日本語のシールを貼る理由(たぶん) 
2022/02/28 Mon. 11:26 [edit]

エリートのFLY(フライ)という軽量ボトルのロングバージョンです。
最近では フライの下に より安価な
JET(ジェット)というモデルも追加されました。
どちらも 生分解性プラスチック製です。

で、これは ある問屋さんから仕入れたものですが
問屋さんのほうで 日本語のシールが貼ってあります
(54gなのは550mlのショートボトルの場合ですが)。
ボトルとボトルケージとメンテナンススタンドとローラー台の
エリートは 昔は複数の問屋さんで扱いがあったブランドですが、
そのうち ボトルケージのみを扱っている、
さらには定番モデルのカスタムレース系やチウッシィ系だけを
扱うといった問屋さんが多いなか
私はなるべく「ボトルも扱っている」問屋さんから買うようにしていました。
なぜかというと、ボトルというのは輸入された食品容器という扱いになるので
年に一度 検疫を受ける必要があり、毎年 数万円の費用がかかります。
書類を通す手間もあります。
フライでも 柄がレギュラーモデルなら数百円、
チームカラーや特注モデルでも 保冷ボトルなどの機能がなければ
税込定価で1000円をちょっと超えるくらいの価格ですが、
問屋さんがメーカーから仕入れる価格と
ショップに卸す価格の差(利益)を考えると
ボトルという商品は まず検疫の費用をペイするのが そこそこ大変なのです。
さらにボトルというのは薄利なだけでなく
(エリートの場合は)種類もたくさんあり 倉庫の場所も取る、
しかも商品の形状から(エリートの場合は)イタリアから
新鮮な空気を輸送している すき間が大きいということもあります。
同じ大きさの箱で 中身がフレームやホイールなら
容積あたり、送料あたりの利益は 比較にならないほど大きいです。
商品展開にボトルも含む ボトルケージのブランドを扱っている問屋さんのうち
ボトルケージだけを扱っているという問屋さんというのがありますが
みんなが そんなことをすれば ボトルが日本に入ってこなくなります。
なので、お客さんには関係なく お客さんには伝わらないことですが
私は ボトルケージは どうしても欠品している場合などを除き
ボトルなども潤沢に展開している問屋さんからしか仕入れないことにしています。
エリートに関しては 問屋さんは1社だけに絞られたようですが、
やはり 昔からボトルも潤沢に展開していた問屋さんが選ばれています。
それはいいとして まだ表題の件に入っていませんが、
日本語で「軽量ボトルです!」みたいなシールが貼ってあることで
店頭で手に取られる確率や売れる数が そんなに変わるものでしょうか?
変わるとして、シールの製造代と それを貼る人件費を超えるだけの
いわば広告効果が発生しているでしょうか?
そもそも エリートは ボトルとしては定番品でトップブランドなので、
とくにフライが出て以降は「ボトルはこれ以外使わない」という人も
多いくらいの人気商品です。

これはコンチネンタルのグランプリ5000ですが、
箱に日本語のシールが貼ってあります。
当店の販売実績でも そうですが、点検でお預かりするホイールを見る限りでも
グランプリ5000というのは 現在 最も支持されているクリンチャータイヤです。
なので シールを貼っていようがいまいが
どのみち このタイヤしか手に取らない人というのがそもそも多いわけでして、
それでもなお この手間をかける意味があるのでしょうか?
この手のシールですが、日本の正規代理店経由のものだと
はっきり示すことに意味があるのです。
どことは書きませんが、正規代理店から商品を仕入れつつ、
別の商社からの並行輸入品も混ぜて
店頭に並べるショップというのがありました
(ちなみに その商品はコンチネンタルのタイヤでは無いです)。
問屋さんの中の人がショップに営業に来て店内を見回したときに
その商品を卸した履歴が無ければバレますが、
履歴が少しでもあれば見分けが付きません
(そのためにちょっとだけ仕入れるのですが)。
しかも商品に不良などがあった場合、そういうショップは
並行輸入品のほうで発生しても
(売ったショップでも もはや見分けが付かない可能性も高いですが)
正規代理店のほうに「交換しろやオラ」と返します。
フレームやホイール、フロントサスペンションフォークなど
高額なものであれば 問屋さんもシリアルナンバーを控えていますが、
そこまで高額でもない消耗品などでは
不正をしていないショップが大半ということもあり
個々の商品にトレーサビリティを仕込むのは現実的ではありません。
が、問屋さんオリジナルのおすすめシールを貼るというのは
シール代と人件費を考えても 割りに合うのかも知れません。
仮に 本来の目的が並行輸入品の看破にあったとしても、
シールのほうに「購入するなら正規品を!」みたいな 不穏なことを書かずに
単に商品の説明をするだけでいいというのも 一石二鳥な感じです。
並行輸入品を店頭に混ぜるショップが これに対策するなら
このシールを偽造するしかないですが、
そんな手間と費用をかけるとは考えにくいです。
グランプリ5000だと このシールが貼られるようになってから
少し経っていますし、いま流行りの長期欠品があり
欠品後に入荷したグランプリ5000は
箱の全数に このシールが貼ってあります。
冒頭のボトルに貼ってあったシールは
商品に直接貼っているので 剥がすのは容易ですが、

グランプリ5000のシールは非常に強い糊で貼ってあり
もし無理に剥がせば 箱の紙が破れます
(上の画像で めくれているのは 糊付けしていない部分です)。
自然にペロンとめくれ落ちることが絶対に無いと
断言できるくらいの強度から
何らかの確固たる意志を感じるのですが、気のせいでしょうか。

あと業務連絡を。
コンチネンタルのタイヤの問屋さんの中の人が
ここを見ているのは知っているので 書いておきますが、
グランプリ4シーズンかゲータースキンに貼るべきシールを
グランプリ5000に貼っているもの(上の画像 右)があります。
1本2本ではなく あるロット全てでです。
当ブログ読者の方へ
シール間違いのレアなグランプリ5000、
流通在庫が限られているので買えた人はラッキーです!
(露骨な宣伝)
category: のむラボ日記
WH-R9100-C24の後輪をAL22Wリムで組み直しました 
2022/02/27 Sun. 22:46 [edit]

お客さんから WH-R9100-C24の後輪をお預かりしました。
すでに バラしてしまいましたが。

溝に落ちて リムのビードフックを曲げたので
リムの交換を ご希望です。
これは通常のクリンチャーリム仕様のモデルです。
チューブレスリム仕様の場合だとスポークの使い回しなどが難しい
(リム高を元のホイールから変えたり
スポークを加工する必要があることが多い)のですが、
なぜか(→こちら)R9100系にはチューブレス仕様が無いので
その心配はありません。
あと、C24で良かった点が もうひとつ。
WH-9000のチューブラー仕様が オプトバルの21Hなのを除いて、
C24の後輪は 左右10Hの20Hという ふつーのホイールなのです。
つまり汎用品で補修ができるということです。

リムをAL22Wにして組み直しました。

元の仕様は 左右の最終交差を編んでいませんが、
反フリー側だけでも編んで結線をすることも出来ます・・・が
元の通りに組み直しているので 結線無しです。というか出来ません。

お客さんの希望で 紫ニップルにしています。
C24のクリンチャーのフロントリムは400gを切っているので、
435gくらいのAL22Wで組み直したら
そこそこ重たくなると思っていたのですが
リヤリムはオフセットリムだからか 今回のリムでは421gあり、
AL22Wリムは チューブレスレディリムなので
たとえチューブレスタイヤを使う気が無くとも
リムテープはバンドタイプではなく
テープタイプのものを張る必要があります。
リムテープはテープタイプのほうが軽いので、
結果、リムテープまで含めた作業前後のホイールの重量差は
組み直し後で10g増と 思っていたよりは少なくおさまりました。
category: のむラボ日記
トレックでした 
2022/02/25 Fri. 23:35 [edit]
1.75mmピッチのアクスルの画像を上げていましたが
あれがどこのブランドのものか思い出せなくなっていました。


が、今日 別件でエモンダの完成車のタイヤを交換したところ
どうやら トレックの仕様であったようです。

アーレンキーでも脱着が可能ですが、
DTにもあるプラグインタイプのレバーもあり
アクスルの六角穴の奥が磁石になっているので
普通に走っている範囲では落として無くすこともありません。
お客さんのバイクでは フロントアクスルにのみ
後付けレバーが付属していましたが、
これは そういう仕様なのか 後輪のものを失くしただけなのかは不明です。
話は変わりますが、トレックのロードバイクの
モデル名にあるマドンというのは フランスにある峠の名前です。
道が狭いので ツール・ド・フランス始め カテゴリーの高いレースの
コースに選ばれたことは無いですが、
ランス・アームストロングがニースに住んでいたときに
練習場所として走っていた峠です。
マドン峠を日常的に練習として使っていて
その登坂タイムを仕上がりの指標にしていた有名選手で、
はっきりと記録が残っている最初の例は
トニー・ロミンゲル(ロミンガー)です。
ロミンゲルの記録は31分30秒で、これは長らく破られなかった記録ですが
アンタッチャブルレコードというわけではなく
当時 マドン峠TTのようなものが今ほどメジャーな行為ではなかったというだけです。
それを破ることに価値を見出す人が現れない限り
この記録は未来永劫 破られないでしょう。
世界記録保持者なのは確かですが、
タイムがいくらで いつ出したのかは不明です。
そのロミンゲルの記録を1999年のツール・ド・フランスの直前に
30分47秒で塗り替えたのがアームストロングで、
そのときに開発していた、のちに市販化もされたフレームが
それにちなんで マドンと名付けられました。
昔 ナイキから、ランスと名の付いたシューズや腕時計が出ていましたが
アームストロングのイメージが ドーピングで地に墜ちてからは
廃版になって「無かったこと」にされている感があります。
商売のネタとしては 非常においしかったはずなので
ドーピングスキャンダルが無ければ 選手引退後であっても
シグネチャーモデルなどのグッズ展開は続いていたと思われます。
マドンというフレームのモデル名も フランスの地名ではあるものの
アームストロングとセットでイメージされる「腕強帝残滓」ですが、
トレックとしては モデル名を変えるつもりは無いようです。
マドン峠の話に戻りますが、実はロミンゲルの記録については
ゴールはともかく スタート地点をどこにするかというコンセンサスが
当時はまだ確立されているわけでは無かったので
ロミンゲルとアームストロングの走行区間が
完全に同じかどうかは 実は分からないのですが、
そんなにかけ離れていないだろうし 43秒も離していれば
コースレコードを塗り替えたのは
間違いないだろうということになっています。
以降は、マドン峠TTなるものが有名になってしまったので
プロアマ問わず これを破らんとするものが現れるようになりました。
2005~2007年の間ディスカバリーちゃんねる
(なぜか ひらがなが優先的に変換されるんですが・・・)で
アームストロングのチームメイトだったことがある
トム・ダニエルソンが 30分24秒を記録しました。
ダニエルソンはアメリカ人ですが、
地元アメリカの いくつもの峠のコースレコードを保持しています。
つまり、そういうことをするのが好きな奴ということです。
あと私が追えた範囲では、2015年ごろに
クリス・フルームが30分9秒を出した直後に
フルームの当時のチームメイトの リッチー・ポートが
29分40秒を出しています。
マドン以降のトレックのロード用フレームのモデル名は、
エモンダも ドマーネも マドンのアナグラム
(MADONE・EMONDA・DOMANE)になっています。
この法則に従ったうえで 今後ありうるモデル名として
私が思いついたのはMODENAとDAEMONです。
これは私の妄想ですが、MODENAについては
EMONDAの開発中にモデル名の候補として挙がったものの
社内会議で採択されたのがEMONDAになってしまったことから
MODENAを推していた一派が 未だにつぶやく恨み節が
「MODENAの件」と呼ばれている気がします。
DAEMONは、悪魔を意味するデーモンの
DEMONではないほうの綴りのほうと同じ文字列です。
DAEMON君は現在 電子の世界に住まう悪魔となっており
相手方に届かないメールを 送信元にその旨を伝えたうえで
律儀に返すという仕事に従事しています。

↑これは 多条ねじの話のために用意したネタ用の画像で、
没にするのは惜しいので やっぱり使います。
ペットボトルのフタは多条ねじですが、
統一規格というわけではありません。
といっても、ペットボトルのフタの製造業は
ニッチな寡占市場だとは思うので
何十種類もの寸法が乱立しているわけでもありません
(圧入BBの規格の数よりは少ないと思いますよ。
フレームメーカーどもは そのへん よく考えろマジで)。

スポーツバイクのパーツとは違い
ペットボトルでは フタとボトルを非純正の組み合わせで
いろいろと変えたりしないので あまり意識されませんが、
エビアンのボトルキャップは
ねじ山のリード角が かなりきつい 多条ねじとなっていて


たった半周ほどで キャップが外れます。

冒頭のスルーアクスルのエモンダとは別件ですが、
記事用の画像を撮らせてもらった
ボントレガーのディスクブレーキの前輪です。
26インチHEリムのMTBで ディスクブレーキの黎明期に
反ローター側ラジアル組みの前輪というのが流行りましたが、
左右同数組みで これをやるなら32Hくらいは欲しいところです。
しかも このハブ、ストレートスポークなので
組み方を変更することができません。
というのが このホイールに関する記事のバリューが
一番高いポイント・・・ではありません。

フォークとの接触面が テーパーではなく フラットな仕様のアクスルです。
1.75mmピッチは、アクスルのギザ付きフランジが
フォークに接触して以降は 半周も増し締めできません。
1.75mmの半分の0.875mmぶん
ねじ山を進めることが できないということです。
X-12規格は1mmピッチですが、
テーパーの部分で同じような接触を感じるところから
フレームやフォークによっては ゆうに1周以上は増し締めできます。
それはそうと このフォーク、
ギザが当たるところに塗装が乗っているので
塗膜が卵の殻のように割れるのが
アクスルのフランジとの接触面より広がる形で進行しています。
これは よろしくありません。
という話も、このホイールでの一番のバリューではありません。

↑これは2本ともレイノルズのリムで、
画像左がストラトスDV、右がアサルトSLGです。
リムのコスメチックも全く違っていて 年代も かなり離れていますが、
ストラトスのほうはレイノルズの文字の「文字の重力」が
ホイールの内側に向かって働いています。
これが アサルトでは、文字の重力は 外側に向かっています。

これは レーシングゼロカーボンのリムですが、
カンパニョーロやフルクラムのリムは
文字の重力が 一方向に向かって働いています。
上の画像の状態では 文字の重力が下方向なので
レーシングゼロもフルクラムも正方向で読めますが、

リムが回転すると どちらも正方向では読めなくなります。
リムに対して、タイヤのラベルなどの表記では
文字の重力はホイール内側に向かっているものが ほとんどです。
例外的に、一時期のシュワルベのタイヤでは
文字の重力が 一方向というものがあったので
同じく一方向であるフルクラムなどと合わせる場合は
文字の重力を揃えると見栄えが良くなります。
例として、以下は フルクラムのレッドウインドXLR50と
シュワルベのアルトレモZXの組み合わせですが

シュワルベとフルクラムで文字の重力が揃い、

レッドウインドとアルトレモで文字の重力が揃っています。

これも同様の例です。画像下側がバルブ穴で、
バルブ穴側のリムとタイヤのラベルを中央同士にしたので
上側では ちょっとずれてしまっています。
私は普段、タイヤのモデル名とメーカー名では
モデル名のラベルのほうをバルブ穴直下にします。
たとえば コンチネンタルのグランプリ5000では
グランプリ5000の表記のほうを バルブ穴に持って来ます。
お客さんのホイールを点検するときに、
メーカー名のほうが バルブ穴側にあるときは
戻すときも それに従いますが、
新規で前後ともタイヤを取り付ける場合などは
バルブ穴側をモデル名のラベルにします。
例外としては、先ほどまでの例のように
文字の重力が リム・タイヤともに一方向に働いている場合や
マヴィックの出荷状態のような明確なルールがある場合は
あえて それに逆らうことはしません。

私の普段乗りのバイクの後輪は
リムがDTのXR331で、トリプルバルブ仕様です。
XR331リムは同じステッカーが
180°位相で対岸の2ヵ所に貼られており、
反対側では貼る位相を90°ずらしています。
私は その4枚のうち フリー側の1ヵ所を除いた3枚を剥がし、

唯一残したリムのステッカーに
タイヤのラベルを合わせるようにしています。
「私も トリプルバルブのホイールを使っているけど こうしています」
という意見のある方は ぜひ教えてください。
で、タイヤのラベルというのは ほとんどの場合
文字の重力がホイールの内側で、
まれに一方向というのがあるくらいですが

最近のボントレガーのタイヤでは
文字の重力が外側に向かって働いています。
これ、ものすごく違和感があるのですが。
もしかしたら私の勘違いで、このラベルは
Eᖈ ᖈヨ9∀ᖈ⊥NO8
という文字列が ホイールの内側に向かっているという可能性もあります。
その場合、冒頭のスルーアクスルの画像を撮らせてもらったエモンダは
のむラボホイール8号にグランプリ5000を取り付けたのですが
その前に履いていたタイヤは

乙ᖈ ᖈヨ9∀ᖈ⊥NO8
だったということになります。

いや、タイヤサイズの表記までもが 外側に向かっているので
意図は図りかねますが やはり現在のトレックでは
タイヤの文字の重力をホイール外側にすることに
並々ならぬこだわりがあるようです。
タイヤの性能には関係ないので
これがダメっていうわけではないのですが、
ものすごい違和感を感じるので
私には向きをわざわざこうすることが理解できませんし、


タイヤの製造を委託されているOEM元も
そこまでは付き合ってくれなかったようです。
category: のむラボ日記
SES3.4ディスクの後輪を組みました(後輪だけど前編) 
2022/02/25 Fri. 22:48 [edit]

SES(スマートエンヴィシステム)の
3.4ディスクリムで後輪を組みました。
38mm高フロントリムの品番は 38ACD、
42mm高リヤリムの品番は 42ACDとなります。

クリスキングR45Dハブ 24H 黒半コンペヨンロクJIS組みです。
結線は あとでやります。
リムには「LACE 2X」というステッカーが貼ってあり、
これは「2クロスで編め」、つまり左右とも4本組みしろという指定ですが
ディスクブレーキ用のリムなので
「ラジアル組みをするな」という意味だと解釈し、
ヨンヨン組みではなくヨンロク組みにしました。


↑これはそれぞれ別件ですが、
ENVEのアルミハブとカーボンハブです。
どちらも疎密位相フランジになっていて、
交差の読みのうえでは 左右とも2クロスですが
実質的なスポークの軌道では 左右3クロス、
つまりロクロク組みに近くなっています。
ENVEは昔「タンジェント組みさえしてあれば
4本組みも6本組みもホイールの性質に ほぼ違いは無い」
みたいなことを 公式に言っていたことがあるのですが、
確かに(24Hでの)ヨンヨン組みとロクロク組みでは
そうかも知れません。
が、ヨンロク組みは違います。
少なくともテンションメーターの数値には違いが出ます。
「4本組みと6本組みの後輪は同じようなものだ」とか言ってた奴らが
実質強制6本組みになるハブを作った理由は不明です。
一枚岩ではないのか(上記の発言者と ハブの考案者が違う)、
宗旨替えをしたのか・・・。
「いま乗っている24Hの後輪、ヨンヨン組みかロクロク組みか当ててみろ」
と言われて、走っている感触だけで言い当てるのは 難しそうです。
しかし もし左右ラジアル組みの後輪であったなら
ねじれやひずみの感触から 分かると思います。
そして、ランダムにとっかえひっかえされる
ヨンヨン組みやロクロク組みのホイールの中に
ヨンロク組みの後輪を混ぜたら
(いずれも ホイールセンターがドンピシャで、
フリー側のテンションが袋小路寸前で同じところまで張ってあるとする)
この場合は判別可能な気がします。
ENVEのハブも、もうちょっと考えてくれていて
もし フリー側のフランジ穴が均等間隔で
反フリー側のフランジ穴のみ疎密感覚であったなら
「誰が組んでもヨンロク組み相当の後輪になってしまう」
ハブになったはずですが、そこまでは思い至らなかったようです。


今回のホイールのお客さんからは
前後セットでリムをお預かりしていますが、
リヤリムのみ 内周側に これまで見たことが無いほどの
「バリ」が付いていました。
しかし これによって「スマートエンヴィのリムは
リム穴をホールレスリムから ドリリングしているわけではなく、
型から抜いた時点で穴がある作り方をしている」というのが
よく分かるようになっています。
この作り方と、内蔵ニップル仕様ということもあり
スマートエンヴィのリムは 非常に高テンションでビビらずに張れます。
以前にも書いたことがありますが、
スマートエンヴィのスマートとは「賢い」という意味・・・ではなく人名で、
「スマート氏がベストだと思う(それ以外の要望は聞かない)
押しつけがましい仕様」となっています。
たとえば リムブレーキ用のSES4.5なら、
フロントリムは48mm高の20Hのみ!リヤリムは56mm高の24Hのみ!
黙って これで使ってろ!
なに?前後とも48mm高にしてみたい?リヤリムに28Hが欲しい?
知るか!こっちが出すものをおとなしく使え!
というわけです。
これには理由があり、SESのリムは成型時点でリム穴がある以上
リム穴の仕様違いが増えれば それだけ型が別に必要になり
ペイしなければならない製造コストが跳ね上がるので
あるモデルに対するバリエーションを抑えているのです。
後ろめたくすらもあるはずの 自分の都合を押し付けておいて
「これがベストだと確信しているから それ以外の仕様は用意しない」
という値打ちのこき方を さらっとするあたりが アメリカの企業といった感じです。
さすがに ステムの長さやハンドルの幅を
ワンサイズで押し付けることまではしていませんが。

近年のZIPPのリムブレーキ用のホイールにある、
ブレーキゾーンのヤスリ状の加工(鮭の切り身にも見える)ですが、
これは メーカーでは「ショー ストッパー」と呼んでいます。
ショー ストッパーとは
「演劇の最中に起こった 劇の進行が中断するほどの客席からの拍手喝采」
を意味しますが、うるさいブレーキの音のイメージを良くするために
「これは まるで拍手喝采に聞こえる!な、そうだろ?」と
いう値打ちのこき方をしているわけです。
もうひとつ。ショー ストッパーには おもにIT業界でのスラングとして
「(劇を)進めたいのに(拍手のせいで)進まない」というイメージから
「製品開発中に見つかった、発売を延期せざるを得ないほどの致命的な欠陥」
という意味もあるのですが 気にしてはいけません。
category: のむラボ日記
スピードリリースについて 
2022/02/25 Fri. 08:22 [edit]
「スピードリリース」というものがあります。
フレームブランドでは キャノンデールやLOOKなどが、
フォーク単体ではENVEが採用しています。

↑これはLOOKのフレームセットに付属してくる
アーレンキー式のスピードリリースのアクスルです。

↑ここが段付きで凹んでいるのと、


↑この しんちゅう製(たぶん)のCリング型の筒が
他のアクスルに無い点です。
追記:「真鍮色したものの材質は、おそらくリン青銅です。
バネ材に使います。」というコメントをいただきました。
ありがたやありがたや。

ディスクフロントハブに通してみます。
ハブシャフトの内径とはマイナス公差なので 軽く通りますが、

ここで グッ!と引っかかります。
さらに押し込むと このCリングがハブシャフトの内側に向かって
広がる力を かけ続けるので、

←←←こっちのどん突き

→→→こっちのどん突き
Cリングが はまっている 凹みの幅で アクスルが動きますが
自然に抜け落ちることはありません。

なので、あるフロントフォークに締め込むと
実際は上の画像よりも ハブのエンドとの幅が広くなるでしょうが
締め込みきったときのアクスルの位置を記憶することになります。

そのとき、アクスルのねじ山側は
フォークのねじ穴に通っているわけですが

アーレンキー(またはレバー)側を ゆるめると

ハブから出ている部分が 細く凹んだ箇所になります。
スピードリリース対応のフロントフォークでは
クイック用のフォークと同じように こちら側に切り欠きがあるので、
アクスルの位置を このままで、
ハブから引き抜かずに素早くホイールを外せます。
レース中にパンクして ニュートラルサービスでホイールを交換する場合は
アクスルを引き抜く必要があるかもしれませんが、
練習中やサイクリング中に出先でパンクして ホイールを外す際に
外したアクスルを地面に置かなくていいという利点があります。
というところまでは よく見かける説明ですが、
スピードリリースには さらなる特徴があります。

アクスルの刻印に、M12×2 P1とあります。
12mm径の ピッチ1mmというのは分かりますが、
この「×2」というのが何なのかというと、
「2条ねじ」であることを意味しています。
2条ねじの説明の前に

まずは1条ねじから。
円筒に 1本の糸を同じピッチになるように巻き付けたとして、
その糸が ねじ山なのが 1条ねじです。

この糸が2本になると2条ねじで、
それ以上だと 3本なら3条ねじ・・・となります。
そして、n条ねじは ねじ山1回転で
見かけ上のピッチ(※)のn倍 ねじ山が動きます。
上の図のように 見かけ上のピッチが同じ1条ねじと2条ねじなら、
2条ねじのほうは 同じ回転量あたりの
ねじ山の移動量が2倍になります。
スピードリリースでは見かけ上のピッチが1.0mmなので
1周あたり2.0mmねじ山が動くことになり、
これは1条ねじの1.75mmピッチよりも大きい移動量です。
実際、3周もゆるめれば 前輪のスピードリリースは外れます
(公称では4周とあるので、メーカーが設定する
最高の山数は8山のようです)。
※「見かけ上のピッチ」という表現は正確ではありません。
何条ねじであろうが、ピッチというのは
ねじ山と その隣のねじ山との間隔を意味するからです。
こういう多条ねじに触ったことが無い、という人は おそらくいません。
ペットボトルのフタが 多条ねじだからです。
多条ねじの欠点として「締結力に劣る」というのがありますが
これがスピードリリースの場合 絶妙に功を奏していて、
狙ってやったものかどうかは不明ですが
締め込む力が「ホイールを固定するには必要十分ながら
過度に締めこむことはできない」という
ちょうどいい具合に収まっています。
X-12スルーアクスルのように
ハブベアリングが傷むような幅まで締め込もうとしても、
スピードリリースでは アクスルの内幅が
フォークやフレームを圧縮し始めて以降すぐに
これ以上締め込めないという感触に行き当たります。
さらに、マヴィック純正の レバー式のスピードリリースのアクスルでは
レバーの根元部分にトルクレンチのようなラチェットが仕込まれていて
どうやっても過度に締め込めないようになっています。
レバーの回転がカチカチと鳴るようになって以降は
締め付け力には変換されず、見栄えのいい位置に
レバーを持っていくだけの機能に変わります。
旧来のレバー式のクイックには、
ハブベアリングが傷むような力で締め付けをしようとしたら
レバーの根元のカムが自壊するんじゃないかという感触になるので
そもそも そんな力で締め込むことができないという
ある種のフールプルーフが仕込まれています。
最終的な締め付けが カム式レバーとなるスルーアクスルの規格に
シマノのE-THRUアクスルがあります。
サイズは12×1.5mmで ねじ山のピッチは粗いほうですが、
クイックと同様に ベアリングを過度に締めることはありません。
スピードリリースは、ねじ穴側も2条ねじである必要があるので
非対応のフレームやフォークには使えません。
おそらくですが(確信はありますが)、
2条ネジだの ポン当てエンドのハブのベアリングは
過度な圧縮に対して脆弱だのといったことについて
全く無自覚な人達が ロヴァ―ルの前輪を使うとして、
スペシャライズドのX-12スルーアクスルのフォークと
キャノンデールのスピードリリースのフォークに
それぞれ取り付けて経年使用したならば、
人数(サンプル)が十分に多ければ
スペシャライズドのフォークに取り付けた前輪のほうが
ベアリングの回転がゴリゴリになっている割合が
明確に多いという結果になるはずです。
category: ホイールの話
EPICのX-12スルーアクスル穴をヘリコイルで補修しました 
2022/02/25 Fri. 06:28 [edit]

お客さんから スペシャライズドのEPICフレームをお預かりしました。
スルーアクスルのねじ山がバカになって
後輪を固定できなくなったとのことです。
上の画像では、リヤメカを取り付けるアルミ製のエンド部分を
すでに取り外しています。
EPICはフルサスのフレームなので
前三角と 後ろ三角(スイングアーム)に分割できますが、
スペシャライズドの日本の問屋さんでは
スイングアーム部分の在庫を持っているときであれば
それを販売してくれるそうで、実際に画像に写っているのも
同じ前三角に対して 2本目のスイングアームだということです。
じゃあ それをまた買えばいいじゃん、と言ったのですが
現在 在庫が無い、値段が高い、レースに間に合わないということだったので
姑息的処置になるかもしれないという了承を得たうえで
ヘリサートコイルで補修することになりました。

↑これはEPICではなく別件の画像ですが、
ピッチ1.75mmという あまり見かけない規格の
12mmスルーアクスルです。
が、M12の規格ねじとしては
1.75というのは 並目という普通のサイズで、
それに対して細目が1.5、極細目が1.25です。
今回のフレームはひとつ前の記事にもあるX-12という規格なので
アクスルのねじ山は12×1.0mmです。
これは極細目より細かいねじ山で、
規格の表に載っていないことも多い特殊なサイズになります。
リコイル社が出している
専用サイズの下穴ドリル、タップ、ヘリコイルインサート工具のキットの
「リコイルキット」では、12×1.75/1.5/1.25mmの3サイズは
それぞれ定価1万円ほど、市価9000円前後といったところですが
12×1.0は一般の流通ルートに無く
他の3サイズに対して ちょうど倍額の定価設定となっています。

高いですが仕入れました。

12×1.0mmです。

しくじった場合の保険と、
セットに付属している ねじ山のインサートの長さが短いと思ったので
別売りのインサートも買ったのですが、
なんやかんやで2万2000円くらいになりました。

それとは別に、12×1.0mmのタップも買っています。
これもまた特殊なサイズなので、安物では見当たりません。
どっちみち こーゆーので 安物は買わないのですが。

リコイルキットを買う前に
心の師匠に相談したのですが、
師匠が言うには12×1.0mmの穴を

ズバッと削りとばして

12×1.5mmのねじ穴を切った
ツバ付きの削り出しのアルミのパーツを
エポキシで接着すればいいじゃん
(ツバ付きにすれば 万が一 接着が外れてもホイールは固定できる)、
1.5mmピッチのほうが ねじ山をナメにくいし、と言われたのですが
私にそれが出来ないというのを別にしても
X-12規格なので スルーアクスルの根元がテーパー形状だから
ねじ山が12×1.5なのは ダメだと説明しました。
後付けでテーパー部分を埋める形状のパーツを
削り出しで作るのであれば それも不可能ではありませんが・・・。
まあ それはヘリコイルをしくじった場合の最後の手段ということで
まずはヘリコイルで悪あがきすることにしてみました。

ぎゅいーん。
リコイルキットに付属している
下穴用の12.2mm径のドリルを通しました。
これが超絶難度で、後日 この作業の成否を師匠から訊かれたときに
「ハンドドリルで よく まっすぐに開けれたな」と言われたくらいです。
今回の工具代などの全額を お客さんに請求しているわけではないので
これらの設備投資をペイしようとするならば
あと2~3回は この作業をする必要がありますが、
もう やりたくありません。


インサートのねじ山サイズのタップをかけました。

↑こんな感じ

インサートを打ち込みました。
画像に写っている ねじ山のヤレた純正のスルーアクスルは
ねじ込みの感触が非常に悪く 不安があったので
DTのX-12規格のアクスルに交換しています。
お客さんには、スルーアクスルの初めの1山をかける感触に
引っかかり感があるなら 無理に締め込まずに
軽い力で スルッとかかるところを(スルーアクスルだけに)
探してくれと お願いしています。
実は この作業をやって数ヵ月経っており、
このフレームをレースでも使ったらしいですが
現状 全く問題なく使えているとのことです。
category: ドリルがうなる!
ロヴァ―ルのフロントハブのベアリングを交換しました 
2022/02/24 Thu. 22:03 [edit]

↑右側(反ローター台座側)

↑左側(ローター台座側)
これも何度も書いていることですが、
DTにハブを製造委託してもらっていて、
本家DTのハブでベアリングのサイズを
いたずらに小さくしていない意図を理解できない
クソアホハブが ロヴァ―ルとGIANTのSLRホイールのハブです。
このCLX50のハブにはセラミックスピードの
ベアリングが入っていましたが、
ハブのエンドが手で回せないほど回転が重く
中身が傷んでいました。

上の画像は ペーパータオルをかぶせた指を
ベアリングを抜いたハブ胴に突っ込んで回したものですが、
これで回っている時間は
ベアリングを抜く前のハブの回転よりも長かったです。
ロヴァ―ルの、とくに前輪のハブの回転がゴリゴリになっているのは
本当に よく見かけます。
これは おもにスルーアクスルを締め過ぎたことが原因ですが
(雨中走行ゼロで 購入から半年も経っていないものですら
ベアリングが死んでいるのを見かけることもあります)、
よく見かけるのは 出回っている数が多いとか、
ロヴァ―ルのハブのベアリングのサイズが
小さいことだけが理由ではありません。
スペシャライズドが「X-12規格」のスルーアクスルを採用しているから、
というのも おそらく関係があります。
が、その前に。

以下 BOOST規格を除いた範囲ですが、DTでは
スルーアクスルの ねじ山ではない側の端の仕様が3種類あります。
アーレンキーで回すタイプと 着脱式のレバーで回すタイプ、
あとはレバーで回すタイプです。
着脱式レバーは メーカーではプラグインタイプと呼称していますが、
プラグインの部分を外すと アーレンキー式と同じなので
厳密には 頭の形状は3種類ではなく2種類です。
多くのスルーアクスルは ねじ山のピッチが1.5mmで、
上の図は 1.5mmピッチのスルーアクスルで
DTが出しているものを まとめたものです。
上の図 Aの長さはアクスルのねじ山でない部分、
同 Bの長さはねじ山部分の長さです。
レバー仕様以外だと フロントはアーレンキー式、
リヤは着脱レバー式しか出ていませんが
リヤの着脱レバーで フロントのアクスルを回すことは可能で、
着脱レバー部分の単品販売も あります。
ねじピッチ1.5mmのアクスルは
フォークやフレームに接する面がフラットです。

日本のDTの問屋さんのカタログには、
ねじピッチが1.0mmで フレームとの接触面がフラットというレバーが
142mm用のみ載っています。
このピッチの100mm用はありません(少なくともDTには無い)。
DTのサイトでは ロード用の142×12mmアクスルとしては
検索にかからず、非BOOSTの142mm幅MTB用として
載っているので、(おそらく過渡期の)MTBのほうにのみ
存在する規格のようです。

で、X-12という規格について。
これは 軽量ステムやエクステンションバーで有名な
シンテース(Syntace)が提唱したスルーアクスルの規格で、
ねじ山が1.0mmピッチで フォークとフレームの接触箇所が
テーパーになっているのが特徴です。
テーパー部分は、アクスル自体がそういう形状になっている場合もあれば
割りが入ったそういう形状のスペーサーがはめてある場合もあります。
シャフトの長さAの頭側の端は、
DTではテーパーの真ん中部分となっています。
図では アーレンキー式とレバー式のリヤ用のみの展開となっていますが、
スペシャイラズドからは DT製でスペシャライズドのロゴが入った
レバー式のアクスルが リヤ用だけでなくフロント用も出ています。
実は DTのX-12規格のアクスルと
スペシャライズドの完成車に付いているアーレンキー式のアクスルは
上の図でいうところのAとBの長さが微妙に異なるのですが、
互換性に問題はありません。
で、このX-12規格のスルーアクスルですが
ねじ山のピッチが細かいからか、
テーパー接触なのが食い込むからか、
ホイールの固定が十分に成されたところから
まだまだ増し締めできるので、
ポン当て式エンドで 径が小さいベアリングを入れたハブだと
カートリッジベアリングの内輪を 過度に強く押してしまうことで
ベアリングの寿命を著しく縮めることにつながります。
これが、レバー式よりも 一時的なレバーの長さが
長くなることが多いアーレンキー式だけでなく、
レバー式のアクスルでも 容易に過度な締め込みが可能なことが
ロヴァ―ルの前輪でベアリングが傷んだものが
よく見られる状況を生んでいるのだと思われます。
前輪のスルーアクスルの締め込みは
フォークに対するホイールの左右のガタが無くなったところで十分ですが、
ゆるみが怖いとしても そこから うっすら締め込む程度で止めないと
ベアリングが一気に傷みます。
スペシャライズドが採用したスルーアクスルの規格と
ロヴァ―ルのハブの仕様の相性が悪いのが原因ですが、
これはどうしようも無いので ユーザーのほうで自衛するしかありません。
category: ホイールの話
CLX50の後輪を組み直しました 
2022/02/24 Thu. 21:05 [edit]

ロヴァ―ルのCLX50の後輪を組み直しました。

2:1組み24Hの全エアロライトストレートの
反フリー側をCXスプリントに変更します。


前輪が えらく ずれていたので 後輪もセンターを見てみましたが、
ずれてはいたものの それほど ひどくはありませんでした。
ただ、経年使用で ずれる向きとは 逆側です。


組めました。
一応、反フリー側のスポークが 元より厚いのが
見て分かるくらいには 違っています。
フリー側の結線を あとでやりますが、




今回は フリー側のスポークの表裏を
徹底して 元の状態と逆にしてみました。
どうせ このあと鋼線の巻きで隠れるわけですが、
見てほしいのは 左右逆異径組みで 元よりも張れている
(=ニップルのねじ山の巻き取り量が変わった)ので
最終交差の交点で摩耗した箇所が
組み直し後のそれと比べると ずれているということです。

反フリー側のCXスプリントですが、
カンパニョーロ・フルクラムのニップルを呼ぶための磁石の工具が
自重で落ちない程度には くっつきます。
あまり バチン!と付いているわけでもないので
ホイールを振ると ポロっと落ちてしまいますが。

最近 気が付いたのですが DTのエアロライト、
少なくともロヴァ―ルに使われている これは
磁石に ごくごくわずかにしか反応せず、
この工具を 磁力で ぶら下げることもできません。
磁性に関して言えば ダメな部類になります。
もし これが首折れスポークであったなら
CX-RAYへの交換をオススメするところですが、
ストレートスポーク(をスライスしたエリンギみたいな頭に加工)なので
首とびリスクは非常に低いと判断し
そのまま 使い回しました。
なお、作業内容的には反フリー側のスポーク交換だけでいいところ
ホイールの全バラしをしています。
これは 今日もホイー(以下略)。と言いたいから・・・
というのも否定はしませんが
スポークのねじ山に ねじ止め剤を塗りたいというのも理由です。
CLXだと ニップルが外周側からも回せるアルミなので
そのまま使い回すことが多いですが
CLだと しんちゅうニップルなので
それをアルミに交換したいというのもあり バラします。
全バラしをしているというのは フリー側のスポークの向きを
ひっくり返しているということからも明らかですが、
それでも リム単体の状態を見ないと
信用できないという方もおられるでしょう。
その証拠もありますが、とくに提示する義務もなく
見せるつもりもありません。あきらめろ。
↑うわこいつかんじわるい

オ待タセシマシタ!コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!

先日ノ ふろんとりむデス!

今日ノ りやりむデス!
本当ニ CL50/CLX50ノりむ重量ハ 安定シテイマスネ!
↑やーめーろー!
category: のむラボ日記
222 
2022/02/22 Tue. 22:22 [edit]

もし 222拍手ちょうどで止められたら
222本限定で ロード用チューブ222円セールやります。

_人人人人人人人人人_
> ミッション失敗 <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
追記:なんで222拍手以降も伸ばすねん
category: のむラボ日記
CLX50の前輪を組み直しました 
2022/02/21 Mon. 23:36 [edit]

お客さんから ロヴァ―ルのCLX50の前後輪をお預かりしました。
より良く組み直してほしいとのことです。
今日やるのは 前輪だけですが。
あ、最近では いちいち断らないですが
ディスクブレーキ用のホイールです念のため。


どうせバラすので 結果としては どーでもいいのですが、
どえらくセンターがずれていました。
センターゲージを使わない振れ取り
または 増し締めの履歴があると思われます。
さすがに吊るしで これだけずれているというのは考えにくいです。

ロヴァ―ルのCLXやCLなどの このフロントハブですが、
ハブ胴に対して やけに小さいサイズのベアリングが入っていることは
これまでにも書いてきました。

ちなみに これはセラミックスピードのベアリングです。
で、スペシャライズドのフレーム/フォークの
スルーアクスルのねじ山のピッチが細かいこともあってか、
とくに フォークと前輪の関係では
前輪が十分に固定されている締め付け具合から
さらに かなり余分に増し締めできます。
従来の9mm穴中空ハブシャフトに対して
カム式レバーのクイックの代わりに
ねじ込み式のスキュワーで やたらと締めこむと
ハブの回転が重たくなったり
ベアリングの寿命が著しく短くなるわけですが、
それと同じことがスルーアクスルでも起きます。
今回の このフロントハブでも、
スルーアクスルの締め過ぎ以外に 原因が考えられない
ベアリングの傷みが発生していて 回転がゴリゴリになっていました。
この症状、ロヴァ―ルの前輪では かなりの高確率で見かけます。
ゆるめに固定しろという意味ではありませんが、
左右方向のガタが無くなれば 固定は十分です。
スルーアクスルを締め込み過ぎないようにしましょう。
ベアリングは交換必須と判断されますが、
お客さんに訊いていないので了解を得てから 交換します。
とくにこだわりが無ければ 鉄球ベアリングで十分です。

組めました。

少スポーク側を 黒エアロライトから黒CXスプリントにして
多スポーク側を 元より張りました。
結線は あとでやります。
category: のむラボ日記
レイクのシューズのねじ穴を直しました 
2022/02/20 Sun. 23:30 [edit]

お客さんからレイクの CX402シューズをお預かりしました。

クリートのねじ穴のひとつがバカになって
クリート固定ボルトが永久に回るので、なんとかしてほしいとのことです。
バカになっているのは 後ろ2穴のうちの1つ、
上の画像でいうと 一番左の穴です。
これは正規販売店での購入品なので
そこらへんのワランティで なんとか出来なかったのか訊いたところ、
購入店では どーしようも出来ないと言われ、
問屋さんでは(何というところだったか、ガッチャマンの悪役・・・
ベルクカッツェみたいな名前のところだったと思うのですが)
新しいのを買ってくれ、特別に3割引きで売ってやると言われたそうですが
このシューズは 6まんえん!もするそうなので
3割引きでも 4まん2せんえんもします。
あとで調べて分かったことですが、
6まんえんというのは税別定価なので
税込だと 6まん6せんえんです。
熱成形が必須のシューズなので
新品にしたら その工賃もかかるかもしれません。
これは あくまで私見ですが、売ってるものの値段の割りには
ショップも問屋も お客さんに提供している
お買い物体験の程度が低すぎです。
違うって言うなら もうちょっとまともに対処してみろ
商品を右から左に売る程度しか能が無い 能無しどもが。
いや、実は 対処に取りかかってもいないこと自体には感謝しています。
下手に いぢくり倒した結果 直しづらい、
または 直せない状態にされるほうが うっとうしいので。

ねじ山がバカになったM5の穴ですが、
ヘリサートコイルの下穴をあけるので
5.2mmのドリル刃を通します。
この、ねじ穴が付いたプレートを クリートナットと呼びますが
シマノのシューズなどでは インソールを外してフタをめくることで
回収や交換が可能なものもあります。
今回のシューズは これが封入されていて回収が無理だったので
この状態のままで ドリルを通すしかありません。
が、クリートナットが前後に動く長穴になっていたのもあって
ぐらついたり、シューズの中に向かってふわふわと沈んだり
するので きれいにまっすぐドリルが通せません。

が、クリートナットが 内側でつながっている1枚の板だったので
別の穴で ボルトを締め込むと
クリートナットのぐらつきが ほぼ無くなりました。

5.2mmの穴をあけました。
この時点では クリート固定用のM5ボルトはスカスカに通ります。
鉄系の材質ですが わりと軟らかい素材だったようで、
クリートナットの固定後は ドリルがすんなり通ったので助かりました。
これとは別件ですが、SPD用の2穴クリートナットが封入されている
シディのMTBシューズで、クリートナットに焼きが入っていて硬すぎるので
タップでねじ山を切ることすら出来なかったことがあります。
それの不具合は、クリートナットの2穴の片側に
ねじ山を切り忘れているという製造不良で、
海外通販で買ってから1年以上放置していたものなので
未使用ではあるが 返品も難しいという事情でした。
そのときは お客さんに了解を得たうえで
シューズの内側から切れ込みを入れて クリートナットを摘出し、
シマノシューズ用のクリートナットを加工して
ほぼ同じ形状にして 交換しました。

ヘリサート用のサイズのタップをかけました。

ヘリサートを埋め込んで

回し入れるための奥の部分を 折り取りました。
これの内側が 通常のM5のねじ穴になります。

修理した ねじ穴に ボルトを取り付け、
お客さんに「思いっきり締めこんでほしい」と言って渡して
アーレンキーで 締め込み方向に回してもらいました。
「またナメるのが怖い」と言われましたが、
(これは過去にも書いたことがありますが)
もしナメるなら ヘリコイルを打ち込み直せる
今 この場でナメてくれたほうがいいのです。
ちなみに、ねじ穴をナメさせるつもりで
可能な限り 際限なくボルトを締めたときに
最もナメにくいのは、ヘリコイルで修理した穴です。
元の穴は、実際にナメてしまったという
確かな実績があるわけですし・・・。
これが高いか安いかは知りません。
category: ドリルがうなる!
エリートの38mm高リムの後輪を組み直しました 
2022/02/19 Sat. 23:24 [edit]

お客さんから ボトルケージのエリートは関係ない
エリート ホイールズというブランドの後輪を お預かりしました。
ちなみに以前にも ハブ交換の作業依頼で
後輪を組み直したことがあります(→こちら)。

リムにELITEとあり、

その後ろに リム高を意味する38という数字があります。
リムは一応 ワイドリムになるかと思いますが、
昨今の 内幅が23mmだの25mmだのというワイドリムと比べると
ナローリムに近いくらいの内幅で、チューブレスレディ仕様です。

ハブは ノヴァテックのFS522SBストレートスポーク用ハブで
24H 強制左右2クロス組み、
スポークは左右同径で ピラーのスクエアエアロです。
これがヌルいので 何とかしてほしいということです。
反フリー側だけをバラしてスポーク比重が低いスポークに変えて
結線すればいいだけですが、

今日もホイーと言いたいがため、
だけではないですが バラしました。
今回は蟹光線が出てきませんが
蟹光線が出てくる あの一連の茶番、
あれは必要なのかと たまに言われることがありますが
必要です。
あの一連の流れで必ず叫ぶワード+リムのブランド名で検索すれば
リムの実測重量のアーカイブとして利用できるようにしてあるので
アーカイブに入れるには あの一連の手続きを経ないといけません。
なので 今回のリムは それからは漏れます。
まあ、エリートのホイールが珍しいので
あとで調べたくなっても 探すのは容易ですが。
これが もしZIPPやENVEなら、何年も経つと
蟹光線無しには探しづらくなります。

私の不利益になるわけではないので書いておきますが、
今回の後輪のスポーク長さは
フリー側が281mm、反フリー側が285mmでした。
スポーク比重というか 寸法的に入手困難なスポークですが、
4mmカットして使う余裕があるので 反フリー側の12本は
フリー側のスペアスポークとして使えます。
285mm12本で85.1gなので、
85.1÷12÷285÷0.0257=0.9682117・・・で
スポーク比重は96.8%です。
14番プレーンスポークより やや軽いくらいで、
反フリー側をCX-RAYにすると 半チャンピ相当となり
あの半チャンピ独特の はち切れそうな感触が やりすぎだと思うなら
今では反フリー側をCXスプリントにするという選択肢もあります。
・・・迷いましたが、今回はCX-RAYにしました。

組めました。

反フリー側を 黒CX-RAYストレートにしています。
結線は あとでやります。

ホイールをバラす前に時系列が戻りますが、
ヴィットリアのチューブレスレディタイヤを
エア抜け ほぼ無しで 安定させてほしいとも言われています。
この手のオープンチューブラー系のクリンチャータイヤは
チューブレスレディ仕様の場合 ビードが上がりにくいのと、
サイドが しなやかなのはいいとして
厚みが薄いので 皮膚呼吸が激しく、
ビード部分ではなくタイヤサイドからのエア漏れが顕著です。
なので 強めのシーラントを使う必要があり、イメジは不向きです。
フィニッシュラインだと 100cc以上入れたとしても おそらく効きません。

リンク先の記事の50mm高リムについて、
ビードフックの形状がETRTO寸法から外れている感じがあると
書いていますが、当店の静音重視のコンプレッサーでは
なかなか上がらないヴィットリアのビードが
今回は すんなり上がってくれました。
バルブ穴の位相のリムサイドにロゴがありますが、
上の画像の 圧縮前の画像から切り出したのが

↑これです。
歯車の形をしたEの横に E30(※)と
書いてありますが
※リム高の38・・・ではなく 30に見えます。
あとで画像を撮り直して上げ直します。

追記:E38でした。

これがリンク先の記事のリムにあるロゴ(こちらはE50)と
同じなので、リムに大きく描かれたELITEのロゴは違うものの
同じブランドであることは 間違いないようです。
「elite wheels」で調べたところ、現在のメーカーサイトにある商品のロゴと
今回のホイールのロゴが同じだったので、
リンク先の記事のリムは旧ロゴのようです。
category: のむラボ日記
明日お休みをいただきます 
2022/02/17 Thu. 23:55 [edit]
のっぴきならない用事があるので お休みをいただきます。
申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。
年間に11回ほどあった大阪交響楽団の定期演奏会ですが、
2021年度も2022年度も 世界的な例のあれの影響で
年間に8回となっています。
年8回なのに 前回が2週間前の2月4日というのは
ずいぶん偏ったスケジュールですが
これも会場(ザ・シンフォニーホール)を確保する都合だそうで・・・。
ちなみに公演の年度の区切りは 4月~翌3月なので、
今回の定期は2021年度として最後のものになります(3月には無い)。
2022年度の定期は 月でいうと
5・6・7・9・10・12・2・3月と
わりと均等に離れているので 予習がはかどります。


昨日の朝5時半ごろの鍋谷峠・・・のふもとの大野町の交差点です。
大阪の、さらに一部の人にしか分からないと思いますが、
泉北2号線の突き当たりのT字交差点の別所を 左に曲がると、
それまでに全く見られなかった雪が路肩に積もっており、
駐車している車も 雪に覆われていました
(別所を曲がると雪国であった)。
それ以降はずっと路肩に雪が残っている状態です。
外環から先は 車の轍の上しか走れなくなっており、
とくにトラックの片側2輪の轍の上が走りやすかったのですが
道中で その轍の上が水ではなくシャーベット状に変わってきて
シャリシャリとした走行音がするようになってきました。
透水性の高い、雨の日でも あまり ホイールからのハネが上がらない
アスファルトで舗装されている箇所は
路面の雪が ほぼ無かったりしますが、ごく一部です。
経験上、シャーベット状の轍は
両足をビンディングに はめたまま 登れますが
下ることは出来ないので 大野町であきらめて帰りました。
大野町から先はバイパスと旧道に分岐することから
旧道は車の轍がほぼ無くなるので 完全に雪に覆われます。
帰りの下りのシャーベット状の轍は、
右足(私は こういうときは右足派です)をペダルから外して
アウトリガーのように垂らし、ペダリングせずに軽くブレーキしつつ
ゆっくりと下りました。

大野町で マイナス3℃なら 鍋谷峠の県境はマイナス8℃くらいでしょうか。
帰りの道中、泉北から北は 路肩に雪が一切無い状況で
日の出の時間も またいだので
登っていたときより確実に気温も高いはずですが、
登りの時には感じなかった寒さが
手袋を貫通して 手が かじかんできました。
気付いたのですが、登りをちんたら登っていたときの心拍は140台で
帰りの道中の平地をちんたら走っていたときの心拍は100台です。
そこで ちょっと強度を上げて「140~150拍で走る」ようにしたところ
手の内側からの熱が指先に伝わる感じがして
(かじかんだ手を お湯に浸けたときの あの感触に近い)
血行がよくなり指先の寒さが無くなってきました。
明確に汗をかいていると分かる運動強度未満でも、
内部的な熱の発生量の多寡で 体感的な寒さが変わるということが
心拍計の数値で はっきり分かるというのが 新鮮な体験でした。
おまけ


これはちょうど11年前、2011年の2月16日の和泉葛城山の大阪側です。
山中渓(やまなかだに)から和歌山に入って
大阪に帰るのに葛城山を登ったのですが、
和歌山側は雪などまったく無かったのに
大阪側は積もっていました。
往路で登った山中渓は標高が低く、雪で通れなくなることは まず無いので
大阪側だけが これほど積もっている可能性に思い至りませんでした。
往路が金剛トンネルか鍋谷峠だったなら 気が付いたかもしれません。


もちろん 走行など不可能です。
ただ、クリートが地面に達しないほどに雪が厚かったので
クリートを傷めずに歩くことは出来ました。
たぶん 4kmくらいは歩いています。
乗って走れる路面になってからも、クリートに雪が詰まって
踏み固められて 氷になっていたので
しばらくは ビンディングが はまりませんでした。
ボトルケージに挿しているのは 脱いだヘルメットカバーです。
ボトルは そもそも使っていません。
サドルバッグが妙にデカいのは
チューブラータイヤ2本持ちモードだからです。

雪の中を歩くはめになると思っていなかったのもありますが、
私は だいたい 冬場をトゥシューズカバーで通します。
パールイズミのトゥシューズカバーは、
画像にあるものが 過去 最も使いやすいものでした(個人の感想)。
現行品は つま先のゴムがデカ過ぎてビンディングに噛みます(→こちら)。

五体投地

積雪が多少薄くなり、車の轍がありますが
まだまだ走行は不可能です。
轍の上は雪が薄く クリートがアスファルトに接地するので、
ステムの上を持ちながらホイールは轍の上に、
シューズはその脇の厚い雪の上を踏むように歩くと
クリートを傷めず早く歩けます。
これと同じ状況になった場合に 役に立つと思いますので
ぜひ ご参考ください。
category: のむラボ日記
フリーの爪を縛る糸 
2022/02/17 Thu. 22:54 [edit]
フリーボディの爪の起き上がり感が
何か おかしいということで ホイールをお預かりしました。
ある時期以降のエボライトハブのシマノ11S用フリーボディは
3つ爪から 4つ爪となっており、
同じ爪起こしバネの力を3分割から 4分割にしたために
爪1つあたりの起き上がりパワーが弱まっており、
それで実際に不具合を起こすこともありますが
今回の件はカンパニョーロ用フリーハブで、
カンパニョーロ用は未だ3つ爪仕様なので
その不具合は起こりません。

フリーボディがハブシャフトに固着してたので、
フリーボディ付きハブシャフトを ハブ体右ベアリングごと
ハブから叩き抜きました。
固着問題は また別件なので それはそれで直します。
で、フリーボディの爪周りに糸が絡んでいました。

これは先ほどの画像とは別の位相ですが、
けっこう ややこしい絡み方をしていました。

↑犯人こいつ(←古本の推理小説の冒頭の人物紹介に
落書きされてたら 殺意を覚える書き込み)
これはコンチネンタルのゲータースキンですが、
ドイツ内製のミドル~ハイグレードのタイヤで、
グランプリ4000系やグランプリ4シーズンなどでも
このようにビード付近から ほつれた糸が出て来ます。
グランプリ5000では、作り方が変わっていて この糸は出てきません。
どう たどりついたものか この糸、、
リヤメカのプーリーに絡んでいるのを見かけることもあります。
このホイールは緑ニップルですが、
緑ニップルのホイールが ここに上がるたびに
それを誉めそやす「緑ニップルおじさん」なる人物がいます。
以前に そのことをここに書いてから
偽者が少なくとも2人は確認されていますが、
このホイールのオーナーこそが 本物の緑ニップルおじさんです。

意図せぬ糸を回収しました。
category: のむラボ日記
オープンプロリムとENOハブで後輪を組みました 
2022/02/17 Thu. 21:32 [edit]

お客さんからホワイトインダストリーズの
ENOハブをお預かりしました。

メーカーサイトでもENO HUBSとあるので
ONEではなく ENOが正式名称です。
ハブ胴にあるホワイトインダストリーズの表記の向きに対して
ONEが逆さになっているように見えますが、
180°回転させたわけではなく 鏡像反転しています
(そうでないと Nの斜線の向きが逆にならない)。
オーバーロックナット寸法130mmのシングルスピード用ハブで、
ロードのフレームで街乗りシングルスピードバイクを
組むのに使うハブです。

ホイールが組めました。
リムはマヴィックのオープンプロで

32H 全コンペJIS組み結線無しです。

ハブのエンドは、左右同期して偏芯することで
リヤメカ取り付け穴に リヤメカやテンショナーを付けなくとも
チェーンのテンションというか たるみを調整する機構となっており
チェーンの形状を ピストとほぼ同じ見た目のシンプルさで
シングルスピード化することが可能です。

ハブの片側は シングルフリーギヤ用のねじ山、

もう片側は 自社規格のスプラインの固定ギヤ台座となっています。
先ほども書いたようにハブのエキセントリック機構で
チェーンの張りを調整するわけですが、
普通のハブ+テンショナーを使う場合は 固定ギヤ仕様には出来ません。
意図的であれ うっかりであれ バックを踏んだ瞬間に
テンショナーが弾けます。
ハブの左右フランジ幅ですが、ごくわずかにオチョコがあり
計算上のスポーク長さは左右で0.3mmほど違います。
四捨五入したときに たまたま1mm違いにならない0.3mm違いだったので
スポークは左右同じ長さで切り出しましたが
(たとえば300.1mmと300.4mmなら どちらも300mmになるが
300.4mmと300.7mmなら300mmと301mmに分かれる)。
ピストの片切りねじ山リヤハブや ディスクフロントハブよりも
ずっと小さいオチョコ量なので、これくらいなら
狭いほうに合わせる形でいいから
左右同じでオチョコ無しにしてもいいのでは、と思いました。
category: のむラボ日記
デックスシェルのスカルキャップの穴をふさぎました 
2022/02/14 Mon. 12:32 [edit]

防風生地のスカルキャップという商品が出ています。
元々持っていましたが、記事用にひとつ仕入れました。
後述しますが 検証用に新品が必要でもあったので。
スカルキャップというのは本来 耳覆いが付いていませんが、
これはイヤーカバーを兼ねた形状をしています。

防水ソックスのメーカーですが、これは防水使用ではありません。
日本の問屋さんの記述では防水防風となってますが
同社のソックスのように 身に着けた状態で完全に水没しても
頭が濡れないといった機能はありません。
小雨くらいなら通さないでしょうが。
(ゴアテックスの防風生地っぽい)防風生地になっています。
画像は前側で、

後ろ側はストレッチする素材が中央に配してあって
頭にピッタリ フィットします。
何年も使っていなかった これを引っぱり出してきたのは
パールイズミのイヤーウォーマー(→こちら)が
改悪されたので(※個人の感想です)、
耳覆い付きのアンダーヘルメットキャップが必要になったからです。
リンク先の記事にもデックスシェルのこれのことが書いてあり
「見当たらない」と書いていますが 見つかりました。

手のひらで耳をふさぐとゴォーッという音がしますが、
あれは腕の筋肉の収縮音だそうです。
蚊の羽は非常に小さいものですが、
それでも耳のそばを通るとプーンという羽音が聞こえます。
で、デックスシェルのスカルキャップの耳部分には
外の音が聞こえやすいようにするための配慮か
画像のように 穴が空いています。
これのせいで、走行中に すさまじい風切り音がします。
台風の日に室内にいて、窓の外が暴風雨で
風が鳴っている音と そっくりの音です。
時速20km未満でも ゴォゴォと鳴って
外の音が非常に聞こえにくくなります。
耳の部分に穴が空いているがために
かえって聞こえにくくなっているというわけです。
試しに耳覆いの部分を手でふさぐと
吹きすさぶ音が無くなるので、
耳の部分を覆えばいいのかと思い

耳の部分に覆いがあるTT用のヘルメットをかぶってみましたが
(ふざけていません 真剣な話です)、
音は 大して軽減されませんでした。

そこで!

アイロンで熱接着できるワッペンで穴をふさいでみました。

↑内側から見た穴(ふさがっています)
これで、風切り音は完全には無くならなかったものの
気にならない程度には軽減されました。
カクテルパーティー効果の逆で、
音が鳴っていると意識すれば そのときだけ聞こえる感じです。
外部の音は むしろよく聞こえるようになりました。
この状態からでも、手で耳をふさぐと音は無くなります。
どうも、キャップと耳の間の空気の渦の音か
キャップと耳たぶが擦れている音が聞こえているようです。
さらに、内側に厚めのフェルトを噛ませると 風切り音は無くなりました。
フィット感が良くなかったので 縫い付けたり
接着したりはしませんでしたが。

カエルさん側は穴を完全にふさいでいますが、
カタツムリさん側は 実は2つ残っています。
実際に、よく聴くとカエルさん側より
空気の渦巻く音が かすかに大きいのですが
ほとんど軽減しているのは同じなので 気になりません。
完全に音が無くなったわけでは無いので
当初は あまり変わっていないのかとも思っていましたが、
検証用に 別に新品を買って(タグが付いたまま試着して)比較したところ
やはり 吊るしの状態では暴風雨が吹きすさんでいて
全然違いました。
このデックスシェルのスカルキャップですが、
音の件は置いておいて アンダーヘルメットキャップとしての
フィット感は非常にいいです。
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スーパー6エボのフロントメカ台座を交換しました 
2022/02/14 Mon. 11:35 [edit]

お客さんから スーパー6エボのフロントメカ台座の交換をお願いされました。

フロントメカを取り付けるスリット部分が割れています。
キャノンデールでは この部分のパーツの供給があるので交換が可能です。
私は この作業を ここに上げていない件も含めて
過去に5~6件は やっていますが、
当店の近くのキャノンデール取扱店共は
自分のところで販売したパーツを取り付ける能力が無いらしく
たいていは当店に持ってこられるようです。
お客さんが このフロントメカ台座を買ったのも
キャノンデールの専門店(→こちら)(→こちら)ですが、
取り付けは外注になるということで 納期がそこそこかかるのはともかく
金額が4万円以上と言われたそうです。ヒエ~ッ。
私は、自分でできないことを外注するときの仲介では
送料などの手数料以外は いただかないことにしていますが
4万円だと 相当に中抜きをしています。
もしかしたら、フレームの状態にバラして 後日再度組み立てる
工賃も入っているのかもしれません。
ちなみに この作業はお持ち込みされた その場でやりました。
エポキシ系接着剤の乾燥時間も含めて1時間くらいでしょうか。
工賃は、4万円のちょうど10分の1です。
さらに、ブレーキの調整がおかしかったのと
シューホルダーのワッシャーの位置が間違っていたのを直したのと
ヘッドパーツのガタを取ったのも含みますが。
ヘッドパーツのガタですが、作業後に
ステムの下のコラムスペーサーとトールキャップが
手の力で くるくると回せることに気付いたので直しました。
これを見るのは職業病みたいなもので、
乗って来られたバイクに付いているホイールの点検をする際にも
点検後のホイールを取り付ける際に
ついでに触って調べる癖がついています。


ぎゅいーん!
元のブラインドリベットの頭を削り飛ばしました。
シートポストを抜いて フレームの向きを逆さにしているので
画像も逆さになっています。
逆さにしているのは、外したリベットのカスがBB側に落ちると
回収が非常に困難になるからです。

直付けフロントメカ台座を外しました。

新しいフロントメカ台座ですが、
フレームとの接触面積が多いものに形状が変更されていました。
フレームに ピッタリ合うので対応していることは間違いありません。
前側の2ヵ所のリベット穴の位置と 台座の輪郭も同じですが、
後ろ側のリベット穴の位置が違うので

新たに穴を設けました。
新しい台座は、古い台座の穴や
接着剤のために塗装をしていない部分全てをカバーします。

ブラインドリベット打ち込み中・・・。
フロントメカ台座の上に 写っていますが、
硬化前の接着剤が はみ出しています。
リベットを打ち込むと 圧着する力がかかるので
その度に ムチュッと はみ出てきますが
硬化する前に 拭き取っています。


新しい台座を取り付けました。

フロントメカとチェーンも取り付けて変速調整もしましたが、
それも先ほど書いた工賃の範囲内です。
まあ、チェーンは当店の在庫を販売したのですが
(お持ち込みの時点で チェーンが付いていなかった)。

いい機会なので ついでに書いておきますが
この シマノ純正のフロントメカ台座のワッシャーについて。
これはフロントメカの年代に合ったもので
元から付いているものですが、9000系デュラエースの年代以降の
フロントメカのワッシャーは 縦幅が横幅と同じくらいの
軽薄な しょーもないワッシャーに変わっています。
大した軽量化というわけでもなく、コンポ関係の中では
私が思うに けっこうな「やらかし」だと思うのですが・・・。
最近のフロントメカ台座のスリットの幅は
M5ボルトに対して あまりに広くて
ワッシャーとの接触面積が少ないものが多いです。


これは 別件のフレームで記事用の画像を撮ったものです。
スリットの幅はボルトより広いですが、
これは まだマシなほうと言うか正常の範疇です。
上の画像が フロントメカの後端を内側に振った場合の
ボルトの位置になります。
フロントメカの後端が どう取り付けても あまりに外側に振ってしまう
フレームがあり、クランクがシマノ純正でもフロントメカの外側が
クランクアームの内側に擦りそうになったり、実際に擦るフレームがあります。
そういう場合は スリットの範囲以上にフロントメカの後端を
内側に振れるように、アウターチェーンリングの歯数に対する
ボルトの位置の部分だけを丸く削って スリットを トの字型にします。
これをすることが多いのは(お客さんの断り無しにはやりません念のため)
伝統的にコルナゴのフレームですが、
最近はメリダのフレームでやりました(どう考えても必須だった)。
上の画像の件では そういう加工はしていません。
問題だったのは、


フロントメカが9100で しょーもないワッシャーが付いていたのを
改めただけです。

で、これが過去に交換したことがある
しょーもないワッシャーです。
どちらも 私が取り付けたものではありません。
画像右のもののほうが よりひどい状態になっています。
取り付けボルトの回転による接触痕が円形になっていないのは、
縦軸中央の部分が締め付けで凹むためです。

↑比較的マシなほう

↑よりひどいほう
こちらは、ワッシャーの外形が四角から ひし形に変形しています。

裏から見ると分かりやすいでしょうか。

↑よりひどいほうを 取り付け時の上下方向から見た図
本来は、画像上側の輪郭は直線になるはずです。

こうした例が散見されるので
当店では旧型のワッシャーを常備しています。
画像右の2つは 使わなかった しょーもないワッシャーです。

話は戻りますが↑今回の交換したパーツです。
category: ドリルがうなる!
レーシング1さん 
2022/02/12 Sat. 23:56 [edit]

ものを巻き込んで スポークが曲がったので
直してほしいとのことです。
目印のテープを貼っていたのが それですが、
同じ側の隣のスポークも2撃目として変形していました。

その2本は ニップルをゆるめて
ハブフランジの引っかけから外しています。

直りました。
交換した2本のスポークのニップルだけの調整で
最も振れている位相が 交換した位相と関係なくなった状態が
「スポークを曲げてしまう1秒前の状態」で
そこからの振れ取りは ふつーの振れ取りですが、
ふつーの振れがそこそこあり
センターずれもわずかにあったので 直しました。

↑交換したスポーク
category: のむラボ日記
C38の後輪を組み直しました 
2022/02/12 Sat. 22:38 [edit]

昨日の続きです。ロヴァールのC38の後輪を組み直します。

DT350ディスクハブ 24H 黒コンペレースヨンヨン組みです。
上位モデルを良く見せようとして 下位モデルの仕様を変更したり
よりコストが安いパーツで構成したものの、
むしろ下位モデルのほうが より良くなってしまうという例が
まれにあります。
このホイールも、ほとんど レボリューションのような寸法の
コンペレース(張ると うにょーんが出る)でなく
CX-RAYで ふつーにヨンヨン組みするだけで
リム重量はともかくホイールの構造体としては
CLX系より走るホイールになるはずです。
2:1組みをして 左右同数組みより より良いホイールにするのは
不可能では無いですが至難の技です。
風洞実験に夢中なだけで ホイールのことを何も理解していない
ロヴァールごときができることではありません。
2:1組みの後輪で 反フリー側をタンジェント組みすると
そちらが高テンションというか 変形が少なく硬くなるので
リムやスポークが許す限り張った場合の袋小路を決めるのが
反フリー側となり、よってフリー側のほうがヌルくなります。
吊るしのCLXディスクの後輪をお持ちの方はフリー側の
最終交差の2本をにぎにぎしてみてください・・・。
フリー側がヌルヌルなのは角度が悪いことも関係しているのですが。
かといって 反フリー側をラジアル組みすると
ラジアル組みという構造から発生する性質を
避けることが出来なくなります。
私の元同僚で、手組みで2:1組みの
リムブレーキの後輪(反フリー側ラジアル組み)を組んで
「スポークテンションの総和が最大になるから最強」と
言っていた奴がいましたが、ぜひ小売店を始めて
そのホイールを世に問うてから ほざいてみてください。
そういえば、私にグダグダと物申した結果
夜逃げ同然で この世から消え失せたショップとブランドが
それぞれ1つずつあったと思いますが、
奇しくも どちらも 首折れスポークと均等穴リムと言う
汎用の材料で 2:1組みしている奴らでした。


ディスクブレーキの後輪は JIS組みないし
逆イタリアン組みされていることが多いですが、
どちらにしても反フリー側の組み方は同じになります。
が、この後輪はイタリアン組みで組まれていました。
これは非常に珍しいです。
ロヴァールなりにホイールのことを深く考えた結果
こうすることに合理的な理由があると結論したのでしょう。
まあ 私はJIS組みで組み直しますが。

組めました。

24H 黒半コンペJIS組みです。
結線は あとでやります。
あと、前後輪ともDTの黒アルミニップルに変更しています。
C38ですが、意図的なデチューンによる差別化に
一応成功していると言えなくもないのが リムです。
ハブについてですが、350ハブのほうがハブ体のベアリングが大きく
耐久性がCLXハブの比ではないほど高いので
単純に上位互換とはいえません。
リムは、より リム高が高いCLX50とほぼ同じくらいでした。
ハイト/ウェイトレシオでは C38は明確に負けています。
どのくらいスポークテンションを張れるかどうかでいうと
CLXと同じくらいだったので、その点では問題ないのですが。
リム重量が CLX50と同じくらいの重量だと断言したのには
ソースがあるからですが、それを提示するつもりはありません。
ロヴァールのリムの実測重量のアーカイブを
無料公開してもらえるとか そんなサイトがあるわけないやろうが。
↑うわこいつかんじわるい

オ待タセシマシタ!コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!

ふろんとりむデス!

りやりむデス!
↑やーめーろー!
category: のむラボ日記
C38の前輪を組み直しました 
2022/02/11 Fri. 23:49 [edit]

お客さんから ロヴァ―ルのC38ホイールをお預かりしました。
CXスプリントが入荷したら組み直しをすると約束していたものです。
今日は前輪をやります。


どうせバラすので どーでもいいですが、センタードンピシャでした。
なかなか やりおるわい。

DT350ハブ 24H 黒コンペレースゼロヨン組みです。
ディスクの前輪の反ローター側をラジアル組みするのは
MTBのディスクブレーキの草創期からある組み方ですが、
32Hくらいでない限りは やらないほうがいいです。
普及価格帯グレードのホイールだからか、
ロヴァ―ルのフィロソフィーである2:1組みが
盛り込まれていませんが、かえって都合が良いです。
ロヴァ―ルのクソアホ2:1組みよりは
左右同数組みのほうが 優秀なホイールが組めます。
リムのハイト/ウェイトレシオに関して
CLXとCLのリムは なかなか優秀、
アルピニストのリムだと メジャーブランドの量産品としては
異例なまでの軽さを誇りますが、
あれらは 2:1組みの穴振りありのリムであり、
さらにフロントリムは21Hなので 穴振りを無視して
左右同数組みをすることもできません。
組み直した場合の ハブとリムの間の構造だけで言えば
C38は CLXより より良いホイールになります。
吊るしの状態同士ならCLXのほうが やや優秀だと思いますが。

リムの中に、ナイフで切ったチューブレステープの
バルブ穴の部分が落ちていました。
缶切りで最後の部分を切らなかったフタのような
状態を 内側に折り曲げているものが
バルブとの接触でプチンと切れて
リムの中に落ち込みます。
リムやリムテープによっては、
振ったときに小石が一粒入っているかのような
硬質な音がする場合があります。
サイズと重量から、リムを振っただけで
自然に落ちることはありません。
バルブ穴に誘導してから 細い棒で押し出すか
ピンセットで摘まみ取る必要があります。

同じリムから剥がしたテープですが、
バルブ穴周りが2重なので まだちぎれていない状態の
バルブ穴部分がありました。
この、鼻の穴のフチでピラピラする鼻〇ソみたいな
状態にするくらいなら きれいに切り取ったほうが
いいと思うのですが・・・。

それはともかく組み直しました。

24H 半黒CXスプリントロクヨン逆イタリアン組みです。
結線は あとでやります。

ハブ胴にあるROVALのロゴと、
その対岸の位相のDTスイス350とあるのは
ハブ胴に巻いてあるステッカーです。
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イメジのシーラントがオススメです(←しつこい) 
2022/02/08 Tue. 23:54 [edit]
私は 後輪でしかチューブレスタイヤを運用していませんが、
パンクした結果 交換を強いられたわけでは無い
摩耗などからの判断で交換したのは 今回が初めてです。


タイヤを外したリム側ですが、水で軽く流しただけで
イメジのシーラントが ほとんどきれいに落ちました。
チューブレスバルブ回りに残っていますが
これも 少しこすれば落ちます。
噛んだ後のガムのようなカタマリが こびりついたりなどは一切ありません。
タイヤは捨てるので まあ いいとして リム側、
とくにビードフックの内側に シーラントのカスが堆積すると
そこが次回以降 エア漏れの原因になる気がするので
気持ちがいいものではありません。

外したタイヤは捨てるので 洗う必要はありませんが、

蛇口の水の水圧(全開にしているわけではない)で

流しただけで

これくらい きれいになります。

スポンジで軽くこすると こんな感じです。
この、シーラントが固まってダマにならないという性質だけで
個人的にはシーラントはイメジ一択なのですが、
効きが弱いのも事実です。
シーラントは「タイヤ内の容量に応じた必要量の
下限を超えない限りはゼロと一緒」というような
ふるまいを見せます(私見)。
たとえば あるタイヤにおいて40mlから仕事をする
シーラントがあったとすると、極端な話 39mlまでは
入れていないのと一緒といった感じになるということです。
イメジのシーラントは元々 量あたりの効き目が弱いので
当店では マイクロファイバー入りで効果が強い
「イメジ プラス」のほうしか仕入れていませんが、
それでも スタンズの標準モデルの「タイヤシーラント」よりも
やや多めに入れないと効きません。
あと、初回でエア漏れすることも多いです。
今回のタイヤ交換でも、6.8気圧入れた8時間後に
3.5気圧まで下がっていました。
が、こういうときは シーラントを追い足さずに
そのまま空気を入れると そのうちに安定して
普通のブチルチューブ並みに エアを保持するようになります。
これは経験上 間違いありません。
当店では 仕事で使うのにイメジ以外で
スタンズのタイヤシーラントと より強いレースシーラント、
あとエフェットマリポーサのカフェラテックスも在庫していますが、
イメジは ホイールを一晩以上お預かりして
経過観察できるような状況でないと
次の日にタイヤがペッタンコになる可能性があるので使えません。
それと、ホイールの点検で 信用できるセンターゲージを当てるために
チューブレスタイヤを外したときに、元のタイヤに入っていたシーラントと
同じか 近いものを追い足すこともあるので
スタンズの2種と カフェラテックスも常備しています。
あと、ヴィットリアのコルサのような
いわゆるオープンチューブラー型のタイヤで
チューブレスタイヤを作るというのは
無理があると思っているのですが
(チャレンジとヴェロフレックスも該当しますが あまり見かけません)、
コルサ チューブレスは イメジのシーラントでは
どれだけ量を入れても エア漏れを止められない気がするので
スタンズのレースシーラントを使うことにしています。
ビード部分「以外」からのエア漏れが
顕著なタイヤ(→こちら)にも向きません。
タイヤの空気保持性能の高さに頼る部分も大きいですが、
安定状態に持っていけることが
経験上 確かなタイヤとの組み合わせなら
そのあとの面倒の少なさから イメジのシーラントがオススメです。
以前にも同じような記事を書いていますが
先日タイヤ交換したときに また書きたくなったので書きました。
category: のむラボ日記