ゾンダDBのハブとレーシング3DBのリムで前輪を組みました 
2021/02/26 Fri. 23:19 [edit]

お客さんから レーシング3DBの前輪をお預かりしました。
ローター台座はセンターロックですが、
シマノ始め たいていのメーカーのロックリングは「おねじ」、
つまり中空ボルトの形式になっています。
これは 使用する工具が外締め式でも内締め式でも変わりません。
これが、フルクラムのディスクブレーキ用の完組みホイールでは
ロックリング側が「めねじ」、つまりナットの形式となっており
使用する工具は外締め式に限られます。
ハブ体と合わせて設計された構造なので、
付属のロックリング以外は使えません。

で、そのハブ体の おねじ側のねじ山をナメてしまっています。
ローターが固定されることなく 永久に回るので、
ホイール自体が使えなくなっています。

↑削れカスがダストシールの部分にも飛んでいました。
このホイール、今のオーナーが やらかしたのか
別の人がやらかしたのを安く買ったのかなどの事情は知りません。
これをなんとか使えるようにするための提案として、
シマノのRS770ハブの28Hを 右側穴飛ばしの
21Hハブとして扱うことで組み直すことは可能だと
お客さんに提案しました。
28Hハブで21Hリムを組むのとは逆の、
21Hハブで28Hリムを仕方なく組んだ例は
(→こちら)や(→こちら)などがありますが、
まあ同じようなものです。
リム穴と違い、余ったハブフランジ穴は
ふさぐ必要が無いという点が違うくらいでしょうか。
ちなみに この提案をするのは、前輪の場合だけです。
片側7Hが首折れスポークだというだけでも怖いのに、
後輪の場合 7Hラジアル組み側にローター台座があるので
避けたほうが無難です。
RS770ハブは、ハブ体の設計がCX75ハブの流れを汲むので
フランジ穴がスリット付きです。左右逆異径組みをするとして
7H側にサピムのCXなどを使うことも可能ですが
CXは黒の安定供給が無く、
銀でも すぐに入手できる長さが限られるのが問題です。
という時点で話が止まっていたのですが・・・


先日 お客さんのほうで「逆にリムのほうがイカれた
ゾンダDBを手に入れたのでニコイチしてください」とお願いされました。
あばっばばああばあっばっばああばあ
無茶振りが過ぎるぞ!
仮に 先に「ゾンダDBのハブで組めますか」って訊いてくれれば

↑「フルクラムの2:1とカンパニョーロのG3では
位相が合わないので出来ません」と断るところです。
いや、しかし買ってしまったものは仕方が無い、
コンコルド効果みたいなものですが ここまで来て結果を出さないのも
もったいないので やってはみます。
ゾンダDBとレーシング3DBですが、
ハブもリムも わりと別物だということが分かりました。
まあ カンパニョーロとフルクラムは
全く無関係な別のメーカーですからね(建前)。

レーシング3DBのハブです。リムブレーキモデルにもある
アイスクリームをスプーンですくったような肉抜きがあります。

ゾンダDBのハブです。
これは たまたま6ボルト仕様ですが
センターロック仕様も存在します。
回転がゴリゴリしていると お客さんから指摘がありましたが
玉当たり調整を締めすぎていただけでした。


レーシング3DBのハブは、スポークの首下から ある程度まで
直線を要求する構造になっています。


これがゾンダDBでは、スポークヘッドが
フランジの端ギリギリにあるような構造のため
首下の角度振りに 若干の余裕があるように見えます。
これは大きい。
今回の件は たまたま都合がいいほうですが、
ゾンダDBハブで レーシング3DBリムを組むことは出来そうです。
もしこれが逆だったらどうするか?ですが、
材料を買ってしまってるんだから組むしかねーだろということで
結局 組んでいる気がします。

ゾンダDBを丁寧にバラしました。

リムがイカれた件の際に落車しているようで、
右側(7本側)のスポークに傷があったり

曲がったりしています。

↑ゾンダDBの右側7本

うち2本は 再使用不可でした。

↑これはレーシング3DBの右側7本です。

↑画像左がレーシング3DB、右がゾンダDBですが

レーシング3DBのほうが スポークのバテッド部分が太いです。
ゾンダDBは、左右同径組みでした。
初代ゾンダDBは左右逆異径組みだった気がするのですが、
カタログ上で初出の2017年モデル
(ゾンダとボーラワンで DB仕様が出た)から
左右とも2.0-1.6-2.0mmとなっていました。
レーシング3DBですが、フルクラムのカタログでは
左右逆異径組みについて 一切 触れていません
(日本語以外の言語のカタログでも調べてみました)。
レーシングゼロDBのアルミスポークでは
横から見た幅が左右同じながら 少スポーク側のほうが
前後輪とも厚みが厚いという 手の込んだことをしていますが、
それについても触れていません。
レーシング3DBの少スポーク側は 2.0-1.8-2.0mmで、
コンペと同じ寸法です。
レーシング3DBの多スポーク側と ゾンダDBの左右は
2.0-1.6-2.0mmですが、
これは レボリューションやレーザーのバテッド部分1.5mmより
かすかに太く、おそらくは丸断面スポークで
うにょーんを起こさないギリギリを攻めているのだと思われます。
スポークの材質に関わらず ディスクブレーキ用のホイールを
左右異数組みのカウンターで左右逆異径組みしている
フルクラムのほうが、理屈的には進んでいます。
カタログに表記もないので、レーシング3DBの所有者が
左右でスポークの番手が違うことに
一生 気が付かない可能性もあるのに
わざわざ こんな手の込んだことを やっているところが すごいです。


↑レーシング3DB


↑ゾンダDB
ハブの違いですが、対応しているスルーアクスル径が
レーシング3DBでは15mm径までであるところ
ゾンダDBでは12mm径までとなっています。
エンドのパーツの交換で、レーシング3DBのほうは
BOOST規格でない29インチMTBに取り付けたり
フロントフォークが100×15mmになっている
過渡期のシクロクロスで使える可能性があります。
無理やり ひねり出した使用例なので
そんな運用は まず されないと思いますが。

↑レーシング3DB

↑ゾンダDB
リテーナーの鋼球の数は同じです。
ハブ体に圧入されているワンの直径も同じでした。

が、ハブシャフトの径が違うので 玉押しの形状が異なります。
上の画像では 下側で端をそろえているので
パーツの外径の違いが分かりやすいですが

リテーナーの鋼球に当たる部分の幅は同じです。
レーシング3DBのハブは お客さんにお返ししますが、
ゾンダDBの補修に使えるものと そうでないものがあるというのを
書きたかっただけです。

ニップルは16.5mm長さのアルミニップルで、
破断しにくいように 汎用ニップルより対応するリム穴が大きく
工具でナメにくいように つかみしろが
4mm(3.95mmとの表記もあり)対辺の四角になっています。
あと、外周側に ゆるみ止めのナイロンが埋め込まれています。

↑ねじ山部分の長さが短いのがCX-RAYで、
4mmほど長いのがゾンダDBとレーシング3DBのスポークです。
この長さの差で、完組みのほうのスポークは
青いナイロンにねじ山が届くようになっています。
先ほどの完組みニップルですが、汎用ニップルに対して
ねじ山始まりが早く(歯周ポケットが浅く)、
汎用ニップルよりも ねじ山部分が やや内周に寄っています。
完組みニップルと汎用スポークの組み合わせでは、
スポークの端はナイロンに届きません。
が、普通のニップルと同じ程度の山数の
ねじ山の噛み込みは確保できるので 問題なくホイールは組めます。
ねじ山には ねじ止め剤を塗布しますが、
それは汎用ニップルでも同じことです。
なぜ こんなことを書いているのかというと、
ゾンダDBとレーシング3DBでは リム高やハブ寸法や
(多スポーク側では)組み方の違いで
スポークの長さが違うわけですが、
ゾンダDBハブとレーシング3DBリムの組み合わせだと
スポークカット無しには組めないことが分かったものの

この丸断面スポークはねじ山始まりの少し手前に
「供回り止め工具でつかむための平面」があるために
加工が出来なかったので 汎用スポークで組んだからです。

これはフルクラムの純正工具で、


↑これくらいの範囲が つかむ為の平面になっています。

組めました。

黒CXスプリント/CX-RAY逆異径組みです。
念のため書いておきますが CXスプリントが7本側です。
カンパニョーロのロゴがあるハブと

フルクラムのロゴがあるリムの組み合わせが
背徳感あふれてて たまらねえぜ。フヒヒ。

タンジェント側(左側)の最終交差について
編む 編まない、または編んだ場合 結線するかどうか
お客さんと相談しましたが 編んで結線するということになりました。
汎用の材料なので今後 修理する場合があっても簡便です

当初は 純正のスポークで
なんとか組もうとしたのですが無理でした。
上の画像は第2案、左側のスポークをCXスプリント、
右側をレーシング3DBのコンペ相当で組もうとして
スポークを変えている最中で、
画像右側の最終交差の2本がエアロスポークになっています。
これも結局 無理で、第3案の右側14本CXスプリント
左側7本CX-RAYが結論になりました。
何から何まで違う レーシング3DBとゾンダDBですが、
リムも けっこう違います。
ゾンダDBはチューブレス非対応のC17リム、
レーシング3DBは2WAY-FITのC19リムなので
リム重量に関しては レーシング3DBのほうが不利ですが、
各部で厚みを変えた形状や 肉抜きを相当に頑張っていることから
実際の差はそれほどでもないというところまで
持ってきている感じがします。
まあ実際は重量を量ったので 結果は知っているわけですが、
もちろん教える気はありません。
ていうか これ それぞれのリムの単品としての重量だけでも
そこそこおいしい情報やんけ なんで教えなあかんねん。
↑うわ こいつかんじわるい

オ待タセシマシタ!先日ノENVE(2月20日)ト
出囃子ノ画像ヲ 使イ回シテイマス!
ENVEノ次二 ぞんだDBト れーしんぐ3DB二
取リカカッタワケデスガ、イロイロ苦戦シタノデ 遅レタワケデスネ!
ソレハトモカク コチラの画像ヲ ゴ覧クダサイ!

ぞんだDBデス!

れーしんぐ3DBデス!
かんぱにょーろ/ふるくらむノ りむハ
前後デ りむ高ト 重量ガ 結構 違ウノデ、
同ジ側(今回ハ ふろんと同士)デナイト
比較ニナラナイ点モ ゴ留意クダサイ!
↑やーめーろー!
category: のむラボ日記
ストライクSLGさん 
2021/02/25 Thu. 23:37 [edit]

お客さんは このホイールの最初のオーナーではありません。
まずは前輪から。

振れ取りごっこによって スポークがねじれています。
これの交換をしつつ 点検もご希望です。

また別に1本、復元できない程度に
ねじれがあるスポークがありました。
これも交換します。

直しました。

青いテープを貼った2本がスポークを交換した箇所です。
この位相の縦振れを取ろうとしたようです。
白いテープを貼っているスポークは、
他の箇所のニップルが 3/16インチ対辺の六角ニップルであるところ
3.2mm対辺の四角ニップルになっていたので
他の部分と同じニップルにするために 一旦ゆるめたことの目印です。


↑交換したスポーク

つづいて後輪。
このホイールの現オーナーは のむラボホイール1号を所有していますが、
まだ黒結線が出来なかったときのものなので
後輪は結線をしていません。
その結線無しの1号の後輪よりヌルいということで組み直しをご希望です。
擁護になるかどうかは不明ですが、
このホイールでも FF山口のF4Rよりはカッチリしているとのことです。
このストライクをお預かりしたときに
のむラボホイール1号の振れ取りもしていますが、
そのときに後輪の結線をしています。
上の画像、反フリー側のスポークが2本抜けているのは
先ほど前輪の補修に使ったためです。

先日のAR58と ほぼ同じリムですが、
内周側にある突起「スワールリップ」がAR58にはありません。
あと違うところは ニップルが外出しか内蔵かくらいでしょうか。
このストライクはシリアルナンバーが
「HZ~」から始まる おなじみのものですが、
先日のAR58はシリアルナンバーの形式が少し変わっていたので
AR58のほうが あとの年代のモデルであることは間違いありません。

このハブはレイノルズオリジナルのハブ、
これより前の年代がDT製、それよりさらに前だと
また別の製造元でのオリジナルハブとなりますが、
その先々代のレイノルズの後輪で 反フリー側ラジアル組みながら
コンペ/エアロライト(約20%の左右差)で組まれていたものがあり
左右異径組みをしていました。
この後輪は コンペ/エアロコンプなので 約8%差、
わずかながら 左右異径組みではあります。
ホイール単体の理屈では 反フリー側がエアロライトのほうが
いいかと思いますが、今回はエアロコンプで助かりました。
前輪のラジアル組みがエアロコンプで組まれていて、
長さも同じだったからです。
反フリー側のスポークは 前輪の補修用に きれいにバラして残し、
フリー側はテンションを抜いてから切って捨てました。

というわけで今日もホイー(以下略)。

エボライトハブ20H 黒ストロング/CXスプリントヨンヨン組み結線ありです。
エボライトハブの20Hは廃版ですが、
これはお客さんの お持ち込み品です。

チューブレスレディリム、とくにハンプがあるものには
ストレッチバンドタイプのテープは不向きだと
いつも書いていますが、幅が合っていて
リムの形状に沿う程度に柔軟であるならば
使えるものが無いわけでは ありません。
前輪には純正のバンド式リムテープが張ってありましたが
リムの外周部が露出している位相はありませんでした。

後輪はシュワルベのリムテープが貼ってありましたが
これ、実はテープタイプです。
硬くて伸びないのに 圧に負けて真ん中の凹みに引きずり込まれており、
端のテープが効いていない部分が 右に寄ったり左に寄ったりしています。
そもそも幅も合っていませんが。
ホイールの組み換え後は スタンズのチューブレステープにしました。
今回のストライクSLG(スワールリップジェネレーター)ですが、
仮に リム重量を量っていた場合、AR58と比較して
SLGの部分による顕著な重量差が
あるのかどうか知ることができます。
まあ「仮に」じゃなくて重量は量っていますが、
教える気は さらさらありません。
↑うわこいつかんじわるい

オ待タセシマシタ!コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!

すとらいくSLGデス!

先日ノAR58デス!
探ス手間ヲ オ掛ケシナイヨウニ 並ベテオキマシタ!
↑やーめーろー!
category: のむラボ日記
CLX50さん 
2021/02/24 Wed. 06:04 [edit]

リヤメカのプーリーケージが突然はじけて、
そのショックでチェーンがスプロケットの内側に落ちて
スポークが曲がったとのことです。

外側の反ヤマアラシさん方向のスポーク7本すべてに
程度の差はあれ 擦った跡や 変形や
チェーンの噛み込みによる えぐれがありますが、
要交換だと 私が判断したのは 上の画像に移っている範囲の3本です。


直しました。

↑交換したスポーク
3本ともの画像中央にある塗装のかすれは
最終交差の編んでいた部分で、
このあたりは変形が無く平行になっていますが

↑全体だと こんな感じです。

↑スポークヘッド付近



今回のCLX50の後輪の 相方の前輪と、
完成車のおまけで付いてきた
CLX64の前後輪も点検していますが、
いずれの前輪もベアリングの回転が ゴリゴリになっていました。
CLX50のほうはハブシャフトを手で回そうとすると
金庫のダイヤルのような手ごたえがあったくらいです。
いずれも 外側に黒シールが向いていて、内側は青シールでした。
黒シール側の外輪に セラミックスピードの61802とありますが、
サイズは汎用規格の6802と同じものです。
これはカンパニョーロのフリーボディに入っている
6902より小さいサイズ(内径は同じ・外径が小さい)で
ハブ体のベアリングを圧入するスペースからしても
不自然に小さいサイズのベアリングです。
CLX64の前輪のほうは完成車(新車)のおまけに付いてきたもので
お客さんが最初のオーナー、つまり使用歴は完全に把握しているわけですが
横風に弱いのとリムが重いというので ほとんど使っていないとのことです。
それでベアリングがイカれるというのは、原因はひとつしかありません。
スルーアクスルの締め過ぎです。
レバー部分が倒しこみのクイックタイプではなく
単なるねじ込みのスキュワータイプだそうで、
これは必要十分に締まっているところから
まだまだ締め込めるものが多いので、
従来のクイック式のハブに対してスキュワーを使うことで
カートリッジベアリングの内輪だけを過度に締めて
中身を急速に傷めるという事例と同じことが起こりえます。
ベアリングは、鉄球ベアリングで補修しました。
category: のむラボ日記
レーシングゼロ カーボンさん 
2021/02/23 Tue. 23:16 [edit]
レーシングゼロカーボンの点検を2件していますが、

そのうち1件で スポークの変形があったので
交換することになりました。
1ヵ所 顕著な振れがあり、
その直下のスポークを触ったところ見つけた次第です。

↑これはテンションを抜いてある状態なので
見た目に分かりやすくなっています。
外的な力によって変形しているのは間違いないですが、
お客さんのほうでも覚えがあるとのことです。

黒ニップルの場合、ゆるみ止めのナイロン付きの
後期型ニップルだと思うのですが
パリパリ系ねじ止め剤も差してあって
「1500kmほどの使用歴」にしてはニップルを回すのが 固めでした。

直りました。

修理ついでに おしゃれ泥棒をしてほしいと言われたので、
曲がったスポークは右側ですが
バルブ穴隣かつ左側のスポークを赤にするので
そこにあった黒スポークを補修に使い
赤スポークを新規に補填しています。

↑交換したスポーク
前後方向の変形は ほぼ無いので、
曲げ直して使い回すことも ギリギリ可能な感じです。
スペアスポークの在庫が無い場合には
それで対処(後日 新品に交換することもしない)したかもしれません。
当店で このあたりのホイールのスペアスポークの在庫が無いということは
現状ほぼ ありえないのですが。
category: のむラボ日記
オープンプロCDセラミックリムの後輪を組み直しました 
2021/02/23 Tue. 22:44 [edit]

昨日の続きです。
オープンプロCDセラミックリムの後輪を組み直します。

FH-7700 32H 15番プレーン真スターブライト(磁石に めちゃ付く!)
ロクロクイタリアン組みです。
ニップルは星のしんちゅうで、3.4mm対辺のものです。

これも 昨日のフロントハブと同じく、
反ヌポークの穴に ヌポークの引っぱり痕があります。
これを読むと このハブでのこれ以前の組み方もイタリアン組みでした。

時系列がとびますが、ホイールをバラしたあとのハブフランジです。
ヌポーク穴の位相が1つずれているので
全てのフランジ穴にヌポークの跡があります。
新鮮なフランジ穴に首下をかけるために
わざわざ こうしたのかどうかは不明です。

スポークの長さは 左右とも合っていました。
エト足(※)のような3つ(すり割りと位相が合った場合は2つ)の
突起があるのは 15番ニップルだという目印です。
※腕時計の文字盤の裏にある位置決め&固定用の突起のことです。


前輪と同じくセンタードンピシャで ほぼ振れ無しでした。
反フリー側がヌルい気がしたのですが、
それは左右同径同本組みで しかも細い丸スポークだからであって、
フリー側は なかなかに張ってあります。
つまり、与えられた条件下での ほぼ最高の完成度で組まれています。
これはこれでいいんじゃないの、別に私が組み直さなくても
という気がしないでも無いです。
スポークの番手と組み方を変えれば もっとカッチリと組めるのも事実ですが。

外周側に釘を踏み抜いたような穴がありましたが、
この位相のリム外幅に影響はなく、内周側に突き抜けてもいなければ
えくぼのような突起も無かったので とくに問題はありません。

組めました。

黒半コンペヨンロク組みです。
結線は あとでやります。

びふぉー

わーく いん ぷろぐれす

あふたー
組み直しによって フリー側のスポークは むしろ重たくなっています。
反フリー側は スポークの長さが長くなったことを含めても
かすかに軽くなっていますが 左右合計では ほぼ同じくらいなので、
組み直し前後の重量差の最大要素はニップルの材質の違いです。
結線をすると あと数グラムは重たくなります。
仮に、お客さんの希望が銀スポークで
真スターブライトが15番ではなく14番であったなら
6本組みから4本組みの長さに切り直して使っていたと思います。
category: のむラボ日記
AR58の後輪を組み直し直しました 
2021/02/23 Tue. 21:40 [edit]
それは別に組んでいるので ノーカウントでもいいです。

AR58の後輪を組み直し直しました。


組めました。結線は あとでやります。
詳しいことは書きません(書けません)。
category: のむラボ日記
オープンプロCDセラミックリムの前輪を組み直しました 
2021/02/22 Mon. 22:22 [edit]

お客さんからオープンプロのCDセラミックリムで組まれた
前後輪をお預かりしました。
今日触れたのは 前輪だけですが。

HB-7700 32H サピム15番レースロクロクイタリアン組みです。
これを黒CX-RAYラジアル組みで組み直してほしいとのことです。


センタードンピシャで、テンションも しっかり張ってありました。
ちゃんと組めています。ちょっと引いて撮っているのは
イタリアン組みの左右なので ヌポークの向きが違うというのを
画像に含めたかったからです。
振れも ほぼ無しでした。
私が 他人の組んだホイールを褒めているのを
珍しいと思う人もいるかも知れませんが、
褒めるのが珍しいのではなく
まともに組めているホイールが珍しいだけです。

反ヌポークヘッドに ヌポークの首下跡があるので、
この時点でも このハブに対する初めてのホイールではありません。

ニップルはサピムのものではなく、3.4mm角の しんちゅうでした。
すり割りと別に入っている120°位相ごとの線は
15番ニップルであるということを区別するための印だと思われます。

CDセラミックというのは、
まずCDというのがハードアルマイトカラーのことで

セラミックというのは
ブレーキゾーンのこの黒いザラザラした加工のことです。

化学式がレーザー刻印されている仕様は、
このリムに貼られているステッカーの年代のオープンプロだと
初期のものに限られます。
セラミック加工は CDアルマイトのリムに施されることが多いですが、
MACH2 CD2(マッハ ツー シーディ ーツー)というリムなどには
銀リム+セラミック加工というものがあります。
このリムに対して、かつてシマノでは
セラミック用ブレーキシューというものを
7700系デュラエースのキャリパーブレーキ用と
950系XTRのVブレーキ用で出していました。
合わせて使うと制動力が上がる、というよりは
雨天時の利きが 普通のリムとシューの組み合わせの
比ではないほど良い、といった感じの特性になります。
セラミックリム用シューを 普通のリムに使うのは
リムの摩耗が異常に早まるので推奨されていません。
セラミックリムに対して普通のシューを使うのは、
シューの減りが早くなるだけで とくに禁止はされていません。
もし現行モデルで近い性質のブレーキシューを探すなら、
スイスストップのBXPなどがいいかと思います。

組み直しました。

黒CX-RAYラジアル組みで黒アルミニップルです。
ハブフランジに第3の痕跡が付きました。
このハブは 実はラジアル組み禁止で、
シマノハブで公式にラジアル組みが解禁されるのは
7700系デュラエースのときの
105のフロントハブのHB-5500、
のロゴが変わったHB-5501、
のマイナーチェンジ版のHB-5501-Aが最初です。
が、これ以前の7400系デュラエースのフロントハブ HB-7400や
それと同時期の6400系600アルテグラのフロントハブ
HB-6400に18Hの仕様があり、
HB-7700にも18Hの仕様があることから
Ж組みしたとしても 3本に1本はラジアル組みを避けられません。
私も HB-7700の24Hでラジアル組みした前輪を持っていますし、
このハブやリムが出ていた当時は
完成車(とくに廉価~中堅モデル)に付属していたホイールは
まだ完組みではなく手組みが多かったのですが
4400系ティアグラや3300系ソラの32Hハブで
ラジアル組みしている前輪が散見されました。
何が言いたいのかというと、当時からして
みんな普通にラジアル組みをしてたってことです。

びふぉー

あふたー
お客さんから 組み直し前後の重量を
量っておいてほしいと言われていたので量りました。
これを以って「1割近く軽くなった!」ということで
組み直し後のホイールが より優秀だと言うつもりはありません。
当たり前ですが 組み直しの前後でリムの重量は変わっていませんし
(ニップルの材質違いによる外周部の軽量化は大きいと思いますが)、
持って軽いホイールが 必ずしもよく走るとも限りません。
むしろ普段 私が組み直しているホイールでは、
元より スポーク周りの重量が増えている場合のほうが多いです。
あと、上の画像は どちらも
スポーク飛散防止バンド抜きでの重量です。

15mm幅なので幅も合っていませんが、
某メーカーのスポーク飛散防止バンドが付いていました
(逆さに張ってあるのは最初からです)。
スポークテンションが張った状態で スポークを裁断すると、
始めのうちはスポークが リムの外側に向かって勢いよく飛びます。
それを避けるためというより、テンションを抜いておかないと
リムに対してダメージがあるので
(カーボンリムだとリム穴の部分が割れることもある)
スポークを切って捨てる場合でも
ニップルをゆるめてテンションは十分に抜いておきます。
それでも リムから切ったスポークがポロポロと落ちる・・・のを
防ぐのが このスポーク飛散防止バンドです。
それ以上の仕事をこれに対して期待してはいけません。
商品名に「リムテープ」とあるので
うっかり リムテープとして使う人が多々おられますが、
これは凹みを生じるのが非常に早く
内側パンクの原因にもなることも多いので
リムテープとして使ってはいけません。
商品名の中に「ライト」という文言もありますが
同じ幅のヴィットリアのリムテープと比べると1g強 重たく、
1gの差とはいえ 20gでの1gなので
5%の差と考えると大きいです。
しかもヴィットリアのほうはリムテープなので、
当然ですが 常識的な耐用年数があります。
おそらくですが、お客さんのほうで 私がホイールをバラすときに
飛び散ったスポークで目を突くなどのトラブルが
(テンションを抜かずにスポークを切ったとしても ほぼ起こりえない確率とはいえ)
起こらないように配慮して この飛散防止バンドを巻いてくれたのでしょう。
過去に いろんなお客さんのホイールで
同じ配慮(このバンドが付いていた)を受けていますが、
それは無用なので わざわざこのバンドをリムに付けてから
私にホイールを預けなくても大丈夫です。
そんなところに無駄金を使わないでください。
あ、幅が合っていないということもありますが
そうでなかったとしても このホイールには
「リムテープ」が付いていなかったので
ヴィットリアの18mm幅を付けておきます。
category: のむラボ日記
AR58の後輪を組み直しました 
2021/02/21 Sun. 23:29 [edit]

先日の続きです。
レイノルズのAR58の後輪を組み直します。

レイノルズブランドのハブ 24H 全黒レースストレート
強制左右2クロス組みです。
ハブは このままで、可能な限り何とかしてほしいとのことです。

組めました。(一応)

フリー側を 黒リーダーストレート、

反フリー側を 黒CXスプリントストレートにしましたが、
色々と気に食わないので 再度組み直します。
当然ですが 無駄になった(私の勉強代なので無駄にはなってないんですが)
スポークとニップルの代金は お客さんには請求しません。
いやー これは参った。こういうことがあるんだな(メシノタネコード)。
現状でも 元よりは はるかに硬いホイールになっているという確信はあり、
縦横振れが取れていて センターも出ているので
一応は 今日もホイー(以下略)。とします。
再度組み直した完成状態を ここに上げるかどうかは分かりません。
その場合、これとは別のホイールで 今日もホイー(以下略)。
枠を満たす必要がありますが。
いやーこれは参った。(2回目)
category: のむラボ日記
SES4.5の後輪を組み直しました 
2021/02/20 Sat. 23:09 [edit]

お客さんから スマートエンヴィシステム4.5の
後輪を お預かりしました。
実はこれ、以前に点検というか ヌルいのを張ってくれと
お願いされたことがあるのですが、
どう見てもスポークが長すぎなので 大して締められませんでした。

DT240Sハブ 24H 全黒CX-RAYロクロク組みです。
メーカー内製で DTのハブを選択した場合と
ハブとスポークが同じですが、その場合はヨンヨン組みになるので
これは メーカー内製ではありません。
日本国内のどこかのクソショップの仕事です。
どのあたりがクソなのかについてですが、
まず ホイールをバラして ハブフランジから無造作に
ヌポークを引き抜いたときに スポークのねじ山側の端で
ハブ体を ひっかいたときに付く傷が
1ヵ所どころではなく 散見されました。
仮に 1ヵ所でも やらかしたら まともな頭の持ち主なら
それ以降は気をつけると思うのですが、
そういう観念は無かったようです。
ハブに組み直し跡が付いているのは、
かつて同じリムを座屈で壊して
交換したことがあるからとのことでした。
リムのお引っ越しだけなら
ハブからスポークを抜き取る必要は無いのですが・・・。
元がヨンヨン組みであったのを 強いこだわりがあって
ロクロク組みに組み直した、というわけでも無いようです。
その場合 ハブフランジに4本組みと6本組みの
2つの痕が残るので分かります。
現状が 仮に 全CX-RAYヨンヨン組みであった場合、
半コンペヨンロク組みにするには
フリー側は番手が違うスポークとなり 使い回し不可、
反フリー側は組み方が変わりスポークが長くなるので
やはり使い回し不可ということで
スポークの全交換となるわけですが、
今回は 反フリー側のCX-RAY6本組みは使い回せます。

リムのモデル名は56ACでした。これよりあとのモデルだと
リムがチューブラーかWOかチューブレスかに関わらず
A56となります。クリンチャーということで
AのあとにCが付いているのでしょうか。
ちなみに、上の画像のリムテープにもあるように
このリムはチューブレスに対応・・・

していません。

フリー側から見て、バルブ穴から反時計回りにバラしていき
ニップルを一切触っていない最終交差左右1ペアの4本を残しました。

反フリー側のスポークを全てフランジから
抜いていないのには理由があります。後述します。

こうすることで 元々のスポーク長さを
はっきり見れるようになるわけですが

↑バルブ穴の隣、反フリー側のスポークです。

↑ひとつ前の画像と同じ反フリー側のスポーク

↑その隣の隣、これも反フリー側のスポーク


↑これはどちらもフリー側のスポーク
最後の画像はねじ山を使い切っています。
通常、スポークの長さが適切でない場合でも
フリー側全てが長めで 反フリー側全てが短め、といったように
同じ側のスポークとニップルの間のねじ山の見え方は
だいたい揃います。
が、このホイールでは そうなっていません。
長さを調べましたが フリー側と反フリー側では2mm変えてあり
同じ側では 同じ長さでした。
(端面を見るか、ねじ山側のプレーン部分の長さを見るかでも判別できますが)
ノーカットのCX-RAYだったので(どちらも偶数mm長さ)
0.5mm程度の個体差はあります
(吊るしではなく スポークカッターで切り揃えたスポークのほうが
仮組み時の振れの量が少なくなるのも このためです)。
が、この場合は その個体差の違いを超越しています
(↑なんか いつにも増して括弧が多いなあ)。
これは どういうことなのかというと、

例えば のむラボホイール5号のリムや シマノのC24のWOリムなど、
重量が軽いローハイトリムは スポークテンションで
とくに顕著に リムの外径が内側に縮みます。

これがリム高が高かったり 頑丈なリムであった場合、
相当なテンションをかけても
内周側の穴付近は 内側に ひずんでいると思いますが
リムの外周側は それほど内側に ひずみません。

(左右同数スポークの、いわゆる ふつーのホイールだと)
最終交差の内側2本同士または外側の2本同士は
必ず左右1本ずつとなりますが、
そのうち 内側2本のテンションが低く
それに比して外側2本が高い、またはその逆で張った場合

ローハイトリムだと縦振れが出ます。
今回のENVEの4本は 外側2本が張っていたので
図でも そのようにしました。
こういうリムで 同じ側の最終交差の2本のスポークの
ねじ山の巻取り数が3周も違えば(今回のホイールが それくらい違う)
とんでもない縦振れが出るので、
こういうリムは縦振れを追い込むだけで
スポークテンションのバラツキは かなり減ります。

が、今回のENVEのリムのように
スポークテンションに対して超絶に頑丈なリムだと
完全剛体で不動というわけでは無いものの
テンションのバラツキが リムの外周側の縦振れに ほぼ現れません。
実際、以前に点検した時点でも 顕著な縦振れはありませんでした
(最終交差の2本でねじ山巻取り数が3山違うのに!)。
テンションのバラツキには気付いていましたが、
それを直すには 仮組み状態くらいまでニップルをゆるめてからの
締め直しとなり、ホイール組みと ほとんど同じ手間がかかるので
やりませんでした。
横振れですが、この隣の最終交差が同じく「高低低高」であれば
フリー側と反フリー側の隣り合った高同士で
割りときれいに打ち消し合います。

組めました。

黒半コンペヨンロク組み結線ありです。

びふぉー

あふたー
JIS組みだったのを イタリアン組みにしています。
反フリー側のスポークを全て 少し短く切る必要がありましたが、
いつものごとく 元ヌポークと元反ヌポークを区別するために
残り4本までバラした時点でも
反フリー側のフランジから スポークを抜き取らなかった次第です
(別に 抜き取って ちゃんと分けて置いておけばいいんですが)。
今回のリムですが、昨日のレイノルズと同じようなリム高とリム幅です。
SES 56ACのほうが軽かったですが
レイノルズはチューブレスレディリムなので、
仮に この世に 56ACか AR58の2つのリムしか存在しないとすれば
どちらを選ぶか、といった極端な質問をされれば迷うところです。
話は変わりますが、当ブログ内検索で
たとえば「やーめーろー ZIPP」と検索した場合(ZIPPは全角)
蟹光線が ZIPPのリムの実測重量を
すっぱ抜いている記事だけが抽出されます。
すでに、ちょっとしたアーカイブです。
もう これを拡充するつもりはないので、
今回のリムの実測重量を晒すつもりはありません。
レイノルズとの差は私だけが知っていればいいんです。
↑うわこいつかんじわるい

オ待タセシマシタ!
コチラノ画像・・・ヲ 3枚持ッテイル理由ハ マタ後日!

今日ハ コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!
↑やーめーろー!
category: のむラボ日記
AR58の前輪を組み直しました 
2021/02/19 Fri. 23:28 [edit]

お客さんから レイノルズのAR58をお預かりしました。
後輪がヌルいので 組み直してほしいとのことですが、

前輪は レイノルズブランドのハブ 20H
黒レースストレートラジアル組みです。
つまり、このリム高で 丸スポークで組まれているわけですが
それもどうかということで エアロスポークで組み直すことになりました。

組めました。

スポークは黒CXスプリントストレートです。
このリム、58mm高のチューブレスレディリムですが
私としてはとくに興味がない リム高と重量です。
ただ、リム高を量っておくことで
同じようなリム高のチューブレスレディリムとの
相対重量を比較するための資料には なります。
それを知る必要があるのは私だけなので、
ここで教えるつもりはありませんが。
ていうか タダでリムの実測重量が知れるなんて
そんな甘い話は無いわな。
↑うわなにこいつかんじわるい

オ待タセシマシタ!

コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!
↑やーめーろー!
category: のむラボ日記
明日お休みをいただきます 
2021/02/17 Wed. 08:42 [edit]
のっぴきならない用事のため お休みをいただきます。
申し訳ありませんが よろしくお願いいたします。


今月、のっぴきならない用事の日が2回あるのも
演目がベートーヴェンの「運命」なのも
ベートーヴェン生誕250周年だった去年の公演の
延期公演だからです。
オーラ・ルードナーはスウェーデンの指揮者で、
親日家かどうかは知りませんが(多分そうでしょうが)
これまでも わりとよく日本に来ています。

次の のっぴきならない日は4月12日ですが、
こちらもルードナー指揮となっています。
ひとつの楽団の ひとつの公演のために
外国人指揮者を呼ぶというのは まれで、
通常は いくつかの楽団で お金を出し合って
指揮者を招聘して いわば「使い回す」わけですが
このご時世に日本に来たりしたら
その次は スウェーデンに帰るかどうかは不明ですが
日本からの移動先の国で2週間、
4月の公演のために また来日して2週間の隔離生活をするとなると
3月は ほぼ軟禁状態になります。
あるいは2月から4月まで ずっと日本にいるのか・・・?
という疑問があったので 前回の公演のときに
楽団の中の人に訊いたら 次回はルードナーは来ない、
指揮者は代役の日本人になると言われました。
運命は別にいいのですが 4月のチャイ5は
ぜひ ルードナーであってほしい・・・。
頼むぞ・・・。
自転車の話も書いておこう。
以前に 知り合いの某選手が乗っていたディスクロード、
フォーカスのイザルコMAXを見ると
ディスクローター径がフロント140mm、リヤ160mmだったことがありました。
前後異径にするなら普通は逆ですが、
そうしている(せざるを得なかった)理由を訊くと
まずリヤについてはブレーキキャリパーをフレームに直付けした状態で
そもそも160mm径対応なので 140mmローターは使えないということでした。
フロントが140mmなのは軽量化・・・ではなく
より半径が大きい160mmローターにすると
立ちこぎや もがいたときにシュッシュと擦る音が気になるのが
140mmだと だいぶマシだからということでした。

それとは別件、これは当店にフレームお持ち込みで組んだ
メリダのシクロクロスのミッションCXです
(どーでもいいですが ミッションというモデル名は
元々同社のMTBに使われていたものです)。
これのリヤブレーキも、キャリパー直付けで160mm対応なので
140mmローターにはできません。
チェーンステーの縦幅が長く
ブレーキに付属しているキャリパー固定ボルトCも長さが足りず
用意してあったセット(→こちら)から適正長さのものを使いました。
標準で付属の長さでいける場合は それを使い、
そうでない場合はスモールパーツから使うとなると、
これ、リムブレーキの沈頭ナットと同じで
ブレーキに標準で付属している長さが貯まり続けるのでは・・・。

つづいてフロント。こちらも160mmローターです。

テーパーになっているアダプターの上下を入れ換えて
2種類のローターサイズに適応させるようになっています。
フロントブレーキは、取り付け部分が貫通穴ではないので
ブレーキ単体の直付けはできません。
アダプターを取り付けた状態である必要があります。
で、このアダプターですが 140/160mm用のフォークに対して
上側が広くなる向きに取り付けると140mmローターに適合しますが、
このフォークは160/180mm用なので
上側が広くなるように取り付けたときに160mm、逆だと180mm対応なので
140mmローターが使えません。
シクロクロスでは 前後140mmローターが主流・・・かどうかは知りませんが
このバイクのお客さんが いま乗っている
別のシクロクロスは前後140mmローターで、
それに付いていたホイールを お預かりしましたが
ローター径が前後とも合わないので
急遽もともと持っていた160mmローターを持ってきてもらって 交換しました。
ホイールを共用するのであれば 今まで乗っていたバイクのほうも
160mmローターにする必要があります(そちらは可能)。
このフレームを買うときに 140mmローターが使えないと知っていれば
買わなかったとのことで、メーカーサイトなどでも
使用可能ローターサイズについて触れていないとのことです。
ディスクロードにしろシクロクロスにしろ
140mmローターを使いたいという方は
購入前に調べないといけません。
メーカーサイトに記載が無い、それ以外のサイトなどを見ても分からないとなると
メーカーや問屋さんに 問い合わせをするしかありませんが・・・。
category: のむラボ日記
プライムのAT01の後輪を組み直しました 
2021/02/16 Tue. 23:11 [edit]

お客さんから プライムのAT01の後輪をお預かりしました。
リムはALEXRIMS製ですが、AT01という単品販売のリムは無く
プライム側のホイールとしてのモデル名のようです。
ATはアルミチューブレスという意味でしょうか。

エボライトハブと同じハブ 24H ピラーの2.0-1.8-2.0mm
丸バテッド黒スポークヨンヨン組みです。
全黒コンペヨンヨン組みと ほぼ同じです。
ハブはノヴァテックの482ベースですが、
ハブ胴の表面仕上げがザラザラしていて、
スプロケットの噛み込み防止の鉄板が
スプラインに付いているフリーボディなので
エボライトハブより 仕様が高級ではあります。


リムがフリー側に かすかにずれていました。
経年使用で起こりうる ずれの量ではありますが、
そんなに使っているようには見えないので
間違いなく最初からです。
あるいは振れ取りの履歴があるのであれば
振れ取りごっこで ずれています。

反フリー側の最終交差を編んでいません。
こちら側のスポークをCX-RAYにして半コンペ相当にしますが、
結線をするので組み直し後は編みます。
仮に 結線をしないとしても編みますが。

元のニップルですが、外周側に六角形のつかみしろがある・・・

わけではなく 通常のニップルから
すり割り部分を外周部に延長したような形状のものでした。

すり割り部分にも ねじ山があります。

DTの12mmニップル(画像右)と 並べてみました。
リムとの接触点から内周側への長さは ほぼ同じで、
すり割りの部分が長くなっています。

スポークをニップルに挿したときに
ねじ山に突き当たるまでの「歯周ポケット」の長さを調べました。

↑DT

↑元のニップル
元のニップルのほうが ねじ山始まりが深く、
すり割り部分の延長分だけ 外周側にねじ山がずれている感じです。
元の状態では左右とも スポーク長さがニップルの端面にあったので、
汎用12mmニップルで使い回すとなれば
フリー側のスポーク長さが長すぎることになります。

反フリー側のスポークは廃棄、フリー側は長さを少し切りますが
元反ヌポークと元ヌポークを区別するために
まずは反ヌポークだけを抜き取り カット、

それをハブに戻して今度は ヌポークを抜き取りました。
というのが上の画像の状態です。

組めました。

半コンペ相当ヨンロク組みで

バルブの両隣のみ赤アルミニップルです。
勘の良い方はお気づきかと思いますが、
昨日のホイールと同じお客さんのものです。

スプラインに欠けたような痕がありました。
これは、先日 トップギヤだけは位相を間違えても
ロックリングを締めることができると書きましたが
まさに それを過去にやったことがある痕跡です。
category: のむラボ日記
38mm高カーボンリムの後輪を組み直しました 
2021/02/15 Mon. 23:54 [edit]

お客さんから 38mm高カーボンWOリム(チューブレス非対応)で
組まれた後輪をお預かりしました。

ノヴァテック FS522ストレートスポーク用ハブ 24H
左右強制2クロスで、スポークはピラーの黒スクエアエアロです。
反フリー側がヌルく、走るたびに振れが出るとのことで
組み直しを ご希望です。

↑フリー側も

↑反フリー側も
最終交差を編んでいません。

あと、とくに そうでないといけないわけでもなく
16mmロングニップルで組まれていました。


リムが反フリー側に ずれていました。
フリー側は袋小路寸前というほどでは無いものの
かなり張られており、パリパリ系ねじ止め剤が効いているのもあって
工具でつかめる扁平スポークながら ニップルをナメずに回すのは
かなり難しかったと思われます。
それでなくとも横振れ取りは 低テンションの反フリー側を
増し締め方向で回すのが 最も楽なので、
そうした積み重ねで リムが反フリー側に ずれた可能性があります。
あと、反フリー側を センタードンピシャから
これだけ過分に締めているのに 反フリー側がヌルいということは
(先ほども書きましたが フリー側は これ以上ほぼ張れません)、
ハイローフランジとはいえ強制左右同本組みに
左右同径組みである以上はどうしようもないということです。
これは もし軽さ狙いで左右ともCX-RAYであっても同様です。

バルブ穴から 順番に丁寧にゆるめていって、
一切ニップルを触っていない 最終交差左右1ペアの
スポーク4本を残しました。

↑反フリー側

↑フリー側

↑反フリー側

↑フリー側
バラす前に リム内をライトで照らしたときから
確信はありましたが、左右で同じ長さのスポークを使うという
手抜きをしています。
それと、ホイールの仮組み時に ニップルのすり割りに
マイナスドライバー状の先端のビットをかけて
回した跡があります。
私も同じことをしますが こんな跡は残しません。

すべて280mmでした。169.3g÷24本÷280mmで
1mmあたりの重量は0.0251934・・・g、
スポーク比重100%を0.0257gで定義しているので
スポーク比重は0.9802879・・・となり、
98%ということでいいでしょう。
当初はスポークを使い回すつもりで、左右同径組みであっても
反フリー側を編んで結線すれば 何とかなると思っていましたが
CXスプリントにして左右異径組みにすることにしました。
12本のピラーのスポークは余りますが、フリー側のスペアとして使えます。
これで チェーンをスプロケットの内側に落とし放題だな!

組み直しました。

反フリー側を黒CXスプリントにしました。
最終交差は左右とも編んでいます。
結線は あとでやります。

ニップルは基本的に黒アルミですが、
お客さんの希望で バルブ穴両隣を赤アルミニップルにしています。
いずれもDTの12mm長さです。
category: のむラボ日記
実質全さわさわの話など 
2021/02/14 Sun. 04:22 [edit]
2.0タッキーハイブリッドバーテープですが、
先日 レバーブラケットの少し先までで
巻き終えるタイプのハンドルバーに巻いたときに
お客さんの提案で

さわさわ側を ほぼノーカット(最後に斜めに切る分を除く)で
巻くようにすれば 実質 全さわさわになるのでは、と言われたので
そのように巻きました。

アップバーが翼断面のハンドルバーでも
バーテープを最後まで(ステムの横まで)巻く場合もありますが、
このPROや FSAなどのバーなどで
ブラケットの少し先がバーテープの厚みの分だけ
段付きに薄くなっているものの場合は、
段差の部分で きれいに巻き終えると
バーテープとアップバー部分が おおよそツライチになるので
通常は 最後まで巻くことはしません。

左右分のバーテープは鏡対象ではなく
同じ向きのものが2つ入っているので(→こちら)、
片側の継ぎ目は どうしてもこうなります。
ブラケットの上下を境目にする場合は うまく隠せるのですが。

これは また別件ですが、
3Tのロートゥンドゥの460mm幅(外~外)に 上さわさわで巻いたときの
最後の余りの長さです。

上さわさわ/下ねとねとですが
ブラケットの上下で切り替わるように巻いているだけでなく、

ブラケットの後ろの4巻きほどは
グローブで削れることも勘案して かなり厚めに巻いています。
バーテープの長さが足りなさそうであれば
ここを厚く巻くのをあきらめて長さを稼ぎますが、
その必要はありませんでした。

しかも、下ねとねとの部分の長さが
ブラケットの部分で切り替わるように
巻き始めの ねとねと側を これだけ切っています。
これについては同じモデルのハンドルバーであれば
基本的には(※)幅に関係なく切る長さは同じですが。
※同じモデルなのに ハンドルバー幅ごとに
ドロップ部分の寸法を変えている例外については(→こちら)

↑印字が途切れているので 正真正銘 端っこです。
先日、デダのゼロ100アルミの380mm(外~外)という
非常に狭いハンドルバーに 〇GK(1文字目は伏せ字です念のため)の
BT-06 極薄バーテープを最後まで巻いたところ、
あと1巻きも出来ない 本当にギリッギリの長さしかありませんでした。
ゼロ100はアップバーが翼断面というよりは楕円形状で、
ブレーキアウターとシフトアウターは内蔵ではなく
アップバー下に這わせるので、
電動コンポでない場合は条件的に厳しくなります
(この例でも機械式変速だった)。
ブラケットの後ろを やや厚く巻くのは 一応やりましたが、
明確に足りなければ それすら あきらめているところでした。
実際に試してはいませんが、
ひとつ前の件のロートゥンドゥの460mm幅であれば
テープの重なりを どれほどケチっても足りなかったことは明白です。

これは また別件です。
お客さんが自分で巻いたものですが、
端っこの部分を切って長さを調整していないために
下ハンドルが 非常に厚くなっているだけでなく、
それでもまだ長いので

下ねとねとの部分がブラケット上まで はみ出しています。
どんだけ長いねん。いや短いよりは いいんですけど。
それを別にしても このバーテープの仕上げを
ブラケットの上下できっちり切り替えるのは
実は そこそこ難しいようで、私以外の人が巻いたのを見ても
うまく巻けている例は はっきり言って少ないです。
category: その他 機材の話
CL50の後輪を組み直しました 
2021/02/12 Fri. 23:48 [edit]

さんから ロヴァ―ルのCL50の後輪をお預かりしました。
CLXではなくCLで、
丸スポークで組まれています。

DT製ハブ 21H 全黒コンペTヘッドストレート2:1組みです。


ホイールセンターは出ていました。
実際にゲージを当てるまでは
反フリー側に ずれていると思っていたのですが。
そうでないと説明がつかないと思えるほど
フリー側のスポークの変形量が(2:1組みの後輪にしては)
大きかったからです。

組み直しました。

黒CX-RAY/CXスプリント逆異径組みです。
フリー側の結線を あとでやります。

リムにウェイトが貼ってるのはいいのですが、

それとは別に90°位相ごとにつき 片側計4枚、
もしゃもしゃしたシートを貼ってあります。
これの意図は ホイールのお預かり時に
お客さんから聞いたのですが忘れました。
私としては ホイールを組むときに
センターゲージを当てる位相が限定されることが 気になりました。
category: のむラボ日記
レーシングゼロ 2WAY-FITさん 
2021/02/09 Tue. 23:27 [edit]

まずは前輪から。
リムの外周部に「チューブレスタイヤはハッチンソンのみ使えます」という、
実質「IRCのタイヤは使うな」という注意書きがあるので
2WAY-FITの初期の頃のホイールです。
上の画像、12時の位置のスポークが曲がっているのが
遠目にも分かりますが

↑こやつ

テンションを抜くと こんな感じでした。
あと、これと同じ側の2本隣のスポークも


曲がっていました。
いつものごとく この2ヵ所のニップルだけの調整で
ほぼ振れが取れる・・・と思っていたら そうでも無く、
そもそも最も振れている位相が 交換したスポークと関係ありません。
その位相のスポークも 相当 疑って調べましたが、
変形はありませんでした。ただ・・・


スポークの、ニップルから出ている丸い部分の長さが
だいたい このくらいであるところ

最も振れている位相では かなり短くなっています。

一応、テンションを抜いて外してみました。
このスポークは、変形があった2本とは 反対側のフランジです。

とくに変形はありませんでした。
ちなみに ヘッドの刻印は「縦4本」です。


さらに、一旦スポークを外した3ヵ所とは別に
不自然な縦振れがある位相もありました。
誰かが触ったのかもしれません。
スポークに変形があり 大きな横振れがあったので
(今回は最大の横振れの位相は スポークの変形とは違う箇所でしたが)
暫定センターは見ていませんが、
ひと通り 縦横振れを取ったあとに
初めてセンターゲージを当てたら ドンピシャだったので、
そもそも狂いがほぼ無かったホイールだと思われます。
このあとに さらに微細な振れ取りをしたら
紙1枚ほどずれたので、それをさらに修正しています。

↑これはホイールが回転している状態ですが、
外周部の ブレーキシューがほぼ当たっていない銀色の部分が
少し上下に踊っています。
作業前は 銀色の部分が真円で リムに縦振れがあり、
縦振れを追い込んだ現状では リムの外周が真円に近く
かつて真円だった銀色の部分が踊っているわけです。
今後の経年使用でブレーキシューを当てると消えてしまうので、
その前でしか見れませんが。

直りました。

リムサイドにテープを貼っているのが
不自然な縦振れがあった位相で、

スポークの中ほどにテープを貼っているのが
交換した2本、

ハブ寄りにテープを貼っている1本が
交換はしていないものの 一旦ゆるめたスポークです。

↑交換したスポーク

つづいて後輪。
こちらは点検だけで、前後輪とも ハブの点検もご希望ですが
前後輪ともハブ体のベアリングに異常はなく、
玉当たりを解放すると 再組み付けで 当たる場所が微妙に変わるのか
回転がかすかに濁ることがあるので あえて触りませんでした。
カンパニョーロ/フルクラムのカップ&コーンのベアリングのメンテ頻度は、
ハブにガタがある状態で経年使用していた場合を除き
それほど高くはありません。
傾向からいうと「自分で ときどき(数ヵ月に1回か それ以上)
グリスアップをしています」と言っている人のハブのほうが
回転が濁っていることが むしろ多いです。
リヤハブは、玉当たりにガタがあったので取りました。
ハブベアリング周りで触ったのは それだけですが
フリーボディのラチェット感がおかしいので バラしたところ

爪が寝ていました。

爪起こしバネも はみ出しています。

爪起こしバネが折れていました。
このバネ、折れるときは ほぼ確実に360°ちょっとあるうちの
だいたい真ん中で折れます。
そして この状態でも、3つあるバネのうち1つは起こすことが多く
異常に気付きにくかったりします(わりと普通に使える)。
ただ、前に向かってフリーボディが空転するのも見たことがあるので
過信は禁物です。

爪起こしバネを交換しました。


リムが ほんの微か フリー側に寄っています。
経年使用で ずれたのかもしれません。


反フリー側増し締め傾向の微細な振れ取りをしたら
勝手にセンターが出ました。
category: のむラボ日記
ボーラ ワンさん 
2021/02/09 Tue. 22:18 [edit]


スポークが1本 破断していますが、
家で静置していたら 突然 バチンと折れたとのことです。
出先で無くて よかったですね。
以前に落車したことがあり、そのときにスポークに傷が入ったのを
知ってはいた とのことです。


↑折れたスポークと同じ側の両隣のスポークにも傷があります。
普段は この程度であれば交換しないことも多いのですが、
今回は 大事を取って交換することにしました。


直りました。

↑交換したスポーク
左右の傷のみのスポークですが、
変形が ほぼありません。

破断したスポークも、

破断面を合わせても 前後方向の変形は ほぼありませんでした。
category: のむラボ日記
のむラボホイール5号の後輪を組みました 
2021/02/09 Tue. 21:07 [edit]

のむラボホイール5号の後輪を組みました。

エボライトハブ 24H 黒全CX-RAYヨンロク組みです。


乗り手の体重が軽いので 全CX-RAYにしました。
フリー側を 慎重に 相当 張りましたが
やっぱり全CX-RAYは結線必須です。
フリー側のテンションが袋小路で、反フリー側を まだ張れそうと思って
センターゲージを当てたら すでにセンターが出ていました。
結線は あとでやります。
category: のむラボホイール
AL22Wリムで後輪を組みました 
2021/02/06 Sat. 23:24 [edit]

前輪と違って 元のホイールをバラすところから始めます。
お客さんから オープンプロリムの後輪をお預かりしました。


FH-9000 28H 全レースロクロク組みで、
反フリー側がとくにヌルいのですが
(下の画像、最終交差の部分に摩耗痕があります)


センターが全然出ていません。
反フリー側に リムが寄っているので、
センターを出すとスポークテンションの左右差は増大します。

スポークはサピムのレースの14番ベースですが、
前輪はDTのコンペでした。
前輪はスポーク長さが短く、どのスポークも
ニップルのすり割りに達していないくらいでしたが
画像を撮っていません。
それもあって 後輪はバラす前の状態を撮っています。

↑フリー側

↑反フリー側
後輪は逆に スポークが長すぎでした。
長いのとは別の 手抜き疑惑もあります。


その前に。スプロケットのロックリングがハブのエンドに対して
あまりにも ツライチに近いです。
これは ロックリングの締め込みがゆるいのではなく、
フリーボディのスプラインに対して
誤った位置で トップギヤを取り付けているためです。
通常は こういうことは起こりえませんが、
トップギヤだけは スプラインが通しでなく どん突きなのと、
寸法も浅いので 間違った場合でも ロックリングのねじ山が
フリーボディにかかります。
上の画像、位相によってはトップギヤが
ちゃんと収まっていないのが顕著です。

ロックリングを そっと外しました。

↑フリーボディの唯一細いスプラインの位相に
スプロケットの唯一細い位相が来ていない

↑スプロケットの唯一細いスプラインの位相に
フリーボディの唯一細い位相が来ていない
あと、フリーボディのチタンのねじ山に負けた
ロックリングのアルミの削れカスが見えています。

元のホイールから、ニップルを一切ゆるめていない
最終交差の左右ペア4本だけを残しました。

↑フリー側

↑反フリー側
同じ長さのスポークを左右に使うという手抜きをしています。
だと思ったよ。
どうしても、やむにやまれず これをやる場合は
反フリー側で すり割りとツライチ、
フリー側でニップルの端面からかすかにねじ山が出る、
くらいの長さであれば まだ許容できます。私は やりませんが。

組めました。

28H 黒半CXスプリント ヨンロク組みです。
結線は あとでやります。

フリー側はコンペにしたかったのですが、
無理があり できませんでした。
やろうと思えば不可能というほどでも無いですが、
実際 黒コンペを14本 仮組みまではしたので無駄にしています。
28Hだから半CXスプリントにしたわけではありません。
むしろ 24Hでなくて助かりました。
反フリー側の結線は必須です。
半コンペで組んであったとしても どのみち やりますが。

ちなみに、ハブは 汚れが堆積していて軽く洗浄しただけでは
きれいになりませんでした。上の画像のフランジの汚れ、
爪でカリカリしても落ちないくらい強固です。
コンペで組むのを断念した理由はメシノタネコードですが、
このホイールのお客さんには説明します。
ヒントとしては
「新品では無い」
「デュラエースのハブで
(シマノハブ全般ではなくデュラエースハブ限定の条件)」
「DTのコンペにした場合に」
のみ、かどうかは分かりませんが それくらい条件が揃わないと
起きない現象です。

↑これはDTのコンペティションです。
Dの大文字にTが刺さっている刻印があります。

↑これはサピムのレースです。
スポークヘッドに刻印が無く、

ここに SAPIMの刻印があります。
いずれも新品です。

↑画像左がコンペ、右がレースですが
エルボー部分の長さが サピムのほうが長くなっています。
今回の後輪のフリー側、レースであれば組めていたかもしれません。
もしかしたら 元のホイールは それを予期して
レースで組んでいたのでは、とも考えましたが
前輪はレースを使わず コンペの6本組みであったことと
(反ヌポークラジアル組みの場合は この問題はほぼ起きない)、
スポーク長さもテキトーで ホイールセンターすらまともに出せない奴が
この点に思い至る可能性は皆無なので
たまたま サピムを使っただけだと思われます。
category: のむラボ日記
明日お休みをいただきます 
2021/02/04 Thu. 23:41 [edit]
のっぴきならない用事のため お休みをいただきます。
申し訳ありませんが よろしくお願いいたします。
あと、ついでに書いておきますが
今月は2月18日(木)もお休みをいただきます。
category: のむラボ日記
AL22Wリムで前輪を組みました 
2021/02/04 Thu. 22:20 [edit]

AL22Wリムで前輪を組みました。

HB-9000 28H 黒CXスプリントヨンヨンイタリアン組みで

オレンジアルミニップルです。
DTにオレンジが無いので サピムの12mmを使っています。
この前輪のハブですが、ハブ単体でお預かりしたわけではなく
オープンプロリムの前輪をバラしました。
それについては とくに書くことも無いかと思っていたのですが、
ホイールをバラしているときに気付いたことに
記事としてのバリューがあることに気付きまして・・・。
後輪でも同じようなことをしていれば そのときに書きます。
category: のむラボ日記
XR240リムで後輪を組みました 
2021/02/02 Tue. 23:18 [edit]

XR240の小径リムで後輪を組みました。

エボライトハブ 24H 黒チャンピ14番ヨンロク組み結線無しです。
ハブが配慮さんで隠れているのは 私が ちょっと改造したからで、
これを見た別の人に 自分のハブでも同じことをしてくれと
言われるのを避けるためです。
左右とも14番プレーンスポークで 左右同径組みですが、
反フリー側を15番にする左右異径組みを
試みなかったわけではありません。

↑反フリー側14番黒チャンピオン(最終状態)

↑反フリー側15番黒リーダー(時系列が戻って仮組み時)
サピムのリーダーなのは、現状 黒チャンピオンの15番は
安定供給されていないからです。
左右異径組みにしなかった理由は色々ありますが
(複数あるが各々の要素の大小は違う)、
ハブの改造による結果も 理由のひとつです。
その分は当然 お客さんには請求しません。
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XTのハブとクレストMK3リムで後輪を組みました 
2021/02/01 Mon. 23:44 [edit]

クレストMK3リムとXTのハブで後輪を組みました。

FH-8110-B 28H 半コンペヨンロクJIS組みです。
結線は あとでやります。

このハブ、フリーボディがマイクロスプラインですが
ハブ単体で見ると右フランジ位置が内側に見えるものの
実際にスポークを通してみると スプロケットとのクリアランスが
ギリギリっぽいです。
シマノのMTBのハブですが、BOOST規格のハブについては
オーバーロックナット寸法が増えた分を
全てフランジ幅に ぶっこんでいます。
たとえば 前作のM8010系のハブだと
フロントハブが10mm、リヤハブが6mm広くなっています。
同じハブ体の両端エンドのパーツの付け替えで
BOOST化に対応しているようなハブは、
スポークによる構造体の部分に関しては なんら変わりないので
オーバーロックナット寸法を広げたことによって
ホイール剛性が明確に上がるわけではありません。
汎用の材料から かけ離れた設計の完組みホイールの場合は
仕方が無いかとも思いますが。
反面、シマノのようにオーバーロックナット寸法によって
ハブ体の寸法を個別に設定している場合は
規格の変更に対応できないという 融通の利かなさはあります。
M8110系のフロントハブは、
M8010系のハブ体の色とXTのロゴを変更した程度で
基本的な設計は同じです。
28Hの仕様が出た点は 個人的には大きいのですが。
対して リヤハブは、マイクロスプラインのフリーボディになったので
それに合わせて まったく違うものになっています。
ラージフランジなのは、少なくとも フリー側はラチェット機構を仕込むのに
ハブ体のサイズを大きくせざるを得ないからです。
反フリー側には そういう制約が無さそうなので
スモールフランジにして 超ハイローフランジハブにすることも
出来たかもしれませんが
実際は左右同径、または ほぼ同径になっています。
非BOOSTのハブは フランジ穴中心間距離が左右とも61mmですが、
BOOSTハブは フリー側61mm、反フリー側60mmです。
直径で1mm差のハイローフランジは シマノハブでは よくあることで、
この程度であれば ホイールを組んでいて
ハイローフランジの効果を体感することはありません。

M8110のリヤハブの142mm幅と148mm幅(BOOST)の
フランジ幅を調べました。以下 数値は全て公称値です。
ちなみに シマノのいうところのフランジ幅とは 外~外の幅のことで、
メーカーによっては 左右のフランジ厚みの中央の間の幅の場合もあります。
あと、私がフランジ幅について書いている場合は
とくに注意がない限り 外~外の幅になります。
で、M8110のBOOSTリヤハブですが、
非BOOSTリヤハブとのフランジ幅の差が
62.16-55.17=6.99mmとなっています。
約7mm差です。
オーバーロックナット寸法の差が6mmなのに、
どうしたわけか もう1mmひねり出しています。
これは すごい。

増えた6.99mmの内訳を調べます。カタログには
左右フランジ幅を そのまま書けばいいのに(実際 昔は そうしていた)、
現在は オフセット量を書いて そこから計算させるようになっています。

計算しました。
オーバーロックナット寸法130mmでクイック式の
9Sのデュラエースの右フランジ幅は、21.1mmです。
オーバーロックナット寸法135mmでクイック式の
9SのXTRだと、右フランジ幅は23.05mmです。
オーバーロックナット寸法の5mm違いのうち、
2mmほどを右フランジを広げるのに使っているということです。
M8110系XTの非BOOSTのリヤハブの場合、
オーバーロックナット寸法が142mmもあるのに
右フランジ幅は同社の9Sのロードハブ並みの寸法となっています。
12Sハブなのでオチョコがきつくなるのは仕方が無いのでしょう。
これがBOOSTになると、6.99mmのうち
右フランジを広げるほうに多く使っているのが分かります。
右フランジ幅24.48mmは、135mm幅のMTBの9Sハブよりも
むしろ広いくらいです。こりゃ すげえ。
左フランジ幅が1mm変わっても
スポークテンションの左右差は大きく変わりませんが
右フランジ幅の1mmは非常に大きいです。
条件的に厳しい寸法のハブだと、組んでいて分かります
(フリー側がすぐキンキンに張る、なのに反フリー側は まだヌルい)。
こういう、BOOST規格を有効に使っているハブは好感が持てます。
category: のむラボ日記
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