オールロード エリートのリム交換をしました 
2018/10/29 Mon. 22:18 [edit]
ホイールの後輪をお預かりしました。
「オールロード」は グラベル走行を目的としたホイールのシリーズになります。

リムの交換をせざるを得ない状況になっていました。

イソパルス(フリー側ラジアル組み)で 扁平エアロスポークなので、
キシリウムエリートの24H版のような構成ですが
リムは 内幅22mmのワイドリムです。

ビードフックが そこら中で変形していますが、
最も目立つ箇所では

お客さんのほうで なにやら埋めてあり、

ビードフックに クラックが入ったのを何とかしようとしたようです。

そこまででなくとも ビードフックが外側に ふくらんでいる箇所が散見されました。
はっきり書きますが、これは リムの不良です。
なぜか フリー側のビードフックに限ってベコベコに変形しており、
オフセットリムなので リム単体にバラしても
どちらが元フリー側だったのかの判別は容易です。

リムを新品に交換しました。

↑交換後のリムです。
で、交換前のリムですが

ビードフックの変形がほぼ無い箇所を探して 目印のテープを貼りました。

反フリー側のビードフック(ちなみに フックレス形状です)の厚みを
ノギスで測ったところ、約2.1mmでした。

しっかり真っ直ぐ はさんでいます。
この寸法を保存し、フリー側のビードフックに当てると

明らかに薄いのが分かります。
実測したところ 反フリー側の約半分の1.1mmでした。
この厚みで座屈に耐えられるわけがありません。明らかに不良品です。
ビードフックが曲がったところで厚みが変わるわけではなく、
リムブレーキによる摩耗も もちろんありません。
リムの内外ともアルマイトの剥離は無いので
後天的に削れて薄くなった可能性はゼロです。
フリー側のビードフックの厚みが異常に薄いのは
リムの全周に渡って 同じでした。
私なら このリムを見た時点でホイールを組むのをやめますが
(というか ビードの薄さに気付かずホイールを組み切るのも ある意味すごい)、
これが検品を通って世に出たということは
同じような状態のマヴィックのホイールが絶対に存在しない
(カラスは全て黒い)とは 断言できなくなったということです。
言うなれば これは白いカラスの死骸です。
というわけで マヴィックのアルミリムホイールを お持ちの方、
あるいは購入を検討されている方で現物を見る機会がある方は
このあたりのこともチェックしたほうが・・・と言いたいところですが
後者の場合は ホイールタイヤシステム(WTS)により
最初っからタイヤが付いた状態で販売されているので
店頭で ビードの厚みをチェックするなんて
現物を目の前にしても無理っぽいですね。
なので マヴィックホイールの販売店様方(実は当店は違います)に於かれましては
この程度のことは できると思いますので
一旦 空気を抜く手間を惜しまずに 全数検査をオススメします。
category: のむラボ日記
やわらかヤスリが勝つ! 
2018/10/29 Mon. 18:50 [edit]
スペシャライズドのスタンプジャンパーFSRの話ですが、

シートポストの長さを フレームから少し出るくらいにした場合
フロントシフトアウター(の長さにもよります)が
シートポストの底と干渉する場合があり、
その状態での経年使用で アルミ製シートポストの底が
アウターの外径の丸ヤスリを入れたように
きれいに削れてしまった、というのを見たことがあります。
不思議なことに、アウターのほうは削れていませんでした。
実はアウターも削れていたけど 私が見た時点では
交換したばかりだった、というわけでもありません。
というのを思い出したことが 今日ありまして、

油圧ディスクブレーキ・機械式シフトの
フラットバーのクロスバイクの整備をしているのですが、
アウターの取り回しを重ねる順番が悪く
アウター同士が押しつけるように接触していました。


で、シフトアウターとブレーキアウター(ブレーキホース)が
常時 強く擦れている箇所で

シフトアウターの被覆が削れてしまっていますが、

ブレーキアウター側は何ともありませんでした。
これがもし逆なら最悪 ブレーキのオイルが漏れる可能性があるわけで、
やわらかヤスリが勝つ!というのを分かっていて こうしていると思われます。
記事を書いていて もうひとつ思い出しました。
フロントキャリパーブレーキ(→こちら)の件でもアウターが勝っています。
リンク先にある「王滝1レースで アウターと擦れてシートポストが摩耗した」という話は
冒頭のスタンプジャンパーではなく、ゲイリーフィッシャーのエクスカリバーです。
category: のむラボ日記
WH-BUU002の形状が変わりました 
2018/10/28 Sun. 22:08 [edit]
バルブブッシュWH-BUU002の形状が、またまた仕様変更となりました。
これで3代目となります。

↑画像左が初代の2つ爪型、右が2代目のパイプ型となりますが
3代目は双子座(ジェミニ)型になりました。

初代はバルブが非常に通しにくく、
とくに バルブ本体にねじ山を切っていないバルブだと それが顕著です。
しかし「これ絶対 通らんだろ」と思い 試しにリムの内側からバルブを通してみると・・・
なぜか すんなり通るんです。不思議です。
私は コツをつかんでいますが(爪をリムの前後方向になるように取り付けるのも重要)、
あまりに通らないので面倒になり 外してホイールを使ったという人もいるかと思います。
が、これ けっこうな機能部品でして「無くてもいい」というものではないのです。
初代と比べて すんなり通るようになった2代目ですが、
リム穴の個体差で 差し込みがゆるい場合があり
バルブ装着後に抜けることが まれにあります。
また、バルブを挿したときに ポーンと飛んでいったことに気付かず
失くしたまま ホイールを使っているという例も 点検の際によく見かけました。
失くしたので バルブにテープをグルグル巻きにして対処していたという例も多いです。
ねじ山ありバルブの場合はバルブナットを締め込むことで紛失や抜けを防止できます。
実際の使用感は 2代目のほうが断然いいのですが
爪が無いので抜ける可能性があり、かといって
爪を付けるとバルブを通しにくくなる・・・という ジレンマがありました。
それを解消すべく新しい形状になったのが

この3代目WH-BUU002となります。

かなり考えたんだろーな、という凝った形状になっています。
爪有りの代わりに 割りを入れてきました。
双子座(ジェミニ)の聖闘士(セイント)のヘルムにしか見えないのは
私だけかもしれません。
いつも書いていることですが、仕様を変えたのに品番を変えないのは
こっそり且つ徐々に 新形状のものに移行させるためだと思われます。
品番が同じだと 初代や2代目をわざわざ選んで注文することができません。
category: のむラボ日記
名前を呼んではいけないブランドの前輪を組み直しました 
2018/10/28 Sun. 19:22 [edit]

お客さんから 名前を呼んではいけないブランドのリムで組まれた前輪をお預かりしました。
上の画像の時点で すでに作業後です。
かつて私が組んだものですが、Tniのスターハブの内部部品が壊れたので
他のハブで組み換えることになり

ブラッックハブ20H 黒CX-RAY反ヌポークラジアル組み赤アルミニップルにしました。
組み換え前も赤アルミニップルですが、ニップルは使い回していません。
スポークは 組み換え後が1mmほど短くなるので
長さを切って 使い回しました。

ここのリム、アルミリム用のブレーキシューが使えると謳っていますが
ブレーキゾーンが 明らかに段付きで減っており、
フライスで削いだようになっています。
念のため書いておきますが、
お客さんは ブレーキシューをアルミリムと併用している
(金属片が噛んだシューを カーボンリムでそのまま使ったりした)わけではありません。
現在はカーボンリム用のブレーキシューで使っているとのことです。
category: のむラボ日記
ゾンダの前輪のリムを交換しました(先日のとは別件) 
2018/10/26 Fri. 23:54 [edit]

お客さんから ZIPPの400リムで組まれた前輪をお預かりしました。

リムのロゴ(90年代後半)とリム高からして
440だと思っていましたが、400です。
といっても あながち(※)間違いだとは言い切れません。
440という700Cリムの、650C版が400だからです。
この時代に フルカーボンクリンチャーリムは存在しないので、
もちろんチューブラーリムです。
※あながち を使って短文を作りさない。
「そこはあながちがう。痛い。」

ハブは ZIPPブランドの

カーボンハブ胴のもので16H、
スポークはDTの要スリット穴の扁平エアロで 反ヌポークラジアル組みです。

お預かりした要件は スポークとびではなく、

ハブフランジちぎれです。
ちぎれたショックでスポークに変形はありますが、2本とも首とびは起きていません。
この時代のハブはアルミの材質や鍛造の技術が今ほど進んでいないので、
ラジアル組みをした場合 フランジちぎれが まれに起きます。
あと、フランジに対してフランジ穴を外側にあけている
(というか 今のハブが内側ぎみにあけるようになった)ので
ラジアル組みにした場合 厚みが薄い方向に力がかかるのも
ちぎれやすい条件になります。
私の知る限りではTNT(Tniじゃないよ)のハブで頻発していました。
で、これを16Hのハブで組み直すわけですが
16Hでスリット穴のハブというのが あまりありません。
デュラエース(9000系)のスリット穴仕様は18Hです。
丸穴のハブで組む場合、CX-RAYだと16Hの前輪は
横剛性の点で どう考えてもヤバいです。
14番プレーンで組めば剛性は確保できますが、
16Hの前輪で丸スポークはちょっと・・・。
650Cなので 700Cほどには少スポークにビビらなくてもいいのは確かですが。
というわけで 9000系のデュラエースの16Hハブで組むことにしました。
今さっき言ったことと違うやんけ!と言われそうですが
ウソは言ってません。

デュラエースのハブが見た目に反してスモールフランジなので
組み直し後のスポーク長さが かなり短くなり 元のスポークが使えませんでした。
仕方が無いので サピムのCXなどで探したのですが、
使える長さが見つからなかったので
秘蔵の星スポーク エアロスターブライトII型を使います。

首側の非バテッド部分が無駄に長いので助かりました。

首側をカットし、ねじ山を切ることで 両ねじスポークを作りました。

元からある ねじ山(リム側)

作った ねじ山(ハブ側)
よし、ちょうどいい長さだぞ。

どーでもいい話ですが このスポーク、

端から同じ位置に 何かの跡があります。
HOSHIのエンボス加工の際に押さえる都合上
付いてしまう跡なのかもしれません。

このスポークを、WH-9000-TLのフロントハブに通して

ハブ側のねじ山に取り付けるパーツの
「ハブナット」を取り付けてから引っぱると

こうなります。


このホイールのハブナットの品番はY4G308000ですが、
このホイール組みに際して 当店の在庫が3つ足りなかったので
先日発注したところ、問屋さんの発注サイトでは
Y4G308000を入力すると
長さが違う Y4G308100を注文したことになるという罠がありました。

これがY4G308100です。
元々はMTBホイールのWH-M988のために作られたパーツです。
しかも これの在庫はそもそも当店にもありました。

長いほうを取り付けると、ハブフランジからハブナットがはみ出します。
ハブシャフトの回転と干渉しないので それだけなら別にいいのですが・・・

ハブ側の位相を絞った非ラジアル0本組みにしているせいで
後からハブフランジに入れるハブナットが
先に入れたハブナットと干渉するので スポークがセットできません。
足りないハブナットは3個、長いハブナット同士は干渉するものの
長いと短いの組み合わせでは干渉しないので
8ヵ所中3ヶ所を 長いと短いの組み合わせにすればホイールが組めますが、
そういう不細工なことは そうせざるを得ない場合を除いてしたくないので
今日 これを組むのは断念しました。
ハブナットの長さを削ぐのも考えましたが
難度と手間を考えると おとなしく短いほうを取り寄せたほうがいいです。
問屋さんに電話して 短いほうのハブナットを(3個でいいところ念のため)
16個注文しようとしたところ、
なんとメーカー(シマノ)には14個しか在庫がないそうです。
再生産しないということは たぶん無いでしょうが、
もし しなければWH-9000-TLの修理ができなくなる可能性があります。
14個全て買うことにしましたが、これは買い占めではありません。
100個や200個買ったなら買い占めかもしれませんが、
向こうの在庫数がしょぼくて 結果 最後の1個まで買うことになっただけです。

↑位相絞りのぶんだけ ラジアル組みと比べてスポーク長さが長くなるわけですが、

16本中13本まで組み付けた時点で
「スポークの長さ計算を間違っていない感じ」は得られました。

↑ちなみに この件、TL(チューブレス)ではなく
CL(クリンチャー)のハブでは できません。
CLのハブは 引っかけではなく「通し」なのでスポークの扁平部分が通せません。
TLのハブも「通し」ではありますが、ハブナットことスポークヘッドに当たる部分を
後付けできるので 外側からスポークを通せます。
この前輪が今日 組めないことが確定したので
次はというと パワータップハブの のむラボホイール5号なのですが
それはスポークが足りず(
その次はということで

ゾンダの前輪のリム交換をしました。

↑リムのビードフックの変形はここだけですが、
ホイールを回転させると 振れ取りで対処不能だと一発で分かる
ポテチ的な振れかたをしています。
ばらしたリムを見たところ ガラスの定盤にかけずとも
反っているのが分かりました。

組めました。
スポークは全て使い回しています。
「カンパニョーロやフルクラムのリム交換にはスポークの全交換も必要」などと
お客さんに言ったことが一度でもあるクソショップの店員どもは
みな 死後さばきにあう。←けっこう多そう


バルブ穴から覗いたハブ胴のロゴの位相も なるべく合わせました。

組み換え前のリムと貼り合わせると・・・

対岸付近の位相で

これくらい空きました。
category: のむラボ日記
レーシングゼロさん 
2018/10/26 Fri. 03:06 [edit]

これより前の年代で 白フランジハブ/白ラベルリムで
赤スポークにしてある場合「レーシングゼロ レッドパッション」というモデルになるのですが
これはレギュラーモデルの「こういう色のレーシングゼロ」になります。
オーバーホールをご希望で、まずは前輪から見ます。
リヤハブの回転がゴリゴリするということですが、
フロントハブの回転も濁っています。


うっすらセンターずれありでした。


左右のボールレースのうち 片側だけに
虫食い予備軍になりかけている前兆の萌芽の嚆矢の気配の兆候があったので


片側のみ ベアリングの全てのパーツを一新しました。


再組み立てしたのち 振れ取り(ほぼ振れ無し)とセンター出しをしています。

つづいて後輪。

ハブシャフトが手で回せませんでした。
いつぞやのシマノホイールのように パーツの向きを間違えて取り付けているとか、
あるいは玉当たり調整を締め過ぎているとかいうのではありません。
エンドに5mmアーレンキーを突っ込んで「ゴリッ」と一度 動かしたあとは
手で回せるようになりました。異常にゴリゴリした感触ですが。
これに比べれば前輪の回転の濁りなど かわいいものです。
ベアリング周りが何かしら錆びていて、お客さんが最後に使ったときから
私が触るまでに時間があったので 錆びが定着したことが
最初に手でハブシャフトを回せなかった原因のようです。
こういう場合に多いのは フリーボディの外側、
あるいは内側ともに ベアリングが錆びていて(内側のみというのは ほぼ無い)
もらい錆びがハブシャフトに・・・

ありませんでした。
ということは ハブ体のベアリングがダメということになります。

うーん、嫌な予感が・・・。



↑反フリー側



↑フリー側

左右とも ベアリングのパーツを全交換します。

洗浄とグリスアップをして再組み立てしました。


という状態でセンタードンピシャでした。
これは作業後の画像ではありませんが 作業後もセンタードンピシャにしています。
ワンを抜いて 玉当たり調整をした場合 センターがかすかにずれる可能性があり、
後輪は暫定センターを見ていないので 元の状態がどうだったのかは分かりません。
ずれていたとしても紙1枚程度でしょうが。

お客さんに タイヤの取り付けもお願いされていたのですが、
やらかしました。

直しました。
レーシングゼロやシャマルウルトラのリムは、リヤリムのほうがリム高が高いのです。
なので 2WAY-FITリムをチューブレスタイヤで使う場合に
「後輪のチューブレスバルブが前輪より短い」と言われることもあるのですが、
これは 付属のチューブレスバルブの長さが1種類で、
前後輪でリム高が違うので 見かけ上そう見えるという話です。
で、今回 お客さんのほうで意識してなのかどうかは不明ですが
お預かりしたチューブのバルブ長さが違っており、
先に 後輪からタイヤを取り付けたところ
短いバルブのほうを後輪に使ってしまいました。
なので ひとつ前の画像は 前輪のバルブの出しろが大きいわりに
後輪が やたら短いという状態になっています。
やり直すのは面倒ですが やらかしたのは 私なので
前後輪のチューブを入れ換えました。
同じような(ちょっと違う)話として、レバーに付属している、
または1台分のワイヤーのキットに付属している インナーワイヤーは
2本のうち片方が フロント用前提で短い長さになっています。
なのでリヤ用前提の長さのワイヤーを フロントに使ってしまうと(切ってしまうと)
残ったワイヤーは リヤ用の長さに足りません。
これについては 私は やらかすことがありませんが、
整備を自分でやる派の方は 一度は やらかしたことがあるのではないでしょうか。
リヤ用を2本 入れとけや、と思いますが
そこをケチることによって得られるコスト削減は
メーカー側からすれば 小さくは無いのでしょう。
category: のむラボ日記
パワータップの後輪さん 
2018/10/26 Fri. 02:21 [edit]

組み換えではなく 振れ取りだけのご依頼です。
リムはアンブロージオのエクセルライトSSCで

全コンペロクロクJIS組みです。
横振れは ほぼありませんでしたが、


センターが思いっきりずれていました。
反フリー側のほうが 軽い力で増し締めできるので
センターゲージ無しで
こういう状態になりがちです。
私には理解できませんが。

ん?

1ヵ所だけ異常に長いニップルになっています。
14番12mmしんちゅうニップルが手元に無くて
これが たまたまある状況というのが よく分かりませんが、
他の箇所と同じニップルに交換しておきます。
ちなみに これ以外のニップルは 3.2mm対辺のDTのもので、
このニップルは3.4mm対辺の国産メーカーのサイズでした。
完組みホイールメーカーが つかみ面が四角のアルミニップルを採用する場合
4mm(3.95mm)対辺のものを採用することが多いですが、
イーストンのチューブレスホイールだと 汎用サイズの範囲で
ほんの少しでも寸法を稼ごうとしているのか
3.4mm対辺のアルミニップルを採用しています。
というかこれ そのニップルそのものかもしれないですね。

交換しました。

↑交換したニップル

↑元からあるニップル
スポークの長さは合っています。


センターも出しました。
フリー側のテンションが袋小路寸前だったので
反フリー側をゆるめて出すしかないのですが、
全コンペロクロク組みの反フリー側というのが 思いのほかヌルく、
反フリー側をかすかにゆるめるものの フリー側も張ることで
スポークテンションの総和を落とさないように、
リムをフリー側にスライドさせるような感じで出しました。
単にゆるめるだけで出すよりは かなりマシです。
category: のむラボ日記
今後 多用することになるかもしれない仕様の習作ホイールを組みました(後編) 
2018/10/25 Thu. 23:43 [edit]

先日 36Hハブ/24Hリムで組んだ前輪の相方を組みました。
RR411dbリム24Hで


FH-R7070 36H 半コンペヨンロク相当組みです。
結線は あとでやります。

後輪は スクオルクスニップルで組みました。
元々ニップルに塗布してある ねじ止め剤が
押し出されるので スポークの端面が見えません。
これを除去したところで、長さが合っているかの判断がつきにくいので
前輪は 普通のニップルで組んでいます。
今回のホイールは吊るしとして販売しますが、計算したところ
前輪が29580円(税込)、後輪が28980円(税込)で
前後輪セットなら58560円(税込)となりました。
前輪のほうが高いのは 計算ミスではありません。
ハブの価格が安く 前後の価格差もエボライトハブなどより ずっと小さいので
前輪を 全CX-RAYにしたのが効いているのです。
前輪はハブより スポーク24本のほうが高いくらいです。
このスペックで のむラボホイール8号にしようかどうかも考えましたが
今回は そこまでの決定はしないでおきます。
即納可能、1ペア限定です。
お問い合わせは ご来店もしくは お電話でお願いします。
category: のむラボ日記
今後 多用することになるかもしれない仕様の習作ホイールを組みました(前編) 
2018/10/23 Tue. 23:09 [edit]
このホイールの組み方に関して
記事中で「スポークの位相のねじれは起きていません」とありますが
これは誤りでした。申し訳ありません。
訂正の記事を書きましたが(→こちら)、
この記事の本文は そのままにしておきます。
今日もホイー(以下略)。の前に。
R7000こと新105ですが、通常のクイック式と
12mmスルーアクスルで ハブの設定があります。
クイックはHB/FH-R7000、スルーアクスルはHB/FH-R7070になります。
どーでもいい話ですが、7000系がデュラエースでは無いというのは
たいへんな違和感を感じます。
7900系の次のデュラエースをR7000として
アルテグラをR6000、105をR5000としたほうが
アルテグラが元々600→600アルテグラ→アルテグラ(※)
という流れであることもあり 整合性が取れていると思うのですが。
※宇宙猿人ゴリ→宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン→スペクトルマンの流れとは
とくに関係がありません。
で、そのスルーアクスルハブを さっそく仕入れました。
RS770ハブの弟分のような位置付けなので
寸法的な仕様は ほぼ同じです。


↑RS770ハブ


↑R7070ハブ
重量の差の大部分は シャフトの材質です。
仕様の違いは ボールレースの研磨の処理や
防水シールの構造などですが、目立つほどの違いではありません。
フロントハブの寸法は全く同じ、リヤハブはオチョコ量が0.05mm違うものの
同じとしても問題はありません。
私が驚いたのは そこではなく、

RS770ハブが 28・32・36Hの穴数で展開しているところ

R7070ハブでは32・36Hという
時代に全く迎合していない売る気ゼロのクソ仕様になっていることです。
36Hのディスクブレーキ用リムなんて どこにあんねん。
少なくとも競技向けの軽量リムだと ほぼ無いぞ。
32・36Hのみの仕様にするくらいなら
CX75でやったように28Hのみというほうが よほど使いでがあります。
105コンポの完成車に この32Hハブで組まれた
手組みホイールがアッセンブルされるというのも考えにくく、
ジョイテックかフォーミュラ(ディスクブレーキのフォーミュラとは
別ブランドの台湾のハブブランド)の
安いディスクハブで組まれた手組みホイールか
廉価帯の完組みホイールが採用されることのほうが多いと思われます。
では なぜ今回36Hのハブを仕入れたのかというと、
疎密フランジ穴の24Hハブとして使えるからです。

フランジ穴位置が等間隔ではなく 疎密である場合、

スポークの線分を内側に延長すれば
それよりも小径な位置で等間隔穴フランジが得られるので(→こちら)、
36Hの片側18Hのうち 3つに2つを取れば疎密穴になります。

組めました。
リムはDTのRR411dbの24Hです。

HB-R7070 36H CX-RAY 穴の読みではハチロク組み、
クロスの数では3クロス/2クロスなのでロクヨン組み相当の
逆イタリアン組みです。結線は あとでやります。

右側(反ローター側)

左側(ローター側)
ハブ中心と最終交差を結んだ線はラジアル線と重なります。
つまり、スポークの位相のねじれは起きていません。
そのあたりのことを書いた これと同様の実践例の記事(→こちら)も あるのですが、
今後 この組み方を多用する可能性があるので
いろいろと確立しておきたいこともあり 習作として組みました。
ちなみに完成後は 久々に吊るしのホイールとして売る予定です。
銀スポーク銀ニップルで組んだので
このリムの場合 スクオルクスニップルを使うべきですが、
あえて 普通の銀アルミニップルで組みました。
普通のニップルを使ったときよりも
スクオルクスニップルのほうが ワッシャーとの摺動抵抗が大きいのが嫌だ、
という理由もありますが


↑反ローター側


↑ローター側
24Hリム・36Hハブで組んだ場合での
スポーク長さの計算が合っているかどうかの確認をしたかったからです。
ワッシャーに前後方向を示すドットが打っていないのは、

24Hリムがあんまり売れていないからか
ドット無しワッシャーが付属していたからです。

スクオルクスニップルは、通常でも余るうえ(リム1本につき34個)
カラーニップルで組むときは全く使わないので
すでにプチ黄色首大根さんを植えられる程度には溜まってきました。
今回は価格を抑えたくて 105のハブ(銀スポークの理由でもある)を使っていますが、
RS770にも36Hハブはあるので 同様の組み方は可能です。
今回のホイールは 24Hなので半コンペではなく 全CX-RAYにして
シクロクロスよりはディスクロードを意識した仕様にしてみました。
もちろん シクロクロスでも使えます。
みっともないマネをせずに24Hのハブを使え!と言われそうですが
Tniのハブはローターが6ボルト留めなのと
リヤハブがローハイフランジなのが難点、
DTとクリスキングは財布の軽量化が はかどりすぎるということで、
なかなか良いハブが無いのです。
あと、のむラボホイール7号を
前後24Hのディスクブレーキホイールで考えているという
お問い合わせがあったので 、
RS770ハブで こういうのはどうでしょうという提案でもあります。
category: ホイールの話
のむラボホイール4号の前輪を組みました 
2018/10/22 Mon. 22:42 [edit]

ひとつ前の記事の前輪が一緒に写っているのは、
同じお客さんのホイールだからです。

HB-9000 24H CX-RAYヨンヨンイタリアン組みで

リムも金色ですが 金アルミニップルにしています。
category: のむラボホイール
レイノルズの前輪を組み換えました 
2018/10/22 Mon. 22:28 [edit]

お客さんから レイノルズのストラトスDVの前輪をお預かりしました。


LEWの流れを汲む製法が残っている時代のレイノルズです。
バルブ穴とその対岸の位相に補強をかぶせてありますが、
元祖LEWのそれと比べて 厚みが薄く

2ヵ所をあえて重たくする意図がある LEWのそれとは違います。

うーん 素晴らしい。大事に使い続けてほしいものですね。
で、お持ち込みされた要件ですが

座屈でリムが逝ってしまい ヤスリでならしたりしたものの
無理っぽいので リムの交換をご希望です。

組めました。リムは いわゆる中華カーボンを お持ち込みされています。

レイノルズハブ16H たぶん黒CX-RAY反ヌポークラジアル組みです。
組み換え前のリムは内蔵ニップル、組み換え後は外出しニップルですが、
その仕様と リム高の違いなどの妙で 微かにカットすることで スポークが使い回せました。
仮に どちらも内蔵ニップルであったなら スポークの使い回しは無理です。

お客さんの希望で 金アルミニップルにしました。
category: のむラボ日記
ゾンダの前輪のリムを交換しました 
2018/10/21 Sun. 23:34 [edit]

お客さんから ゾンダの前輪をお預かりしました。

車止めにぶつけたとのことですが、リムが変形しています。

リム交換に際して ハブの回転が濁っているのも
直してほしいということですが、ベアリングに傷みは無かったので
洗浄とグリスアップだけにしています。

パリパリ系接着剤は ゆるみの初動以降は あまり効果がない、
と思っていましたが 歯周ポケットに砂が噛みこまなくなることで
固着を防止しうるかもしれないと 最近 思うようになりました。


リムを交換しました。


バルブ穴から覗いたハブの位相を
カンパニョーロのロゴのステッカーに合わせています。

別件ですが、同じ年代のゾンダで

リムの交換が もう1件あります。
category: のむラボ日記
パイオニアのおにぎりをツナマヨにしました 
2018/10/21 Sun. 16:11 [edit]
シーチキン®マヨネーズにすると
商標のRマークを入れないといけなくなるのと
シーチキンの字体を公式と同じものにする必要があるからです。

色を剥ぐと半透明なんですね。

内側から




出来ました。

取り付けました。
category: 新手のスタンド使い
マワレのラピッドミニを買いました 
2018/10/21 Sun. 15:59 [edit]

レザーケースで包んだコラボモデルを買いました。
横浜にある自転車乗りのためのレザーブランド「maware」と
キャットアイのコラボです。
私はすでにラピッドミニを持っているので
レザーケースだけでもいいのですが、
セットでの販売しかないので

↑キャットアイ

↑回れ左すると マワレ

自転車から降りた後は ベルトや鞄に取り付けて。と あり

アイデア次第で とのことですが

アイデア次第(アランデルのサドルバッグにリベット留め)

外側


内側

アランデルのサドルバッグですが、
シートポストのヤグラと干渉する位置に当てるための 革が縫いつけてあり
それとレザーケースの風合いが似ています。

取り付けました。

最大限 暴れてもサドルバッグ以外に干渉しないのは確認済みです。
ベルトに別個に穴をあけて ぶら下げる長さを詰めても
よかったかも知れませんが、あんまり詰めると操作スイッチが押せません。
乗っていて ブラブラするのが気になることはないです。

↑夜に点けると こんな感じ
カメラの都合で白っぽい光になっていますが、肉眼では赤いです。

例のコリマのサドルを使っていますが、レールがベースに近いです。

これは別件で お客さんのバイクですが、
サドルはセライタリアのマックスフライト ゲルフローです。
レールとベースの間が広く、指が余裕で通ります。
普段なら 取り付けに際して何も言いませんが
実はこれ タイムのフレームでして、シートチューブを切らないといけません。
で、それまでに乗っていたバイクと同じ高さになるように切ると
これ以外のサドルに変更したときに ほとんどの場合で
シートポストを出さないといけなくなります、という説明はさせてもらいました。
category: のむラボ日記
のむラボホイール3号の後輪を組みました 
2018/10/20 Sat. 23:11 [edit]

のむラボホイール3号の後輪を組みました。

エボライトハブ20H 黒半チャンピヨンヨン組みです。
結線は あとでやりますが、どっちでもいいやというくらいには
反フリー側が張っています。
category: のむラボホイール
SES3.4の前後輪を組み直しました 
2018/10/19 Fri. 23:22 [edit]

まずは後輪から。
前後輪とも DTの240Sハブで組まれていますが 後輪はシュータッチをするそうです。
SES3.4といっても このリム、最新の仕様なので ブレーキゾーンにヤスリ加工があり
シュータッチしたときにキュッと鳴るので 余計に分かりやすくなっています。
ちなみに、レバーの握りは甘め(リムとシューの間隔が大きめ)で使っているとのことです。

240Sハブ24H 黒CX-RAYヨンゼロ組みです。
いつも思うのですが こんな前世紀的な組み方のホイールが
いまだに まかり通っているのが不思議でなりません。
何も知らない人だと「SESのホイール買ったけどシュータッチした」
という捉え方をする人もいるはずで、
リムそのものにはないはずの罪を リムがかぶる形になります。
これが エンヴィの吊るしのメーカー内製の完組みホイールかどうかは不明です。
吊るしの場合 DT240Sハブか クリスキングR45ハブか
ENVEのカーボンハブになりますが、
メーカー内製だと確実に特定できるのは ENVEのハブの場合だけです。
ただ、メーカー内製では無さそうだと思った点として
フリー側のスポーク長さがやや長め、
反フリー側が異常に長め(ニップルから ねじ山が4山以上とびだしている)で
長め短めの感じが左右で違っていました。
組み直しに際して ハブはクリスキングのR45への変更をご希望ですが、
フリー側はCX-RAYからコンペに変更し
反フリー側はラジアル組みから6本組みに変更するので
スポークの使い回しは左右とも できません。

組めました。

R45ハブ24H 黒半コンペヨンロク組み結線ありです。

このハブには組み跡がありましたが お客さんが最初のオーナーではないので
知らないかもと思い お伝えしましたが(実際ご存じなかったのですが)、

実は クリスキングのカンパニョーロ用フリーボディは、
カンパニョーロの純正ロックリングと互換性がありません。
純正ロックリングのほうが ねじ山の径が小さいので
専用のロックリングが必要になります。
が、今回のハブに付いていたのが 11Tトップ用のロックリングだったので
もし12Tトップのスプロケットを使うのであれば ロックリングが別途必要になります。

つづいて前輪。

240Sハブ20H 黒CX-RAY反ヌポークラジアル組みです。
後輪と違いスポーク長さは うっすら長めで許容範囲内でした。
仮に 後輪の組み直しがハブの変更なしであった場合、
テンションが低めだったので増し締めで対処したと思いますが
ハブが変更になるので スポークが使い回せない可能性があります。
フランジ径の違いもありますが、フランジ幅は リヤハブは DTのほうがナローで
フロントハブは R45のほうがナローです。
スポーク長さが うっすら長めだったのが 今回はむしろ都合がよく
スポーク長さの差は 四捨五入後でマイナス1mm、
四捨五入前ならマイナス約0.5mmでした。
これくらいなら ノーカットでの使い回しも可能ですが、
CX-RAYは長さの個体差が(丸スポークなどよりは)大きいので
それを揃える意図で 0.5mmだけ切りました。

組めました。

R45ハブ20H 黒CX-RAY反ヌポークラジアル組みです。
以前に、DTのリムのステッカーにある リム内径は
どこの寸法を指しているのか不明で
その数値を使ってスポーク長さを計算することはできない、
これは私がおかしいのではなく マヴィックやエンヴィの場合は
公称値と 私の実測値が ほぼ同じになるので
「リム内径」の定義がおかしいのはDTのほう、ということを書きました。
実際に、先日 SES4.5ARディスクを組んだときは
実測値と公称値の差が1mm以内だったので
公称値のほうで計算して スポーク長さを出しました。
ここでいう実測値と公称値は リム内径の直径で、
実際に計算に使うのは(私の場合)半径なので 差はほとんどありません。
で、メーカーサイトを見ると リム高38mmのフロントリムが580mm、
リム高42mmのリヤリムが573mmとなっていますが、
この数値は実測値と大きく違っていました。
その差 約18mmです。1.8mmではありません。
もしかしてSES3.4だと思っている今回のリムは 実はSES4.5なのでは?と疑い
リム高を測りましたが リヤリムが42mm高だったので やはり間違いありません。
私は疑り深いので リム内径について 公称値を調べはしますが
実測しないことは決してないので この手の罠にはかかりません。
公称値が明らかにおかしい理由は 不明です。
ついでに書いておくと ZIPPのリムは
リム内径の個体差が大きいので 必ず個体ごとに測っています。
category: のむラボ日記
シリカのチタンボトルケージを仕入れましたが・・・ 
2018/10/17 Wed. 21:51 [edit]
少し前に 本国のメーカーサイトでの発表を確認してからは
日本の問屋さんの注文サイトを ほぼ毎日チェックしていたのですが、
10月12日に入荷していたので即行で仕入れました。

↑これです。
SICURO(シクロ)というモデル名です。

ベースプレートの取り付け穴が長穴なので
フレームの事情に合わせて上下の位置調整ができます。

私がよく使うエリートのチウッシ イノックスと比べてみました。
(厳密にはバッジの部分にエラストマーが入っているチウッシ イノックス ゲルです。
コリマのサドルの記事のときに 私はセライタリアのターボのコレクターだと書きましたが
エリートの金属製で保持力調整可能なタイプのボトルケージのコレクターでもあります。)
ボトルが収まる底の位置で合わせると、チウッシ基準では
シリカのシクロは 最も上にセットした場合と同じくらいになります。
つまり、ボトルケージの位置を下げる方向に目一杯 調整幅があるということです。
これは たいへんありがたい。
ちなみに ミノウラのデュラケージも、チウッシとほぼ同じような穴位置になっています。

ベースプレートの仕上げですが、
メーカーサイトの画像では梨地(ザラザラ仕上げ)に見えたのですが
梨地ではありませんでした。仕様変更ではなく 私の気のせいです。


どことは書きませんが 某有名ブランドのチタン製ボトルケージに
私の食指がまったく動かないのは、正直言って仕上げがテキトーだからです。
ケージ部分の歪みが目で見て分かる、ベースプレートも真っ直ぐに付いていない、
あと溶接が荒々しいのが気になったので ついに買うことはありませんでした。
シリカのシクロですが、本国サイトで見る限り仕上げが非常に丁寧だったので
私の購入分も含めて仕入れた次第です。

パイプの接合部と ベースとの溶接痕です。
モニター越しに遠隔操作でレーザー溶接をしていますが、
仕上げが非常にきれいです。

本体は 3-2.5チタンの中空チューブ製、
付属のボルトは 6-4チタン製ですが
これは このボトルケージ用に内製している低頭形状の特製品で、
ボトルケージ本体と比べてステンレスに近い色になっているので
ぱっと見チタンっぽくないなと思っていたのですが

よく見ると やっぱりチタンでした。
全ねじ山ではなく 首下に ねじ山を設けていないのと
ねじの端面の丸い仕上げが 芸が細かいです。
メーカーサイトによれば
一般的なキャップスクリュー(六角穴の部分が円筒型)のボルトに対して
約3倍の表面積を確保することで応力を分散しているとのことです。
ちなみに このボルト、メーカー直販で 2本セット12.5ドルですが
日本の問屋さんでの単品販売の設定はありません。
・・・ここまで書いておいて あれなのですが
当店の今回の入荷分は完売しております。申し訳ありません。
シリカの問屋さんは日本に1つだけではないのですが、
なぜか価格乖離が大きく 私が仕入れる問屋さんより7~10%程度
定価の設定が高いところもあります。
私が仕入れている問屋さんでは税別定価8000円(本国では70ドル)、
10月12日に注文して届きましたが
問屋さんの在庫はすでに無く
予約注文も入れられない状態となっております。
先ほど書いたように 本国のメーカーサイトでは直販もしていますが
やはり在庫がなく、現在 鋭意生産中とのことです。
出て間もない製品なので、もしかしたら 直販より
各国の代理店に送るほうを優先したのかもしれません。
エライぞシリカ。品切れしてるけど。
ボトルケージだけを作っているわけではないものの
現在 1日14時間稼働体制で頑張っているので
次回分は11月第1週を予定しているとのことです。
私は日本の問屋さんで仕入れるので そのあたりから入荷を注視する予定です。
というわけで気になった方は もうちょっとしてから
お近くのシリカを取り扱っているショップでお買い求めください。
おまけ

↑このフロアポンプの口金、画像左から
ヒラメの横カム、ヒラメの縦カム、そして一番右が

アランデルの「ヘンゼル」という口金です。
これは そもそもアランデルの「フロアポンプ1」という
フロアポンプに対応しているパーツになります。
フロアポンプ1はホースの端が米式口金で、
それにヘンゼルなどのアダプターを取り付けて
仏式に変換する構造になっています。
米式のオス側になっている現状では
他社製のホースに取り付けできないので



シリカのアダプターを買いました。
アランデルの口金ですが、ヘンゼル以外にも「グレーテル」というモデルがあるので
名前の元ネタはグリム童話か あるいはブラックラグーンだと思われます。
グレーテルが酒場で機関銃をぶっ放すシーンですが、
あれは BAR(酒場)とBAR(ブローニングM1918)をかけているのではないか、
と 個人的には思っています。

シリカはイタリアで創業、現在はアメリカのメーカーですが
スペアパーツの供給が安定している点は 新シリカにも引き継がれています。

ディスクホイールの小さな窓にも対応しているポンプヘッド
(製品名 ディスクホイールアダプター)ですが、
画像のものは旧シリカ製ですが
ガスケットのパーツは新シリカと互換性があります。
黒いゴム製から 赤いエラストマー製になってはいますが。
このガスケット、日本の問屋さん(当店で仕入れているほう)での
税別定価が900円なのですが

Tniから同じ趣旨のポンプヘッドが「バルブアダプター」という名前で出ており、
こちらは これ全体そのものが税別定価900円です。
色は黒と赤があります。
ブランドにこだわらないなら これでもいいでしょう。
「ディスクホイール用に これをセットしてあるフロアポンプ」を
あらかじめ用意してあって TTバイクないしピストバイクに使うだけなら
個人使用レベルでは 一生ものとまでは言いませんが 相当 永く使えるはずです。
ガスケットのスペアパーツはありませんが
傷んだ場合 全品交換でも惜しくはない価格です。
当店ではエアコンプレッサーの口金を これにしていますが、
もし次に交換することがあればシリカにする予定です。
という予備が1つ、もう1つはディスクホイール用フロアポンプに
付いていたものを撮影用に外しただけで
先ほどの画像のは 2つとも私物です。
category: 新着情報!
コスミック プロ カーボン SL USTさん 
2018/10/17 Wed. 07:12 [edit]

2019年モデルです。
前輪の画像は撮り忘れたのではなく 面倒なので撮りませんでした。


リムが反フリー側に寄っているのは ほとんどのマヴィックの傾向ですが、
これは その量が少なめです。全て これくらいであったなら
加圧時にセンターが出るように狙っている可能性も否定できませんが、
その量は まちまちな上 普通はこれより はるかにずれていることと
何より今回も前輪がずれていたので やはり単純に組み立て精度が甘いだけのようです。


センターを出しました。

新作のリムとタイヤは ここで合わせるようです。
私の中で確信していることとして、ロードUSTチューブレスのタイヤは
個体差では説明できないレベルの仕様変更をしています。
ごく初期のタイヤは 手で脱着が容易な、というか容易過ぎて
これ 急なエア抜けを伴うパンクでタイヤが走行中に外れるんじゃないの
というくらい ゆるい組み付け感でしたが、
最近 見かけるものは 外すのも付けるのもタイヤレバーが必須、
お客さんによっては そもそも外せない場合もあり
これ 出先で どう対処するのというくらい きつい組み付け感になっていました。
が、今日のこれは タイヤレバーで比較的容易に外せて
付けるのは手で出来ました(少なくとも 私は)。
これは個体差ではなく 仕様違いです。むしろ個体差であるほうが問題です。

時系列が戻りますが、タイヤを取り付ける前の状態です。
2019年モデルはリムのコスメチックがシンプルになりました。
これについても 後ろめたい理由があると 私は思っています。

別件でタイヤの取り付けをお願いされた 2018年モデルです。
タイヤの取り付けがきつい場合、タイヤレバーがビードフックに うまくかからず
タイヤレバーがリムサイドを引っかくように滑るのですが
それで リムサイドのステッカーがめくれてきます。
私はこうならないように よくよく気を付けてはいますが
知らないと高確率で やらかします。
上の画像も お客さんがタイヤを外したときに めくれた跡ですが、
これくらいは まだマシなほうで
リム片側のステッカーが全周に渡って ボロボロに めくれ上がった状態のものを
すでに2~3件は見ています。
追記:
画像を撮る機会がありました。

タイヤがIRCなので きついというのもありますが、こうなります。

↑さっきの画像とは別の位相
category: のむラボ日記
シャマルウルトラ2WAY-FITさん 
2018/10/17 Wed. 06:39 [edit]

スポークが2本、曲がっています。

↑そのうちの1本です。
シクロクロスに乗っていて、クリートがうまく はまらず
つま先を前に投げ出すように足が滑って 前輪にぶつけたとのことです。
色んな事例があるんだなあ。
ワイヤー錠をかけたまま発進した、買い物袋を巻き込んだ、
車の上に積んだ状態でドライブスルーに入ったら高さ制限にぶつけた、
メタルクワガタにやられた、など 個々の事例をここに書くのは
これを読んだ方に 同じ轍を踏んでほしくないからです。

直しました。
目印のテープが3ヵ所あるのは、

曲がっていた2本のスポークを外したところ
新しいスポークのヘッド部分がフランジにかからなかったので

ハブを中央に寄せるために
対岸付近のスポークを1本選んで テンションを抜いたからです。
いつも書いていることですが、この3本の調整だけで理論上
前輪に足を突っ込む寸前の状態に復元できるはずなので
目印を付けておくと 作業がしやすくなります。

↑交換したスポーク
category: のむラボ日記
初代レーシングゼロさん 
2018/10/17 Wed. 06:23 [edit]

色の仕様まで含めた本当に最初の初代レーシングゼロは
リム/スポーク/ハブが すべて赤ですが、
この黒/赤/黒は あとから出た色違いの仕様で、色以外は初代と同じものです。

リヤメカを巻き込んだとのことで、
ヤマアラシさん方向のスポーク(外側のスポーク)が
7本すべて折れています。

一撃目は このスポークのようです。

反ヤマアラシさん方向のスポークに
反っているように見えるものが1本ありましたが、
変形ではなく ハブが回転方向に少しねじれていたせいで
弓なりになっていただけでした。

直しました。
赤ネクタイスポークの在庫が足りなかったので取り寄せています。

初代レーシングゼロの赤スポークは長さが2種類あり、
R0F-SR(レーシング ゼロ フロント-スポーク レッド)と
R0R-SR(レーシング ゼロ リヤ-スポーク レッド)となります。
後輪が左右同じ長さのスポークになるのは もちろん偶然ではなく
そういうハイローフランジ具合に設計してあります。
シマノの最初の完組みホイールのWH-7700も同じことをしていますが、
WH-7701では フリー側ラジアル組みをしたので
スポーク長さは フロントとリヤ右とリヤ左の3種類になりました。
で、スポーク1本入りの包装ですが 以前は平たい封筒状の袋だったのが
現状ではフロント16本入りセットや リヤ21本入りセットのときと
同じ大きさの箱に入って届きます。
こちらのほうが 同じスポークをまとめるのに便利です。
そういえば昔に フルクラムの赤アルミスポークを「取り寄せた以上 買え」と言って
売りつけたクソショップの件がありましたが(→こちら)、
あの件が無ければ 今回の赤ネクタイスポークの修理は
スポークの取り寄せで お客さんに待ってもらうことは無かったですな。

メガハイローフランジ以前のリヤハブは、内側のスポークを交換するのに
最初の交差で重なっている外側のスポークを一旦外す必要があります。
が、今回は外側のスポークだけがダメだったので
そういう手間は かかりませんでした。

↑交換したスポーク

一撃目は大きな変形がありますが、

他のスポークはそうでも無いので ペンチか何かで切ったのか
お客さんに訊いたところ とくに何も触っていないということです。
引き取りのときに聞いた話ですが、近所のショップでは
リムは衝撃が加わっているので要交換、スポークも全交換になるので
5~6万円かかると言われたそうです。あるいは現行品に買い換えろと。
「そのくらい貰えるなら やってもいいか」という感じで 一応 言ってはみるのでしょう。
あるいは現行品のレーシングゼロに買い換えとなれば
簡単に儲けられます。
まあ当店にお持ち込みされている時点で 信用されてないということになりますが。
category: のむラボ日記
ペダリングモニターのマウントにDi2のJC台座を追加しました(再) 
2018/10/14 Sun. 23:37 [edit]

お客さんから WH-RS21の後輪をお預かりしました。


振れ取りとセンター出しをしました。

同じお客さんから WH-RS010の後輪もお預かりしました。


振れ取りとセンター出しをしました。
どちらも かすかに横振れありで、どちらかが 明確にセンターずれがあったのですが
上の画像は全て作業後で、どっちが そうだったのかは 忘れました。
この作業のついでとして、別件で ある作業をお願いされていますが
分かってます、そっちが むしろ本題だということを。
パイオニアのペダリングモニターの純正台座にある 謎のねじ穴に取り付ける
シマノ電動コンポの上JC台座を作ってほしいとのことです。
以前に作ったのは(→こちら)です。
リンク先にも書いていますが、レックマウントを買ってください。
あちらのほうが 出来の良さや拡張性が上です。

一応やりますが もう二度と作らないことを ここに明言しておきます。

2つ作ってくれということなので 2つ作りました。
プレート部分の寸法や台座の加工などリンク先の前作と いろいろ違います。
~以下 取り付け説明~

M3ボルトをペダリングモニターの台座に ねじ込んでいきますが、
左右で長さを揃えてください。上の画像の状態はダメな例です。
ペダリングモニターの台座と JC台座プレート双方に
ワッシャーが当たるように ナットとワッシャーを通してください。

M3ボルト用のワッシャーで

外径が小さいものを探すのに苦労しました。

ナットを締め込むときに、
ペダリングモニターを固定する「鍵かけ」のスライドに
ナットが かすかに干渉する場合があるので

最終的にナットを締め終えた位相がスライド部分に対して
「角」ではなく「辺」になるようにしてください。
上の画像 左が「角」、右が「辺」になります。

↑こんな感じで固定するわけですが

前作と違い ブラインドリベットの頭が
鍵かけのレバー部分と同じ位置になってしまったので
干渉しないように間隔を調整してください。リベットの頭は少し削りました。


完成予想図です。
もし 同じものを作ってほしい!という方がおられましたら
ぜひともレックマウントをお買い求めください(ステマ)。
category: ドリルがうなる!
コリマのサドルを また買い占めました 
2018/10/13 Sat. 05:11 [edit]
黒と黄色のうち 黒の在庫が復活していたので

買い占めました。
売る当てはありますし、なにより私物としても必要なので
ビビらずに仕入れられます。

レールとベースが近い 本当の「フライト」で、
今回の分も 全て2001年の11月製でした。

封蝋っぽい飾りとカタログ付きのものは なぜか1個だけで、
あとは無しです。私がガメたわけではありません念のため。

表面の合皮の質感は こんな感じなのですが、

ひとつだけ しわが寄っている個体があり、
仕様違いというわけではなく

中の接着剤が劣化しているようなので これは私物にします。
もしコリマのサドルが欲しいという方がおられましたら
ご連絡をください(お電話か ご来店)。すでに いくつか売れております。
category: 新着情報!
WH-9000-C24-CLさん 
2018/10/13 Sat. 04:25 [edit]

どこからとは書きませんが、相当な遠方(近畿圏外)から お持ち込みされており
もし当店で直らないようなら諦めると言われました。
近所のショップでオーバーホールして以降 異音が鳴るとのことですが、
再度見てもらっても原因不明とのことでした。
ハブシャフトを手で回そうとしたところ、前には何とか回るものの
後ろに回すのが異常に固くなっています。
玉当たり調整を締め過ぎた場合には
回転方向の前後で固さが変わるということは起きないので
これはフリーボディの空転に関係しているなと思い バラしたところ・・・

シールの向きが逆でした。
すぐに これに思い至ったのは過去に全く同じ事例(→こちら)を見たことがあるからです。
つまり この件、クソショップが
バラしたホイールを元通りにできずに 間違って組み立てて お客さんに渡し、
お客さんのほうでも不具合を感じて 再度持ち込んでいるのに
原因(おのれのスカタン)を特定できずに突っ返しているというわけです。
ハブシャフトの感触からして正常な状態でないのは明らかだろうが。

デジタルラチェットによる玉当たり調整の方法も理解していないようで、
切り欠きが合っていないのに無理やり締めているので

穴が潰れてカエリが出ていたので
ヤスリで削って切り欠きを合わせました。

手の力だけで玉当たり調整できるのに、
プライヤー系の工具でつかんで回した痕もあります。
念のため お客さんにも確認していますが、お客さん自身で触ったわけではありません。
うっすら振れあり、センターずれありでした。
オーバーホールに振れ取りが含まれていないのか
それとも振れ取りが出来ないカスショップなのかは分かりませんが
振れ取りとセンター出しもしています。
お客さんは この件でホイールを処分しようかどうか思いつめていましたが、
そもそも壊れてません。壊されていただけです。
category: のむラボ日記