コリマのWOリムの手組みホイールさん 
2020/10/30 Fri. 23:57 [edit]
クリスキングのディスクハブで組まれた後輪をお預かりしました。

反フリー側のテンションが ほぼ抜けるほどに ゆるんでいるので
振れ取りと張り直しを ご希望です。

何となく察しが付くかと思いますが、このホイールは
先日の ENVEのAD35リムのお客さんのものです。
経年使用で ハブのアルマイトの色が少し褪せています。
新品のハブと見比べてもそうですし、
ローター台座の あまり陽が当たらない部分の色が やや濃いので
元から薄めの色ということはありません。
24H全黒CX-RAYヨンヨン組みです。


反フリー側の最終交差6ヵ所のうち、
2ヵ所が異常にゆるんでおり 残りの箇所もヌルいです。


おそらくは経年使用で リムがフリー側にずれていました。
元から低テンションで組んでいると、
より低テンションな反フリー側のテンション低下が早まります。
初期性能を長く維持させるには、限度はありますが
基本的には張ったほうがいいということです。

フリー側で最も張っていたスポークの
ホーザンのテンションメーターでの第1スポークテンション
(H1ST)は 90でした。
このリムだと、これが130~140くらいになるまでは張れます。

↑スポークが ぐんにょりしていますが、
反フリー側で最もヌルいスポークでのH1STは

なんと 3でした。
これは、左右の第1スポークテンションの差が最大で30倍ということではなく
テンションが抜けたスポークは 針が ほとんど振れなくなるためです。
ここから、まずはフリー側を袋小路直前まで張るべく
初手は フリー側のニップルを きっかり2周増し締めしました。
経年使用で ゆるんだいるとはいえ、まともに組まれたホイールであれば
あとからフリー側を2周締めるというのは通常は不可能です。
初期状態は かなり ふんわりと組んでいたようで、
はっきり言えば ホイール組みごっこです。
2周増し締めしたあとに フリー側のニップルだけで横振れを追い込んだので
作業前の状態から だいたい2.5~3周ほど締めた状態が


↑これです。
ここから 反フリー側をきっかり2周締めると


↑こうなりました。
ここからセンターが出るまでは 反フリー側を一方的に張れます。
縦振れが出ていたので それを取るのに
フリー側の締めゆるめも 多少は入りますが。


センター出しと縦横振れを追い込み、可能な限り張りました。
左右異本異径組みをしているときに、
とくにオフセットリムのときに やってしまいがちですが
フリー側がキンキンに張ってしまったときに
「ビビりゆるめ」と称して フリー側を却ってゆるめることがあります。
(先日のAD35も このコリマも オフセットリムではありません念のため)。
最近では、AD35の半CXスプリントの前輪で ビビりゆるめをしました。
私は ひたすらキンキンに張ってホイールを組んでいるわけではなく、
これ以上張っても 体感上ほぼ変わらないであろう閾値を超えてまで
テンションを上げたりはしません。
そのへんの さじ加減は分かっているつもりです。
で、先日のENVEのAD35の前後輪の高テンション側と
このコリマの高テンション側(もちろんフリー側)の3つでいうと、
このコリマの最終状態が 最も第2スポークテンション的には張っています。
が、それでも 低テンション側が明確にヌルいのはコリマです。
これをした時点では AD35の結線を まだやっていませんが、
結線前に お客さんに直接 3本のホイールの
左右の最終交差をにぎにぎしてほしかったくらいです。
AD35の高テンション側は袋小路寸前までは張りませんでした。
先ほども書いたように 前輪はビビりゆるめをしたくらいです。
コリマは、左右差が気になって仕方がないので
フリー側を袋小路寸前まで張りました。
これが、全CX-RAYヨンヨン組みの限界というやつです。
これでも、私が見てもいないコリマの最初に組まれた状態よりは
張っているし、今後のテンション低下も起こりにくいという自信はあります。
あんまりこういうことを書くと
「コリマのほうも組み直してほしい」とか
言われそうなので このへんにしておきます。
category: のむラボ日記
南海ハブの元開発者の人が立ち上げたブランド(←宣伝)のハブで後輪を組みました 
2020/10/30 Fri. 22:38 [edit]

BMXの後輪を組みました。

ハブはNYBジャパンの CH-MXハブです。
穴数は36Hのみ、ハブ体の色は黒かポリッシュ、
オーバーロックナット寸法は 公称110mmで実測111.5mmでした。
1.5mmほど広いのは、全然 関係ないハブですが
奇しくも エボライトハブでも同じです。

リムは シンプルバイクカンパニーという表記があるもので、

36H 全黒チャンピロクロクJIS組み結線なしで

緑アルミニップルで組みました。
アルマイトの色味が ほとんど同じなのは 偶然です。

↑外周側は こんな感じ

ホーザンのセンターゲージの測定子は中空になっていて、
9mmや10mm径のハブシャフトであれば 中に通るようになっていますが
これとほぼ同じ見た目の同社のNKフリーコースターハブ(←宣伝)は
3/8インチ(約9.5mm)径のシャフトであるところ、
こちらの シールドカートリッジベアリングではなく
わざわざアンギュララジアルベアリングを採用している(←宣伝)
CH-MXハブは14mm径シャフトとなっており
測定子にハブシャフトが入りません。
仕方がないので 紙1枚レベルでの信頼性に欠ける
パークツールのセンターゲージを使おうと思っていたのですが


こうやって当てりゃいいじゃん、ということに気付きました。
ちなみに上の画像は作業中なので センターが出ていません。


↑最終状態です。
ところで このハブ、この記事2枚目の画像を見てもらっても分かりますが
けっこうなハイローフランジです。
フランジ穴間径の直径の左右差は10mmです。
参考までに、FH-9000だと1mm、エボライトハブだと8mmです。
実測の(スポークの計算式に使った)フランジ幅は54.6mmですが
その配分は 左側28.15mm/右側26.45mmです。
つまり オチョコがあるわけですが その量は非常に軽微で、
シマノ式表記法だと オフセットが0.85mmで
27.3mmプラスマイナス0.85mmとなります。
このオフセットという寸法ですが、シマノのハブでいうと
スモールフランジの片切りピストハブで2.75mm、
ラージフランジの片切りピストハブで5.25mm、
一般車(ママチャリ)のオートライトハブでは
全てでは無いですが 0.3mmというものもあります。
そしてこれらは、ハイローフランジのハブではありません。
オフセット0.85mmと フランジの直径差10mmでは、
さすがに 後者のほうが効果量が大きいはずなので
普通に左右同径同本組みをすれば
フリー側のほうが低テンションになるのは避けられそうにありません。
なので、逆異本組みとして
ロクヨン組みをしようかとも思ったのですが
小径ホイールでの効果量が読めなかったのでやめました
(ホイールを2回組めばいいのですが。
なお、4本組み側のスポークは6本組みの長さとしては使えないので
あとでロクロク組みをする場合は 片側全てのスポークが無駄になります)。

あるいは、こういうのを考えました。
DTのコンペと サピムのレースは
同じ2.0-1.8-2.0mm丸バテッドですが、
レースのほうが 両端の2.0mmの部分が短く
「15番プレーンの両端が ちょっとだけ14番」という感じになっているので
スポーク比重に有意な差があります
(概算のときは どちらも85%として扱いますが)。
なので、このあたりのスポーク比重の2~3%差を使って
ほんのり逆異径組みというのもどうかと考えました。
しかし、今回のホイールはスポーク長さが 180mm台であり
この長さで安定供給されるプレーンスポーク以外のスポークは
丸バテッド・扁平バテッド問わず CX-RAYだけです。
2.0-1.8-2.0mmのダブルバテッドスポークを
首側から2.0-1.8mmのところで切って
15番のねじ山を切って シングルバテッドスポークにすればいいのでは?
と言われそうですが、実際に私物でやったこともあります。
結論は、マジで やめたほうがいいです。
これは 微オチョコ量に対する大ハイローフランジの
要素の大小によって起こる逆転現象を
スポークの番手と組数で埋めてみようという思考実験であって、
BMXのホイールということを考えると 着地の衝撃に対する耐性からして
そもそも細いスポークを使うべきではありません。
このことが左右のスポークテンション差より優先されるべきなのは
明らかなので どのみち14番プレーン以外の選択肢はありませんでした。
ロクヨン組みは、私物なら試しに組んでいたでしょう。
実際のところは、小径ホイールは それなりに張って組んだ場合
スポークの変形量の左右差が出にくいので
左右の最終交差を にぎにぎしたときの変形量に
体感差は ほぼありませんでした。
フリーギヤ側がかすかにたわみが大きいのですが・・・。
category: のむラボ日記
SESのAD35リムで後輪を組みました 
2020/10/29 Thu. 22:26 [edit]

先日の前輪、半CXスプリントロクロク組みを
ロクヨン組みに組み直しました。
6本組み側のCX-RAYが張ったままだと
4本組み側のCXスプリントの増し締めが やりにくいので
CX-RAY側のニップルを きっかり2周ゆるめてから
CXスプリント側を張りました。
一度ちゃんと組んでいる(=縦振れを追い込んでいる)状態から
きっかり2周ゆるめているので CX-RAY側には縦振れが ほぼ出ず、
それが縦振れのガイドになるので
CXスプリント側は うまく横振れだけ追い込めば
ほぼ縦振れを出さずに組めます。
CX-RAY側は、きっかり2周ゆるめて以降は 一切ニップルを回していません。
そこから CXスプリント側を 私が完成状態だと思う寸前まで張りました。
寸前にしたのは、そのあとにCX-RAY側を締めると
CXスプリント側のテンションも微増になるためで、
その微増分を含めて完成状態になるように狙っているからです。


CXスプリントを ひと通り張った状態です。
非常に大きなセンターずれがありますが、
CX-RAY側の増し締めでセンターが出た瞬間が
テンション的には完成状態です。
実際は 微細な縦横振れを最後のほうで取るので
CXスプリント側も 少し触ることになりますが。
CX-RAY側を きっかり2周ゆるめたので、
ロクロク組みとロクヨン組みが同じ
(左右異本組みに意味がない)なのであれば
CX-RAY側を 再び2周締めるとセンターが出るはずです。


きっかり1周 増し締めました。


さらに もう1周増し締めました。
紙1枚どころの話でなく センターが出ていません。
「この結果を大きく見せるために
ロクロク組みのときは CXスプリント側のテンションをヌルめにした」
ということは 誓って やっていません。
ロクロク組み完成時点の状態でも ENVEの吊るしよりは
左右差が少なく カッチリ組めていた自信があります。
ここからセンターを出すまでの CX-RAYの増し締め分は
左右異本組みのボーナスです。
これもENVEの公式見解ではないですが、アメリカ人で
3x would be silly with 24h.
(24Hでの3クロスは馬鹿げている)
とか、
And it's been demonstrated by a number of wheel designers
and expert builders that a change in cross count
doesn't affect stiffness.
(また、クロスカウントの変更が 剛性に影響を与えないことは、
多くのホイール設計者や熟練したビルダーによって実証されています)
と言っている奴らがいるのですが、これは24Hでの
左右同径ヨンヨン組みと左右同径ロクロク組み(いずれも結線なし)の
後輪同士を比べたに過ぎず、その2つだと 確かに テンションさえ張れば
体感上の違いは ほとんど無いかも知れません。
しかしこれは、一生かかっても左右異本組みを思いつかない
アホどもの見解であり、その中にはホイール設計者や
熟練した(数だけは組んでいる)ビルダーも含まれているというだけのことです。
実際、ENVEが もう少し賢ければ
自社ブランドのリヤハブを 反フリー側のみ疎密位相にして
「誰が組もうが強制的に疑似ヨンロク組みになる」仕様にしたはずです。


さらに きっかり1周締めました。
この位相では センターが出ているように見えますが、
まだ微細な横振れがあるので

位相によっては 紙1枚前後のすき間があります。
また、この位相では センターずれが逆転しています。
ここから微細な縦横振れ取りをして


センターを出しました。
高テンション側(ディスクの前輪なのでローター台座側/左側)の
第2スポークテンションが リムの指定上限くらいという同条件下で、
左右異径異本組みをすると 組み終わり寸前のテンションから
さらに ほぼニップル1周ぶん 低テンション側を増し締めできたわけです。
この差は 体感レベルで分かるくらいには大きいと思うのですが・・・。
厳密には、今回は 元の状態から半CXスプリントなので
違うのは異本組みの分だけです。
ENVEの吊るしからだと 左右異径異本組みのぶんだけ差が出ます。
というわけで 今日もホイー(以下略)。

後輪も組みました。

R45Dハブ 24H 黒半コンペヨンロクJIS組みです。
結線は あとでやります。


センター出てます 念のため。
ENVE、というかSMART ENVEですが、
スマートさんの考えた押しつけがましい限定的な仕様により
リムブレーキ用のリムでは フロント20H・リヤ24Hという仕様のみとなっています
(過去に リム高が非常に高いフロントリムでは18Hというのもあった)。
2.2以外では 前後でリム高も違いますが、
例えば 48mm高20Hの前輪と 56mm高24Hの後輪ではなく、
リヤリムも48mm高24Hにしたい(駆動輪の外周部を軽くしたい)という
場合があっても、仕様が存在しないので出来ません。
が、ディスクのリムでは 前後24Hなので
「前後ともフロントリム」という イカした仕様にすることも可能です。フヒヒ。
新3.4ディスクは 前後のリム高が38/42mmと 4mm違いですが、
旧3.4ディスクでは35/45mmと 10mmも違うので
私でも 前後35mmにしたいと思うところです。
言うなれば 今回の前後輪は「旧SES3.3」といったところでしょうか。
リム重量も、リム高も勘案した
ハイト/ウェイトレシオにおいて 優秀なほうでした。
例によって 教えるつもりは無いですが。
↑うわこいつかんじわるい

オ待タセシマシタ!コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!

前輪ニ使ッタ りむデス!

後輪ニ使ッタ りむデス!
↑やーめーろー!
category: のむラボ日記
SESのAD35リムで前輪を組みました 
2020/10/27 Tue. 23:54 [edit]


今日は パワータップG3ハブで銀スポークの
のむラボホイール5号の リムのお引っ越しをやりました。
これとは別件で、G3ハブで黒スポークの
のむラボホイール5号の後輪に ビンディングのキャッチミスで
シューズのかかとを突っ込んでスポークを曲げてしまったのを
直したりもしています。
それはともかく
今日もホイー(以下略)。

SMART ENVEのAD35リムで前輪を組みました。
リム高は35mmですが、SESの完組みホイールに
これに相当するものは現在 存在しません。
現行のSES3.4ディスク(2017年後半~)は
フロントリムが38mm高、リヤリムは42mm高ですが、
これは 初代SES3.4ディスクのフロントリム単体に相当し
初代はフロント35mm高、リヤ45mm高でした。
それ以外の違いは
初代は リム外幅がフロント26mm・リヤ24mmで
リムはチューブレス非対応、
現行(2代目)は リム外幅が前後とも27.5mmで
チューブレスレディリムという点です。
現行のSES3.4はメーカーサイトのドメインのモデル名の部分が
new-ses-3-4/となっていますが
new-を抜いても 旧型のページにはたどりつけません。

クリスキング R45D(R45のディスク)
24H 半CXスプリント ロクロク組みです。
結線は まだやりません。


完成状態に張ってあり、センタードンピシャです。
つまり、問題なく使える状態です。
なぜ ロクヨン組みではなくロクロク組みで組んでみたのかというと、
ENVEが3クロス(6本組み)で「組むな」と言っているのを破って
あえて そうしたからです。

リムサイドに、
「リムブレーキで使うな」「3クロスで組むこと」とありますが、
これはNOT FORが どちらにもかかってると思われるので
禁止事項(箇条書き)
・リムブレーキでの使用
・3クロスで組むこと
↑という解釈になるかと思います。
が、いろいろ調べたところ 英語圏の人でも
「3クロスで組めと示唆している」と解釈している人がいました
(この人が買ったのも 初代SES3.4ディスクのリムです)。


リムの外周側にも同じ注意書きがありますが、
リム穴で途切れているので
後半部分だけ見ると「3クロス編みで使え」と読めてしまうのも
ややこしいところです。
ENVEのメーカーサイトでは、
リムの各モデルに対してENVEが推奨するいくつかのハブ、
クリスキング、DT、自社のカーボンハブや
MTBの場合インダストリー9のハブで
それぞれ組んだ場合のスポーク長さを掲載していますが、
リムブレーキの前輪はラジアル組みのスポーク長さ、
それ以外のものは2クロス(4本組み)のスポーク長さを載せています。
が、これは「それ以外の組み方をするな」という意味ではありません。
ENVEのサイトに ラジアル組み、2クロス、3クロスそれぞれについて
いろいろ書いているページがありますが
3クロスについては SES3.4ディスクで採用しています、という
記載があるものの 初代も2代目も2クロスで組まれています。
過去にシクロクロス用の32Hのホイールで
3クロスのものがあったようですが
現行のMTBの完組みホイールで28Hと32Hのものを
調べたところ、全て2クロスでした。
ENVEの自社ブランドの疎密位相ハブですが、
これで2クロスにすると 疑似3クロスになります。
これについては「ENVEがヴァーチャル3クロスと呼ぶもので
スポーク角度が最適化されている云々」という記述を見つけましたが
ENVEのサイトにはヴァーチャル3クロスという表現は
見当たりませんでした。
これはENVEの見解ではないですが、
アメリカ人が24Hの3クロスを問題視しているのは
反ヌポークヘッドにヌポークが かぶさるからのようです。
今回のハブはラージフランジなので その点は回避できていますが、
私が普段やっている エボライトハブの反フリー側の6本組みは
スポークが かすかにかぶっており
反フリー側のスポーク交換にややコツが要ります。
が、これに起因するスポーク折れというのを
見たことがないので 問題はありません
(28Hの8本組みでは 完全にかぶさる場合があり、
反ヌポークヘッドの箇所でヌポークが折れたことはあります)。
というわけで、後継モデルなどに3クロスに関する注意書きがないことと
ENVEのハブ自身 実質ほぼ3クロスになるので
あえて左右3クロス(ロクロク組み)で組んでみました。
ENVEの吊るしのホイールよりは
反ローター台座側の変形が明らかに少ないですが、
これはヨンヨン組みとロクロク組みの違いの差というより
おもに半CXスプリント(左右異径組み)によるものです。

CXスプリントですが、4本組みの長さに再加工できるので
いつも通り ロクヨン組みに組み直します。
ENVEに限ったことではないですが、
リム屋さんの内製ホイールは だいたい組み方がなっていません。
スポーク比重65%のエアロスポーク ヨンヨン組みに
何の疑問も感じていないところが多すぎます。
ZIPPやレイノルズは 左右異径組みをしている場合もありますが。
category: のむラボ日記
スピード40Tさん 
2020/10/26 Mon. 23:17 [edit]

スピード40T(チューブラー)は
CULT仕様でボーラでいうところのウルトラに相当、
スピード40C(クリンチャー)は
USB仕様でボーラでいうところのワンに相当という展開になっています。
また、初代はスピード55はTのみの展開でした。
それはともかく まずは後輪から。

スポークが1本折れています。
フリー側から見て FULCRUMのF直下のリム穴です。


折れたスポークから、フリー側から見て
反時計回りに 同じ側の隣のスポークがベコベコしていて
要交換なのは 作業前に分かっていました。

↑作業中に 反フリー側のスポークのニップル付近が
うねっと変形しているのに気付いて ニップルをゆるめました。
この位相直下で 縦振れが取りきれないのも気付いた理由です。
あと、フリー側に もう1本 要交換スポークがありました。


スポークが1本折れて ゴクッと大きく振れていたので
暫定センターは見ていませんが、
スポーク補填後 ひと通り 縦横振れを取った時点で
センターが出ていました。

直りました。

当初折れていた1本は Fの直下なので、
回転中に 何か巻き込んだとすれば2撃目となります。
折れるのは1撃目の場合が多いのですが。
片側のみでカウントしてn本連続、というのではなく
フリー側と反フリー側まとめて4本連続というのも珍しいです。

↑交換したスポーク(フリー側)

↑交換したスポーク(反フリー側)

フロントとリヤ左側の ラジアル組みのスポークは
首下にツブシ加工があります。

↑これ、画像では伝わりにくいですが かなり曲がっています。
ねじ山部分の直線を延長した線を 想像してもらえればいいでしょうか。
実際に、これを交換するまで これの両隣のフリー側の位相で
縦振れが取れませんでした。

スペアスポークの在庫持ってて良かった!
というか、MTBとロードDBの一部モデルを除き
スペアスポークは だいたい全部在庫してます。

つづいて前輪。


書き忘れてましたが、
後輪は玉当たり調整にガタありで 右エンドナットも手でゆるみました。
CULTのボールレースは傷みに強いとはいえ、
ガタのある状態での経年使用で 虫食いが発生した例もあります。
前輪も、後輪ほど ひどくは無かったですが 玉当たり調整を要しました。
元からセンターずれ無しで、軽微な振れ取りをしています。
category: のむラボ日記
のむラボホイール5号の後輪を組みました 
2020/10/26 Mon. 22:31 [edit]

お客さんから(あまりに売れていなくて レアな)
WH-R9100-24-CLの後輪を お預かりしました。
以前に 当店で振れ取りをしたのですが、
すぐに また振れが出たとのことで よくよく調べてみたところ・・・

バラしてませんが、ほぼ間違いなく リムが反っています。
同じ最終交差の2本ではないものの、
反フリー側で隣同士のスポーク2本で 極端なテンション差があり、
上の画像の「低」とあるスポークは 手で揺するとガクガクと動きます。
これを まともな変形しにくさになるまで張ろうとすると
周辺のスポークも 張る必要がありますが、
そこまで張れませんし 仮に張れたとしても
ホイールとして使えないほどの縦振れが出ます。
このリヤハブを使って
のむラボホイールのリムで 何かホイールを組むという案が出たのですが
20Hの後輪で のむラボホイール5号はヤバイので
のむラボホイール1号にして下さいと言ったところ、
これとは別で のむラボホイール5号の後輪を組むことになりました。
ちなみに お客さんは このWH-R9100の最初のオーナーでは無く、
知り合いにゆずってもらったわけでもなく
メル○リで買ったとのことです。

というわけで のむラボホイール5号の後輪を組みました。

エボライトハブ 24H 黒半コンペヨンロク組みで
黒アルミニップルです。結線は あとでやります。
それと、以前の振れ取り工賃をホイール代金から引いておきます。
category: のむラボホイール
レーシングゼロ チューブラーさん 
2020/10/25 Sun. 09:55 [edit]

ハブの点検と振れ取りを ご希望です。
まずは前輪から。

リムはチューブラー仕様です。


振れは ほぼ無かったものの、センターずれがありました。
吊るしで これほど ずれていることはないので
センターゲージ無しでの振れ取りの履歴があると思われます。

過去にハブをバラした際に
中空エンドボルトの首下に入っているワッシャーを無くして
その分だけ センターがずれたのかと思いましたが、
無くなっていませんでした。
また、リヤハブの このパーツは そこそこの厚みですが
フロントハブは非常に薄く 今回のセンターずれは
この厚みを ゆうに超えています。

振れがほぼ無く リムがずれているので
片側を均等に張れば(そちらがキンキンに張っていれば反対側をゆるめれば)
いいのですが、いくつか固着予備軍のニップルがあり
締める方向に 軽く回せません。
無理に締めるとスポークがねじれたり 最悪 破断しそうなので
一旦ゆるめて歯周ポケットに詰まっているものを出しました。

↑ポロポロと出てきた粉

↑これは また別のニップル


ほぼ締め傾向で センター出しができました。

つづいて後輪。
リムのステッカーが剥がされているホイールですが、
メーカーのそれとは別に貼ってあるステッカーに対して
配慮さんが仕事をしました。


↑これは作業後の画像ですが、
元からセンタードンピシャでした。
先ほど書いた首下ワッシャーは 上の画像にあるものです。

前後ハブとも 異常があればバラしてほしいとのことでしたが、
とくにその必要を感じない状態だったので
ハブベアリングは触っていません。玉当たり調整はしています。
それとは別に、フリーボディの爪周りはグリス切れ感があったので
洗浄とグリスアップをしています。

爪起こしバネに変形があったので交換しました。
category: のむラボ日記
トップテンが廃版にはなりませんでした 
2020/10/24 Sat. 22:51 [edit]

問屋さん在庫が長期欠品しており 廃版を疑う状況でしたが、
注文自体は可能だったので 問屋さんに入荷したらすぐ分かるように
少数 発注をかけておきました。

↑これは当店最後の在庫で、期限がギリギリなのと
廃版であれば押さえておこうと思い 私が買いました。
結果的に廃版ではなかったのですが、
入荷したものを見て 長期欠品の理由が分かりました。

ロットが変わって、賞味期限が ずいぶん先に伸びています。
いやー良かった。トップテンがなくなると(私が)困るんだよなー。
category: のむラボ日記
ゼンティスのリムブレーキの後輪をディスクブレーキの前輪に組み直しました 
2020/10/24 Sat. 21:24 [edit]

お客さんから

ゼンティスの

スクワッド

2.5・・・ではなく 2.5SLの後輪をお預かりしました。
この業界では とくに軽くしたとする仕様に「SL」と名付けるものですが、

旧2.5と比べると 2.5SLは
ワイドリム化+チューブレスレディリム化をしており、
重量的には むしろ重たくなっています。
それはともかく、この24Hの後輪を
ディスクブレーキの前輪に組み直してほしいとのことです。

↑DT 旧240Sストレート24H 全黒エアロライトストレートでした(過去形)。

このリム、左右同数スポーク用で
リム穴に穴振りがあり オフセットリムでもないですが、
ステッカーの向き云々などではない
性能上の点で 左右の属性があります。
穴振りは左右均等に振っているわけではなく、

フリー側(真ん中)

反フリー側(左に寄っている(画像では画像上側))

フリー側(真ん中)

反フリー側(左に寄っている(画像では画像上側))
という穴振りとなっており、
寄っている穴の側に フリー側のフランジからのスポークを通すと
反フリー側のスポークは入射角が合わず 角度がキツくなります。

組めました。

レボディスクハブ 24H(←24H仕様しかない)
黒半CXスプリントロクヨン逆イタリアン組みです。
結線は あとでやります。
ところで、最も重量が軽いリムは?という質問に対する答えは
量産品であれば おそらく EDGEの25チューブラーリムの
初期型で、195gくらいです。
最も軽いクリンチャーリムは?となると
スタンズのグレイルCB7の公称300g
(私物の実測で289g)かもしれませんが
これはディスクブレーキ専用リムで ブレーキゾーンがありません。
では ブレーキゾーンがあるリムブレーキ用クリンチャーリムで
最も軽いものは?となると
ゼンティスの旧スクワッド2.5のWOリム(チューブレス非対応)
だと思われます。少なくとも私が見てきた中では そうです。
旧スクワッド2.5リムにはチューブラーもあり
当然 クリンチャーより軽いのですが、
魑魅魍魎が渦巻くチューブラー界では
残念ながら とくに軽いほうではありません。
お客さんは このあたりの事情も知っており、
2.5SLが 名前に反してワイドリム化で重たくなっているのは
仕方が無いとして、それでも重量を知りたいとのことでした。
お客さんには お伝えしますが これを読んでいる方には
教える義理はないので ここに晒すつもりはありません。
↑うわこいつかんじわるい

オ待タセシマシタ!

コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!
旧2.5ノ りむニ関シテハ(→コチラ)ヲ ドウゾ!
ドチラノ仕様モ 量ッテオリマス!
↑やーめーろー!
category: のむラボ日記
ピスタさん 
2020/10/23 Fri. 23:51 [edit]

先日のアラヤのADX1-Sの後輪の相方・・・かどうかは知りませんが
同じお客さんから お預かりしたものです。
後ろにあるのは私物で、リヤリムです。
ピスタの後輪を買ったわけではなく
ずいぶん昔にリム単体で買いました。
ステッカーの文字の大きさに仕様違いがあることは
今回 初めて知りました。

私物のリヤリムは リムセメントのベッドが
かなり厚く乗っていて

当初は690g台だったはずですが
現状では700gを超えています。
このリム、完全剛体とまでは言いませんが
スポークテンションで ほぼ歪まないので
左右差の調べごとなどに重宝していました。
もちろん オフセットリムではありません。

未加工のブレーキゾーンみたいな段差があり、
リムブレーキにも対応は するようです。
私は実際に これでロード用の後輪を組んで使っていましたが、
リヤブレーキをかけないので ブレーキ痕は付いていません。

お客さんのほうのピスタに話を戻します。
画像を撮り忘れましたが、ハブのオーバーホールはしました。
私がカップ&コーンのベアリングに差すグリスは
状況を勘案して3種類ありますが、
これは そのうちのひとつの赤いグリスです。
上の画像でも ほんのり赤いのが見えています。
このグリス、別に問題は無いものの
現行のカンパニョーロのワンに はまっている
白い防水シールをピンク色に染めるので
それには あまり使いません。
今回はハブの構成要素がすべて金属なので これにしました。


文句のつけようもないほど 超絶に横振れが取れているのに
(スポークテンションによる 左右方向の蛇行が皆無なので
余計に そう感じるのかも)、
センターずれがありました。


センターずれを直しました。

ハブ胴のグリスホールをふさいでいる
Cリング状のフタに、CAMPAGNOLOなどの表記がありません。
ハブシャフトにも左右の区別が無く ラジアル組みの前輪なので
このホイールには左右の根拠が無いように見えますが・・・
ひとつだけあります。


↑ホイールの左右で バルブ穴直下のステッカーの
「メーカー名」と「モデル名」が逆転しているので、
もし 後輪(ピスタの後輪は片ねじ切りハブなので左右は明白)を
お持ちであれば それに合わせてタイヤを張ってください。
category: のむラボ日記
CLX50チューブレスの後輪を組み直しました 
2020/10/23 Fri. 22:47 [edit]

お客さんから ロ―ヴァルのCLX50の後輪をお預かりしました。
カーボンチューブレスリムです。
そう思わない人もいるのを承知で はっきり書いておきますが、
ローヴァルの後輪は私にとってはヌルいクソホイールです。
フルクラムの2:1組みのパクリ元であるにもかかわらず
現状のモデルの スポークの番手の選定や 角度の設計が
フルクラムほどに賢くなく、それは実際に性能にも現れています。
スピード40やボーラ50の後輪がシュータッチするという話を
聞くことは まず無いですが、ロ―ヴァルでは しょっちゅう聞きます
(シューとリムの間隔が同じで 乗り手とフレームセットも同じ、
という条件で ローヴァルがシュータッチしないのに
ボーラがシュータッチする というのはありえません。逆はあります)。
乗り心地がいいので スペシャライズドの硬いフレームには
ちょうど合う、といった擁護も 聞き飽きるほどに聞きました。
そう思う人の意見は とくに否定しませんが、
実際に「何とかしてほしい」と言われて ここに現物があるのも事実です。
で、これを組み直す前に。

↑これは記事用に撮っておいた画像で、旧型のCLXです。

フリー側の最終交差が8ヵ所で2:1組みなので 16:8Hの24Hで、

内蔵ニップル仕様です。
この年代のローヴァルには リム穴に穴振りがあり、

右と左に振っているというよりは
右側はリム中央、左側のみ左に振っているという感じです。

↑画像左側から 右右左

↑画像左側から 右左右
24Hの後輪であれば ハブを汎用品にして
左右12Hの同数組みにしたいところですが、内蔵ニップル仕様には
汎用ニップルのリムとの接触面が 球体関節的に動くことで
スポークの角度を吸収する機能がないので
上の画像の左スポーク用の穴から
フリー側のフランジにスポークを伸ばすのは かなりキツイ、
そうでなくとも 右右左の反復リム穴に対して
右左右左の反復でスポークを通したくない、ということで
この手の組み直しは 今までに引き受けませんでした。
が、汎用ニップル(厳密には違いますが それは後述)で組まれている
現行のローヴァルは リム穴に穴振りがありません。
なので 普通のリム扱いできるかと思いきや・・・

リムブレーキモデルの後輪は 21Hなので
2:1組みを変更することが できません。これは困った。
お客さんには、結線も含めた 不可逆な仕様変更の許可をいただいています。
スポークは左右とも DT黒エアロライトストレートで、左右同径です。
反フリー側のみCXスプリントにして 左右異数組み+左右逆異径組みとし
フリー側のみ結線、とするか
それとも フリー側もCXスプリントにするか、ずいぶん考えました。


元の状態は、リムが うっすらフリー側にずれていました。
経年使用に因るものだと思われます。

リムは汎用ニップルで組めるリム穴でしたが、
ニップルは外周側から回せるもので 首下も強そうだったので
最後に組んだときに ニップルは使い回しています。
この後輪の相方の前輪の点検もしていますが、
チューブレステープを剥がしてまで
外周側を回すことにこだわる必要が無かったので
内周側の3.2mm対辺の四角をつかんで調整しました。

組めました。

反フリー側を黒CXスプリントにして フリー側を結線しました。
これが最適解かどうかは不明ですが、
元の状態より はるかにマシだという自信はあります。
最初から これに至るつもりであれば
フリー側のスポークまで バラす必要はありませんが、
そうもいかなかったので 全バラしをしています。
つまり、リム単体の状態が存在したわけで、
そのときにもちろん リム重量は量りました。
絶対重量としては それほど軽くないリムですが、
リム高から評価した相対重量では なかなか軽い部類で
ハイト/ウェイトレシオが優秀でした。
「これより軽いリムは 他にも たくさんあるが、
これと同じくらいのリム高で(しかもワイドリム・チューブレスリムで)
これより軽いリムは なかなか無い」ということです。
ここまで書いておいてなんですが、
実際の重量を教えるつもりはありません。
↑うわこいつかんじわるい

オ待タセシマシタ!

コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!
↑やーめーろー!
category: のむラボ日記
のむラボホイール3号の後輪を組みました 
2020/10/22 Thu. 23:58 [edit]

のむラボホイール3号の後輪を組みました。
前輪ともどもステッカーを剥がしていないのは
糊残りが ひどくないので 後からでも剥がせるからです。

エボライトハブ 20Hが廃版、当店在庫も尽きたので
24H 黒半チャンピヨンロク組みです。
結線は あとでやります。
category: のむラボホイール
XRC1200の後輪を組み直しました 
2020/10/20 Tue. 23:06 [edit]

お客さんから DTの完組みホイール、
XRC1200の29インチモデルをお預かりしました。

オフセット無しのカーボンチューブレスレディリムです。

ハブはDT 240Sのストレートスポーク仕様で、

28H 全黒エアロコンプストレート左右3クロス組みです。
このホイールのオーナーもそうですが、
私が組んだホイールを持っている お客さんのうち
汎用ホイールに近い仕様の完組みホイールの組み直しを
「吊るしの状態で使ってもいないのに」お願いされる方が多いです。
まあ、別にいいんですけど。
フリー側のスポーク比重を大きくするのと
反フリー側の結線を ご希望です。
DTのエアロコンプは スポーク比重と形状からの同等品が
サピムではCXスプリントとなるので、
反フリー側のスポークを CX-RAYにして
左右異径組みの差を大きくすることも可能ですが、
フリー側は14番プレーンにするので 半チャンピ相当は効きすぎになると思い
反フリー側はそのままで組み直します。
単に フリー側のスポーク交換だけであれば
ホイールをバラす必要はありませんが、リム重量を知りたいという
お客さんの希望により バラすことになりました。
一旦バラしてから組むと 今日もホイー(以下略)。の条件を満たしますので。

リムの片側のみ バルブ穴の位相の横に穴がありました。
これは同社のアルミリムには無いことから、水抜き穴ではなく
チューブレスタイヤの空気が 一気にリム内に流入して
内側から だいばくはつするのを防ぐためのものだと思われます。

ニップルの内周側の つかみしろが短いので
これはスクオルクスニップルです。

なので「「ニップルの外周側の端面が リムテープにギリギリで
空気圧で凹んだときに接触する問題」が起きないか 気になったのですが、

わりと距離が離れていたので その点は問題なさそうです。
距離が離れているのは、リムの寸法もありますが

専用ワッシャー無しで組んであるのも理由です。

リム穴の厚みは ビビり気味に かなり厚めになっていました。

MTBのホイールなので、シマノ用のフリーボディは
ロードでいうところの10S用が付いていますが

お客さんは ロードの11Sスプロケットを付けるので
フリーボディを シマノ11S用に交換しました。
クイックのハブの場合は 右側のポン当てエンドの長さが違うので
オーバーロックナット寸法とホイールセンターが変わりますが、
142mm幅スルーアクスルの場合は変わりません。

組めました。

28H 黒リーダー/黒エアロコンプ結線ありです。

つづいて前輪。

こちらもDT 240Sストレートスポーク用ハブの28Hですが、

↑右側/反ローター台座側 黒エアロライト

↑左側/ローター台座側 黒エアロコンプ
後輪と違い左右異径組みです。
こちらは 点検後に右側の結線を ご希望です。


スクオルクスニップルの内周側を つかんで
回したくは無いのですが、
センタードンピシャで 微細な振れ取りだけで済みそうなので
内周側をつかんで調整することにしました。
外周側をつかんで回す場合は
DTのチューブレステープを剥がさないといけなくなるので
それを避けたかった次第です。

DTのテープは、端の部分が フワ~ッとめくれてきて
ここにシーラントが入り込むことが多いので
あまり好きではありません。
あと、熱で溶けないので ハンダごてでバルブ穴をあけることもできません。

指で グジグジと押さえました。
また めくれてくるかもしれません。
その場合は 接着剤で留めてみます。

一旦バラした リヤリムですが、
お客さんの希望なので重量を量りました。
スタンズのCB7リムなどは カーボンリムでないと
実現不可能な重量に仕上がっていますが
(反面 厚みが薄く 強度に関してはヤバそう)、
「カーボンリムだから必ず軽い」というわけでは ありません。
のむラボホイール5号のリムより軽い リムブレーキ用WOリムが
カーボンリムまで含めても 極めてまれなのと同じです。
ともかく、今回は素直に重量を晒したので 蟹光線の出番はありません。

オ待タセシテイナイカモ知レマセンガ
コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!

同社ノ あるみ最軽量りむ、XR331ノ方ガ軽カッタデスネ!
モチロン 29いんちりむ同士デノ比較デス!
↑やーめーろー!煽るなー!
category: のむラボ日記
アラヤのエアロリムについて 
2020/10/20 Tue. 10:29 [edit]

店内の私物だけで これだけありました。

上から エアロ2とエアロ1、

ADX1-SとADX-5です。

↑旧エアロ1などに必要なワッシャーというのは
これですが、少し前までは入手困難であったところ
現在では なぜか メーカーから取り寄せができるようになっています。

まあ私は しばらくは困りませんが。

30個で8.7gです。
旧エアロ1とADX1-Sの重量差は これ以上にあるので
どのみち 旧エアロ1のほうが軽いです。

↑要ワッシャーの旧エアロ1

↑ADX1-S
リム穴の厚みが全然違います。
category: のむラボ日記
CX-RAYの不良をはねましたた 
2020/10/19 Mon. 22:46 [edit]
不良が2本あったので はねました。

↑こいつら

1本目。
バテッドの扁平方向と首折れの角度がおかしいです。

扁平方向が最も薄くなる向きから見ると、
90°横向きから 少しずれたくらいの角度です。

2本目。
不良の理由は同じです。

こちらは90°横向きから ほんのわずか ずれており、
ずれている向きは1本目と逆側です。

扁平部分で並べて 横から見ると・・・

↑こんな感じ

3本目に正常なスポークを入れると・・・

↑こんな感じ
当初 手に取った36本中2本が
これだというのも かなりの高確率です。
category: のむラボ日記
ADX1-Sリムで組まれた後輪を組み直しました 
2020/10/19 Mon. 22:40 [edit]

お客さんから ADX1-Sリムで組まれたピストの後輪をお預かりしました。

リムには ADX-1とありますが、
これは後期型のADX-1Sというモデルです。
従来のローハイトパイプリムに対して
三角断面形状のエアロリム(当時としては これでも十分エアロ形状)の
モデルとしてエアロ1、エアロ2、エアロ4があります。
カタログ上のモデル名はそれぞれ「ADX-〇」ですが
リムのラベルでは一貫して「AERO 〇」となっています。
これにつづく台形断面形状のエアロリムは
リムのラベルがAERO 5・・・ではなく ADX-5となっています。
通称としてエアロ5と呼んでも 知っている人には通じますが。
上の画像の白文字ラベルのADX-1Sリムは、
エアロ1・2・4に必要だったカマボコ型ワッシャーが不要となっています。
旧エアロ1よりは張れるリムですが、
それでも最近のリムのようにキンキンに張ることはできません。
カマボコ型ワッシャーは 28個や32個で数グラムといった程度なので、
大した重量増ではありません。
ADX-1Sと ワッシャー入り旧エアロ1では、
ワッシャー入りでも後者のほうが軽いです。

HB-7600 36Hロクロク組みですが、

両ねじ切りのハブなのに イタリアン組みをしています。

右側のフランジに 塗料のようなものが
付いていたので 拭き取りました。
右側というのはイタリアン組みの みなし右側というわけではなく
(たまたま そうなってもいますが)、

ハブ胴の中央にあるNJSの刻印を左右の根拠とした場合でも
先ほどの側が右側だったからです。

スポークの番手は15-16番の丸バテッドで、
スポークヘッドの刻印が☆マークなので
磁石に対してまるで無反応な「ステンレス」のはずですが、

磁石が うっすら くっつきます。
私が言うところの「偽ステンレス」です。
偽スターブライトの場合は 磁性から考えて
引張強度がスターブライトより低いはずなので
クソスターブライトとも呼んでいますが、
偽ステンレスは ステンレスより強いことから
クソステンレスとは呼びません。
私の勝手なルールですが。

組んでから時間が経っている、スポークが15番ベースで細い、
というのも あるでしょうが

スポークテンションはヌルいです。
これを今より張ったうえで結線してほしい、
というのが お客さんの希望ですが
両ねじ切りハブをイタリアン組みしていることもあり
スポークを換えて 組み直すことになりました。
結果からいうと増し締めは たぶんできなかったですが。


↑スポーク長さが 長すぎです。

いつものように バルブ隣の最終交差2本左右1ペアの
4本だけを 一切ゆるめずにバラして

ニップルをリムから出しました。

↑こんな感じ


時系列が戻りますが、センターずれもありました。
スポーク長さの事情から、増し締め方向で
これのセンター出しができたかどうかも怪しいです。


↑この2枚の画像は、
チューベラーテープを剥がした同じ箇所のものです。
リムに残った側と タイヤに残った側のテープの形が
反転しているのが分かると思います。
コンチネンタルのジロ以外の ドイツ内製タイヤの黒コットンのフンドシは、
チューベラーテープの食いつきが強く
剥がしたときに ほとんどタイヤ側にテープが残ります。
今回は、リムに残ったりタイヤに残ったりといったところですが
リム側に残ったテープは 指でグジグジ擦れば割と簡単に除去できます。

ヴィットリアやヴェロフレックスのチューブラータイヤは
フンドシ(とタイヤサイド)に ワックスのような層があり
それがあるうちは ワックスが剥がれつつ
テープを比較的簡単に除去できます。
上の画像でも 指でグジグジして丸めていますが、
タイヤの中央、縫い目の付近はワックスが剥がれて
コットンの地の色が出ています。
フンドシの全面に 地が出た場合は、
テープの食いつきが良くなり 剥がすのが困難になります。

ハブのオーバーホールを お願いされていたのでやりました。
バラした鋼球の元々の左右が混ざらないようにする必要がありますが
上の画像では ハブシャフトを その壁にしています。
ラージフランジで カップ&コーンのピストハブというのは
ハブ単体でも ホイールを回すように シャーッっと回せるものですが、
このハブは ハブシャフトが手で回らないほど玉当たりが固く、
自然に締まることはないので 玉当たり調整を締め過ぎていました。
こういう状態で使い続けると 虫食いがすぐに出ますが、


幸いにして異常は ありませんでした。
上の画像は左右の玉押しですが、ワンと鋼球も調べています。

びふぉー

あふたー
いい機会なので ハブ体も洗いました。

組めました。

HB-7600 36H CX-RAYハチハチJIS組みです。
結線は あとでやります。
ハブ胴のNJSの刻印が真上のときに
正向きで読める向かって右側が右側、
リムのADX-1のラベルが正向きで読める側が右側、
1つしかないロックリングが いま付いている側が右側です。
category: のむラボ日記
6^1+6^2+6^3 
2020/10/18 Sun. 23:33 [edit]

昨日の続きです。
メカニコの25mm高リムの後輪を組み直します。

リーフハブの兄弟ハブ 20H 全黒CX-RAYヨンゼロ組みです。
考える限り ほぼ最悪のスポーク本数と番手です。
ここのホイールは センターずれ無し(今回もドンピシャ)で
振れも ちゃんと取れていることが大半ですが、
テンションをキンキンに張る傾向があります。
今回のリムは 限界テンションの表記がリム側に無いので分かりませんが
ヤバいところまで張ってありました。私でも ここまでは張りません。
逆に言うと 20Hで反フリー側ラジアル組みの後輪は
これくらい張らないと ヨレて使い物にはなりません。
それを おそらく知っているのと(←じゃあ何でこんな本数と組み方にするねん)
張るだけの技術があるのは すごいとは思います。
ちなみに、元のテンションはリムを選びます。
のむラボホイール5号の20Hリムで ここまで張ることはできません。

フリーボディにセラミックと表記がありますが、
ベアリングの回転がゴリゴリなので 交換をご希望です。
結論から言うと ハブ体2つとフリーボディ2つの計4つのベアリングは
当初のセラミックベアリングがダメになったのを換えたようで、
4つとも鉄球ベアリングでした。
その鉄球ベアリングが 4つとも再びダメになっています。
上の画像は、材質を調べるのに シールをめくったところです。
フリーボディのカジりや リムのブレーキ痕からして
大して使っていないはずなのに ベアリングが傷んでいることと、
ベアリングは均等に傷むことは あまりなく
ダメ具合の差異があることが ほとんどなのに
今回のハブは4つとも同じようにダメになっていることから、
新たに打ち直した鉄球ベアリングが ことごとく傷んでいたのは
内輪を押す形で叩き入れたためだと思われます。

ベアリングを新品に交換してホイールを組み直しました。

20H 黒半チャンピヨンヨン組みです。
結線は あとでやります。
昨日の記事の表題ですが、
これについて「リム重量?」というコメントが1件ありました。
正解です。なかなかやるやんけ。
お客さんからも バラしたときに
量っておいてほしいと言われていました。

フロントリム 2^8=256

リヤリム 6^1+6^2+6^3=258
です。
category: のむラボ日記
2の8乗あるいは√65536 
2020/10/17 Sat. 23:18 [edit]

お客さんから メカニコの25mm高
カーボンチューブラーリムの前輪をお預かりしました。


16H 黒CX-RAY首下ワッシャー入り反ヌポークラジアル組みです。
ハブのエンドのパーツを片方 失くしているので
ハブを換えての組み直しを ご希望です。

組めました。

Tniウィングハブ 16H 黒CXスプリント反ヌポークラジアル組みです。
強い希望ではないものの お客さんの希望はスポークの使い回しでしたが、
CX-RAYで16Hの前輪を組むのは避けたいところで、
しかも現状ではCXスプリントという選択肢があるのに
CX-RAYを使う理由がありません。
ハブはエボハブにするつもりでした。
エボハブは廃版、エボライトハブも16Hと18Hは廃版ですが
18Hは どちらも当店に在庫があります。
どちらも問屋さんから最後の1個を買ったのは当店です。
K A I S H I M E ☆
お客さんから聞いた話では当初 このホイールを18Hだと思っていたので
エボハブにするつもりでしたが、
16Hだったので ウィングハブにしました。
category: のむラボ日記
コメントのお返事 
2020/10/17 Sat. 10:21 [edit]
「マヴィック初のカーボンブレーキゾーンのホイールは
コメットのロード用では?」というコメントをいただきました。
ブレーキゾーンとして設計されているかどうかはともかく、
ブレーキゾーンに相当する部分までが カーボン製ということになると
確かに1985年初出のコメットが最初です。

自撮り画像が用意できなかったので ネットから見つけてきました。
マヴィックの1985年モデルです。
カーボンディスクがコメット、アルミディスクがチャレンジャーというモデルです。
この時点では、カーボン用のブレーキシューというのは無かったはずです。
1988年にコリマが創業しますが、昔のコリマのコルクシューは
プラスチックの舟+黄色いコルクシューというものでした。
この時代のコメットですが、12ヵ所の穴に重りを埋め込んで
慣性を調整する派生モデルとして コメット+-(プラスマイナス)というのもありました。
興味のある方は「mavic vintage comete」で 画像検索してみてください。
ちなみに 上の画像の前輪は
CXP25という アルミブレーキゾーンのカーボンリムです。
このあとに 3Gというモデル名の3本バトンホイールが出ますが、
この時点では 相方の前輪はCXP25を想定していたようです。

これもネットの拾い画像ですが(大嘘)、
CXP25の新品を持っている人がいるんですね(すっとぼけ)。

↑明確にブレーキゾーンを設定されたフルカーボンリムとしては
このコスミックカーボンプロが初出です。
上の画像のカタログは2007年ですが、
このホイール自体は2006年が初出です。

同じページに載っている・・・

コメットロードは、アルミブレーキゾーンです。
これは1996年か1997年が初出で、
フリーボディの対応ギヤ枚数が増えた以外に
10年以上 仕様変更がありませんでした。
手組みのスポークドホイールではない
専用設計のホイールという 広い意味での完組みホイールとしては
複数のメーカーでのディスクホイールが最初ですが、
ロードレース用のスポークドホイールで
それなりの数を世に出した完組みホイールは
1996年のマヴィックのヘリウムが最初です
(それなりの数で無くてもいいなら
ボスフリーの時代からローヴァルなどもありますし、
初代シャマルも ヘリウムより前です)。
そして、ヘリウム以後のホイールで ブレーキゾーンがアルミでなくなったのは
2006年のコスミックカーボンプロが最初となります。
カンパニョーロのギブリは、引っ張ったケブラーのシートを
アルミで はさんで留めている構造の都合上
外周部がアルミであることは避けられませんが、
初代ボーラがコリマ製のフルカーボンリムであったのに
その次とその次の世代までが アルミブレーキゾーン式にしてあることからも、
ある時期までのカーボンリムは ブレーキ性能に問題を抱えており
リム側とシュー側ともに問題を「一応 解決した」とするのは
かなり後の話になります。
おまけ


私物ではないですが アルミブレーキゾーンのボーラです。
先ほど書いた年代で言うと 初代の次の次になりますが、
リムの仕様としては2代目で フロント14H・リヤ16H仕様です。
ハブは現行の方式と同じ ワン圧入式のカップ&コーンなので
これより はるかに後の年代のパーツである
CULTベアリングに交換することも可能です。
初代の次、紫ラベルのボーラ12HPW(前後輪とも12H)のほうが
初代より出回っている数が少ない気がします。


どちらの年代も シャマルであれば持ってるんですが・・・。
category: のむラボ日記
コスミック プロ カーボン SL USTさん 
2020/10/16 Fri. 09:36 [edit]


新品です。
箱ごとでの お持ち込みなので
海外通販だと思っていましたが、その通りでした。
点検の内容については とくに書くことはありません。
カンパニョーロのゾンダやユーラスやシャマルウルトラなどの
カップ&コーンの鉄球またはUSBベアリングですが、
当初 ワンと玉押しが黒色であったところ
品番の変更なき(告知もなき)仕様変更によって 銀色になりました。
メーカーは認めていませんが、銀ボールレースのほうが耐久性が高く
とくにセラミック球が走るUSBの場合に
虫食いの起こる頻度が はるかに低くなっています。
しれっと マイナーチェンジしつつ
スペアパーツの品番も変えない(黒いほうを選んで買えなくなる)ことで
自然と銀ボールレースに切り替えるという策でしょうが、
出回っている新品のホイールが 完全に銀ボールレースに切り替わってからも
スペアパーツは黒のほうが届くという時期が2年ほどありました。
それとは別に、まれにですが 過渡期に
ひとつの箱から出した1ペアの前後輪で
ボールレースの色が違うということがありました。
点検のときにボールレースの色を確かめることまでは 普通しないので
気付くのは買ってから ずっと後、
グリスアップのときなどになることが多かったです。
2006年にマヴィックから初代コスミックカーボンプロが出ましたが、
これはブレーキゾーンがアルミではない マヴィック初のホイールです
(トラック用のイオの前輪は ブレーキをかけることを
前提としていないので除外)。
そのあとの2008年に初代コスミックカーボンアルチメイトが出ましたが、
これには スイスストップのイエローシューが付属していました。
(ブラックプリンスが出る前のカーボン用イエローシューは
イエローキングという名前では無かった気がします)。
当時は、イエローシュー以外だと リムにはやさしいものの
制動力に乏しい(とくに雨の日に全然利かない)
コルク系のシューしか無かったので
リムへの攻撃性が高いのを承知で、あるいは そんなことを知らずに
イエローシューを使うしかなかったわけですが
スイスストップから ブラックプリンスが出て以降は
基本的に イエローキングは「使わないほうがいいシュー」となりました。
・・・という事情を全く把握していないマヴィックとイーストンは、
ホイールにイエローキングを いつまでもしつこく付属させ続けています。
しかも、どちらのブランドのカーボンリムも
どちらかといえば ブレーキ熱に対して弱い部類です
(マヴィックに関しては コリマ製は多少強いですがENVE製は非常に弱い)。
そのため、私が口頭で注意喚起できる範囲では
マヴィックとイーストンのホイールには メーカーの公式付属品であっても
イエローキングを使わないように お客さんに伝えてはいました。
しかし最近、本当に ごく最近ですがマヴィックのホイールには
ブラックプリンスが付属するようになっています。

今回のホイールも・・・あれ?

なんで ひとつの箱から出した前後輪に付属している
ブレーキシューが仕様違いになってんねん。

↑マヴィックと byスイスストップでダブルネーム

↑黒シューに黒文字で 見えにくいですがダブルネーム
スイスストップのブレーキシューは
ホイール/パーツブランドがダブルネームにしてまで採用している例が多く、
これ以外だとFF山口やSRAMなどもあります。

↑これはKCNCのブレーキに付いていたものですが、
アルミリム雨天向け用モデル「BXP」のKCNCダブルネーム仕様です。

↑画像下は 少し前のイエローキングで、
ダイレクトマウントブレーキ非対応の(切り欠きが無い)頃のものです。

↑画像上がフォーリアーズ、下がイーストンです。
フォーリアーズについては(→こちら)もどうぞ。

↑これは初代コスミックカーボンアルチメイトに付属していたシューで、
上側に マヴィックの表記があり

下側に byスイスストップの表記があります。
しかも旧ロゴです。
あと関係ないですが、かつて私は お客さんの面子を潰さないために
「スイススットプ」のパッケージを作ったことがあります(→こちら)。
category: のむラボ日記
レーシングゼロさん 
2020/10/16 Fri. 07:12 [edit]


スポークが1本曲がっていたので


直しました。

↑交換したスポーク
この記事のバリューは「何を巻き込んだか」ですが、
それは「缶ビールの入ったビニール袋」です。
私自身 同じようなことをやるので
そんなことすんなと強くは言えませんが、
そーゆ―ことをするときは 前輪に巻き込まないように気を付けましょう。
category: のむラボ日記
ユーラスさん 
2020/10/16 Fri. 07:07 [edit]

点検に関しては とくに書くことはありません。
これに対応するフルクラムのホイールは レーシング1ですが、
かなり前に廃版になりました。
それ以降 ゼロの次が3という おかしな状況です。

↑ユーラスも 2019年まではカタログに掲載がありましたが、
シャマルウルトラやシャマルミレが ワイドリム(C19)化しても
おそらくはあえて ナローリム(C17)のままスペックを変更せず、
レーシング1のように廃版にもせず ラインナップに残していました。
私はニュートロンウルトラの問屋さん在庫の
最後の1本を 私物として買いましたが、
あれは カタログに載っている年を半年以上残した状態で
在庫限りとなっており、実際 私が買ったあとに
再入荷することはありませんでした。
冒頭のユーラスの画像、新しい青いホイールバッグが付属していますが
私が これを初めて見たのはボーラWTOの付属品としてです。
そして その時点で すでに、ユーラスは
カタログの年度上では廃版ではないものの
日本の問屋さん在庫は半年以上前に終了していました。
なにが言いたいのかというと、時期からして
ユーラスに青いホイールバッグが付属することは無いのです。
日本の問屋さん経由のものであれば。
日本の問屋さんのユーラス在庫が
とっくに終了で 再入荷も無しとなって以降 1年以上経ってからも、
なぜか複数の海外通販のサイトで
「最後のナローリム!」という感じで ユーラスの在庫が湧いてきています。
無くなり次第終了、かと思えば 少し経つと また復活したりします。
このことと、青いホイールバッグが付属していることから
おそらくカンパニョーロでは海外通販サイト向け限定で
少し前から フルクラムでは レーシング3、
普通のレーシングゼロとコンペティツィオーネとナイト、
くらいまでの価格帯のホイールには ホイールバッグが付属しなくなっています。
バッグが付いてくるのは レーシングゼロカーボンやスピードなどです。
現行のシャマルウルトラは正式な品番ではWH17-SHCで、
これは「ホイール2017年~ シャマルクリンチャー」という意味となります。
これがシャマルウルトラDB 2WAY-FITだと
WH19-SH2Dとなり
「ホイール2019年~ シャマル2WAYディスク」を意味します。
これが最終型のユーラスだと
WH12-EUC(シマノの白アルミフリーの後輪のみWH13-EUC)となり
2012年からの継続モデルというのが分かります。
つまり、2012年や2013年頃はユーラスくらいの価格帯のホイールにも
ホイールバッグを付属させていたわけですが、
2019年や2020年でも その点を仕様変更するわけにもいかず
かといって 黒い旧ホイールバッグのメーカー在庫も尽きたというわけで、
まず ありえないはずの「ユーラス+青いホイールバッグ」という
ごく最近 組まれたものだと断定できる組み合わせが発生しているわけです。
青いホイールバッグだと 中のホイールのハブ胴に
白い検査票が ぶら下がっているはずですが、
ユーラスに その検査票という組み合わせも
日本の問屋さん経由のものでは まずありえません。
話は変わりますが、シマノ11Sのみ
白アルマイトのアルミフリーボディになったのは2013年なので、
ニュートロンウルトラの最終型は
カンパニョーロだと前後輪とも WH7-NECで、
シマノ11Sの後輪のみWH13-NECとなります。

これは別件で、コンポの組み付けでお預かりした
新品のユーラスですが、出どころは やはり海外通販で
お客さんに訊いたところ 付属のホイールバッグは青でした。
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プライムの後輪を組み直しました 
2020/10/15 Thu. 22:23 [edit]

お客さんから プライムの50mm高チューブレスレディ
カーボンリムの後輪を お預かりしました。

ノヴァテック製ストレートスポークハブ 24H
エアロコンプ/エアロライト左右2クロス組みです。
ハブベアリングを お客さんのほうで交換したところ、
クイックを締めつけてフレームに固定すると
全く回らないので見てほしい、ということで お預かりしました。
が、お手紙には「ホイールを組み換えてくれ」とあります。
当初の話と違うじゃないか。
ハブベアリングですが、ハブシャフトを手で回すと
かなりゴリゴリしていました。
ハブ体左右とフリーボディ左右の計4つのベアリングが
ハブシャフトに接している状態で 手で回したわけですが、
この場合 4つのうち どれか1つがダメであっても
4つ全てがダメであっても 実際に個別に調べない限りは分かりません。
少なくとも1つはダメ、というのが確かなだけです。
が、感触としては4つ全てダメな気がします。
お客さんに訊いたところ、衝撃加重で
ベアリングを叩いて入れたとのことです。
そうだと思ってました。
DTのハブベアリングなどは、専用の工具が
ベアリングの外輪ちょうどのサイズのスライドハンマーで
ハブシャフトに沿って まっすぐ叩くので
ベアリングを叩き入れても傷みませんが、
そうでない場合は 叩き入れると 最初からゴリゴリになります。
吊るしのハブをベアリング交換したうえで
より良く組み直してもいいのですが、
それをするくらいなら元のハブは直さず使わず そのままにして
エボライトハブで組んだほうが さらにより良い結果を得られるので
それを お客さんに提案して了承を得ました。


なんか センター狂ってるぞい。
センターずれよりも、ハブベアリングの圧入が足りないか
左エンドのパーツの入れ忘れなどで
オーバーロックナット寸法が おかしくなっているほうを疑いましたが、
とくにそんなことはなく 寸法も130.5mmほどだったので
単に ずれていただけでした。振れ取りごっこなどの履歴は知りません。
振れは ほぼありませんでした。

組めました。

エボライトハブ 24H 黒半コンペヨンロク組みです。
結線は あとでやります。


センター出てます念のため。

通常は やりませんが、フリーボディに互換性があったので
元のハブから 移しました。
フリーボディ代は ハブの値段から引きます。
フリーボディのベアリングが 2つともダメでしたが、
それを交換してでも 元のフリーボディを使い回すほうが安くなるのと、
元のフリーボディは 噛み込み過ぎ防止の鉄板と
軽量化の肉抜きがスプラインにあるので
使い回すほうが良かろうという判断です。


↑というわけで 元のハブは こうなりました。

フリーボディの爪ですが、画像下側の爪が ほぼ寝っぱなしで
残り3つも起き上がりが弱いです。
このフリーボディのポールスプリングは
1周にちょっと足りないC型のもので、
洗濯ばさみのバネのような形をしています。
Cの欠けている部分が 爪の直下に来ると
爪が仕事をしなくなりますが、それを避けるために
欠けている位相と合わせるために ストッパーのピンが打ってあり
バネが動いたとしても問題が無い範囲で収まるようになっています。

それが、ハブから抜いた状態では
バネがストッパーを乗り越えていました。

で、欠けている位相が
寝っぱなしの爪の位相と一致していました。

それでもって 欠けている位相と
ストッパーのピンを合わせると・・・

爪が4つとも元気に起きました。

先ほども 書きましたがベアリングを交換しています。
フリーボディは ハブから外せば ダメかどうかの判別が可能ですが、
ハブ体はハブシャフトが付いたままなので
要交換なほどに傷んでいるのが 左右どちらかか、
または どちらもなのか確実に判別はできません。
たぶん 左右どちらもだと思います。
使わないので調べてませんが。

フリーボディベアリングの内輪の間に入っているスペーサーも
なにやら叩いた痕がありました。
ハブシャフトの回転に対してカジるようなカエリがあったので
問題ないところまで 面取り程度に削っています。
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パセンティのブルべリムで後輪を組みました 
2020/10/13 Tue. 23:05 [edit]

昨日の続きです。パセンティのブルベリムで後輪を組みました。

地球マークのレコードのラージフランジピストハブ
32H 全コンペヨンロクイタリアン組みです。
結線は たぶんやりません。
片ねじ切りハブなので JIS組みには しませんでした。


片ねじ切りのリヤハブなので、オチョコがあります。
現状のシマノのカタログでは、オチョコがあるハブについて
左右それぞれのフランジの寸法を そのまま書くのではなく
フランジの全幅と「オフセット」という数値を載せています。
仮に 全幅57mmで ハブ中央から右側19mm/左側38mm
(最近のハブで よくある寸法)とすると
「フランジ幅57mm オフセット10.5mm」となります。
この場合からの計算法は
57の半分の28.5に 10.5をプラスマイナスして
28.5+10.5=38(左フランジ幅)
28.5-10.5=19(右フランジ幅)
となります。
答えそのものを そのまま載せろや、と言いたいところですが
オチョコ量を数値化しているので 左右異径異本組みなどをするときに
参考になる場合があります。
現行のシマノのハブのオフセット量ですが、
リムブレーキ用のハブで最上位グレードの
105のFH-R7000で9.15mmです。
デュラエーストラックのスモールフランジハブ
HB-7710の片ねじ切りリヤハブで2.75mm、
デュラエーストラックのラージフランジハブ
HB-7600の片ねじ切りリヤハブで5.25mm、
ロードディスクブレーキのフロントハブだと
HB-RS770とHB-R7070が どちらも6mmです。
で、今回のレコードのリヤハブはというと
実測で6.3mmでした。
「フランジ幅の全幅に対する割合」が異なるので
オフセットの数値が同じだと 発生する左右スポークテンションの差も同じ、
というわけではないですが、先ほども書いたように
左右異径異本組みをする際の参考にはなります。
簡単に言うと 今回のハブは
ディスクブレーキのフロントハブ並みのオチョコがあるわけで、
そのため通常は(小オチョコありでも)左右異径異本組みを盛り込まない
ピストの後輪ながら 左右異本組みのみ採用しました。
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パセンティのブルべリムで前輪を組みました 
2020/10/12 Mon. 22:54 [edit]

パセンティのブルべリムで前輪を組みました。

BREVET(ブレヴェ)は「特許」という意味のフランス語なので
通常こういう表記がある場合は このリムのどこかに
特許を取っている要素があるということになりますが、
これは そうではなく BREVETの もうひとつの意味の
「認定」に由来する競技形態を意識したリムであることを表しています。
それは一般に ブレヴェではなくブルべと呼ばれていますが。
以前に このリムでホイールを組んだときに 同じことを書いています(→こちら)。

ハブは地球マークのレコードのラージフランジ32Hで、

コンペロクロクイタリアン組みです。

今回のリムですが、ハトメとニップルの間の摺動抵抗が やたらと大きく
ホイールが少し組みにくかったです。
以前のも そうだったのかは憶えていません(記事中での言及はない)。
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グリコのスポーツキャラメルが入荷しました 
2020/10/11 Sun. 06:17 [edit]

1袋に約18粒入りで、問屋さんからは1箱7袋入りの
上の画像の状態が仕入れ単位となります。
約18粒と書いたのは 重量(標準74g)で管理しているためですが、
イメージとしては「容器に一粒ずつ落としていって
74gを超えると底が抜けて袋詰めにされる機械」があったとして
そこに たまたま個体差上 軽いものが集まり19粒になったり
重いものが集まり17粒で底が抜けたりということは
この個数では ほぼ起き得ないかと思います。
あるいは、18粒の時点でギリギリ74g未満となり 底が抜けず
プラス1個で19粒、というのは ありえるでしょうか。
同じタイヤチューブを100本仕入れて 全数 厳密に重量を量り、
とくに軽い個体を19本抜き出したものと
とくに重い個体を18本抜き出したものでは、
前者のほうが数が1本多いものの むしろ軽いというのは
(→こちら)から考えると 十分ありえる話です。

グリコでは、かつて 箱にある伝票上の商品名が
カタカナ3文字に無理やり圧縮された略称で書かれていましたが
最近は とくにそうでもないようです
(この場合であれば「スポキ」のようになったはずです)。
例として CCDドリンクの場合は、シーシーディーを縮めて「シシテ」でした。
屍を拾ってくれるものが無さそうな名前です。
価格はオープン価格ですが、計算上の希望小売価格は
1箱で税別1960円になるはずです。7で割れる数で良かった。
1袋で税別280円、税込302.4円(8%)ですが
知り合いのショップでは これを税込302円で売っており、
金額を300円に丸めない手堅さに感心させられます
(いや、おちょくってるんじゃなくて 本当に感心しています)。
楽○市場などでは1袋76gという誤記とともに
税込2480円で売っているところもありますが、
オープン価格なので「定価以上の値付け」には当たりません。
2箱仕入れて実際に試食などしましたが、
中身は いわゆる「グリコのおまけ」のグリコキャラメルと変わらない
味と形のように思われます。
しかしそれでは「スポーツキャラメル」として売っている意味がないはずなので

調べるために グリコキャラメルのほうも買ってみました。
スポーツキャラメルのほうは 現行のサプリメント系の商品と同じ
赤い逆三角形のデザインのパッケージですが、
どこにも「ひとつぶ300メートル」とは書いていません。

スーパーをハシゴしたものの どこにも売っていなかったので
通販で箱買いしました。
現行の いわゆる(※)「グリコのおまけ」は10種類ですが、
箱に セット商品とあるのは
1箱10個のうちで中身の偏りが出ないように出荷されているようです。
※「グリコのおまけ」ですが、実は正式名称ではないので
いわゆる、と わざわざ書いています。

↑略称は 4ツブグリコでした。

原材料ですが、
スポーツキャラメルにのみ記載があるのは 大豆たんぱく、
グリコキャラメルにのみ記載があるのは かきエキスと バターで、
中身は けっこう違うようです。
栄養成分の表記ですが、
スポーツキャラメルのほうにのみ 鉄とビタミンB1、
グリコキャラメルのほうにのみ
カルシウムとビタミンB2とビタミンDが載っています。
これについては たとえばスポーツキャラメルのほうにも
カルシウムは いくらか入っているでしょうが、
書くほどのことではないので 省略しているのかもしれません。
どちらにも記載がある主要な栄養表示について、
同じ量だった場合の差を グリコキャラメルを100(%)として
それぞれ計算したところ、スポーツキャラメルは
エネルギー 101.55
たんぱく質 95.13
脂質 112.16
炭水化物 99.67
食塩相当量 131.42
となりました。
食塩相当量が突出しているので、塩キャラメル的な要素があるようです。
先ほど、スポーツキャラメルの味は
グリコキャラメルと変わらないと書きましたが
成分の違いを知ったうえで「利きキャラメル」をすると、
スポーツキャラメルのほうが塩味が強いのが分かるようになりました。
ま・・・まあ最初は グリコキャラメルと比べたわけじゃなくて
スポーツキャラメルだけを食べた感想なので・・・。←言い訳

それぞれ包装から取り出しました。

↑スポーツキャラメル

↑グリコキャラメル
これ1つずつの比較だけでなく そこそこの数を調べていますが、
スポーツキャラメルのほうが
明らかにハート形の成型が甘いです
計算上では スポーツキャラメルが1粒4.111・・・g、
グリコキャラメルが1粒4gなので、
大きさが 明確に異なるというわけでもありません。

↑それぞれのサンプル画像
どちらも製造元は ニューロン製菓というところなので、
生産設備の違いが理由というわけではなさそうです。
スポーツキャラメルのパッケージには
「噛むと素早く、舐めてゆっくり」とあり
吸収速度を ある程度コントロールできるようなことが書いてありますが
一切噛まなくても 溶けるのは わりと早めです。
レースの補給食としては無理があると思いますが、
低強度長時間の練習で 口の中が常に甘ったるい状態を維持しつつ
水分補給はスポーツドリンクではなく水で、
というような運用がいい気がしてきました。
登山などにも いいかもしれません。

初回入荷分に限り、スポーツキャラメル1袋につき
グリコキャラメル1箱を おまけでお渡しすることにしました!
ぜひ「利きキャラメル」をしてみてください。
分かれば 味は けっこー違います。
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