エウラスの前輪を ゾンダ2WAY-FITのリムで組み直しました 
2020/05/31 Sun. 22:52 [edit]

お客さんから カンパニョーロのエウラスの前輪をお預かりしました。
EURUSを ユーラスと呼ばずにエウラスと呼んでいるのは
スチールスポーク時代のEURUSをエウラスと呼び分けるという
私の勝手な区分けによるものです。
現在は 問屋さんの資料でのカタカナ表記は一貫してユーラスですが、
昔は ユーラス表記が主流っぽかったものの
エウラス表記も散見されました。
また、私は 初期の銀スポーク時代のニュークリオン(NUCLEON)も
ヌクレオンと呼んで区別しています。

お客さんの希望はリム交換ですが、
その理由はブレーキゾーンが摩耗しているからとのことです。
・・・全く摩耗していないわけでは無いですが、
これよりはるかにエグい状態で
ブレーキゾーンが丸く反っているようなリムでも
平気で使っている人が多いことを考えると、
本当に素晴らしい心がけであります。
内蔵ニップル仕様なので、

リム外周部に リム穴があります。


あと、左右ダストキャップの在庫があれば
新品にしてほしいとのことです。
このホイールのお客さんは、自分でホイールを組めます。
その辺のショップのホイール組みごっこより はるかに上なので、
材料さえあれば ショップにホイール組みを頼む必要がありません。
今回の件でも、全く同じリム(品番はWH-004EU)が手に入れば
お客さんのほうで組んだかもしれませんが、リムは すでに廃版です。
同じ16Hのリムで スポークが使い回せるナローリムを探すものの、
おそらくそのリムは スポークのカットや
ニップルの磁石での誘導が必要になる可能性が高いので
私が やることになりました。

リムを取り寄せました。
WH-113ZOB(ゾンダブラック)、ゾンダの2WAY-FITリムです。
2WAY-FITなのは、ナローリムで納期が短くなるものを探した結果です。
カンパニョーロにジャパンいち詳しい問屋さんの中の人にも
エウラスの補修に使うことを正直に伝えて リムを探してもらいました。
「補修に使えることをメーカーが認めているという言質」を取るつもりは無いですし、
そんなことができないのも承知のうえです。
どこまでいってもメーカー非純正の組み合わせの改造ホイールになりますが、
「リムが もう手に入らないから あきらめろボケ」と言わずに
実際 合うものを探して提示してくれるのは ありがたかったです。
このホイールは2002年頃のものですが、
同年代のホイールをなんとか直せる メーカー・ブランドが どれほどあるやら。

エウラスとゾンダのリムを並べました。

私の見立てでは、エウラスのほうが
リム高が高い(=スポークが短い)ものの 内蔵ニップルなので、
外出しニップルのゾンダのリムで使い回す場合
スポーク長さは むしろ長いくらいで カットを要するのではと思われました。
結果としては、2mm切っています。
なので 元のリムで組むことは もう出来ません。


組めました。
ところでこのリム、2WAY-FITリムなので


バルブ穴は リム穴のちょうど中間に無く
切削していない島を 直近のリム穴と共有しています。

↑これは 別件でお預かりしている
レーシングゼロ コンペティツィオーネの前輪です。
コンペティツィオーネは2WAY-FITリムのモデルです。

なので 同じく非切削の島をバルブ穴と共有しているわけですが、
このホイールは 公式で おしゃれ泥棒をしており
「赤コスメチックスポークはバルブ穴直近のスポーク」と決まっています。
後輪の赤スポークは反フリー側(左側)なので、
それとの整合性を取るなら 前輪のバルブ穴直近のスポークは
左側のスポークであるべきです
(このレーシングゼロ コンペティツィオーネでは
たまたま そうなっていますが、右側赤スポークの個体もあります)。
このことから、ゾンダ2WAY-FITのリムも
バルブ穴直近のスポークが 左側スポークになるように組みました。
ちなみに レーシングゼロもゾンダも 逆穴振りのリムです。


アルミスポークで 2WAY-FITのホイールには
バルブ穴に 4ツ爪のバルブブッシュが付いています。
ホイールを組むときに、WOリムの場合
外周側からアルミスポーク用のニップルを入れますが
2WAY-FITリムの場合 それが通るような大きな穴をあけると
チューブレスバルブが使えなくなるので、
内周側の穴を大きくして、あとからバルブブッシュで寸法を埋めているわけです。


これがゾンダの場合、汎用ニップルより やや大きい 専用ニップルでも
フレンチバルブ径の穴に すんなり通るので、
内周側の穴は バルブブッシュ仕様にはなっていません。

エウラスのスポークですが、扁平部分がリム側の最後のほうで
さらに1段 厚くなっていました。
CX-RAYが ちょうどつかめる工具のスリットが
画像の位置から全く通りません。
ハブ側からバテッドの寸法を書いていくと
14番の丸-CX-RAYと同じ-CXスプリントと同じくらい-14番の丸
となっています。
ニップルも、つかみ面の部分に 爪を突き立てるように リブが入っていて
(そもそも材質からして 起こりにくいでしょうが)
破断を起こしにくい形状になっています。

例のダストキャップです。


なんか、すごく頑張った跡が見てとれます。
このダストキャップですが、サイズが2種類ありまして

そもそもは シャマルのリヤ左側のキャップとして出たのが初出です。
ここでいうシャマルとは前後輪とも12Hの シャマル12のことなので、
1997年頃からのパーツということになります。
現在では シャマルウルトラグレード扱いのパーツの品番は
SHが付きますが、初期のシャマルではSMでした。

そのあとに、フロントハブ両側用のダストキャップが出ます。
品番にBOとあるのでボーラ用として出たのが初出です。

これらは酷似していますが

微妙にサイズが違っており

(↑画像左でチリを合わせると 右側でこれだけ違う)
互換性はありません。

ダストキャップを補填しました。

見た目での 左右の区別ができなくなったかのように思えますが、

ホイール右側から見たときに ハブ胴のグリスホールの
バンドの文字の向きが正向きで読める、
あと 先ほど書いたように バルブ穴直近のスポークは
左側のフランジから出ている、などの手がかりはあります。
今回のエウラスですが、
かつてはミディアムプロファイルリムの最上位モデルで、
ロープロファイリムのアルミリムモデルの最上位のヌクレオンと比べると
前輪はヌクレオンのほうが軽いものの
後輪はエウラスのほうが軽いという逆転現象が起きていました。
ヌクレオン チューブラー F645g R895g
ヌクレオン WO F670g R910g
エウラス WO F695g R865g
↑公称重量
これの原因としては、ヌクレオンのリヤリムは オフセットリムなうえ


内部に壁があるので リム高のわりには重いこと、
エウラスG3のスポークは ほぼCX-RAYが21本、
ヌクレオンは かなり極端な左右異径組みで
24本のスポークを CX-RAYのスポーク比重からの本数で換算すると
やや少なく見積もっても 32H以上になるので、
スポーク長さも ヌクレオンのほうが長いことから
スポーク部分の総体積は ヌクレオンが
エウラスの1.5倍超になることから
リム自体は まだヌクレオンのほうが軽いものの
それ以外の部分で 後輪のみ重量的に不利なので
公称重量のうえでは逆転が起きたのでは、と思われます。
しかし それでも、今回のゾンダは たとえ2WAY-FITリムであろうが
リム高がエウラスより低いことと 時代もかなり違うことから
組み直しに際して リム部分では軽量化になっているのではないかという
予想をしていました。
で、実際にリム重量を量ってみたところ
ゾンダの軽さというより エウラスの重さのほうが意外で、
どうしてこれで ヌクレオンより軽い後輪になるんだと思ったほどです。
なお、量った結果については公表するつもりはありません。
というか連日にわたって リム重量をタダで知れるとか
そんなおいしい話があるわけないやろ ちょっとは考えろや
↑うわなにこいつきわめてかんじわるい

オ待タセシマシタ!コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!

えうらすノふろんとりむコト WH-004EUデス!

ぞんだ2WAY-FITノふろんとりむコト WH-113ZOBデス!
↑やーめーろー!
category: のむラボ日記
コスミックカーボンUSTのリムとパワータップハブでホイールを組みました 
2020/05/28 Thu. 22:40 [edit]

特価のHG901チェーンが完売しました。
画像にある2本は、残り4本とは別に
元々 当店にあった特価ではない在庫ですが
これも特価で販売しました。
最後の4+2本は全てコネクトピン仕様を ご希望でした。
お買い上げありがとうございました。
また やるかもしれません。
それはともかく 今日もホイー(以下略)。

お客さんから コスミック プロ カーボン SL USTの後輪をお預かりしました。
このリムとパワータップハブで 後輪を組んでほしいとのことですが、

最初に話を聞いたときに、もしジクラルスポーク仕様のリムなら
リム穴からのスポークの軌道に 強い指向性があるので
無理です、それ以前に もしジクラルスポーク穴だったら
そもそも ほぼ不可能です(条件次第では
不可能ではない場合もある)と答えました。

実際は14番ねじ山のニップルで 汎用サイズのリム穴だったので、
普通のリムとして使えることが分かりました。

ハブ側の首下のみ13番ですが、このストレートスポークは使いません
(パワータップハブは首折れスポーク用のフランジなので使えません)。

作業の都合上 純正のチューブレステープを剥がしますが、
マヴィック純正のチューブレステープを使えとか、
あと別のホイールになりますが
エグザリット用のブレーキシューを使えとか、
もし供給が途絶えたら どうするんですかね。

元々はENVEの技術仕様ですが、ハンプが突起ではなく
線路のレールのような幅広の形状になっています。
ある時期の ロードUSTチューブレスタイヤ(※ 私の区分では第2期)や
他社のタイヤのビードを上げてしまうと、
タイヤを外すために空気を抜いてから タイヤの横っ腹を指で強く押しても
ビードが容易には このハンプを越えられないために
タイヤを外すのが非常に難しい、
屋内で落ち着いてやるぶんにはそれほど問題ではないが
出先のパンク修理が 非常に困難、ということになります。
SMART ENVEのリムでは、幅広ハンプながら
ENVEのほうが リム幅が広いからなのか、
あるいはロードUSTチューブレスのビードフック部分の寸法が
ENVEのそれと違うのか、タイヤが極端に外しにくいということはありません。
※USTロードチューブレスタイヤについて(私の勝手な区分です)
第1期 手で簡単に付け外しでき、WOタイヤより ゆるいくらい、
ゆるすぎて逆に怖いくらい、マヴィックでは「女性でも簡単にできる」と喧伝。
第2期 はめるのが非常に困難で、
タイヤレバーでビードを はめ損なうと リムをひっかくように滑るので
リムサイドのステッカーがボロボロになる。
ビードが上がると 今度は外すのも非常に困難。
第1期と第2期については(→こちら)もどうぞ。
この次のコスミック プロ カーボン SL USTで
ステッカーが簡素になったのは
「タイヤレバー滑り問題」と無関係では無いと思われます。
第3期(現行品) 第1期より はめにくいものの
取り扱いに難儀するほどではない。
第1期と第2期は イクシオンプロUSTの
前輪専用のグリップリンク/後輪専用のパワーリンクの
時期による仕様違いだが
第3期は イクシオンプロUSTIIという前後共用タイヤ(履く向きは変える)。



このリムにも、タイヤレバーが滑った跡がありました。

バルブ穴隣のリム穴の左右にあるドットは、
2つならリヤリムを意味していて
バルブ穴からの向きで リムの左右も指定しています。
このリムは指定に従わず 左右逆に組むこともできますが
(わざわざ そんなことはしませんが)
オフセットリムでジクラル穴のキシリウムのリムなどは
左右逆に組むこと自体が不可能です。


リムが反フリー側にずれてるけど どーでもいいや。

スポークヘッドに対して 引っかけ式のハブフランジなので、
ある程度の数のニップルを 十分にゆるめれば
ニップルを一切ゆるめていないスポークが回収できます。
スポークの長さがニップルから はみ出しているのは わざとで、

汎用スポーク(上の画像左/ちなみにCX-RAY)より
ねじ山長さが長い特別仕様なので 問題はありません。

汎用スポークに コスミックのニップルを
ねじ山始まりのどん突きまで挿しこみ、
ニップルの内側の端の位置の目印として テープを貼りました。

次に、汎用ニップルを挿しこむと コスミックのニップルのほうが
2山ほど 見かけ上 深いように見えますが、
リムとの接触点からの内周側への長さが長いだけです。
調べた結果、汎用スポークのねじ山長さで
コスミックのニップルの外周側の端面の
ゆるみ止めのナイロンにねじ山をかけつつ
ねじ山を使い切らない長さで組めることが分かりました。
ニップルが使い回せるということです。
また、画像にはありませんが
専用ニップルとリムの間には ワッシャーが入っています。
もちろん それも使い回します。
ホイールの分解と組み直しに際して
内周側の四角には一切 工具をかけていません。
パワータップのハブですが、
今回のお客さんは パワータップハブの のむラボホイール5号を
持っているので それをバラすのかなと思っていたら

FF山口のF6Rのリムで組まれた後輪から
ハブを抜き取るとのことでした。


ブレーキゾーンがアルミの アルカーボンリムです。


センタードンピシャで、位相によっては
反フリー側に紙1枚ずれている程度ですが
センターが出ているということでいいです。

ただ、スポークテンションが

異常にヌルいのが気になりました。
全黒CX-RAYヨンヨン組みですが、それでも もうちょい張れるはずです。
スポークの色が剥げている箇所は 最終交差で擦れた跡です。

それとは別の話ですが、

コスミックの反フリー側のスポークも
(編んでいないのに)最終交差で擦れた跡がありました。

歯周ポケットに 砂と錆びが詰まりまくりですが
ねじ止め剤などが塗布されていなかったので
非常に軽く ゆるめられました。

組めました。

G3ハブ 24H 黒半コンペヨンロク組み結線ありです。
ところで話は変わりますが、今回ついに
読者諸氏が気になっているであろう
リムの重量を実測する機会が得られました。
いつもは勿体つけるところですが、
今回は素直に公開しようと思います。

F6RアルカーボンWOリムの実測重量です。
えっ?気になるのは こっちじゃないって?
コスミックのほうは そんな簡単に教えるわけないとか
ちょっと考えたらわかるやろ。
↑うわなにこいつかんじわるい

ちなみに蟹光線は 少し早い夏季休暇を取っており
500拍手いかない限りは帰らないらしいので
コスミックの実測重量については 今回はあきらめてください。
くそっ!500拍手いきやがった

オ待タセシマシタ!(コノ時点デ590拍手)

コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!
↑やーめーろー!
おまけ

製造工程上 必要なのか
リムの内面の外周側(内側の全面ではない)に
ナイロンのテープのようなものが貼ってあり、
リム穴をドリリングしたときに
その回転に揉まれて ガサガサになったかのような状態で
外周部に貼り付いたままになっているのですが、
それだけであれば 上の画像のように
リムの内周側の穴が見えているので
ホイールを組む 妨げにはなりません。
が、このナイロンテープのようなものが
リム内部に パラっと落ちて
(ガサガサになっていないので
落ちたのはドリリング以前だと思われる)
内周側のリム穴を隠した状態になっていたのが 何ヵ所かあり、
リムを振ると 落ちたテープがカサカサと鳴るので

リムを振っても音が鳴らないところまで 回収しています。
category: のむラボ日記
のむラボホイール5号などを組みました 
2020/05/26 Tue. 23:55 [edit]

あと4つ。
それはともかく 今日もホイー(以下略)。

のむラボホイール5号の後輪を組みました。

エボライトハブ 24H 黒半コンペ結線ありで
黒アルミニップルです。

AL22W特価ホイールの 4ペア目の前輪を組みました。

レボハブ 20H 黒CXスプリント反ヌポークラジアル組み
基本は黒ニップルで バルブ両側のみ赤ニップルです。
このホイール、4ペア限定で特価販売していましたが
すでに全て売約済みのところ、
お客さんから「もう無いのか」と言われたので
さらに追加で2ペアだけ組むことになりました。
材料が あと2ペア分しか無いので それで終わりです
(AL22Wの非オフセットリムの24Hは
現在 問屋さんにも在庫がありません)。
追加の2ペア分も売約済みです。ありがとうございました。
category: のむラボホイール
のむラボホイール5号の後輪を組みました 
2020/05/25 Mon. 23:40 [edit]
コメントをした方にしか分からないコメント返しをひとつ。

↑これやな!というか
その目的には これ以外無いっていうくらいの神工具やぞ!
記事に関係ない話を ついでに もうひとつ。

今日も 11Sコネクトピンの在庫が増えまくりました。
クイックリンク派が 私の想像より多くて びっくりしています。
それはともかく 今日もホイー(以下略)。

のむラボホイール5号の後輪を組みました。

エボライトハブ 24H 黒半コンペヨンロク組みです。
結線は あとでやります。
5月22日に のむラボホイール5号の
黒スポーク/黒ニップルの前輪を組んでいますが、
それについて「これ私のですか?」というコメントをいただいています。
実は それは当たっているのですが、

今日組んだのは 別件の黒スポーク/銀ニップルです。
すみませんもうちょっとまってくだしあ
category: のむラボホイール
アサルトTリムでディスクブレーキのホイールを組みました(前輪だけど後編) 
2020/05/24 Sun. 22:58 [edit]

お客さんから レイノルズのアサルトTの前輪をお預かりしました。

レイノルズのハブ 20H 黒レボリューション反ヌポークラジアル組みです。
ローヴァルなんかも そうですが、なんで ある程度リム高が高いホイール、
とくに前輪を 丸スポークで組むんでしょうね。
電位差の錆びか ねじ止め剤で ねじ山を回す抵抗が大きくなっていると
ニップルの回転でスポークの供回りを起こすので 調整が しにくいのです。
スポークを同社のエアロライトに変えると 重量は ほぼ同じですが、
整備性が良くなるのと うにょーんが起きなくなります
(厳密には起きるところが リムの強度より上なので 実質 青天井ということ)。
あと、エアロスポークというくらいなので 空力的にも有利です。
このリムを使ってディスクブレーキ用の前輪を組んでほしいというのが
お客さんの希望です。
元のホイールは レイノルズによくある「前輪だけ逆リム扱い」ですが、
リム自体には 左右の穴振りが内周側外周側ともに無いので
次にやる左右タンジェント組みでは 正リム扱いで組みます。

組めました。

ノヴァテックD791SBハブ 20H 黒半CXスプリント
ヨンヨン逆イタリアン組み左落とし正リム扱いです
(逆リム扱いで組むなら ハブフランジにスポークを通す初手を
右落としにすればできます)。
結線は あとでやります。
category: のむラボ日記
レーシングゼロさん 
2020/05/23 Sat. 23:37 [edit]

すでに廃版となっている、チューブラー仕様のレーシングゼロです。
まずは前輪から。

お客さんのほうで 変形があるスポークに
目印のテープを貼ってあります。
回転中に何かを巻き込んだ方向で スポークが曲がっています。

直しました。
交換したスポークのニップル以外は ほとんど触っておらず、
横振れを取った時点で 初めてセンターゲージを当てましたが
センタードンピシャでした。
ということは元の状態は ほぼ振れ無しのセンタードンピシャだったということです。

つづいて後輪。

乗って こうなることはありません。触って ねじっています。
お客さんが自分で触って やらかしたわけではありません。

一応、直りました。

一応、というのは
まさにスポークをねじっていた位相付近で リムに変形があり
振れを取り切れなかったからです。
画像の部分のフリー側最終交差の間の
お休み位相付近で リムが反っており、
わりと どうしようもありませんでした。

↑交換したスポーク

ねじれているスポークは どうあっても要交換、
だとは思いましたが ちょっと悪あがきをしてみました。
無理でした。
category: のむラボ日記
アサルトTリムでディスクブレーキのホイールを組みました(後輪だけど前編) 
2020/05/23 Sat. 22:25 [edit]

今日一日で なぜか すごいペースで
11Sチェーン用コネクトピンの在庫が増えました。
それはともかく 今日もホイー(以下略)。

レイノルズのアサルトTリムでディスクブレーキの後輪を組みました。

DT350ディスクハブ 24H 黒半コンペヨンロクJIS組みです。
結線は あとでやります。

このハブは 142mm幅/12mm穴径のスルーアクスルハブですが、
間違いなく ポン当てエンドが圧入され切った状態での
実測オーバーロックナット寸法が143mmちょうどでした。
実は、公称130mm幅のクイック仕様のリヤハブも
実測すると 130.5mmくらいのものが多く、
フレームメーカーも許容公差が130~132mm
(マイナスは0.1mmでもNG)の場合が多いようなので
多少 広いのは問題ないのかもしれません。
category: のむラボ日記
RR411dbリムの前輪のニップルを全交換しました 
2020/05/22 Fri. 21:50 [edit]

かつて私が組んだRR411dbリムの前輪の

汎用アルミニップルを スクオルクスニップルに全交換します。

前後輪とも XTRのハブですが、
フロントは15mmスルーアクスル仕様で
リヤがクイック仕様だったので
過渡期のシクロクロスのフレームセット用なのかもしれません。


組めました。
少オチョコ量のディスクフロントハブに
オフセットリムと半コンペは、色々と効きすぎな感があります。
今なら半CXスプリントという選択をするかもしれませんし、
オフセットリムであれば 全CX-RAYでも とくに弱いホイールにはなりません。
このあたり、乗り手の好みや使用状況で
最適解が変わるので難しいところです。

今回のリムは チューブレスレディではありますが
ビード逃がしの凹みあり/ハンプ無しという仕様です。
お客さんからお預かりした時点では
シマノのストレッチバンドタイプのリムテープが付いていましたが、
リムの底面が平らでないリムに バンドタイプのリムテープを使うと
よろしくないことが起きる場合があるので

テープタイプのリムテープに変更しています。
リムの形に沿っているのは、タイヤとチューブを取り付けて
一度 加圧したからです。
チューブレスレディリムは、チューブドWOタイヤを使う場合でも
チューブレスリム用のリムテープにしたほうがいいです。

フロントハブ胴には 何も貼っていませんでしたが、
リヤハブと同じ位相(←XTRロゴとの位置関係において)に
謎のステッカーを貼っておきました。
もし気に入らなければ 剥がしておいてください。
category: のむラボ日記
デュラエースのチェーンが値上がりしませんでした 
2020/05/22 Fri. 20:27 [edit]
シマノ製品の価格改定がある旨 通達がありました。
そのリストの品目中、チェーンで唯一 価格改定があったのが
デュラエースのCN-HG901です。

↑これは2018年5月1日の価格改定(→こちら)のときの
値上げ幅となります。
現状では さらに少しずつ値上げしており
いずれも116リンク仕様の税別定価で
CN-HG901 5223円
CN-HG701 4758円
CN-HG601 3641円
となっています。
2018年5月1日のチェーンの値上げ幅は、
CN-HG901以外が非常に大きかったので
現状ではデュラエースとアルテグラの価格差が
500円以内と小さくなっています。
2020年5月1日に予定されていた価格改定では、
CN-HG901の値上げ幅を 後追いで合わせるようになっており
税別で6500円ほど、税込みで7000円以上になるはずでした。
が、新型コロナウイルスの影響で 価格改定は延期となり
2020年7月1日からということになりました。
そして価格改定のリストですが、5月1日予定のものと内容が変わっています。
チェーンで価格改定したものは 何ひとつありません
(コネクトピンは6~8S用、9S用、10S用、11S用の全てが
101~103%ほど値上げとなっています)。
値上げ幅が大きなものとしては、たとえば
ブレーキのギザワッシャーで190円→351円(184.7%)などがあり
ほぼ唯一の値下げとしては グレード外グレードのクランクセット
FC-R460の48Tのアウターギヤが7112円→3116円(43.8%)があり、
たったひとつでも値下げした品目があれば
「値上げ」ではなく「価格改定」と呼べる
という建前のために用意されたかのようです。
ていうか こんな安くなるのも 逆におかしいやろ。
5月1日からのデュラエースのチェーンの値上げが
ひとまず回避されたのは喜ばしいことなのですが、
当初の発表を見越して

値上げ後に 旧価格準拠の特価で祭りをするべく
CN-HG901を買い溜めていました。

↑全てデュラエースです。その数 70以上!

というわけで、値上げは無くなったものの
祭りは やることにしました。
配慮さんによるパーフェクトなガードにより価格は伏せてありますが
105の税別定価よりも安い税込売価に設定できました。
客寄的大熊猫は 冒頭のリンク先の件のときにも
「遺言」とか言ってましたが とくに何事も無く 生きています。
あと、画風を 昨日の封筒のイラストに倣いました。
電話などでの お取り置きはできません。
おひとりさま いくつまで、といった販売制限はありません。
全てコネクトピン仕様で仕入れていますが
クイックリンク仕様をご希望の方は 交換できます。
あと たぶんですが 500円玉が
お釣りとして やたら減る予感がするので
できれば そのあたりの用意をしてきていただくか
偶数本買っていただければ 助かります。
category: 新着情報!
郵送されてきたイラストをさらしちゃうぞー 
2020/05/22 Fri. 03:22 [edit]
某問屋さんとは また別の問屋さんから
納品書が届いたのですが、

封筒に 客寄的大熊猫の絵が描いてありました。
問屋さんが特定できるメールアドレスは、
油性ペンで塗りつぶしても 透過する可能性があるので
ビニールテープを貼っています。
この絵の すごいところはですね、
そもそも始めから うまく描こうなどと思っていないのと
そこからさらに一段進んで
「どの時点で飽きたのか 線を見れば分かる」
という なんとも言えないテキトーさです。
category: 新手のスタンド使い
RR411dbリムの後輪のニップルを全交換しました 
2020/05/21 Thu. 22:42 [edit]

今日は後輪の作業をやります。

スクオルクスニップルを使わずに組んだので

例の破断が起きています。無償で組み直しします。
申し訳ありませんでした。
元のニップルの色は「濃い青」です。
現状、DTの青アルミニップルを取り寄せると
これより色が薄いものが届きます。
この薄い青は「ターコイズ」とは また別の色です
(ターコイズは もっと薄い)。
かつては赤アルミニップルも もっと色が濃かったのですが、
赤と青は少し薄くなってから もう数年以上、仕様が変わっていません。
スクオルクスニップルの色は銀と黒のみの展開で、
スポークは銀ですが お客さんの希望で黒ニップルにすることになりました。


組めました。

ハブに 謎のステッカーが貼ってありましたが、
ハブ胴の左右方向のアールに対して どうしても浮くようで、

めくれているところの粘着面に 砂が噛んでいたので

きれいに拭いてから 新しいステッカーを前後方向に貼り直しました。
ところで この件、完全に私のやらかしなのですが
このホイールを送ってもらった際の手紙で
これとは別の 次のホイールのご注文をいただきました。
ありがたやありがたや。
同じく組み直しとなりますが、今日は時間がないうえ
今日もホイー(以下略)。枠にならないという
非常に私的な理由で 別のホイールを組むことにします。
まさにクズです。申し訳ありません。
category: のむラボ日記
のむラボホイール5号の後輪を組みました 
2020/05/17 Sun. 23:50 [edit]

組みました。

エボライトハブ 28H 黒半コンペヨンロク組みで

緑アルミニップルです。
結線は あとでやります。
昨日上げた AL22Wリムの特価ホイールですが、
前後輪そろっている3ペアについては すでに全て売約済みです。
ありがとうございました。
そしてそれらの結線も まだ出来ていませんあばばっばっばあbっばあ
4ペア目の前輪は近々組みます。
category: のむラボホイール
初期のロルフのベクタープロのスポークを全交換しました 
2020/05/17 Sun. 22:14 [edit]

お客さんから ロルフのベクタープロの前輪を お預かりしました。
ペアスポークなので分かりづらいですが

スポークが1本とんでいます。
これの補修をすればいいのですが・・・。
ロルフプリマでは「ロルフの修理はトレックに訊け、
ロルフプリマはロルフの修理に責任を負ってはいない」と
はっきり表明しています。
トレックが これのスポークを在庫しているのかどうかは知りませんが、
お客さんは 当店で何とかしてほしいとのことです。
後述しますが、このロルフは初期のモデルで
ロルフが トレック傘下に入る以前のモデルの可能性があります。

スポークはDT製ですが、
汎用品ではない とんでもなく珍しいものでした。

スポークの破断は首側ではなく
ねじ山始まり付近で起きています。
厳密に ねじ山始まりではないのは、
ここが内蔵ニップルの端面だったからだと思われます。
で、このスポーク、折れたねじ山部分の長さも勘案して
スポーク比重を計算したのですが なんと約120%と出ました。
当初 計算間違いを疑ったのですが、間違いありません。
これの何が問題なのかというと、
1本だけスポークを補填して修理する場合
それ以外の元のスポークと スポーク比重を合わせる必要があるからです。
DTとサピムには バテッド部分の寸法が ほぼ同じで
ゆえにスポーク比重も ほぼ同じという関係のスポークがあります。
コンペティションとレース、エアロライトとCX-RAY、
ニューエアロとCXなどがそれに該当します。
これら同士は補修の際にメーカーが違っても とくに問題は起きません。
ニューエアロとCXはスポーク比重 約100%なので、
見た目を気にしないのであれば
14番プレーン(スポーク比重100%)で補修することも可能です。
スポーク比重が違うスポークが混ざると 何が問題なのかというと、
スポークの変形量がそこだけ違うことで スポークとびが再発するからです。
ホイールの理屈としても よろしくありません。
極端な話 この1本をCX-RAY(スポーク比重約65%)で補修しようとすると
横振れを取った時点で そこだけがキンキンに張りつめた状態になります
(横振れを取った時点で、と書きましたが そこまで張れるかどうかも怪しいです)。
逆に、全てCX-RAYで組まれたホイールに 1本だけCXを混ぜると
横振れを取った時点で CXだけがガクガクに動くほど ゆるい状態となります。
それを まともなところまで張ると
両隣のCX-RAYをキンキンに張らないといけなくなり、
その位相で内周側への縦振れが出るのと
スポークテンションに大きなバラツキが発生します。
なので スポーク比重120%くらいのスポークがあれば
補修で済みますが、そんなものは無いので
スポークの全交換をするしかありません。
このスポークは283mmですが、
幸いにも サピムのCXで その長さが得られる在庫が
問屋さんにあったので取り寄せました。
追記:ママチャリの一部で使われている、
14番ねじ山で それ以外の部分が13番のスポークなら
120%くらいではないですかというコメントをいただきましたが
計算上では 136%前後になります。
ちなみに、メーカーの公称重量で計算したスポーク比重は
サピムのCXが260mm/64本/423gなので
0.989131・・・で約99%です。
が、いろんな長さを実測した結果では
100.8%~101%くらいになります。
DTのニューエアロは264mm/64本/437gなので
1.006385・・・で約101%、
ニューエアロの実測値は不明ですが バテッド部分の寸法からして
CXと ほぼ同じになるのは間違いありません。
そして、これらのスポークが スポーク比重約120%でないのも確かです。
このホイール、お客さんが常用しているものなので
もし すぐに必要なら サピムのストロングで
姑息的処置がギリギリ出来ないではない・・・と提案しましたが
CXへの全交換を待つということなので ストロングにはしませんでした。
ストロングは 首元13番、それ以降14番のシングルバテッドで
メーカーの公称値が260mm/64本/446g、
ここから出るスポーク比重は104.3%です。
約120%と同じくらいのスポークとして扱うのは無理ですが
少しの間 使う程度なら いけると思いました。
以前に、ボーラWTOで
スペアスポークが出回る前にスポークを曲げた件で、
ボーラのスポークで姑息的処置をして
後日 WTOのスポークが入荷してから ちゃんと直した
というのをやったことがありますが
あのときもスポーク違いに起因する微細な縦振れが出ました。
お客さんいわく 乗っては分からなかったそうですが。

リムの外周側の穴は、丸穴をふたつあけてから
直線的につないだような やや雑な形になっています。
内蔵ニップルから スポークが飛び出していますが、
おそらくこれは わざとやっています。

ホイールをバラしました。
破断していない元のスポーク283mm/13本で113g、
スポーク比重は1.19513・・・で
やっぱり 119~120%となります。なんじゃこりゃ。
バテッド部分の幅は ありふれた寸法ですが、
厚みが とにかく分厚いです。

リムの実測重量です。
14本という少本数を 相当な高テンションで張るので
リムが頑丈=重たいのは仕方がありません。
ここから考えるに、ペアスポークではない
390gほどのローハイトリムを
これよりスポークが2本多いだけの16Hで
しかも スポーク比重約65%の軽量スポークで組んだ
エアロ・軽量よくばりセット(※)の シマノC24の前輪が
いかにイカれたスペックなのかが よく分かります。
※よくばりセットの中に「剛性」は入っていません悪しからず

↑画像左がCX、右が元のスポークです。
元のスポークは、極端に長いわけではないものの
ねじ山部分の長さが少し長くなっています。
CXはここからカットして ねじ山を転造し直しますが、
スポークカッターで作られる ねじ山長さも
サピムの吊るしとは かすかに違います。
が、ロルフのスポークが長いことに比べれば
差は あって無いようなものです。

内蔵ニップルとリムの間には、
カラーというか高ワッシャーが入っていました。

ニップルの リム側との接触面は

丸くなくて平らで、ワッシャーも 両面とも平らです。
底面が丸いニップルと、それに合わせた片面が凹型のワッシャーで
球体関節のように スポークの角度による曲げを吸収する・・・
という機能は無く、ワッシャーの底面積も ニップルのそれと同じくらいなので
これが入っている意味といえば
ニップルの回転がリムに伝わらないことくらいでしょうか。
ねじ山長さが少し長い元のスポークで、
ニップルの内周側の端面に対して
ねじ山を少し余しているのは 確認しています。
破断したスポークを見ても それは明らかです。

↑元の状態は図にすると こうなっています。
ニップルからスポークが飛び出していたので、
スポークの端をバイスクリップでつかんで
折れた部分を回収することが出来ました。

CXを元のスポークと同じ283mmにカットすると、
ねじ山を使い切ってしまう可能性があります。
なので、元のスポークと「ねじ山始まりの長さ」までが
同じになるように 282mmにしました。
これだと組み終わりの状態で ねじ山を使い切らないものの
スポークの端面はニップルとツライチとなるはずです。
が、あとの話になりますが 実際は かすかに飛び出しました
(ねじ山を使い切っていないのは確かです)。
しっかり張らないと むしろ首とびが起きやすくなるので、
元よりスポーク比重が小さくなっていることもあり
かなり気を付けつつ 意識して張ったのですが、
お客さんいわく(この前輪は お客さんの目の前で組んでいます)
元の状態よりも 組み直し後のほうが硬いと言われたので
スポークの巻き取り量は 元より多いようです。
また、図では 元のスポークよりCXのほうが
ねじ山側のプレーン部分が長いように描いていますが、
これは事実ではあるものの
元のスポークが リム穴に対して バテッド部分の境目でギリギリ、
CXは それより多少マシではあるものの
そこそこギリギリでした。

ハブ体のロゴは初期のロルフのもので、

(ちなみに よく見かけるロルフは こういうロゴです)

DTの「フギ」ブランドのハブでした。
ベアリング径も 無駄に小さくは無く、
このホイールも そこそこの経年使用をしていると思いますが
回転はスムースです。
なぜ「無駄に小さくは無く」と書いたのかというと、
ロルフプリマのホワイトインダストリー製の
ワイドスモールフランジフロントハブは
ベアリングの回転がゴロゴロしているものが
散見・・・というか しょっちゅう見かけるからです。
今日も別件ですが見ました。
あのロルフプリマの使用年数が
このロルフ以上であるはずがありません。


何度か ここに上げたことがありますが、
私は フギのリヤハブを持っています。

18Hのリヤハブというのは 非常に珍しいです。

リム穴には明確な穴振りがあり、前後方向に並んでいます。
XEROLITEのホイールでは
ペアスポークのリム穴が左右に並んでいるものがあります。

ハブの左右のフランジ穴に プレーンスポークを通しました。
位相ずれが全くありません。
なので スポークはハブ胴と平行に走っています。
しかしリム穴は前後に並んでいるので、
この前輪の0本組みは スポークの軌道がラジアル線から外れており、
厳密な意味でのラジアル組みには なっていません。
ホイールを片側から見ると、自分から見て
手前のフランジと向こうのフランジで
それぞれ逆の向きにフランジが絞られたように
スポークの軌道がねじれています。
かなり大げさに言うなら JIS組みのホイールから
反ヌポークだけを残した状態です。

組めました。
冒頭の画像は 左側から撮っていますが
この画像は右側から撮っています。
このリムのどこに 左右の属性があるのかというと、

ステッカーが凝った仕様になっておりまして、

右側は ロルフ→ベクタープロの順に読めて

左側では ベクタープロ→ロルフとなっています。
あと、先ほど書いたCXのプレーン部分の出しろは画像の通りです。
このホイールですが、少スポーク数にするという点だけを
ひたすら追求して スポーク比重約120%のスポークを採用したり
ペアスポーク配列にしたりしているわけですが、
マヴィックのコスミックカーボンでは
初代(初代は前後16H、のちに後輪のみ20H)から
コスミックカーボンアルチメイトのリヤ左スポークのねじ山部分に至るまで
13番ベースのスポークを採用しています。
今回のロルフも、スポークが13番ベースであったなら
ねじ山側の破断は起きていなかったかもしれません。
が、14番であったからこそ
汎用スポークでの補修(スポーク全交換になりましたが)ができており
しかも今後はCXで補修できます。
CXについては、このホイールの組み直しに必要なギリギリの本数ではなく
それ以上に そこそこの数を仕入れました。
あと仮に今後 ねじ山側の破断が起きたとして
ニップルからスポークの残骸が回収できなかったとしても、
ほぼ同じ形状のニップル(工具のサイズも3/16インチで同じ)の
在庫もあるので 直せないということはありません。
category: のむラボ日記
プライムの前後輪を組み直しました 
2020/05/16 Sat. 23:17 [edit]

お客さんから プライムの50mm高カーボン
チューブレスレディリムのホイールをお預かりしました。

ステッカーはホログラムで、
回転するとキラキラ光ります(わりとどうでもいい)。

前輪は
ピラーの2.0-1.8-2.0mm丸バテッド黒スポーク(全コンペ相当)
反ヌポークラジアル組みです。
これをエアロスポークで組み直してほしいとのことなので、
CX-RAYで 組み直すことになりました。

組めました。

黒CX-RAY反ヌポークラジアル組みで、

お客さんの希望で 赤アルミニップルにしています。

つづいて後輪。

ピラーの全コンペ相当ヨンヨン組みで、
反フリー側は 最終交差を編んでいません。
今日 別件で、スポークと組み方が全く同じで
リムがAT01アルミリムの
プライムの完組みホイールの点検もしましたが、
これらのホイールのリヤ左側の最終交差は
非常にヌルく 握ると うにうにしています。
おそらくは 異音の発生を避けるために
最終交差を編んでいないのでしょうが、
50mm高カーボンリムのほうの お客さんが
「かかりが悪いのが はっきり分かる」ということと
この組み方は無関係ではありません。

組み直しました。
フリー側のスポークは使い回していますが
ニップルを赤アルミに全交換したので 一旦バラしてはいます。

反フリー側を黒CX-RAYにしたので
黒半コンペ相当ヨンロク組み結線ありです。
フリー側のスポークは そもそもハブフランジから抜いていません。
スポーク長さがやや長めで 0.5~1mmほど切ればよかったと
仮組み後に気付きましたが、
そもそも同じ長さでホイールが組まれていたというのもあり
そのまま作業を続行しました。
リム重量は一応 量っていますが、
画像を撮ったのは フロントリムだけです。
意識的な作り分けではなく単なるバラツキだと思いますが、
リヤリム(オフセットリムではない)のほうが13gほど 重たかったです。
え?フロントリムの重量を教えろだと?
そんなんタダで教えるわけないやろ
↑うわなにこいつきわめてかんじわるい

オ待タセシマシタ!

コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!
↑やーめーろー!
category: のむラボ日記
CXスプリントの第1ST/第2ST曲線を調べてました 
2020/05/16 Sat. 22:15 [edit]
少し前に安定供給されて以降 よく使うようになった
サピムのCXスプリントの第1ST/第2STの換算表を作るためでした
(STはスポークテンション)。
第1STはホーザンでの数値で把握するので H1STとなります。
お客さんのホイールを組む際に
「ついでに」 ニップル4分の1周ずつの
第1STを採るというのは無理でした。
20Hラジアル組みの前輪のスポーク20本で、
テンションのバラツキがあるので
1~20番までスポークに番号を付けて
第1STを採っていきます。
ホイールとして最低限 成立するテンション未満だと
とんでもなく低いスポークがありますが
(組みかけのホイールで よくある、
指で ゆするとガクガク動くスポーク)、
ある程度以上に張ると やや高めのテンションのスポークと
やや低めのテンションのスポークの関係が 逆転することはありません。
通常のホイール組みだと、最終的に
「狙ったテンション・振れ無し・センタードンピシャ」にすればいいのですが
検証用のホイールの場合は 低テンションの時点から
振れほぼ無しのセンタードンピシャを保つ必要があります。

↑その際の副産物のホイールを特価で販売します。

リムはAL22Wで、リヤリムはオフセットリムにはしていません。
後輪は CXスプリントの調べごととは無関係ですが、
前輪だけ売るというのが苦しいのと
別の調べごと(メシノタネコードなので 詳しくは書けません)が
あったので組みました。
エボライトハブ 24H 黒半コンペヨンロク組みです。
結線は あとでやります。

ニップルは基本 黒アルミニップルで、
バルブ穴の両隣のみ赤ニップルにしています。
これは調べごとにとって 都合がいいからで、
ホイールの性能に関係するものではありません。
いま思えば バルブ穴をふさぐように
黒以外の色のテープを貼っても よかったかもしれません。まあいいや。

リムの重量は、全数 調べたわけではないですが
だいたい これくらいです。AL22Wリムの公称重量は
オフセットと非オフセットを区別せずに445gとなっていますが
非オフセットは430g強、オフセットは450g前後という傾向があります。

ハブはエボハブではなく REVOハブにしました。
レボディスクハブはスルーアクスルの前後24Hのみという仕様ですが、
レボハブは フロントが20Hのみ、リヤが16:8の24Hのみというハブで
リヤハブは 私にとっては用がありません。
フロントは エボライトハブ20Hの在庫が尽きた場合の代替品になりえます
(これは わざわざ仕入れているのであって、
エボライトハブの当店在庫は切れていません)。
フランジ穴径が エボライトハブよりは大きいので
タンジェント組みに(エボライトハブよりは)向いています。
価格は エボライトハブと同じですが、

レボハブは クイックが付属しています。
あまり締まりそうなタイプではないので 別に要らないのですが。

前輪のスポークは CXスプリントにするわけですが
やはり このスポーク、表面に 油が異常に残っています。
スポークの束から 機械油の臭いがしてくるほどで、
触ると手が汚れますし ホコリも やたらと付きます(上の画像)。
洗浄すれば 触ってもサラサラの状態になります。
CXスプリントは ねじ山無しの仕様となっていますが、
メーカーのほうで ねじ山を転造(←切削油の塗布が必須)してから
脱脂という工程になるところ、
ねじ山の転造の工程が無いので
そのあとの脱脂の工程も省かれているのでは、
というのが 私の思うところです。

組めました。
レボハブ 20H 黒CXスプリント反ヌポークラジアル組みで、

こちらもバルブ穴両隣のみ赤アルミニップルにしています。
これについては、性能的な意味もなく 調べごとの都合上でもなく
「後輪と見た目を合わせただけ」というのが理由です。
前輪は 1本だけタンジェント組みで組むつもりでしたが
時間がありませんでした。
後輪は すでに4本あるので、最低あと1本は前輪を組まないといけません。
販売価格ですが、前後輪で 44000円(税込)です。
これよりリムが軽くて かつ硬いホイールは ほぼ無いやろ。
書き忘れてましたが リムはチューブレスレディです。
在庫のお問い合わせは お電話 または ご来店でお願いします。
その際は「AL22Wの特価ホイール」と ご用命ください。
category: スポークの話
4本入りコンペの300mm以上を買い占めました 
2020/05/16 Sat. 21:42 [edit]
DTのスポークの販売単位ですが、1袋4本入りと10本入りがあり
チャンピオンの最長長さにのみ 1箱100本入りと500本入りというのがあります。
4本入りは 10本入りより単価が高いので普段は買うことはありません。
当初は 日本の問屋さんのほうで袋詰めしているのかとも思っていましたが
「同じ長さのスポークで 10本入りが欠品していて4本入りの在庫はある」
という状態が よく見られるので 袋詰めはメーカーのほうで しているようです。


↑4本入り仕様です。
普段これを買うことは ほぼ無いのですが、
買ってもいいというだけの条件が 問屋さんのほうから出されたので
300mm以上の長さについて
銀と黒を それぞれ100袋とか200袋とか注文したところ、

計600袋の注文に対して 297袋しか引き当たらず
問屋さんの在庫が全滅しました。
期せずして買い占め行為になったのは 私のせいではありません。
というか 全て引き当たっていたら この倍の量が届いていたのか・・・。

↑袋の この部分を

箱に捨てていったら

こうなりました。1袋にたった4本入りなので
大した本数では無いと思っていましたが、スポークを容器に移して
小袋入りのニップル4個を取り出す(←これが苦行過ぎる)のに
2時間以上かかっています。
・・・昔のようにチャンピオンと銀コンペは100本入りの箱、
黒コンペは72本入りの箱での販売単位に戻してほしいものです。

黒コンペの301mmと302mmだけで

これだけ ありました。
コンペのために この容器を使うことになるとは思いませんでした。
category: のむラボ日記
5月13~15日まで お休みをいただきます 
2020/05/13 Wed. 11:33 [edit]
ちょっと やりたいことというか調べたいことがあるので
5月15日まで3日間 お休みをいただきます。
5月15日は のっぴきならない用事こと
クラシックコンサートの予定でしたが
さすがに延期となりました。
振替公演は来年の2月だそうです。

その次の定期演奏会は6月11日で これも中止、
こちらは振替無しの単なる中止です。

その次の7月16日はどうなるか未定ですが
「田園」は やってほしいところです。
今年はベートーヴェン生誕250周年ということで
どのプログラムにも ベートーヴェンの曲を入れてきていますが、
来年に延期となった場合 251周年と称して
同じことをやるのかどうかは不明です。

これも行きたかったのですが(まあ無理だったでしょうが)、
5月21日の「外山先生のドヴォルザーク交響曲8&9番」も
振替無しの中止となりました。
これはある意味 ネタのようなプログラムで、
外山先生が89歳だから ドヴォルザークの8番と9番になっています。
89歳で現役という条件でないと成立しないネタなので、
ほぼ誰にも 真似ができません。
ドヴォルザークの9番は 副題の「新世界より」のほうが通りがいいのに
わざわざ それを書かないのも不自然です
(画像の外の下のほうに 小さく書いてはいますが)。
8と9というのを強調したかったのでしょう。
もし 来年も同じ趣旨のネタをやるなら、
ブルックナーに 交響曲0番があるので
「外山先生のブルックナー交響曲9&0番」というのができます。

ベートーヴェンを BTHVNと表記するのが
一般的なのかどうかは知りませんが、

BTHVN2020というシリーズの商品があり
それの鍋つかみを 先日 お客さんからいただきました。
category: のむラボ日記
のむラボホイール5号を組みました 
2020/05/12 Tue. 21:43 [edit]

のむラボホイール5号の前輪を組みました。

レイノルズのストレートスポーク用ハブ 20H
黒CX-RAYストレートラジアル組み(しか出来ない)です。

のむラボホイール5号の後輪を組みました。

エボライトハブ 24H 黒半コンペヨンロク組みで赤アルミニップルです。
結線は あとでやります。
こちらは 昨日組んだ 黒スポーク/赤ニップルの前輪の相方ですが、
まさに昨日「これ自分の注文したやつだと思うんだけどなー、
そろそろかなー」的なコメントをいただいておりまして、まさにその通りです。
お待たせしました。
category: のむラボホイール
ピレリのタイヤの問屋さんに グッドイヤーのタイヤを履いて行ってきました 
2020/05/12 Tue. 16:38 [edit]

なぜか いつまで経っても消されない蟹光線の落書き(→こちら)がある
ホワイトボードに、何者かによって別の落書きが追加されていました。

バンクシーのネズミと

客寄的大熊猫です。
どちらも 手本を見ながら落ち着いて描いた感じがあるので
描いたのは問屋さんの中の人だと思われますが、
もし そうであれば そんなことをしそうなのは約一名に絞られます。

客寄的大熊猫のほうには 真筆を添えておきました。
・・・ところでこいつ、ここの問屋さんが企画した
フルクラムの日本限定モデルのホイールなどを
「祭り」と称して投げ売りチキンレースする極悪獣なんですが
そこんとこは大丈夫なんですかね・・・?
category: 新手のスタンド使い
のむラボホイール7号のリムで前輪を組みました 
2020/05/10 Sun. 23:19 [edit]


お客さんから トーケンのレゾリュートC45の前輪をお預かりしました。

ブレーキ熱でリムが熱くなった状態からの座屈で
ビードフックが変形しており、画像では分かりにくいですが
下側のビードフックが直線ではなく ふくらんでいます。
ハブのみ使い回して のむラボホイール7号のリムで組み直すことになりました。
C45リムの完組みホイールには 仕様違いが多く
ストレートスポークだったり首折れスポークだったり、
エアロスポークだったり丸スポークだったりしますが、
元の仕様は 首折れで丸バテッドスポークでした。
リム高が違うので スポークの使い回しは出来ませんが、
仮に 使い回せる長さであったとしても 使い回していないと思います。

組めました。

トーケンのハブ 20H 黒CXスプリント反ヌポークラジアル組みです。
category: のむラボホイール
のむラボホイール5号の後輪を組みました 
2020/05/09 Sat. 23:53 [edit]

のむラボホイール5号の後輪を組みました。

エボライトハブ 24H 半コンペヨンロク組みです。
結線は あとでやります。

組んでいる最中に気付いたのですが、
不良というほどでは無いものの
面取りの寸法が不均一なニップルがあったので
一応 はねました。

↑別のニップルの 普通の面取り

↑はねたニップル(面取りが広い)

↑その反対側
category: のむラボホイール
のむラボホイール4号を組みました 
2020/05/08 Fri. 23:46 [edit]

のむラボホイール4号を組みました。

前輪はエボライトハブ 20H CX-RAY反ヌポークラジアル組み、


後輪はエボライトハブ 24H 半コンペヨンロク組み結線ありです。

↑横から見ただけではチューブラーリムに見えないので撮りました。
category: のむラボホイール
キシリウム カーボン SL オートルートのスポークを変更しました 
2020/05/07 Thu. 23:24 [edit]

お客さんから キシリウム カーボン SL オートルートを お預かりしました。
ベースとなったモデルは キシリウム プロ カーボン SL Cで、
末尾のCは クリンチャーを意味します
(オートルートではない レギュラーモデルには
末尾がTのチューブラーモデルもありました)。
オートルートは数量限定モデルで、
ハブ胴に シリアルナンバーのレーザープリントが入っています。
通常モデルとの違いは


リムサイドのステッカー、コスメチックスポーク、
あとホイールバッグのデザインです。
追記:オートルートのもうひとつの違いとして
セラミックスピードのセラミックベアリングを使っている点があります、
というコメントをいただきました。
ハブ胴の画像が無いのは、セラミックベアリングとある表記部分を撮ると
シリアルナンバーが どうしても映るので断念した次第です
(配慮さんで隠せばいいのですが)。
また、マヴィックの このハブのダストシールは
防塵防水性能が皆無で ベアリングのシールがいきなり
最後の防衛ラインになりますが、
セラミックスピードのベアリングに接触式シールのものがあるわけも無く
実際に確認したところ 非接触式シールでした。
マヴィックの公式で非接触式シールを採用している唯一の例かもしれません。
ベアリングの玉の材質如何にかかわらず
マヴィックに非接触式ベアリングを入れると すぐに浸水するので、
このホイールは 雨をなるべく避けたほうがいいです。
コメントの方も ベアリングを鉄球のものに換えたとのことでした。
コメントありがとうございました。
今回お預かりしたホイールですが、お客さんの希望で
この次の世代の キシリウム プロ カーボン USTに使われている
指を切りそうな 薄くて幅が広いスポークで 組み直します。
ついでに リム重量と 組み換え前後のスポーク比重を
調べておいてほしいとのことです。

まずは前輪から。
このホイールは 後輪で左右異径組みをしていなくて、
前輪と後輪の左右スポークで
バテッド部分の寸法が同じになっています。
バテッド形状は スクエアエアロスポークです。

スポーク長さとは 上の図の青い部分、
首下の長さのことですが
(メーカーによっては エルボーの中心からと
している場合もありますが 多数派ではない)、
首折れスポークとストレートスポークでは
スポーク長さに関わっていない部分の体積
(上の図 赤斜線)が異なるので、
ストレートスポークは スポーク比重が小さめに算出される・・・
はずですが 気にするほどの有意な差ではありません。
今回のキシリウムの前輪のスポークは公称285mm、
袋の印字は なぜか285.5mmで、


実測で285.2mmといったところでした。
個体差もあり、285mmちょうどということにしても問題はありません。
今回のスポーク比重の計算に用いる
元のホイールのスポークと 組み換え後のスポークの
前後左右ぶん6種類の長さは、全て公称値を採用します。

組み換え前後のスポークは、全て首下が13番となっています。
13番のスポーク径は 資料によって
2.34mmだったり2.35mmだったりしますが、
このスポークでは 明確に2.34mmでした。
それ以外の両端の丸スポーク部分は 14番(2.0mm)です。
「2.0-1.8-2.0mm」のようなバテッドを ダブルバテッドと呼び、
サピムのストロングのような
「首下13番-途中からそれ以降 端まで14番」のようなバテッドを
シングルバテッドと呼ぶことから、
このスポークの首下の短い13番部分もバテッドと解釈すると
「13番-14番-エアロ部分-14番」となるので
トリプルバテッドと呼んでもいいかもしれません。
この13番の首元が ハブフランジに パチンと はまる感触があるので、

この仕様のキシリウム/コスミック系のハブは
専用スポーク以外では組まないほうがいいです。
フロントハブのフランジは、メーカーの吊るしでも
スポークヘッドが きっちり はまっていない場合があるので
とくに 注意しました(→こちらの そのまたリンク先)。

組めました。

スポークヘッド側に回り止めのツブシ加工などが無いので
スポークの扁平方向が回る可能性があります。
なるべく張って組んだので 起こりにくいとは思いますが・・・。

つづいて後輪。

フリー側はラジアル組みで、反フリー側の最終交差は

編んでいません。
これは組み換え後も 同様にします。


組めました。
さて お待ちかね、リム重量とスポーク比重の計測です。

↑フロントリム

↑リヤリム
キシリウムもレーシングゼロも、
アルミリムでは リヤリムのほうが重たくなっています。
レーシングゼロの場合 リヤリムのほうが明確にリム高が高いですし、
キシリウムの場合は オフセットリムとなっているのが
重量増に関係していますが、それを別にしても
意識的にリヤリムを重たく頑丈にしている意図を感じます。
キシリウムもレーシングゼロも フロントリムの重量は
アルミとカーボンで大差は無いのですが、
カーボンリムになると リヤリムの重量がフロントと同じになるので
駆動輪の外周部の軽量化という点で そこそこ大きな違いとなります。

↑バルブ穴の隣のリム穴の前後に
ポンチで打ったような半穴がありますが、
これは 2つの場合 リヤ用リムを意味していて
バルブ穴との位置関係で リムの左右も指定しています。
今回のリヤリムはオフセットリムではなく、
左右の穴振りはあるものの
リム穴に強い指向性があるようには見えないので
左右逆で組めるかもしれませんが あえて逆らう意味も無いので
元と同じ向きで組み直しました。
ジクラル穴のアルミスポーク用のキシリウムのリムでは
フリー側はラジアル組み、反フリー側はタンジェント組みの
スポークの軌道に合わせて かなり強い指向性があるので
間違って組むこと自体が不可能です。
組み換え前のスポーク(SL C用)

フロント285mm 18本で93.1g、
スポーク比重は0.706153・・・で 約70.6%です。

リヤ右273mm 12本で59.5g、
スポーク比重は0.706707・・・で 約70.7%です。

リヤ左291mm 12本で63.2g、
スポーク比重は0.704222・・・で 約70.4%です。
これらのスポークは ニップルの端面から明らかに飛び出す長さでしたが、

汎用スポークよりも ねじ山長さが長く、
ニップルの端の ゆるみ止めのナイロンに食いついて
それ以上に飛び出すように あえて作られているので
汎用スポークと同じ実効長さで計算すると
スポーク比重は70%を割るかもしれません。
いずれにしても概算では「約70%」としていいです。
組み換え後のスポーク(SL UST用)

フロント285mm 24本で126.1g、
スポーク比重は0.717341・・・で 約71.7%です。
本数が24本なのは スペアスポークの販売単位が12本ごとだからで、
実際に使うのは18本です。

リヤ右273mm 12本で60.4g、
スポーク比重は0.717397・・・で 約71.7%です。

リヤ左291mm 12本で63.8g、
スポーク比重は0.710907で 約71.1%です。
いずれのスポークも 最も長いリヤ左が
「スポーク長さに占める14番プレーンより軽いバテッド部分の割合」が
大きいからかスポーク比重が フロントとリヤ右より軽くなっています、
と言いたいところですが SL USTのリヤ左のバラツキは
それを勘案しても大きめです。
285mmと291mmで スポーク比重が0.6%違うというのは
あまり見られる結果ではありません。
サンプルが もっと多ければ 差は縮むはずです。
が、いずれの長さ同士でも SL USTのほうが
スポーク比重が大きいというのは確かでした。
これが私物であったとして、後先考えずに遊ぶなら
後輪のフリー側はSL UST、
反フリー側はSL Cを編んで結線するといったところでしょうか。
ところで私は、かなり多くのリムの実測重量を そらで言えるのに
ホイールの前後重量となると のむラボホイール5号ですら
覚えていません(←それくらい覚えとけや)。
ホイールの前後重量、というだけの情報には
あまり意味が無いからです。

今回のキシリウムは USTチューブレス非対応のWOリムで、
ストレッチバンドタイプのリムテープが張ってあります。
ハブとスポークが現行品と同じ(ニップルは元々同じ)で
リムだけが違うということは、
このホイールの実測重量を量っておけば
現行のキシリウム プロ カーボン SL USTのリム重量を
(実測したリム重量のサンプル数が少ないという点は承知していますが)
すっぱ抜けるということです。
というわけで 量りました。後輪だけですが。

↑リムテープあり

↑リムテープ無し
キシリウムプロ カーボン SL USTの公称重量は805gですが、
これは チューブレステープやチューブレスバルブの有無を
含んでいるのかどうかは不明です。
WOタイヤで使う場合でも
テープタイプのチューブレスリムテープは必要で、
一般に チューブレスリムテープというのは
ストレッチバンドタイプのリムテープより軽いです。
仮に 公称重量805gが リムテープとバルブ無しであったなら
今回の組み換え後の後輪の実測784gと比べて
USTのほうが21g重いので
それにリヤリムの実測重量405gを足して
425g・・・と計算できますが
そもそも公称重量805gの範囲が不明なのと、
それが分かったところで マヴィックの場合
805gという公称値自体が怪しいので、
チューブレステープを剥がしたUSTの後輪の実測重量を
一例でも現認しないことには この情報は役に立ちません。
別に事後報告とかは不要ですが これが誰かの役に立てば幸いです。
category: のむラボ日記
のむラボホイール5号の前輪を組みました 
2020/05/05 Tue. 22:47 [edit]

ホープの プロRS4ハブで組まれたもので

24H 半コンペヨンロク組み結線ありで

銀スポーク銀ニップルですが、
ニップルの色を ハブの色に近い青に換えてほしいとのことです。

ニップルの模様替え中・・・。

できました。
この作業、内容としては ホイール組みと同じですが
私が勝手に決めているルールでは
リムとハブが完全に分かれた瞬間が無いことから
今日もホイー(以下略)。の条件を満たしません。
スポーク1本交換するのをホイール組みとは呼ばないように、
ニップル24個交換するのもホイール組みではないという解釈です。
この作業は、順序でいうと
以下のホイールの後でやるべきなのですが 先にやってしまいました。
というわけで 今日もホイー(以下略)。

お客さんから adoy(アドイ)のハブを お預かりしました。

・・・間違えた hope(ホープ)だった。
プロRS4ハブの青アルマイトです。
これで 先ほどの後輪の 相方の前輪を組みます。

組めました。

24H CX-RAY反ヌポークラジアル組みで

青アルミニップルです。
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