シャマルウルトラDBさん 
2021/08/31 Tue. 23:29 [edit]
というのは正確ではなく、私の昔からの知り合いが
当店の点検を受けたいホイールを人から預かったということなので
持ち込んだ人と ホイールのオーナーは別人です。

シャマルウルトラのディスクブレーキ版は
2WAY-FITリム仕様のみとなっています。
リムには その旨ステッカーが貼ってありますが、
カタログ上のモデル名には大きく書かれてはいません。
といっても最近では、クリンチャーリムのホイールが
とくに断りもなくチューブレスレディであることが多いですが。


まずは前輪から。
画像を撮る前にゲージを当てたときは
うっすらセンターずれがあったのに、上の画像では確認できません。
これは、横振れがあるためです。
カンパニョーロの吊るしの状態では
考えられないほど振れていました。

↑これは後輪の玉当たり調整ナットがある側
(左側/反フリー側)のエンドです。
センターゲージが当たるのはハブシャフトではなく
かぶせてあるエンドの部分です。

↑これは前輪の玉当たり調整ナットがある側
(右側/反ローター台座側)のエンドですが、
こちらは黒いパーツから ほんのり飛び出した
銀色のハブシャフトの端がセンターゲージに当たる部分です。

↑こんな感じ



振れているのは いいとして、
スポークの ほぼ全数に特徴的な つかみ痕がありました。
プラスチックの純正工具を使っていれば 絶対に付かない痕です。
当初の横振れと この痕から、吊るしの状態以降に
余計な振れ取りごっこをしてるんじゃないかと
ホイールを持ってきた人に訊いたのですが
オーナーじゃないので詳しい来歴は知らないとのことでした。
リムとフリーボディの状態から、走行距離がゼロなのは確かです。

つづいて後輪。


センターずれ無しで、振れはありましたが
前輪のように ひどくはありませんでした。



前輪よりはマシですが 例のつかみ痕があります。

後輪は G3組みの関係上
ローター台座側がラジアル組みとなりますが、
そのイカれた仕様を実現するために スポーク1本のために
かなり凝ったフランジの形状になっています。

スポークは 横から見ると左右とも同じ幅ですが、
前後輪とも G3の少スポーク側のほうが分厚い
「左右異数組みのカウンターで左右逆異径組み」となっています。
ノギスで測った限りでは 多スポーク側が1.5mm厚で
少スポーク側が1.8mm厚となっており、
上の画像は 1.8mm厚のスポークが純正のスポーク押さえ工具の
溝Aに ちょうど奥まで入っているところですが、

それより細い 溝Cには入りません。

1.5mm厚スポークは 溝Cに ちょうど入ります。
この工具を使っている限り
あのような痕が スポークに残るは無いのですが・・・。
category: のむラボ日記
CN-HG54よりCN-HG53のほうが価格が高い話 
2021/08/31 Tue. 22:02 [edit]
外注先がふっかけてきた場合
企業努力で価格を維持するのが実質無理だからか
ここ5年ほどで度重なる値上げをしています。

↑画像左は10SのHG-Xチェーンで
デオーレ グレードのCN-HG54、
同右は9SのHGチェーンで
グレード外モデルのCN-HG53です。
末尾の数字については51、52、53、54、55・・・のように
連番になっている法則ではないので
数字が大きいほど 上のグレードだという確証はないのですが、

シマノでは ワイヤー類やディスクローター、チェーンなどの
パーツについて3段階のグレード分けをしているものがあり、
上から アルティメイト、アドバンスド、セレクトとなっています
(公式のカタカナ表記が見当たらなかったので テキトーに書きましたが、
実はアルティメットやアドヴァンスドなどが公式表記だったらスミマセン)。

↑CN-HG54はアドバンスド、

↑CN-HG53はセレクトとなっています。
この2つのチェーンは対応しているスプロケットの段数が違うので
ある同じバイクに対して どちらかを選択するという関係ではありませんが、
一応 数字が大きいCN-HG54のほうが格上ということになっています。
ちなみに CN-HG54の上位モデルCN-HG95は
XTR/XT/SLXグレードとなっていますが
XTRを含むのにアドバンスドとなっています。
これは現行品ではないからで、10Sのロード用チェーンでいうと
CN-7800や7801が廃版になった今
当時のアルテグラグレードで まだ補修用として現行品の
CN-6600の箱にデュラエースの表記が入っているのと同じです。
ちなみにCN-6600もアドバンスドです(→こちら)。

CN-HG53は長さが3種類あり これは114リンクですが、
CN-HG54は116リンク仕様のみとなっています。
で、この記事を書いている時点での税別定価ですが
CN-HG54が2554円、
CN-HG53が114/116/118リンクで
それぞれ2698円/2740円/2783円なので
CN-HG53のほうが高いという おかしなことになっています。
おかしいのは この ねじれ現象というよりは
CN-HG53の値上げ幅で、2017年のスペアパーツカタログによれば
リンク数は不明ながら(おそらく116リンク)
税別定価は1494円となっています。
同じページにあるCN-HG54は2432円です。
2017年のカタログにある価格からの値上げ率でいうと
CN-HG54は約105%、CN-HG53は約183%となります。
そしてこの2つのチェーンは どちらも
シマノ純正のHG-Xの10S または HGの9Sチェーンとしては
補修用の最廉価モデルです。
チェーンってこんなに高かったっけ?隔世の感があるのう。
ちなみに CN-HG53が一気に値上がり(値上げ前比167%)したのは
2018年の5月1日からの価格改定です(→こちら)。
category: その他 機材の話
フルクラムのアルミスポークの刻印について 
2021/08/29 Sun. 22:08 [edit]
「この後輪のスポークは フリー側の刻印が「70」、
反フリー側の刻印が「68」です。
このホイールの中には無かったですが、例外はあります。
それについては次の記事で。」
について。
カンパニョーロ・フルクラムのアルミスポークは、
刻印が同じであれば メーカーに関係なくスポークの長さは同じです。
刻印が違っていても、スポークヘッドの端から
ねじ山始まりまでの長さ(実効長さ)が同じで
実質 使用に問題ない場合もあります。
私は これらについては、リムブレーキ仕様のロード用ホイールであれば
おそらく全てを把握しています。
「68」にも「70」にも 刻印違いで実効長さが同じというスポークがあります。

↑これはリヤ左スポークで、
刻印が それぞれ「68」と「//」ですが
この2本は実効長さではなく 全体の長さまでもが
全く同じになっています。


↑同じ長さ

刻印は「68」と「//」です。

保存してあるタグによれば 品番は
「68」が R0-119B(レーシングゼロの119のブラック)、
「//」が WH-007SHM(ホイールのパーツ007のシャマルミレ)
となっています。
これだけから類推するなら フルクラムは「68」、
カンパニョーロは「//」で作り分けしてるんじゃないの?
と 思ってしまいますが・・・。

↑これはフルクラムのレーシングゼロ コンペティツィオーネの
文字入り赤リヤ左スポークで、
品番はR0-119R(末尾のRは レッドを意味する)です。


長さは同じですが、

刻印は「68」と「//」に なっています。
文字入り以前に 赤スポーク自体が
カンパニョーロのホイールには無いものなので、
「//」はカンパニョーロのみ、という仮説が成り立たないのが分かります。
しかし、必ずしもでは無いものの
傾向として確かなことがあります。
レーシングゼロのスペアスポークとニップルには
・スポーク1本とニップル1個のセット
・前輪用のスポークのみ16本
・後輪用のスポークのみ右14本と左7本
・ニップルのみ10個
という販売形態がありますが、
このうち「1箱にスポーク1本とニップル1個」で注文すると
リヤ左の場合「68」刻印のものが、
スポークのみのフルキットで注文すると
「//」刻印のものが届く可能性が高くなります。
ひとつ前の記事の場合は、12万円という金額から
スポーク1本とニップル1個の箱を
計37個 取り寄せた可能性が高いです。
なぜなら、スポークのみのフルキットで注文すれば
刻印の件もそうですが ニップルを使い回すことで
金額が もう少し安くなるはずだからです
(ホイールの組み立て工賃が1本2万円、
前後輪で4万円とかであれば その限りではないですが)。

で、ひとつ前の記事の画像を また貼りますが
これ、新規のニップルを使ったにしては
角を ナメ過ぎなんですよね。
フルクラムの吊るしの新品で、ニップル全数が
こんな風になってるのを 見たことがありません。
というかニップルを使い回して バラすときと再度組むときの
2回分だとしても ナメ過ぎです。ヘタクソすぎる。
category: スポークの話
レーシングゼロのリム交換ごっこのやり直しをしました 
2021/08/27 Fri. 23:48 [edit]

まずは後輪から。
縦振れがあるので 直してほしいとのことです。
カンパニョーロ・フルクラムの、リム穴に お休み位相がある後輪は
その構造上 取りようが無い縦振れがありますが、
その縦振れの量は 振れ取り台にかけずに
目視で判別できるような量ではありませんし、
接地面のタイヤの変形量より小さいので
乗って分かることもありません
(タイヤに10気圧くらい空気を入れて 3本ローラーに乗る、
などの極端な状況を除く)。
あと、縦振れ取りの精度が異常に低いものについても
吊るしの状態では まず存在しないと言っていいので、
この手のホイールで お客さんから
縦振れを自己申告されるような場合は
吊るしの状態以降に 振れ取りごっこなどで
いぢくられた場合に限られます。
今回の件では、振れ取りごっこではなく
「リム交換ごっこ」でした。
やらかしたクソショップの名前は お客さんとの約束で書きませんが、
いわゆる老舗です。やらかしたのは 丁稚ではなく2代目店主です。
そのショップは持ち込みのホイールを整備することはないと思うので
元のホイールからして そこでの購入品だと思いますが、
お客さんが リムを壊して修理をお願いしたところ
「リム交換にはスポークの全交換が必要だ」と言われました。
で、出た~!クソショップの常套句!
お客さんは
「カンパニョーロ・フルクラムのアルミスポークのホイールの
リム交換の際に スポークの全交換は不要。
今までに数十件やったけど 全交換を要した例は一例も無い。
全交換を提案する奴は スポーク全交換くらいカネがもらえるなら
やったってもええわというカスか、
客がモノを知らんと思ってフカシてる詐欺師の どっちか。」
というようなことを書いているブログを読んだことがあることから
かなり念を押して「スポークの全交換は不要だ」と言って
前後輪を預けたのですが、それでも勝手に前後輪のスポークを全交換されて
全部で12万円ほど支払ったとのことです。
一応、リムとスポークが全て定価で
工賃がホイール1本1万円、前後輪で2万円ほど取ったのであれば
12万円というのは ありえる金額になります。
というか12万円くらいかかるというのであれば
新品への買い替えを提案したほうがいいのでは・・・?
なお、元のスポークは勝手に廃棄されていたので
本当に交換を要する状態だったのかどうかは うやむやにされています
(リムが変形するくらいであれば、
数本程度は本当にダメだったということはありえるが
全数ダメというのはありえない)。
で、12万円かけてリム(とスポーク)を交換した前後輪ですが、
目に見える縦振れと センターずれ疑惑があるので
前輪を1回、後輪を2回 あとから再度 修理を頼んだそうですが
どー見ても直っていないので 当店にお持ち込みされています。
なお、センターずれ疑惑については
「センター出してるから大丈夫」と言って
目の前でゲージを当てたりなどは してくれなかったそうです。


リムが フリー側に ずれています。
12万円かけてフルクラムの吊るしの精度以下とか ナメてんのか。
横振れが1ヵ所ありましたが、ゲージを当てた位相はそこを避けています。
なお、作業は全て お客さんの目の前で やりました。
私が触る前が どうであったか、触ったあとに どうなったかも全て説明しています。
仮に クソショップにクレームを言いに行くとして、
当店の名前を出しても かまわないし
この記事を見せても かまわないと言ってあります。
「ちゃんとやってた!言いがかりつけんな!」という寝言は言わせません。
縦振れですが、反フリー側のリム穴7ヵ所の縦位置が そろえば OKです。
逆に言うと、構造上 それ以上は追い込みようがありません。
バルブ穴から 時計回りに数えて 反フリー側のリム穴の位相7ヵ所に
1~7までの番号を付けて 縦振れを見たところ、
3の位相が内側にゴバッと入っていて、
ついで4の位相も 3の位相ほどではないものの内側に入っていました。

↑これは1~7の位相のうち 最も外側に振れていた箇所です。
お休み位相だと もっと外側になっていますが、そこと比較してはいけません。

↑3の位相

うまく撮れていないので 分かりにくいですが、
けっこう 内側に引っ込んでいます。
あと、全般的にテンションがヌルめでした。
張ればいいというものでもないですが、これについては
当店にあった 吊るしのレーシングゼロと
スポークテンションを テンションメーターの数字で
比べて見てもらって、触る前と後で明確に違っているのを
確認してもらっています。
最終的には わりと張り気味の吊るしの個体と同じくらいにしました。
で、作業に取り掛かろうとしたのですが
(ここまで まだニップルを全く回していません)、
とんでもないことに 気が付きました。

↑これは反フリー側のスポークですが、短すぎます。
適正に締めれば ちょうど良くなるというのではなく、
明らかに長さを間違っています。
この後輪のスポークは フリー側の刻印が「70」、
反フリー側の刻印が「68」です。
このホイールの中には無かったですが、例外はあります。
それについては次の記事で。
通常、反フリー側ラジアル組みの後輪は
フリー側のタンジェント組みのスポークのほうが長くなりますが、
メガフランジ化以降のレーシングゼロの場合は
フランジ径が大きいことと、スポークの軌道が ほぼフランジの接線になることから
フリー側のスポークのほうが短くなっています。
「70」と「68」では、「70」のほうが短いということです。
上の画像の状態、明らかに ねじ山のかかりが浅くて異常なんですが
組んでる最中に これが分からないくらい 組み手がアホなのか
なんかおかしいけど まあいいやと思って強行したのかは不明です。
そして、どちらの場合でも プロショップとしてはアウトです。
スポークの長さが間違っているというのは
この時点では 仮説に過ぎません。
証拠の画像がないと クソショップが
「間違えたわけが無い!」と ほざく可能性があるので

実際に 反フリー側を全数バラしました。
ちょっとした振れ取り作業で済むと思ったら
大変な手間になっています。


文字入り赤スポークは フロント用とリヤ左用の2種類しかないので、
フリー側の長さである「70」の文字入り赤スポークというのは ありえません。
実際 赤スポークは「68」でした。
で、残る黒スポーク6本のうち 3本が「70」でした。
ねじ山かかりが異常に浅く、仮に そのままでお渡しすると
近い将来 私もお客さんも お互い いやな目に遭うことが予想されるので、
仕方なく 当店で「68」の黒スポークを3本 買ってもらうという話になりました。
なに、外した「70」の3本は フリー側のスペアになるので
そのまま お渡ししときます・・・。と言いかけたときに ふと思いました。
フリー側に「68」を入れている間違いも ありえるのではないかと。

↑「70」です。
厳密には「70・」となっていますが、
これは数字の向きを示す点です。
「・0ム」となっていた場合 読む向きが逆だということです。

↑ここも「70」です。

↑これは「・89」ではなく「68・」なので
「68」です。
反フリー側のスポークをフリー側に入れています。
こちらは、スポークのねじ山を ほぼ使い切っています。
もしかして スポークテンションがヌルいのは
フリー側に入れた「68」が
どん突きで締められなくなったからかもしれません。

↑ここも「68」です。
しつこく書きますが、お客さん(とその次に作業を待っていた
別件のお客さん)の目の前で作業しているので
これが私の捏造した画像だという可能性はありません。
いや、そのレベルの言いがかりをしてきそうな奴なので
一応 予防線を張っているだけです。

間違っているスポーク、反フリー側の「70」と
フリー側の「68」に目印のテープを貼りました。

↑反フリー側の「70」は3本です。

↑フリー側の「68」も3本です。
つまり、スポークを一部 間違えていただけなので
新規に買う必要はありませんでした。
いやー、その点だけは良かった。
フリー側のスポークの刻印は ニップルをゆるめずとも読めるので
この時点でも フリー側のニップルは一切 触っていませんが、
上の画像のフリー側の「68」は いずれも「70」と最終交差を成しています。

↑フリー側の「70」

↑フリー側の「68」
このホイールのニップルですが、
画像のフリー側は まだ一切 触っていないわけですが
すでに やたらと角がナメ気味なんですよね。
前のホイールから ニップルを使い回したとしても
これは ひどいです。

直しました。

間違っていたスポーク3本ずつを交換したので
暫定センターだの 冒頭に書いた3の位相の縦振れが大きいだのは
全部ふっとんで、いちからのホイール組みより ややこしい内容になりました。
お客さんからも、私がたまに ここで書く
「ホイール1本組むより 時間がかかったわ」というのが
まさか自分のホイールで起こるとは思わなかったと言われました。
ちなみに この後輪の工賃は4000円です。
我ながら安いと思いますが、そもそも私は関係ないとはいえ
ひとつのホイールで工賃を2重取りされるのは不憫だと思ったからです。
クソカスショップが払うというなら1万円くらい請求しますが。


センタードンピシャ

縦振れも追い込んでいます。
上の画像のホイールは回転しています。


つづいて前輪。
お休み位相が無いのに 後輪より縦振れが大きかったです。
うっすらセンターずれありで、横振れだけは ほぼ取れていました。
上の2つの画像ですが、ゲージの位置は同じです。
お客さんは リム交換ごっこ後に ホイールを少し使ったので
ブレーキゾーンに磨耗痕がありますが、
お預かりした時点の状態では この磨耗痕は真円です。
磨耗痕の上下の、ブレーキシューが当たった跡が無い部分の
幅を見てもらえれば分かりますが、
磨耗痕と振れ取り台のゲージの距離は同じです。
ホイールを回すと、磨耗痕よりの外周側の きれいな部分の幅が
位相によって うわんうわんと変わります。
という状態から 縦振れを取ったところ
(横振れも取ってセンターも出してます)、
リムの輪郭が限りなく真円に近く、
ブレーキゾーンの中で かつて真円だった磨耗痕が
上下に うわんうわんと踊るという状態になりました。
画像は撮っていませんが お客さんには見てもらっています。
そして、もし この前輪を一切使わなければ
元の状態の縦振れを視覚化した状態が維持されるので
なんならクソショップに見せてやってもいいですよと言っています。
ホイール組みも 振れ取りも、
「作業する者の妥協点100%まで、
材料が許す限り 精度を追い込む」という点では
実はやっていることは同じです。
この「妥協点100%」には 個人差がありますが。
妥協点100%は(プロの場合は)
「これでやっと お金をもらっても恥ずかしくないところまで
追い込めたぞ!」という到達点ですが、
元の状態は フルクラムの吊るしに遠く及ばない、
非常に低い妥協点100%でした。
しかもスポークの左右を一部間違えているという おまけ付きです。
これは私もお客さんも一致した意見ですが、
今回のクソショップは「どーせ手を抜いてもバレへんやろ」という感じで
妥協点30%でホイールを渡したわけではないと思います。
100%であることは確かで、それが非常にレベルが低い内容というだけのことです。
このクソショップの店主は 当店と
このブログのことは知っているということで、
あるいは いずれ このホイールのお客さんが伝えた場合は
どのみち ここを見ることになると思うので書いておきます。
今回の件、自転車屋1年目2年目の丁稚がやらかしたことであれば
今後 改善される可能性はありますが、
お前のように無駄に歳だけ食ってるクソカスで
現状 この程度のことしかできないのであれば
技術的な面で大成することは絶対にありません。一生そのままです。
絶対に、というのは少なくとも私は 例外を見たことがないからです。
なので お前に出来るのは、
幸か不幸か お前の仕事のレベルがクソだと気付かないような眼識の
お客さん達から しょーもない仕事でお金を毟って糊口をしのぐことだけです。
今回の内容が、精一杯、100%だとすれば
恥ずかしいことをしているという自覚も無いと思いますが、
そのこと自体が手遅れです。
胸を張って堂々と 今回の件は12万円に見合う内容でしたと言えますか?
一応、お客さんは「縦振れあるんじゃないの、センター出てるかな?」と
2回、最終的に ちゃんとした仕事をしたと言えるチャンスをくれたわけですが
(いきなり当店に持ち込むのが 不義理になると思ってくれたのかも知れん)、
お客さんの前でセンターゲージを当てて見せず
私が当てた瞬間に 明確に ずれていた時点で
今回のリム交換、初めて作業を完了させたのは お前ではなく私です。
まあ それ以前にスポークを間違ってたから 振れが無くてもアウトやけどな。
あと、さらにそれ以前にスポークの全交換を強行してるのもアウトやったわ。
category: のむラボ日記
AL22Wリムで後輪を組みました 
2021/08/27 Fri. 22:07 [edit]

ここ最近、AL22Wリムで 20Hの前輪と
28Hのパワータップハブの後輪を組みましたが、
同じお客さんから 24Hの普通のハブでの
後輪のご注文も いただいていたので 組みました。

エボライトハブ 24H 半コンペヨンロク組み結線ありで


虹色配列ニップルです。
category: のむラボ日記
シラクCXチューブレスを多めに仕入れました 
2021/08/27 Fri. 21:56 [edit]

毎年、シクロクロスのシーズン前や
シーズン中に欠品が起こるので
今年は先に多めに仕入れておきました。
IRCを扱っている全ての問屋さんで欠品しているわけでは無いですが、
在庫無しでなくとも 僅少であるところが多いので
シーズン中 シラクCXを常用しているという方は
1ペアくらい予備を買っておいてもいいかもしれません。
ちなみに
仮に 全ての問屋さんの在庫が尽きたうえで
当店に在庫があったとしても、
定価以上で販売したりはしませんので ご安心ください。
category: 新着情報!
ボッタスやんけ 
2021/08/26 Thu. 07:29 [edit]

↑メーカーサイトに出てくる このオッサン、
F1ドライバーのバルテリ・ボッタスそっくりやな というか
いや、これ たぶん本人やろと思い
ポラールが公式にサポートしているアスリート一覧を見たところ
載っていませんでした。
が、別のところに動画があり やっぱりボッタスでした。
気になったのは、肩書きが
「プロフェッショナル レーシング ドライバー」であって
F1ドライバーだとか、メルセデスAMGペトロナスだとかは
一切 書いてなかったことです。
チームではなく 個人スポンサーだからかもしれません。
動画では ボッタスが バーベルで筋トレしたり
泰山流双条鞭をしたり ロードバイクに乗ったり
ウェットスーツを着て川で泳いだり
オフトゥンの中であたたかくして寝たりなどしていますが、
プーマのウェアを着ているのが確認できる程度で
これまたベンツのロゴの入ったウェアなどは着ていません。
なんとなくですが、2022年のメルセデスのレギュラードライバーは
ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルになる気がするんですよね。
ボッタスは追い出されるというより 自分から やめる感じになるんじゃないかと。
2020年のサクヒールGPで コロナ感染で欠場した
ハミルトンの代わりに ウイリアムズからラッセルを借りて
代走させたことがありましたが
(一応 建前上はライバルチームの選手を借りるとか
自転車競技では考えられませんが)、
あのレ-スはタイヤ交換ミスの大失敗が無ければ
メルセデスの1・2フィニッシュとラッセルの優勝すら ありえたと思います。
ただ、ボッタスは ハミルトンの(自転車競技で言うところの)アシストに
徹している職人的なところがあり、不可抗力的な状況を除いて
下克上を狙わない走りをする結果 2位や3位が異常に多く、
ハミルトンがチャンピオンであり続けるのであれば
もうひとりのドライバーは ラッセルよりボッタスのほうがいいはずです。
ああ でも、ボッタスがレッドブルに移籍したりしねーかな。
あと、直近のレースの2021年ハンガリーGPで
決勝のスタート直後に
オーダーがあったかのような
あれは マジであかん。
category: のむラボ日記
AL22Wリムで前輪を組みました 
2021/08/24 Tue. 22:50 [edit]

AL22Wリムで前輪を組みました。

エボライトハブ 20H CX-RAY反ヌポークラジアル組みで


ニップルは 虹色配列です。私なりに
回転しているリムが 日光やライトなどで照らされたときに
最もグラデーションがきれいに見えると思える配列があり、
これを勝手にVAS配列(バスはいれつ)と命名していますが、
ニップルの個数(リムの穴数)によって
どの色を何個 並べるかは当然 変わります。
これについては20・22・24・28Hの場合については
完全に確立されています。
22Hは カンパニョーロのプロトンか、
内蔵ニップル仕様を わざわざ汎用ニップル仕様に改造した
ニュークリオン/ニュートロンのフロントリムに限られますが。
category: のむラボ日記
実測323gよりやや軽いアルミリムの後輪を組み直しました 
2021/08/23 Mon. 23:02 [edit]

お客さんから 20インチWOリムの後輪をお預かりしました。
とある小径車ブランドの フレーム+前後輪という形態で
販売されているもので、かつて当店で販売したものです。
前後輪とも ピラーの14/15番丸バテッドスポークと
14mm長さのアルミニップルで組まれていましたが、
前輪は 販売前に黒CX-RAYストレートと
DTの12mm長さアルミニップルで組み直しました(→こちら)。

スポークがピラーなので ニップルもピラーだと思いますが
このニップル、つかみしろの部分が長いので
16mmロングニップルに見えるものの 実際は14mmです。
で、お預かりした理由ですが


ニップルが破断したので交換してほしいとのことです。


通常、リム内に残った側は リムの中に落ちて暴れますが
今回の件では リムの内側に貼り付いていました。

リンク先の記事にも書いていますが、
これは販売時の点検で DTのスポークフリーズという ゆるみ止めを
リムの外側から差していたからで、
上の画像に 赤い輪っかが残っているのがそれです。

破断したニップル1つだけを交換してもいいのですが、
お客さんは 遠方のかたなので
今後また別のニップルで破断が起きるたびに そこだけ直すというのが
面倒なので、ニップルを全交換することにしました。
今日もホイー(以下略)。の条件を満たします。
行為としてはホイール組みですが、当店で販売しているので
通常のホイール組みの工賃は かかりません。
書き忘れていましたが(リンク先の記事には書いていますが)、
この後輪は12:6Hの18Hという やや攻めたスペックなので
ニップル全交換の判断をしました。
左右同数の24Hであったなら
破断した箇所の対処だけで済ましたかもしれません。
理由と時期が違いますが結局 前後輪とも組み直す結果となりました。

リムの実測重量です。
表題に323gより やや軽いと書いたのは
お客さんが リムにウェイトを貼っていたからです。



組めました。
スポークは そのまま使い回しています。

↑交換したニップル
スポークフリーズが効いていたので
丁寧にバラすのに やや手間取りました。

ニップルの リムとの接触面に
摩耗痕が付いているものは いくつかありましたが、
いかにも「あ、こいつ近日中に とぶな」といった感じの
状態のものは見つかりませんでした。

組み直し後は 破断リスクが最小限だと思われる
12mm長さニップルにしています(上の画像 右)。
めったに使わないので どこに入れたか分からず 少し探しました。
前輪の組み直しに使ったニップルとは また別のものです。
category: のむラボ日記
のむラボホイール5号の後輪を組みました 
2021/08/22 Sun. 23:29 [edit]

昨日の前輪の相方の のむラボホイール5号の後輪を組みました。

エボライトハブ 24H 半コンペヨンロク組みで

前輪と同じく 銀スポーク黒ニップルで
4ヵ所のみ赤ニップルです。
結線は あとでやります。
category: のむラボホイール
のむラボホイール5号の前輪を組みました 
2021/08/21 Sat. 23:34 [edit]

のむラボホイール5号の前輪を組みました。

エボライトハブ 20H CX-RAY反ヌポークラジアル組みで

基本は黒アルミニップル、バルブ穴とその対岸の位相の両側4ヵ所のみ
赤アルミニップルです。
category: のむラボホイール
のむラボホイール2.5号の後輪を組みました 
2021/08/20 Fri. 23:46 [edit]

のむラボホイール2.5号の後輪を組みました。

エボライトハブ 24H 黒半チャンピヨンロク組みです。
結線は あとでやります。
半コンペでも十分だと お客さんには言ったのですが、
とにかく硬いホイールにしろと言われたので半チャンピにしました。
category: のむラボホイール
のむラボホイール1号の前輪を組みました 
2021/08/19 Thu. 23:50 [edit]

のむラボホイール1号の前輪を組みました。

エボライトハブ 24H 黒CX-RAYヨンヨンイタリアン組みで
銀アルミニップルです。
これも「65×24=78×20案件」の ひとつで、
当初はCXスプリントの20Hで組む予定でしたが
欠品があまりに長引いたので CX-RAYの24Hとしました。
スポーク長さを勘案しない「スポーク比重×本数」だけのスポーク量であれば
CX-RAYの24Hと CXスプリントの20Hは同じスポーク量になります。
このホイールは CXスプリントで組むとしても
タンジェント組みにする予定でしたが、
ラジアル組みであれば リムとハブが同じならスポーク長さは変わらないので
実際のスポークの重量比も「スポーク比重×本数」の分しか変わりません。
タンジェント組みであれば 20Hと24Hでは
スポークの長さが ほんの少し変わるので
厳密には「スポーク比重×本数×長さ」で比較するべきですが
ホイールの性質を考えるのに概算するだけなら
長さは無視しても問題はありません。
あと、ラジアル組みであっても 20Hと24Hでは当然
ニップルの数が4つ違うわけですが、
12mm長さのアルミニップルだと
4個で1gほどの差なので「外周部重量が重たくなる!」と
気にするほどではありません。
リム重量の個体差のほうが大きいくらいです。
サピムのCXスプリントが安定供給されると思っていた頃に
リムブレーキの前輪の全CXスプリントや
ディスクブレーキの前輪の半CXスプリントで いただいたオーダーは
前者は本数を増やしてCX-RAYで、
後者は全CX-RAYにしつつ左右とも結線で
内容を変更して組むことが多いですが、
「かつてリムブレーキ用で組んだ20Hの前輪をディスクブレーキ仕様にする」
ということで 20Hのディスクブレーキ用のフロントハブで組み直すという案件を
複数 お預かりしており、これは全CX-RAY+左右結線でも
本数的に厳しいかなと思っているので CXスプリントの入荷待ちとなっています。
ディスクブレーキの前輪を 半コンペないし全コンペロクヨン組みする場合に、
ディスクブレーキキャリパーへの接続が
バンジョーホースジョイント式のスラムのブレーキだと
(ハブの寸法にも因りますが)コンペの4本組みの最終交差付近が
バンジョーボルトの頭と干渉する事例が高確率で起きます。
そうでないなら 半コンペでもいいのですが。
なお この事例、KONAの完成車に最初から付属している
全14番プレーンロクロク組みのホイールでも起きていた事例があり
(ブレーキはスラムのフォース)、ちょっと立ちこぎすると
スポークがカンカンとバンジョーボルトに当たるので
前輪の左側だけを組み直したことがあります。
他のショップで どういう対応をするのかは知りません。
category: のむラボホイール
レーシングゼロさん 
2021/08/18 Wed. 21:24 [edit]

振れていることに気付いたので直してほしいとのことです。

かつて当店で XDRフリーボディに交換したもので、

おしゃれ泥棒もしていますが

そのときに同時にした、マグネットを熱収縮チューブで固定したのが
破れて ふっとんでいます。

このホイール、しばらく使っていなかったとのことで
つい先日 振れを発見したとのことですが
普通の横振れではありません。
反フリー側のスポーク7本のうち 何本かが明らかに曲がっています。
前後方向の変形は ほぼ無く、回転中のホイールに
何かを巻き込んだというわけでは無さそうです。
これに至った 何か確たる原因があることは間違いないので
お客さんに訊いたところ、本当に覚えがないとのことでした。
落車などもしていないそうです。
トボけたり ウソをついていないのは信じていますが、
たとえば バイクの自重だけでコテンと倒れた程度では
こうは なりません。
というか おそらくホイール単体の状態で何らかの大きな力がかかっています。
フレームの後ろ三角にセットされた状態で こうなったとすると
フレームのほうも無事では済みません。
上の画像のスポーク、指でさすると変形しているのが分かりますが

↑テンションを抜くと こうなりました。
画像の中央にあるスポークですが、

このスポークだけ 変形した部分に特徴的な打痕がありました。
結果、反フリー側7本のうち 5本が要交換となりましたが

変形しているスポークをフランジから外し、
同じ回転方向に90°回したのが 上の画像です。
ビュフォンの針・・・とは違いますが、
横から見たホイールの画像に 任意の線を1本引き、
線とスポークが交わった部分が変形するとした場合
変形したスポークの位相が180°の範囲を超えることはありません。
何が言いたいかというと、たとえば これが
「ガレージの奥に立てかけてあったホイールに 自動車がバックで突っ込んだ」
などの 単一的な要因ではないということです。
ちょうど そんな感じの変形ではありますが、
これだけの範囲で変形させるなら ホイールを置く位相を変えて
少なくとも 2回か3回は突っ込む必要があります
(上記の例でいうと2本か3本の線を引いていることになる)。
マグネット入りの熱収縮チューブが こそげ落ちているのも不自然で、
たとえば 夫の自転車趣味が気に食わない者が家族内におり、
ハンマーでスポークを躊躇なく叩き回ったとすれば
説明が付くような状態です。
おっと しまった(おっと だけに)。
「夫」と書くと、犯人が誰か 実質 私のほうで明言しているみたいではないか。
しかし私は このホイールのオーナーが既婚者かどうか知らないので
特定の人物を疑ったことにはならないのでセーフです。
しかし、こうなるに至った 確たる原因があるのは確かなので、
お客さんに覚えが無いとなると 悪意ある何者かにやられた説を
採るしかありません。

外したスポークは パリパリ系ねじ止め剤が無駄に強く効いていましたが、
歯周ポケットに細かい砂が入るのを防いでいる気がします。
無駄とは言い切れないのかもしれません。

↑画像のホイールは回転しています。
スポークを交換して、反フリー側だけの調整で横振れ取りをしました。
フリー側のスポークのニップルは一切触っていません。
かつて 私が縦横振れ無しセンタードンピシャにしたホイールなので、
ハンマー女(※)にやられる1秒前の状態に戻すのは
反フリー側のスポークの調整だけで理論上は可能なはずです。
※原因が不明なので、ハンマー女という都市伝説をでっち上げました。
身長2m以上で くねくねと体を揺らしている、
逃げると時速100kmで追いかけてくる、ポマードと大声で叫ぶと逃げる、
という特徴があります。

↑画像のホイールは回転しています。
ざっと横振れ取りをした時点で、縦振れが ほぼありません。
フリー側の14本のスポークのニップルを一切触っていないので、
縦振れのガイドとして機能しているからです。
この時点でのホイ-ルセンターは


リムが フリー側に えらく ずれていますが、
ここから反フリー側の増し締めでセンター出しするだけで
ほとんど元の状態になります。


センター出し中・・・。
まだ ずれています。


さらに反フリー側を増し締めしたところ、
センターを乗り越えて フリー側にずれました。
あと、この時点でフリー側のニップルを
1ヵ所を1回だけ回しています。
縦振れは最後まで出ませんでした。
お休み位相ありのリム穴なので、
そこで自然に発生する外周側への縦振れのほうが よほど大きいです。


センターを出しました。

直りました。

交換したスポークは5本ですが、
いつもやっている目印のテープを貼っていないのには
理由があります。

時系列が戻りますが、これは新しいスポークの頭を
ハブフランジに はめ込もうとしているところです。
ニップルに1山ちょっとかけたスポークをつかんで
ハブのほうに引っ張っていますが、到底かかりそうにありません。
カンパニョーロ・フルクラムのアルミスポークですが、
片側の連続した数本を一度に外すと
残りのテンションがかかったスポークがハブフランジを引っ張るので
新しいスポークを はめ込めなくなることがあります。
1本ずつ交換すれば これは まず起きませんが、
先ほどの「5本 曲がっています」という絵面が欲しかったので
5本いっぺんに外してしまいました。

で、スポークヘッドを はめ込むために
変形していない2本のスポークも ゆるめたので、
「一度 外したり ゆるめたりしたスポーク」に貼る
目印のテープの対象が 反フリー側7本のスポーク全てになったので
むしろ 貼らずともよくなったというわけです。

お客さんから ホイールマグネットを 別にお預かりしているので
指定の位置に また取り付けました。
マグネットの位置は 以前のスポークとは違います。

↑交換したスポーク
前後方向に変形したスポークは、
くの字 への字の最短長さ(がスポークテンションで伸ばされた長さ)が
実効長さになるので、長さが短いスポークを混ぜた状態となり
横振れを取れば 縦振れが内側に出すぎ、
縦をそろえれば 横振れが出るうえ スポークテンションが抜けた状態になるので
スポークを交換する必要があります。
が、今回の件は変形が ほぼ横方向のみなので
手で大体まっすぐに曲げ直せば 再利用できなくも無い感じではありました。
上の画像でいうと 真ん中の赤スポーク3本は
仮に スポークの在庫が無い場合に
姑息的処置として使い回す事が可能な程度です。
今回は気持ちよく全て交換しましたが。
うーん しかし原因が分からん。
ホイールを高所(2階の窓からとか)から落としたとすれば
リムにダメージが及びますが そういうのもありません。
あるいは打痕の説明が付きませんが、ホイールバッグに入れた状態で
それなりの悪意か害意があって ホイールを踏みつけるように蹴れば
こんな感じになると思いますが・・・。
↑こういう、説明が付かない事象が「妖怪」という存在を生むのだなあ。

同じお客さんから、別件ですが
チューブラー仕様のボーラもお預かりしており
レーシングゼロもボーラも バルブコアというより
バルブコア付きエクステンダーを外してありました。
レーシングゼロも、冒頭の画像を よく見ると分かりますが
元のタイヤのバルブ長さが短くて
延長無しだと バルブコアの部分くらいしか出ないので
ごく短いエクステンダーを使っています。
で、このボーラですが バルブブッシュがありません。
バルブエクステンダーを外したときに一緒に外したのか
それとも失くしたのかは不明ですが、
タイヤのバルブが バルブ穴の ほぼ中央に通っているので
失くしたわけではなく外しただけかもしれません。
そして確実に言えるのは、現行の3代目まであるバルブブッシュのうち
リムにバルブを通した状態で付け外し可能、
または紛失する可能性があるのは 2代目だけです。
これについては(→こちら)をどうぞ。

廃版で入手不可の2代目ですが、
在庫としては持っているので(上の画像 左のやつ)

取り付けておきました。
お客さんは遠方のかたなので、
バルブブッシュを失くしていないなら いいのですが
仮に失くしていた場合 たいへん面倒なことになります。
もし 失くしていない、外しただけだというのであれば
予備で持っておいてください。
2代目は不意に無くなることが多いです。
ねじ山を切ってあるバルブやバルブエクステンダーに
バルブナットを取り付ければ 紛失することはありませんが、
チューブラータイヤのバルブエクステンダーは
一般的に ねじ山が切られていないので
バルブナットの取り付けはできません。
2代目バルブブッシュは、外れないまでも
リムから やや浮いた状態になることが よくあります。
タイヤを一旦外して 3代目バルブブッシュにしても解決しますが、
このタイヤはリムセメントで張られており 剥がす手間と工賃を考えると
鶏和え酢(※)は これでいいのではないかと思います。
コンチネンタルのドイツ製チューブラータイヤが張られていましたが、
仮に チューベラーテープ(※)で
コンチネンタルのライオンタイヤ製の「ジロ」以外のタイヤが張られていた場合
黒コットンのフンドシに対する食いつきが異常に強く
剥がすことは実質 不可能です。
なので この件については、仮にチューベラーテープで張ってあっても
バルブブッシュは 3代目に交換ではなく 2代目を挿すだけにしています。
※誤字だと思われるかもしれないので
久しぶりに元ネタのリンクを貼っておきます。
鶏和え酢(→こちら)
チューベラーテープ(→こちら)
category: のむラボ日記
オペラのカノーヴァのダウンチューブ裏にボトルケージ穴を増設しました 
2021/08/13 Fri. 23:54 [edit]

かつてあったピナレロの別ブランド、オペラの
カノーヴァのダウンチューブ裏にボトルケージ穴を増設しました。
お客さんいわく 夏場にダブルボトルにしたい、
でも サドルバッグは使いたくないとのことです。

ボトルケージはエリートのカスタムレースです。
丸穴の隣に長穴があって 多少の位置調整は可能ですが、
位置に関して制約が多いフレームだったので
あまり意味はありません。

↑ツールカンを取り付けました。
もう少し下にしてもいいのでは?と思うかもしれませんが

チェーンが
インナーギヤに収まってる状態(上の画像)、
アウターギヤに収まっている状態、
インナーからアウターへの変速時の3つの場合は
とくに問題が無いものの

アウターからインナーへの変速時の この瞬間に

チェーンとボトルのクリアランスがグッと縮まるので
干渉しない位置にする必要があります。
カスタムレースは ボトルケージ下部の横が空いているデザインなので
今回の件では都合がよかったですが、
ボトルケージによっては ボトルやツールカンを入れずとも
そもそもボトルケージ自体がチェーンと干渉する可能性があります。
左クランクと接触しない範囲で 穴位置を
かすかに左側に振るという手もありますが、
このフレームは マグネシウム製フレームだった初代ドグマの流れを汲む
自社規格のハンガー下ワイヤーリードとなっており
(初代ドグマのものとは形状が違いますが)


上にあるアウター受けの位置も関係していますが
ダウンチューブ下側に這っているシフトワイヤーの左右が近く
ボトルケージとの位置関係がすれすれでした。
ボトルケージによっては そもそも取り付けができないことも
確認しています。

シフトワイヤーは、厳密には リヤメカ側(右側)のほうが
低い位置を通るのですが この違いすらキツかったくらいです。
あと、少し前の画像にあるエリートのツールカンだと
長さが長くて 前輪に干渉するので
少し短いツールカンにすることになりました。
これがグラベル用のシングルスピードのクランクが付いているとか、
フレームサイズが あとワンサイズでも大きくて
フロントセンターが長いだとか、
そういう有利な条件が別にあれば 取り付け位置は変わります。
ボトルケージにしても、たとえばエリートのチウッシィだと
シフトワイヤーに干渉しますし
エリートのカンニバルXCだと インナーへの変速時に
ボトルではなくボトルケージ自体が干渉しました。
スペーサーを使ってボトルケージを フレームから浮かせば
シフトワイヤーとの干渉は ほぼどんなボトルケージでも起きなくなりますが、
そのたった数mmで前輪とのクリアランスが厳しくなります。
そもそもスチールフレームなどと比べた場合、
今回のフレームのダウンチューブの太さは
スペーサーで 相当な かさ上げをしているのと同じです。
お客さんのクランクセットの歯数は50×34Tですが
今後もし アウターギヤを大きいものに換える場合
調整(現物合わせ)が必要になることは間違いありません。
というわけで この手の仕事は正直あまりやりたくないのですが、
お客さんに「なぜ 当店で この手の作業ができることを知っているのか」と
訊いたところ このブログを見たからだそうです。
つまり ここに上げることが良くないということですね。
category: ドリルがうなる!
TX-633リムで後輪を組みました 
2021/08/13 Fri. 22:46 [edit]

先日組んだ ダイナモハブの26インチ(HE)の前輪の
相方の後輪を組みました。

リムとニップルは前輪と同じく
アラヤブランドのTX-633と ターコイズアルミニップルで

FH-RS300 32H 全コンペヨンロク組み結線なしです。
FH-RS400ハブであれば11Sに対応していますが、
お客さんは これを8Sで使う予定で 11S化はしないということなので
オチョコ量で寸法的に優れている(9000のハブより優秀)
FH-RS300を あえて選択しました。
今回のリムは オフセットリムではありませんが、
オフセットリムはオチョコに直接作用するので
ホイールを組んでいてスポークテンションの左右差が近くなるのが分かります。
FH-RS400と300の違いは オフセットリムほどの効果量ではありませんが
オチョコの違いが組んでいて分かるくらいには違います。
仮にFH-RS400であったなら スポークを全コンペではなく
チャンピ/コンペにしていたかもしれません。
あと、MTB系のフレームらしいですが
リヤハブのオーバーロックナット寸法は130mmということなので
ロード系のハブで組みました。
category: のむラボ日記
GERRYのポケッタブルバックパックを買いました 
2021/08/12 Thu. 23:36 [edit]

私は10年くらい前から GERRY(ジェリー)というブランドの
防水ジッパーのバックパックを使っています。
上の画像のものは2代目です。
ジェリーと呼ぶのは 現行の取り扱い店舗や卸元が そう呼ぶのに倣ったまでで、
私は当初ゲリーと呼んでいました。
選挙区を恣意的に区割りすることを「ゲリマンダー」と呼びますが、
その元ネタになった政治家エルブリッジ・ゲリーの
姓の綴りがGerryなので ゲリーと読むんだと思ってました。
英語圏では ゲリマンダーのことをジェリマンダーと呼ぶうえ
とくにイギリス英語では 綴りすら元ネタと違う
jerrymander(先頭がGではなくJ)になることもあるようですが。
これとは別に パシフィックアウトドア(PACIFIC OUTDOOR)という
防水ジッパーのバックパックやウエストポーチを出していたブランドがあり、
私は元々ジェリーより前に そこのバックパックを使っていて
てっきり どっちかがどっちかのパクリだと思っていたのですが、
調べたところ どちらもそれなりに由緒正しいブランドで、
現在 どちらも本国サイトがない程度には爆死していて
アパレル系の商社がブランドを保有している点も共通しています。
パシフィックアウトドアのほうは休止しているようですが。

↑これがジェリーのロゴですが、
同じロゴで ジェリー・ダウンウェアーという
ダウンジャケットを中心とした バッグとは関係ないブランドもあります。

これはジェリーのロゴだけ入れてみましたという感じの
ボクサーパンツ3枚セットです。
見かけたので なんとなく買ってみました。
創業事業と あんまり関係ない
こーゆー商品を展開しているブランドってことです。


防水ジッパーですが、オルトリーブの場合は ジッパーを締め切ると
バッグを強く抱きすくめても 空気が漏れず、浮き輪のような状態になります。
パシフィックアウトドアの場合は ジッパーの終わりの部分に
かすかな すき間があり、抱きすくめると
フスーッと 空気がゆるやかに漏れていきますが
浮き輪のような張りを ほんの少しの間は維持します。
ジェリーの場合は ジッパーの最後の部分の すき間が さらに大きく、
抱きすくめると 浮き輪のような状態にはならず すぐにしぼみます。
閉じたジッパーの部分から 雨や 高圧でないシャワーの水をかけても
浸水しませんが、どしゃ降りの雨の中を走るとジッパーの終わりの部分から
かすかに 水が入ります。
100%防水ではなく99%防水といった感じです。
パシフィックアウトドアのバックパックは
このジェリーと同じくらいの容量のものを
2つは買いましたが、いずれもジッパーが壊れました。
早いと1年もたずにダメになります。
オルトリーブのパクリのようなジッパーで 動きも固く、
いずれ「ジッパーのツマミのどちら側も開いている状態」になります。
新品の状態が ずっと続くと仮定すれば
ジェリーよりは良いバックパックだと思うのですが・・・。
先代のジェリーは 防水ジッパーの周りがベロベロにめくれてきたのと
洗っても落ちない傷汚れが目立ってきたので買い換えました(色は黄色でした)。
この10年 ジェリーだけを ずっと使っていたわけではなく、
クロームやドイターなどを使っていた時期もあります。

左右のショルダーストラップだけです。
左右をつなぐ チェストストラップやウエストベルトはありません。

で、表題の件です。
ある自転車の問屋さんが ジェリーの取り扱いを始めたので
そのルートで手に入るようになりました。
上の画像は今年の2月9日に撮ったもので、約半年前になります。
ものすごく小さくたためる携帯用のバックパックです。
これ以外に 手提げ袋型のショッピングバッグや トートバッグもあります。

ジェリーのロゴが入っています。

↑これ
コーデュラ素材なので ナイロンに伝線が入ったり
ほつれたりということは無いのですが、
税別4900円と なかなかお高めです。
少し前に同じものを天王寺のLOFTで見かけましたが
税込5390円(つまり定価)で売っていました。

横にタバコの箱を置いても 自転車乗りにはピンと来ないと
思ったので ボトルを置きました。
輪行袋と同じで、一度出すと なぜか出荷状態ほどには
きれいに たためないので 使用後は 実際には もう少し大きくなります。

広げると これくらいです。
ジャージのポケットに忍ばせておいて、
夜練の最後に24時間スーパーで
2リットル入りのペットボトルの水などを2~3本買ったりしますが、
容量も耐久性も余裕です。

収納袋を失くさないように 縫いつけてありますが、
私は これは切りました。
バックパックに広げたときに中に入れています。
失くすと終わりです。

防水バッグで(一部で)有名な ジェリーですが、
このバッグは防水ジッパーではありません。

あと 背面の この部分、

真ん中で縫いつけられて 二分されているベルトが引き出せます。
用途は不明です。
米軍のバックパックの モール(MoLLE)システムのように
なにか クリップやカラビナをくくりつけるんでしょうか。
このジェリーを取り扱い始めた問屋さんですが、
冒頭の防水バッグと たぶん同じもの(それか後継モデル)を
8月から取り扱い始めるようです。
おまけ

↑カンパニョーロと書かれた よく似た何かも持っていますが、
これは携帯用ウインドベストで 現行のアパレルシリーズ以前に
展開されていた年代のものです。

↑前身頃

↑後ろ身頃
黒い部分はメッシュで、背中に熱がこもりません。

ベスト展開後の内側に袋が縫いつけてある形になっています。
こちらは切り離すと失くしそうなので 切りません。
category: のむラボ日記
のむラボホイール1号の前輪を組みました 
2021/08/12 Thu. 22:19 [edit]

のむラボホイール1号の前輪を組みました。

エボライトハブ 20H CX-RAY反ヌポークラジアル組みで

金アルミニップルです。
このホイールを注文された お客さんが今日 来られて
別のホイール(私が組んだわけではない)の点検をしましたが、
そのときに このホイールの納期を訊かれたから
あわてて組んだわけじゃないよ。本当だよ。
category: のむラボホイール
ユーラスさん 
2021/08/10 Tue. 23:52 [edit]

リヤメカを巻き込んでスポークが変形したとのことですが、
それ以前にスポークを曲げたことがあり
どちらの分も まとめて直してほしいとのことです。
暫定センターの画像は撮っていませんが、
リムが 反フリー側にずれていました。

↑変形したスポークを特定して
テンションを抜いたあとの状態なので
変形が分かりやすくなっています。
上の画像のスポークを Bと呼ぶことにします。

↑これはCと呼ぶことにします。

直りました。

↑交換した箇所を 画像右から左に向かってA・B・Cとします。
AとBはリヤメカ巻き込みによる 1撃目と2撃目で間違いないと思いますが、
Cは お客さんが言うように それとは別の要因での変形のようです。
ただ驚いたのは、A・B・C以外のスポークのニップルを触ったのは
たった1ヵ所で しかも1回だけでした。
↑お客さんにも見てもらっています。
そのあとに「作業後に初めて」センターゲージを当てたところ
センタードンピシャだったので、
A・Bと それ以前にCでやらかす1秒前の状態は
センタードンピシャで 振れほぼ無しだったはずです。
ほぼ同じ事が出来た思うのですが・・・。

↑交換したスポーク
画像上から A・B・Cです。


↑スポークA
打痕があり そこが変形の中心、前後方向に明確に曲がっているものの
左右方向の変形がほとんど無い


↑スポークB
打痕があり そこが変形の中心、前後方向に明確に曲がっているものの
左右方向の変形がほとんど無い(←スポークAのコピペ)


↑スポークC
これだけ 変形箇所が かなりハブ寄りなうえ
左右方向にも変形していて、A・Bとは異質な感じ
category: のむラボ日記
のむラボホイール5号の後輪のヌポークを交換しました 
2021/08/10 Tue. 23:25 [edit]

この時点では フリーボディを外しています。
このホイールですが、お客さんの感想を そのまま書くだけですが
以前に使っていたWOリムの(チューブレスではない)シマノのC24より
踏んで進む気がして「走る」らしいですよ?
リム重量は同じくらいなのになー おかしいなー なんでだろーなー。
・・・それはいいとして、ローギヤより内側にチェーンを落としたうえに
ジャムった状態で踏み込んだために リヤメカの取り付けエンドが曲がり、
リヤメカを 後輪に巻き込んだとのことです。
それだけではなく、近所のショップで振れ取りをしてもらったとのことです。
あちゃー。←まあ しゃーない


フリー側の増し締めが難しかったのか、
反フリー側増し締め偏重の振れ取りごっこで
リムが 明らかに反フリー側にずれていました。
実は これは 私の組んだホイールの振れ取りごっこで
よく やらかされることです。
というか お客さんにも確認してもらっていますが、
1ヵ所 ゴバッと大きな横振れがありました。
それをきれいに取ったとしても このセンターずれは無くなりません。
しかも横振れとは別に お客さんが指摘するほどの縦振れがあり、
振れ取り台のゲージにかけると かなり顕著な縦振れがありました。
リムが偏心して回っていると言ってもいいです。
頼むから 振れ取りごっこで いぢくり倒すのは やめてくれー。

時系列が戻ります。冒頭の状態です。
イタリアン組みのフリー側の場合 ヤマアラシさん方向のスポークとなる
ヌポーク6本に、程度の差はあれ 変形や傷があります。
絶対に要交換なスポークは2本ですが、6本全部 交換することにしました。



↑ちなみに こんな感じです。


直しました。
不要な いぢくりが無ければ 交換したスポークのニップル6ヵ所の調整だけで
ほとんど直ったと思うのですが、
実際に 時間がかかったのは それ以外の振れ取りごっこの戻し作業でした。
これも たまに書きますが、他人が触ったルービックキューブの
余計な手順を元に戻す感じです。
もちろん、リヤメカ巻き込みによる振れに対する姑息的処置として
振れ取りをすることに 反対はしませんが、
それなら センターがずれようが縦振れが出ようが
せめて横振れだけでも 追い込んでほしかったですな。
それすら 出来ていなかったのは
お客さんにも作業前後の状態で見てもらっています。

↑j交換したスポーク
ちなみに、私が組んだホイールの振れ取りという扱いにしたので
工賃は無料で いただいたのはスポーク代だけです。
category: のむラボホイール
404の後輪を組み直しました 
2021/08/09 Mon. 22:49 [edit]

お客さんから ZIPPの404リムの後輪をお預かりしました。
リムはチューブラー仕様です。

ZIPPのハブ 24H 全黒CX-RAYストレート 左右2クロス組みです。
ヌルいのが どーしても我慢できないので 組み直して欲しいとのことで、
エボライトハブ 黒半コンペヨンロク組み結線ありで組み直してもいいのですが
(むしろ お客さんは それをご希望なのですが)、
このリヤハブ、回転がゴリゴリになっていたので
かつて 当店でベアリングを交換しています。
一度 数千円をかけたハブを捨てて
1万2000円くらいのハブに交換するというのは
サンクコスト的に どうかと思うのと、
このZIPPのハブは ストレートスポークなので組み方は強制されますが
かつてあった 左右どちらかがラジアル組みになっている組み方ではなく
ハブ寸法と組み方がそれほど悪くないことから、
フリー側のスポークに チャンピオンやリーダーなどのプレーンスポークを入れて
(というかコンペ相当のストレートスポークというのが安定供給されていない)
左右異径組みを強めにすれば このハブのままでも
まともなホイールにはなります。

リムとニップルの間に サピムのニップルワッシャーBが噛ませてあります。
磁石を近づけたところ、ほぼ無反応なので 新Bで確定です。
新Bについては(→こちら)もどうぞ。

↑これは磁石によく付く材質の 旧Bワッシャーです。
旧Bの場合、ホイールをバラすときに ワッシャーを注意深く回収せずとも
磁石で簡単に ごっそり回収できるので 作業が楽でした。

↑新Bワッシャーも磁石には かすかに反応します。
上の画像、仮に 旧Bであれば この距離で くっつかないことは ありえません。

ブレーキゾーンに加工がありますが、溝の形状が左右で鏡対称なので
左右の区別、向きの属性があります。
ホイールをバラす前に 確認しておかないといけません。

が、完全にバラしてから左右の向きが分からなくなっても
助かるように リムの回転方向を指定する矢印がプリントされていました。
ブレーキゾーンの左右の区別に気付かず、この矢印にも気付かないで
2分の1の確率で リムを逆さに組むような奴は救いようがありませんが。
今回の件、フリー側のスポークだけを抜き取って
張り直せばいいのでは?(ホイールをバラす必要はないのでは?)
と思うかもしれませんが、使っているニップルが気に食わないとか
スポーク長さが長いほうに間違っている場合などは
少し切ったりする場合があるので
それの確認をしたくて 完全にバラしています。
今日もホイー(以下略)。と言い張るためではありません。ありません。

↑いつものやつ
バルブ穴から 時計回りに丁寧にバラしていって、
一切ニップルをゆるめていない 左右最終交差1ペアずつ
計4本を残しました。
ここで、バルブ穴から遠い側から ABCDと呼ぶとして
スポークの長さ具合を見てみます。

↑A 反フリー側 ニップルの端面とツライチくらい

↑B フリー側 ニップルの端面とツライチくらい

↑C 反フリー側 ニップルの端面に届かず

↑D フリー側 ニップルの端面に届かず
となりました。
スポークとニップルの端面の関係に バラツキがあるように見えるのは
自然に発生するバラツキの範囲を超えています。
これには理由がありまして、

同じハブフランジから出ているスポークが
「片側でハイローフランジ」になっているからです。

時系列がとびますが、組み直し後のホイールです。
先ほどと同じ定義でABCDと呼ぶとして、
スポークに名前入りのテープを貼りました。
このテープを 同じスポークのハブ側に移動させると、

AとBはラージフランジ、

CとDはスモールフランジから出ているのが分かります。
この事情を勘案しつつ、反フリー側は元の状態より張ることを考えて
少し スポーク長さを切るとすれば
Cは 元々短めなので そのまま、Aは 少しカットすれば
組み終わりの状態で A・Cともにスポークとニップルの端面が揃うのでは?
また、14番プレーンスポークに変更するBとDも
ラージフランジ用とスモールフランジ用で長さを変えればいいのでは?
となりますが、そこまで凝ったことはしませんでした
(実はちょっとだけ していますが)。
でも こーゆーことが発生しているという事実に気付くことは大事です。

↑フリー側

↑反フリー側
また時系列が戻って これは組み直し前の画像です。
左右とも6つある第1交差のうち 3つはラージフランジ同士、
別の3つはスモールフランジ同士で交差しています。
なので第1交差の内側、ハブとの間にある空間の形状が異なります。
違う見方をすれば 全ての最終交差で交わる2本のスポークは
スモールフランジとラージフランジから1本ずつになるので、
この2本は スポークテンションが厳密には違います。
組み直しに際して、ニップルは使い回すことにしました。
内側が 汎用ニップルと同じく対辺3.2mmの四角、
外側が 対辺6mmの六角で回せるタイプのニップルでしたが
リム(ワッシャー)と接触する部分が 汎用ニップルより分厚い
(ニップルの破断が起きにくそう)というのと、
内側のつかみしろで調整することが可能なニップルだったからです。
DTのスクオルクスニップルや
レイノルズの完組みホイールに使われている
外側からも回せるニップルは、
内側のつかみしろが短く とくにレイノルズでは角が妙に丸いので
実質 内側をつかんで回すことができません。
やると一瞬でナメます。
知らない人向けのワナだと思ったほうがいいでしょう。
なので これらのニップルの場合、チューブラータイヤを剥がすのが手間だろうが
チューブレステープとシーラントが無駄になろうが
面倒ですが 外側をつかんで調整するしかありません。
レイノルズで振れ取りではなく 組み直しの場合は、DTのニップルに交換します。
今回のZIPPのニップルは、チューブラータイヤを張った状態であれば
内側をつかんで回すことが「横着にはならない」ニップルだったので
使い回すことにしました。

あと関係ないですが これは あれやな、
「トップギヤの位相を間違えた状態で
ロックリングを締めたことがある痕」やな。

組めました。

黒半チャンピストレートです。
結線は あとでやります。
ところで今回の件、ホイールを一旦バラしているということは
リムの重量を量る機会があったということです。
もちろん教える気はありませんが。
↑うわこいつかんじわるい

オ待タセシマシタ!コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!

ゴク ワズカ ちゅーべらーてーぷノ かすガ
りむ二残ッテイル点ヲ ゴ留意クダサイ!
↑やーめーろー!
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