240mmまでカット可能となっているので
270mmちょっとの場合は 310mmのCX-RAYから
プレーン部分を ほとんどカットする形になります。
このホイールのお客さんが リム側のプレーン部分の長さを
やたら気にするので 画像を載せました。

今回の後輪ですが、左右異径組みが明らかに効いていて
反フリー側が かなりカッチリ張れました。
さすがはスポーク比重100:65といったところです。
それほどハイローフランジに見えないリヤハブですが、
反フリー側のスポークヘッドの位置が
かなり内周部で実質スモールフランジとなり
実はそこそこのハイローフランジです。
このことも間違いなく反フリー側が張れたことと関係しています。
ハイペロンのフリー側をプレーンスポークにしても
同じような結果になることは知っていましたが、
久々にいい数字が採れました。フヒヒ。

それなら100:65スポークでヨンゼロ組みを
今後も やればいいじゃないかと言われそうですが、
今回はハブの都合で反フリー側をラジアル組みしただけであって
ねじれ耐性や かかり感などを考慮すると
首折れスポークなら反フリー側はタンジェント組みしかありえません。
私の中で この結論自体は何年も前に出ていますが、
最近になるまで CX-RAYのストレートスポークというのが入手できなかったので
フリー側をプレーンスポークに換えたハイペロンやヘリウムなどでしか
なかなか試す機会が無かったのです。
本数に不安が無いくらいCX-RAYのストレートスポークが在庫できれば
個人的に組みたいホイールもあります。ここには出しませんが。

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メルキュリオ60 DEMOさん  

お客さんから 3Tのメルキュリオ60をお預かりしました。
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前輪のスポークが1本とんでいます。

DSC03900amx4.jpg
直りました(あっさり)。

DSC03901amx4.jpg
ついでに一緒に持って来られた後輪の点検もしました。
横振れ量の検査表を添付してきているだけあって
乗ってから出たと思われる軽微な横振れがあった程度です。

この前後ハブのニップルの付け方ですが、
cronometro(クロノメトロ)のホイールにそっくりです。
パテント期間切れなのでしょうか。
「ケーンクリークにも似ている」と思った方もいると思いますが
ケーンクリークのホイール事業はクロノメトロを買収して始まったので
これはちょうど イーストンとヴェロマックスの関係と同じです。

DSC03898amx4.jpg
メルキュリオ60ですが、リムサイドのデザインが異なる
試乗用のデモホイールが存在します。
これは販売店が(特価でいくらか安いとはいえ)
3Tの代理店から「買って」仕入れています。
3ヶ月か半年かは忘れましたが、ある期間は
店頭で試乗用ホイールとしてお客さんに試してもらい、
その後は販売してもいいということなのですが
タダで借りたり もらったりしたものなら ともかく、
ショップ側の都合としては お金を出して買わされた仕入れたものを
試乗用に下ろして 中古にするのは抵抗があります。
というわけで このホイール、一定期間 箱の中に死蔵しておいて
その後 投げ売りされるということが横行しました。
当時の定価で税込273000円(26万+税)ですが
某ヤ○オクなども含めて 実売価格は大暴落していました。

バラまいた試乗用ホイールの総数は知りませんが
数は少なくないはずなので、
投げ売りされたデモホイールだけで
日本国内のメルキュリオ60の 想定される需要の
かなりの割合を占めてしまうと思われます。

さらに
「メルキュリオ60(のデモホイール)を 1○万円で買った人がいる
という話が 自分の身近であったので、
1割引きや2割引きくらいで メルキュリオ60を買ってしまうと
損をした気になるから 買う気が失せた」というような話も当時 多々あったので
2012~13年ごろは デモでないメルキュリオ60の現物を見たことは
ほぼ ありませんでした。
試乗ホイールが お試し用として機能せず、
さらにそれだけで無く 通常販売品の売り上げの
足を引っ張る結果になってしまっています。
輸入代理店が一社だけで無かったことも
ブランドや商品のイメージをコントロール出来なかった
要因のひとつです。
ホイールの性能の良しあしとは別に マーケティングでスベッてしまっt



あれ来客かな こんな時間に誰だろう

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オープンプロリムで前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
DSC03945amx4.jpg
オープンプロで前輪を組みました。
ハブはレコードの32Hです。
箱の印字を見る限り、現行品には無い28Hや36Hがあった頃の
32Hハブですが、仕様そのものは現行品と同じです。

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全コンペロクロク組みにしました。

DSC03946amx4.jpg
他社ではよくハードアルマイトと呼ばれる このアルマイトカラーは、
マヴィックではCDという名称です。
シルバーやブラックとの違いはブレーキゾーンまで
アルマイトがかかっていることで、
このCDは 他の色と比べて明らかにリムが硬いです。
組んだ感触でも分かります。
実は ブラックもシルバーよりは かすかに硬いのですが、
その差以上に ブラックとCDの隔たりは大きいです。
メーカーの公称スポークテンションは リムの色に関係なく同じですが、
アルマイトの色ごとに決めてもいいんじゃないかというくらいの違いがあります。
(それを言い出すと まずリムの穴数のほうが
限界テンションについて大きな要素になってしまいますが)

それなりにホイールを組んだことがある人なら
経験があると思いますが、
振れ取り台上でゆっくりホイールが回っているときは
横振れが検知されないのに、
速く回っているときはシャッ、シャッ、と検知されるという現象があります。
これはハブに横ガタがあるからです。
ホイールの組み始めに フロントハブにかすかにガタがあるのに気付きましたが
その時点では放っておいたところ、
ひとしきり増し締めが済んだときには ガッコンガッコンな横ガタが出ていました。
これはハブのベアリングの形式がカップ&コーンだからです。
(カートリッジベアリングの場合でも同じことが起こりますが
ベアリングの形式が違うのでそれほど大きくはありません)

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レーシングゼロ ダークラベルさん  

お客さんから レーシングゼロの後輪をお預かりしました。
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以前に私がやった おしゃれ泥棒バージョンです。
それは別に関係ありませんが、

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↑スポークが折れ曲がっています。

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↑それ以上に クイックがすさまじく折れ曲がっています。
これはフレームに取り付けた状態で 落車などしたわけではなく、
ホイール単体を バイクに乗って手運びで持っているときに
クイックの部分が前輪に絡んで こうなりました。
ユリ・ゲラーの仕業ではありません 念のため。

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よりにもよって おしゃれスポークを曲げるとは・・・。
ところで、時計回りに隣の黒スポークですが
アルマイトに小傷があります。

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↑これですね。

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今回の事故と小傷は関係あると思いますが、
スポークテンションを開放したところ全く曲がっていなかったので
これは使い回します。

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赤スポークを交換しました。

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隣のスポークの小傷が無くなっているのは、
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裏返したからです。

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クイックを曲げ直して使うのは無理です。

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カンパニョーロ・フルクラムは
この手の簡易スタンドに取り付けにくいと悪名高い
カムレバーを 左右両方から出して一つのレバー状に
くっつけるというタイプのクイックを
無駄にバリエーション多く出しています。

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私の手持ちで 質感が近いものがあったので
お客さんに差し上げました。

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TDF4SLさん  

お客さんから ロルフプリマのTDF4SLをお預かりしました。
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ホイールセンターがガッツリずれていたのを直しましたが
本題はそこじゃなくて ここには書けないトラブルです。
拙者がもう少し接写したらばれるで候。

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ストラトスDVリムの後輪を 旧キシリウムエリートのリムで組み換えました  

今日もホイー(以下略)。
DSC03902amx4.jpg
お客さんから レイノルズのストラトスDV 26インチチューブラーリムで
組まれた後輪をお預かりしました。
ハブはパワータップのSL+です。

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20H 全黒コンペニーニー逆イタリアン組みで組まれています。
パワータップのハブは原則ラジアル組み禁止で、
特に反フリー側は厳禁となっています。
かつてコスミックカーボンのリムで組まれていた
マヴィックの完組みホイールではフリー側がラジアル組みとなっていました。

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ラージフランジで片側10Hなので フランジ穴は離れているほうですが、
それでもヌポークと反ヌポークの最終交差(といっても1クロス目)を
編むのは無理だったようです。

DSC03909amx4.jpg
バラしました。
ついでにハブを洗いました。

このハブと
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初代キシリウムエリートの650Cリヤリムとの ホイール組みをご希望です。

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リムの内周部に高熱のビットを使ってピッチの荒いねじ山を切る
マヴィックの特許技術が「FORE」テクノロジーで、
これを最初に採用したのが初代キシリウムSSCです。

マヴィックのMTBホイールにクロスマックスというのがありますが、
クロスマックスはキシリウム以前から存在するホイールで
元々はスチールスポークで組まれていました。
キシリウムSSCが出て以降は「26インチ版キシリウムSSC」という感じの
アルミスポークホイールになりましたが、その廉価版として
「FOREリムにアダプターを付けて汎用サイズのニップルを使う」という仕様の
クロスロックというモデルがありました。

初代キシリウムエリートは このクロスロックのロード版という感じの仕様で、
ニップルアダプターを使って組まれた FOREリムのホイールです。
(現行のキシリウムエリートとクロスロックは どちらもこの仕様ではありません)

で、たとえ穴数がハブと同じであっても
FOREのリヤリムでホイールを組むのは無理な場合がありまして・・・

DSC03921amx4.jpg
キシリウムのリヤリムは FOREねじ穴のねじ山の指向性が強烈で、
フリー側がラジアル組みでしか組めません。
正穴振りのリムですが逆穴振りで組むことも無理です。
さらに、オフセットリムなので 左右フランジまでの角度も勘案して
ねじ穴が振ってあります。

よって 組めるとしてもゼロヨン組み以外は無理なので
パワータップハブが原則禁止しているフリー側ラジアル組みは避けられない・・・
という話を お客さんにしようとしたところ
DSC03913amx4.jpg
↑穴振りが無くオフセットリムでもありませんでした。
FORE穴のキシリウム(=エキップは除く)は フロント18H、リヤ20Hなので
20Hのこのリムは リヤリムで間違いありません。
ハブへのスポーク軌道による指向性は
アダプターとニップルの接触点で取るということなのでしょう。

DSC03922amx4.jpg
↑これがアダプターです。
ニップルの回転でゆるまないように 逆ねじになっています。

DSC03923amx4.jpg
マヴィックの工具で リムに締めこむことができます。

DSC03924amx4.jpg
↑ここが ニップルがかかる部分です。

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組めました。

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20H 半コンペヨンヨン組み結線無しです。
結線無しは お客さんの希望です。

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DSC03918amx4.jpg
↑これがスポークの指向性です。
アダプター用のFOREねじ穴は
ホイール中心からのラジアル線に沿うように まっすぐ切ってあります。

ところで 冒頭のレイノルズのリムは26インチ、
キシリウムエリートのリムは650Cと この記事中で書きましたが
これらは由来が別々で、同じ規格ではありません。
元々100%チューブラーリムしかなかった
ロードレーサー(という一車種)の世界に、
フレームやフォークやブレーキが共用できるサイズで
ビード引っかけ式の700Cなるサイズの
リムとタイヤが後から出ただけのことです。
なので「700Cチューブラー」や「28インチWO」という呼び方は、
通じたとしても 厳密には間違いです。
タイヤの表記で、650Cと表記しているチューブラータイヤや
26インチと表記しているWOタイヤも無いはずです。
(一般車の26インチはHEなので、26インチWOではありません)

category: のむラボ日記

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のむラボホイール2号の後輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール2号の後輪を組みました。

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エボライトハブ24H 半コンペヨンロク組み結線ありです。

category: のむラボホイール

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結線病  

私が いつもやっている結線はんだ付けですが、
DSC03870amx4.jpg
DSC03873amx4.jpg
鋼線の巻きがゆるまないように 一巻きごとに親指の腹で
鋼線をグッと押しています。
それのせいで、カッターナイフで薄皮一枚切ったような
細かい傷が 指の腹に 常にあるのですが
最近 それが痛み出してきました。
こんなことは初めてです。
指サックとか 裁縫用の指ぬきとか 絆創膏とか
いろいろ試したのですが、一応 答えらしきものに辿りつきました。

普段 結線を後回しにするのは 材料が切れたか
終電に間に合うようにするためですが、
最近の後回しは 鋼線が指に食い込むのが痛くて出来なかったからです。

category: のむラボ日記

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のむラボホイール4号を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール4号を組みました。

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前輪はエボライトハブ20H CX-RAY反ヌポークラジアル組み、

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DSC03868amx4.jpg
後輪はエボライトハブ24H 半コンペヨンロク組みです。
結線はあとでやります。

DSC03869amx4.jpg
なぜ最近 ホイール組みと連動して結線せずに
後回しにするのかというと 理由はあるのですが、
それは次の記事で書きます。

category: のむラボホイール

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ZIPP303の後輪を組み換えました  

今日もホイー(以下略)。
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お客さんから 303の後輪をお預かりしました。

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シマノ11Sフリーボディのハブに組み換えるためです。
フリー側ラジアル組みだからヌルくて云々・・・とは言われていませんが
半コンペヨンロク組みで これよりヌルく組むのは
かえって無理(フリー側を わざわざ相当 甘くすれば一応は可能)なので
むしろ組み換え後に 今までどれだけ
ヌルかったのか知ることになるでしょう。フヒヒ。

このリムはファイアクレストではないですが、
非ファイアクレストの303リムは 内径のばらつきが大きいので
個体ごとに リム内径を実測しています。
内径のばらつき自体は カーボンリム全般にあることですが、
ある時期のZIPPは本当にこれが大きくて
最も極端な個体同士を比べると スポークの長さが1mmは違うはずです。

DSC03840amx4.jpg
組めました。

DSC03841amx4.jpg
エボライトハブ24H 半コンペヨンロク組みです。
結線はしなくていいような気もしますが、
やると 更に化けるので あとでやります。

category: のむラボ日記

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シロッコ H35MMさん  

お客さんから シロッコ H35MMをお預かりしました。
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リムハイト35mmのシロッコなのでこういう名前ですが、
ミリメートルをmmではなくMMと表記するのは違和感があります。
でも正式名称がSCIROCCO H35 MMなので仕方ありません。
前輪は ちょこっと振れ取りをしただけで済みました。

後輪は、お客さんいわく 反フリー側が明らかにヌルいということです。
私も 作業前に触ってみましたが、確かに少しヌルいです。
ただ、出荷OKな範囲の下限というくらいで
異常や不良といった類のヌルさではありません。
リムが反フリー側にずれていたので
まずはフリー側だけのニップルを増し締めして
振れ取り 兼 センター出しをしたところ、
反フリー側のニップルを一切(本当に全く)触っていないにもかかわらず
明らかにスポークのたわみが減りました。
お客さんにも 確認してもらっています。

片側だけの増し締めでも ホイール全体が張るので
もう片側のスポークテンションが上がるのは
理論上も経験上も間違いないことですが、
それがここまで顕著に感じられるのは珍しいことです。
そんなにガッツリ センターがずれていたのかというと、
そうでも無かったのですが。

DSC03704amx4.jpg
前輪ですが、玉当たり調整ナットがある側を 見なし左側とすると
ハブ体のカンパニョーロのステッカーが
進行方向から見て 逆さになっています。
これの相方の後輪は ハブ体のステッカーが正方向だったので
ハブシャフトを一旦抜いて左右を入れ換えようと思ったのですが、
無理でした。

DSC03762amx4.jpg
↑これはゾンダのフロントハブですが、
溝の部分に プラスチックのカバーをパチンとはめて
ハブ体の端を滑らかな見た目にするようになっています。

DSC03834amx4.jpg
そのカバーですが、エンドナット部分の左右の径の違いに合わせて
カバーの外径は同じですが 内径は違っています。
ハブ体そのものは左右対称なので、
カバーを一旦外して シャフトの向きを入れ換えれば
ハブ体の向きを変えることができます。
が、今回のシロッコは このカバーの部分までも
ハブ体の一部なので左右が入れ換えられませんでした。
ハブのステッカーが逆さに貼ってあった場合、
ステッカーを剥がすことを試みる以外の手段で
ステッカーの向きを変えることができないということです。

category: のむラボ日記

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コスミックカーボンSLEさん  

お客さんから コスミックカーボンをお預かりしました。
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「これがセンターずれですよ」と お客さんに見てもらうのに
十分すぎるくらいには センターずれがありました。
ねじ部分の径が13番のスチールスポークに
かなり強いねじ止め剤が塗布してあるので、
過去に振れ取りをしたことが無いのであれば
最初からセンターずれがあったはずです。

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シャマル ミレさん  

お客さんから シャマル ミレをお預かりしました。
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ブレーキゾーンの注意書きのステッカーは すでに剥がされていましたが
たぶん新品かつ未走行品です。
ワイドリムの新ボーラと シャマル ミレ、あとレーシングゼロ ナイトあたりの
カンパニョーロとフルクラムの上位モデルの
最近の仕上がりは異常です(例外もあるでしょうが)。
これも 前後ともセンターバッチリで、
横振れも 輸送中に出たと思われるくらいの微々たるものでした。

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ボーラ ワンさん  

お客さんから ボーラワンをお預かりしました。
DSC03766amx4.jpg
DSC03767amx4.jpg
旧型の内蔵ニップル式のボーラなので
振れ取り作業にはタイヤ剥がしを要するわけですが、
前後とも 見なかったことにするには苦しい振れがあったので
一旦タイヤを剥がしています。
リムセメントで張っていましたが、1年以上そのままだったので
ちょうど張り直しができて良かったかもしれません。

常用ホイールでなく 決戦でしか使っていないそうですが、
タイヤローテーションの好機と言えるくらいの トレッドの摩耗だったので
お客さんに相談した結果 前後タイヤを入れ換えました。
ホイールの振れ取り作業より リムセメントの乾燥時間のほうが長いです。

category: のむラボ日記

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ZIPP404の後輪を組み換えました  

今日もホイー(以下略)。
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お客さんから 404の後輪をお預かりしました。

DSC03823amx4.jpg
例によって「何となくヌルいので組み換えてほしい」ということなのですが、
反フリー側がラジアル組みだからどーたらこーたらという
知識あってというより 単に乗ってヌルいのが分かるということです。

実は前後輪とも 他のショップでニップルを増し締めしているのですが、
それでも まだヌルいそうなのでスポークやハブも換えて組み直すことになりました。

前輪はラジアル組みなので あとはスポークテンションの多寡だけですが、
スポークの供回り止めを使わずに無理やり回したらしく、
ニップル付近でねじれているスポークが多数ありました。
何とかギリギリ元に戻せる程度だったので
片っ端から直して 前輪はお預かりした日に お返ししています。

DSC03826amx4.jpg
DSC03827amx4.jpg
DSC03828amx4.jpg
で、後輪ですが 反フリー側には ほぼ無いものの
フリー側のスポークの多くがねじれていました。
中には修復不可と思われる状態のものもあります。
どうせこれらは使い回さないので 別にいいのですが。

DSC03829amx4.jpg
組み換えました。

DSC03832amx4.jpg
エボライトハブ20H 黒半コンペヨンヨン組みです。
結線は あとでやります。
元の状態の後輪の増し締めですが、スポークのねじれはともかく
増し締め自体は出来ていました。
それが、私でも ちょっとビビッて張れないような
許容値をかすかにオーバーしているくらいに 張りまくっていたので、
組み換え後でも フリー側のスポークのカッチリ感は
スポークの径の違いに ギリギリ助けられる程度の微増といった程度です。
反フリー側は 大化けしました。

category: のむラボ日記

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