FORCEクランクの折れたボルトを回収しました 
2022/04/29 Fri. 23:44 [edit]

お客さんから スラムのフォースの
パワーメーター付きの右クランクをお預かりしました。
例のボルトを折ってしまったとのことです。


↑これ
残り7ヵ所は、すでに ゆるめてあるということです。
工具をかけて折った際に、初手で締めたわけでなく
ゆるめたのに折れたのであれば
それはもう 誰がやっても折れるわけでして、
言うなれば黒ひげ危機一発の最後の1本と同じような状態です
(「ききいっぱつ」ですが、この場合は一髪のほうが誤字)。
もし、原因のうちの主因が
ねじ山の部分のカジリが動いたことによる
急激なトルク変化によるものであれば
ラスペネなどの潤滑油を浸潤させれば
起こる確率は下げられるかもしれません。
が、これに関しては誰がやっても
やらかす可能性をゼロにはできないと思います。

7本のボルトとスパイダーを外しました。

↑折れた箇所

ドリルが滑らないように
リョービブランドとして京セラが販売している
キソパワーツール製のルーター(→こちら)で
ガイドの下穴を設けました。

ぎゅいーん!
ねじ山部分の固着は 錆びでも ゆるみ止め剤でも
起きていなかったようで、ドリル刃の回転につられて
イモネジ状の折れたボルトが回って さらに中に入りこみました。
元々 ツライチ以下なので ねじ山が進もうが問題はありません。

どのみち イモネジゆるめ~る君で出せます。

回収しました。
当店では 本来 8本で1セットである
この部分のボルトの単品販売をしていますが、
現在 問屋さんに在庫が無く 当店でも本数に余裕はありません。
が、1本程度なら何とかなるので
この折れたボルトに代わるボルトを補填して
ねじ穴8ヵ所にタップをかけ直し、
グリスを塗布して8ヵ所全てに ボルトを締め込みました。
category: ドリルがうなる!
超軽量中華カーボンフックレスチューブレスリムのホイールを組み直しました 
2022/04/29 Fri. 22:45 [edit]

お客さんから 半年ほど前に当店で組んだ
270g台のリムの後輪(→こちら)を お預かりしました。
下りでパンクしたときに、運悪く穴にはまって
リムがグシャッたとのことです。

↑画像では空間が歪んでいるように見えますが、

歪んでいるのは リムのほうです。

代わりのリムをお預かりしたので これに組み換えます。

リムのお引っ越し中・・・。
元のリムの品番が一部見えており、
「メーカーの略称-内幅25mmのMTBリム-29インチ」
を意味すると思われますが 検索しても たぶん出てきません。
それについて理由は知っていますが 書きません。
で、リムのお引っ越し後に増し締めして組もうとしたのですが
明らかにスポークが長くて組めない感じだったので
よくよく リムを見てみたところ、
元のリムは22mm高、新しいリムは25mm高でした。
お客さんいわく、リムの購入元を変えて 同じリムを買ったつもりが
リム高が違うことに気付いていなかったとのことでした。

うーん しゃあない。
結線している側のスポークは リム内径が同じか
ほぼ同じリムでないと 使い回せないので切りました。
半コンペだったので フリー側は黒コンペですが、
組み直しに際して スポーク比重を左右とも上げたいというので
黒コンペも 切って捨てました。

組めました。

↑新旧のリム高

FH-M6010-B 32H 黒チャンピ/CXスプリント
ヨンパチJIS組み結線ありです。
実は この後輪、
E-バイク(ワルイバイクの対義語ではない)で使っているのですが、
登り 且つ 電動アシストされる速度域であれば
ホイールがひたすら硬いほうがいいということなので
スチールスポークの範囲で 完全剛体に近いものを目指してみました。
category: のむラボ日記
VENNの後輪を組み直しました 
2022/04/28 Thu. 23:52 [edit]

お客さんから VENNというブランドの
507TCCという 50mm高リムの後輪を お預かりしました。
これはリムブレーキモデルですが、
同社のディスクブレーキモデルの507TCDのリムとの違いは

ステッカーの位置がブレーキゾーンを
ふさぐかどうかだけの違いであって
それ以外は同じ・・・だと思っていたのですが、
一応はブレーキゾーンとしての処理がしてありました。

目印のテープを貼ってあるリム穴のストレートスポークが
とんだので、修理をご希望です。
上の画像、とんだスポークの最終交差の相方のスポークが無いのは
長さを調べるのに抜き取ったからです。

ハブはDT 350のストレート仕様で、

スポークは ピラーのストレートスポークですが
縦横比が 扁平とは言い難いほどのスクエアエアロスポークで
割ったあとの割り箸の片方くらいの感じです。
当店の在庫や 思い当たる範囲で、
同じようなスポーク比重のスポークがありません。
さて困ったと思っていたら、より良くなる方法があるなら
結線も含めて実施してもいいとのことです。
なので、これを拡大解釈させてもらいます。

反フリー側のスポークを 全て抜き取りました。

279mm11本で76.5gなので、
スポーク比重は 76.5÷11÷279÷0.0257が
0.969909961・・・なので 約97%です。
ほとんど 14番プレーンと変わらない
エアロスポークというものの意義は分かりません。
ホイール組みの作業性は 丸スポークよりも高いでしょうが。
「エアロ」という語感に引きずられそうになりますが、
私が エアロスポークというか扁平スポークに求める最大要素は
スポーク比重70%以下でも 加工硬化によって
うにょーんを起こさない軽量スポークを得るためであって、
その際に 扁平加工の向きを
わざわざ空力的に不利な向きにする必要は無いので
当たり前なこととして扁平加工の長い側を
ホイールの左右方向ではなく前後方向に向けているというだけです。
では スポーク比重が約78%のCXスプリントは
エアロスポークである必要が無いのかと言われれば そうではなく、
約65%のCX-RAYに対して左右差が欲しいときに役に立つうえ
扁平スポークだと作業性が高いので、
必ずしも扁平でなくともよいスポーク比重ですが
扁平であって悪いことはありません。
オチョコのあるホイールで スポーク比重を85%と65%にするとして、
85%側は スポークの形状はどちらでもいいですが
65%側は 丸であってはいけません。
スポーク比重100%近辺であれば
サピムのCXや 星の真エアロSBII型くらいの扁平率で、
かつ前輪に使った場合であれば
いわゆるエアロ効果というのは 体感できると思います。
では なぜ今回のスポークが そういった形状になっていないのかというと、
ハブフランジがスリット無しの通し式なので
2.35mm径の円から逸脱した扁平スポークが使えないからです。
なので 先ほど 意義が分からないと書きましたが、
「DTのストレートスポーク用ハブに使える範囲で
なるべくスポーク比重が大きい 一応 扁平なスポーク」
という条件下の最適解かもしれません。
今回のホイールは、反フリー側をCX-RAYにして結線することにしました。
最終交差は、組み直し前でも編んであったので その点は問題ありません。
反フリー側の11本は、少し長さを切れば
フリー側のスペアスポークとして使えます。
組み直し後の反フリー側は、CX-RAYストレートで補修できるので
今後 どちら側のスポークがとんでも 修理は可能です。
もし1本とんだのが フリー側であったなら?
その場合は 反フリー側から1本スポークをもらって、
反フリー側のスポークを全交換するので ほぼ同じ結果になります。

組めました。


反フリー側を 黒CX-RAYストレートにしています。
組み直し前の時点でスポークがとんでいるので
暫定センターを見ていませんが、
結線は別とした この状態で 明らかに元のホイールより
反フリー側のスポークの変形量が少なくなっています。
これを結線をする前に
実際に お客さんに触ってほしいくらいなのですが、
遠方から送られてきたものなので 叶いません。
まあ、このホイールのお客さんは
私が組み直したロヴァ―ルを使っているので
どういう風に化けるのかは だいたい想像できると思いますが。
category: のむラボ日記
業務(とは関係ない)連絡の続き 
2022/04/28 Thu. 02:00 [edit]
某問屋さんの中の人からツッコミが入ったので
訂正しておきます。
ローラン・ジャラベールは、1994年の世界選手権ロードレースには
出走していません。
これのソースは「ツール・ド・フランスの落車の怪我が響いて出られなかったと
当時 ジャラベール本人から実際に聞いた」という
これ以上無いほどの 最強のソースでした。すげえ。
で、気になったのですが、
ルブランもヴィランクもエースナンバーである
ゼッケンナンバーの末尾1ではないということは、
いったい誰が フランス代表のエースだったのか
気になったので調べてみたところ、
そもそも世界選手権は1国9人制というわけではなく、
国によって代表選手の人数も異なるので(9人以上になることもある)
ゼッケンナンバーは通し番号となり、
通常の9人制や8人制には見られない
10の倍数の 末尾0のゼッケンナンバーも見られます。
1994年の世界選のスタートリストを見ると、たとえば
カナダは ゼッケンナンバー(←以下省略)49~51で3人、
チェコは 52のみで1人、
コロンビアは 53~69で12人(62・65・68が欠番)、
デンマークは 71~82で9人(79・80・81が欠番)、
フランスは 83~101で12人(83・84・86・87・89・91・98が欠番)
となっていました。
ちなみに 日本は121~127で7人です。
リストの順番に法則性は無さそうでした
(少なくとも アルファベット順とか
エースだけ一番上にするといったのは無かったです)。
フランスの欠番の中に ジャラベールが入っていたとは思われます。
たまたま リシャール・ヴィランクが99だったので、
ラストネームのアルファベットがVなので
末尾9になったんだと勘違いをしてしまいました。
以下 また別の話


キャノンデールの1988年のアパレル&用品のカタログです。
アパレル&用品で カタログを分けてあるということは
1988年の時点ではバイクのほうの
カタログもあるということになります。
キャノンデールは1971年創業とのことですが
創業事業はバッグ製造業で、1982年のカタログくらいまでは
バッグ以外にも テントやシュラフ、
自転車用のウェアは載っているものの
ウェアを着ているモデルの乗っているバイクは
キャノンデールではありません。
まだ存在していないからです。

1988年だと

キャノンデールのバイクも あります。

このあたりの商品は「本業」そのものです。

で、このフラットフィクサーという
商標まで取っている パンク修理キットですが、
タイヤレバーとバッグを除く

↑パッチキットの現物が これです。


各種パッチと ゴムのり、サンドペーパーと
ろう石が入っています。

この ろう石の用途について。

ケース裏の端が、チューブ用のヤスリとなっています。
サンドペーパーが無かったときの気休め程度の
ヤスリ性能しか無さそうですが。

そして もう片方の端、チョークとありますが
これは先ほどの ろう石を削るための単目ヤスリで、
削った粉を てんかふ(天花粉)として
パッチを貼った部分に まぶすことで
タイヤの裏側に癒着するのを防止します。
要は タイヤパウダーで、チューブ入りのわさびではなく
おろす前の 茎わさびが入っているような感じです。
category: のむラボ日記
のむラボホイール1号の前輪を組み直しました 
2022/04/26 Tue. 23:55 [edit]

しまった 組み直し前の画像を撮り忘れた。
リムのブレーキゾーンを見ると 新品でないのは明らかなので
伝わると思いますが。
お客さんから のむラボホイール1号の前輪をお預かりしました。
エボライトフロントハブで組んだものでしたが、
ベアリングがダメになったのと
ハブシャフトとエンドの間に ゆらぎが発生しているので
(どちらが先になったかは不明)、
何とかしてほしいとのことです。

というわけで 660ハブで組み直しました。
20H 黒CX-RAY反ヌポークラジアル組みです。
ニップルは銀アルミでしたが、それらは全て新品に交換しました。
660ハブについては 1つ前の記事を ご参照ください。

エボライトハブより ベアリング径が大きく、
エンドがボルトとナットの関係になっているものが望ましかったので
(このハブの場合はエンド「ナット」です)
660ハブにしました。
エンドにある平行な切り欠きは
ハブスパナをかける部分です。
エボライトハブより フランジ径が大きく、
スポーク長さを兼用できる範囲を超えていたので
スポークをカットして使い回しています。
category: のむラボホイール
これからは660でいく 
2022/04/26 Tue. 23:21 [edit]
Tniのエボライトハブこと エボリューションライトハブですが、

20Hのリヤハブは 公式に廃版だとアナウンスされているものの
それ以外の全ての仕様も 問屋さんがまだ言っていないだけで
おそらく廃版になっています。
世界的に流行している例の感冒の影響があるにしても
超長期欠品をしていることと、
あと どうやら 元ネタのノヴァテックの 291SLフロントハブと
482SLリヤハブの生産が終了しているっぽいからです。
上の画像は 当店の在庫のエボライトハブです。
画像に写っているぶんだけでなく もう少しだけあります。
とはいえ いずれエボライトハブが終了することは間違いなく、
それについて 問屋さんに訊いたら
すでに用意されている代替ハブをオススメされました。
あっ、代替ハブというのは 私が勝手に言ってるだけですよ。
問屋さんのほうで代替と言ってしまうと
エボライトハブの終了を認めたことになるので。

それが この「six60ハブ」です。
読み方は「シックス シックスティー」ハブですが、
今後 このブログでは660(ロクロクマル)ハブと呼ぶことにします。
そっちのほうが書きやすいので。
名前の由来ですが、リヤハブのラチェットが1周60山だからということです。
シックスティーはそれでいいとして、
じゃあ シックスのほうは どういう意味やねん、ということですが
ラチェットの爪が6つに由来するのではと思い 調べてみました。

シックス爪で

シックスティー山でした(ちゃんと数えてないけど
そう名乗っている以上 まず間違い無いやろ)。
リヤハブ体のベアリングが 小さめなのが気になりますが、
リーフハブでも同じサイズなのと、
エンドがポン当て式ではないので これでいけるのかもしれません。
リーフハブは ハブ体ベアリングとフリーボディのベアリング計4つが
全て同じサイズでしたが、

660ハブでは フリーボディのベアリングは6902で
ハブ体より大きなものが 入っていました。

モデル名の由来と無関係な フロントハブです。
けっこうなワイドフランジです。

ここの表記はシリアルナンバーではなく、
いま当店にある在庫で全て同じでした。
内部的なモデル名と 製造年月日なのかもしれません。

リヤハブの寸法も ハイローがきつくて いい感じです。
で、この660ハブですが、
エボライトハブの完全な代替品とは なりえません。
仕様に穴があるからです。
まずリヤハブのフリーボディですが、シマノ11S用しかありません。
しかも このシマノ11S用というのは、
シマノ12Sスプロケットでの使用が出来ないと
すでに問屋さんから アナウンスされています。
まあ、9200系列の12Sコンポをリムブレーキ仕様で買う人は
あまり いないとは思いますが・・・。
次に穴数。
フロントハブは 18・20・24Hでの展開ですが
リヤハブは 24・32Hという展開となっており
なぜか 28Hがありません。
なので 28Hのリヤハブや
カンパニョーロと スラムXDRフリーボディの場合は
エボライトハブを使うしかありません。
しかし これらの仕様のものは、すでに問屋さんに在庫がありません。
当店にはあるんですけどね。不思議だなあ。
もちろん無限にあるわけではないですが、
今あるバックオーダーに充当させられる数は確保しています。
「セラミックベアリングになって値段が高くてもいいから
Tniのウィングハブにするか」という手で
28Hのリヤハブや シマノ以外のフリーボディを手に入れようとしても、
それらの問屋さん在庫も「なぜか」ありません。
スヒー。←失敗した口笛の音
リムブレーキの のむラボホイールに関しては
いずれ660ハブに移行しますが、
もう しばらくはエボライトハブでいきます。
category: のむラボ日記
アハトアハト 
2022/04/26 Tue. 22:23 [edit]
この記事で4件目ですが、それ以上の意味はありません。

突然ですが、私が たまに描いているホイールの展開図について。
バルブ穴を真上にして 正穴振りのリムで組まれたホイールを
横から見た場合、バルブ穴から時計回りに隣のリム穴のスポークは
自分から見て 向こうのフランジから出ています。
上の図は左右タンジェント組みのホイールですが、
これが後輪で フリー側から見たとすると
青のスポークはフリー側、赤のスポークは反フリー側となります。

先ほどの図から、ハブとリムの輪郭の線を
同じ長さの平行な直線になるように 縮尺を変えます。

そして ハブの線を 片側だけ折り返したものが、

ホイールの展開図です。
これはハブ~リム~ハブ型の展開図で、
作図しやすい場合であれば
リム~ハブ~リム型の展開図にすることもあります。
バルブ穴は、とくに考える必要がある場合を除き
省略することが多いです。

最終交差の1ペア4本を もう1反復ぶん描き足して、
青と赤は あとで別の意味に使うので
スポークの色を 黒に変更しました。

そこから、最終交差を通るラジアル線を
補助線として描き足します。
フリー側を青、反フリー側を赤にしました。
ラジアル線は、リムとハブの線に対して垂直になります。
他のスポークと交差せずに ハブからリムまで到達するスポークが
すべてラジアル組みと呼んでいいかというと、厳密には異なります。
少なくとも 私の中では。

シマノホイールの リムブレーキの前輪や、
最近では ディスクブレーキの後輪の反フリー側でやっているような
ハブ側が疎密位相の0本組みは
スポークの軌道が完全な放射線状になっていないので
0本組みではありますが「ラジアル」組みではありません。
なので これをホイールの展開図で表現すると、
ハブ側のスポークヘッドの位置を疎密にするので
横の線に対して垂直にはなりません。

話を戻します。
先ほどの図からスポークの線を消して
最終交差を通るラジアル線の補助線だけを残しました。
今回の話で注目してほしいのは、

青の補助線から見た 赤の補助線の位相は、
青の補助線の「ちょうど中間ではない」というところです。
このことを 実際のホイールで見てみます。

これは のむラボホイール8号の後輪ですが、
リムとハブの穴数が同じで どちら側の穴も均等間隔、
あと 左右同数組みです。要は「ふつーのホイール」です。

この最終交差の位相を見ると、
先ほどの展開図と同じ関係になっています。
これが左右タンジェント組みの
ストレートスポーク用のハブだと
どうなっているのか見てみます。

レイノルズの24Hハブと シマノの20Hハブを用意しました。
いずれも ひとつのフランジの突起から
2本のスポークが出るようになっていますが、
かつて これらのハブで組まれていたリムは
均等間隔なリム穴でした(←ここ重要)。


で、どちらも反フリー側の突起の位相は
フリー側の突起の位相の ちょうど中間・・・ではありません。

お客さんから88mm高のカーボンチューブラーリムで組まれた
20Hの前輪を お預かりしました。
この状態で手に入れたわけではなく
当店とは違うショップで組んだものということですが、
使いどころが無いので(じゃあなんで前輪に組んだんや)
後輪に組み換えてほしいとのことです。

使った痕跡が無いというか、タイヤを張った痕跡すらありません。
もし張っていれば 上の画像のシールが
ふんわりと浮いた状態のままでいられるはずが無いので。

アハトアハト(88mm)!

ハブはノヴァテックのストレートスポーク用のハブ AS511SBで、

スポークはピラーの黒スクエアエアロです。
ハブとスポークにホコリが積もっていたので、
ホイールバッグに入れずに放置していた期間が
それなりにあるようです。

ざっとテンションを抜いたところ、
片側のスポークが数本連続して変形していました。

変形したスポークが混じっていない側のスポークを
全て抜き取りました。


↑曲がっているスポークの向きを90°回すと こんな感じ


曲がっている側のスポークも 全て抜き取りました。

例のワードを口にしないので アーカイブに残りませんが、
リムの実測重量です。
後日に「あの88mm高リムの重量どれくらいだったっけ?」と
思い出したい方は「アハトアハト」でブログ内検索してください。
20Hのリヤハブですが、エボライトハブの20Hが廃版となって久しい昨今
シマノ11Sフリーボディのものは 本当にありません。
お客さんのほうで いろいろ探した結果、
タンゲ製かどうかは不明ですが タンゲから
HBRR-1001という 20Hのストレートスポーク用のリヤハブが
出ていたのでそれを問屋さんに問い合わせたところ、
HBRF-1001フロントハブとセットであれば買えるというので
お客さんはリヤハブしか要らないところ
セットでもいいや(仕方ない)ということで 取り寄せました。
ちなみに 前後どちらも左右タンジェント組み仕様となっています。
カタログではハブ胴の色が 銀色のものが載っていますが、
それはすでに在庫が無く 青アルマイトのものしかないというので

それを取り寄せました。

冒頭のくだりから 嫌な予感しかしませんが 続けます。

適正な長さのスポークで 片側だけ仮組みしました。
スポークのねじ山が ニップルの端面に
ちょうど隠れるところで揃えています。

うん、やっぱり無理やな。
このハブでは普通のリムに対して
ホイールを組むのは不可能です。
フランジの突起が片側9ヵ所で 36Hハブとかなら
位相ねじれを起こしながらも ギリギリいけたかもしれませんが。
位相ねじれ(0本組みのスポークの軌道または
タンジェント組みの最終交差の補助線がラジアル線から逸れる)を
承知の上で組むホイールの例としては、
36Hハブで18Hのリムを0本組みしたり
36Hハブで24Hリムを ハブ側穴飛ばしで
タンジェント組みする場合などがあります。


フランジの突起の位置関係が、片側から見ると
その ちょうど中間となっています。

ハブフランジのスリットは スポークヘッドの向きを指定した
そこそこ指向性の高い構造で、

実際に長さが合っている スポークを通すと こんな感じになります。
リム高が非常に高いので 少し内側に ずれているように見えますが、

実際に指し示している先は この位相、
つまり 完全横並びのペアスポークです。
XERO LITE(ゼロライト)などに そういうホイールはありますが、
私は このハブについて「均等間隔穴のリム用ではなく
完全ペアスポーク位相のリムでないと組めませんよ」という
説明を受けたわけではありません。

メーカーのサイトでも、どう見ても フランジの突起の位相は
ちょうど中間になっています。
このハブでホイールを組んだ例があるのかどうかは不明ですが、
お客さんが このハブについて調べまくった限りでは
一例たりとも見当たらなかったとのことです。
実は過去に当店で、これと全く同じフランジ形状の24Hの
赤アルマイトのリヤハブで組まれた後輪を点検したことがあるのですが、
それは反フリー側ラジアル組みで 位相ねじれが起きていないものでした。
フランジ形状が同じというのも フリー側だけに限っての話です。

位相ねじれを承知で組もうとして
最終交差を反フリー側から見て
時計回りに動かすと こうなります。

↑反時計回りだと こんな感じ
これが首折れスポーク用の汎用フランジであったなら
フリー側のスポークも含めて
ヤマアラシさん方向と反ヤマアラシさん方向で
それぞれ別個の長さのスポークを用意すれば、
まともなものかどうかは別として
ホイールの体を成すものは 一応 作れないではありません。
が、このハブではフランジのスリットの指向性が強く
スポークが かなり弓なりになるので
そこから無理やり増し締めして ホイールにするのは無理です。
汎用ハブであったとしても こんなにスポーク長さが違うのであれば
「一応 組んでみよう」とも思いませんが。

反フリー側のスポークを 位相ねじれを起こさない
完全ペアスポークに配したときの
スポークヘッドから最終交差までの長さが
ざっと45mmほどだったので、
スポークヘッドから45mmのところまで 色を塗りました。

ちょうどニップルの端面で隠れるところまで
ねじ山を締め込んだ、長さが合っている反フリー側のスポークを

スポークの色の変わり目同士で重なりつつ
スポークヘッドが ハブフランジのスリット部分の径のところに
来るようにすると・・・

↑こうなります。
これは反フリー側から見た状態ですが、
「フリー側の突起の位置に対して
反フリー側の突起が ちょうど中間から
反時計回りにずれてくれると良い」
ということが分かります。

で、たとえば 先ほどのシマノのハブだと
実際に そうなっています。
今回のハブで どうやればホイールが組めるのか
浅学な私めに どうか ご教授願いたいと
問屋さんを通じて タンゲに問い合わせをしていて
今日 何らかの返事をいただけるとのことだったのですが、
電話は かかってきませんでした。
今日 当店に電話をされた、とくに常連のお客さんは
おかしいと思ったことでしょう。
私が わざわざ丁寧にコールバックをしてくるなんて、と。
category: ホイールの話
のむラボホイール8号の後輪を組みました 
2022/04/25 Mon. 23:49 [edit]

先日組んだ のむラボホイール8号ですが、
お客さんが 今日 受け取りに来られるので
結線ハンダ付けをしました。
上の画像は前輪で、

銀スポーク赤ニップルです。

で、後輪も 結線しようとしたのですが

黒スポーク赤ニップルで組まれとるやんけ
あばばっばbっばばばあああばばっばあばばbっ
あbbアッバース朝(750~1258年)ばあっばばああ!!!
しかも これ以前に 前後輪を並べて画像を撮ってるのに(→こちら)
気付いてねえええ!!
というわけで 今日もホイー(以下略)。

お客さんのオーダーは銀スポーク赤ニップルだったので
急遽 後輪を組みました。
お客さんが来られる前に組み上がりましたが、
気付くのが あと30分遅ければヤバかったです。

レボディスクハブ 24H 半コンペヨンロク組みで

結線も すぐに やりました。

あと、バイクをお持ち込みされてたので
パーツも移しています。
タイヤは 当店でお買い上げいただいたものですが。
category: のむラボホイール
キシリウム カーボン SL オートルートのスポークを再変更して結線しました 
2022/04/23 Sat. 23:25 [edit]

お客さんから キシリウム カーボン SL オートルート
だった後輪を お預かりしました。
ありゃ、青いステッカーが剥がされてるぞい まあいいや。

このホイール、かつて当店で
キシリウム カーボン SL Cの スクエアエアロスポークから
キシリウム プロ カーボン USTの薄いエリプティックエアロスポークに
変更したものです(→こちら)。
今回は これを さらに、反フリー側のスポークを元に戻して
最終交差を結線してほしいとのことです。

反フリー側のスポークのみ 抜き取りました。
ニップルがリムの中に落ちないように テープで留めています。
全バラししないのは、フリー側のスポークの縦振れ取りの位置と
センターが出た時点のスポークテンションが
ガイドとして機能するので、全バラしよりも早く組み直せるからです。

↑外したSL USTのスポーク

↑元に戻すSL Cのスポーク
リンク先の記事と全く同じ重量です。
スポーク比重も そちらに書いてあります。
一応は ごくごくわずかに異径組みになっていますが、
3%差程度であれば 逆異径でも かまわないと思っていました。


反フリー側のスポークを交換し、
スポークのねじ山が ニップルにギリギリ隠れるところで
そろえた時点でのセンターずれです。
ここから、反フリー側の増し締めでセンターを出すだけで
ほとんど ホイールが組めます。


反フリー側を きっかり2周 増し締めました。


さらに2周増し締めたところ、ちょっと行き過ぎました。
センターずれの向きが反転しています。


フリー側の増し締め傾向ではなく、
反フリー側のゆるめ傾向でセンターを出し
微細な振れ取りをしました。
交換したスポークのスポーク比重が 元と ほぼ同じなので、
反フリー側の増し締めでセンターさえ出せば
フリー側のスポークの変形量は元と ほぼ同じになるからです。
フリー側のニップルは ほとんど触っていません。
とくに縦振れ取り目的で触ったのは2ヵ所だけで、
組み直しの時間のうち 縦振れ取りに割いたのは30秒くらいです。

組めました。

結線もしました。
実は 組み直し前と その前の吊るしの状態では
最終交差を編んでいないのですが、結線のために編みました。

リムテープも剥がしていません。
この作業が今日もホイー(以下略)。に当たるのかというと、
令和4年から改正された今日もホイー(以下略)。法によれば
OKとなっています。
category: のむラボ日記
業務(とは関係ない)連絡 
2022/04/23 Sat. 05:44 [edit]
フランス人選手のリュック・ルブランが
LOOKのKG176に乗って
1994年の世界選手権を勝ったときの話をしましたが、
そのときに リヤブレーキのシューが
左右逆に付いていたと私が言ったのですが
これは 誤りでした。

1994年のビチスポルトの9~11月号です。

9月号の表紙は世界戦に勝ってアルカンシエルに袖を通した
リュック・ルブランで、

10月号の裏表紙は クレメンの広告で
世界戦に勝った瞬間の写真です。

ジャージはフランスナショナルチームのジャージ、
レーサーパンツは所属しているチームの
フェスティナのものです。

この青いフレームはLOOKのKG176です。
フェスティナの専用カラーかどうかは分かりません。
たぶん違います。
昔のフレームは とくにプロチームの
スペシャルカラーモデルを用意するでもなく、
チームのスポンサーのロゴをフレームに入れるでもなく、
市販品にもある色から チームのジャージに近い色のフレームを
提供するだけといったことも多かったので。

これは雑誌の記事のほうの勝利の瞬間で、
クレメンの広告の写真と ほぼ同じ時間です。

94年度の主要選手の総括の記事があり、
これは同年のツール・ド・フランスで山岳賞ジャージを着て走る
リシャール・ヴィランクです。
左のページは単なる広告で、
ヴィランクの乗っているKG176とは関係ありません。

これは、世界チャンピオンになってからの
94年シーズンの残りのレースをアルカンシエルジャージで走る
リュック・ルブランです。
この時代にはすでに「アルカンシエルの呪い」と呼ばれる
ジンクスが知られており、世界選手権に勝つと
以後 成績が振るわなかったり
不幸な目に遭ったりすることが多いとされていました。
この翌年、ル・グルップマンという新興のプロチームに移籍しますが
このチームスポンサーは マルチまがい商法の会社で、
訴訟を多数抱えてしまい 95年の6月末に破産したので
チームの選手全員が それ以降のシーズンを棒に振るという事態になりました。
久しぶりに「アルカンシエルを着たフランス人」が
ツール・ド・フランスを走るという夢も絶たれています。
ついでに書いておくと、ローラン・ブロシャールという
フランス人の選手は96年の世界選手権で
エースのローラン・ジャラベールのアシストをしていましたが
当日のジャラベールの調子が悪かったので
展開上 勝ちを狙いに行くことが許され、
ある意味 たなぼた的な優勝を手にしました。
その翌年、97年のツール・ド・フランスで
のちにフェスティナ事件と呼ばれるドーピングスキャンダルで
チーム全員 失格となっています。
ローラン・ブロシャールは LOOKから
アルカンシエルカラーのシグネチャーモデルのペダルが出ていました。
これと同じ例は、私の知る限り ブロシャール以外だと
マリオ・チッポリーニのシグネチャーモデルだけです。


で、これもリュック・ルブランのKG176の実車ではありますが
世界選手権で乗っていた時点のものではありません。
シューホルダーのタイヤガイドの羽根の向きから分かりますが
リヤブレーキのシューを 左右逆に取り付けています。
94年の世界選手権での
リュック・ルブランのゼッケンナンバーは93でした。
慣例として、1チーム9人で 一の位の1はエースナンバーとなり、
それ以降の2~9は 名字(ラストネーム)のアルファベット順となります。
ルブランはLで93、ヴィランクはVで99です。
リシャール・ヴィランク(V)や エリック・ザベル(Z)などは
エースでない場合は だいたいゼッケンの一の位が9になるのは このためです。
2017年からグランツールの1チームあたりの人数が8人に変更されたので
現行だと 一の位1がエース、2~8がアルファベット順となります。
↑この部分に関して訂正があります(→こちら)。
最近、昔の選手までもカタカナ表記が改められている例が多くあり、
この記事中に出ている選手でいうと
マリオ・チッポリーニではなく マリオ・チポッリーニまたはチポリーニ、
エリック・ザベルではなく エリック・ツァベル、
リュック・ルブランではなく リュク・ルブランなどが それに当たります。
アルカンシエルではなく
他のチームメイトと同じ ル・グルップマンのジャージを着た
リュックルブランのポスター(たぶんハンドルメーカーのモドロのやつ)が
どこかにあった気がするのですが 探しても見当たりませんでした。
category: のむラボ日記
ボーラワン35さん 
2022/04/22 Fri. 23:25 [edit]
先日 某問屋さんの展示会に行ったときのこと。
カンパニョーロにジャパンいち詳しい問屋さんの中の人が
私を見るなり どのような含意があるのか
はかりかねますが(すっとぼけ)、
「カンパニョーロのコンポとホイールは
去年のツール・ド・フランスで優勝しているので
優秀なことが証明されています!」
と言われました。
あっ、はい そうですね。それはともかく

お客さんから ボーラワン35 ダークラベルの
ワイドリム チューブラー仕様を お預かりしました。
後輪にセンターずれがあったのと、前のオーナーが手放す直前に
近所のショップでオーバーホールしてもらったとのことですが
ハブの玉当たりを やたらと締めこんでいたのを
適正なところまでゆるめました。
まあ オーバーホールしたのであれば
ずれてるのも おかしいのですが。
このボーラワンは富士ヒルクライムの
決戦用ホイールとして買ってみたとのことですが、
これと同時に のむラボホイール5号の振れ取りも
お持ち込みされており、あくまで個人の感想ですが
「のむラボホイール5号のほうが反応性が高くて進む気がする。
十三峠のタイムも 実際 のむラボホイール5号のほうが早かった。」
と言われました。
それは すまんかった(謝罪)。
しかし、ヒルクライム以外での全局面的な性能で評価するなら
ボーラワン35のほうが優秀だと 私は思います。
これが謙遜ではなく、本当にそう思っていると証明することはできます。
仮に そのボーラワン35を 新品ののむラボホイール5号と
交換してくれるというのであれば、喜んで交換しますので。
category: のむラボ日記
リョービ(京セラ(キソパワーツール)) 
2022/04/22 Fri. 09:16 [edit]


↑プロクソンのMM100というモデルで、
ミニルーターのド定番品です。
プロクソンというのはブランド名で、
製造メーカーは キソパワーツールというところです。
このルーター、定格使用時間を守っていますし
無茶な使い方をしている自覚は無いのですが、
数年も使っていると 本体が持てないほど異常発熱したり
モーターの回転数が極端に落ちて
使い物にならなくなったりするので
何度も買い替えています。
使用頻度も それほど高いわけではありません。
まあ、必須の工具ですし
費用もペイできるくらいには使えているのも事実ですが・・・。
あと、修理をしたことも何度もあります念のため。
ビットを取り付けるチャックの対応シャフト径は、
3.0mmと2.35mmの2つが付属しています。

↑それが こんなに余っているということからも
それなりに買い替えていることが伝わると思います。
で、少し前に 冒頭の画像のMM100がイカれた(逝かれた)ので
プロクソン以外のルーターも買ってみようと思い
MM100より安いものがあったので

リョービのMHR-26というルーターを買ってみました。
商品名は ホビールータなので、
MHRは ミニホビールータを意味するようです。
買ってから 分かったことですが
このルーターは チャックの径が2.35mm用の1種類しかなく、
小は大を兼ねないので 3mmシャフトのビットを取り付けるには
アダプターを介する必要がありました。

そのアダプターですが、あっさり折れました。
ルーターのメーカーの純正アクセサリーではなく社外品であることと、
継ぎ足している長さが長く 回転がかかったまま
押さえつけるような力がかかると
折れやすいのは仕方が無いのかもしれません。

ON/OFFスイッチの前には ボタンらしきものがありますが
とくに意味はありません。
滑り止めだとしても、使用中に
ここを 指の腹で押すようなことも無いですし。

ちょっと にじんだ印刷のリョービのロゴの
ステッカーが貼ってありますが、

本体に貼ってある もうひとつのステッカーを見ると
メーカーが 京セラとなっていました。
調べたところ、リョービは 2018年に
パワーツール事業を京セラに譲渡していました。
それはいいとして

ん?(株)キソパワーツール?
こ、このMHR-26というルーター、

プロクソンのMM20というモデルの
OEM品じゃねーか!
(画像はキソパワーツールのサイトより)
いやー、これは分からんかった。
普段はMM100しか買わんものでして。
ひとつ前の記事の、ボルトのドリル刃のガイドの凹みは
MM20・・・じゃなかった MHR-26で加工しましたが、
やはり 3mmシャフト径のビットを使えないと困るので

結局、MM100を また買いました。
あと、書き忘れてましたがMM100には
MM20には無い 回転数の調整ダイヤルがあり
MM20が 16500回転/分で固定であるところ
MM100だと 8000~18000回転/分の範囲で
無段階調整できます。
ミニルーターを求める者は
キソパワーツールからは逃れられない!
category: のむラボ日記
FORCEクランクの折れたボルトを回収しました 
2022/04/21 Thu. 23:39 [edit]


お客さんから スラムのフォースの右クランクをお預かりしました。
これは まさか・・・。

チェーンリングを固定しているM4ボルト8本のうち 4本が
ほぼツライチで破断しているのを 抜いてくれないかということです。
↑本数以外は以前の記事(→こちら)のコピペです。
今回のクランクのお客さんは 私もよく知っている人ですが、
おそらくは以前の記事を見て
同様の症例なので直せると思ったのか
いきなり クランクが送られてきました。
きっと、このように記事にして上げるから ダメなのでしょう。
上の画像左から 折れたボルトに1~4の番号を振ります。

画像左から 1・2・3で、

あと2の対岸の位相が 4です。
相変わらず どれもツライチ以下で折れていて、
しかも 青いゆるみ止め剤が噛んでいるのも見えています。

ぎゅいーん。
4のボルトに半穴をあけました。

これを「イモネジゆるめ~る君」という自作の工具で
つかんで ゆるめる方向に押し回しをすると ボルトが抜けてきます。

取れました。
イモネジゆるめ~る君については
リンク先の記事で画像を載せていますので ご参照ください。
ボルトに半穴をあける技術と 工具の先端の形状の思い付きが
この作業の2大要点です。

これは1のボルトですが、たいていの場合 破断した面は
まっすぐではなく 斜めになっていることが多いです。
そのままドリル刃を当てると 滑るので
ポンチによる凹み程度のガイドの穴が必要ですが、
ボルトの材質の硬さに対して 打刻でそれが付くはずも無いので
これも難しいところです。

ガイドの穴にドリル刃で軽く穴を切りました。

もうちょっとだけ露天掘り


回収できました。

これは3のボルトですが、

はい回収(雑な編集)。

2のボルトは、固着がひどかったので
荒事をせざるを得ず ヘリサートコイルの穴になりました。

上の画像では 4と2の穴にボルトを付けていますが、
ヘリコイルの穴が 芯を通っているかどうかの確認のためだけに
スラム純正のスパイダーを仕入れました。

全てのボルトが抜けました。

↑これはスパイダーに付属していたボルトですが、
このような件が続くようであれば
ボルトのみの販売品(1セット8本入り)を仕入れて
1本ごとの単価設定で 販売することも検討しています。
が、そもそも現状 ボルトの在庫が問屋さんに無いんじゃあ。

回収した 2以外のボルトです。
どれがどれかは分からなくなりましたが。
半穴のサイズ、つまりドリル刃の径は2種類ありますが
イモネジゆるめ~る君は どちらにも対応しています。
半穴が中心に空いていないのは 破断面の傾斜の都合です(言い訳)。

今回は、荒事で破壊した2のボルトを除き
全て半穴で済みました。

↑先端側
まあ、何を見てほしいのかというと、

破断面が これくらいは斜めになっているということです。
category: ドリルがうなる!
チューブレスタイヤがパンクしました 
2022/04/19 Tue. 23:55 [edit]
まあ、否定はしません。しかし その前に別の話を。
あるフックレスリムに チューブレスタイヤを履いていた
お客さん(一応)が、前輪だけ 何度 空気を入れても
すぐに抜けるというので 当店に持ってきてもらいました。
ホイールを 1ヵ月以上乗らずに静置していて
空気が抜け過ぎた結果、
タイヤビードの持ち上がりが バホッと落ちて
タイヤ内のシーラントが外気に触れてしまい、
そこから そのことに気付かず さらにそのまま静置し続けた結果・・・

静置していたときの地面側にあった位相のタイヤ内で
シーラントが固まっていました。
ちなみに シーラントはエフェットマリポサのカフェラテックスです。

タイヤはグッドイヤーのアメ色サイドのものですが
サイドだけでなく 内側のカーカスもアメ色で、
シーラントが食いつきにくい感じの
つるつるした質感だったので

湯葉状になったシーラントを きれいに剥がせました。

↑これ

この端の部分、

ひっくり返すと きれいな丸穴がありますが、

これは チューブレスバルブの根元の跡です。

今日、通勤の道中でパンクしました。
走行中にいきなり「プシュンシュンシュン!」という音とともに
激しく空気が抜けましたが 完全にフラットタイヤにはならず、
ごく低圧でスローパンクに切り替わりました。
それから歩道に上がってインフレーターで空気を追い足して
少し走ったところ すぐにリム打ちしそうなくらいに空気が減ったので、
チューブドに切り換えようかと思いつつも
もう一度 空気を追い足したところ、
今度はスローパンクのペースが 先ほどよりもスローになったので
そのまま店まで走れました。
二度目のポンピングのときには、一度目よりも
パンク穴にシーラントの繊維が集まったからだと思われます。

↑パンクの箇所

少し前にパンクしたときに
内側からパッチを貼った箇所とは別です。

パンク当初の 高圧でプシュンシュンと音がしているときは
飛行時のガメラの手足の穴から炎が出ている如くに
シーラントを まき散らしているわけですが、
それが シートチューブや

シートポストの後ろ側に飛び散っています。

サドルの後ろにぶら下げている袋から
ぶら下げている キャットアイの革ケース入りのライトにも飛び散りました。
この時点では見た目に分かりづらいですが シミになっています。
話が逸れますが、ブルべでは(主催者によって多少の違いはありますが)
テールライトを 常時点灯モードで使わないといけないというルールがあります。
点滅がダメな理由については、私が聞いた話では
点滅だと後ろの人(自動車など含む)に対して
幻惑効果があるからだとのことですが、
この革ケース入りのライトは 点灯であっても
固定されない赤い光が 非常に揺れているので
もしかしたら ブルべで使うと怒られるかもしれません。

さすがにイメジのシーラントでも、外気に晒されると固まります。

カタマリを 指でこすると、おからのような質感のシーラントが
ポロっと取れました。
昔、スタンズのシーラントがシートチューブの後ろ側に
透明なダマになって こびりついていたことがあり、
当初は それが何か分からなかったということがありました。
日にちが経っていたこともあり あれをきれいに落とすのは大変でした。

いつもの「こすらず 落ちます」をやる前に。
チューブレスタイヤが出先でパンクしたときに、
目的地が近いのであれば チューブドに切り換えずに
スローパンクのまま走ることもありますが、
その際の空気の追い足しを CO2ボンベでやると
「シーラントが穴をふさいでいられる空気圧」を一気に超えてしまい
パンク穴が広がって 激しい空気漏れが始まります。
これを繰り返していると タイヤ内のシーラントが減っていくので
シーラントがふさいでいられる空気圧も下がっていきます。
いい機会なので、フロアポンプでゆっくりと加圧していって
傷が開く空気圧を調べてみました。

3.5気圧くらいで傷が開いて
穴からフシューッと音が漏れだしました。
接写しているカメラに 空気が当たっているのが分かるくらいです。
これはパンク穴をホイールの真上にして加圧していますが、
真下にして 傷が開いてからホイールを振るなどすれば
3.5気圧以上でも穴をふさぐ可能性はあります。
また、穴の大きさやトレッドの厚みなどの条件にもよるので
「イメジのシーラントが傷をふさぐ限界は3.5気圧」と
決まったわけではありません。
イメジのシーラントは、パンク穴をふさぐ性能自体は
正直 高くはありません。
事実 私は、パンク穴を スタンズのシーラントで完全にふさいで
7気圧入れ、完全な「補修扱い」として走りに行ったこともあります。
では なぜイメジのシーラントを使うのかというと

いつも書いていることですが、

水のシャワーをかけるだけで

シーラントを きれいに落とせるからです。

タイヤの内側ですが、指やスポンジで 一切 こすったりしていません。

↑少し前にやった補修のパッチの箇所

厚みが ほぼ無く 剥がれてもいません。
今回は、トレッドも減っているので 悪あがきせずにタイヤを換えます。

時系列が戻りますが、内側から見たパンクの箇所を
洗い流す前の状態です。

繊維が集まっています。

タイヤは捨てるので どーでもいいですが、
重要なのは こっち、リム側です。

しゃわ~(←シャワーの擬音)

リム側も簡単に きれいになりました。
リムフックの内側に ガム状になったシーラントのカスが蓄積されて
実質 完全に除去できないほど 強固に こびりつくことが無いという
一点だけで イメジにする理由になります。個人的には。

ある位相で連続して、リムテープの凹みに
シーラントが固まって詰まっていました。

これは シャワーだけで落ちなかったので

爪で軽く こすりました。
怖かったのは、XR331リムは
スクオルクスニップルの端面と リムテープが非常に近く、
リムテープが空気圧で凹んだときに ニップルがテープを突いて
穴をあけることがあることです。
それを防ぐために、XR331とスタンズのテープの組み合わせの場合は
2周巻きが必須となります。
今回は それは起きていませんでした。

↑これは 以前の記事に上げた画像ですが、
XR331リムではなく WTBのリムで
XR331よりもリム高が低いものです。
このリムを スクオルクスニップルで組むことはありませんが、
撮影用にセットして テープを1周巻きしてから
指の腹で リム穴をグッと押したものが

↑これです。
スクオルクスニップルが リムテープを突いて
穴を開ける可能性があるという検証です。

飛び散って固まったシーラントは、

シャワーでは落とせなかったので、

>
部分的に 普通の洗車をしました。
ブレーキシューに金属カスが噛んでいるのに気付きつつも
対処が面倒だと思い そのまましばらく乗ってしまうということが
あると思いますが(最近だと 私はディスクブレーキなので無いです
とか言われそう)、この飛び散ったシーラントは
すぐに洗い流したほうがいいです。
スタンズやカフェラテックスで固まったものは
放置すると 本当に取れにくくなります。

先ほどの革ケースとライトですが、
水に濡らすと シーラントがはっきり分かるようになりました。

イメジのシーラントは、ときどき御用聞きの電話がかかってくるので
そのときに在庫が無ければ電話注文という形で発注しています。
電話越しだと直接 噛みつかれないとはいえ
こんな狂犬に営業をかけようと思った勇気は すごいと思います。
最近は よく売れていてペースが早まったので
電話がかかってくる前に 在庫が尽きました。
作業で使うための開封品しか当店に残っておらず、
こちらから電話注文するために 名刺を出してきたのですが
IMEZIの読みがイメジではなくイメジィであることに 今日 気付きました。
あばbっばっばばばあっばああばああ
注文の電話の際に「これまでイメジと呼んでいたけど
イメジィのほうが正式なんでしょうか」と中の人に訊いたら
「イメジでも大丈夫ですよ!」と言っていただけたので
今日の仕事が 過去記事のイメジ表記の全訂正にならずに済みました。
次のタイヤはグッドイヤーの25Cで、
60mlだと一発でエア漏れが止まる可能性が高いところ
40ml+経過観察でいきました。
6時間で 7気圧から5気圧に下がりましたが、
再度 7気圧に加圧してからは ほぼ下がっていません。
ただ、今回の件で 60mlくらい入れたほうが
パンク時の穴ふさぎの性能や 傷が開かない限界空気圧が
高くなるかもしれないとは思いました。
今朝まで履いていたのは IRCのS-ライトの23Cで
210g弱と非常に軽いタイヤなので
シーラントの重量もケチりたいところですが
履き替えたタイヤは280g弱なので
シーラントの量を攻める意味は薄そうです。
category: のむラボ日記
のむラボホイール8号の前輪を組みました 
2022/04/19 Tue. 22:04 [edit]
今日 来られた お客さんに怒られました。
いわく「読んでたら昼休みが終わってた」と。
それはともかく 今日もホイー(以下略)。

のむラボホイール8号の前輪を組みました。

レボディスクハブ 24H 半CXスプリントロクヨン逆イタリアン組みで

赤アルミニップルです。
結線は あとでやります。
category: のむラボホイール
コメントのお返事 
2022/04/19 Tue. 05:44 [edit]
以下のような愉快なコメントをいただきました。以下原文ママです。
のむラボさんが「クソアホホイール」とするC24やrovalのホイールに関して、
C24は昨年の全日本選手権で愛三工業の草場選手がチームとして
「GP5000をレースで使いたいから」C24を使用してスプリント勝利、
rovalはワールドツアークラスの数々のレースで勝利を収めています。
そのあたりに関してのむラボさんはどうお考えなのでしょうか。
私自身もホイールの剛性が高ければ良いホイールだと感じるのですが、
上記2件とは矛盾しています。
rovalの方はスポークの番手を変えたプロチューンの可能性はあるものの、
愛三工業が使用していたC24は元愛三の伊藤選手が
ブログで紹介しているくらいなのでノーマルであると思われます。
とのことです。
どうお考えもなにも、
ロヴァールがクソアホホイールであるという事実と
レースで勝ち星を上げているという事実は そもそも矛盾しません。
全く別個の問題です。
以上です。
しかしこれは重要なところでして、こういうものの考え方をする人が
一定数いるからこそ メーカーやブランドはレースでの成績を喧伝するわけです。
強者の選択とか 勝者の機材というのは常に正しく、
それ以外は劣っているというのであれば、
たとえば 先日の伊吹山ヒルクライムのあるクラスの優勝者は
私が組んだホイールを使っていましたが
その日その場で2位以下だった選手全員は
機材のチョイスを誤ったド低脳ということになりますか?
もちろん、ならないですね。
1位の選手が そもそも強かったというだけのことです。
先日、のむラボホイール2.5号の前輪と3号の後輪を
5年前に買った人で、それとは別に
スポークなどの構成を少し変えて
また2.5号の前輪と3号の後輪を組んだというお客さんがいましたが
電話で話した際に「おかげさまでトライアスロンの
日本国内のランク1位になれました!」
みたいなことを言われまして、
「ふーん、あっそう それ あんたが強いだけだから」
みたいな返事をしてしまいましたが
スミマセン、うれしくないわけではないのです。
ただ、「そうだろうそうだろう 1位になれたのは
私のホイールのおかげだ ありがたく思えよ」とは
全く思っていないのも事実でして・・・。
これは 前にも書いたことがあるかと思いますが、
ある選手にとって 1年で一番大事なレースの正念場で、
そんなときに限って 私が組んだホイールのスポークがとんだら
どうしようというのは 常にビビッています。
予期できないことなので ほぼ不可抗力とはいえ。
気に入って使ってもらっているホイールが
壊れずにいてくれることが一番です。
この記事を書くにあたって そのお客さんの名前で調べてみたら
確かに2021年度のJTUのエイジ別ランキング1位でした。
すげえ。私のホイールではなく選手のほうが。
高体連でめっちゃ強い選手が
先日 お父さんと一緒に来られまして、
「3月にあったレースで優勝しました」と言われたのですが
「ふ-ん あっそ(以下略)」と言ってしまいました。←お前こんなんばっかりやな
4月17日の広島に出るのに フロント変速の調子が悪いから
見てほしいということで来られたのですが、
いまリザルトを見たら そっちも優勝してました。
すげえ。私のホイールではなく選手のほうが。
ちなみに そのレースでは、
優勝した選手は それなりの数のロヴァール使いを下していると思うのですが
冒頭のコメントのような考えだと 私が組んだホイールの優秀性が
証明されたことになるんですかね?少なくとも その日その場では。
私は、そう考えません。これは謙遜しているわけではありません。
あっ ごめん、その優勝した選手のホイールは
私が組み直したロヴァールやったわ。
かかりが良くなって すごく走るようになりました!と
息子が喜んでますと いつもお父さんに言われます。
「ふーん、あっそ(以下略)」←もうええっちゅうねん。
ある選手が ある機材について褒めるのを、
政治的理由で言わされているか
本心からそう思っているかはどーでも良いことです。
どっちにしても しょせん他人の判断です。
参考にするのは もちろんかまいませんが
自分の判断を大事にしましょう。
昨日も ロヴァールのCL50の、とくに後輪がいまいち走らんというので
組み直してほしいというお電話をいただきましたが、
その人がもし ある有名選手がCL50を褒めていたり
レースの中継映像でCL50使いが勝っているのを見聞きしたら
自分が使っているホイールの感触が変わったりするのでしょうか。
冒頭のコメントの方は変わるのかもしれません。
なにせ、そうでなければ 矛盾になるということらしいので。
たとえば「ツール・ド・フランスに勝ったから
ウチのフレーム(やホイール)は 優秀性を証明できた!」
という宣伝方法をメーカーやブランドが採ることには反対しませんが、
私自身が同じことをするのは 気恥ずかしいというか
嫌なので やりません。
ここ1ヶ月くらいの、思い出せる範囲で3つほど挙げてしまいましたが。
なので「ロヴァールはトッププロレースで勝ちまくっているから優秀!
しかも 実際に使ってみて不満は無い!」という方は
是非 そのまま お使いになってください。私はその判断を尊重します。
「ヌルいので何とかしてくれ!」というのであれば、お任せください。
たぶん 元よりは良くなるはずです。
元のほうが良かったと言われたことは いまのところ一度もありません。
でも あれだ、フリー側と反フリー側の最終交差を
それぞれにぎにぎして、あれほど明確に
フリー側のほうが スポークの変形量が大きい後輪なんて
他に無いんだがなあ・・・。
レースにすら ほぼ出ないようなアマチュアが使っても
やれヌルいだの かかりが悪いだの
シュータッチするだのといったホイールを、
果たしてトッププロは どうしているのか どう思っているのかという話ですが、
ホイールに関しては市販品そのままだと思います。
スポークの番手は変えていないのではないでしょうか。
市販品そのままで、スポークテンションを寿命度外視で張っても
大して化けません。それだけでシュータッチが改善することも まずありません。
最近は ディスクブレーキ車が主流なので、
シュータッチの音で 横剛性が低いことがバレたりはしなくなってますが。
ヌルいホイールも プロは「そういうもの」だとして
うまく使っているのだと思います。
実際に どう思っているかは別として、
「人前で おいしそうに食べてみせる」のも プロの仕事のうちなので。
どうしても不味くて我慢できなかったのか、
コンポだけでなくホイールのサプライヤーもシマノのはずなのに
ライトウェイトのホイールを使ったチームとか、
フレームのサプライヤーがスコットなのに
TTバイクだけ同社のプラズマではなく
GIANTのトリニティを使ったチームとかあった気がしますが・・・。
これは関係ない話ですが、
プロ仕様のホイールのみスポーク比重を大きくして、
アマチュア用の市販品は 剛性的にデチューンしつつ
カタログ重量を軽くするためにスポーク比重を小さくしている
・・・とかするくらいなら その前にまず
最近のフレームが硬すぎるのを何とかするべきだと思います。
スキー板でいうと、プロ用・上級者用・中級者用・初心者用と
ざっと4種類あるとして、下2つのカテゴリーに属するレベルの人が
上2つのカテゴリー用の機材を
イキってか それと知らずか 買うような感じです。
自転車の場合、硬いフレームやホイールでも
平均時速30km未満、走行距離100kmくらいで乗る人だと
「踏んだらめっちゃ進む」などの良い部分だけを味わって
一日の走行を終えることも多いですが、
たとえば琵琶湖の、琵琶湖大橋から北側(北湖)を
1周4時間ちょっとで走るようなレベルになると
硬いフレームや レーシングゼロのような硬いホイールについて
「後半で足にクる」など 硬いことに対する不満を述べるようになります。
つまり、なまじ強い人のほうが機材の性能を引き出しているぶん
嫌な部分まで判るようになるということです。
これが、なんというか USBデバイスの取り外しについて
初心者:ぶっこ抜く
中級者:「ハードウェアを安全に取り外す」というアイコンをクリック
上級者:ぶっこ抜く
のように、理由は違うものの 初心者と上級者が同じ行動を取るかのように
ある機材について 初心者と上級者だけが良いと評価する現象があります。
全世界的な序列で考えると 硬いフレームで一番迷惑しているのが
日本の実業団の上のほうの選手あたりじゃないかと
個人的には思っているのですが・・・。
あ、「だから強い選手は逆に乗り心地のいいホイールを求める傾向にある」
という論調に 持っていきたいわけではないですよ。
これは個人の好みと了見によるものだと思います。
なので「○○選手は こう言ってる」
「インプレでは こう評されていた」だけでなく、
「でも自分は こうだと思う」というのを
大事にすればいいんじゃないでしょうか。
それが矛盾になるって?一生言ってろバーカ。
category: のむラボ日記
レーシングゼロさん 
2022/04/18 Mon. 22:50 [edit]

まずは前輪から。
あと、カメラのレンズが汚れてたので
上のほうに もやが かかったみたいな画像が続きます。

左側に こけて、前後輪とも スポークに傷が付いています。
それに加えて 前輪はスポークが1本折れています。
私も知る とあるショップに持ち込んだところ
お客さんの希望する範囲での修理だと
スポークと工賃で48500円くらいかかると言われたのと、
スポークの在庫が無いので すぐに直せないと言われたので
知り合いに当店を教えてもらったということです。
お客さんの希望する範囲とは
前輪8本・後輪2本のスポーク交換です。
これらは長さも品番も違うものの 税込定価を調べたら
どちらも1本1727円で、それが10本なので17270円です。
つまり、工賃が30000円以上かかるというわけです。
すげえな(どーいう計算してんねん)。
そして断言できますが、そのショップでは
いくら時間をかけようとも 工賃を払おうとも
まともな状態で返されることはありません。
もし スポークの在庫があったなら
修理を頼んでいた可能性もあるわけです。
お客さんからも最初に
「予算が5万円以内でいければ・・・」と言われたのですが
そんなにかかるわけ無いやろと ツッコミを入れてしまいました。

左側のスポークに全数 傷があります。
「左側」とは 落車したときの左側という意味ですが、
玉当たり調整ナット側でもあるので そういう意味でも正しいです。
スポークの傷については、よほど深いものでなく 変形も無ければ
そのまま使うことに問題は無いですよ、私が判断する最低限度の交換だと
パーツ代込みでも8000円くらいで直りますよと提案したのですが
気持ちの問題で 全交換をしたいというので
片側8本全てを換えることになりました。

スポークの刻印は「--」(横棒が横並びに2本)でした。
これの初出は シャマルミレのフロントです。

あったよ!在庫が!


スポークを入れ換えて 均等に そこそこ締めましたが
センターずれ的には まだまだです。
右側のスポークのニップルは、ある時点までは
ほとんど 触っていません。
フルクラムの場合は 縦振れのモノサシとして機能するので。
ロヴァールの組み直しで ホイールを全バラしする理由のひとつは
元の精度が信用できないので
リセットしたほうが いっそ楽だからです。
CLで しんちゅうニップルだったらアルミに換えたい、
CLXはアルミニップルだが ねじ山をきれいにして改めて
ゆるみ止め剤を塗布したいというのもありますが。

↑縦振れを追い込みました。
画像は リムの左サイドですが、
ブレーキゾーン中央より やや内側に
金属片を噛んだままブレーキをかけた白い磨耗痕があるので
ブレーキシューのほうをチェックしてみてほしいと
お客さんにお願いしました。


センター出ました。


直りました。

↑交換したスポーク

おっと 傷を見せるなら こっち向きだった
折れた1本と、残り7本のうち1本は変形があったので
それ以外の6本を 一応 補修で使えるからと
お客さんに お返ししています。
また何かあったときに スポークの在庫が無いとか、
あるいは知り合いの人などが必要になった場合などに
姑息的処置としては充分に使えます。

つづいて後輪。


お客さんのほうで目印のテープを貼っている
スポーク2本の交換をご希望です。


直りました。
あと 右エンドナットに ゆるみあり、
ハブの玉当たりにガタがあったので取っています。
どちらも センターゲージの測定の根拠になるので
どのみち これらは 必ず見ます。

↑交換したスポーク

こちらは変形が無かったので 一応 補修用として
お返ししました。

こちらは 変形があったので捨てました。
あと、交換しなかったスポークも 全数 変形を疑って見ていますが
お客さんの指定した範囲外で
交換を要したスポークはありませんでした。
作業時間は前後輪で 1時間は かかっていない・・・はずです。
これくらいでお預かりしていたら 店中がホイールまみれになるので
お持ち込みは なるべくその場で直します。
そうでなくとも今 店内がホイールまみれなので。
category: のむラボ日記
のむラボホイール5号の前輪を組みました 
2022/04/18 Mon. 21:42 [edit]

のむラボホイール5号の前輪を組みました。

エボライトハブ 20H 黒CX-RAY反ヌポークラジアル組みです。
これは 同じ構成のホイールを以前に買われた方からの
リピート注文ですが、いまあるホイールの修理は必要でなく
前輪だけの買い増しをしたいというので 別個に組みました。
category: のむラボホイール
のむラボホイール4号の前輪を組みました 
2022/04/16 Sat. 23:22 [edit]

のむラボホイール4号の前輪を組みました。

エボライトハブ 20H 黒CX-RAY反ヌポークラジアル組みで

銀アルミニップルです。
あと ついでに チューブラーリムだとアピールできる角度で撮りました。
category: のむラボホイール
R55C4アルミリム用シューのバルク包装品を個別包装し直しました 
2022/04/16 Sat. 20:01 [edit]
シマノのR55C4ブレーキシュー(2ペア入り)ですが、
シマノパーツの度重なる(リンク先の記事は6年半前)値上げにより
30円値上げをしていましたが それも無理になったので

50ペア入りのバルク品を個包装し直して販売することにしました。
バルク品なのに それを説明せずメーカーの個包装品の定価以上で
販売するようなマネ(→こちら)はしません念のため。

今日時点での販売レートです。
↑度重なる価格改定という名の値上げを
レート呼ばわりするのはやめろ
この、1ペア491円定価をベースとした客寄的大熊猫価格で
今後 店頭販売するわけですが、
価格はここに書けないので いつものところに上げておきます。

箱の中には間仕切りがあり 袋が2つ入っています。
片方の袋には 右シューのみ50個と シューホルダーのねじが100個、
もう片方の袋には 左シューのみ50個が入っています。
ここから手づかみで取れるようにすると
紛失や誤販売などで 過不足が生じる可能性があるので、

当店のほうで個包装にしました。

2ペア売りだけでなく 1ペア売りも用意しています。
販売単価は変わりません。

ねじも付属しています。

個包装になりました。

なお、当店では 二重猛犬法(Double Bulldog Test)という
厳重なチェック体制を敷いており(※)、
商品の入れ間違いが起きないようにしています。
※おうちのかたへ
二重盲検法(Double Blind Test)とは異なります。

「え!?お買い上げいただいた袋の中身が
右シュー4つだったうえに ねじが8個も入っていた!?」
↑こんなことはありませんので ご安心ください。
category: 新着情報!
のむラボホイール5号の前輪のリムを交換しました 
2022/04/15 Fri. 23:20 [edit]

お客さんから のむラボホイール5号の前輪をお預かりしました。
少し前に、5年ほど前に のむラボホイール5号を買ったのだが
前輪を追加で もう1本欲しいという お電話をいただきまして、
しかし よくよく話を伺ってみれば
「もう1本 別に買ったところで 今ある前輪はリムが変形している」
「2台のバイクに それぞれ常時付けておきたいという事情ではない」
とのことなので、それなら修理のほうが安くつきますということで
その前輪を お預かりしました。
リムがダメならリムを換えますし、
ハブがダメならベアリングを換えるか ハブそのものを換えます。
スポークは、変形が無ければ使い回します。
このホイールでは リムよりハブより
スポーク20本のほうが値段が高いので。
で、見てみたところ リムの交換だけでいけそうでした。
5年ほど前ということなので アルミニップルは使い回しません。

元のリムには、確かに変形がありました。

リムのお引っ越し中・・・。
ボビン式お引っ越し 芸術点★★★☆☆

↑完全にスポークテンションを抜いてあるので
引っ張られていない2本のリムを並べたのと同じ状態です。
バルブ穴の対岸の位相で リムをピッタリ合わせると

バルブ穴の位相で ちょっと空いていました。
片側のリムの色が薄いのは ピンボケしたスポークが
手前にあるためです。


組めました。
リムと工賃で8000円ちょっとくらいなので
新規に購入するよりはいいかと思います。
category: のむラボホイール
ラピーデCLXの前輪を組み直しました 
2022/04/14 Thu. 22:22 [edit]

お客さんから ロヴァ―ルのラピーデCLXの前輪をお預かりしました。
先日組み直したCL50の後輪とセットで お預かりしたものですが、
前輪にラピーデCLX、後輪にCL50という組み合わせで使っているとは
考えにくいので、少なくともこれらの前後輪を持っていて
より何とかしてほしいものを選ぶと その2つになったと思われます。
話は変わりますが、

↑少し前に組み直したCLX50の前輪のリム

↑その相方の後輪のリム

↑今日のラピーデと一緒にお預かりしたCL50の後輪のリム
です。
特定のワードを口にしないことで
以上3本のリムの実測重量は
容易に検索可能なアーカイブに残りません。

で、本題に戻りますが このラピーデの前輪、
2:1組みで18H、つまり少スポーク側が6本という
かなりイカれたスペックとなっています。
シマノのリムブレーキ用の16Hの前輪のときにも書いていますが、
スポークの本数を過度にケチって得られる軽さや空力的メリットと
スポークのテンションや番手で取り戻せない剛性的損失を
秤にかけようとすること自体が
要素の大小をはき違えた 間違いです。

これはまた 別の記事で書きますが、
多スポーク側は12Hなので 1クロスにせざるを得ず、
最初の交差が 最終交差になるわけですが
ハブフランジに ほど近いので結線の効果は薄くなります。
なので 今回の前輪は結線をしません。
ロヴァ―ルには 左右逆異径組みを思いつく頭が無いので
6Hの側もエアロライトですが、出来ることと言えば
そちらをCXスプリントにして
12H側を より張れるようにするくらいしかありません。


センターはドンピシャでした。
左右同じスポークで組まれている場合、
テンションメーターの数値こと第1スポークテンションの高低で
第2スポークテンションの高低を比較することは可能です。
元の状態は全エアロライトで センターも出ているので
この条件に合致しますが、明らかに6H側が高テンションでした。
ただ要注意なのは、高低が比較できるだけで
第1STの左右差がそのまま 第2STの左右差になるわけではありません。
第1STと第2STの関係をグラフにすると 比例直線ではなく
弓なりの曲線になるので。
たとえば今回のホイールで 12H側のH1STが平均120で、
6H側のH1STが平均132だったとすると
「第2STも 6H側が12H側より ちょうど1割高い」
というわけではないということです。
ただ、「第2STも 6H側のほうが高い」ことだけは確実です。

ラピーデCLXの後輪とアルピニストの前後輪は
幅が薄いビードフックになっていますが、
ラピーデCLXの前輪のみ 内幅をそのままに外幅を広げたような
ビードフックになっています。
タイヤのビードが乗り越えるべき リムの外周部が厚いので
ややタイヤを はめにくいのですが、
これが重量的に それほどデメリットでは無いとすれば
適正な幅のタイヤを装着したタイヤサイドからの
連続した形状としての空力特性のメリットのほうが勝る可能性があります。

ロヴァ―ルのディスクハブのタンジェント組み側のフランジのうち
リヤの右フランジと フロントの左フランジは 左右の穴振りがあり、
内側の穴から出たスポークは
最終交差より外周側で外側に位置しており(その逆も然り)、
最終交差は編んであります。
ディスクハブのリヤの左フランジは 左右の穴振りは無いものの
逆イタリアン組み相当になるように編んであります。
穴振りが無いので 外側になるスポークを
どちらにしようと 編む形にはなるのですが。
で、ラピーデCLXのフロント左フランジは 穴振りがあるのですが、
1クロスの最終交差が ハブフランジに近いからか
編んでいませんでした。
仮組みで編むように通してはみたのですが、
編まないほうが良さそうなので 組み直し後も編んでいません。
よって、どのみち結線はできません。


ロヴァ―ルのハブは、ハブ胴の文字が180°位相で
逆になるのですが このラピーデのハブは どちらも
「上から見て正方向」になっていました。

これは抜き取った
6H側のスポークですが、扁平なバテッド部分を押さえつけると
スポークヘッドのツブシ加工の角度が
平行であるべきところ 少し回っているのが分かります。

↑上の画像でいうと スポークヘッドの右側が少し浮く形で
バテッド部分と並行ではありません。
程度の差はありますが こういうスポークは散見されます。

それとは関係ないですが、組み直しに使おうとした
CXスプリントに不良があったので はねました。

↑なめてんのか。
この 圧延の失敗と思われる不良ですが、
今まで ねじ山側で発生しているものしか見たことがありません。
首側で起きているものは初めて見ました。


記事の撮れ高のために極端にしたことは否定しませんが、
縦横振れほぼ無しで センターだけずれているという中間形態です。
この時点での12H側の第1スポークテンションは
作業前とほぼ同じくらいで、12H側は同じスポークを使い回しているので
組み直し前と ほぼ同テンションということです。
平均をとれば ごくごくわずかに低いかもしれませんが、
ここからセンターが出るまで 6H側を一方的に張れるので
その過程で 12H側も元より張ることは確実です。
これを、左右逆異径組み無しで 12Hを より張るのは まず不可能です。


センターがまだ出てませんが もう充分です。
ここから、12H側に「ビビりゆるめ」を入れてしまいました。
やはり あの中間形態は やりすぎでした。
ただ、12H側を一方的にゆるめたわけではなく
6H側の増し締めも併せて 詰めています。


センターが出ました。

組めました。

半黒CXスプリントです。
これでヌルいというなら もう どーしようもありません。
設計の限界です。
ラピーデCLXですが、フロントリムが51mm高と
CLX/CL50と同じくらいのリム高で、
リヤリムは60mm高となっています。
ただ フロントリムはリム幅が広いので
ほぼ同じリム高のCLX50のリムよりも
重量が重たいことは確実視されていました。
が、CLX50の21Hからスポークを3本抜いたことによる重量減が
前後別のホイールの完成重量という
リムの重量が見えにくい 比較的どーでもいい情報に混ざるので
余計にリム重量を判別しづらくなっていました。
過去形なのは、実測重量を量る機会を得たからです。
しかし それを簡単に教えてもらえると思っているなら
見当違いも甚だしいと言わざるを得ませんが。
↑うわなにこいつきわめてかんじわるい

オ待タセシマシタ!

コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!
↑やーめーろー!
しまった 特定のワードを叫んだので
冒頭の3本のリムも このリムと一緒にアーカイブ入りしてしまった!
category: のむラボ日記
KRUのC-60さん 
2022/04/12 Tue. 23:58 [edit]

ホイール以外だと カーボンハンドルバーなども作っているメーカーです。

リムにはC-55とありますが、
メーカーサイトでは この表記のリムのホイールを
C-60というモデル名で載せています。
これとは別に C-50というモデルがありますが、
それはビードフックとブレーキゾーンがアルミになっている
アルカーボンリムのモデルです。
このホイールとは関係ない話ですが、EDGEの「65」リムは
リムに当初 貼られていたステッカーの表記は68で、
実際のリム高は66mmでした。

フロントハブの左右と リヤハブの左側には
特徴的な プラスチック製のダストキャップが はめ込まれており、
これはグレーですが 通常の色で もうひとつあるのが黒、
あと別売りのオプションで 黄色と黄緑と赤があります。
黄緑は キャノンデールやメリダに合う色で、
個人的には KRUで最も見かける色です。
それ以前に そもそも あまり見かけないメーカーではありますが。


ダストキャップは フランジをスプラインとして
つかむように取り付けられており、
パチンと はまるような 寸法と形状になっているので
自然にずれたり 外れたりすることはありません。

で、お預かりした要件ですが
チェーンを落として フリー側のスポークが何本か曲がったのを
交換してほしいとのことです。
スポークは ピラー製のスクエアエアロストレートスポークで
入手困難なものでしたが、私は これとほぼ同じ断面形状の
(ということはスポーク比重も同じ)スポークを知っていて
当店に在庫もあるので それで補修することにしました。


スポークの首下に おわん型ワッシャーが噛ませてありました。
このホイールの専用品というわけでは無さそうですが
これまた入手が困難なパーツです。
今回の件では関係ないですが、
走行中にスポークの首とびが起きた場合
このワッシャーも とんでいってしまうことになります。
・・・と思ったのですが フロントハブの左右とリヤハブの左側は
ダストキャップでふさがっている内部に残るので
問題が起きうるのは リヤハブ右側だけです。

直りました。

外側にある ヤマアラシさん方向のスポークだけが
ダメージを受けており、とくに連続しているかどうかは意識せずに
ダメと判断したスポークを抜き取っただけですが
結果を見れば 3連続になっていました。

このハブ、スルーアクスルですが
非常に珍しい規格となっており
130mm幅のクイック用のフレームに対応します。


クイック仕様のリヤハブの場合、呼び径10mmの
ハブシャフト またはエンド部分が フレームにかかって乗っていて
ハブシャフトの中空穴に 呼び径が5mm軸の
クイックを挿し込むわけですが、
このハブでは 呼び径10mmのスルーアクスルが
ハブシャフトの寸法になっていて クイックの役割も果たしています。
KRUは ホイールでは自社規格や特殊な仕様が目立つメーカーですが、
ハンドルバーやステムのクランプ径に関しては
さすがに自社製品同士でしか使えない
特殊な寸法というわけではありませんでした。
30mm径規格のクランクシャフトやBBに対して
半径0.5mmのスペーサーとか作れないように
29mm径(厳密には自称28.99mm径)にした
スラムのDUBとか、
汎用サイズが31.8mmなハンドルバークランプ径に対して
31.7mmを公称するデダとかが 頭をよぎりました。
まあ、KRUのスルーアクスルは それが性能的に良かれと思って
やっているだけであって、
「汎用のクイックが使えないように意地悪をしてやる」という意図が
感じられないので 同じような話では無いのですが。

↑交換したスポーク

曲がっていますが、それだけではなく



チェーンの踏み込みで えぐれています。

↑ピラーの刻印
category: のむラボ日記
CL50の後輪を組み直しました 
2022/04/12 Tue. 22:32 [edit]

お客さんから ロヴァ―ルのCL50の後輪をお預かりしました。
もーちょっと走るように 組み直してほしいとのことです。

CL50のリムはCLX50と同じものですが、
スポークが 全黒エアロライトではなく
全黒コンペレースであることと

ニップルが しんちゅうである点が 違います。
組み直しに際して DTの汎用アルミニップルに交換するので
ホイールの全バラしを要します。
CLXであれば 反フリー側のスポーク比重を変えるだけなので
それだけなら ホイールの全バラしは不要ですが、
元の縦振れ取りの精度を信用するくらいなら
一旦バラしたほうがスッキリするというのと
全バラし→再組み立ての工程に ニップルの摺動抵抗を減らす処置が
含まれているので 結局 全バラしをすることが多いです。

組めました。

逆異径組みの黒半CXスプリントです。
結線は あとでやりますが、結線無しセンタードンピシャの
この状態で 吊るしのCLXではありえない
フリー側のスポークの変形量の少なさに仕上がっています。
もし 吊るしの状態から フリー側をここまで張ろうとすると
反フリー側がスポークテンションの袋小路に突き当たります。
というか 吊るしの状態で ほぼ袋小路です。
いずれお客さんに お渡しするものですが、
「結線無しで 理屈だけで ここまで持っていけるんやぞ」
というサンプルとして手元に置いておきたいくらいです。
ロヴァ―ルのほうでも、CLはともかくCLXであれば
フリー側を DTエアロライト、反フリー側を DTエアロコンプにするだけで
これと ほぼ同じものになるはずなのですが
空力の追求と軽量化に夢中になるあまり
ホイールに関する要素の大小を はき違えています。
それが性能面で 良くない意味で顕在化していなければ
(乗って使って 分からないのであれば)別にいいのですが、
事実としてそうではないので 当店に持ち込まれています。
category: のむラボ日記
グランプリ5000の23Cが少数入荷しました 
2022/04/11 Mon. 23:45 [edit]

23Cが入荷しました。

例のシール(→こちら)が貼ってあります。
今回の入荷分は去年の9月の注文残分と
今年の2月の追加分が 合わせて入ってきた形になるのですが、
コンチネンタルのタイヤは 今年の3月1日から値上がりしています
(だから2月中に追加発注したのですが)。
グランプリ5000のWOタイヤの
旧定価は税込9020円、新定価は10500円ですが
今回入荷分の23Cは旧定価準拠の販売価格となります。
25Cの在庫分は新定価のものに切り替わってます スミマセン。
当店への入荷分では、上のリンク先の記事にある
シールを貼り間違っている25Cのタイヤまでが
旧定価の在庫でしたが 完売しました。
category: 新着情報!
GEL280リムでホイールを組みました 
2022/04/11 Mon. 22:00 [edit]
2022年4月から「リムのお引っ越し」案件も
今日もホイー(以下略)。に含めることにしました。
元々はそういうものだったのですが(→例はこちら)、
含めたくない事情があり 含めていませんでした。
しかし手間から考えると
バラバラの材料からホイールを組む以上の手間がかかっており
作業もホイール組みそのものなので
今後はリムのお引っ越しも 今日もホイー(以下略)。に含めます。
というわけで 今日の件はリムのお引っ越しですが
今日もホイー(以下略)。

先日のチタエースリムの後輪の代替リムですが、
アラヤのプロスタッフ400ではなく
マヴィックのGEL280にすることにしました。

ブレーキゾーンに摩耗が見られませんが、

リムセメントでタイヤを張っていた痕跡があります。
後ろブレーキをかけない私物の後輪で使っていたわけではありません。
おそらくはバンクだけを走るピストホイールで使われたものです。
チタエースのリムには リムセメントのベッドが一切なく
チューベラーテープでタイヤが張られていたので
テープが使える程度には ベッドを剥がす必要がありますが、

古いセメントで粘り気が無くなり
こするとボロボロと落ちる状態になっていたので
しんちゅうブラシで わりと簡単に きれいに落とせました。

リムのお引っ越し中・・・。

リムのお引っ越しに際して 左右の最終交差1ペアのリム穴4つ分だけ
バルブ穴の位相をずらしていますが、
これは こうしたほうがバルブ穴から覗いたときに
ハブ胴のDURA-ACEの文字の位置ちょうどに近くなるからです。

組めました。

FH-7700 32H 全コンペ15番(1.8-1.6-1.8mm)
ロクロクイタリアン組み結線無しです。
先日の記事に「スポークは たぶんレボかコンペ」と書いたのは
明らかに細かったからですが、今日ちゃんと寸法を調べました。
15番コンペや コンペレース、レボリューションなど
バテッド部分の径が 1.6mmまたは1.5mmの丸スポークは
スポークテンションを ある程度以上に張った場合
うにょーんを起こす可能性がありますが、
GEL280は そこまで張ると リム穴が割れるので
問題はありません。ただ、チタエースよりは張れるので張りました。


↑これはリムのお引っ越し前のホイールセンターですが、
スポークの長さが合っているのに
反フリー側のニップルを あまりに増し締めしているので
リムが反フリー側に大きく ずれており、

↑反フリー側

↑フリー側

↑反フリー側

↑フリー側
反フリー側は ニップルとスポークの端面が揃っているのに
フリー側は スポークがニップルの端面に届いていません。
リムのお引っ越しに際して、ここから反フリー側を ゆるめるのではなく
フリー側を増し締めする形で


↑リムのお引っ越し後
センターを出しています。
フリー側の増し締めによる リムの横移動量は
反フリー側のそれより小さいので、チタエースのときより
相当に増し締めをしていることになります
(それでも のむラボホイール5号などよりは全然低いのですが)。

今回のGEL280リムは、前回の魔窟からではなく
魔窟マーク2(当店なのですが)にある箱から
引っぱり出してきました。
以下 他にあったリムです。


このGL330ですが、のむラボホイール33号用で
36Hなので 今回のお引っ越しには使えません。

このGP4も 36Hです。

ニジーのカウンタックと
フィアーメの黒イリデ191

画像上から
ワッシャー不要の新エアロ1ことADX-1S
エアロ2の銀
エアロ4のハードアルマイト
ADX-5
旧エアロ1のハードアルマイト
エアロ2のハードアルマイト
16Bゴールドの銀
です。
ADX-1SとADX-5について
「ハードアルマイト」と 色について言及しないのは、
これらのリムはハードアルマイト仕様しか存在しないからです。
アラヤの呼び方では ハードアノダイズドですが。
category: のむラボ日記