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のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

AL22Wリムで後輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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AL22Wリムで後輪を組みました。

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ノヴァテック482SLハブ 24H 半コンペヨンロク組みですが、
オフセットリムなので 結線は不要かと思えるくらいに
反フリー側が張れました。
まあ あとでやるんですが。
それと、ニップルは虹色配列です。

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FH-9000とオープンプロで後輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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ハードアルマイトカラーのオープンプロリムで後輪を組みました。

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FH-9000 32H チャンピ/コンペヨンロク組みです。
結線は あとでやります。
お客さんの希望は 左右とも14番プレーンでしたが、
反フリー側をコンペにしてヨンロク組みをさせてくださいと
こちらからお願いしました。
お客さんの希望で ニップルは しんちゅうです。
ニップルが接触しているハトメの材質との電位差的には
アルミより しんちゅうのほうが いいのかもしれません。
オープンプロにアルミニップルを使ったがために
ひどく腐食したという話は とくに聞いたことがないですが。

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イメジのシーラントを常備&販売することにしました  

表題の話の前に。
先日、下りで時速60kmくらいから リムが横方向に暴れて
挙動が怖すぎるので使い物にならないという
ロヴァールのCLX64ディスクの前輪を組み直しましたが、
元の状態で 再現性100%でビビリが起こっていた状況で
お客さんが使ったところ、全くビビリが起きなかったとのことです。
いやー良かった。そこそこ自信はありましたが。

逆に、組み直し後のホイールのニップルを
少しずつ ゆるめていったら どこかでビビリが発生するはずですが、
それがどのあたりなのかは ほぼ分かっています。
これは スポークテンションの多寡だけで解決する問題ではないので、
組み直し前のホイールの構成のままで
スポークテンションを上げても解決はしません。
というかそれで解決するなら「あの個体がたまたま異常にヌルかっただけ」
ということになります(もちろん違う)。
いま「スポークテンションを上げても」と書きましたが
厳密には「ニップルを増し締めしても」です。
組み直し前の状態でも、すでにニップルの増し締めが
スポークの変形量の減少に ほぼ寄与しないくらいには張ってありました。

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で、これは その組み直し作業の途中ですが
コンチネンタルのグランプリ5000チューブレスと
メーカー不明のシーラントです。
シーラントが乾ききって固まっており
タイヤ裏側の形状を転写した部分まであります。

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リムのビードフック内側や タイヤのビードの横に
シーラントが固まって付いていると
それ以降 使うときに ビード部分に噛んでいるシーラントが
リムとタイヤの密着を阻害しそうな気がします。

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タイヤ側は、蝋をきれいに引いたように
薄く全般的に覆っている部分もあれば、

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つつーっと流れてきたシーラントが
そのまま固まったような部分もあります。
シーラントが固まる時期に ホイール真下の位相で
長時間 静置されたのが
この先端のダマになっている箇所なのかもしれません。

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剥がそうとしたところ、固まったガムが張り付いたようになっていて
容易に剥がせませんでした。
食器洗い用スポンジに付いているナイロン不織布の部分か
スチールウールで こそげ取るようにすれば(リムに対しては 使うのは前者のみ)
剥がせないことはありませんが、ひどい場合は けっこうな手間となります。

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↑これは別件で、マヴィックのUSTチューブレスタイヤでのダマです。
捨てるタイヤだったので 剥がす必要は無かったのですが、
ダマが かなり強く張りついていて
試しに 指でめくろうとはしたのですが 全く取れませんでした。

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私は以前 イメジというブランドのシーラントを
ここで紹介したことがありますが(→こちら)、
信用していないわけではないものの 試験的な導入であって
ほとんど私物にしか使っていませんでした。

上の画像の私物のホイールは グレイルCB7リムで組んだもので、
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フックレスリムなので チューブレスまたは
チューブレスレディタイヤでしか使えません。
調べたところ、タイヤがチューブレス系でさえあれば
チューブ入りでも使えるようなのですが
(でないと出先で帰れなくなる、MTBくらいにタイヤ内部の容積が大きければ
ひも状の粘着シールをタイヤに刺し込むタイプの補修キットもあります)、
ポリウレタン系の超軽量チューブ(30g前後)のような
極端な例外を除いては シーラントのほうが軽くなるので
イメジのシーラントを入れて使っています。

これは私の雑感ですが、シーラントというのは
明確に仕事をする量の閾値があり それ未満だと
実質 ゼロと同じというような感触があります。
極端な話をすれば、あるタイヤとリムの関係において
シーラントが仕事をする最低量が30ml以上であったとすると
29mlだと仕事をしないので ゼロと同じというわけです。
実際は そこまで極端でなくとも、
例えば30mlのときの自然な空気抜けのペースに対して
15mlだと それが倍のペースになる・・・わけではなく
それくらいの量なら 入れていないのと ほぼ同じなのは確かです。
ロードバイクの場合は、コスト的な理由ではなく
ホイールの外周部の軽量化を意識して
シーラントをケチりがちになりますが、
あまりにケチると シーラントが仕事をせず本末転倒というわけです。

上の画像のホイールとタイヤは、最高で6気圧というのを
フックレスリムということもありビビッて守っていますが
自然な空気抜けは 軽量ブチルチューブよりマシなくらいであり
通勤レベルの常用であれば
1週間以上は空気を足さなくても 十分にもちました。
これを組んだのは9月16日ですが、
1ヵ月ほど使ったのちに 1ヵ月ほど吊るして放置しています。
吊るしていた間も お客さんに見せたりするのに
たびたび下ろしているので
特定の位相が 常に下を向いていたわけではありません。

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タイヤのビードを落としました。

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使っていたのは チョコチップのような
マイクロファイバー入りのほうです。

このホイールとは別件で、XR331リムとIRCの旧モデルのタイヤで
雨の帰り道にパンクしたときに、
タイヤの穴からブクブクと泡が出ていたのを すばやく見つけて
その位相を真下にしてホイールを振ったところ
一応はエア漏れがふさがった、
しかしそのあと 7気圧くらいまで加圧しようとしたら
途中で「シーラントでふさがった傷が開いてしまう空気圧」を超えて
再び穴があいたので もう一度ホイールを振ってふさぎ
リム打ちしない ほどほどの空気圧で帰ったことがあります
(残り数kmなので姑息的処置をしたまでで、
それ以上の距離であったら チューブドに切り換えています)。
あとでタイヤ裏を見ると、このマイクロファイバーが
パンク穴に集まっていたので 穴ふさぎの性能には関わっているようです。

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↑リム側
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↑タイヤ側
液体としては注入した量より減っていますが、
2ヵ月経っても どろっとした状態で全周に渡って残っていました。

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タイヤを外しました。
ここから、布やスポンジで こすることなく
水をかけるだけにします。

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高圧洗浄ではなく、園芸用のシャワーヘッドです念のため。
タイヤ側ですが、水で満たして流すだけで
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タイヤ内側で ダマになっている部分は皆無でした。

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バルブ穴付近の ↑びふぉー
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↑あふたー

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本当に水で流しただけです。
ありがたいのは、タイヤサイドのビード部分に
シーラントのカスが一切 残らないことです。

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テープの凹みにシーラントのカタマリが残る傾向がありますが、
これは このあと指で簡単に取れました。

後始末が きれいにできるというのが このシーラントの特徴ですが、
正直に書くと(ここ重要なので)シーラントとしての効きは弱いほうです。
マイクロファイバー入りのほうですら スタンズのスタンダードモデルの
「タイヤシーラント」より 明らかに弱いです。
そのため使い始めたときは1日に数気圧も減ることがありました。
が、ここで 先ほど書いた「シーラントが仕事をする最低量」を意識して
例えば 普段スタンズで30ml入れているタイヤなら
イメジのシーラントだと40ml強と多めに入れるようにすると、
エア漏れに関しては解決しました。
私は 25Cタイヤで 50mlは入れないくらいですが、たとえ50ml入れたところで
ほとんどのブチルチューブよりは軽くなるはずです。

量を間違えなければ エア漏れはふさぎますが、
それでもパンクに対する即時補修の性能は
スタンズやエフェットマリポーサのカフェラテックスよりは低いです。
しかし経年使用で ほぼダマが出来ず 水で洗い流せるという
際立った特徴があるのも 確かです。

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↑うわっ!こいつが出てくると一気にステマくさくなる!

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というわけで、イメジのシーラントを
販売分も含めて常備することにしました!

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チョコチップ風マイクロファイバー配合の
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イメジ プラスだけを仕入れました。
私は かつて「強は弱を兼ねるじゃろ」と思い
スタンズのシーラントを より効果が高い「レースシーラント」だけにして
失敗したことがあります。
確かに シーラントとしての効果は高いのですが、
ダマになるのが早かったり バルブを詰まらせやすかったりするので
結局 用途に合わせて2つとも必要だと思い至りました。

対して イメジのシーラントですが、エア漏れをふさぐのに必要な最低量に
マイクロファイバーの有無はあまり関係ないようなので、
強いほうでもダマにならないなら 強いほうだけでいいじゃん!
という結論に至りました。
マイクロファイバー有りも無しも 500mlで税別定価2500円で
単価は同じです。

category: 新着情報!

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クレストの29インチリムで後輪を組みました   

今日もホイー(以下略)。
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昨日の前輪の相方を組みました。

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FH-RS770 28H 半コンペヨンロクJIS組み結線ありです。
これはシクロクロスで使われるものですが、リム幅が広いので
IRCのシラクCXチューブレス32Cの新品を装着したときに
33Cを明確に超えてしまいます。
規定に違反しない範囲だと 使用できるタイヤが限定されますが、
それでも どうしても このリムでホイールを組みたかったというので
組みました。

category: のむラボ日記

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PRO3レースが だいばくはつしたので  

お客さんから コスミックSLをお預かりしました。
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コスミックカーボンSLというモデル名であったホイールと
リムのコスメチック以外 なんら違いませんが、

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この年代のものは コスミックSLというモデル名です。
それはいいとして、お客さんが これに ミシュランのプロ3レースを
履いて走っていたところ、前輪のタイヤが ボコッと内側から
北斗神拳を食らったかのようにふくらんでいるのに気付いて
あわてて空気圧を落としたものの、それからしばらく走ったところで
だいばくはつしたとのことです。下りの最中でなくて よかったですね。

ミシュランのタイヤは バルブ穴直下の位相で
タイヤのゴムが溶けてリムに こびりつきますが
(エンデュランス系は 製造法かOEM元が変わったのか
見かけなくなりました)、
このホイールでは それがリムの全周に渡って起きていました。
距離でいうと2000kmほどしか使っていませんが
タイヤを履いてからは1年以上は経っており、
下りのブレーキ熱や 赤トレッドの耐候性の低さなど
色んな悪条件が重なった結果です。

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↑前輪のバルブ穴付近
これくらいなら まだ よく見かける程度ですが・・・

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溶けたゴムが リムテープの上や

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ビードフックの内側奥まで回っています。

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これを
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アセトンで拭いて
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きれいにしました。
簡単に書いていますが けっこう苦戦しています。

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↑これは後輪のバルブ穴付近です。
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ビードフックの外周は、比較的簡単に きれいにできます。
リムテープは前後輪とも交換しています。

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話は変わりますが、コンチネンタルに
「アタック&フォース」というモデルがありまして、
フロント専用設計のトレッドと幅になっているのが アタック、
リヤ専用設計が フォースとなります。
チューブラーとWOで出ていますが 以下の話はWOタイヤでの場合です。
アタック&フォースと その後継モデルのアタックII&フォースIIが
アタックが22C、フォースが24Cとなっており、
少し前までは 前輪にアタック22C、
後輪にフォース24C・・・ではなくグランプリ4000SIIの23Cか
タイヤの寿命とパンクのリスクを気にしないなら
グランプリTTの23Cを履くのが
WOタイヤでの転がり軽さにおいて
常用できる範囲では最強(←私見です)でした。
が、現行モデルはアタックIII&フォースIIIとなっており
これが旧モデルより1Cずつ太って23Cと25Cになったのと
グランプリ5000のWOタイヤが 転がり軽さにおいて優秀なので
前輪にだけアタックIIIの23Cを履く理由が無くなりました。
アタックIIは すでに廃版ですが、
問屋さんの最終在庫をひねり出してきたものを特価で販売して「いました」。
はい、すみません過去形です。
今回の件で全て売れてしまいました。

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後輪には グッドイヤーのイーグルスポーツの25Cを履かせましたが
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リムの内幅が狭いので(ビードフックが分厚く 実測で13.5mm)、
8気圧入れましたが 23mmを うっすら下回っています。

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↑前輪のタイヤは ホイールのお持ち込み時点では付いていなかったので
これは後輪に付いていたタイヤですが、

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バルブ穴直下のゴムが溶けて ケーシングが露出しています。

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裏から見ても

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↑かなり薄くなっていました。

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これは また別件で、ずいぶん前に撮った記事用の画像ですが
プロ3レースと同年代の リチオンの黒です。
カラータイヤよりは起こりにくいものの
黒タイヤでも同じ症状が出ます。

実は コスミックSLは一昨日の話で、
これにつづいて今日 ホイール3ペア分のタイヤを交換しました。
いずれも同じくプロ3レースの赤の23Cです。

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↑時系列がとびますが 外したタイヤです。
まあ、一度 不信感を持つか エライ目に遭うと
交換したくなる気持ちは分かります。
これらのタイヤの中に、裏側から見て
バルブ穴直下でケーシングが露出しているほどのものは ありませんでした。

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これはカンパニョーロのバレットウルトラで、
リムの内幅は 冒頭のコスミックカーボンよりは広く
実測で15.8Cです。
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タイヤは 自称23Cですが、
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実測で25.4mmありました。ちょうど1インチです。
ミシュランのタイヤが 元々太めというのもありますが、
経年使用で太ったのも 間違いありません。

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同じホイールに イーグルスポーツの25C
(このモデルには23Cの展開が無い)を履いたところ
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7気圧で 実測23.7mmでした。
2020年から、ロードバイクのタイヤ幅のETRTO規格が
ワイドリム化した実状に合わせて 変わっています。
それによれば 22~24Cのタイヤが想定しているのが
内幅17Cのリムで、
25~28Cのタイヤが想定しているのが 内幅19Cのリムです。
つまり、新規格では25Cタイヤは 内幅19Cのリムに入れないと
適正空気圧でのタイヤ幅が25Cにならないということです。
これにすでに合わせている、と表明しているのはヴィットリアですが、
グッドイヤーがどうなのかは不明です。
実測の内幅19.2mmのAL22Wリムに
グッドイヤーの自称25Cのタイヤを履いた場合
だいたい表記の通りになるのは確認済みなので、
グッドイヤーも 新ETRTOに準拠しているのかもしれません。

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↑これはヴィジョンのホイールですが、
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バルブ穴直下が溶けていました。
これくらいなら よく見かける程度です。
これでも、裏側のケーシングは露出していませんでした。

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バルブ直下に限らず タイヤのゴムがビードに移っているので、
だいばくはつ予備軍ではあったのかもしれません。

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クレストの29インチリムで前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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クレストの29インチリムで前輪を組みました。

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HB-RS770 28H 半CXスプリントロクヨン逆イタリアン組みです。
結線は あとでやります。

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CRESTの別売りステッカーを4色追加し、
ステッカーと 直下のニップルの色を合わせています。
少し前にも同じようなホイールを組んでいますが(→こちら)、
あれは M9000系XTRのBOOST規格のハブで組んだMTB用で、
これはRS770系のハブで組んだディスクロード・シクロクロス用です。
XTRのリヤハブがBOOST規格(148mm幅)でなく
142mm幅であったなら 後輪は共用できたのですが・・・。
あ、書き忘れてましたが 今日 組んだこのホイールは
リンク先のクレストリムのMTBホイールと
同じお客さんのご注文分です。

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RR411dbリムで後輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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DTのRR411dbリムで後輪を組みました。

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レボディスクハブ 24H 黒半コンペヨンロク組みです。
結線は あとでやります。

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AL22Wリムで前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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AL22Wで前輪を組みました。

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ハブは エボライトハブの色違いというか
元ネタのノヴァテック291SLで、
組み方は 20H CXスプリント反ヌポークラジアル組みで

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ニップルの色は虹色配列です。

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CLX64さん(後輪なので後編)  

お客さんから CLX64の後輪をお預かりしました。昨日組み直した前輪の相方です。
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昨日組み直した前輪の相方です。

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フリー側のスポークの最終交差の挟角が
鋭くなるような組み方をしているというのもありますが、
2:1組みで反フリー側をタンジェント組みすると
反フリー側のほうが高テンションとなるので、
それは駆動輪としていいのかと考えてしまいます。
スポークは左右ともエアロライトでしたが、
反フリー側をタンジェント組みにするなら
フリー側をエアロコンペにしたほうが 理屈の上では良くなります。

16:8の24Hで リム穴に穴振り無しなので
ハブを12:12のもので組み直していいなら
それ以上に走る ホイールを組む自信がありますが。

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振れが少しありましたが、都合よくフリー側を増し締めるべき
センターずれもあったので

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直しました。

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シクロクロスのタイヤ幅が実測33mm未満になるかどうかの覚え書き  

私は普段乗りのロードバイクの後輪を DTのXR331リムに25Cタイヤ、
あるいはメーカー非推奨・自己責任で23Cタイヤを履いて使っていますが
これは本来MTB用のリムです。
XR331リムは、その次に幅が広いリムに対して
極端に幅が狭く 公称の内幅が20mmとなっており、
ロードバイク用のリムでも これより広いものが最近増えてきました
(とくに カーボンチューブレスレディリム)。

XR331の次に幅が広いのは
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XR361リムです。
これは公称の内幅が22.5mmですが、
実測すると22.8mmといったところでした。
スタンズのMTB用アルミリムで最も軽いクレストMK3で
内幅が 公称も実測も23mmで、
クレスト以降はアーチ、セントリー、フロー、バロンと
きっかり3mmずつ広くなっていきます。

このうち、クレストだけはシクロクロス用の
32Cタイヤを履けなくはない幅ですが、
シラクCXチューブレスの新品を取り付けて
空気圧を 2気圧にした状態で
タイヤの外幅が34mm強くらいになることが分かっています。

XR361やクレストくらいまでの幅の
クロスカントリー用29インチMTBリムに対して、
公称が30Cくらいであったり、
32Cを自称していても どー見ても細めのタイヤであれば
形状が引っ張りタイヤになりつつも
幅だけで見ればレギュレーション違反にはならない
33mm未満になる組み合わせがあるのでは、
ということについて 少し調べました。

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新品のタイヤを XR361リムに
チューブレスで2気圧に加圧して、横幅を測ります。
実際のレースでは1.6気圧前後くらいで運用するとは思いますが、
タイヤの製造誤差を勘案して やや高めにしました。
それよりも、経年使用でタイヤが太ってくることのほうが
変動要素としては大きいと思われます。

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パナレーサー グラベルキングSK TLC 32C

グラベルキングSKにはチューブレス非対応のモデルもありますが、
これはTLC(チューブレスコンパチブル)です。
外見上の違いが ほぼ無いですが 間違えたりは・・・しません。
チューブレス非対応モデルは 26Cと28C仕様だけなので、
32Cを買ってチューブレス非対応だったということはありえないからです。

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↑公称290g
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XR361に2気圧で 31.8mmくらいでした。
これは自称32Cの引っ張りタイヤ状態としては かなり細めとなります。

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ヴィットリア テレーノ ドライ 31C
テレーノというシリーズの、ドライ・ウェット・ミックスとあるうちの
ドライになります。

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↑公称410g

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XR361に2気圧で・・・
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32.9mmでした。ギリギリすぎるので
リムがクレストになるか、経年使用で太ると33mmを超えます。

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シラクCXチューブレス(Xガードではない) 32C
事後報告になりますが 少量 再入荷しました。
すぐに売れた分があるので、お客さんに
XR361リムに一瞬だけ取り付ける許可をもらいました。

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↑公称380g
輪ゴム無しには量れなかったので 輪ゴムが付いていますが、
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輪ゴムは1g無いくらいです。

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XR361に2気圧で・・・
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33.4mmくらいです。アウトです。
シラクCXチューブレスは、リムが太いと33mmを超える傾向があります。

category: その他 機材の話

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エアロ2リムで前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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アラヤのエアロ2リムで前輪を組みました。

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トラディツィオーネ クラッシクハブ(←ブランドのサイトで ずっと直さない誤植)
32H 全コンペ反ヌポークラジアル組みで 金アルミニップルです。

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リムの継ぎ目は、リム単体の状態では
髪の毛1本ほどの すき間がありましたが
スポークテンションがかかると ピチッと閉じました。
継ぎ目の上で ステッカーに しわが寄っているのは
そのためです。

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専用のカマボコ型ワッシャーを要するリムなので、使っています。
という説明の皮をかぶった スポークの長さアピール

category: のむラボ日記

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CLX64さん(前輪だから前編)  

お客さんから ロヴァ―ルのCLX64をお預かりしました。
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140万円くらいするSワークス ヴェンジに付いていたホイールです。
前後輪とも お預かりしており、
私が ぱっと見た限り ホイールとして不出来なのは後輪でしたが
実際は前輪のほうがダメだということです。
この前輪、下りで時速60キロくらい出すと
リムが ぶるぶると左右に震えるようにビビり 急に暴れ始めるので
怖くて使い物にならないということでした。

「スルーアクスルの締め込みが足りないのでは」みたいな、
「パソコンの電源が入らないことに対するトラブルシューティングで
コンセントから電源プラグが抜けていたのが原因だった」みたいな
低レベルな取り扱い不備も もちろん ありません。

私が組んだ(←という枕詞は不要かも知れませんが)
スマートエンヴィの4.5ディスクの前輪では
そのような症状が出ないということなので、
ヘッドパーツのガタなどの可能性も無く
前輪にのみ原因があるようです。

下りで時速60キロも出すなや、と言いたいところではありますが
お客さんは実業団選手なので
レース中にそういう状況になることが当然あるので
何とかしないといけません。

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2:1組みの21Hで、スポークは
全黒エアロライトストレート(ヘッドにツブシ加工あり)です。
24Hであれば リムに穴振りが無いので
ハブを換えて 左右12Hずつの同数組みで組み直すところですが、
21Hだと そういうわけにもいきません。

最近 確立されつつある 対ロヴァ―ル組み直し案として
「ラジアル組み側のスポーク比重を大きくし
タンジェント組み側は最終交差を結線する」というのを
この前輪でも やってみることになりましたが、
不可逆加工を伴うことについての了承を お客さんから得ております。

DSC00106amx14.jpg
ラジアル組み側のスポークを抜きました。
タンジェント組み側のスポークも ある程度ゆるめたほうが
作業性は高いのですが、ここからラジアル組み側のスポークを
新たに補填して リムを一旦ラジアル組み側にまで ずらせれば
左右異径組みの効果が実証される、かどうかは置いておいて
そのあとのセンター出しで タンジェント組み側の 総増し締めを要する以上
元の状態より確実に張っていると 断言できます。

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という結果がこの状態です。さっき書いたことを主張したいなら
ラジアル組み側にリムが寄っている時点の
画像を撮っておくべきでしたが 忘れてました。

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組めました。

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ラジアル組み側を 黒CXスプリントで逆異径組みにして
タンジェント組み側を結線しました。

タンジェント組み側を 検証の都合上
ある時点までニップルを一切触らない必要があったので、
リムとハブが分かれる状態まで ホイールをバラしていません。
よって リム重量は量れず、あと私以外には どーでもいい問題ですが
この件は 今日もホイー(以下略)。の条件を満たしません。

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トライクのホイールを組み直しましたた(前輪だけど後編)  

今日もホイー(以下略)。
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昨日の後輪につづいて 前輪2輪も組み直します。
当初は 後輪だけの組み直しで 前輪は点検だけ、という予定だったので
後輪は黒スポークで組むはずでしたが
前輪もクソアホホイール要素が満載だったので
前後輪とも組み換えるなら銀スポークにしてほしいということになりました。

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ハブは後輪の組み直し前と同じく BCTというブランドのもので、
左右同数28H ヨンゼロ組み(ローター台座側から読んだ場合)となっています。
スポークは14番の黒チャンピです。

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ハブの規格は キャノンデールのレフティのものを流用しているので、

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↑この「実走で使うな」と書いてある
ホイール組み立て用のヤトイというかジグというか
アダプターが使えます。
周りにいる配慮さんミニは転がり防止の仕事をしているだけです。
気にしないでください。

DSC00026amx14.jpg
DSC00027amx14.jpg
↑こんな感じ

DSC00031amx14.jpg
この2つの前輪、トライクのフレームに取り付けた状態だと
左右とも ディスクローターが内側になります。
タイヤの向きも進行方向に合わせて履いてあり、

DSC00032amx14.jpg
右前輪の6穴ローターが 一般に正しい向きで取り付けてあるのに対し
DSC00033amx14.jpg
左前輪のローターは あえて逆に取り付けてある、
という程度の知恵があるにもかかわらず

DSC00034amx14.jpg
↑右前輪
DSC00035amx14.jpg
↑左前輪
左右で「同じホイール」を組んでいました。
鏡像反転ではないってことです。
右前輪のローター台座側が逆イタリアン組み相当なので
左前輪のローター台座側はイタリアン組み相当になります。
実はこれは お客さんが組み直しを希望された理由ではなく、
このことは もしかしたら知らなかったかもしれません。

組み直し希望の理由は スポークが短いことと、
HCワークスに対する不信感がぬぐえないという点です。

DSC00037amx14.jpg
↑転造で作ったねじ山の最後がニップルから見えています。
DSC00036amx14.jpg
↑これは もっと顕著です。
これは、スポークが短いというのとは別に
3つの丸いローラーで スポークに ねじ山を切る
ホーザンのスポークネジ切り器(ここだけ「ネジ」が カタカナなのは
メーカーの公式表記に倣ったため)を使っているためで、
あれは よほど上手く使わないことには
ねじ山部分の長さが一定になりません。

DSC00040amx14.jpg
↑画像左のスポークは CX-RAYの吊るしの状態、
右は今回のホイールに使われていたものです。
あと どーでもいいですが 奥に ぼんやり写っているのは
分かる人には分かると思いますが ハゼットのおかもちです。

ねじ山長さの問題以外に、そもそも きれいな ねじ山が切れていません。
スポークの切断面が とがって見えていますが、

DSC00063amx14.jpg
どうも ペンチ系の工具で切断しているようです。
上の画像は 昨日の後輪の元のスポークですが、
マイナスドライバーの先のような切断面になっています。

DSC00066amx14.jpg
DSC00067amx14.jpg
↑同じスポークです。
90°角度を変えて 撮っただけです。

DSC00041amx14.jpg
DSC00042amx14.jpg
バルブ穴から順に 丁寧にバラしていって
ニップルを一切触っていないスポークを 左右2本ずつ残しました。
このニップルを リムから出せば 元の長さ具合を観察できます。
ちなみに、後輪と同じく 意味もなく16mmニップルを使っています。

DSC00043amx14.jpg
↑ローター台座側タンジェント組み
DSC00044amx14.jpg
↑反ローター台座側ラジアル組み
DSC00045amx14.jpg
↑ローター台座側タンジェント組み
DSC00046amx14.jpg
↑反ローター台座側ラジアル組み
スポークの端面が ほぼ見えないほど短いです。
昨日の後輪は 異常にヌルかったですが、
この前輪2つは そこそこ張ってありました。
もし昨日の後輪が 今日の前輪並みに張ってあったのであれば、
(それでもスポークの端面は ニップルのすり割りにすら達しないので
どっちみちダメですが)この前輪よりはマシな長さに見えたはずです。

お客さんには 前輪のタイヤ・チューブとリムテープを外して
リム内をライトで照らして これを見てもらったのですが
それが組み直しを希望する理由になりました。

DSC00052amx14.jpg
右前輪が組めました。
組み方は 元と全く同じですが、
スポークを 黒チャンピから銀チャンピに変更しています。
左前輪は お預かりした状態のままですが、
黒スポークということもあり タンジェント組み側を にぎにぎすると
少したわんで ギチギチと音がするところ、
組み直した右前輪は 銀スポークなので最終交差から
異音がしないということを別にしても
明らかに 左前輪より張っているのが分かります。
可能であれば お客さんに この2つを握り比べてほしいくらいですが、
そのために呼びつけて納期が延びるのもダメなので 出来ません。

実は 組み直し後の銀チャンピは15番プレーンなので
スポークが細くなっているのに むしろ硬くなっているという
実例に なっているのですが。

DSC00053amx14.jpg
DSC00054amx14.jpg
右ハブ体にのみ「みぎ」と書いたテープを貼っています。
左右同数組みなのに、いわゆる普通の後輪でいうところの
「反フリー側ラジアル組み」をしているのには理由がありまして、

DSC00050amx14.jpg
DSC00051amx14.jpg
この前輪、左右とも リムが外に広がる方向で
ガッツリ センターをずらす必要があるからです。
これはタイヤ間の幅を広げて安定うんぬん・・・ではなく
こうしないとハンドルバーや それを握る手が
タイヤすれすれになるためで、これくらい ずらすと
(小径ホイールかつ リム高が高いというのも関係しているでしょうが)
ラジアル組み側のほうが かえって高テンションになります。

元のホイールでも リムを ずらしてありましたが、
その量が 左右で1mm以上 違っていました。

DSC00048amx14.jpg
リム高が高いので うまく撮れないのですが、
DSC00049amx14.jpg
↑スポーク長さは こんな感じ

DSC00058amx14.jpg
左前輪も組めました。

DSC00061amx14.jpg
↑右前輪
DSC00060amx14.jpg
↑左前輪
組み方を鏡像反転にしています。

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トライクのホイールを組み直しました(後輪だけど前編)  

今日もホイー(以下略)。
DSC09934msn3.jpg
お客さんから 120mm高のチューブラーリムで
組まれた後輪をお預かりしました。
トライクの後輪ですが、ここでいうトライク(3輪車)とは
前2輪・後ろ1輪のリカンベントのことです。
お客さんから許可されたというか むしろ希望されているので
書きますが、これを組んだのは HCワークスという
リカンベントやトライクを おもに扱っている クソアホショップです。
どのあたりがクソアホなのかは書いていきますが、
同じようなスカタンをこいている
別のホイールが存在する可能性があるので
それの注意喚起も兼ねています。

DSC09937msn3.jpg
BCTというブランドの2:1組み用ハブ 24H
全黒チャンピ14番 読みのうえではヨンゼロ組みです。

DSC09935msn3.jpg
このリム、リム高が高いので スポークが短いわけですが
リム穴より内周側の構造体としては
20インチHEのローハイトリムと同じようなものです(スポーク長さが ほぼ同じ)。
これくらいスポークが短くなると、ある程度 張ると
にぎにぎしたときの スポークの変形が ほぼ不動に近くなるものですが

DSC09936msn3.jpg
↑この通り フリー側からして異常にヌルいです。
振れとセンターずれは ほぼありません。
仮組みから ふんわりと締めただけで組まれています。
あとの話になりますが、半バラしするときも
全てのニップルを2周ずつ ゆるめると
それ以降は手で回して ゆるめられました。

DSC09941msn3.jpg
ホーザンのテンションメーターの測定子を押し付けると・・・

DSC09942msn3.jpg
このようにスポークが たわみます。

DSC09943msn3.jpg
フリー側を全数 調べてみました。

DSC09944msn3.jpg
ここでのH1STは74です。隣は72でした。
だいたいの箇所が80未満、ちょっと高いところで90前後くらいです。

DSC09945msn3.jpg
最も高いところを抜き出すと109.5でした。
低テンションであればあるほど
スポークテンションは ばらつきます。

DSC00017msn4.jpg
プレーンスポーク相手の H1STと第2STの関係は
とくにメシノタネコードではないので 表も出しますが、
H1STが80未満というのは 第2STが150N未満で
「低すぎて測定不能」となります。
H1STが最も高い109.5で 500Nといったところですが
100を越えているのは 最終交差のペアとなっている2本だけでした。

念のため書いておきますが、これはこの記事の本題ではありません。

DSC09940msn3.jpg
この後輪、反フリー側の0本組みがラジアル組みになっていません。
位相ずれというか ねじれを起こしています。

DSC09939msn3.jpg
↑傾けたほうが見やすいかも

ホイールを組み終えるまでに このことに気付かなかったとは考えにくいので、
HCワークスにとっては これが「当たり前のこと」なのでしょう。
「このハブと このリムでは どうしても こういう状態になる」
という言い訳をされそうなので それを封じるために
以下 反証を挙げていきます。

小径車用のホイールなどで、
36Hハブで24Hリムを左右同数組みで
どうしてもやらざるを得ない場合があり
(アルフィーネの内装変速ハブで組む場合など)
その場合はリムとハブで位相ずれが発生しますが、
今回の後輪は 位相ずれを起こさずに組むことが可能です。

コリマに MCCというホイールがありますが、
あれは前後輪の左右とも 0本組みのカーボンスポークです。
前輪は ラジアル組みですが、
後輪は 左右ともヤマアラシさん方向にスポークの軌道を傾けています。
駆動輪なので ペダリングでフリーボディが強烈に絞られたときの
力の向きを意識しているのでしょう。
この後輪、仮に どうしても こう組まないといけないのであれば
反フリー側の0本組みはヤマアラシさん方向にすべきだと思いますが
実際は その逆になっています。

DSC09949msn3.jpg
当初 私は 反フリー側のスポークは
「1つずつ隣の穴に ずれて通しただけ」だと
思っていたのですが そうではありません。

DSC09950msn3.jpg
0本組みのフランジ穴から
ラジアル線上に銀スポークを置くと・・・

DSC09951msn3.jpg
その延長上のリム穴は すでにフリー側のスポークが通されています。
ここまでなら「やっぱり このホイールは そういう風にしか組めないのでは」
と考えてしまいそうになりますが そんなわけはありません。

DSC09952msn3.jpg
フリー側は 4本組み(2クロス)ですが、
2クロス目(最終交差)直下の位相から
ハブシャフトと平行に銀スポークを置くと
DSC09953msn3.jpg
反フリー側の位相はフランジ穴と重なります。

DSC09954msn3.jpg
同じことを1クロス目直下でやると

DSC09955msn3.jpg
反フリー側の位相は フランジ穴間の ちょうど真ん中になります。
上の画像のスポークは、赤ではなく
銀スポークにハブの色が映っているだけです念のため。

つまり このハブは、32Hの汎用ハブから
反フリー側のフランジ穴を半分 間引いた位相になっているということです。

DSC09956msn3.jpg
当店のホワイトボードは、片面が無地で もう片面は方眼があり
方眼のほうだと フリーハンドでも わりと正確に図が描けます。
この方眼の四角ひとつぶんを
ホイールの展開図の45°ぶんにすると、

DSC09957msn3.jpg
32Hリムの45°ぶんは リム穴4つとなります。

DSC09959msn3.jpg
それを180°ぶんまで延長しました。

DSC09960msn3.jpg
そこから 32H汎用ハブで組む形で
ハブ~リム~ハブ型のホイール展開図を描きました。

DSC09962msn3.jpg
これを左右とも 0本組みしてみます。
スポークの軌道が 位相ずれを起こさず、
図のうえで リムとハブの線に対して直角になる場合
その0本組みのスポークはラジアル線上を走るので
ラジアル組みとなります。

DSC09963msn3.jpg
スポークを消しました。
今回のハブは 反フリー側のフランジ穴が
ふたつにひとつ お休みとなり ふさがれるので
図でも ふさいでおきます。
これでハブは16:8Hの24Hとなりました
(図にあるのは そのうち180°ぶんだけですが)。

DSC09964msn3.jpg
リムを24Hに変更します。45°ぶんに リム穴が3つです。

DSC09966msn3.jpg
24Hリムのリム穴に、2:1組み用の左右の割り振りを描き加えました。
ここで、先に反フリー側のラジアル組ありきで
リムと左フランジの穴の位相を揃えていないのが間違いの根本です。


DSC09967msn3.jpg
フリー側を0本組みしました。
全てのスポークがラジアル線から外れていますが、
交互に同じ角度ずつ 別の向きに外れているので

DSC09968msn3.jpg
タンジェント組みをすれば 最終交差の2本の合成の向きは
ラジアル線と重なるので、位相ずれは起きません。
ここから、残る反フリー側のハブ穴とリム穴を結ぶと・・・

DSC09969msn3.jpg
こうなります。
DSC09970msn3.jpg
または こうなります。
ヤマアラシさん方向が逆転するだけです。
これが冒頭の状態です。
ちなみに、フリー側のタンジェント組みだけの状態であれば
位相ずれは起きていませんが
反フリー側のスポークを通すと その位相ずれに釣られて
フリー側のタンジェント組みも 少しねじれます。

図でも 冒頭の実際の状態でも
2:1組みは XI(エックスアイ)組みでしたが、
横から見て反フリー側のラジアル組みのスポークが
フリー側の最終交差を通るЖ(ジェー)組みとの
どちらの場合でも 位相ずれを起こさずに ホイールは組めます。

DSC09971msn3.jpg
3本ある平行線のうち 上下のハブの線は不動ですが、
中央のリムの線は 任意に左右にずらせます。
24Hのリムに対して「反フリー側ラジアル組みありき」で
スポークを 先に描いておきました。
この時点では リム穴も
反フリー側のスポークのリム穴しか描いていません。

DSC09972msn3.jpg
フリー側のスポークのリム穴を描き足しました。
反フリー側のスポークの穴間を3等分する形で2つです。

DSC09973msn3.jpg
フリー側のスポークを描きました。
位相ずれを起こさず、反フリー側のスポークはラジアル組みのままです。
上の図ではЖ組みですが、
DSC09975msn3.jpg
XI組みにもできます。
私なら 最終交差の挟角が鈍いほうが好きなので、
Ж組みにするでしょうか。

DSC09985msn3.jpg
スポークテンションを 完全に抜きました。
テンションが抜けたので フリー側のスポークが
反フリー側のねじれを顕著に受けるため
最終交差の先が ねじれているのが分かります。
仮に ここから反フリー側のスポークを取り去ると、
フリー側のタンジェント組みには ねじれは発生しません。

ここから、フリー側のニップルを一旦取り去るものの
フランジ穴に通っているスポークは一切外さずに そのままで、
位相ずれを起こしていない2:1組みに変換します。
必要なスポークの長さは変わりますが、
仮組みなので問題ありません。
あとで書きますが、それ以前にスポークの長さ自体も間違っていました
(というか 反フリー側の ねじれスポークの長さは
どうやって出したんだ・・・?)。

「フリー側のニップルを全て取り去った状態」が、
先ほどの図でいうところの
「反フリー側のラジアル組みありきを確保した状態」に相当します。

DSC09986msn3.jpg
仮組みしました。

DSC09987msn3.jpg
Ж組みです。

DSC09988msn3.jpg
位相ずれは起きておらず、

DSC09989msn3.jpg
反フリー側の0本組みはラジアル組みです。
これで分かったかクソアホが。

DSC09990msn3.jpg
ここからXI組みに変換したいのであれば、

DSC09991msn3.jpg
たとえば4本組みの場合なら
テープの目印のフランジ穴から

DSC09993msn3.jpg
こういう風にすれば出来ます。
先ほど書いたように 私は最終交差の挟角の鈍さにこだわるので
もしやるなら 6本組みでЖ組みにしますが。
また、冒頭の組み方と Ж組みの通し直しは
フリー側のヌポーク/反ヌポークが イタリアン組みのそれですが、
上の画像のXI組みでは ヌポークと反ヌポークが逆転するので
それが嫌なら 一旦ハブからスポークを外すことになります。

DSC09995msn3.jpg
↑これはお休み位相ありのレーシングゼロの後輪ですが、
XI組みになっています。
フルクラムでは、リム穴が均等間隔の時代はЖ組みもありましたが
お休み位相ありでは 基本的にXI組みになっています。
今回の件と違い リム穴側にお休み位相があるので
反フリー側のスポークによって Ж組みになるかXI組みになるかで
フリー側の最終交差の挟角が変わることはありません。

DSC09997msn3.jpg
この後輪は「28H反フリー側ラジアル組みの
左右同数組みのホイールから
反フリー側のスポークを半分間引いた21H」という構造ですが、

DSC09998msn3.jpg
仮に 反フリー側の間引く位相を 逆にしてしまうと

DSC09999msn3.jpg
↑スポークの軌道は こうなるか、
DSC00001msn4.jpg
↑あるいは こうなるかしかありません。
事情は少し違いますが、
今回の件は これと似たようなものです。

DSC00003msn4.jpg
この状態から 左フランジのお休み位相が逆転すると
DSC00004msn4.jpg
こうなってしまうので。

DSC09946msn3.jpg
時系列が戻りますが、
元の状態では ロング(16mm)しんちゅうニップルで組まれていました。
これについては お客さんがショップに訊いたところ
「リム穴が分厚いので これじゃないと無理」と言われたそうですが
別に12mmニップルでも つかみしろの四角が完全に出るので
問題はありません。

DSC09994msn3.jpg
12mm・14mm・16mmニップルで、
ねじ山の数は 厳密に言うと違いますが
ニップル自体の長さの差に比べれば 微々たるものです。
私は ニップルの外周側の端面基準でスポーク長さを出しているので
ニップルの長さでスポーク長さを変えることは 基本的にありません。
何が言いたいのかというと、ニップルの長さの違いには
スポークの長さを間違えたことをカバーする効果は ほぼ無いということです。

ライトでリム内を照らしてみたところ
元のホイールのスポーク長さは 明らかに短かったのですが、
いつもやっているように 2:1組みの1ペアか2ペア、
3本か6本の一切ゆるめていないスポークを
リムから出して画像を撮るというのをしようと思いましたが
リム高が高すぎて無理っぽいというのと
正常な2:1組みに 材料を一切変えずに変換できるという
証明の作業をしたかったので 今回は断念しました。

DSC09947msn3.jpg
もしかしたら、元の状態だと 12mmニップルで組んだ場合
スポークのねじ山が見えてしまうのかもしれません。
それくらい短かったです。
16mmニップルには それを隠す効果(といっていいのか)が
あるというわけか!なるほど 全然 勉強にならなかったぜ!

また、上の画像は お預かりから一切触っていない状態ですが
ニップルからスポークの軌道が クキッと折れた感じになっています。
全てというわけではないですが これが多々ありました。

DSC00019msn4.jpg
DSC00020msn4.jpg
↑12mmニップルですが つかみしろは十分に出ています。
DSC00021msn4.jpg
時系列がとびますが、組み直し後です。
ニップルとスポークの間で
軌道が折れているような箇所は出ませんでした。
つまり このリム、16mmニップルを使う必然性は無く
むしろ 良くないということです。

DSC00009msn4.jpg
リム穴ですが、穴振りがあるように見えました。
少なくとも、リム中央で揃っているようには見えません。
が、左右交互に振っているわけでもなければ
2:1組み用に右・右・左 または真ん中・真ん中・左となっているわけでもなく、
上の画像のバルブ穴の両隣を見ると
かすかに逆リムであるようにすら見えます。
結論としては、わりとテキトーな精度なだけで
意図した穴振りではないということになりました。

DSC00010msn4.jpg
というわけで、組めました。

DSC00011msn4.jpg
エボライトハブ 24H 全チャンピ14番ヨンロク組みです。
結線は あとでやります。
リムが明確に2:1組み用、というわけではなかったので
左右同数組みに変更しました。

DSC00013msn4.jpg
プレーンスポークとH1STの関係は
とくにメシノタネコードではないと書いたので
いくぞ オラッ!

DSC00014msn4.jpg
137弱!
DSC00015msn4.jpg
134.5!
DSC00016msn4.jpg
138弱!
DSC00018msn4.jpg
なので 1300N弱となります。
この 数値のほうの表は 後半が大雑把ですが、
厳密に知りたければ 別にあるグラフのほうの表から
見て取ることは出来ます。

H1STが143で1500Nとなっていますが、
これは ほとんどのリムの許容限度を超えています。
1000N・1300N・1500NのときのH1STの差は、
低テンションのときほど大きくはありません。
テンションメーターの測定子を当てるのは
「再現性が非常に高いスポークにぎにぎ」のようなものですが、
14番プレーンの場合 H1STが130を越えていれば
にぎにぎに対する変形量はさして変わらない
(=乗った場合の体感の硬さも ほぼ同じ)ということになります。
それ以上は 高テンションになるほど
リム穴の破損リスクが高まるだけなので
ホイールは とにかくキンキンに張ればいいというわけではありません。
ただ、オチョコが大きなフリーハブの後輪だと
フリー側が1000Nのときと1300Nのときだと
反フリー側の第2STが けっこう変わってくるので そのあたりには注意です。
え?反フリー側にもテンションメーターを当てて見せろって?
そこからはメシノタネコードなんじゃよ フォッフォッフォ。

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あさって お休みをいただきます  

あさって11月19日(木)ですが、
DSC09933amx13.jpg
のっぴきならない用事があるので お休みをいただきます。
申し訳ありませんが よろしくお願いいたします。
あと、画像は記事の内容に関係ありません。

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オープンプロでピストの後輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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デュラエーストラックのハブとオープンプロリムで後輪を組みました。

DSC09932amx13.jpg
HB-7600 片ねじ切り 36H 全コンペハチハチイタリアン組みです。
結線、これの場合は左右全結線ですが あとでやります。

DSC09930amx13.jpg
時系列が戻りますが、ハブフランジに過去 少なくとも2回
ホイールが組まれた跡がありました。
なので 今回で少なくとも3回目です。

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オープンプロでピストの前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
DSC09926amx13.jpg
デュラエーストラックのハブとオープンプロリムで前輪を組みました。

DSC09927amx13.jpg
HB-7600 36H コンペロクロクイタリアン組みです。

DSC09928amx13.jpg
36Hのハブなので、ハブ胴中央にNJSの刻印があります。
それ以外のパーツが全てNJS非認定なので
もちろん このホイールは競輪には使えませんが。

DSC09929amx13.jpg
バルブ穴から覗いた位相を NJSの刻印にしているのと、
ホイールの左右の根拠にもなっています。

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CX22リムで後輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
DSC09915amx13.jpg
CX22リムで後輪を組みました。

DSC09916amx13.jpg
エボライトハブ 28H 半コンペヨンロク組みです。
結線は あとでやります。

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CX22リムで前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
DSC09913amx13.jpg
CX22リムで前輪を組みました。

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エボライトハブ 28H CX-RAYヨンヨンイタリアン組みです。

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サンのM19Aリムで後輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
DSC09884amx13.jpg
お客さん(一応)から クリスキングのリヤハブをお預かりしました。
リムブレーキ用のMTBハブで、135mm幅のクイック式ですが
ディスクローター台座はありません。
ハブ体のアルマイト色はターコイズです。
上の画像、左エンドのパーツが外れている・・・わけではなく

DSC09885amx13.jpg
DSC09886amx13.jpg
ハブシャフトが腐食によって エンドパーツの直下で破断しています。
なので これでホイールを組むことはできません。

DSC09887amx13.jpg
ハブをバラしました。

DSC09888amx13.jpg
シャフトが腐食しています。

DSC09891amx13.jpg
たまたまですが、私物で ハブ体のアルマイトの色が違うものの
同じハブを持っており、私としても要らないものというわけではないのですが
お客さん(一応)が どうしてもというので譲ることにしました。
感謝しろよ!

DSC09892amx13.jpg
ただ、私物のほうはフリーボディのスプラインの傷みが
ターコイズより ひどかったりするので
いいとこ取りのニコイチをすることにします。

DSC09893amx13.jpg
↑画像下が元私物のシャフトです。
軽く拭いたというのもありますが、きれいです。
ターコイズのほうのシャフトは

DSC09896amx13.jpg
油で拭いたのですが その程度では錆びは取れませんでした。
錆びが取れたところで使えるものではないので これ以上はやりません。

DSC09894amx13.jpg
DSC09895amx13.jpg
各パーツを洗浄し、

DSC09897amx13.jpg
リヤハブが ひとつ完成しました。

DSC09898amx13.jpg
リムは、サンとリングルが合併する前の
サンのM19Aチューブラーリムです。
19はリム幅(実測では18.5mmですが)、
Aは三角断面のエアロ形状を意味すると思われます。
また、リムのラベルではM19A IIとなっています。

DSC09899amx13.jpg
ヨーロピアン ホール パターンとあるのは、
このブログでいうところの正リム穴振りを意味していて、
逆リムに相当するのは フレンチ ホール パターンです。
フランスもヨーロッパの中にあるやろ、と ツッコミたくなりますが
そういう名前なので仕方がありません。

DSC09901amx13.jpg
が、内周側のリム穴は どう見ても穴振りがありません。
これは、リム幅が狭く 三角断面で頂点が尖っているためで
もっと平たい形状のリムであったなら 正穴振りになっていたはずです。

DSC09903amx13.jpg
外周側は穴振りがありました。
仮に これが内蔵ニップル仕様のリムであったり、
あるいはスクオルクスニップルなどで組むとして
外周側から ドライバーまたはT字ハンドル形状のニップル回しを
挿しこむのであれば 穴振りには意味があったでしょうが、
汎用ニップルを内周側でつかんで回すぶんには関係ありません。

DSC09902amx13.jpg
↑バルブ穴の位相です。
正リムの穴振りなので ヨーロピアンです。

DSC09904amx13.jpg
ターコイズのハブの前歴は逆イタリアン組みでした
(こちら側からだけだと 逆JIS組みの可能性もありますが
反フリー側も見ました)。
アメリカ人が組んだホイールだったのかもしれません。

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組めました。

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32H 半コンペヨンロクイタリアン組みで、
ニップルの色は フリー側から見たときに
バルブ穴から時計回りで

DSC09907amx13.jpg
DSC09908amx13.jpg
赤・ターコイズ・緑・金としています。
結線は あとでやります。

category: のむラボ日記

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レイノルズの46の後輪もどきをバラして後輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
DSC09873amx13.jpg
お客さんから DTの240Sハブと
レイノルズのフォーティ―シックスリムを
ピラーのスポークでつないだ物体をお預かりしました。

DSC09874amx13.jpg
左右とも ピラーのスクエアエアロスポークで、
24Hヨンロクイタリアン組みです。
お客さんが自分で組んだそうです。
そのまま使えばいいのに、と言ったのですが。

DSC09875amx13.jpg
DSC09876amx13.jpg
センターずれもありますが、最もイケていない点は
縦振れを取り切れていないところです。

DSC09877amx13.jpg
テンションをある程度抜いてから
スポークを切っても良かったのですが、
一応 丁寧にバラしました。
強めの ねじ止め剤が効いていて、そこそこの手間でした。

上の画像では いつものごとくスポーク長さを見るために
バルブ穴隣の最後の4つを一切触らずに残しています。

DSC09878amx13.jpg
↑フリー側
DSC09879amx13.jpg
↑反フリー側
DSC09880amx13.jpg
↑フリー側
DSC09881amx13.jpg
↑反フリー側
反フリー側が長すぎでした。

DSC09882amx13.jpg
組めました。

DSC09883amx13.jpg
24H 黒半コンペヨンロク組みです。
結線は あとでやります。

category: のむラボ日記

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WH-7900-C24-CLさん  

お客さんから WH-7900のC24のWOホイールをお預かりしました。
DSC09796msn3.jpg
ハブのオーバーホールと点検をご希望です。
まずは後輪から。

DSC09797msn3.jpg
左側のダストキャップが 明らかにおかしい状態になっています。
ハブ体との間に このように すき間があくことはありません。
ハブシャフトの回転はスムーズで、ガタもありませんでした。

このホイールのお客さんの 別のホイールを過去に何度も見ていますが
ことごとく近所のショップにやらかされており、これも その手合いです。
お客さん自身で触ったということはありません。
このことを断言するのに お客さんに確認を取りました。
以前に見たホイールだと、ハブの玉当たり調整が ことごとく固い傾向があり
ハブシャフトを手で回すことが ほぼ出来ないようなものもありました。

DSC09798msn3.jpg
中空エンドボルトと デジタルラチェット式の玉当たり調整機構の
ストッパーを兼ねるダストキャップを外しました。
ハブシャフトの端が 欠けて壊れています。

DSC09799msn3.jpg
玉押しの部分に ダストキャップのすき間から
糸が入り込んで 絡んでいました。

DSC09803msn3.jpg
↑これ

DSC09802msn3.jpg
冒頭の画像では すでに外していましたが
お預かりした時点ではタイヤが付いており、
このグランプリ4000SIIのサイドから出てくる糸が
絡んでいた糸の正体です。
この糸、スプロケットの奥や リヤメカのプーリー周りに
絡んでいるのも よく見かけます。
グランプリ5000では製法が変わったのか
この糸が出なくなりました。

これが絡んでいたということは、
お客さんはダストキャップにすき間を生じた状態で
それなりの期間 ホイールを使っていたということです。

DSC09800msn3.jpg
ハブシャフトの端に180°位相で2つある切り欠きに
ダストキャップ側の切り欠きを合わせつつ、
玉押しのギザギザにも合わせることで 調整を固定する
デジタルラチェットですが、玉押しのギザギザの方にだけ合わせて
エンドボルトを締めこんだため ハブシャフトの端が壊れています。
ダストキャップに1ヵ所「切り欠きが合っているかどうか見る窓」が
ありますが 意図を理解できない奴には 何を用意しても意味がありません。

DSC09801msn3.jpg
ハブシャフトのかけらが残っていました。
これは 元に戻せないので捨てます。

DSC09804msn3.jpg
玉押しとハブシャフトは ねじ山の関係にありますが、
それを全て ゆるめ切ったので 玉押しが左右に動くようになりました。

DSC09805msn3.jpg
が、ハブシャフトの端にカエリが出ているので
玉押しを引き抜けません。

DSC09806msn3.jpg
なんとか ハブシャフトを外しました。
WH-7850の前期型は 左右ともバラ玉で、
後期型は反フリー側のみリテーナーベアリングですが

DSC09807msn3.jpg
WH-7900も 反フリー側のみリテーナーなので
玉の左右の区別は容易です。

DSC09808msn3.jpg
それはともかく・・・こいつ・・・

DSC09809msn3.jpg
ダストシールが逆に付いています。
いいかげんにしろよクソが。
ここのシールを逆にして組み付けた場合
ハブシャフトを手で回せるのが フリーボディの動きが連動する
方向の回転だけになるはずですが(→こちら)、
今回はシールの摩擦が無かったようで
最初の時点でも ハブシャフトは回転方向が前後ともにスムーズに回せました。

DSC09811msn3.jpg
本来 外側に向ける面に、グリスが詰まっています。

DSC09812msn3.jpg
洗浄しました。

DSC09813msn3.jpg
この、コの字型の凹みがあるほうが外側です。

DSC09814msn3.jpg
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ハブシャフトの端は、片側がナメており もう片側が欠けています。

DSC09816msn3.jpg
それに対応するダストキャップの側も

DSC09817msn3.jpg
DSC09818msn3.jpg
カエリが出ているので

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ハブシャフトとダストキャップの切り欠きを合わせて
はめ込むことが出来ませんでした。

DSC09820msn3.jpg
DSC09821msn3.jpg
奥まで きれいに はまるように加工しました。
上の画像では、切り欠きが合っているかどうかを見る窓と
壊れた側の切り欠きを 合わせていますが、
これはどちらでもいいので

DSC09822msn3.jpg
DSC09823msn3.jpg
逆にすると こうなります。

DSC09825msn3.jpg
ダストキャップが きれいに収まりました。
切り欠きがナメたり壊れたりしていましたが、
これを確実に避ける方法があります。
エンドボルトを締めこむ前に 切り欠きを 確実に はめ込めばいいだけです。
エンドボルトの締め込みで圧入しようとするから おかしいことになるのです。

DSC09827msn3.jpg
↑フリー側のシールは こんな感じ

DSC09828msn3.jpg
DSC09829msn3.jpg
吊るしではありえないくらいに リムがずれていました。
低テンション側である反フリー側の増し締めのほうが楽なので、
そちら側だけで増し締め傾向の振れ取りをして
最後にセンターゲージを当てていないといった感じです。
といっても お預かりした時点では振れが無かったわけではなく、
そこかしこに 左右ともに振れがありましたが。

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このホイール、スポークヘッド側に 回り止めの機能がないので
スポークの扁平加工の向きが回ってしまうことがありますが、
とくに反フリー側でそうなりやすいところ
上の画像のように フリー側でも ほぼ真横を向いているスポークもあるくらいで
半分以上のスポークが 修正を要する程度には回っていました。

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DSC09833msn3.jpg
ほぼフリー側の増し締めだけで 横振れ取りをしました。
センターずれは減っていますが、これだけで消すのは無理でした。

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DSC09835msn3.jpg
さらに フリー側だけの増し締めでセンターを出しました。
この後輪は左右異径組みではありますが、
反フリー側を少しでも ゆるめると スポークが劇的にヌルくなります。

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つづいて前輪。

DSC09837msn3.jpg
こちらも振れ取りの前に ハブのオーバーホールをします。
元の状態は回転がスムーズで、横ガタはありませんでした。

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フロントハブシャフトは、リヤとは違い切り欠きは1ヵ所です。
そしてこちらも 角がナメていました。

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ダストキャップ側にも エンドボルトによる圧入の痕がありましたが、
大きなカエリは出ていないので

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位相を合わせた はめ込みに 問題はありません。

DSC09836msn3.jpg
時系列が戻りますが、前後ハブとも
シマノのプレミアムグリス(旧名:デュラエースグリス)とは違う
グリスが使われていました。
稠度的には非常にゆるく、回転の軽さだけなら シマノのグリスより軽くはなります。
ベルハンマーのものかもしれません。
非純正のグリスによるカスタムチューン!以前に
覚えることが多々あるような気がしますが。

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DSC09843msn3.jpg
センターずれがありますが、
都合のいいことに 振れも そこそこありました。

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「センターずれが減る方向の増し締め傾向で振れ取りすれば
センターも ついでに出るんじゃね!?」が
いい感じで出来ました。

category: のむラボ日記

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レーシングスピードXLRさん  

お客さんから レーシングスピードXLRをお預かりしました。
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ボーラでいうとウルトラに相当するモデルで、
カーボンハブ胴で CULTベアリングのモデルです。

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新品ではないのですが、チューベラーテープで使っていたようで
外周側は非常にきれいです。

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内蔵ニップル時代のボーラとレーシングスピードは
構造上 サンドイッチされているケブラーが リム穴から見えています。

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DSC09867amx13.jpg
センターずれ無しでした。かすかに振れがあったので
探せば紙1枚くらいのセンターずれがある位相が見つかるかもしれません。
振れ取り後にセンターずれが無いのを確認しています。

DSC09868amx13.jpg
つづいて後輪。

DSC09869amx13.jpg
ラチェットの爪周りが 脱脂でもしたかのように
(実際は単なるグリス切れでしょうが)カラカラで
ラチェットの音も高く うるさかったので、
グリスを差してから フリーボディを組み付けました。
書き忘れてましたが 前後ハブとも
CULTの当たりが出かかっている状態だったので
ガタが無いのを確認した以外のことはしていません。
このまま使えば 回転が もっと軽くなります。

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暫定センタードンピシャで、あちこち振れ取りをしていたら
センターずれが出たので 最後に それを直しました。

category: のむラボ日記

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R-SYSさん  

ドリルがうなる!
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お客さんから R-SYSの前輪をお預かりしました。
上の画像の時点では すでにハブシャフトを抜いて
スポークを1本 外していますが、

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ニップルが リム穴との境目部分で破断して

DSC09660msn3.jpg
残りが リムに残った状態になっていました。
お客さんの近所の マヴィックを取り扱っているショップでは
技術も知恵もやる気も無いので直せないと言われたうえ
新しいホイールを売りつけようとしてきたそうです。
まあ 何十人かに同じことを言えば それなりの割合で
新しいホイールを買う人もいるだろうからな、
しょーもない商売してんな 本当に。

DSC09662msn3.jpg
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はい 外せました。私の勝ちです。
固着さえしていなければ 外せると思っていました。

元の穴径に近い径のドリル刃で、
かつ リム穴のねじ山に一切かからない径の穴を
ある程度 切り進めてから ニップルがゆるめ出される方向で
「押し9:回転1」くらいの感じで押し回しして
ニップルを回収しました。
難しいのは、リムの内周側からだと
ゆるめるためのドリル刃の回転方向が
切り進む(穴をあける)方向と どちらも時計回りで同じだということです。
ニップルにあけた半穴の内径と ドリル刃の外径が同じなので、
ドリル刃を かすかに傾けて面圧を稼ぐのも意識しました。

DSC09664msn3.jpg
お客さんの近所のショップでは
R-SYSのスポークを なぜか用意できないらしいです。
廃版なのか 嘘をついているのかは知りません。
当店はマヴィックを取り扱っていないので。
しかし なぜかあるスペアスポークで補修しました。
スポークヘッドとニップルのアルマイトの色は
元のホイールと違います。

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直りました。

category: ドリルがうなる!

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ニュートロンさん  

お客さんから ニュートロンの後輪をお預かりしました。
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知り合いに 後ろから ぶつかられたということで
スポークが1本変形しています。
目印のテープを お客さんのほうで貼ってありますが

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↑かわいい

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ニュートロンウルトラではないので リム穴間の切削が無く、

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ハブ胴がアルミ製で スポークは通しではなく 引っかけ式です。

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銀スポークの初代ニュートロンは しんちゅうニップルで
ニュートロンウルトラは アルミニップルですが、
黒スポークの後期型ニュートロン(これ)は アルミニップルです。

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直りました。

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↑交換したスポーク

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スポーク首下の専用ワッシャーは、
使いまわしても よかったのですが

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在庫も潤沢にあるので 交換しました。

category: のむラボ日記

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レーシング3さん  

お客さんから レーシング3の後輪をお預かりしました。
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スポークが1本とんでいますが、ワイヤーロックをかけたまま
発進したためとのことです。

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フランジ穴が えぐれていますが、外側だけで
首下は ほぼ変形していないので スポークの補填で直せます。

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↑他のフランジ穴

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新品のスポークと並べました。
首下付近で えげつなく変形しています。

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直りました。

category: のむラボ日記

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レーシング3さん  

お客さんから レーシング3の後輪をお預かりしました。
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↑画像ほぼ12時の向き、スポークが1本 異常に細く見えるのは
テンションを抜いて横に向けたからです。

このレーシング3、コスメチック的には 初代ではないですが
スポークの太さなどの仕様は初代レーシング3(→こちら)と同じものです。
このモデルの時点では レーシングゼロも出ていますが、
真の初代レーシング3の時点では
ラインナップは レーシング1・3・5の 3つのみでした。
レーシング1のアルミスポークは(当時はネクタイ形状のもでしたが)、
スポーク比重でいうと CX-RAYより やや大きく、
CXスプリントよりは小さいというものですが
テンションを張った状態でのスポークの変形しにくさ、
ホイールの硬さはスポーク比重100%のスポークよりも はるかに上です。

つまり、レーシング1と同じリムで
チャンピオン(スポーク比重100%)や CX(同100.3%)を使って
16Hのラジアル組みの前輪や21Hの2:1組みの後輪を
テンションを目一杯に張って組んでも、
レーシング1より硬いホイールを組むことは不可能ということです。
というかそれが出来るなら そもそもフルクラムは
アルミスポークのホイールを作りません。
このへんのことを まったく理解できず、
アルミスポークは物性的には意味が無いなどと
ほざいていたアホが過去にいましたが、行方不明になりました。

当時のフラッグシップモデルのレーシング1に対して
スチールスポークの廉価モデルを作るとして、
スポーク比重のほうを合わせれば
「持ったときの重さ」は近いものが作れます。
これは これ以降のモデルでやっていることで、
CX-RAYよりやや重い スクエアエアロスポークで組まれています。

そうではなくて、及ばないながらも硬さのほうで
レーシング1に近づけようというのが
この初代レーシング3です(たぶん)。
持ったときの重量という蒙昧な素人を簡単に釣れるスペックに拘らない
このホイールは、スチールスポークの完組みホイールの歴史上
最高傑作ではないかと個人的には思っています。いやマジで。

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反フリー側のスポークが1本 ベコベコに変形しています。

DSC09854msn3.jpg
初代レーシング3のスポークなら在庫を常備してるぞオラァ!

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色を間違えた こっちだった

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直りました。

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DSC09857msn3.jpg
↑交換したスポーク

category: のむラボ日記

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レーシングゼロ 2WAY-FITの前輪のリムを交換しました  

今日もホイー(以下略)。
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お客さんから レーシングゼロの前輪をお預かりしました。

DSC09848msn3.jpg
↑バルブ穴が腐食で広がってしまったので リムの交換をご希望です。
実際に チューブレスタイヤが使えなくなっているとのことで、
「バルブ穴付近のみ チューブレステープを貼ればいいのでは?」
という提案も させてもらいましたが リムの交換をすることになりました。

DSC09551msn3.jpg
↑これは のむラボホイール5号のリムですが、
しんちゅうバルブとの電位差が要素として大きいのか
バルブ穴付近にのみ顕著に(リム穴は そうでもない)白錆びが湧きます。

DSC09849msn3.jpg
リムを振ると、小石か金属片のような
硬質な異物が入っているかのような音が たくさんしていたので
振って取り出しましたが、実際に入っていたのは
軟質なシーラントのカスでした。
シーラントの水分も腐食に関わっているのかもしれません。

DSC09235amx13.jpg
↑2WAY-FITのスペアリムには
チューブレスバルブが付属しています。
画像上はC17リム時代のもので 下はC15リム時代のものですが
各々の時代に合ったチューブレスバルブが付属しており、
C15はしんちゅう製バルブで根元のゴムが四角いもの
(カンパニョーロでいうとWH-SH001)、
C17は黒アルマイトされたアルミ製バルブで
根元のゴムが丸い(カンパニョーロでいうとWH-SH101)が
付属しています。

WH-SH101は 名目上はC17リム用となっていますが、
それに特化した形状というわけではなく
その時期が初出というだけなので C15リムにも使えます。
また スタンズなどにもアルミ製チューブレスバルブがありますが、
それを DTのアルミリムとシーラント入りで使っている 私の経験からも
アルミ製バルブのほうが電位差による腐食が出にくいのではと思われます。

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DSC09851msn3.jpg
リムを交換しました。

DSC09852msn3.jpg
固着予備軍ニップルが非常に多かったのですが、
スポークヘッドが引っかけ式なので
半周ほどに渡って ゆるめるられるニップルだけをゆるめると
ハブを抜き取るように 外せます。
それ以降のスポークテンションから開放された状態だと
ゆるまない理由から スポークテンションの要素が除外されるので
ニップルが回しやすくなるのですが・・・。
どうしても 固着しているニップルが3つあり

DSC09853msn3.jpg
ひとつは わざと ひねり切ってみました。

category: のむラボ日記

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WH-RS80の材料でホイールを組みました(後編)  

今日もホイー(以下略)。
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WH-RS80-C50の材料で後輪を組みました。

DSC09783amx13.jpg
ニップルをボーラ用のもので組んだ以外は
ふつーに組んでいます。

DSC09784amx13.jpg
純正の状態では 最終交差は編んでいませんが、
それも同じくしています。
フリー側のスポークの番手を変えたり
反フリー側を編んで結線したりすれば
もう少し硬くはなりますが、そういうのは
すでに注文をいただいている
のむラボホイールのほうでやることにします。

それとの落差を大きく見せるために
こちらをヌルく組んだりなどは 誓って していません。
限度はありますが、可能な限り張りました。

category: のむラボ日記

tb: 0   cm: 0

エカルのクランクセットを買いました  

現在 私が常用している ほとんどのバイクは
フロントシングルスピードです。
少し前に シマノのGRXが出たときに
クランクセットだけを買おうと思ったのですが、やめました。
DSC09752amx13.jpg
↑これはFC-R9100Pですが、
7800系以降のフロントダブルのロードクランクで
105以上のグレードのものは
シマノのカタログにある「Qファクター」なる数値が
一貫して146mmとなっています
(フロントダブルでもティアグラやCX50などは150mm)。

DSC09753amx13.jpg
このクランクを、フレームに通さずに
ガタ取りの調整幅を全て圧縮して
左右クランクの位相を同じ向きにして 幅を測ると・・・

DSC09754amx13.jpg
ごめんさっきFC-R9100Pとか書いたけど
Pは パイオニアのPやったわ

DSC09755amx13.jpg
144mm弱となります。

DSC09756amx13.jpg
私が(勝手に)定義している「Qファクター」とは
「左右クランクの ペダルと接触する面同士の幅」です。
なので このヌスミ寸法の分も 先ほどのノギスの幅から引かれます。
BSC規格のBB幅は公称68mmですが、
実際は68.2mmくらいであることが多く
68mm未満ということは めったにありません。
多くのBSCのフレームで 105以上のグレードの
ホローテックIIのクランクを取り付けた場合の、
私が定義するところのQファクターは147.5mm前後になります。

それに対するシマノの公称値は 先ほど書いたように146mmですが、
これがGRXのクランクセットの場合 RX810系とRX600系、
フロントダブルとシングル、11S用と10S用の全てで
公称値が151mmとなっています。
なので 私が定義するところのQファクターでは
152.5mmくらいになると考えられます。
これがGRXのクランクを買わなかった理由です。

DSC09757amx13.jpg
カンパニョーロのウルトラトルクのクランクセットですが、
カンパニョーロの言うところのQファクターは
一貫して145.5mmです。
最近のクランクアームには この表記はありませんが、
カタログには145.5mmとあり 昔と変わっていません。

ごく最近 カンパニョーロから「エカル」という
1×13Sのグラベル用コンポが出ましたが、
これのフロントシングルギヤのクランクセットが
ロードと同じく145.5mmだというので

DSC09758amx13.jpg
個人的に買ってみました。

DSC09759amx13.jpg
エカルのロゴの Eの部分、
1Ξの形が13Sを表現している気がします。

DSC09785amx13.jpg
↑ちなみにこれはエカルではなくカエルです。

DSC09762amx13.jpg
DSC09763amx13.jpg
ペダル穴周りに、取り外し可能なバンパーが付いていましたが

DSC09764amx13.jpg
これの端の部分が微妙に曲線になっていて、
後日 外したときに この境目で小傷の有無が くっきり分かれると
むしろ目立つような気がしたので 使わないことにしました。

DSC09767amx13.jpg
左右クランクアームの位相を同じにして
フレームに通さずに組み付けました。
シャフトの部分にプロテックとあるのは、
防塵目的のリングが接着されている専用ベアリングのことで、
BBカップも プロテック専用品が必要になります。

DSC09768amx13.jpg
DSC09769amx13.jpg
外~外の幅は146mm弱といったところです。
これも実際に組み付けると かすかに広がり、

DSC09770amx13.jpg
ペダル取り付け部分にヌスミ寸法が無いことから
Qファクターは シマノと大差ありません。

私がロードバイクに組み付けているフロントダブルのクランクのうち
最もQファクターが狭いのは135.4mmです。
左右均等でなくていいなら133.4mmにも できます。
フロント変速に関わるチェーンラインは大いに狂っていますが
変速に支障はありません。
チェーンリングが内側すぎて インナー×トップ付近だと
チェーンがフロントメカの羽根に カリカリと擦りますが
そのあたりは使わなければいいだけです。
ちなみにデュラエーストラックのクランクの公称値は136.3mmです。

DSC09771amx13.jpg
今まで使っていたクランクは
グレード外グレードの165mmクランクです。
この時代のカーボンクランクは、コーラスに比べて
レコードのほうが クランクアームの左右幅が広くて 厚みが薄く
アームの中央にかすかながら リブ状のふくらみがあります(後述)。
これは当時のコーラスと同じ仕様のクランクアームなので
幅がやや狭く 厚みはレコードより厚くて リブがありません。
純正で付属しているチェーンリングの仕上げはレコードと同じなので
「コーラスのクランクアームに レコードのチェーンリングを取り付けて
長さを165mmにしたもの」といった仕様になっています。

コンパクトギヤではないほうなので
PCD(BCD)は135mmですが
DSC09772amx13.jpg
これに合う ナローワイドのチェーンリングというのが
ほとんど作られておらず、私も2つのメーカー/ブランドしか知りません。
コンパクトギヤとなると カンパニョーロの場合
「PCD110mm、ただしクランクアーム裏の1ヵ所のみ113mm」
という ややこしい規格で、ダブル用ギヤの社外品は 少しはありますが
ナローワイドのチェーンリングは おそらくありません
(110mmの5アームを加工するという手は ありますが)。

上の画像のチェーンリングですが、安い処理のアルマイトなので
本来 黒であったのに ブロンズ色に褪せています。
安いクロスバイクなどに付いているステムやシートクランプが
これと同じように退色したのを見たことがある方も多いかと思います。

DSC09774amx13.jpg
↑裏側は日に焼けていなので 黒いままでした。

DSC09775amx13.jpg
画像ではエカルのほうが短く見えますが 同じ165mmです念のため。
ベアリングを抜いた状態での重量差は
左クランク単体同士ではエカルのほうが17g軽かったものの
左右クランク+チェーンリング+ボルトでは33g増となりました。

DSC09766amx13.jpg
エカルのほうが チェーンリングが厚くて堅牢なので、
右クランクセットが50g重たい理由の大半は
チェーンリングの重量差だと思われます。

DSC09765amx13.jpg
裏側から。
FC21は2021年モデル、EK13はエカル13Sという意味です。
チェーンリングの歯数は 46Tにしたかったのですが、
ラインナップが38・40・42・44Tという展開なので 44Tにしました。
現状 スプロケットは11-28Tか11-30Tを使っていますが
フロントダブルで インナー39Tだった場合での単純なギヤ倍数と比較すると
44×28Tが 39×約24.8T、
44×30Tだと 39×約26.6Tとなります。
39×25Tあたりが取れていれば
普段 走っている範囲では とくに困りません。

エカルをフルコンポで導入する場合(というか普通はそういう形になるでしょうが)
N3Wという新規格の13S用フリーボディと
それに対応した13Sスプロケットを使うことになりますが、
その歯数の展開が9-36T、9-42T、10-44Tの3種類となっており
フロントギヤの歯数が38~44Tでも 十分にギヤ倍数が大きい
アウター×トップが得られるようになっています。

DSC09781amx13.jpg
フレームチューブが細いので似合わない、ということを差し引いても
こーゆー平べったい見た目のクランクが あまり好きではないのですが、
現行品だとエカルに限った話ではなく レコードも だいたいこんな感じです。

おまけ
DSC09776amx13.jpg
↑これはグレード外の165mmクランクと、
それより前の年代のレコードのクランクです。
レコードのほうが長いのは、この年代だと
170mmが最短長さなので当たり前のことです。

DSC09777amx13.jpg
見た目では分かりにくく
触ると すぐに分かりますが、

DSC09778amx13.jpg
レコードのクランクアームは かすかながら
中央にリブ状のふくらみがあります。

category: Qファクターの話

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