真・フロントシングル仕様にしました(再掲) 
2019/08/31 Sat. 06:10 [edit]
本当です 信じてください。
事情があり 表題にもある8月20日に上がっていた記事を再掲します。
大阪の自転車乗りの間で有名な
十三峠(じゅうさんとうげ)という峠があります。
距離は4kmほど(大阪側)ですが平均斜度がきつく、
ある種の練習にはもってこいなのですが
私は2004年の1月から ここでの練習会をしています。
このブログのドメインの部分にpass13とあるのも十三峠が元ネタです。
このブログの画像は ほとんどが私の自撮り画像です。
ネットに落ちている画像を拾ってきて寸評を書くだけという行為を
否定するわけではありませんが、
個人的に面白みに欠けると思っているので 私はやりません。
よそのブログへのリンクを貼る行為も 基本的にはやりません。
とくに、人のフンドシで相撲を取るような真似は したくないのです。
なので このブログでリンクが貼られている場合は
そのほとんどが このブログの過去記事の参照になります。
もちろん これは私が勝手に決めたルールであって、
このブログの画像や論旨を勝手にリンクしたり引き合いに出す行為を
他人に対して禁じているわけではありません。
それは勝手にやってもらって結構です
(かつて このブログの画像を一部 切り取って
私の仕事を 自分がやったようにブログに載せていた
頭のおかしい奴がいましたが、そういうのは さすがにダメです)。
この記事中にあるキャノンデールのオーナーについて
この記事中では言及していませんが、
それは私のほうから「当店で○○選手のバイクを組みました!」とか
「のむラボホイールを使用した○○選手が
どこそこのレースで優勝・入賞しました!」
と主張するのが個人的に好きではないからです。
これは謙虚だからじゃなく、ただ そういうのが嫌なのです。
選手のほうで勝手に言うのは止めませんが、
私のほうから声高に喧伝したり
選手に宣伝を依頼したことは 一度もありません。
で、このキャノンデールのオーナーについて
十三峠十三分切りというブログで紹介され
この記事の再掲前の記事にリンクを貼られましたが
それについて「面白くないなー」と思ったので
(しつこく書きますが 私は怒ってはいません。
向こうは 私がやったことについて これから怒るかもしれませんが
じゃあリンクを貼るなっちゅう話です)、
元記事を改変して
2013年13月(2014年1月)13日13時13分に投稿したことにしました。
元記事を ご覧になりたい方は日付から探すと時間がかかるので、
十三峠十三分切りの当該記事(→こちら)から さらにリンクを探して飛んでください。
やったね!相互リンクだ!(向こうが先)
人のフンドシで相撲を取ろうとすると
時として どういう目に遭うのか、という話です。
土俵に上がったら知らぬ間に
女物のパンティーを履いていた感じでしょうか。
しかも それを大勢の人に すでに見られている。
こういう罠が怖いから 他人様のブログとかへのリンクを貼らないんだよな私は。
十三峠十三分切り様へ。
私が元記事を改変するのが自由なように
この件で記事やリンク先を消し逃げするのも もちろんご自由ですが、
しかし それは下策も下策、面白くない!
私が感心して思わず膝を打つような、
何か面白いアクションを期待しております。
がんばれー
9月3日 追記:
(´・ω・`)○○●○○○○○○○༼❁ɷ❁༽
イケテナイ… コイツハイッポントラレタワイ
採点 3/10点
2020年1月25日 追記:
(´・ω・`)●○○○○○○○○○༼❁ɷ❁༽
イケテナイ… コイツハイッポントラレタワイ
採点 1/10点
今後の動き次第で変動するかもしれません
以下 改変前の元記事です。
お客さん(一応)が 乗鞍仕様として
フロントシングルギヤにしてくれというので

やりました。
実際に面倒だった作業は このバイクを組んだキャノンデールストアの
センスのかけらも無い(私ではなくお客さんの弁ですが 同意)
アウターの長さや取り回しを まともにすることでしたが。

フロントシングルにする場合、スラムかカンパニョーロのレバーであれば
中身を抜いても あとから元に戻せるので

左レバーをブレーキレバー化しました。
スラムもカンパニョーロも 変速の大レバーのリターンスプリングが
ブレーキレバーのリターンスプリングを兼ねているので、
これをやるとブレーキレバーに リターンスプリングが無い状態になりますが、
アウターの抵抗が十分に少なければ
ブレーキキャリパーのスプリングの力だけで
ブレーキレバーが戻ります。
初期性能が永く続くように組めば
むしろ レバーの引きが軽くなるという結果となります。
ビーズ式アウター(ノコンのパチモノみたいやつ)の誤用で
リヤブレーキの引きが重たくなっているのも 直しました。

フロントメカ台座のリベット留めも出来るので
もしこのフレームが私物なら台座をとばすけどな!と煽ったところ
やってくれと言われましたが めんどくさいので断りました。
レバーの中身を抜いて、直付け台座であった場合 それも取っ払うのが
「真・フロントシングル仕様」だと思うのですが、
台座に関しては一応 不可逆加工なので やめておいたほうがいいです。
このお客さん(一応)は バイクを複数台 持っているので、
私もやっているように ヒルクライム決戦用バイクとして
常時フロントシングルギヤかつ 超軽量ホイールを履かせておいて
レースと その直前の調整でしか乗らない専用車を1台作っておいたほうが
いろいろと面倒がないのでいいのでは?と 提案しました。
おまけ
ここからは私物の話になりますが

↑スラム・初代ライヴァル 左レバー

↑カンパニョーロ・ミラージュ 左レバー
いずれのバイクもフロントシングルギヤなので
中身を抜いています。
ブラケットの年代でいうと カンパニョーロは第2世代のエルゴパワー、
スラムは第1世代のダブルタップですが、奇しくも これらはどちらも
「このブラケットとブレーキレバーを使った ただのブレーキレバー」
というのを 別に出しています。
そういうのを使ってもいいのですが、元に戻せるなら買う必要も無いので
変速機能がある左レバーから パーツを抜き取っています。



ライヴァルの右レバーは、レバー側に変速機能が不要なバイクに付けているので
こちらも中身を抜き取っています。
私は ブレーキが左前/右後ろで、リヤブレーキをかけないので
材質がアルミであれば 握ることが無い右ブレーキレバーを
ゴッソリ肉抜きします。

ミラージュの右レバーも同様ですが、こちらは変速レバーが付いています。
9Sレバーの中身を11S化していますが(→こちら)気にしてはいけません。
category: その他 機材の話
コスミック プロ カーボンさん 
2019/08/30 Fri. 22:48 [edit]

近所のショップで パーツ組付け時に預けたときに
一緒に点検しているはずなので大丈夫だと思うものの
一応 点検をご希望です。

アルミリムにフードをかぶせた
元祖コスミックカーボンと同じ構造のリムですが、
最近の流行に合わせて ワイドリムとなっています。
リム高は実測で46mm、リム幅が実測で23.5mmだったので

おおよそ リム幅の2倍が リム高ということになります。
リム形状も スマートエンヴィのように ずんぐりしていて、
縦横比でいうと80mm高リムのときに40mm幅となる形状なので
かなり幅広に見えます。


結論から言うと、間違いなく まともな点検はされていません。
ナローリムだと手を抜いていいという意味ではありませんが、
ワイドリムの場合 シューとの左右の間隔の調整幅が そもそも少ないので
センター出しは非常に重要です。
そして、まともな調整ができる奴なら
このセンターずれの量を看過することはあり得ません。

あと、ハブの玉当たり調整にガタがあったということで
お客さんのほうで締めているということでしたが、
締めすぎだったので 少しゆるめました。
横ガタが出ないギリギリゆるいところが
問題のない範囲で 回転が最も軽くなる調整ですが、
それだとガタが出やすくなり メンテ頻度が上がるので
そこから うっすら増し締めする感じです。
元の状態は それよりはるかに締めこまれていました。
細かいことを言うと クイックを締めると玉当たりがシブくなりますが、
クイックを締めた後でも調整できる この機構の特性を生かして
「クイックを締めた状態で ガタが無いギリギリのところ」が
真の最低抵抗の調整です。
そこからクイックを開きホイール単体で見ると 横ガタが出ます。
これは手入れが非常に面倒なので
そこまでこだわって 追い込む必要はありません。
リヤハブがインスタントドライブ360で 回転がノッソリしているので、
「リヤハブと同じくらいでいいか」と調整すると
重ための調整になってしまうのかもしれません。


センターを出しました。振れは 元々ほぼ無しでした。

つづいて後輪。

元祖コスミックカーボンは 反フリー側ラジアル組みですが、
この後輪は イソパルス(フリー側ラジアル組み)となっています。
最初のイソパルス採用ホイールの初代キシリウムSSCが出る
3年ほど前から コスミックカーボンが存在していたので、
コスミックカーボンに フリー側ラジアル組みが採用されることはありませんでした。
旧コスミックカーボンのリムとパワータップのハブで組まれた
マヴィック製のホイールが存在しますが、
パワータップのリヤハブは 左右ともにラジアル組み禁止であるところ
どうしても仕方がない場合は
反フリー側だけでもタンジェント組みしろという指示があるので
コスミックカーボン パワータップではフリー側ラジアル組みとなっています。

エリプティック(楕円断面形状)エアロというには あまりにも薄い、
指を切りそうなほど 薄くて幅広のエアロスポークですが、
これは現行のキシリウムの名を冠するモデルにも
採用されているものと同じ・・・
つまり コスミック以外のモデルと仕様を共用しているということです。
ハブもスチールスポークのキシリウムと同じものですが、
違うのは この後輪の場合24Hではなく 20Hという点で、
20H 2クロスだと タンジェント組み側のスポークを
ハブフランジの接線方向に引くのが容易になります。
というか このリヤハブの左フランジ、それを意識して
あえてフランジ径を大きくしている節があります。
ひとつのフランジから出ている2本のスポークが
ほぼ直線の1本の線分に見えるようになっています。

ニップルからスポークが飛び出ていますが、
スポーク長さが長すぎるわけではありません。
ニップルのねじ山の面圧を最大化するためか、
ニップル側でスポークが折れた場合
(ねじ山始まりの境目で折れることがある)に
折れたスポークを回収するためかは不明ですが、
これをするために スポークのねじ山部分の長さを
汎用スポークより長くしてある 特別仕様のスポークだからです。

飛び出している ねじ山に
汎用14番ニップルが スムーズにかかりました。
ということは このスポークは14番ベースということになります。
実は旧コスミックカーボンのスポークは13番ベースで、
ニップルも13番ニップルの内蔵用のものという
非常に特殊な仕様でした。
20Hの後輪で反フリー側ラジアル組みで
リムの実行高さがローハイトリム相当で
数もそれなりに出回っていたのに、
ヌルいとかシュータッチするとかいう話を ほぼ聞かないのは
スポーク比重が大きいということと無関係ではありません。


後輪もセンターずれありで、マヴィックによく見られる傾向と量です。
全然 点検してねーじゃねーか。
ほぼすべての後輪が 紙2枚以内の範囲で
反フリー側にずらしているというのであれば
わざとやっている可能性があり 一応 妥当な理由もあるのですが
(私も 私物の後輪は紙1枚ほど 反フリー側にずらします)、
だいたい それ以上に反フリー側にずれていることが多いうえ(今回も そう)
ずれている必要がないオチョコ無しの前輪ですら
そこそこずれている(今回も そう)ことが多いので
「深い理由はなく 単に下手くそなうえ検品が甘いだけ」
という結論に至りました。


センターを出しました。後輪は うっすら振れがありました。
category: のむラボ日記
レーシング5 LGさん 
2019/08/30 Fri. 22:02 [edit]

落車で スポークをハブ周辺で曲げてしまったとのことです。

↑この4ヵ所だけだと思っていました(過去形)。
撮影時点で ダストキャップを外していますが
作業後には取り付けています。

パリパリ系ねじ留め剤は 初動ゆるみだけを強力に防止するだけ、
ではなく 歯周ポケットに砂が入り込んで固着の要因になるのを
そこそこ防ぐ効果があるかも知れません。

結局、要交換だと判断したのは6本になりました。
対辺4mm(3.95mm)の四角ニップルですが、
外周側のつかみ面も 4mmの四角になっています。
ここを回す工具というのは 出回っていません。
フルクラムで これを組んだときに どちらをつかんでいたのかは不明です。
どちらにも ナメ跡が一切無いので。

ただ、左右交互に振っている外周部の穴のフチと
ドライバー型(あるいはT字型)の工具の頭の部分が
干渉しないとは考えにくいので、
内周側の四角をつかんでいる可能性が高いです。
ボーラなどのカーボンリムモデルも
これと同サイズのニップルで組まれていますが、
リムテープ不要のリムにしたい都合上
外周側にはバルブ穴以外の穴が無く
ニップルに治具をつけて リム穴まで磁石で呼んでいるので、
必ず内周側の四角をつかんで組むこととなります。
そのため、 そもそも ボーラやバレットのニップルでは
外周側が四角形状になっていません。

直りました。

交換したスポークは 当初から曲げが分かっていた
連続した4本と、

少し離れて連続した2本の計6本で、すべて同じ側です。

↑交換したスポーク

これらが(たぶん)当初から分かっていた4本で、

残り2本が これです。
画像下のスポークは 換えようかどうか迷いましたが

微妙に曲がっているので 交換しました。
画像ではわかりにくいですが
スポークを回転させると その軸に対して
スポークヘッドが偏芯しているのが分かります。
category: のむラボ日記
レーシングゼロさん 
2019/08/30 Fri. 20:55 [edit]

左側のスポークが1本、ハブフランジから もげています。

ワイヤー錠をかけたまま 発進してしまったということですが、
ほぼ真横に力がかかったのが 良かったのか
スポークに変形が ほぼ無く、使い回せそうです。
反フリー側のスポーク7本に対して
ハブ体のキャップが ねじ3本で留めてありますが、
ねじで留めていない位相直下だったので
キャップが変形しており 特徴的な傷が2つあります。
ホイールの修理は簡単ですが、
このキャップの修理は難しいかもしれません。

ここで、専用の工具があります。
Undo Static Bender(静的に元通りに曲げる)という工具で
アクロニムのUSBの表記もあります。
2014年のレーシングゼロのリヤハブ体に酷似していますが
気にしてはいけません。

USB(工具名)に グレーのキャップをセットし、
USBに付属している白のキャップと共締めします。
上の画像の時点では 傷の位相から遠い2つのねじを先に締めています。

↑最後に ここを締めこみます。

↑変形のない位相

↑変形がある位相

ねじを グッと締めこみました。

↑2つの傷がある 変形していた位相です。
白いキャップを外しました。
工具の胴体部分に「セラミック ウルトラ スムース ベアリング」
とありますが 気にしてはいけません。

↑元々 変形が無い位相

↑変形があった位相
すごいぞ USB!

直りました。
外れたスポークのニップルの調整だけで 横振れを皆無にできましたが、
その時点で 紙2枚ほどのセンターずれがあったので それも修正しています。
category: のむラボ日記
ヴィガー アルファさん 
2019/08/30 Fri. 20:03 [edit]
α(アルファ)を お預かりしました。

事故で 横から当たられたということでしたが
ほぼ振れ無し、最初からあったと思われる
かすかなセンターずれを直した程度です。

これを点検した同じ日に 別件で ヴィガー(アルファ無し)を点検していますが、
ヴィガー アルファは CX-RAYと思われるエリプティックエアロスポークで、
ヴィガーは それよりややスポーク比重が大きいスクエアエアロスポークでした。
いずれの場合も 丸穴に通るスポークですが、
どちらのホイールも ハブフランジはスリット穴ありの仕様でした。
UCIルールに「ホイールは前後とも16本以上のスポークを有すること」
というのがあったのですが、
完組みホイールで認定を受けていれば その限りでないという別の規則もあり、
ロルフプリマの ヴィガーとヴィガー アルファは
それを通っています。なので 国内の実業団レースにも使えます。
認定ホイールの前輪には16Hや18Hが散見されますが、
14Hなのはロルフプリマのこの2つのホイールだけで、しかも 最少本数です。
いま私が調べた ホイールについての規定は2019年8月23日版ですが、
ノン スタンダードホイール(=完組みホイール)とは別の 手組みホイールについては
「従来のホイールの定義を満たすホイールについては
認定を受ける必要はありません」とあるものの
「取り外し可能な20本以上のスチールスポークで組まれていて、
パーツが市販品であること」と 改訂されていました。

例の特注仕様のCX-RAYですが、つかみ面の長さが 長めでした。
この前輪と一緒に点検したのが ボーラWTO45ですが、
後輪は ひとつ前の記事のと同じくらいのセンターずれがありました。
category: のむラボ日記
ボーラ WTO 45さん 
2019/08/29 Thu. 23:06 [edit]

いや、正直に言ったんですよ、「海外通販のほうが安い」って。
私は 自転車パーツの小売店という立場なので
こういうことを言うべきではないのかも知れませんが、
例えば私自身 通販で本や酒を買うことがあり
本屋さんや酒屋さんの実店舗の販売機会を
損失させたことが多々あるので、
自転車のパーツの場合だけ通販で買うのはやめろと
誰かにお願いする権利はありません。
というか すでに自転車屋さんの「古い」商売が立ち行かない
世の中になってしまっているので、それを嘆いても仕方ないので
それでも何とかする方法を考えるしかありません。
当店なんか エゲツナイですよ、他店や海外通販で買ったホイールから
もう一度 お金をいただいたりしてますから。
注文をいただいた時点で さっと調べた限りの海外通販の価格と
当店で出せるギリギリの価格では
後者のほうが高かったので(このことが すでにヤバい)、
さらに よく探せば この差はもっと広がる可能性が高いこともお伝えしましたが
それでも当店で買ってくれるというので 仕入れました。

ボーラWTOは USBベアリングですが、
お客さんは CULT化をご希望です。
当店で仕入れたホイールの販売前の点検ついでということで
工賃をサービスして CULTベアリングの価格も頑張れば、
なんとか「海外通販で買った場合」に肉薄できると思います!

CULTベアリングですが、
リヤハブのキットの品番は HB-HY100で、
HBはハブ、HYはハイペロンを意味します。
かつては 前後とも同じパーツでしたが
現行の仕様では フロントハブは玉が2つ少ない小径ベアリングとなり、
ボーラが初出なので HB-BO100という品番になっています。
上の図、赤の数字で書いたのがそれぞれの税込み定価となります。
左にある青の数字は 玉押しとリテーナーベアリングとワンの税込み定価ですが、
どのパーツも 4つ売りであるところ ひとつのハブに使うのは2つなので
2つ売りとしての価格で書いています。
右の落書きは無視してください。
ワンと玉押しの個別の価格はHYもBOも同じ、
リテーナーベアリングは BOのほうが玉が少ないので
価格が安い・・・ところまでは 理解できますが
CULTのキットになると なぜかHYのほうが安くなります。
そして いずれにしても、CULTのパーツをバラ売りでそろえると
キットの場合と比べて割高になります。
話は変わりますが、ハブのパーツの品番の末尾の数字について。
末尾の数字22が玉押し、24がワン、23がベアリングですが
HYのベアリングは023ではなく 百の位がひとつ進んで123となっています。
HB-HY023は 初代ハイペロンウルトラに採用されていた
セラミックベアリングでしたが、当時は鉄球用のボールレースに
セラミック球という組み合わせだったので
すぐに虫食いがでるという代物でした。
初代ハイペロンウルトラは WOリム仕様のハイペロンウルトラを
セラミックベアリング化したモデルで、
2004~2005年の2年間しか出ていません。
カンパニョーロのほうでも 痛い目を見たという自覚があるのか
2006年モデルにはセラミックベアリングを採用したホイールは無く、
2009年にCULTを出したときに
ベアリングの品番がHB-HY123になりました。
2006年はWOがハイペロンウルトラで チューブラーがハイペロン、
2007~2008年は どちらの仕様もハイペロンウルトラですが、
これは全て 鉄球ベアリングです。
CULTが出るまでは カンパニョーロのセラミックベアリングは
「無かったことにしたい失敗作」でした。
こういう失敗をしているのに、黒ボールレース+セラミックベアリングの
初期型USBで ほぼ同じことを再び やらかしています。
カンパニョーロにジャパンいち詳しい問屋さんに教えてもらったのですが、
HB-HY123は HB-HY023と ものが違う(良くなっている)ということで、
どこが良くなっているのかは不明ですが
セラミックベアリングによる虫食いが起きにくくなったのは確かです。
それの主因は ベアリング球ではなくボールレースのほうだと思いますが。
新フロントベアリングのベアリングの品番は HB-BO023ですが、
これはあとから出たので 末尾が023なだけであって
セラミック球の仕様としてはHB-HY123と同じものになります。

話を戻しますが、
USBもCULTも リテーナーベアリングの品番は同じなので
新品のホイールであれば ベアリングの使い回しに問題はなく、
つまり買わなくていいので 価格は上の図のようになります。
CULTのキットを買った場合よりも安くはなりましたが、
割安感があるというほどの差ではありません。
具体的な割引率は書けませんが、
CULTの ワンと玉押しのみの購入で なんとか割安感をひねり出しました。

ハブをバラしてUSBのワンを外しますが、
これが なかなか厄介でした。

ボーラWTOのハブ胴は 風洞実験で追求した形状となっていますが、

このハブ胴、

ハブ胴の外形から一定の厚みを持った
丸い内部形状・・・ではなく

中央部が 細く まっすぐな円筒形で、
そこから くっきりと曲がってテーパー状になっています。

この形状のせいで、ワンを外す工具がかけにくく
工具によっては使用不可の場合も ありえます。

さらに、CULTのワンを圧入するときに
圧入工具のアダプターの径が ハブ胴の円筒部分より太い場合
圧入できない可能性もありましたが これはギリギリ クリアできました。

ワンを外す工具は、上の画像の 昔のカンパニョーロのハブのために
かつて作った 自作の治具で なんとかなりました。

ワンを外しました。

ベアリングは脱脂します。
銀ボールレースのUSBからCULTへの換装ですが、
パーツの見分けがつきにくいので
外したパーツを小分けの袋に入れてから
CULTのパーツを出すように徹底しています。

CULTのワンを圧入しました。

脱脂した リテーナーベアリングを入れました。
グリスは入れませんが、音鳴りの防止に かすかにオイルを差します。
本来はオイルも不要ですが、それだと
傷んだ鉄球ベアリングが回転したときの音に
そっくりの音がすることがあるので オイルで軽減させます。


暫定センターは見ていませんが CULT化終了時点で
センターずれ無しでした。
振れが かすかにあったので 直しています。


つづいて後輪に とりかかろうとしたのですが、
別件で ボーラワン35のCULT化作業があり
こちらは前後ハブとも HB-HY100ですが
それで うっかり使い切ってしまったので 後輪は後日になりました。
ちなみに このボーラワン35、2014年モデルです。
2013年は ボーラワンには「ボーラワン」というモデルしかありません。
なぜなら当時 ボーラは50mm高リム(+内蔵ニップル)の
仕様しか無かったからです。
2014年に35mm高リム+外出しニップルのボーラワン35が出ますが、
2014年の50mm高ボーラワンは 前年度と同じモデルなので
引き続き「ボーラワン」です。
2015年から50mm高モデルの名称が「ボーラワン50」となり、
ボーラワン35とともにワイドリム化しました。
つまり、ナローリムの35mm高リムのボーラは
2014年モデルのみの希少品ということです。
しかも これはチューブラー仕様なので リム重量も軽い!


ようやく パーツが届きました。

後輪もCULT化します。

元はUSBなのでグリスが入っていますが、
グリスガードが無いハブなので

ベアリングを外したところ ハブ胴内部の円筒とテーパーの境目に
グリスが付いており、内部形状が分かりやすくなっていました。


USBのワンを抜き、


CULTのワンを圧入して

ハブを組み立てました。

↑分かりにくいですが、ハブシャフトの右側を持って
シャーッと 回転させています。CULT特有の軽さです。
これはまだ フリーボディの抵抗が無い状態ですが、
ベアリングの回転がこなれてくれば ホイールの使用時の状態でも
同じくらいか それ以上に回るようになります。


カンパニョーロの高級モデルにしては ひどくずれています。
この作業をした日は 別件のボーラWTO45の点検をしましたが、
その後輪も これと同じくらいの量と向きのセンターずれがありました。


直しました。

WTO(風洞実験で最適化した)ということですが
対辺4mm(3.95mm)のアルミニップルみたいな
ごっつい四角いものが リムの割りと外周部にあるのは
空力面では不利、ではあるのですが
このリムは リムテープ不要のチューブレスリムなので、
バルブ穴以外に外周部に穴をあけないことと
内蔵ニップル仕様は両立できないので
外出しニップルとなっています。
私が思うに、メンテ性能も 十分に考慮すべき ひとつの性能だと思うのと
ホイールメーカーがあまりにも声高に謳う エアロへの追求を
内心 バカにしている部分があるので
(もっと重要な大要素をスポイルしてまで
みみっちい空力追求に走った結果
かえってクソホイール化する、という例が多い )
安易に内蔵ニップルにするのは好きではありません。
一般に内蔵ニップルのリムは 外出しニップルのリムより
高テンションで張れますが、スポークやニップルの限界は同じなので
昔のカーボンリムでもない限り 顕著な差はありません。


内蔵ニップルが嫌いだからといって
ニュークリオン系の前輪を 外出しニップル化する改造は・・・やめようね!
・リム穴が拡張される(微々たる軽量化)
・スポークの長さが短くなる(3mmほど切るので
3mm×22本ぶんの14番プレーンの重さが軽くなる、計算上は1.7gほど)
・しんちゅうニップルと しんちゅう製のニップルワッシャーが
汎用のアルミニップルだけになる
によって ニュークリオンとニュートロンの場合
重量が20gほど軽くなるうえ その全てが外周部由来、となるところ
ニュートロンウルトラでは ニップルとワッシャーがアルミ製になっていたので
5g弱しか軽くなりませんでした。
category: のむラボ日記
のむラボホイール5号のリムを交換しました 
2019/08/29 Thu. 22:42 [edit]

タイヤキー的な工具(タイヤキー(→こちら)そのものかどうかは知りません)で
リムのビードフックを変形させてしまった、とのことです。
近所のショップで 姑息的処置は不可能ではないものの
完全に元通りにはならない、と言われたそうですが
そんなことをする暇があれば リムを交換したほうが早いです。
結線をしてあるホイールですが、
それでも リムのお引っ越しは可能なので
結線ができなくとも これの補修は可能です。
バラすまえに フリー側のテンションを測っておき、
それが最終テンションになるよう組むようにして
センターずれなしで 振れを追い込めばいいだけです。
近所のショップでやってもらえない
もちろん 私がやってもいいです。

↑変形がある位相

新しいリム(画像上)と並べるとこんな感じ

リムのお引っ越し中・・・。
なぜ リムが3本あるのかですが、
元のホイールが24Hであるところ
うっかり 20Hのリムでお引っ越ししそうになり、
20Hのリムから 新しい24Hのリムにお引っ越ししたところ
お引っ越しが完了するまで 真ん中の20Hリムが取り出せない
という間抜けな状態になってしまいました。

組めました。

黒アルミニップルは、使い回せそうでしたが、
慎重を期して 新調しました。
category: のむラボホイール
アサルトの後輪を組み直しました 
2019/08/26 Mon. 23:20 [edit]

お客さんから レイノルズのアサルトチューブレスの後輪をお預かりしました。
シュータッチを日常的にしているとのことですが、
リムとシューの間隔を詰めてもいなければ
ダイレクトマウントブレーキでもないということです。
お客さんは、これとは別に
過去に私が組んだ結線ありの後輪をお持ちなので
これを組み直した場合 どういう感じになるのかというのも ご存じです。
レイノルズのストレートスポーク用ハブ24H
全黒エアロコンプヨンゼロ組みですが、
この反フリー側のヌルさは ラジアル組みというだけでなく
リムがフリー側にずれているのだろう
(反フリー側の増し締めしろがあるはず)と思い 見てみたら


センターずれがありませんでした。
つまり、基本的には どうしようも無いということです。
センターを保ったままテンションを上げるならば
左右ともに増し締めすることになりますが、
ニップルの回転量あたりの リムの横移動量は
反フリー側のほうが大きいので、
フリー側が袋小路寸前であれば 反フリー側の増し締めは ほぼ無理です。

というわけで 組み直しました。
組み直し前の時点でのセンターずれの有無に関わらず
組み直しは確定事項でしたが。
レイノルズの後輪については、
まずは増し締めを試みるという姑息的処置をとったものの
ほとんど変わらなかったので
結局 組み直す羽目になるということを 過去に何度もしています。
これはおもに お客さんの希望ではなく
私の都合だったりしますが、ほぼ確実に 二度手間になっています。

ハブはお客さんお持ち込みのノヴァテックの482SLで、
エボライトハブと同等品というか OEM元です。
黒半コンペヨンロク組み結線ありで黒アルミニップルにしました。
組み直し前も 黒アルミニップルで
外周側からも回せる仕様のものですが、使い回してはいません。

ホイールとは無関係な話ですが、
今回のホイールのお客さんがつけていた腕時計が
私も 持っているものだったので
ここに上げてみました。

モデル品番は SARZ005で、
文字盤に セイコー5 スポーツとありますが
海外製セイコー5の逆輸入品ではなく、
日本製セイコーの中の1ブランドである「メカニカル」のうち
セイコー5のロゴをあしらったモデルとなります。ややこしい。
これとは別に ごく最近「5スポーツ」というブランドが出ていて、
そちらは ロゴも一新されています。
というか「メカニカル」というブランドは すでにありません。
機械式を含む普及価格帯のブランドは
ドレスウォッチが「プレサージュ」ブランド、
スポーツ系モデルが「5スポーツ」ブランドという展開でいくようです。
海外製セイコー5は 7S系のうち日付/曜日ありの
7S26というムーブメントであることが多いのですが、
これは ハック機能(リューズを引くと秒針が止まる機能)無しで
ゼンマイの手巻き機能もありません。
上の画像のモデル SARZ005は4R系のうち日付/曜日ありの
4R36というムーブメントで、
ムーブメントと紐付けされたほうの識別品番
(裏ブタにあるのは こちらの品番)は4R36-00E0となります。
4R系はハック機能あり、手巻き機能ありで、
海外製セイコー5は 表示可能な曜日の第2言語(第1言語は英語)が
アラビア語かスペイン語のどちらかであることが ほとんどですが
(スペイン語は スペイン向けではなく中南米の国向け)、
このモデルでは 曜日の第2言語が日本語になっています。
チュードル(最近 日本で正式展開を始めましたが、
公式表記はチューダーとなっています)の
20~30万円台のモデルで ゼンマイを手巻きしたときの感触ですが、
ロンジンやハミルトンの10万円台の機械式モデルと ほぼ同じような
ゾリゾリとした 音と重さがあります。
私が持っている範囲では ラドーやボールウォッチも ほぼ同じです。
別に それが悪いというのではないのですが、
「ああ 中身は ジェネリックというか汎用ムーブメントなのだなあ」
というのが分かります。
それと比べると4R系の手巻きの感触は
音も重さも シャリシャリとしていて軽く、
ロレックスのそれに似ていてさえいます。
↑これ書くの だいぶ迷ったんですが
実際に今 手巻きの感触を比べたうえで書きました。
こんなものが4~5万円台で手に入るんだから恐ろしい。
日本語の曜日表示とセイコー5のロゴに惹かれて
SARZ005を買いましたが、
「メカニカル」で 日付のみの実用時計としては
SARB033がオススメでした(過去形)。
おもに上位ブランドの「ブライツ」に採用されている
6R系のムーブメントの6R15が搭載されていて
税別定価45000円という破格のモデルだったのですが、
残念ながら廃盤です。入手自体はギリギリ可能かもしれません。
参考までに、SARB033によく似た外観で
6R15搭載の「ブライツ」にSDGM003というのがありますが、
こちらは税別定価90000円でした(これも廃盤)。
category: ヘッドホンとか時計とか
のむラボホイール5号を組みました 
2019/08/25 Sun. 22:59 [edit]

のむラボホイール5号の後輪を組み魔した。

エボライトハブ24H 黒半コンペヨンロク組みです。
結線は あとで殺ります。
つづく

前輪も組みました。

エボライトハブ20H 黒CX-RAY反ヌポークラジアル組みで
前後輪とも 赤アルミニップルです。
category: のむラボホイール
EC90エアロのリムで後輪を組みましたた 
2019/08/24 Sat. 23:09 [edit]

お客さんから イーストンのEC90エアロの後輪だったものをお預かりしました。


フルカーボンWOリムです。

ハブがおかしくなったのを あれこれ触っていたら
わけが分からなくなったので、
このハブをやめての組み直しをご希望です。

R4SLハブは R4ハブのセラミックベアリング版ですが、
鉄球ベアリングとの回転性能の差異が あまり感じられないうえ
カンパニョーロでいうところのUSB(※)のような
「鉄球用のボールレースにセラミック球を放り込んだだけベアリング」なので
ボールレースがカジって すぐダメになります。
※ひとつ訂正しておきますが、現行のUSBは「偽CULT」といってもいいくらいには
ボールレースが強いので、このようなベアリングと一緒にしてはいけません。
点検や振れ取りで見かける場合でも、R4SLハブ(とくにリヤハブ)は
ハブシャフトの回転がゴリゴリになっていることが非常に多く、
私はよく SLというアクロニムを「スーパーライト」ではなく
「ショートライフ」の意味だと揶揄しますが
R4SLのSLは 本当にショートライフといってもいいのではないでしょうか。

組めました。

エボライトハブ20H 黒半チャンピヨンヨン組みです。
結線は あとでやります。

組み直し前は赤アルミニップルですが、
黒スポーク黒ニップルを ご希望だったので そうしました。

つづいて別件になりますが、
お客さんから EC90エアロのリム単品を お預かりしました。
イーストンは ホイールの補修パーツの入手が困難だったと思うのですが、
そのあたりのことは知りません。とにかく新品です。

こちらは チューブラーリムです。



リムの中で やたらとガサガサ 音がしていましたが、
製造工程上 バルーンのカスが出てくるのは分かります。

しかし、ナイロンたわしのかけらが入っていた理由は不明です。
作業工程上 なんとなく想像はつくのですが。

組めました。

エボライトハブ20H 黒半チャンピヨンヨン組みです。
結線は あとでやります。

お客さんは 黒ニップルをご希望でしたが
よくよく考えたら内蔵ニップル仕様でした。
が、今回は 黒ニップルを使っています。
理由は いくつかありますが、書ける範囲だと
ねじ山に乗っている塗膜が ゆるみ止め的な仕事をしそうな
抵抗感があって ちょうどいいとか(ちなみに しんちゅうニップルです)、
私が組んだというのが分かりやすいとかになります。
話は変わりますが、
ブレーキゾーンにアルミを配していた時代の
マヴィックのコメットディスクホイール(→こちら)のうち、
WOリムモデルは リムテープが不要なようで 実は要ります。
バルブ穴の対岸の位相に なぜかバルブ穴っぽい穴があいているからです。
リムテープ無しだと実際に チューブがすぐにパンクします。
全周を覆うストレッチバンドタイプのリムテープでなくとも、
その部分だけ テープタイプのリムテープを貼る必要があります。
それと同じような穴がEC90のリムにもありまして、

この穴がそうです。配慮さんが配慮しているのは
シリアルナンバーがあるためです。
当然、外周側にしか あいていませんが、
仮に リムセメントを塗布して半乾きの状態から
タイヤを張ろうというときに こっちにバルブを突っ込むと
相当 面倒なことになります。

WOリムでは、

(おそらく わざと)テープを上に貼ってふさいでありました。
これはバルブ穴と同程度の大きさなので バルーン抜きの穴とは考えにくく、
それ以前に これらのリムはそもそもバルーンを抜いていません。

↑WOリム

↑チューブラーリム
ホイールの重量は それぞれこうなりました。
178g差ですが、リヤハブと スポーク本数と 左右スポークの番手は同じで、
内蔵ニップルのチューブラーのほうが
スポークがかすかに長いものの 差はせいぜい数g、
WOのほうが アルミニップルなので13gほど軽く、
WOのほうはバランスウェイトが貼ってあったので
WOリムとチューブラーリムの重量差は170~180g程度だと思われます。
チューブラーのほうは 興味があったので実測重量を量っていますが、
リム高56mmにしては なかなか軽く 驚きました
(どちらも 今でいうところのナローリムです)。
それを晒すと結果的に WOリムのだいたいの重量も分かりますが、
貴重な資料なので 教えてやるつもりはありません。
↑うわなにこいつかんじわるい

オ待タセシマシタ!

コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!
↑やーめーろー!
category: のむラボ日記
ENVEの25の後輪を組みました 
2019/08/23 Fri. 23:38 [edit]

昨日の前輪の 相方の後輪を組みました。

エボライトハブ24H 全黒CX-RAYヨンロク組み結線ありです。
これとは関係ないですが、
ひとつ前の記事が二重投稿になっていたので ひとつを消しました。
category: のむラボ日記
SES3.4さん 
2019/08/23 Fri. 03:14 [edit]

チューブラー仕様で 前後ともDT240Sハブです。
後輪は24H 全黒CX-RAYヨンヨン組みですが、
逆イタリアン組みなので アメリカ国内で組まれているようです。
現状は シマノ11S用フリーボディですが、
カンパニョーロ用フリーボディへの換装と
ラチェットの山数を36山のものに変更をご希望です。


ホイールセンターが ガッツリずれていました。
点検無しの吊るしのまま、
この状態で使われていた可能性もあるということです。
このホイールは けっこうなワイドリムなので、
シューとリムの間隔を広く取れないことから
このずれの量は 他のホイールよりも悪条件となります。
横振れは ほぼ無いので、これがメーカーの検品を通った
「ちゃんと組めた」状態というわけです。
安いホイールならテキトーこいてもいい、という意味ではないですが
この価格のホイールで やっていいことではありません。
フリーボディを交換するのですが、付属の右エンドの長さが違っていれば
センターずれが 無くなるか減るかするかもしれないので
この時点では センター出しをしません。

36山のラチェットキットですが、
標準仕様の18山のラチェットは リペアパーツという扱いなのか
スターラチェット用のグリスが付属しませんが、
36山のラチェットは アップグレードパーツ
(補修とは別の贅沢品)という扱いからか 専用グリスが付属しています。
今回は付属のグリスは使わずに お客さんに そのままお渡しして

当店在庫のグリスを使いました。
上の画像 一番左は 旧パッケージです。

元のラチェットを取り出し 洗浄しました。

タケノコバネは色味が違っていたので、
性能的な差異はない 同じものだとは思いますが
これも交換しました。
やや黄銅色になっているのが36山に付属していたほうで、
右上のねずみ色のが 元のバネです。

スターラチェット用のグリスは かなりねっとりと塗り付けます。
マヴィックのインスタントドライブ360よりは マシですが、
必要な部分からグリスが抜けるのが早く
初期性能を維持している時間が短いからです。
少し使うと明らかに音が変わるというか うるさくなりますが、
あまり神経質に しょっちゅう分解して
グリスねっとり状態を保つ必要はありません。


フリーボディを交換しましたが
センターずれと量と傾向は ほぼ変わりませんでした。

あと、半分ほどのスポークで 扁平方向がねじれていました。

全て 向きを正しています。
スポークの扁平部分を押さえる工具を使っていますが、

このホイールのCX-RAYは かつて日本のサピムの問屋さんに
誤納品されたこともある ねじ山側の部分に四角いツブシがある
特別仕様のもの(→こちら)なので、ここを つかむことも可能です。

が、なぜか 1本だけ普通のCX-RAYが混じっていました。


リムが左側(反フリー側)にずれているので
センター出しに必要なのは 反フリー側のゆるめか フリー側の締めとなります。
反フリー側を ゆるめたくはありません。
というか フリー側のスポーク比重を大きくしたくてたまらないくらい
すでに ゆるいのです。
が、フリー側もそこそこ張っており フリー側の増し締めだけで
センター出しをするのは非常に困難・・・だけど 頑張ってみた結果が
上の画像の状態です。まだ ちょっとだけ ずれています。
ここからは かすかに反フリー側をゆるめれば センターも出ますし、
全体的なテンションも 元よりは張ることになりますが


薄氷を踏むように慎重に さらにフリー側の増し締めをしました。
出たぞ うおおおお!これで無理なら 反フリー側をゆるめていました。

つづいて前輪。


こちらも横振れは無いものの
かすかに センターずれありで、


取らないわけにはいかない量の縦振れも ありました。
チューブラータイヤなので おそらくは 乗って体感できないでしょうが、
だからといって放置はできません。
SESのリムの外周部には 目立つ継ぎ目があり、
大げさに言うと 竹の節のようになっています。
これがゲージに当たると 縦振れのように見えますが
ここでいう縦振れとは それを除外したものです。


縦横振れ取りとセンター出しをしました。
ENVEの妥協点100%(出荷基準)より
私の妥協点100%のほうが上なので
点検によって その間を埋めたわけですが、
ENVEの出荷基準でいいならホイール組みに専従した場合の
日産の本数が5割増しくらいにはなると思います。
例えば 私の妥協点100%で 日に10本組めるとすれば、
ENVEのところまで下げると15本くらいは組めそう、ということです。
category: のむラボ日記
ENVEの25リムで前輪を組みました 
2019/08/22 Thu. 22:22 [edit]

お客さんからお預かりした ENVEの「25」リムで前輪を組みました。

リーフハブ20H 黒CX-RAY反ヌポークラジアル組みです。

ホイールを組む前に時系列を戻しますが、

シリアルナンバーは130万番台の7桁なので
最後期のもので、

実測重量は こんな感じです。
最初期のリムと比べると 1.5倍ほどの重さではありますが、
いいこともあります。全くビビらずに張れるからです。
カーボンに限らず アルミのリムでも、
軽量なローハイトリムは 高テンションに張ると
リム穴が左右交互に引っ張られることによる
「取れない横触れ」が出る場合がありますが、
今回のリムでは 全く出ませんでした。
ちなみに25リムであっても 195gや215g時代のものは
微細な波打ちが出ます。
300g以上あるリムでも このリムよりテンションそのものによる変形が
顕著なリムが 多々あるので、
乗り手ではなく 組み手にしか分かりづらいことですが
ENVEのリムは そのあたりの点では優秀です。
先日のゼンティスも 耐テンションでは非常に優秀なので
2つ続くと それが当たり前のことだと うっかり勘違いしそうになります。
category: のむラボ日記
レーシングゼロ カーボンさん 
2019/08/21 Wed. 04:31 [edit]

振れ取りを試みたところ スポークがねじれて
どうにもならなくなった、ということです。
お持ち込みされた方が これをやらかした持ち主ではありません。





なんじゃ こりゃ。
スポークがねじれていますが、ニップルが固着しているというわけでもなく
むしろ スムースに回ります。
スポークのねじれの形を保ったまま ニップルがゆるめられました。
素人さんでも ショップの店員でも、
「俺はホイールは組めないけど 振れ取りくらいなら出来る」とか言う人がいますが、
ホイール組みと振れ取りは同じなので、
ホイールが組めないと 振れ取りも出来ません。
これにしても リムが左にガッツリずれていますし
縦振れも大きく出ているので、
スポークのねじれが全く起きていなくとも
元に戻すことは まず出来ないでしょう。
これを直せるような人は そもそもこの状態にはしません。

ねじれているスポークを 全て交換しました。

この辺りの位相で左右ともに集中していて7本、

あと反フリー側が2本で
計9本 交換しています。
反フリー側は ねじれの発生の有無に関わらず
全て無駄に増し締めしているので
先ほども書いたように リムが反フリー側に大きくずれていました。

↑交換したスポーク

の中に1本だけ、前後方向に曲がっているスポークがありました。
これは振れ取りごっこで曲がったわけではありません。
というか テンションがかかっているスポークを
手の力だけで ここまで曲げることは出来ません。
おそらくは このスポークの変形に起因する横振れがあり、
それを直そうとして ドツボにはまったのでしょう。
残り8本は スポークそのものは真っ直ぐなので
そもそもの要交換スポークは これ1本だけだったはずです。
category: のむラボ日記
ボーラワン 50さん 
2019/08/21 Wed. 04:13 [edit]

スポークが1本 曲がっているということで

目印のテープも すでに貼られています。
車輪止めに ぶつけたそうです。

直りました。
冒頭の画像とホイールの向きが逆ですが まあいいや。

↑交換したスポーク
ほぼ 交換したスポークのニップルの調整だけで 直っています。
それ以外のニップルで触ったのは2ヵ所、
時間でいうと合計10秒くらいで 横振れが皆無となり、
暫定センターを見ていないので
その時点で初めてセンターゲージを当てたのですが、ドンピシャでした。
元々の精度が高いということです。
category: のむラボ日記
S〇XTY S〇Xリムの後輪を組み直しました 
2019/08/19 Mon. 22:40 [edit]

お客さんから レイノルズの66チューブラーリムで組まれた
後輪をお預かりしました。
「66の後輪」ではなく「66のリムで組まれた後輪」です。

ハブはTniのウィングハブで、20H 全黒エアロライトヨンゼロ組みで
反フリー側はヌポーク通しです。
どういう来歴かは知りませんが、お預かりの時点で
フリー側のスポークが1本、反フリー側のスポークが2本 欠けており、
それのせいでテンションが大きく抜けているのは確かですが
折れる前の状態であっても 相当にヌルかったであろうというのは 分かります。
これを組み直してほしいとのことですが、

内蔵ニップルが 正しい向きだったり

逆だったりしています。

このニップルは ねじ山始まりまでの歯周ポケットが深く、
このように適正長さ付近で 逆に使った場合

こちら側が いきなりねじ山始まりとなりますが、
見ての通り スポークのねじ山が見えていない
(=ねじ山を ほぼ使い切っている)ので
これ以上の増し締め調整はできません。
とんでいたスポーク3本に付いていたはずのニップルも無いので
それを補填する必要がありますが、
組み直し中に ねじ山が抜けたニップルがあったので
相当数を 新品に交換しました。
全交換でも よかったかもしれません。

組めました。

20H 黒半チャンピヨンヨン組みです。
結線は あとでやります。

リム重量ですが、チューブラーとWOの違いがあるとはいえ
のむラボホイール1号のリムと同じくらいです。
のむラボホイール1号のリムは30mm高、このリムは66mm高で、
66mm高のアルミリムがあったとしても
460g前後よりは はるかに重たくなるでしょうから
このリムはリム高までを勘案したハイト/ウェイトレシオでいうと なかなか優秀です。
これより軽いリムは たくさんあっても
同じくらいのリム高で これより軽いリムはなかなか無いということですね。
(68というモデル名で65mm高)は 378gなんですが、
あの時代のEDGEのリムは いずれのリム高でもハイト/ウェイトレシオが
いい意味でおかしかったので 比較するのは酷というものです。←じゃあ書くな
category: のむラボ日記
前ティスの ゼン輪のスポークを交換しました 
2019/08/18 Sun. 23:04 [edit]

表題の誤字は わざとです。
お客さんから ゼンティスのスクワッド2.5の
WOリムの前輪をお預かりしました。

過去に私が スポークを1本 交換していますが、
元の仕様が白スポークであるところ
当店に在庫が無く入手もできないので
同じスポーク比重の黒CX-RAYストレートを使いました。

が、白スポークのあちこちで 塗装剥がれが目立ってきたので
黒スポークへの全交換を ご希望です。

一応 元のスポークも欲しいというので
上の画像は、ホイールの左側から撮っています。

ホイールの左側から見たときに、
ハブ胴のゼンティスの文字の向きがこうなっていて

そこからハブ胴を回すと
ハブのモデル名の文字の向きがこうなっています。
つまり、ホイールを右側から見たときに
XH001という文字が正向きで読めて、
ゼンティスの文字が上にある時に 上から見ると
逆向きになっているということになります。
ラジアル組みの前輪に向きの属性があるのか、と言われそうですが

この前輪、リムの左側のみに回転方向の指定があります。
ハブとリムの向きの関係を保ったまま組み直した場合、

前輪を右から見るとハブ胴のゼンティスの印字は こうなるわけで、
一般的な向きと逆になりますが 元の状態を尊重することにしました。

組めました。

時系列が戻りますが、元の白スポークの
ねじ山側の非バテッド部分の長さは こんな感じです。

1本だけ補修したスポークは 補修用のCX-RAYストレートなので
長さによっては非バテッド部分が長くなる場合があり、
これも そうなっています。
この前輪は20Hですが、補修用の黒CX-RAYストレートの在庫が
19本未満だったので どうせ取り寄せるならということで

ほぼちょうどの長さの黒CX-RAYストレートを20本 取り寄せました。
なので 組み直し前の黒スポークは使っていません。
ところで 今回のリムですが、WOリムとしては最軽量クラスでした。
こう書くからには実測重量を量っているわけですが
私だけが知ればいいことだと思っているので ここには書きません。
ていうか なんで教えなあかんねん。
↑うわこいつきわめてかんじわるい

オ待タセシマシタ!

コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!
↑やーめーろー!
category: のむラボ日記
のむラボホイール1号のリヤリムを交換しました 
2019/08/18 Sun. 22:52 [edit]

穴を踏んで リムのビードフックが潰れたとのことです。

リムの円弧とステッカーの円弧が
逆になるように貼っている、と思ったのですが
ステッカーのほうは円弧状ではなく まっすぐな長方形なので 錯視です。

リムがベッコリと変形しています。
安いリムで良かったのう。

リムのお引っ越し中・・・。

組めました。
組み方は 元よりエボライトハブ24H 半エアロSB3結線ありです。
結線をしているホイールは振れ取りができない、などと ほざく
結線をしたこともないショップが存在しますが、
実際は リムのお引っ越しすら可能です。
category: のむラボ日記
ライトバイシクルのカーボンリムで前輪を組みました 
2019/08/17 Sat. 23:56 [edit]

昨日の続きです。
ライトバイシクルのカーボンチューブレスレディリムで 前輪を組みました。

ハブは プライムの

R020 フロントハブで、これもノヴァテックの291SLのOEM品で
Tniのエボライトハブと基本的には同じものです。
20H 黒CX-RAY反ヌポークラジアル組みにしました。

後輪と同じく バルブ穴の対岸の位相のニップルを
アルカンシエルにしています。
category: のむラボ日記
ライトバイシクルのカーボンリムで後輪を組みました 
2019/08/16 Fri. 22:22 [edit]

お客さんから ライトバイシクルのカーボンリムをお預かりしました。

45.3mm高(実測)のチューブレスレディリムです。

バルブ穴の隣のリム穴に
「スポークを こっち向きで組め」というステッカーがありますが、
これに従うと 正リム扱いとなり、
それは別として リム穴にある穴振りに従っても
やはり正リムとなります。

ハブも お預かりしています。
プライムのR020(上の画像 右)というモデルで、
同社のロードディスクハブに RD020という品番のものがあるので
D無し品番のこれは ディスク台座無しのリムブレーキ用となります。
上の画像 左は エボライトハブですが、
どちらも ノヴァテックの482系のハブで
フリーボディの仕様や ハブ体の仕上げなどの違い以外は同じものです。


フランジの肉抜きや、24Hを意味する数字の打刻の
かすれ具合まで そっくりです。

リムの外周部には「フリー側(右側)を こちらにして組め」というステッカーが
貼ってありますが、このリムは前後とも左右非対称形状ではなく
リム穴の位置がオフセットしているわけでもありません。
ちなみに、リム形状のみ左右非対称で
リム穴の位置は(穴振りを除けば)中央というリムも存在します(→こちら)。

このステッカー、丸い形をしているうえ
リムの前後方向に きっちり直交した向きを指し示すように
貼っているわけでもないので

厳密に指示に従うべく
仮組みの低テンション時に ハブの向きをひねってみました。
テンションをかけると(ホイールを組み終えると)ハブ軸の向きが
リムの前後方向と直交してしまいます。
冗談は別としても、この手のステッカーは長方形にしたほうが
万が一の間違いが避けられると思うのですが。
オフセットリムでもなく、リム穴の角度(指向性)に
左右差を設けているようにも見えない このリムに
この手の指示があるのには 別の理由があります。

↑右側

↑左側
このリム、ブレーキゾーンに加工があり
その溝の形に 左右の属性があるのです。
それだけならいいのですが、この加工の形状は
ZIPPのリムの「ショー ストッパー(→こちら)」そっくりなので
バレたら怒られると思うのですが 大丈夫なんでしょうか。

組めました。

R020ハブ24H 黒半コンペヨンロク組みで

ニップルは基本的に銀色、

バルブの対岸の位相にアルカンシエルです。
結線は あとでやります。
category: のむラボ日記
レーシング3 2WAY-FITさん 
2019/08/15 Thu. 23:21 [edit]

なんで 2WAY-FITのステッカーだけ 残すねん。
まあいいや。

フリーボディにガタがあるとのことです。

←←←

→→→
スプロケットを持って左右にゆすると
フリーボディごとガタつきがあります。
これはよくあるフリーボディのベアリング摩耗、または破損ですが

外側のベアリング、グリスをぬぐうと

シールがありません。
外輪に対して 内輪が回転方向以外に動きすぎるので 外れたようです。

ベアリングを抜こうとしたら 内輪だけが外れました。
こういう場合、保持器(リテーナーリング)が潰れることで
鋼球が外輪から抜けるのですが、今回は違いました(後述)。

フリーボディの中に鋼球が いくつか落ちていました。
このベアリング、サイズそのものは規格品ですが
シールが片側のみの仕様なので なにか異常があった場合
鋼球の脱落が起きやすい気がします。
それ以前に片側シールなので
両側シールよりも 異常そのものが起きやすい気もしますが。

フリーボディが偏心して動いていたので
ハブ体側と擦った跡がありました。

外側のベアリングの外輪がフリーボディ側に残りましたが

外側であれば回収は容易です。

内側であれば ほぼ無理で、リューターで外輪を削って回収したことが
無いではないですが 基本的にはフリーボディそのものの交換となります。
カンパニョーロ・フルクラムのフリーボディのベアリングは
外側のほうが傷みやすく、
交換の際は外側のみか 両方ともの場合がほとんどで
そのうち外側のみで済む場合が多く、
内側のみ交換というのは 非常に珍しいです。
さらに、内側ベアリングの外輪がフリーボディに残るほど
中身が傷んでいるというのは 更にレアケースとなります。
上の画像では 内側のベアリングもすでに抜いていますが、
今回は 外側と内側の両方とも交換を要しました。

ついでに ハブのオーバーホールもして

フリーボディを組み付けて 振れ取りもしました。

↑外した外側のベアリング
カートリッジベアリング式のヘッドパーツでも そうですが、
鋼球がボロボロと こぼれ落ちるのは
保持器の破損が原因であることが多いです。

が、今回は見ての通り 保持器に変形はありませんでした。
鋼球が異常に摩耗しただけで
他の鋼球が保持器から落ちるとは考えにくいので、
今回は 割れた鋼球があったのかもしれません。
category: のむラボ日記
クロノ20リムで後輪を組みました 
2019/08/15 Thu. 22:40 [edit]

先日の続きです。元フロントリムの
アンブロージオ・フォーミュラクロノ20リムで 後輪を組みました。

ハブは600ではなく 現行レコードのリヤハブで
32H半コンペヨンロク組み結線ありです。

ブレーキゾーンに凹みというか 傷があり
ブレーキシューが引っかかって カスが尾を引いていましたが
(上の画像は アセトンで拭いたあとなので 多少マシになっています)
ホイール組みに影響がない程度だったので リムは そのまま使いました。

リムを振ると カラカラと音がしていましたが、
ハトメありのリムなので バルブ穴以外に出口が無く、
切削カスの長径が バルブ穴径以上だったりしたので
回収に手間取りました。
category: のむラボ日記
サンシンのマイクロライトハブで組まれた前輪を組み直しました 
2019/08/12 Mon. 22:34 [edit]

32Hで、リムは

アンブロージオのフォーミュラクロノ20で

CRONOの字が レーザーエッチングではなくペイントの年代のものです。
リムセメントや汚れを落とそうとして アセトンを使うと
剥がれる可能性があるので使えません。

32Hロクロクイタリアン組み・・・のはずです。
リムの向きから解釈するにイタリアン組みですが、
クイックが通常とは逆の右側についています。

スポークはイタリアのサチェッティのもので、磁石に非常によくつきました。

お客さんは このハブの正体を知らなかったのですが、
サンシン(三信)のマイクロライトハブです。
シールドベアリングを採用した最初期のハブで、
サイズは規格ものの6901、
ブランドはナチ(国家社会主義ドイツ労働者党ではなく株式会社 不二越)でした。
ちなみに ナチのドリル刃は 私も愛用しております。
リヤハブはボスフリーだったり MTB用で135mm幅だったりすることもあるので
フロントハブだけが生き残ったのでしょう。
ハブ胴に サンシン マイクロライトという表記があるはずですが
消えていました。

クイックのレバー部分に サンシンだという証拠がありました。
というのも、サンツアーブランドからも 同じハブが出ているので
ハブ胴の表記が消えたハブ単体では
どちらのものか特定できないのです。

タイヤはクレメンのソロでした。懐かしい!
私の知る限りこのタイヤをプロで使っていた最後の例は
1997年のオンセ チーム、というか 当時のローラン・ジャラベールです。
チームメカニックかジャラベール個人の秘蔵品で、
当時で すでに廃版だったはずです。

ホイールをバラしたのち

ハブを洗浄しました。



ちなみに これはサンツアー版のマイクロライトハブですが、

ロゴがなければ 見分けがつきません。

組めました。

マイクロライトハブ32H CX-RAYヨンヨンイタリアン組みで

リムはマヴィックのGL330です。
これは前輪と同時に お客さんからお預かりした後輪のリムで、
耐スポークテンション・耐座屈では クロノ20のほうが
リヤリム向きだろうということで こちらをフロントリムにしています。
しかし実際 張ってみると これより軽いGEL280リムや
CX-RAYと同じスポーク比重のレボリューションなどでは
まず無理なところまで張れたので、
それほど弱いリムという印象は受けませんでした。

時系列が戻りますが お預かりしたときの後輪です。

シマノ600(アルテグラの前身、の 600アルテグラの前身)の
フリーボディハブ32Hロクロクイタリアン組みです。
これも クイックが逆に付いていますが、
後輪がイタリアン組みなので 前輪もイタリアン組みとして組んだのでしょう。


アルマイトについては「650W表記」のほうです。
あと、組み換えに際して リムもきれいにしました。

スポークは星の「ステンレス」で、磁石に対して全く反応を示しません。

なぜか1ヵ所だけ 結線を試みていた痕跡がありました。
クロノ20リムで相方の後輪を組みますが、
それは また後日となります。
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FLOのカーボンWOリムで前輪を組みました 
2019/08/12 Mon. 21:51 [edit]

お客さんからお預かりした FLOのカーボンWOリムで前輪を組みました。
リムは 50mm高で561gというイカれた重量で、
仮に これがどれほど空力に優れていたとしても
ほとんどの速度域で 重量面のデメリットを覆しようはないと思うのですが
そのあたりのことは お客さんも詳しく 了解済みなので
問題は ありません。
リムには本来 FLOのステッカーが貼ってあるはずですが、
これは元から貼っておらず
外周部にエキノックスのWH167というラベルがあるのみです。
仕様としては マヴィックの一部モデルと同じようなものになります。

ハブはKOOZERというブランドのRS390というモデルで、
20H CX-RAY反ヌポークラジアル組みにしました。
このハブのハブ胴ですが、

グリーン・デイのアメリカン・イディオットの手榴弾のような感じで
POWERという字で 握りこぶしが描かれており、
パワー フロム リボーンとあるところからハブ胴を回すと

このように

なっています。
というわけでこのハブ、「上から見てKOOZER」と
「右から見てRS390」では
ハブ胴の向きが 逆になってしまいます。
今回は前者を採用しました。
リムには性能面での左右の属性はありませんが、
「シリアルナンバーのステッカーを左側に」として組んでいます。

↑リムが入っていた箱

お客さんから スポーク比重を大きめにしてほしいと言われていたので
当店在庫の星のエアロスターブライトIII型で組むつもりでしたが、
このリムに必要な長さが20本ありませんでした。
実はすでに当店に 新エアロスターブライトが入荷しているのですが、
取り扱い最短長さが264mmなので
この前輪のラジアル組みには(加工を含めても)使えません。
4本組みなら 一応は可能ですが・・・。
16Hや18HであればCX-RAYを使いたくないのですが
20Hなので CX-RAYで組みました。
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