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のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

7700ハブで のむラボホイール5号を組みました(前輪なので前編)  

今日もホイー(以下略)。
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お客さんから、7700ハブと アメリカンクラシックのCR350リムで
組まれた前輪を お預かりしました。

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HB-7700 28H ロクロクJIS組みで、

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スポークはアサヒの軽量エアロです。
これは私の知る限りでの最強のスポークの一角ですが、
メーカーが廃業しているので 今後の入手は出来ません。
首下と ねじ山が15番ベースなので
首とびは やや起きやすいのですが、普通の感覚で使えて
通常の範疇で うにょーんを起こさないスポークとしては
CX-RAYが出るまでは最軽量でした。

それ以外の最強スポークの一角はCX-RAYと
星の旧エアロSB3といったところでしょうか。
現状 CX-RAY以外は入手不可ですが。
また、アサヒのスポークは丸・扁平の形状を問わず
黒スポークになると 塗膜が常時 油が付いているようにネチャついていて
パーツクリーナーなどで拭いても 取れません。

かつて アラヤが出していたADX-1S(エアロ1後期型)リムの
完組みホイール、プロホイール(←これがモデル名)も
これの黒スポークで組まれていました。

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リムはアメリカンクラシックのCR350です。
モデル名の意味は クリンチャーリム350gという意味です。
これよりも リム高が高いCR420というモデルもあり、
実測重量は公称重量よりも やや重たいものの
キンリンのXR200とXR300に対して
それぞれ ほぼ同じリム高でハイト/ウェイトレシオに勝りますが
CR350もCR420も非常に軟らかいリムで、
高テンションで張ると スポークの引っ張りに負けて
リムが左右に蛇行します。
シマノのC24のクリンチャーまたはチューブレスリムも
16Hの前輪は蛇行していますが、
あれはローハイトリムで16Hだから起きているというのもあり
リムの硬さでいうとアメリカンクラシックよりはマシです。
上の画像、蛇行リム特有の磨耗痕が出ていないのは
大して張っていないからです。

あと、CR350とCR420は
リムのブレーキゾーンの高さが7mm弱と非常に狭く、
シマノの7700以降のR55系ブレーキシューですら
シューが必ずブレーキゾーンから はみ出します。
Vブレーキのカートリッジシューでギリギリいけるくらいでしょうか。
上の画像を見るに ブレーキゾーンがそんなに狭くは見えないが?と
思われるかもしれませんが、
これは すでに ブレーキゾーンから内周側の
黒アルマイトがかかっていたテーパー部分が
ブレーキシューで削れているからです。
ブレーキシューのほうも、ブレーキゾーンから
はみ出す下側が 丸く減ります。
CR350リムとCR420リムには銀リムもあり、
そちらのほうだと あまり目立ちませんが。

CR350のステッカーが現存している画像と
アサヒ15番エアロのスポーク比重については(→こちら)。

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のむラボホイール5号のリムで組み直しました。

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28H CX-RAYヨンヨンイタリアン組みです。
アサヒのエアロを使い回そうかなとも思ったのですが、
スポークがとんだときの補修に困るので
CX-RAYに全交換しました。
ホイールに1本だけ あまりにスポーク比重が違うスポークを
混ぜるのは そこだけテンションが低くてスポークがガクガクに動くか、
あるいは そこだけピンピンに張りつめるか、
または そこだけ縦振れが出るなどの状態になりますが
アサヒのエアロに対して 1ヵ所だけCX-RAY+14番ニップルを混ぜるのは
姑息的処置としてギリギリいけなくも無い感じです。
仮に、冒頭の状態のホイールが
スポークが1本だけとんだ状態で
補修を希望で お持ち込みされたなら、
番手違いとスポーク比重違いを承知の上で
お客さんに説明してから CX-RAYで補修しています。
CXスプリントではスポーク比重が離れすぎていて無理です
(さっき書いた症状の いずれかが出る)。
こーゆーときにも スポーク比重を把握しているかどうかが
重要になったりします。

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フォーリアーズのチェーンガイドを買いました  

私は いま普段乗りのロードバイクをフロントシングルギヤにしており
(というかナローワイドのチェーンリングが普及する前から やってます)、
クランクはカンパニョーロのエカルにしていますが
特定の使用状況で チェーンが外側に外れることが判明しました。
下りでトップギヤにかけた状態で
時速50kmくらいで路面のギャップを踏んだときにチェーンが外れます。
とある峠の下りの直線で 必ず起こる箇所があり、
淀みなくペダリングしてチェーンが張った状態を保てば
外れることはありません。
また、ローギヤにかけていれば チェーンが張っているので
チェーンリングから外れるほど チェーンが暴れることは無いですが
下りで そんなギヤにかけていると
ペダリングするときに 軽すぎて困ります。

ということで チェーン落ちを防止するガイドを探していたのですが、
フォーリアーズのCT-FD007というモデルが安かったので
買ってみました。
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↑これです。
チェーンの 下方向以外の三方をコの字型に囲むタイプのものです。
これとは別に フロントメカの羽根とほぼ同じ感じで
四方を囲むタイプのもので CT-FD002というモデルも出ています。
税別定価がCT-FD002で3300円、CT-FD007で3500円です。
プラスチック製の部分が多いから安いのかもしれませんが、
それでも破格に安いです。

材質が違ううえ(おもにアルミ)、効果が同等かどうかは知りませんが
ウルフトゥースの「ナーウルフ(GnarWolf)」が
本国メーカーサイトでの日本円価格が10800円、
K-EDGEの「K13-080」が税別定価12545円、
チェーンウォッチャーが外側にも付いているような構造の
ウィックワークスの「センチネル」が税別定価5200円です。

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バンドは34.9mmで、31.8mmにするスペーサも付属しています。
34.9mmに使う状態での実測重量は58gでしたが、
メーカーの公称重量は76gです。
使わない小物を全て合わせた重量なのかもしれません。

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↑このコの字型の部分にチェーンをかぶせます。

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羽根の外側は2種類の形状から選択できます。
どちらでも大きな違いは無さそうですが。

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外側の羽根のパーツにはダボがあり
内側の羽根に対して回ったり ずれたりすることが無く、

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羽根を上下にスライドさせる部分も スリットと別にダボがあり
スリットのスライド以外に動かないようになっています。

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スリットの部分をバンドに取り付ける穴は四角穴ですが、

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バンド側から出ているパーツは六角形です。

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六角の対辺と四角の対辺は同じというより、
六角のプラス公差が大きいのか(四角のマイナス公差が小さいのか)
手で押し込んでも入らないものの

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ねじを締め込むと圧入気味に入りました。
ガタが無く ビクともしないので 狙ってやっているのかもしれません。

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↑取り付けると こんな感じ
これはシクロクロスバイクで、
クランクはサンツアーのシュパーブのPCD144mmで
裏側にインナーギヤをかける突起があることから
ピスト用ではなく 大昔のロード用です。
それにデュラエーストラックの薄歯の45Tを少し加工して
10Sチェーンをかけています。

冒頭の話だとロードバイクに使うということでしたが、
それでもフォーリア―ズは必要でした。

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時系列が戻りますが、
シクロクロスに元々付いていた自作のチェーンガイドです。
これは実測で21gと軽く、このフロントシングル化をしたときには
ナローワイドのチェーンリングが存在していなかったので
この手のガイドが必須でした。
内側への脱落を防ぐだけなら もっと簡素なものがありましたが
やはり チェーン跳ねでは外側に外れることが多く、
当時はMTB用の大げさなチェーンガイドか、そうでなければ
ロードバイク用のフロントメカを そのまま取り付ける
または多少加工するという手段しかなく 見た目にうるさかったので
必要最小限の箇所だけガードするものを自作しました。

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バンドはEタイプのフロントメカの回り止め用の台座付きバンドですが、
MTBのフロントメカにEタイプが廃れたあとでも
34.9mmのものは BD-1のステアリングコラム部分に
ボトルケージを取り付けるバンドとして使われていたこともあります。
それ以外だと、フロントメカのワイヤーが上引き仕様になっている
シクロクロスのフレームに ワイヤー下引きのフロントメカを取り付ける際に
(ロードバイク用のフロントメカは下引き)、
引き方向を変換する滑車を取り付けるM5ねじ穴が無いフレームに
滑車を後付けするバンドとして使う場合もあります。

2つあるナットは 羽根とバンドの双方に対して各々締まっており、
羽根の角度と横位置を 調整できます。

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↑仕事をしていた痕跡があります。
これを取り付けてからは(厳密には セッティングが出てからは)、
一度もチェーン落ちは起きていません。

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ロードバイクに移植しました。
以前 左クランクに描いていた
カンパニョーロ・エカルの非公認キャラクター
「カエルくん」は右クランクに移しました。
左目が北極星、つまり回転している状態での
ほぼクランク中央に位置していますが それ以上の意味はありません。

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バンドは31.8mmのものを、さらに塗装しました。
元の34.9mmのバンドに錆びが浮いていたからです。
実は このフレーム、シートチューブ径が30mmなので
間に スペーサーを噛ませています。

羽根の真上の部分に しわがあるのは、
コの字型のパーツに ねじを通すときに
少し曲げる必要があるためです。
ネジの頭は、高さが低いトラスまたはナベである必要があります。
キャップスクリューだとチェーンと干渉します。
まあ、この金具に限った話ですが。

ねじの長さで だいたいの横位置調整と、
ねじ山のかけ具合で微調整が出来ます。
要注意なのは、バンドのねじ山を使い切るような長さにすると
フレームを突くので それだけは起こりえないように
気を付けないといけません。

私はフロントシングルギヤの歯数は46Tが欲しいのですが、
エカルのラインナップは38~44Tの2T刻みで、
社外品も(おそらく)無いので 仕方なく44Tを使っています。
スプロケットは11-28Tか11-30Tを使いますが、
現状は11-30Tです。
44×30Tは ギヤ倍数の理論値が39×26.59Tで
39×26Tより少し軽いくらいなので
激坂でなければ困ることはありません。
トップギヤは44×11Tで ちょうど4倍、
同じギヤ倍数の52×13Tに チェーンリングが小さいことによる
マイナス補正がかかるくらいでしょうか。
下りで時速55km(※)くらいまでは踏めることは確認済みです。
これも レースの下りでなければ問題ありません。

※いま計算したらケイデンス108rpmくらいでした。

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↑トップギヤ
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↑ローギヤ

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↑トップギヤ
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↑ローギヤ

これらの画像を撮ったのは今年の8月22日です。
チェーンも汚れていますが、このあとに洗車して
冒頭に書いた チェーン外れが必ず起きる峠の下りを含め
いろんな状況で乗りましたが、チェーンは一度も外れていません。

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↑これが今日、9月28日時点での状態です。
チェーンが跳ねて 羽根が汚れています。まさに汚れ仕事です。
乗っている最中でも「いま仕事をしたな」と
分かる瞬間があります。

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ZIPP340リムに異物が入っていましたが  

お客さん(たぶん)が
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当時の日本の問屋さん限定の
ZIPP340リムを持って来ました。
振ると カラカラと音がするとのことです。
それはどうでもいいですが、返すときには
日の丸から伸びる 赤い放射線を描き足しておこうと思います。

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なんじゃこりゃ。なんで金属の切削カスが入ってんねん。
リム穴をドリリングするときに
ドリル刃の溝に切削カスが残ってたんでしょうか。

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のむラボホイール5号の前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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お客さんから のむラボホイール5号の前輪をお預かりしました。
ハブとスポークが見えない?気のせいでしょう。

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「明文化していないワランティ」を適用することになり
リム以外を新品にすることにしたのですが、
ガラスの定盤で判別できるレベルで
リムが反っていれば、リムも交換します。
それを調べる必要があるので リムのお引っ越しはできませんでした。

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組めました。

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エボライトハブ 20H CX-RAY反ヌポークラジアル組みで
青アルミニップルです。
ちなみに 組み直し前は赤ニップルでした。
あと、見ての通り リムは使い回せました。

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のむラボホイール5号の後輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール5号の後輪を組みました。

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エボライトハブ 24H 半コンペヨンロク組みです。
結線は あとでやります。

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CL50の後輪を組み直しました  

今日もホイー(以下略)。
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ロヴァールのCL50の後輪を組み直します。

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24H 2:1組み 全黒コンペレースストレートです。

CLXのフリーボディがオレンジアルマイトであるところ
CLでは黒アルマイトとなっています。
ベアリングなどの仕様も違うのかもしれません。

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↑これはCLXのハブ胴で、

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↑こちらはCLのハブ胴です。
どちらにも インテル入ってる的な
DTスイス入ってるという表記がありますが、
さらにCLXのほうは わざわざCLXと書き足してあります。

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CLXのリヤハブは、反フリー側のフランジが
ツブシありのスポークヘッドではなくてもいい形状なのに
ツブシありのスポークヘッドが使われていました。

上の画像は 先日の組み直し後のものなので
ツブシ無しのスポークを通しています。

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これがCLのリヤハブでは 反フリー側のフランジも
ツブシありスポーク用の形状になっていました。
丸断面スポークなので 供回り止めをするため・・・ではなく
単に これが後発のモデルだからだと思われます。

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組めました。

DSC04735msn4.jpg
多スポーク側が黒CX-RAYストレート、

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少スポーク側が黒CXスプリントストレートです。
結線は あとでやります。

ところで、連日 ロヴァールのCLX50と
CL50の前後輪を組み直しましたが、
メーカーが言うように リムが同じなのかどうか調べてみました。
・・・調べただけで教える気はありませんが。
↑うわこいつややかんじわるい










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オ待タセシマシタ!コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!

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CLX50ノふろんとりむデス!

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CLX50ノりやりむデス!

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CL50ノふろんとりむデス!

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CL50ノりやりむデス!
↑やーめーろー!

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のむラボホイール5号の前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール5号の前輪を組みました。
今日はCL50の後輪の組み直しをする予定でしたが、
急遽 これを組まないといけなくなり 予定を変更しました。

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エボライトハブ 20H 黒CX-RAY反ヌポークラジアル組みで
黒アルミニップルです。

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F4R ジャパンリミテッドさん  

お客さんから FF山口のF4Rの
日の丸をイメージしたと思われる日本限定モデルをお預かりしました。
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ホイール自体に記事としてのバリューはないので
全体画像は撮っていません。

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振れ取りごっこの履歴があるようで、
後輪に 吊るしでもありえない量のセンターずれがありました。
直したあとの状態は お客さんに見せているので 画像を撮っていません。

このスポーク、ひとつ前の記事のDTの白エアロライトの色違いの
赤エアロライトで組まれています。
メーカーのマニュアルいわく 白と赤は
最終交差を編むなということになっていますが
このF4Rでは編んでおり、
全エアロライトヨンヨン組みがヌルいというのもありますが

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元々 塗膜が卵の殻のように剥がれてきやすいのに
交差を編んで接触させた結果
ほぼ全ての最終交差で色が剥げています。
あと冒頭の画像を見ると分かりますが
スポークヘッドの塗膜も剥がれやすいです。
剥がれた部分を見ると 銀スポ-クに赤を塗っていますが、
黒スポークに塗れば 剥がれにくくなるのではと思います。
そんなことをすれば 銀スポークを黒に塗る費用+さらに赤に塗る費用で
スポーク1本1000円とかになる可能性がありますが。

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CLX50のフロントハブのベアリングを交換しました  

先日 組み直したロヴァールのCLX50の前輪ですが、
結線をしたあとに
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ベアリングを交換しました。
上の画像は抜き取ったセラミックスピードのもので、
外に向いている側は黒シールでしたが 内側は青シールでした。

交換後のベアリングは鉄球ですが、お客さんと相談して
あえて接触式ではなく非接触式にしています。

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DT製のハブなのに DTがそこそこ大きなサイズのベアリングを
しかも接触式で採用する意図を汲めていないのが
ロヴァールと、GIANTのSLR系のホイールです。

このことについて触れるのは初めてではありませんが、
上の画像を見てもらっても分かりますが
ベアリングが収まる部分の径を わざわざ埋めて
あえて小径のベアリングを使うようにしています。
12mmスルーアクスルに対応するハブシャフトだと
外径を15mmにすることが多いので
ベアリングの内径も15mmとなります。
このハブに使われている6802は
外径が24mmで厚みが5mmですが、
DTのハブに使われていることが多い6902だと
外径が28mmで厚みが7mmです。

それ以外だと 外径28mmだと シマノのHGフリーボディに仕込むのに
ギリギリのサイズなのと ハブ胴に入れるにしてもキツいので、
6902の外径だけを26mmにして
内径15mm・外径26mm・厚み7mmの数値を並べたのを
そのまま品番にした15267も採用例があります。

このハブも 6902か15267を採用すれば
ベアリングの耐久性が かなり良くなると思うのですが・・・。
NTNの資料によれば 6902は18.1g、6802は7.0gとのことなので
鉄のカタマリたるベアリング左右を6802から6902にした場合
2個で22gもの重量増となるので、
結果 CLX50ディスクの公称重量645gが677gになることで
(↑ベアリングが大径になることによるハブ体側のアルミの重量減は無視しました)
カタログに載っている公称重量を見てホイールを買うような層に
選ばれる確率が下がる(他メーカーの650gのホイールが売れてしまう)ことから
6802を採用したのでしょう。
645g→677gだと起きていませんが、百の位を またいで重たくなると
そういう購買層に対する訴求力は グッと下がります。

これは偏見ですが、スペシャライズドの完成車に
強制的に付いていた場合を除き
わざわざロヴァールのホイールを選ぶ層というのは
カタログ重量を第一義の情報として買ってそうです。
↑はい これ 強すぎるので禁止カードになりました。今後は使えません。

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アイオロス3さん  

お客さんから ボントレガーのアイオロス3の後輪をお預かりしました。
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リヤメカを巻き込んで、フリー側のスポークが折れています。

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ガガガッと3本折れており これが1~3撃目、

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その次のスポークは折れずに変形だけで、
この4撃目までが要交換スポークでした。

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直りました。

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スポークは 白塗りのDTエアロライトでしたが、
当店に無いので 同じスポーク比重の黒CX-RAYで補修しました。
作業時間は10分ちょっと、15分は かかっていないくらいでしょうか。

ひとつ前の記事にも書きましたが、スペシャライズドの取扱店が
ロヴァールのCL50の補修用スポークを常備していて
少なくともメーカーの吊るし以上の精度で直せて当たり前なように、
トレックの取扱店は どこでもアイオロス3の補修用スポークを常備していて
少なくともメーカーの吊るし以上の精度
(ボントレガーは元の精度が低いほうですが)で直せて当たり前なはずです。
もしトレックショップが これを純正のパーツで補修できないというのであれば
その程度の技術と対応で ロードバイクや それ用のホイールを
売ること自体が おかしいですし、売りっぱなしもいいところです。
段ボール箱から七部組みの完成車を出して
右から左に売る以上の能が無いカスでない限り、
どこのトレックショップでも 元と同じパーツ+元通り以上の精度で
直せるはずですよ、と お客さんに言ったのですが
なぜか当店での姑息的処置のほうを お望みだったので 直しました。
私より 短時間かつ高精度かつ安価で このホイールを補修できるという
トレックショップだけが 私を非難できます。誰か やってみろ。

姑息(その場しのぎ)的処置といっても、
違うスポーク比重のスポークを混ぜているわけではないので
スポークの変形量にバラツキが出て ニップルがゆるんでくるというような
トラブルは起きません。

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↑交換したスポーク

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DTのエアロライトには 白や赤に塗装した仕様がありましたが、
黒と違い塗膜が厚いので ねじ山には塗装が乗っていません。

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CL50の前輪を組み直しました  

今日もホイー(以下略)。
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お客さんから ロヴァ―ルのCL50をお預かりしました。
今日 触ったのは 前輪だけですが。

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先日のCLX50とは別件で、CL50です。
より お求めやすい価格でロヴァ―ルのホイールを使ってほしい!
ということで パーツのコストを落としたモデルですが、
デチューンの仕方がヘタクソなので ロクなホイールになっていません。
まあ元々CLX50自体が大したホイールでは無いのですが。

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DSC04705amx14.jpg
CLX50とは違い、丸バテッドスポークで組まれています。
左右同径組みですが スポークは
コンペティション(2.0-1.8-2.0mm)ではなく、
コンペティション レース(2.0-1.6-2.0mm)です。
このコンペ レースの、しかもストレートスポークというのが
入手が非常に困難です。
なので スペシャライズドは補修用として これを常備しておくべき、
スぺシャライスド取扱店は 少なくとも吊るしの精度か それ以上の精度で
ホイールを修理できるべきだと思うのですが、
後者に関しては厳しいと思われます。
できそうなショップが一軒も思い浮かびません。

私は 修理できないホイールというのが大嫌いなのですが
(スペアスポークの供給が悪いメーカーも嫌い)、
CLXであれば、同じスポーク比重のスポークで
当店でも即 補修は可能です。
全交換とかでなくて4~5本程度までの補修であれば
たいていは お預かりせず その場でやります。

左右異数組みのカウンターとしての逆異径組みを
一生かかっても思いつかない程度の頭しかないので
左右同径組みしかできない、
ストレートスポークのハブなので
組み方が確定している、という2つの条件下で
CLXより コストを落とすのであれば、
期待されている使用状況からすると
14番プレーンにしたほうが まだ「走る」ホイールになるのではと思います。

お客さんがホイールを持ち込まれた理由ですが、
フレームはスペシャライズドではないものの
ロヴァ―ルのホイールを買い、
その時点では とくに何も思っていなかったものの
私が組んだRR411dbリムのホイールを使ってからは
ヌルくて全然走らないホイールだということに気付いたから、だそうです。

組み直しに際しては、先日のCLX50と違い
タンジェント組み側のスポークを使い回さず 全交換となるので、
スポークテンションを十分に抜いてから
切って捨ててよいという許可を もらっています。

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ラジアル組み側のスポークを入れ換える作業の必要上
ポン当てエンドを抜きました。
ベアリングはセラミックスピードのものでは無く、
接触式シールの鉄球ベアリングです。

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ハブはDT製で、ポン当てエンドにOリングなどの
防水措置がありません。
DTのハブも接触式ベアリングを採用していることが多いので、
これで問題無いわけです。

ベアリングに関しては、吊るしの状態からの経年使用を考えると
CLよりCLXのほうが全般的に良いと
言い切れない部分があります。

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ベアリングは日本のNTNのもので、

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サイズは6802、シールの形式はLUです。
これが LUまたはLLUだと接触式、
LBやLLBだと非接触式で、
あと必ずしもではないですが 黒シールは非接触式、
オレンジシールや茶シールは接触式であることが多いです。

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↑これは当店の補修用の在庫で、6802ではなく6902ですが
NTNのベアリングです。
内輪に指を通して外輪を回すと、シールの文字も回ります。
外輪をつまんで固定して 内輪だけを回すと、シールの文字は動きません。
どちらのベアリングも シールは外輪の溝にパチンと はまっているからです。
それは同じで、内輪とシールの間に ひだがあり
常に擦っているのが接触式で、
かすかな すき間があり 回転が軽いものの
水や微細な異物に対して弱いのが非接触式です。
今回のような フロントハブに使うのであれば、
接触式にしたほうが無難です。
先日のCLX50に入っていた セラミックスピードですが、
初期性能はともかく 現状は回転がゴリゴリになっていて、
それならシールの抵抗が感じられるものの
回転が滑らかではある接触式のほうが
はるかに健全な状態と言えます。

ハブの設計を理解していて それでもどーしても
セラミックベアリングを入れたいというのであれば、
私は見たことが無いですが
接触式シールのセラミックベアリングを特注するか、
あるいは ポン当てエンドに溝を設けて
Oリングを取り付けるなど 対策をすればいいのですが、
そこまで思い至らないのが ロヴァ―ルの「程度」というものです。

カンパニョーロのウルトラトルクのクランクセットのBBは
「CULT用」と「それ以外用」に分かれていますが(エカルは また別)、
アルマイトの色などの見た目を除いた
性能上の違いとして 内側にあるシールの有無が挙げられます。

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↑これはCLXのニップルで、アルミニップルです。
アルマイトの色が スポークの黒塗装の色つやに近く、
濃い黒になっています。

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↑それがCLでは しんちゅう製でした。
ちょっと色が薄いです。

DSC04715amx14.jpg
DSC04716amx14.jpg
ただ、汎用品とは違い CLXのアルミと同じく
外周側に六角形のつかみしろがある特殊ニップルではありました。
先日のCLXでは特殊アルミニップルを使い回していますが、
今回のCLでは汎用の黒アルミニップルで組み直しています。

DSC04718amx14.jpg
組めました。

DSC04719amx14.jpg
2:1組みの21H 半黒CXスプリントゼロヨン組み相当です。
タンジェント組み側は あとで結線をやります。

category: のむラボ日記

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あたらしいデュラエースですが の補足  

先日の記事(→こちら)のつづきです。
DSC04686amx14.jpg
以前の内容に重複しますが、
WH-R9200系のC36のディスクハブ/チューブラーリム仕様が
どー考えても軽すぎることについて、
前輪に絞って さらに詳しく書いていきます。
文字数が多くなるので 以下、
チューブレスをTL、チューブラーをTUと表記することにします。

リムブレーキモデルにはTL仕様がありません。
それ以外の公称重量については 図にある通りです。

DSC04687amx14.jpg
ディスクブレーキモデルですが、リムを取っ払った
ハブからスポークが出ている「ウニ状態」の部分の重量は
ほぼ同じだと考えられます。
ニップルについては、同じもので 個数も同じなので
この2つのホイールに関しては
重量差について考える必要はありません。

つい先日、スペアパーツのリストが更新され
R9200系のホイールについても見れるようになったので
スポーク長さについて調べました。
カッコ内は スポーク比重から概算される1本の重量です。
WH-R9270-C36-TL
左スポーク 280.5mm(4.68g)
右スポーク 282mm(4.71g)

WH-R9270-C36-TU
左スポーク 282mm(4.71g)
右スポーク 285mm(4.75g)

ということで TLのスポークの総重量が112.68g、
TUだと113.52gとなります。
1gほどの差なので ほぼ同じとして いいでしょう。

DSC04688amx14.jpg
ということは、どちらもリム高36mmの
TLとTUのリム重量の差が
約100gあるということになります。
これは赤字で書いておきます。
図ではチューブラーリムのほうが細く見えますが
実際のリム幅は 外幅28mmで同じです。

参考までに、シマノのC36リムに近い寸法で
ENVEのSES3.4のフロントリムが
3つの仕様でリムを出しており、
寸法は いずれもリム高38mm/リム外幅27.5mmで それぞれ
TU(リムブレーキ用/ブレーキゾーンあり)が392g、
TL(リムブレーキ用/ブレーキゾーンあり)が458g、
TL(ディスクブレーキ用/ブレーキゾーン無し)が387gとなっています。

シマノに無いのはリムブレーキのTL、
ENVEに無いのはディスクブレーキのTUという違いはありますが
ENVEの場合 同じTLリムでのブレーキゾーンの有無で
71g ディスクブレーキのほうが軽く、
違うタイヤ仕様のリムで ブレーキゾーンが同じだと
66g TUリムのほうが軽いという結果でした。

DSC04689amx14.jpg
これと同じ表現をするなら シマノのC36では
同じTUリムでのブレーキゾーンの有無で
80g ディスクブレーキのほうが軽い・・・
と錯覚しそうになりますが
先ほどのENVEの重量差は リム単体の公称重量、
これは前輪での公称重量の差です。

DSC04690amx14.jpg
C36のリムブレーキ用TUリムの前輪のスポーク長さは275mm、
1本あたりの概算重量は4.59gで、
ホイールは16Hなので 合計で73.44gです。
先ほど書いた通り ディスクブレーキ用TUリムの前輪のスポークが
24Hで113.52gなので、スポークの重量差は約40gとなります。
これは青字で書いておきます。

となると、リムブレーキのTUの前輪は
スポーク重量で40gのアドバンテージがあるにもかかわらず
前輪全体同士だと80g重いということなので、
単純計算で TUリム同士の重量差が120gあることになります。
ニップルの個数が8個違いますが、
これは3g程度なので大きな問題ではありません。
フロントハブですが、どちらのハブも 5/32インチ球の
カップ&コーン式のハブなので
ディスクハブのほうが軽いということは まずありえなく、
むしろディスクハブのほうが やや重いはずです。
それを加えるなら リムの重量差は120g以上ということになります。

DSC04692amx14.jpg
TUのリムブレーキ用のリムが、ディスクブレーキ用のリムに対して
ブレーキゾーンがあり ブレーキを前提とする設計であったとしても
120gの重量差が発生するほど肉厚だとは考えにくいです。
上の図、ディスクブレーキ同士の重量比較であれば 青字は関係なく
TUリム同士の比較であれば 赤字は関係ありません。
2つのTUホイールの重量、522gと602gが逆であれば
つじつまが合う感じはするのですが・・・。


話は変わりますが、R9200のクランクセットの重量が
R9100より かなり重たくなっています。
実は R9100も9000よりやや重たいのですが、
まず9000が
55-42T(639g)
54-42T(632g)
53-39T(618g)
52-38T(622g)
52-36T(618g)
50-34T(610g)
です。

つづいてR9100が
55-42T(650g)
54-42T(642g)
53-39T(626g)
52-36T(624g)
50-34T(614g)
です。

R9100には52-38Tの設定がありません。
また、ここまでは170mmクランク長・BB別での重量です。
この条件に付いては R9200も同じだとは思いますが 以下
54-40T(714g)
52-36T(692g)
50-34T(685g)
となっています。
歯数構成の種類を絞ったうえに 54-40Tが追加されました。
念のため書いておきますが、
これらの重量は全てパワーメーター無しの場合です。

メーカーサイトでは、FC-R9200について
「剛性、強度、重量、回転性能のすべてを最適化」と
必ずしも軽くなったわけではないときに使うような表現を
していたので 気になって調べました。
最中(もなか)のような接着式クランクアームのほうが
同じ剛性なら軽くできると思うのですが、
ばくはつ事例が頻発したからか やめています。
日本のアマチュア連中が使って そこそこ見かける頻度で
起きてるんだから トッププロでの発生事例とか
もっとすごかったんだろうな、と思います。
表には出てきませんが。

デュラエースのクランクで 過去に
素人が使っても たわみが大きいのが分かる、
トッププロでもあえて前作を使い続けているのが
散見されたいう例として FC-7410があります。
FC-R9200では、製法的にはFC-7900に近くなったわけですが
7900のクランクは 軟らかいという評判は とくにありませんでした。
中空加工クランクで 接着クランクに「重量」のほうを合わせると
剛性の試験 またはトッププロ選手の意見ではヌルくなると判別されたので
「剛性」のほうを同じにした結果、
どうしても重たくなったというところでしょうか。
ちなみに、FC-R9200の54-40Tと
105のFC-R7000の50-34T(713.4g)が
だいたい同じ重量です。



CS-R9200の12Sスプロケットの歯数構成は
11-30Tと11-34Tの2種類だけということになっています。
スプロケットの箱には歯数の一の位の羅列があり、
たとえば12Sの11-30Tだと
123456791470となっているので これは
11-12-13-14-15-16-17-19-21-24-27-30T
という意味になります。
で、メーカーサイトや スペアパーツの品番のリストには
まだ載っていないものの とある問屋さんでは
11-28Tがすでに載っており2023年以降予定となっていました。
まだ2022年にすら なっていないのに。
数字の羅列は 123456789148です。



RD-R9250ですが、もう ほとんど MTBのリヤメカから
チェーンスタビライザーのレバーを除いただけのような
見た目になっていますが、54-40Tクランクと
11-34Tスプロケットを組み合わせるなとは言っていないので
54×34Tが使えるというわけです。
そんなチェーンの長さにしたら 40×11にかけたときに
チェーンが だら~んとなるだろ!と一瞬 思ったのですが、
シマノ12Sは現状 電動コンポのみなので
インナー×トップにチェーンをかけることが出来ず、
もし かけた場合 チェーンが だら~んとなってしまうはずの
「潜在的だら~ん状態」であったとしても バレないので
今のところは問題ありません。
105で 12S機械式変速が出た場合は どうなるか知りませんが。
シングルテンションのリヤメカと
チェーンテンションについては(→こちら)をどうぞ。
あと、気になったのですが RD-R9250が対応する
リヤスプロケットのローギヤの最小歯数は28Tとなっています。
あれ?ラインナップには 11-30Tと
11-34Tしか無いのになぜだろう?(棒読み)

RD-R9250について メーカーサイトには
「DURA-ACEとして史上最も広いギアレンジを持ち・・・」とあります。
これが指すギアレンジとは何か、それに関係する数字を書き出すと
・トータルキャパシティ 37T
・最大フロントギア歯数差 16T
・リアスプロケット最小歯数 11T
・リアスプロケット最大歯数 34T
・ローギヤ最小歯数 28T
・ローギヤ最大歯数 34T
となっています。
プーリーの歯数は カンパニョーロのように
やや大きく(←上下12T)はせずに 上下とも11Tです。
ちなみにM9100系XTRは上下とも13Tとなっています。
大きくするのはいいとして、偶数歯は交互に減り方が違うという
偏摩耗をする可能性があるので 避けたほうがいいのですが・・・。

デュラエースでフロントトリプルが出ていた
7700系9Sと 7800系10Sと
その時期のアルテグラと105のフロントトリプル用のリヤメカは、
ひとつの例外を除いて 11Tプーリーで プーリー間の距離を伸ばすことで
キャパシティを稼いでいました。
これらのリヤメカのトータルキャパシティは、
いずれも37Tです(フロントダブルなら29T)。
なので デュラエース史上最高のトータルキャパシティは37Tで
RD-R9250は それと同じ・・・と言いたいところですが、
実は先ほど書いた「ひとつの例外」が それ以上となっています。
それはRD-7700-GSで、キャパシティの稼ぎ方が他と異なっています。

DSC04699amx14.jpg
DSC04700amx14.jpg
↑RD-7700-GSです。

DSC04701amx14.jpg
13Tという当時としては非常に大きい歯数のプーリーで、
プーリー間の距離を なるべく長くせずにキャパシティを稼いでいます。
先ほどと同じ性能諸元をRD-7700-GSで書き出すと
・トータルキャパシティ 38T←デュラエース史上最大!
・最大フロントギア歯数差 23T
・リアスプロケット最小歯数 11T
・リアスプロケット最大歯数 27T
・ローギヤ最小歯数 規定なし、11-21Tと12-21Tの 21Tが最小ではある
・ローギヤ最大歯数 27T
となっています。
FC-7703は 53-39-30Tのみの展開で、
CS-7700で最大歯数の27Tが付いているのは 12-27Tのみなので
53×27Tにかけられるチェーン長さで
30×12Tにかけてもチェーンが だら~んとしないだけのキャパシティを
このプーリー間距離で取れているわけです。
これが そのあとに出たRD-7800-GSでは、
上下11Sプーリーで 長いプーリーケージになってしまいました。

私の中では RD-7700-GSと
RD-6800-GS(→こちらと→こちら)は、
「専用設計で新造して かけた手間とアイデアは すごいのに
それ以降のモデルに仕様が受け継がれなかった」名作です。

category: のむラボ日記

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CLX50の前輪を組み直しました  

今日もホイー(以下略)。
DSC04663amx14.jpg
後輪につづいて、CLX50の前輪も組み直すことになりました。

DSC04664amx14.jpg
全黒エアロライトストレート2:1XI組みで
ゼロヨン組み相当です。

DSC04665amx14.jpg
フロントハブは、左右とも
スポークヘッドにツブシ加工が必要です。

DSC04667amx14.jpg
セラミックスピードのセラミックベアリングが入っていましたが、
通常の販売分は ラバーシールが青色なので
黒シールのこれは ロヴァ―ルに始めから実装されている
仕様だと思われます。
リヤハブは問題なかったのですが、
フロントハブは 少なくとも片方、あるいは両方が死んでいます。
エンドキャップに防水用のOリングなどが無く
最終防衛ラインが いきなりベアリングの非接触式シールというハブなので、
セラミックスピードは比較的ボールレースが強いベアリングですが
ロヴァ―ルのハブ(とくにフロントハブ)に入っている
セラミックスピードのベアリングは 傷んでいるものが散見されます
(散見されます、ではなくて そこそこ経年使用しているもので
ほぼ100%ダメになっているのは
イーストンのR4SLリヤハブに入っている エンデューロのゼロセラミック)。

はっきり言って要交換ですが、これはまたお客さんに訊くことにします。

DSC04673amx14.jpg
組めました。

DSC04674amx14.jpg
少スポーク側を 黒CXスプリントストレートにしています。
前後輪とも タンジェント組み側を結線してもいいという承諾を得たので
結線は あとでやります。

DSC04670amx14.jpg
DSC04671amx14.jpg
↑今日もホイー(以下略)。の条件を
満たしていることを示す儀式

category: のむラボ日記

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CLX50の後輪を組み直しました  

今日もホイー(以下略)。
DSC04640amx14.jpg
お客さんから ロヴァ―ルのラピーデCLX50の後輪をお預かりしました。
後輪が振れているので直してほしいとのことで、
それだけなら作業時間10分くらいのことですが
お客さんいわく「かかりが良くない」「ダイレクト感が弱い」ので
何とかしてほしいとのことです。

DSC04642amx14.jpg
CL50は リム高が50mmもあるのに丸スポークで組まれていますが、
CLX50は エアロスポークで組まれており、

DSC04644amx14.jpg
全黒エアロライトストレート2:1XI組みで
フリー側が2クロス、反フリー側が1クロスです。
反フリー側というかディスクローター側で ラジアル組みをしたくないので
2:1組みの少スポーク側で タンジェント組みをしていますが、
これはこれで問題があるというか より良くするのを難しくしています。

DSC04645amx14.jpg
↑大方の位相で ほぼ振れは無く、
DSC04646amx14.jpg
↑このあたりでのみ ゴクッと横振れがあります。
この付近の位相のスポークを よく調べましたが
変形しているものは とくにありませんでした。
結果として全バラしをしているので
その際にも もう一度確認しています。

DSC04647amx14.jpg
DSC04648amx14.jpg
フリー側のスポークですが、十分にゆるめてから
フランジの引っかけから外し、
最終交差の手前側のスポークをひっくり返しました。
交差は編まれており、擦った跡があります。

DSC04651amx14.jpg
組み直しました。

DSC04656amx14.jpg
反フリー側を 黒CXスプリントストレートにして
元の状態より張ってあります。

この作業内容だけであればホイールの全バラしは不要ですが、

DSC04649amx14.jpg
記事としてのバリューとして必要なのでバラしました。
私の都合でやったことなので
通常のホイール組みの工賃はいただきません。
私の都合ついでに言えば このことにより
今日もホイー(以下略)。の条件を満たしました。

DSC04657amx14.jpg
↑交換したスポーク

DSC04658amx14.jpg
1クロスなので 最初の交差が最終交差ですが、
こちら側のスポークも擦った跡がありました。

DSC04660amx14.jpg
スポークヘッドはスライスしたエリンギ状に加工されており、

DSC04652amx14.jpg
DSC04653amx14.jpg
確かに フリー側のスポークは その加工が必要ですが

DSC04655amx14.jpg
DSC04654amx14.jpg
実は 反フリー側は不要なので
スポークヘッドの加工無しで そのまま使いました。

左右異数組みのカウンターとしての逆異径組みをした
この組み直しだけでも そこそこ化けているという自信はありますが、
フリー側を結線すれば もう一段 化けます。
が、不可逆加工になるので お客さんにいま一度 確認をとります。
万が一「元の状態に戻してくれ!」と言われたら
フリー側は黒CX-RAY、反フリー側は元のスポークを返すので
それで ほぼ同じ状態には戻せます。

category: のむラボ日記

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のむラボホイール5号の前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
DSC04638amx14.jpg
のむラボホイール5号の前輪を組みました。

DSC04639amx14.jpg
エボライトハブ 20H 黒CX-RAY反ヌポークラジアル組みです。

category: のむラボホイール

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マルニの黒タイヤレバーですが  

マルニの黒タイヤレバーですが、
100円ショップで売っているパンク修理キットに付属しているものと
同じじゃないのかというコメントを複数いただきました。
DSC04629amx14.jpg
あれは赤色だったと思いますが、まず間違いなく同じものです。
私も 黒タイヤレバーを注文したときに
↑これが来るとは知らなかったのですが、
実際に見たときから たぶんそうじゃないかと思ってはいました。

しかし、これを何とかする起死回生の窮余の一策、
無銘の部分の形状が平面であることも汲んだ
ある妙案が思い浮かびました。
それがなにか、みんなには わかるかな?




DSC04630amx14.jpg
そうだね、ブランディングだね。

DSC04631amx14.jpg
現在の当店在庫と次回入荷分の 黒タイヤレバーについては
当店オリジナルタイヤレバーという名目で 売り出すことにしました。
税込売価は他と変わらず1本80円です。
次々回以降の注文では 黒タイヤレバーを仕入れないことにしたので、
この仕様は限定品となります。

DSC04635amx14.jpg
POPも描きました。
DSC04637amx14.jpg
↑位置とサイズが逆のような気がするのは たぶん気のせいです。

category: のむラボ日記

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マルニのタイヤレバーをあわてて仕入れました  

「マルニ」という パンク修理用品を専門に扱っている
日本のメーカーがあるのですが、
DSC04607msn4.jpg
私が仕事で使うタイヤレバーは マルニのものです。

DSC04608msn4.jpg
もう10年以上は使っているので レバーの先端が磨耗しています。
このタイヤレバー、非常に使いやすく 折れることがありません
(少なくとも私は 折れたところを見たことがない)。

先日、今年の8月2日からマルニの製品が値上がりするとともに
定価設定が無くなり オープン価格になるという通達が
ある問屋さんからありました。以下ここを 問屋さんAとします。

価格改定のリストを見ると パッチやゴムのりなどが載っていましたが、
タイヤレバーについては記載がありません。
あわてて その問屋さんAの仕入れ用のサイトを見たところ、
タイヤレバー自体の取り扱いが無くなっていました。
私の知る限りでは このタイヤレバーが最も使いやすいので、
もし廃版になっているのであれば 非常に困ります。
問屋さんAでは マルニのタイヤレバー以外の
全商品(たぶん)を扱っており、
タイヤレバーだけを取り扱わない理由がありません。
例えば、他社のタイヤレバーで
どうしても売らなければならないものがあり
そのため競合するマルニのタイヤレバーのみ
取り扱いから除外する、といったような事情があるわけもありません。
ちなみに 問屋さんAでの販売形態は
赤・黄・青が1本ずつの3本セットでの販売ですが
ほとんどの場合は その3本セットです。

DSC04609msn4.jpg
問屋さんAとは別の 問屋さんBから、
ツーリング車系のパーツを おもに出している
Viva(ビバ)ブランドのタイヤレバーを仕入れてみました。
マルニと同じく 3色セットの販売形態で、

DSC04610msn4.jpg
こんな安いものを 自社ブランドに書き換える手間を惜しんでか
堂々と マルニ表記のままでした。
問屋さんBでの価格は 旧定価のままで、税別定価390円です。
なので 1本あたりの単価は130円です。

さらに いろいろ調べたところ、
DSC04611msn4.jpg
また別の問屋さんCでは1本ごとの単品販売をしていて、
在庫もそこそこありましたが 買い占めました。
問屋さんCの中の人によれば
このタイヤレバーは とくに廃版商品ではないとのことです。
まあ 無くなると困るので 今回の件で
私は多めに確保しておくつもりですが。
このタイヤレバーは 流通在庫も多いと思われるので、
いくつかの問屋さんで私が買い占めたところで
供給を牛耳ることが出来る種類の商品ではありません。

DSC04612msn4.jpg
問屋さんCでは、赤・黄・青以外に 黒の取り扱いもありました。
これは見たことがない色です。

DSC04613msn4.jpg
こちら側の形状は全く同じですが、

DSC04614msn4.jpg
マルニの表記の側は無銘で 形状も やや異なります。
問屋さんCの単品販売分は、定価設定がありません。
当店での販売価格ですが、客寄的大熊猫価格にせずとも
どう考えても これが上限やろというところで
税込売価1本80円としました。
先ほどの3色セットの単価130円というのは税別金額なので、
それと比較するなら約76円となります。

DSC04615msn4.jpg
セット販売にはしないので、同じ色を複数本という形で
買っていただくのも もちろんOKです。
問屋さんCが言っていた「廃版ではない」というのは
いまのところは本当の話で、私が買い占めてから しばらくすると
在庫が補充されていました。
まあ それも買い占めたけどな。

というわけで近日中に 在庫が どっと追加されます。
金額的に大きくないので ビビらずに仕入れができるというのもありますが、
自信を持って 使いやすいと断言できるものなので
たくさん 仕入れました。

かつて、コリマの刺繍が入ったセライタリアの初代フライトを
コリマから買い占めたこともある 私ですが
(毎日 在庫を見ているので知っていますが、
私の買い占めムーブ中に いくつか どこかのショップが買ったのも知っています)

あれは生産中止品だからできたことであって
このタイヤレバーを 全て買い占めるのは
先ほども書いたように不可能です。

客寄的大熊猫の 400円ブチルチューブや
150円CO2ボンベの売れ行きを見るに、
もし確実に廃版というのであれば 1000本くらい仕入れてもいいのですが、
(折れないので)紛失以外での理由で
同じお客さんによるリピート買いが あまり考えられないのが
チューブやボンベとの違いです。



おまけ
他に持っているタイヤレバーについて
DSC04583msn4.jpg
↑板ガム型のタイヤレバーです。
同じような形状のものが色んなメーカーから出ており、
最もメジャーなのは ミシュランのものでしょうか。
これはゴミタリア ブランドのもので、たぶん けっこーレアです。
ゴミタリアは語義からすれば ゴム・イタリアですが
日本語的には良い語感ではありません。
チューブラータイヤで とくに有名だったメーカーで、
WOタイヤも いわゆるオープンチューブラーと呼ばれる
チューブラータイヤを縫い込まずに ビードを取り付けただけのような
平べったい昆布のようなタイヤでした。
同種の形状のタイヤには ヴィットリアの旧オープンコルサCXや
ヴェロフレックスのWOタイヤなどがあります。

この手のタイヤレバーには
ゼファールのZ-LEVERSなどもありますが、
やや入手困難なのは コンチネンタルです。
海外通販ではタイヤレバーの単品販売もあるようですが、
日本の問屋さん経由では
「コンチネンタルのサドルバッグ」というのがあり
極薄ブチルチューブなら2本入るくらいのサドルバッグに、
そこに ちょうど1本入るくらいの極厚チューブ1本と
板ガム型タイヤレバー2本が付いているというセットを
買った場合でしか 入手する方法がありません。

DSC04584msn4.jpg
私は この手のタイヤレバーは使いにくいと思っているのですが、
記事のための お客さんたちへの聞き込みによれば
熱烈なファンがいるのも 確かです。
あと、弓なりに反っていなくて まっすぐなので
サドルバッグに物を詰め込んでも 最後に挿し込みやすく、
場合によっては サドルバッグの底板のように入れると
形状が安定するという意見も ありました。

DSC04616msn4.jpg
DSC04617msn4.jpg
↑これはIRCのタイヤレバーで、
私が仕事で マルニ以外で使っている唯一のタイヤレバーです。
レバーとは逆側の端に「MOUNTING」とあるのは
このタイヤレバーを持っていると、持っていない人に対して
ドヤれる(マウンティングできる)という意味・・・ではなく
チューブレスタイヤを リム中央に落としこむのに使うとのことですが
最近はETRTO破りの自社規格のチューブレスリムも多いので
こちら側は使ったことがありません。

ちなみに これは、MAVICのロードUSTチューブレスの
2代目が相手のときに 折ったことがあります。

DSC04625msn4.jpg
DSC04626msn4.jpg
光の加減で違う色に見えますが、
先ほどのものと同じタイヤレバーで 同じ色です。
サドルバッグに入れにくいので マウンティング側を削ぎました。

DSC04628msn4.jpg
分類でいうと 板ガム型になりそうですが、
特有の薄っぺらさに欠けるので 別物としておきます。
実際、使用感も全く違います。

DSC04585msn4.jpg
↑アーレンキーで有名な スイスのPBのタイヤレバーです。
長さが短く、サイズからして 車やオートバイ用ではなく
自転車用としての工具だというのは明白です。

DSC04586msn4.jpg
正直、PBと書いてなければ わざわざ買うほどのものではなく、
使いにくいとまではいかないものの
とくに使いやすいわけでもありません。
このタイヤレバーには MOUNTINGという表記はありませんが、
持っていると一部の人にドヤれるのが特徴です。
実際、PBが こんなもんを出してたんかいということ自体が
記事のバリューとして機能していると思いますので。

DSC04587msn4.jpg
DSC04588msn4.jpg
↑ヴィットリアのタイヤレバーです。
これは最近のもので、旧作とは形状も違い
パチンと はめ込む連結穴の奥にあるロゴも
現行のヴィットリアのロゴになっていますが、
イタリアントリコロールの3色で1セットという点は
旧作と変わりありません。
タイヤレバーを持っていないことに 出先で
気が付いた、あるいは折ってしまったというときの
最後の手段として クイックのレバー部分を
タイヤレバー代わりにするという手がありますが
(それが出来そうにない形状のレバーも 最近では多いですが)、
ことによると クイックのレバー部分より タイヤレバーとしての能力が
低いんじゃないかと思うようなタイヤレバーもあります。
私にとっては 旧ヴィットリアがそれに当たります。

DSC04589msn4.jpg
パチンとはめ込む部分は こんな形状です。

DSC04590msn4.jpg
アップで撮ったことに 他意はありません念のため。
あと、とくに関係が無いと思われる
記事のリンクも貼っておきます(→こちら)(→こちら)。

DSC04591msn4.jpg
↑アメリカ資本になったポンプメーカーのシリカのタイヤレバーで
2本で1セットのものです。
これはレア度ではなく 金額でドヤれるのが特徴で、
税別定価で2100円もします。

DSC04592msn4.jpg
うわー かっこいい!
SILCAのロゴ入りバンドで束ねられてるうぅ!
ラ○ァやア○スのウェア以外を着ると
じんましんが起きたり(安物アレルギー)、
キングのチタン以外のボトルケージにボトルを突っ込むと
中の水が腐ると思っている人たちの
心を 射止めそうな仕上げです!

DSC04593msn4.jpg
素材は ナイロンと金属を合わせたものですが、
DSC04594msn4.jpg
レバー部分は金属製です。
カーボンリムには とくに害はないでしょうが
(というか カーボンリムに使うのを想定していないわけが無い)、
マヴィックのオープンプロディスクリムや スタンズのリムなど
ビードフック部分の厚みが やたらと薄いアルミリムには
使わないほうがいいかもしれません。

DSC04597msn4.jpg
↑カンパニョーロのタイヤレバーの初期型です。
先ほどの シリカが出るまでは
これが高額タイヤレバーの代表でした。
この記事を書いている時点での税別定価は 1本551円です。

DSC04598msn4.jpg
こちら側にはTL-7Z41410という品番の刻印があり、
DSC04600msn4.jpg
製造年月は2006年の7月となっています。

DSC04602msn4.jpg
↑こちらは後期型かつ現行型です。
カンパニョーロの刻印がありません。
反対側にある品番は初期型と全く同じで、

DSC04601msn4.jpg
これは2015年の9月製ですが
刻印が無くなったのは もっと前からです。

DSC04603msn4.jpg
↑これはフルクラム表記のタイヤレバーです。
「フルクラムのタイヤレバー」ではありません。
にほんでゆいいつフルクラムをあつかっている問屋さんが
レースの参加賞として配るために特注したもので、
それ以外の流通はありません。
フルクラムのホイールを買った際に タイヤレバーが付いてくる場合、
カンパニョーロの後期型と同じ
刻印無しの黒いタイヤレバーが付属しています。
むしろ カンパニョーロの刻印を消したのは そのためだと思われます。

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こちら側の刻印も カンパニョーロと全く同じで、

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製造年月は 2016年の4月です。

DSC04454msn4.jpg
↑これはお客さんの私物で、記事用の画像を撮らせてもらいました。
先ほど フルクラム表記のタイヤレバーは日本限定の特注品で
それ以外の流通は無い、と書きましたが それは間違いです。
なんと これ、海外通販のフルクラムのホイールに付属してたそうです。

DSC04455msn4.jpg
しかも 更なる謎があり、こちら側の刻印がありません。
これは カンパニョーロのタイヤレバーにすら見られないことです。
「刻印が無いので 日本の問屋さんの特注品とは別物」と言い張るために
わざわざ こうしたのでしょうか。

DSC04457msn4.jpg
製造年月は 2本とも2018年の7月でした。

どーでもいい話ですが、時計メーカーのロンジンに
1959~61年頃のレジェンドダイバー(Ref.7150)を
復刻したヘリテージ レジェンドダイバーというモデルがあり、
初代の復刻レジェンドダイバーは限定品でした。
そのすぐあとに レジェンドダイバーがレギュラーモデルになるのですが、
限定品だと聞いて買った人が気を悪くしないようにするためか
仕様が変更されています。
オリジナルのレジェンドダイバーと 復刻の初代モデルはノンデイト仕様なのに、
レギュラーモデル化したレジェンドダイバーは
3時の位置に日付窓があります。
初代の復刻レジェンドダイバー ノンデイト仕様ですが、
価格はそれほど高いものではないものの
出回っている数が非常に少なく、
今までに買うチャンスが2回はありましたが
いずれも躊躇している間に 売れてしまいました。
欲しいと思ったときが買いどきだ、というのは まさに至言です。

DSC04595msn4.jpg
DSC04596msn4.jpg
↑これはピナレロのパーツブランド、モストの
チューブラータイヤ用のタイヤレバーです。
数量自体は たくさん作ったものの、
1回こっきりのスポット生産ではあったようで
在庫限りで終了とのことですが 問屋さんには たくさんあります。
ちなみに1本ごとの販売単位です。
税別定価760円と安いものではありませんが。
以前に ここで紹介したこともありますが、
チューブラータイヤを剥がすのに 本当に使いやすく、
本数も 作業の性質上 1本で十分なので
チューブラータイヤを使っている人で 興味がある方は
お近くのピナレロ取扱店で注文してみてください。

先ほど マルニ以外だと IRCのタイヤレバーしか使わないと
書きましたが 訂正します。
チューブラータイヤを剥がすときに これをほぼ必ず使っています。

DSC04618msn4.jpg
↑これは お客さんであり 私と同じチームのメンバーでもありますが
古参の自転車乗りの人のタイヤレバーです。
マルニですが ある意味マルニではありません。
私も持っていない レアなタイヤレバーです。
少なくとも 25年以上は前のものです。
四半世紀以上は、って書いたほうが古い感じがするかも知れません。

DSC04620msn4.jpg
アースとありますが、これはマルニのブランドです。

DSC04619msn4.jpg
画像では分かりにくいですが、
地球マークに 斜めにタスキがかかっていてEARTHと書いてあり、
その下にMARUNIの表記があります。

DSC04621msn4.jpg
これはマルニのビードワックスのケースで
現行品の ひとつ前のバージョンですが、
地球にかかっているのがタスキではなく 横向きの帯で
書いてあるのも EARTHではなくMARUNIですが
アースブランドの名残があります。
現行のビードワックスのケースには 地球マークなどはありません。
ゴムのりのチューブや缶には まだ このマークが残っていますが。

このアースのタイヤレバーのオーナーですが、
当店のマルニの青を 2本買っていかれました。
買った2本以前に アースのレバーからして
失くさない限り 一生ものだと思うんですが。

category: 新着情報!

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のむラボホイール5号の後輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール5号の後輪を組みました。

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エボライトハブ 24H 黒半コンペヨンロク組みで

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銀アルミニップルです。
結線は あとでやります。

category: のむラボホイール

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のむラボホイール5号の前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール5号の前輪を組みました。

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エボライトハブ 20H 黒CX-RAY反ヌポークラジアル組みです。

category: のむラボホイール

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グラベルバイクでシクロクロスのレースに出たい!という方へ  

MTBという概念が無かったころの初期のMTB(※)には
当然、「MTB用のコンポ」というのが存在していませんでした。
シマノのデオーレも 元々はツーリング用のコンポです。
※厳密には MTB以前に ATB(オール テライン バイク)と
呼ばれていた時期がありますが 細かいことは置いといてください。

グラベルバイクというカテゴリーが近年 出てきましたが、
これも コンポメーカーが専用のコンポを出して
フレームメーカーがタイヤサイズに合わせた設計の
フレームを出してまで流行らせようとしています。
そのこと自体は まことに結構なのですが、
何となく似ているからという理由で
グラベルバイクでシクロクロスに出てみたい!という人が
最近よく見られる気がする
ので それについて書きます。

グラベルバイクには ホイールサイズが700C以外に
650Bのものがありますが(あるいはディスクブレーキなので
ひとつのフレームで共用できる場合もありますが)、
700Cであっても32Cのタイヤを履けば
シクロクロス競技に 必ずしも そのまま使えるわけではありません。
グラベルバイクの完成車には 40C前後の幅のタイヤが
取り付けてあることが多く、チューブラーではないクリンチャー系のリムだと
内幅が23mmを超えるリムに対して 公称32Cのタイヤを取り付けると
ほぼ確実に2気圧時点での実測のタイヤ幅が33mmを超えます。
これはレギュレーション違反になります
(フラットバーOK、タイヤ幅 何でもありという下位カテゴリーのレースを除く)。

じゃあ ホイールを交換すればいいのかというと、
グラベルバイクにはジオメトリー的に
シクロクロスに決定的に不向きな点があり
それはパーツの交換などで解消することはできません。
具体的に何かというと、「ハンガー下がり」です。
「BBドロップ」とも言います。

DSC04579amx14.jpg
前後ハブ軸の中心を結んだ線と、BB中心との最短距離が
ハンガー下がりです。
これは車種ごとに だいたいどれくらいかというのが決まっていて、
街乗り用ではない競技用のピストバイクだと45~50mmくらいが多く、
ロードバイクだと浅くて(数値が小さくて)65mm、
深いと(数値が大きいと)70mmまたは それ以上となります。
一般に フレームサイズが大きくなるほど浅く、
小さくなるほど深くなる傾向があります。

記事の論旨には関係ないですが
例外を挙げておくと ブリヂストンアンカーが その逆で、
ピストフレームの TS9はフレームサイズに関わらず50mm、
TE9は最小サイズから大きくなるにつれて
50→55→55→60mmとなります。
ロードフレームの RP9はフレームサイズに関わらず72mm、
RS8は最小サイズから大きくなるにつれて
68→68→70→70→70となります。
フレームサイズが大きくなると
かえってハンガーが深くなるというのは 非常に珍しいです。

上の図、ハンガー下がり以外に
水平換算のトップチューブ長も書いていますが
同一メーカーの シクロクロスとグラベルの
フレームサイズの呼び/トップチューブ長/ハンガー下がりを
いろいろ調べてみました。

DSC04574amx14.jpg
まずはリドレーから。
かつては「X-○○」で エックスではなくクロスと読ませて
X-BOW(クロスボウ)や X-FIRE(クロスファイア)などの名車が
ありましたが、日本の問屋さんが現状 扱っているモデルは
X-NIGHT(これだけはクロスナイトではなく
エックスナイトと読む人が多い気がする)のみとなっています。
かつてのX-NIGHTはロードのダモクレスが
ベースの車種となっていましたが、
現在のモデルは同名の別物です。
また、本国ではX-NIGHT SLという同じ形の上位モデルや
X-RIDEというエントリーモデルもありますが、
日本での取り扱いはありません。
グラベルバイクのほうは カンゾというモデル名で、
こちらのほうは力を入れていて モデル名がカンゾ以下
ファスト/スピード/アドベンチャー/Aと 4モデルでの展開となっています。
リドレーに限った話では無いですが、グラベルが流行ってからは
純競技用のシクロクロスのラインナップを縮小している
メーカー・ブランドが非常に多くなっています。
元々あったグラベル的な遊びを シクロクロスバイクでやっていたのが
専用設計のグラベルバイクに移ったという感じなのでしょう。

DSC04575amx14.jpg
本題のジオメトリーの話をします。
フレームの製造委託元が違うのか
フレームサイズの呼称が シクロクロスとグラベルで違っています。
トップチューブ長だけでいうとX-NIGHTの48と
カンゾのXSが同じくらいです。
シクロクロスのほうは、ハンガー下がりが非常に浅い傾向があり
フレームサイズごとに細かく変えています。
グラベルのほうは、74~72mmと非常に深くなっています。
これもまた例外はありますが、一般に同じメーカーだと
シクロクロスよりグラベルのほうが
ハンガー下がりが深い傾向にあります。
さきほどサイズ感が同じくらいだと書いた
X-NIGHTの48と カンゾのXSでは17mmも違っていますが、
これだけ違うとコーナーで 地面にペダルを掻いたり
シケインに引っかかりやすくなります。
クランク長さが 165mmと180mmでも15mm差だと考えると、
17mmというのは相当な差です。
あと、サイズが大きくなるほど
ハンガー下がりが深くなるフレームは
非常に珍しいと 先ほど書いたところですが、
リドレーのシクロクロスも それに該当します。

DSC04577amx14.jpg
つづいてGIANTです。
シクロクロスがTCXで、グラベルがREVOLTというモデル名です。
TCXのサイズにあるMLというのは「ミディアムラージ」の略で、
さらに大きなサイズにLとXLがありますが、
日本では たいていのモデルはMLまでしかカタログに載せていません。
95%以上(ソース:私の脳内)のユーザーは
小さい側の4サイズのどれかで適合するからです。
TCXはトップ長が15mm刻み、REVOLTは10mm刻みで
同じ呼びサイズでのサイズ感もやや異なりますが、
TCXはハンガー下がりが一律60mm、REVOLTは70mmで、
10mm違いでグラベルのほうが深くなっています
(日本で展開していないサイズまでは調べていませんが)。

DSC04578amx14.jpg
つづいてナイナー。ここはMTB以外の700Cのバイクは
グラベルしか展開していないメーカーですが、
ジオメトリーが秀逸なので取り上げました
(といっても この数値の範囲では分からないですが)。
ハンガー下がりは 小さいほうの3サイズが75mm、
大きいほうの3サイズが70mmとなっています。

DSC04576amx14.jpg
つづいてキャノンデール。
先ほど書いた例外が これで、
グラベルバイクのほうが ハンガー下がりが浅くなっています。
サイズの呼び方がシクロクロスとグラベルで違うことから
製造元が違うのだと思われますが、
まずキャノンデールはロードバイクのハンガー下がりが深めのメーカーで
例えば スーパーシックスエボだと サイズが小さいほうから
74→74→74→72→72→69→69→69mmとなっています。
それに対して シクロクロスは、ロードバイクよりは浅くなっています。
これだけなら「ハンガー下がりが深めのメーカーなんだなー」で
終わる話ですが、フレームのジオメトリーに対する考え方が
同じメーカーのものだとは思えないグラベルバイクが追加されたことで
ちょっと おかしなことになっています。

図の画像は無いですが、
トレックのシクロクロスのブーンのハンガー下がりは
サイズが小さいほうから70→70→68→68mmと わりと深めなものの、
グラベルのチェックポイントでは
78→78→76→76→74mmと もっと深くなっています。

図にあるように、キャノンデールでシクロクロスバイクに分類されている
スーパーシックスエボCXとスーパーXとCAADXは、
フレームの材質から違ったりするものの ジオメトリーは共通でした。
トップストーンとは別に メーカーの分類上 グラベルバイクとされている
スーパーシックスエボSEというモデルがありますが、
こちらはトップストーンと同じジオメトリーではなく
シクロクロス3車種と同じジオメトリーです。

あと ハンガー下がりとは関係が無いですが、
トップストーンは アルミフレームもカーボンフレームも
同じジオメトリーなのはいいとして、
カーボンフレーム+LEFTYサスペンションフォークのモデルも
ほぼ同じジオメトリーとなっています(※)。
ヘッドチューブ角は変えたほうがいいと思うのですが。

※SMサイズのみスタックが0.1mm違っていたり
LGとXLサイズのみホイールベースが
0.8~0.9mm違っていたりする以外は全く同じ


純競技用のシクロクロスフレームで、
例えば リドレーの当時のダモクレスをベースとした旧X-NIGHTや
BHのRX-1などでは フレームにボトルケージ台座が
全く付いていないものが ありました。
グラベルバイクでは前三角の中のボトルケージ台座以外に
ダウンチューブ裏と トップチューブ上の前方、
モデルによってはフォークブレードの横にまで
ボトルケージ台座規格の穴が設けてあるものがあります。
これは見た目の問題でイチャモンに近いですが、
そういうのが レースバイクっぽく無いのも
グラベルバイクがシクロクロスに合わない点です
(シクロクロスにも、純競技用モデルで無ければ
ドロヨケや リヤキャリア用のダボ穴があるものもありますが)。
ただ、担ぎに向いていないフレーム形状のものが多いのは確かです。
フレームの形状だけでなく、アウター受けの位置なども重要なのですが。


というわけで、グラベルバイクでシクロクロスのレースに出るのは
ハンガー下がりやフレーム形状などの設計面で不向き、
ホイールも リムの内幅が20mmを超えると
タイヤ幅がレギュレーション違反になる可能性が出てくるので
(冒頭に書いたように23mmを超えると ほぼ確定)
実質 別に用意する必要があるなど、無理にいぢくる お金があるなら
そもそも ちゃんとしたシクロクロスバイクを
別に用意したほうがいいんじゃないのかという話です。
グラベルバイクのほうが チェーンステーが長い(リヤセンターが長い)ので
同じメーカーの同じ材質のフレームなら 反応性が悪いだろうとか、
荷物を積むのが前提のグラベルバイクのほうが
フレームが重いとか、そーゆーのは
乗り手がしんどいだけなので どーでもいいのですが、
レース中の集団走行のコーナーでペダルを地面に掻いたり
シケインでつまづいたりしやすいバイクというのは
人に迷惑をかける可能性があるので
グラベルバイクでシクロクロスレースに出るのは
やめたほうがいいじゃないかな~、
ということを書きたかったのです。

ハンガー下がり72mm以上のフレームは
シクロクロス競技に使えない、
というルールとか出来ねえかなマジで。


それとはまた別の話ですが、ロードバイクですら
内幅20mmを超えるリムが出ている昨今の事情では
悪気なくタイヤ幅が33mmを超える事例が
ちらほら出てくるのではないかと思います。
そしてシクロクロスのレース会場では「33mm警察」の方々に
違法グラベルバイクを片っ端から摘発していただきたい。


競技性が変わってしまいますが
(テクニックが無くとも 脚力でゴリ押せる割合が増す)、
シクロクロスのタイヤ幅上限が 10年ほど前までOKだった
35Cに戻るかもしれないと個人的には思っています。

追記:この記事を書いた翌日に、
フルクラムのレーシング5 DBに
シュワルベの32C表記のシクロクロス用の
チューブ入りWOタイヤを履いた シクロクロスバイクの整備をしましたが、
タイヤ外幅の実測が34.8mmでした。
レーシング5 DBはディスクロード用の
(下限とはいえ25Cタイヤの取り付けも前提としている)ホイールですが、
新ETRTOのワイドリムに 公称32Cのタイヤ
(この公称というのは現状 シクロクロス用のタイヤでは
旧ETRTOのリムに取り付けた場合を指すことがほとんど)を
取り付けると 悪気無く横幅が33mmを超えることもあります。
レギュレーション違反で 降格や失格の処分を下される場合、
悪意や故意の有無は関係ありません。
新ETRTOに対応させるなら、
これまで30C幅として出していたくらいのタイヤ
(旧ETRTOに取り付けたときにタイヤ横幅が30mmになる)を
32C表記にするしかありません。
同じ32mm幅でも、新ETRTOのリムに そのタイヤだと
四角いカマボコ断面の引っ張りタイヤになってしまいますが、
すでにロードバイクの25Cタイヤが そんな感じになっています。

細めの29インチMTBリムに 700Cシクロクロスタイヤを履いて
タイヤ横幅が33mm以内に納まるかどうかについての
実際の例については(→こちら)をどうぞ。

category: その他 機材の話

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のむラボホイール5号の後輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール5号の後輪を組みました。

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エボライトハブ 28H 黒半コンペヨンロク組みです。
結線は あとでやります。

category: のむラボホイール

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レーシングゼロナイトさん  

お客さんから レーシングゼロナイトの後輪をお預かりしました。
DSC04555msn4.jpg
反フリー側から撮ってます。
リヤメカを巻き込んで スポークが曲がり、
振れが出ているとのことです。

DSC04556msn4.jpg
↑こやつ
巻き込んだのは低速走行時で、一瞬で気付いて足を止めたので
変形しているスポークは1本だけでした。
変形したスポークの最終交差の相方のスポークに
チェーンが滑って汚れが乗ったあとがあり、
汚れを拭き取ると かすかに色が剥げていましたが
変形が無かったので交換はしませんでした。

DSC04557msn4.jpg
フリー側から撮ってます。
直りました。

DSC04558msn4.jpg
いつも書いていることですが、
交換したスポークの位相が最も振れているという状態が
解消されるまでは それ以外のニップルを回してはいけません。

お預かりした時点では 左右ともに大きな横振れがあり、
たった1本のスポークの変形で
1ヵ所だけ ゴバッと振れるのでは無く
こんなに左右に暴れるように振れるものなのか、
他に まだ曲がっているスポークがあるのではと思ったくらいですが、
交換したスポークのニップルの調整だけで
横振れが ほとんど無くなりました。
この時点で、リヤメカを巻き込む1秒前の状態と ほぼ同じはずです。

それから横振れ取りをしましたが、交換したスポークのニップル以外だと
5ヵ所ほど触った程度で ニップルの回転量も ごくわずか、
いずれも 1/16周も回していないくらいです。
これは、リヤメカの巻き込みを起こしていない後輪を
ふつーに振れ取りした場合と ほぼ同じです。

という時点で 初めてセンターゲージを当てました。
お預かりした最初の状態だと 局所的な横振れが大きすぎて
暫定センターを見る意味が無いからです。
横振れ無しで リムが紙2枚ほどフリー側にずれていました。
これは、元々 紙1枚ほどフリー側にずれていたのと
経年使用のずれが混じった感じです。
これ以前の振れ取りの履歴が無いとすればですが。

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↑交換したスポーク
実は、ホイールの作業とは別にやった フレーム側の作業のほうが
記事としてのバリューが高いのですが、
そちらは理由があって書けません。
それの解決のために工具を買ったくらいなのですが。

category: のむラボ日記

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CX22リムとRS770ハブで前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
DSC04559msn4.jpg
CX22ワイドチューブラーリムと
RS770ディスクハブで前輪を組みました。

ハブはお客さんからのお預かり品で、
メーカー・問屋さん在庫が長期欠品しているものです。
リムは当店の在庫分ですが、これも問屋さん在庫が欠品しており
このホイールのために確保しておいた分ですが、
現状 最後の1本となりました。
今回のとは別件で、新規ホイール組みではなく
変形したリムの交換用に1本必要なのですが
その分もありません。

9月10日に後輪を組んでいますが、これはスポークが半コンペだからで
前輪は もっと日を空けて様子を見るつもりでした。
半CXスプリントにしたいがための CXスプリントの入荷待ちでしたが、
問屋さんに状況を訊いたら CX-RAYはある程度
入荷予定が分かっているものの CXスプリントは不明だということで、
シクロクロスの開幕までの入荷が無さそうなのと
後輪を組んだ記事に お客さんから「来週 受け取りに伺います」と
コメントが来たので

DSC04560msn4.jpg
全CX-RAYで組んでしまいました。
HB-RS770 28H ロクヨン逆イタリアン組みです。
結線は あとでやります。
ここから本当に時間がかかるのは
リムセメントでのタイヤ張りなのですが。

category: のむラボ日記

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SES4.5の後輪を組み直しました  

今日もホイー(以下略)。
DSC04531amx14.jpg
お客さんから スマートエンヴィシステム4.5の後輪をお預かりしました。
リムは チューブレス非対応のクリンチャーで、
ENVEのロゴ入りのストレッチバンドタイプのリムテープが張られていました。

DSC04533amx14.jpg
クリスキングR45ハブ 24H
全黒エアロライトヨンヨン逆イタリアン組みです。
逆イタリアン組みであることと、スポークが 現状 日本の問屋さんで
常備取り扱いが無いDTのエアロライトなうえ

DSC04538amx14.jpg
スポークのねじ山終わりの少し先に
エアロ加工とは別の 工具でつかむための四角いツブシがある
おもにホイールメーカー向けの仕様であることから、
メーカーの吊るしである可能性が高いです。

シュータッチをするので何とかしてほしいとのことですが、
DSC04532amx14.jpg
ブレーキゾーンにヤスリ加工があるリムは
シュータッチお知らせ機能も 併せて備えているので、
そうでないリムのシュータッチが
ほとんど乗り手だけにしか分からないところ
ヤスリ付きリムは 周タッチをシュー囲にシュー知させます。
誤字というか 文字の入れ替えは わざとです念のため。

DSC04534amx14.jpg
チューブは Rエアーでしたが、このチューブは数年前までは
バルブコアが一体式で外せない仕様のものしか無かったものの
これは2ピースバルブと称するバルブコアが外れるタイプのもので、

DSC04535amx14.jpg
ENVEのラバー付きエクステンダーで延長されていました。
これはグレーのゴム部分の範囲を リムの内周側の穴に合わせることで
バルブカタカタ音を抑えるというものです。
よく見るとENVE以外に 〇の中にSのロゴもありますが、
これはポンプのシリカのロゴで、シリカ製のパーツです。

DSC04536amx14.jpg
DSC04537amx14.jpg
リムが反フリー側に ずれています。
どうせバラすので どーでもいいのですが。
この傾向に影響しない程度の かすかな横振れもありました
(最もフリー側に向かって振れている位相を
わざわざ探して当てたとしても、リムの位置は
センターよりは 反フリー側寄りになるというくらい)。

DSC04539amx14.jpg
↑いつもの

DSC04540amx14.jpg
バルブ穴から時計回りに スポークを抜いていって、
左右の最終交差のひとかたまりの 計4ヵ所の
一切ニップルをゆるめていないスポークを残しました。
こうすることで リムの中での ニップルの端面に対するスポーク長さが
どうなっていたかを 直に見ることができます。

DSC04541amx14.jpg
↑反フリー側
DSC04542amx14.jpg
↑フリー側
DSC04543amx14.jpg
↑反フリー側
DSC04544amx14.jpg
↑フリー側
反フリー側が長めです。
組み直しに際して フリー側の組み方は同じですが、
元のスポークの長さを測らずに(先入観なしに)
ハブとリムの寸法からスポーク長さを計算してから
元のスポークのフリー側の長さを測ると、
私の計算値のほうが1mm短いという結果になりました。
ほぼ確実に 元の状態よりは ねじ山を進めることになるので、
計算値のほうを採用しています。
反フリー側は 4本組みから6本組みになりますが、
私の計算上では ニップルの端面との関係がフリー側と同じくらいになり
組み直し前ほどには ニップルからスポークが飛び出しません。

DSC04548amx14.jpg
組めました。

DSC04549amx14.jpg
24H 黒半コンペヨンロクイタリアン組みです。
結線は あとでやります。
イタリアン組みだと わざわざ言及しているのは
組み直し前が そうではなかったからです。

DSC04546amx14.jpg
DSC04547amx14.jpg
センタードンピシャです。

一度 ホイールをバラしたということはですね、あれですね。
もうすでに出囃子が脳内で聞こえてくるという方は
このブログに相当 毒されているということになりますが
形式は踏まないといけないので・・・
リムの重量?誰が教えるかよ、ケッ!
↑うわこいつかんじわるい













DSC04550amx14.jpg
オ待タセシマシタ!

DSC04545amx14.jpg
コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!
↑やーめーろー!

category: のむラボ日記

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グレイルCB7リムでディスクブレーキの後輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
DSC04522amx14.jpg
昨日の続きです。
グレイルCB7リムでディスクブレーキ用の後輪を組みました。
リムはディスクブレーキ専用で、フックレスリムなので
チューブレスまたはチューブレスレディタイヤ専用となります。

DSC04523amx14.jpg
R45Dハブ 24H 半コンペヨンロクJIS組み結線ありです。

category: のむラボ日記

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のむラボホイール5号のリムを交換しました  

お客さんから のむラボホイール5号の後輪をお預かりしました。
DSC04497amx14.jpg
リムが壊れたので交換します。
ステッカーは最終的には剥がしていますが、
ホイールを組んでからでも簡単に剥がせるので
今回は なんとなく貼ったままで作業しました。

DSC04498amx14.jpg
リムのお引っ越し中・・・

DSC04499amx14.jpg
組めました。
DSC04500amx14.jpg
念のため書いておきますが、交換したのはリムではなく
ステッカーを移しただけとか そーゆーのではありません。
リムだけでなくニップルも全交換しています。

DSC04501amx14.jpg
作業に際しては、スプロケットすら外しませんでした。

category: のむラボホイール

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WH-R9270-C36について  

ひとつ前の記事の最後に いろいろ書いていたら
長くなったので分割しました。
DSC04505amx14.jpg
DSC04520amx14.jpg
ひとつ前の記事のグレイルCB7の
リム単体と 前輪の実測重量です。
24H 全CX-RAYで、リム単体との重量差が270gです。

DSC03913amx14.jpg
↑これは少し前に組んだ 外周側にバルブ穴以外の穴が無い
シャーメン(→こちら)のリムで
この画像自体は リンク先にも載せていますが、
DSC03919amx14.jpg
↑こちらは今回初めて出す前輪の実測重量です。
今日の前輪と同じく24Hの(黒ですが)全CX-RAYで、
リム単体との重量差が252gとなっています。
こちらのほうがリム高が高いので スポークが短いことと、
ハブがレボディスクハブで クリスキングより軽いことなどから
(公称値同士ではレボディスクハブのほうが12g軽い)
リム単体との重量差はこちらのほうが少なくなっています。

先日、公称重量について書いた(→こちら
シマノのR9200系デュラエースの
C36のディスクブレーキ用の完組みホイールの前輪ですが、
メーカーサイトでは チューブレスリム仕様が620g、
チューブラーリム仕様が522gとなっていました。
この2つはハブが同じで、スポーク長さは同じか
あるいは違っていても 同じリム高なので大差は無いはずで、
スポークの本数と番手が同じなので
リム重量が100gくらい違わないと おかしいということになります。
チューブラーリムの公称重量は、メーカーサイトとは別の資料では
519gとなっており、微妙な差異があることが
別の個体のそれぞれの実測重量っぽいことから
約520gというのは誤植ではないということに信憑性があります。
R9200系のハブも ベアリングがカップ&コーン式だと思いますが、
そうであれば ハブ部分の重量が劇的に軽いということは無いはずで、
フロントハブは フリーボディが軽くなったこととは関係ないので
冒頭の2つの前輪のリム単体との重量差から考えても
(約520gという公称重量が本当なのであれば)
R9270のC36チューブラーリムは300g未満であることは まず確実です。

それはいいとして、リンク先の記事に
R9270のディスクブレーキ用のホイールは
「リムブレーキモデルでも使用可能」だと書いていますが
これは当時のメーカーサイトの表記の原文ママであり、
これについては「ほんまかいな。」と
以前の記事の時点で疑っていたので
魚拓を取っていたのですが
92701amx14.jpg
↑びふぉー
92702amx14.jpg
↑あふたー
「リムブレーキモデルでも使用可能」
の文言が消されています。


不可解なのは、リムブレーキ用のホイールであれば
わざわざ「リムブレーキモデルでも使用可能」と書く必要は無いことから
これはディスクブレーキ用のホイールに用意した文言なわけで、
開発中は そのつもりだった名残なのかもしれません。

category: ホイールの話

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グレイルCB7リムでディスクブレーキの前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
DSC04502amx14.jpg
お客さん(一応)からの注文でスタンズのグレイルCB7を仕入れました。
これを、私の私物の後輪と同じように
グレイルMK3のカスタムステッカーを4色使って
見た目がうるさいホイールを組んでほしいとのことです。

DSC04504amx14.jpg
私のリムとは違い リムの内周側の頂点に
成型由来のバリのような突起がありました。
私のリムでは、同じ箇所に継ぎ目の線が見て取れますが
明確な突起には なっていません。
突起の線に対して リム穴がずれていますが
これについては後述します。

DSC04505amx14.jpg
↑実測重量です。
公称300gですが、私は 今のところ
290g以下の個体しか見たことがありません。

DSC04506amx14.jpg
リムの、テープを貼る部分に
「スポークの角度が立っている側を こっちにしろ」という指示があります。
このリム、私のリムでは突起が無かったので 気付かなかったですが
穴振りがあるだけではなく ごくわずかながらオフセットリムになっています。

DSC04507amx14.jpg
突起はリムの中央ですが、それに対して
一見 中央に見えるものの かすかにずれているリム穴、
DSC04508amx14.jpg
の隣は 明確にずれているリム穴、
DSC04509amx14.jpg
の隣は かすかにずれているリム穴、
DSC04510amx14.jpg
の隣は 明確にずれているリム穴、
DSC04511amx14.jpg
の隣は かすかにずれているリム穴、
DSC04512amx14.jpg
の隣は 明確にずれているリム穴・・・というのを繰り返していて
穴振りがありつつ それが片側に かすかに寄っているという
構造になっています。
リムの形状は左右対称で リム穴がオフセットというのは、
リムの形状が左右非対称で リム穴がなぜか中央から均等に穴振りという
マヴィックのオープンプロディスクリムの逆となっています。

DSC04513amx14.jpg
グレイルMK3という表記のステッカーは すべて同じものですが、
スタンズ ノーチューブスという表記のステッカーは
2枚あるものの同じではありません。
ノーチューブスの下にある注意書きが
「自社規格でETRTO破りの
ビードソケットテクロノジーというビード形状の特許番号で 2行」と
「タイヤ幅別の空気圧と公称のリム内径で 3行」の2種類があります。
片側に計4枚 貼るわけですが、同じ側で2行と3行が混ざらないように、
かつ 前後リムで違わないように貼ることにします。
具体的に言うと 前後リムとも右側が3行になるようにしました。
吊るしのリムで組む場合、アルミリムのMK3だと左右の区別が無いので
同じ側で そろえられますが、
カーボンリムのCB7だと 前後リムで必ず逆になるので
2行と3行のステッカーは前後で 逆になるはずです。

DSC04519amx14.jpg
CB7のバルブ穴付近に元から貼ってあるステッカーは
これを避けられないので、フロントリムは右側から見ると
注意書きの文字が逆になりました。

DSC04514amx14.jpg
組めました。

DSC04515amx14.jpg
クリスキングR45Dハブ 24H 全CX-RAYロクヨン逆イタリアン組みです。
結線は あとでやります。
このリムは「オフセットリムで組んでるなー」という感触が
スポークテンションの左右差からは感じられませんでした。
CXスプリントが無いから 全CX-RAYにしたわけですが、
結線を左右ともやるかどうかは未定です。

DSC04516amx14.jpg
DSC04517amx14.jpg
ニップルの色は虹色配列(VAS配列)ではなく
ステッカーの色と位相に合わせて
4色を6穴ずつに並べているだけですが、

DSC04518amx14.jpg
このお客さん(一応)のクランクが こんな感じなので
LGBT(※)に興味があるのかもしれません。

※Low speed Gravel Bike Touringの略です念のため。

category: のむラボ日記

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303NSWディスクさん  

お客さんから ZIPPの303NSWディスクの前輪をお預かりしました。
DSC04447amx14.jpg
私が過去に組み直したものです。
落車か 他車との接触で スポークが曲がっています。

DSC04448amx14.jpg
DSC04449amx14.jpg
↑画像を撮ったのは2本ですが、曲がっていたのは3本です。
お客さんにも言われましたが、こちら側で まだ良かったです。
この前輪の組み方は半CXスプリントストレートですが、
CX-RAYストレートのスペアスポークは常備しているものの
CXスプリントストレートは問屋さんが長期欠品しているので
当店でも 在庫がほとんどありません。
まあ、3~4本くらいであれば なんとかなりますが。

DSC04450amx14.jpg
直りました。

DSC04451amx14.jpg
要交換スポークは片側で連続した3本でしたが、
結線をしている側なので 修理は4本を交換して
結線をし直す必要があります。

DSC04452amx14.jpg
DSC04453amx14.jpg
交換した4本のスポークのニップル以外は、
1ヵ所を1回だけ触っただけです。
触っていないニップルの位相は
ホイールセンターが狂いようがないので
スポークを補填、振れ取り後に初めてセンターゲージを当てた時点で
センタードンピシャでした。

まあ、後輪ほどでは無いもののオチョコがあるので
経年使用で全くずれないというわけではなく、
振れが出ていたら その位相でセンターずれを生じるわけですが
今回は どちらも起きていませんでした。

category: のむラボ日記

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イメジのシーラントですが  

先日、IRCのチューブレスタイヤがサイドカットしたので
DSC04475amx14.jpg
↑別のホイールから 同じタイヤ(厳密には23Cが25Cになりましたが)を
あわてて外して持ち帰ったのですが、
定休日+のっぴきならない用事で 丸3日ほど放置した結果

DSC04477amx14.jpg
水分が抜けて固まってしまいました。

DSC04478amx14.jpg
まだ しっとりしている部分は 爪でこすると 簡単に取れます。
噛んだあとのガムのような 高弾力かつ粘着質な感じにはならず
おから(卯の花)のようなボソボソした質感なので、
リムをクリーニングするのも 他社のシーラントと比べて圧倒的に容易です。

DSC04483amx14.jpg
びふぉー/あふたーで 同じ箇所です、と言うために
バルブ穴付近を選んで撮っていますが、

DSC04485amx14.jpg
水で さっと流すだけで きれいに・・・なったわけではなく
スポンジでそこそこ頑張って こすりはしましたが
それでも普通は こんなに きれいにはなりません。

常用していたほうのホイールですが、
サイドカットから空気漏れをするまで
ほとんど空気抜けは起きておらず 非常に安定していました。
空気を入れるのも 横着をして週に1回でも いけたくらいです。

で、新しいタイヤに交換して 新規にイメジのシーラントを入れたのですが
現状 1日で2~3気圧程度は下がります。
これはまだ安定していないだけで、
ほとんどの場合 再度 空気を入れ直して様子を見ることで
なぜかエア抜けが ほぼ起きずに安定して、
薄手のブチルチューブよりエア抜けが遅いくらいになります。
それでもエア抜けをする、または外周部重量を気にして
シーラントをケチった覚えがあるのであれば
少し追い足す必要があることもあります。
この、効きが弱く 経過観察を要する点が
多少 面倒ではありますが
リムのクリーニングが容易という点が秀逸です。

チューブラーリムのリムセメントのベッドは
リムに残るのが むしろありがたいくらいですが、
チューブレスリムのビードフックに残ったシーラントのカタマリは
それ以後のチューブレスタイヤのビード部分の圧着に対して
すき間を生じているような気がして 気持ちがいいものではありません。

category: のむラボ日記

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