ボーラウルトラ50さん 
2023/02/28 Tue. 23:34 [edit]

お客さんの見立てで 前輪左側のスポーク6本、
後輪左側のスポーク7本(つまり全て)に
擦り傷ができたので 交換を ご希望です。
スポークに変形は無く、傷が振れの原因にはなっていませんが
美観と気持ちの問題で交換してほしいとのことです。
このホイールは 前輪左右と後輪左側のラジアル組みのスポークが
同じ品番のスペアパーツなので
修理には13本のスポークが必要ですが
(交換したスポーク=お客さんの見立てた交換希望のスポークだけ でした)
在庫が ちょうど1本 足りなかったので

このホイールの修理に必要な分も含めて
カンパニョーロから スポークを取り寄せました。
スポークに限らずスペアパーツの箱は
SDGsを意識した紙の箱に移行しつつありますが
今回は全て新しいほうの箱で届いています。
1箱に入っているスポークの本数は
前輪ないし後輪の全数として16本や21本などの
販売形態もあるホイールも存在しますが
たいていはアルミなら1本、スチールなら4本の場合が多く
容積的には イタリアないしルーマニアから
空気を運んでいるようなものです。

↑ボーラ35のフロント/リヤ左スポークの新旧箱

↑ボーラ50のフロント/リヤ左スポークの新旧箱

ひとつの箱に在庫を圧縮しますが、
プラスチックフィルム紙の旧箱のほうが頑丈なので
崩壊していない旧箱があれば そっちを使うことにしています。

↑交換の理由になった傷は こんな感じ

これは後輪ですが、
反フリー側のスポーク7本を全て抜き取り去った時点で
センターゲージを当てたものです。
ふざけているわけではありません。

前輪の左右と後輪の左スポークは
交換に際して ハブシャフトを一旦抜き取る必要がありますが、
CULTベアリングであっても リヤ右側のボールレースには
ラチェット周りのグリスが シールのすき間を越えて流れ込みます。

拭き取りました。

↑これはハブシャフトを抜き取った時点での リヤハブ左側で、
フロントハブの左右も これと同じようなものですが

↑リヤハブ右側は こんな感じです。

左右ともに シールとボールリテーナーを外して洗浄しました。
パーツの左右が 元の状態と変わらないように気を付けています。


フリーボディのベアリングの中身が傷んで
内輪に対して 外輪がガタガタと動く状態であった場合、
その偏芯の動きで フリーボディの爪の部分に
ハブ体側のラチェットの山が当たった跡が付くことがあります。
上の画像は それと同じ跡ですが
原因はベアリングの傷みではなく 右エンドナットのゆるみでした。

爪起こしバネは 真円では無くなっていたので
交換します。

↑ちなみに新品のバネ

前輪が直りました。

左側9本のうち、目印のテープを貼った6本が新しいスポークです。

後輪も直りました。

左側全てが交換対象なので
目印のテープは貼っていません。

↑交換したスポーク
前輪6本と後輪7本で それぞれ並べたものを
テープで留めているだけです。
見ての通り 目視で変形が分かるようなスポークは1本もありません。

↑前輪の6本です。
一応、元のリム穴の順に並べてあるのですが
傷の大きいスポークが小さい数字になるように
右側から番号を振るとすると 123456というよりは
123123という感じの 傷の付き方をしています。

↑後輪7本です。
こちらも 元のリム穴順に並べていますが
連続性のようなものは あまり感じられません。
あえて言うなら右端のスポークが最後の一撃という感じでしょうか。
7本全て交換しているので どこが始まりか分からないのですが
推定される擦った順番に 右側から番号を振るとすると
おそらくは 7123456です。
7のスポークだけが 側面というより
角の部分をこすっただけの傷となっています。
今回のスポークへのダメージですが、非常に珍しい例です。
単なる落車なら スポークの側面を荒らすだけのような
ダメージでは済まずに スポーク自体を変形させることが多いですし、
うっかり バイクを倒したりしたとしても ホイールが回転していないと
このような全周に渡るような擦り傷は付きません。
3本ローラーから落ちたりしたのかと思って
お客さんに原因を聞いたのですが、
走行中に 左側にあるU字溝に倒れ気味に落ちて
少しだけ ガガガっと擦りながら走った形になって
傷が付いたということです。
なるほど、U字溝のコンクリートの角が
ちょうど あの傷の位置だったというわけです。

完全に同じ状況ではないですが
私物のホイールで例示すると
このような接触であったと思われます。
category: のむラボ日記
アルピニストCLXの前輪を組み直しました 
2023/02/28 Tue. 22:59 [edit]


お客さんからロヴァ―ルのアルピニストCLXの
前後輪をお預かりしました。
今日 組み直すのは前輪だけですが
「重量は軽いものの 力が逃げる感じがして
正直 登らないです、レーシングゼロカーボンDBや
ボーラWTOでは そんなことはありません」とのことで
何とかなるなら 何とかしてほしいとのことです。
聴き取りや手紙の文面で ロヴァ―ルのホイールに対する
苦言の語彙は ここに書いていないもののほうが多いですが
かなり豊富に集まっています。
レーシングゼロ系はアルミスポークが頭抜けているので ともかく、
吊るしのロヴァ―ルは ボーラ系と比べるのが失礼なくらい
理論的に遅れているホイールでして、
唯一 風洞実験による空力特性の試験であれば
勝てるんじゃあないかというくらいです。

組めました。

半CXスプリントにしました。
結線は あとでやります。
銀スポークなのは、アルピニストの組み直しに必要な長さの
黒CXスプリントの在庫が現在 当店にも問屋さんにも無いので
多くの方に入荷を待ってもらっているところ
今回のホイールでは「銀スポークでもいいよ」と言われたので
銀スポークで させてもらいました。
この銀スポークも、当店には 在庫が まだありますが
問屋さんにはありません。
多スポーク側の黒エアロライトは
少スポーク側の銀CXスプリントと 色をそろえるためだけに
銀CX-RAYにしました。
ただ、組み直し前は最終交差をにぎにぎすると
パキパキと音が鳴っていたのが
黒い塗膜ではなくなったからか 結線無しの組み直し後の状態では
鳴らなくなりました。
お客さん(手紙に体重を書いてたけど ここには書かない、
重くはない)によると
斜度10%くらいになると 鳴っていたとのことなので
銀CX-RAY化で それも解決しています。
まあ黒だとしても結線すれば どのみち解決するんですが。
category: のむラボ日記
ニュートロンウルトラさん 
2023/02/28 Tue. 18:13 [edit]
ニュートロンウルトラの前後輪をお預かりしました。

WOリム仕様のほうです。
点検を ご希望です。

私は通常 タイヤのラベルの中央と
バルブの位相を合わせて タイヤを取り付けますが、
このホイールの場合 バルブ付近の位相のステッカーが
カンパニョーロ表記のもので
ホイールの文字の重力は一方向なので、
カンパニョーロのステッカー側に タイヤを取り付けると
タイヤとリムのステッカーで文字の重力が一致しません。
なので モデル名のステッカー側でタイヤのラベルを合わせています。
これはこれで整合性のある見た目になります。

タイヤは ハッチンソンではなくユッチンソンと
当時の輸入代理店が呼んでいた頃の
アトム コンプというモデルです。
これの前身として 単に「アトム」というだけの
モデル名のタイヤがあり

今回のタイヤは23Cでしたが、初代アトムの20Cは
オープンプロリム(当時としては内幅は広くも狭くもない)に取り付けて
7気圧入れた場合の 新品か
それに近いものの 実測幅が18.5Cという
使用状況を限れば最強、それ以外の状況だと コーナー限界が低く
ウェット路面にも弱くて最悪という 使い方次第では楽しいタイヤでした。
「アトムが太いだけ」といった感じが ぬぐいきれません。

アトム(原子)というモデル名なので
原子のマークがトレッドにありますが、
プロトン(陽子)・エレクトロン(電子)・ニュークリオン(核子)・
ニュートロン(中性子)あたりのホイールに付けていると
モデル名の元ネタが近くて いいですね。

内蔵ニップルなのでリムテープをめくる必要がありますが、

↑おもて

↑うら
なるべく使い回せるように
注意深くリムテープを外そうとしましたが 崩壊してしまいました。

まずは前輪から。
ダストキャップを外すと 玉当たり調整ナットがゆるんでいて、
ハブに横ガタがありました。
ちょっとガタがあったという程度ではなく
使用不能なほど ガッタガタだったので、
おそらくは作業に取りかかったものの
あきらめたとか そんな感じだと思われます。

ボールレースは黒の時代のもので、
虫食いは ありませんでした。
鋼球が走った きれいな筋も付いていなかったので、
ブレーキゾーンや フリーボディのスプラインの状態から
新品では無いのは確かですが あまり使っていないのも確かです。

ハブ体に圧入されているワンにも 異常はありませんでした。
上の画像は洗浄後です。

↑玉押しを洗浄したあと

↑デジカメのライトを消すと こんな感じ


振れ取りとセンター出しをしました。
元の状態も それほど ひどくは無かったです。

画像の時系列が戻りますが、
このニュートロン ウルトラは
モデル名の反対側のステッカーが
昔のカンパニョーロのリムのように メーカー名ではなく
同じステッカーとなっています。

なので、カンパニョーロのステッカーの反対側も
カンパニョーロのステッカーです。

で、カンパニョーロのステッカー且つ
バルブ穴の位相を真下にすると

前後輪とも 3時の位相に

前輪は非オフセット、後輪はオフセットリムですよという
赤文字のステッカーが貼ってあります。

ここから、真下の位相を保つ形で
前輪を ひっくり返すと

3時の位相に同じステッカーが現れます。

さらに、ハブ胴はカーボン製となっていて
昔のハブのように グリスホールをふさぐCリングもありません。
あと、剥がしたのか 元から無いのか
オレンジ色のWARNINGのステッカーは
前後輪の左右ともに貼られていませんでした。
つまり、今回の前輪は左右のダストキャップを取り付けてしまうと
左右の属性を特定する要素が ひとつも無いということです。
作業後に履くタイヤ(先ほどのアトムコンプ)も
両ラベルで 進行方向の区別が無いトレッドパターンなので、
左右の属性がありません。
クイックはお預かりしていないので それの取り付けで
区別できるようにしておくこともできません。

なので、ダストキャップをはめる前に ハブ胴にテープを貼っておきました。
クイック取り付け後、またはフォークに固定したあとに
テープを剥がしておいてください。

トレッドが ピキッてきているくらいには
新品ではないアトムコンプですが、自称23Cで 実測21C強でした。
カンパニョーロの完組みホイールのアルミリムは
ワイドリムという概念が無い この時代のリムの中では
内幅が広く、たとえば オープンプロよりも広いです。
なので 当時 一般的だった もう少しナローなリムに取り付けた場合は
タイヤ幅が さらに細くなります。

つづいて後輪。
リムテープは前輪以上に崩壊していました。
前後輪とも ヴィットリアのものに交換しています。

左ダストキャップを外すと、
玉当たり調整ナットの固定ボルトは締めてありましたが
かすかに 横ガタはありました。

↑時系列がとびますが
洗浄とグリスアップをしたあとの状態

ハブシャフトの 外側ベアリングがあるあたりに
もらい錆びがあり

現行のスペアパーツでは
このベアリングは両側シールですが
この時期のフリーボディに入っているものは
確実に片側シールです。
内側に向かって 錆び汁が漏れたのが
スペーサーとの間で にじみ出ています。

もらい錆びは ひどい食いつきでは無かったので
パーツクリーナーで拭くと きれいに取れました。

フリーボディのベアリングを交換しました。

フリーの爪起こしバネは ひどく変形していたので
交換しました。


ハブの内部も洗浄しました。
このあと グリスアップをしてハブを組み立てています。


ほとんど経年のせいだろうという感じで
フリー側に リムがずれています。


振れ取りとセンター出しをしました。
前輪は スポークテンションがタレているという感じは
無かったのですが、
後輪は元からヌルいのか 後からタレたのか
ちょっと増し締めしたほうが良さそうな感じだったので


まずは フリー側を増し締めして リムをずらしました。
最初の暫定センターよりも ずれているくらいですが、
違うのは 横振れが無いことです。
ヌルいと思ったのであれば 最初にフリー側を増し締めして
もっとガッツリずらせば 二度手間みたいにならなかったのでしょうが
そこまで予期して リムを動かすのは無理でした。


さらに反フリー側を増し締めしてセンターを出しました。

左側のダストキャップを取り付けました。
このパーツですが、先日 在庫が尽きたので
慌てて 多めに仕入れています。
今回は 前輪の左右と後輪の左側の計3つとも
割らずに済んだので 関係ない話ですが。
category: のむラボ日記
穴無しチューブレスリムで後輪を組みました 
2023/02/27 Mon. 23:09 [edit]

昨日の続きです。
穴無しチューブレスリムで後輪を組みました。

レボディスクハブ 24H 半コンペヨンロクJIS組みです。
結線は あとでやります。

↑フリー側

↑反フリー側
今回の前後輪用のリムとして2本のリムを お預かりしていますが、
1本だけがオフセットリムなので オチョコ量が大きい後輪に
オフセットリムを使いました。

↑フロントリム(非オフセット)

↑リヤリム(オフセット)
上の画像でも バルブ穴とスポーク穴の位置関係で
オフセットの有無が判別できます。
例のワードを発しないので 実測重量のアーカイブには残りませんが、
人口に膾炙するようなリムではない
(それ以前に 私自身このリムの正確な素性を知らない)ので
まあ いいでしょう。
オフセットリムのほうが軽かったのが意外でした。
category: のむラボ日記
穴無しチューブレスリムで前輪を組みました 
2023/02/26 Sun. 23:57 [edit]

お客さんから お預かりしたブランド不明で無銘の

外周部にバルブ穴以外の穴が無いカーボンリムで
前輪を組みました。
スポーク長さの計算式の表の備考欄に
「フックレスリム」と打ち込んだんですが
よく見たら ほんのりフックがありました。
あとで直しとこう

レボディスクハブ 24H 半CXスプリントロクヨン逆イタリアン組みです。
結線は あとでやります。
category: のむラボ日記
のむラボホイール5号の前輪を組みました 
2023/02/24 Fri. 20:52 [edit]

のむラボホイール5号の前輪を組みました。

レボIIハブ 20H ヨンヨンイタリアン組みで
バルブ穴の両隣のみ 青アルミニップルです。
660フロントハブのほうがワイドフランジではあるのですが、
タンジェント組み(4本組み)なので レボIIフロントハブにしました。
理由については(→こちら)をどうぞ。
category: のむラボホイール
♪(神イントロ)→ガン ガン ガン ガン!→わかい いのちが まっかにもえ~て~ 
2023/02/22 Wed. 23:33 [edit]
ZIPPの303ファイアクレスト(→こちら)(→こちら)ですが、

1ヵ所だけでなく 散らばった位相で完全硬化していた
謎のシーラントが入っていました。
このシーラント、この状態では ダマが無い位相で
パンク穴をふさぐ仕事をしない気がします。
お客さんが組み換え後のリムに
取り付け希望として持ち込まれていたのが
フックレスリムのZIPPホイールに対して
フックレスリム対応タイヤのIRC アスピーテ プロだったのですが、
これは「フックレスリム対応だがチューブレス用タイヤではない」
というもので、いずれ 高級クリンチャーリムが
全てフックレス仕様になったとしても
チューブドで使いたいという要望が
あるだろうというのを見越して IRCが販売しているタイヤです。
ZIPPに限って言えば、リムの指定最大空気圧が5気圧で
だいたいの人が3.8気圧くらいまでで運用するだろうと思われるので
それをチューブドで(パンク時の応急処置を除いて)常用するのは
リム打ちパンクのリスクが高くて無理だと思われます。

ということがあり、結局 元のチューブレスタイヤを
引き続き 使うことになったのですが
このシーラントを タイヤから除去するのが非常に面倒でした。
爪が えぐれるかと思うほど 強固に貼り付いており、
なんとかカタマリを剥がしたあとで
さらに スチールたわしで こそげ落としましたが
完全に きれいにはなりませんでした。
カタマリが入っている状態だと、運用する空気圧を考えると
ホイールの回転バランスだけでなく
グリップ性能にも影響している気がします。
で、組み直したホイールのお渡しの際に
このシーラントが どこのものなのか訊いたところ、
「ブラックオックス」というブランドのものだということでした。
ブラックオックスでは スタンズでいうところの
タイヤシーラントとレースシーラントのように
乾燥までの時間が違う OX1とOX2というモデルがありますが、
今回のシーラントが どちらのものかまでは訊いていません。
それよりも ブラックオックスといえば、
私には 鉄人28号に出てくる
「日本初(たぶん)の主人公ロボットに対する巨大ライバルロボット」
のほうが想起されます
(「巨大」って入れておかないと鉄腕アトムで先例があるかも知れん)。
そちらのブラックオックスについては
知らないという方も多いと思われますので、
私の手持ちの資料から紹介したいと思います。


↑これが ブラックオックスです。
リボルテックヤマグチのフィギュアで、

手首から先は付け替えパーツがあります。
握り拳と 開いた手、あと4本指が開閉する手の3種類です。

シロッコだけでなく原作者も
「私の知らない武器が内蔵されているのか」と言い出しそうですが
おもむろにゲッタ○トマホ○クを取り出します。

原作とは色が違いますが、
何らかの宇宙線のようなものに侵食されたのかもしれません。

↑箱は こんな感じ
リボルテックヤマグチのNo.44ですが
そもそも同シリーズのNo.1がゲッタ○1、
No.105が それのリニューアル版です。
最初に出たほうは 新ゲッタ○のほうのスタイルなので
私としては あとから出たほうが好きですね。
そっちを買えばいいじゃんと言われそうですが、
ブラックオックスのデザインの影響を受けているであろう
後発作品(鉄人28号からだと ほぼ全ての作品が後発になりますが)の
ロボットの色に塗るというのが楽しいのです。
これと似たようなことが出来そうなのは
Gガンダムに出てくるマスターガンダムなどでしょうか。
あと、パトレイバーに出てくるグリフォンは
ブラックオックスがモチーフだと明言されています。

本体がABS樹脂で、
指で強く押すと少しへこむ感触がある素材だったので
塗料はGSIクレオスのアクリジョン
(アクリル+エマルジョンの かばん語)にしました。
溶剤もツールクリーナーも専用品が必要で、
塗装にコツがいるのが難点ですが
ABS樹脂にラッカー塗装をすると割れが出るので
仕方がありません。
最後にエアブラシで吹こうと思って
アクリジョンのクリアーを買いましたが
画像左端の水性トップコートで仕上げたので 使っていません。
黄色の上にあるのはリターダーという
筆塗り用の うすめ液ですが、これも必須です。

外観を 多少いじくっていますが
キリがないので ほどほどにしています。

ゲッタ○トマホ○クは プラ版やパテから自作しました。

赤のベースカラーを筆塗りした状態。
アクリジョンはベースカラーが 色付きのサーフェイサーのようなもので、
ベースカラー無しに塗装することはできないと思ったほうがいいです。

時系列が戻りますが、頭部に赤のベースカラーを塗る前に
口と額のメタリックグリーンを
白のベースカラーに塗った時点での画像です。
これは3度塗りの2度目ですが、一度に厚塗りするのではなく
薄塗りを重ねるのが基本です。
分かりにくいですが、この時点で 黄色い目に
黄色のテープでマスキングしています。

胸の部分は 赤のベースカラーに 赤を塗ったあと、
そのままメタリックグリーンを塗りました。
メタリックカラーは下地に対する隠蔽が強い色なので、
赤の上からベースカラーは塗っていません。
ここに合いそうなメタリックグリーンは
すでに持っていましたが 塗料の種類が違うので
顔と胸の部分のためだけに
アクリジョンのメタリックグリーンを買っています。
股間の黄色は 白ベースカラー+黄色で、
黄色ベースカラー+黄色のほうが発色が良くなりますが
妙なところでケチりました。
トップコートを吹いたら思いのほか ツヤが出たので
まあいいかという感じになりましたが。

ゲッタ○トマホ○クを出す肩の部分を金色、
肘の突起を銀色に塗りましたが 媒体によって
前者は白や黄色、後者は白にしている場合があります
(肘の突起はゲッタ○1の前腕部横にある
ギザギザだと解釈しています)。
先ほど メタリックカラーは下地に対する隠蔽が強いと書きましたが
筆塗りでムラが目立たないというのも特徴です。
つまり この色は甘えであり妥協です。
この2色だけは GSIクレオスの普通の水性塗料で塗りました。
完全乾燥後であれば アクリジョンに重ね塗りは可能です。


デジカメのホワイトバランスを
オートを含め どう設定しても 肉眼に近い赤が出なかったのですが
iphoneのカメラだと ほぼ同じ色に見える画像が撮れました。
ゲッタ○トマホ○クは 全て普通の水性塗料で筆塗りしていますが、
棍棒部分が トップコートもかけていないのに
やたらとツヤツヤしています。
category: 新手のスタンド使い
IRCの最後のタイヤをおろしました 
2023/02/22 Wed. 22:51 [edit]
裂け目があることに気付きました。
気付いたのは店でですが、店→家→店の あと一往復だけ
乗ったら タイヤを交換しようと思っていたら
その帰りの道中でパンクしました。
ただ、プシュンシュンシュンシュン!とパンクの音がしたものの
ホイール数回転(10回転以内なのは確か)で音は止み、
シーラントが仕事をしてくれて パンクは止まりました。
信号待ちでリヤタイヤを触ったところ、
指で強く押せば 少し凹むものの自走は十分可能な感じでした。
ここから インフレーターで下手に空気を足すと
「シーラントでふさがった穴が 内側から破れる閾値」を超えて
再びパンクする可能性があるので
家から数10kmも離れていれば
チューブドに切り換えるところ
10km以内くらいなら 自走のほうが二度手間にならないと判断し
そのまま 何もせずに帰りました。

↑こやつ
パンクには至っていませんが、
同じくらいの裂け目が もう1ヵ所ありました。
その2ヵ所のタイヤの内側からパッチを貼れば
まだ使えそうですが、タイヤを交換することにしました。
その前に。

↑シートチューブ後ろ

↑シートポスト後ろ

↑サドル後ろ中央から ぶら下げているライト
パンクのときに飛び散ったシーラントが付着しています。
これ、完全に乾くと なかなか取れなくなるので
要注意です。

またイメジのシーラントの話かよ、と思われそうですが
否定はしません。
グーグル検索で「imeji」って打つと
「imeji シーラント のむラボ」って出るようになったくらいなので
今回は シーラント自体の詳しい解説は避けます。
過去記事のリンクは(→こちら)(→こちら)(→こちら)(→こちら)
少しの間 店頭在庫を切らしていましたが、再入荷しました。
家にも少しあるはずですが

私も1本買っておきます。今回 仕入れたのも
バニラビーンズのようなマイクロファイバーが入った
「イメジ プラス」のほうだけです。

イメジのシーラントのボトル容器のアルミシールですが、

これを きれいに剥がすのは非常に困難です。
シールをめくろうとすると、容器の口のフチのほうが変形します。

で、上の画像では
細いマイナスドライバーを刺していますが
一旦 このように穴をあけて

ペンチなどでつまんで 内側から持ち上げるように めくると

きれいに めくれます。

まだ 残ってるやんけ!

きれいに めくれます(2回目)。

チューブレスタイヤ持ち上げセットことCO2ボンベキットと
新しいタイヤです。
タイヤはIRCのフォーミュラプロTLR S-ライトの23Cですが
タイヤ幅に関わらず 現行品はフックレスリム対応の
ビードのものに切り替わっていて、
これが 私物では最後のフックレス非対応モデルです。
シーラントのボトルにラップを巻いてあるのは
アルミシールを剥がす画像を 店のほうで撮ったからです。

↑パンクしたタイヤです。
パンク箇所は ちょうど画像の中央あたりですが、
分かりにくいので

強く息を吹きかけました。
画像中央の、少し盛り上がっているのが
シーラントが集まって パンクをふさいだ部分です。
数ヵ月前に入れたシーラントですが ダマにならず
息を吹きかけたくらいで動く液状を保っています。

指の腹で軽く触った程度では パンクの栓が取れませんでしたが、
爪で引っかくようにすると あっさりポロッと取れました。
強いダマは形成しませんが、今回もそうだったように
サイドカットレベルの大きな裂け目でなければ
パンクをふさいでくれることも多いです。
タイヤ幅25Cくらいまでなら、パンクを別とした
エア抜けを防ぐという意味で運用できるギリギリの量が
30mlくらいと 経験的に分かっていますが、
その量だと 今回のようなパンクをふさげない可能性があるので
最近は50ml弱くらい入れています。
どこかのブログで「シーラント1mlは重量1g見当でOK」と
いうのを見てから(→こちら)
「最軽量ブチルチューブより軽いなら まあいいか」
と思うようになりました。

新品のタイヤに交換しました。
フックレス対応モデルは FORMULA PROのあとに
同じ字体で HLという字が追加されていますが、
これは非対応モデルです。
ビードが上がったときに飛び散ったシーラントを
シャワーの水で洗い流したのですが、
タイヤが新品で離型剤が残っているからか
やたらと 水を弾きます。
category: のむラボ日記
ボーラウルトラ35さん 
2023/02/20 Mon. 23:52 [edit]

落車で スポークが1本曲がっています。

↑これだけなら 簡単に直るのですが、
スポーク交換だけで直らない事情がありました。



↑これは カンパニョーロのホイールと関係ない、
汎用サイズよりも大きいニップルと
それを受けるアルミ製のワッシャーですが、
ボーラなどのホイールでは
カーボン製のこれと同じような形状のワッシャーが
リムの成型時に リム穴の内側に接着してあります。
スポークに大きな衝撃が加わると、
まれにですが 厚みが薄い左右方向が割れ
前後に分割された破片がリム内に落ちます。
今回のホイールでも それが起きており、

通常であれば ニップルの出しろは
このようになるはずが

曲がったスポークの箇所は スポークをホイールの内側に引っ張ると
こんな感じになります。
お客さんは そこそこ遠方から
このホイールをお持ち込みされていますが、
当店を教えた お客さんの知り合いによれば
「のむラボで直せないホイールは無い」などと言っていたらしいです。
「のむラボでダメって言われたら どこ行っても無理だからあきらめろ」
とも言われたそうですが、それくらいなら まあいいや。
リム穴周りにクラックなどが無いので、
ワッシャーの問題だけ解決できれば 直せそうです。
廃版で 新品が入手困難なうえに 高額なホイールなので
なんとかしたいところです。

曲がっていたスポークと並行に走る
G3組みフリー側の 見かけ上の相方のスポークも
一旦 外しました。

↑正常なリム穴

↑ワッシャーが割れたリム穴
厚みが違います。
あと、割れたワッシャーの欠片は
リムから落ちて もう無いということです。

サピムのニップルワッシャーBの旧タイプこと
旧Bを 2枚重ねて接着したものに専用のニップルを通しました。
ワッシャーにはニップルが通らなかったので
ルーターで削りました。

さらに あとから分かったことですが、
ボーラのバルブ穴には 内外とも(外周側のほうが大径)
旧Bワッシャーも 新Bワッシャーも入らなかったので
ワッシャーの側面を、通せるギリギリのサイズまで削っています。
これを磁石で誘導するのですが、
旧Bワッシャーを選んだことにより
作業が難しくなりました。
旧Bワッシャーのほうが加工する寸法が少なくて済みそうなので
選んだのですが、新Bワッシャーは磁石に対して
うっすらとしか 反応しないところ
旧Bワッシャーは強く反応します。
昔のZIPPのホイールを組み直す場合などで
使われていたのが 旧Bワッシャーであった場合、
強めの磁石を リムに当てれば
ほぼ一撃で回収できるくらいです(→こちら)。
バルブ穴以外の穴が外周側にあいていないリムに対しては
ニップルのねじ穴に磁石に反応するアダプターを取り付けて
それを磁石で呼ぶわけですが、
今回の件では 旧Bワッシャーのほうに強く反応するので
ニップルを呼ぶのに苦労しました。
あと、ニップルからワッシャーが落ちないのには理由がありますが
これについては メシノタネコードとしておきます。

ワッシャー2枚で 純正とほぼ同じ見た目の出しろになりました。
純正の状態よりも ニップルの摺動抵抗は大きいですが、
首元が汎用ニップルよりも肉厚な特殊ニップルなので
ワッシャーの穴のフチの接触点のエッジに切られて
破断することは まずありません。


直りました。
調べごとで外したスポークとニップルは元に戻しています。
貼ってあるテープは 一旦 完全にテンションを抜いたり
外したりしたスポークの目印です。
この2ヵ所のニップルの調整だけで横振れ取りを追い込んだところ、
かすかながら ここより振れている箇所が現れました。
それが ほぼ「落車する1秒前のホイールの状態」です。
そこから微細な横振れ取りをした時点で
初めてセンターゲージを当てましたが、
ゲージを当てる前にお客さんに予言した通り
リムがフリー側にずれていました。
経年使用による傾向です。
センター出しをしましたがお客さんに見せているので
画像は撮っていません。
ついでに お持ち込みされた前輪は
センタードンピシャの箇所と そうでない箇所が混ざっていました
(片側で採った寸法を もう片側で当ててゲージを回すと
ゲージがリムに擦る位相と擦らない位相がある)。
これは、センタードンピシャだったホイールに
振れが出たことによるものです。
センターずれと判定される箇所の
ずれの量も わずかだったので 片側偏重の横振れ取りをしたら
たぶん勝手にセンターが出ますよ、と言って
ちょこちょこと小さい振れを追い込んだら
やはり勝手にセンターが出ました。
完全な状態から ほんの数手だけ回された
ルービックキューブを戻したような感じです。


↑交換したスポーク
あと画像にはありませんが ニップルも新品に換えています。
category: のむラボ日記
のむラボホイール8号の前輪を組みました 
2023/02/19 Sun. 22:18 [edit]

XTのハブで のむラボホイール8号の前輪を組みました。
昨日の後輪の相方ですが、
こっちだけ のむラボホイールとなっているのは
「のむラボホイール8号は 当店で仕入れたAL22Wリムの
ディスクブレーキ用リムで組んだホイール」という定義だからです。
昨日の後輪のAL22W リムブレーキ用リムも
当店で仕入れたものなので 明文化していないワランティは
のむラボホイール同様 リムにもかかります。
ホイールのパーツの全部または一部に お持ち込みのものがあっても
当店で組まれたホイールであれば 以後の振れ取りは無料です。
たとえば 今回の前後輪のパーツは全て当店仕入れのもので、
先日のプリンストンのホイールの組み直しの件は
当店で仕入れたパーツは 前後輪のスポークの角度が立っている側の
黒CXスプリントだけですが、振れ取り無料なのは同じです。
おっと あまり明文化しないでおこう。

HB-M8000 黒チャンピ/コンペ・・・
いや右側から読むから 黒コンペ/チャンピですね。
半コンペと呼ぶときは コンペ/CX-RAYと
CX-RAY/コンペの どちらも場合も指すのですが。
ロクヨン逆イタリアン組み結線無しで 青アルミニップルです。
category: のむラボホイール
AL22Wリムで後輪を組みました 
2023/02/18 Sat. 22:43 [edit]

AL22Wリムで後輪を組みました。

FH-M8000 32H 黒チャンピ/コンペヨンロクJIS組み
結線無しで青アルミニップルです。

100/135mm幅のクイックの前後ハブで
前輪をディスクブレーキ用、後輪をリムブレーキ用のリムで
組むのですが XTグレードで ハブを前後そろえるという点を
重視したので ディスクブレーキ台座ありのハブと
リムブレーキ用のリムで組んでいます。
Vブレーキ用のハブは 現行のXTにはありませんが、
XTグレードで クイックのハブが今でも入手できたことに驚きです。
T6000デオーレ・T4000アリビオ・T3000アセラなどの
トレッキング用コンポとしてのT8000系XTかと思ったら
M8000で M品番なので
一応 マウンテンバイク用のパーツということになっています。
センターロックが出た当初は ディスク台座のスプラインにかぶせる
キャップが付属していましたが、現在は廃版ではないものの
オプションということなので注文をしました。
category: のむラボ日記
プリンストンの後輪を組み直しました 
2023/02/17 Fri. 23:54 [edit]

昨日の続きです。
プリンストンのウェイク6560の後輪のハブを交換します。

元のハブは 前輪と同じくチューンのもので
24H 全黒CX-RAYヨンヨン組みでした。


後輪は、反フリー側もフリー側も
なにか繊維のようなものを最終交差に噛ませて注油してありました。
音鳴りの防止または軽減を狙ったのでしょう。
私が この最終交差をにぎにぎした限りでは
顕著にペキペキと音が鳴ったわけでは無いですが、
ヌルイのは確かです。
といっても これも 私が過去に張っており
左右同本同径組みという この条件下では ほぼ最高値なのですが。

ハブのお引っ越し中・・・。

わざわざ こんなふざけたやり方を採る必要はありませんが、
記事としての絵面を重視しました。
リムの寸法や重量に関して 知りたいことは知り終えたから
できることでもあります。
作業時間の短縮になるなど 効率がいいやり方かといえば
全く そんなことはありません。

組めました。

DT180ストレートスポーク用ハブ 24H
半黒CXスプリント 左右強制2クロス組み結線無しです。


組み換え前後で センタードンピシャという条件が同じで、
反フリー側のスポークの番手が変わっていないのに
にぎにぎしたときの変形量は ずいぶん減りました。
もっと言うなら 元のチューンのハブで左右異径異本組み、
後輪に関しては ストレートスポークでは供給が無いので出来ない
半コンペにしたほうが より良くなりますが
もうDTのハブを買っちゃったというので仕方がありません。
category: のむラボ日記
WH-R9270-C50-TLさん 
2023/02/17 Fri. 18:05 [edit]
50mm高チューブレスホイールをお預かりしました。

走行2000km以内のもので、点検をご希望です。


↑前輪の暫定センタードンピシャ


↑後輪の暫定センタードンピシャ
前後輪ともに 乗って出たのか 元からあったのか
分からない程度の振れがありましたが、
それを取っても センタードンピシャのままでした。
お客さんが これを買った近所のショップか
(まあ そこが100%信用できないから
当店に送ってきたのでしょうが)
最初に組んだマレーシア人(厳密にはマレーシア在住の人)が
ちゃんと仕上げたのでしょう。
ここからは、いい機会なので
検体として扱わせてもらいます。

最新の12Sスプロケットは通す、
それ以外のスプロケットは通さないという
スプラインのフリーボディです(→こちら)。
10S専用アルミ製フリーボディのときにも同じことをしていましたが、
こんなことをして このデュラエースの素晴らしいホイール使いたさに
12Sコンポの普及促進につながるとか
本気で思っているんでしょうか。

チューブレスバルブを 一旦 外させてもらいました。
さすがに 調べごとのためだけに
チューブレステープを剥がすわけにはいかないので

当店で いま 組み直し希望で お預かりしている
アルテグラのC50(別に C36でもいいんですが)の
チューブレスリムホイールから、
作業の都合上 どのみち剥がすことになる
チューブレステープを剥がしました。

↑それの実測重量です。

今回の R9270-C50-TLの前輪の
リムテープあり、チューブレスバルブ無しの実測重量です。
メーカーの公称重量(正確には「平均重量」呼び)は 674gですが、
これは どのパーツまでを含んでいるのかについては記載がなく、
仮に リムテープもチューブレスバルブも無い状態だとすれば
まあ だいたい本当のことを言っていることになります。
C36とC50は 番手が同じスポークなので、
スポーク比重が分かっていれば
長さが変わっても かなり正確な概算重量が出せます。
以前に C36のチューブラーの前輪のスポークを量りましたが
そのときは 左側が282mmで62.55%、
右側が285mmで61.89%だったので、
スポーク比重62%と仮定して
今回のC50-TLの左右スポークの269/267mmで
スポークの重量を概算すると 102.48gとなります。
この計算結果と フロントハブの実測重量と
ニップル24個の実測重量は(→こちら)です。
フロントハブは カップ&コーン式なので
カートリッジベアリングよりは グリスの多寡で重量がブレますが
数gも変わりません。
スポーク比重だけは概算値ですが、
これも数g(ひとけたグラム)の範囲を超えるほどの狂いはありません。
よって、そこから導き出される今回の前輪のリムの重量は
リムテープありホイール 685g
-リムテープ 8g(実測値/目量1g)
-フロントハブ 116.2g(実測値/目量0.1g)
-ニップル24個 10.1g(実測値/目量0.1g)
-スポーク24本 102.48g(スポーク比重を62%とした場合の概算値)
=448.22gとなります。
これは かなり正確な数値です。
ロヴァ―ルのCL/CLX50のリムより うっすら重いものの
組み直しに際して 2:1組みを強いられることもなく
わずかながら(といっても これが大きいのですが)
シマノのリムのほうが張れるので
ホイール組みの材料としての、リム単体の性能として見れば
シマノのC50TLのほうが優れています。
リンク先の記事では、さらに計算しやすいように
デュラエースの前輪からリムを除外した
ハブからスポークが出ていて
その先にニップルが付いているという
「ウニ」状態の重量を載せていますが、
C50-TLの場合 それが228.78gなので
今回の前輪の実測重量685gから引けば456.22gとなります。
先ほどの結果と8g違うのは リムテープのぶんです。

↑これは後輪を右側(フリー側)から見た状態で、
画像左から バルブ、右スポーク、左スポーク、右スポークです。

少し傾けると こんな感じ
2:1組みの1ペア3本ですが、リム穴に差し金を当てたりしてみても
明確に右左右の穴振りになっているようには見えません。
つまり このリム、2:1組みの24Hでありながら
左右同数組みの24Hリムとして使えるということです。
実際に、すでに買ってしまったR8170の2:1組みの後輪が
あまりにヌルいので組み直してほしいということで
左右同数組みで組み直したことがありました(→こちら)。
ただ、どのみち左右同数組みの後輪に組み直すための
材料としてしか見ていないのであれば
元から左右同数組みであり値段も安い
前輪を買ったほうがいいのは確かです。

これは また別件(先ほどリムテープを剥がしたC50-TLとも別件)で
作業は後日になりますが
お預かりしているR8170の C36とC50の
チューブレスホイールのペアで、

C50の前輪と

C36の後輪です。
なんでも、値上げ前の去年ギリギリに
近所のショップをハシゴしたところ
この組み合わせでしか在庫が無かったとのことで、
当店で組み直すこと前提で買ったということです。
もし私が断ったら どうするつもりだったんだ
とか思わないでもないですが、引き受けました。
category: のむラボ日記
レーシング700さん 
2023/02/16 Thu. 23:44 [edit]

完成車に付属させるために流通しているモデルで、
通常の販路では売っていないモデルです。
通勤や普段乗り用のバイクに付けようと思って
オークションで買ったとのことですが、
スルーアクスルに関するエンドのパーツが欠品しており
それの取り寄せと 点検をご希望です。
必要なパーツは入荷しました。

8+16の24Hです。
こういう、首折れスポーク用のハブで
汎用と違う穴があいているものを見ると
イケナイ妄想が はかどります。
クソアホロヴァ―ルのディスクブレーキの後輪と同じく
少スポーク側をタンジェント組みしているので、
多スポーク側のほうが 最終交差をにぎにぎしたときの
変形量が大きいです。
ディスクローター側じゃないので
ビビってタンジェント組みしなくてもいいと思うのですが・・・。

前後輪とも オフセットリムです。

はっきりしたハンプがあるチューブレスレディリムですが、
メーカーの純正で ストレッチバンドタイプの
リムテープが貼ってありました。
現状、だいたいの位相で
リムの全幅に渡って 張られた格好になっていますが


凹みに引きずり込まれて リムの全幅をカバーできなくなったうえに
ハンプの部分で 癖が付いてしまった箇所があったので

時系列がとびますが スタンズのテープに変更しました。
後輪のリムテープも同様の傾向だったので
スタンズのテープに変更しています。

そこから 時系列が ちょっとだけ戻りますが、
前輪のリムに どでかい切削カスが残っていました。
バルブ穴以外に穴が無いリムでは無いので
ホイール組みの際に落ちる可能性が高いはずですが、
リムの中に残っていました。
あと、リムのハンプは 上の画像の通りです。

ディスクローターの台座はセンターロックですが、
センターロックのロックリングには
カセットスプロケットのロックリング工具に対応する
「INT/内締め」と
初代ホローテックII BBの工具に対応する
「EXT/外締め」がありますが
いずれにしても ロックリング側が おねじ(中空ボルト)で
台座側が めねじです。
が、カンパニョーロ/フルクラムの完組みホイールの
センターロックは 台座側が おねじとなっており
ホイールに対して専用のロックリングが
めねじ(ナット)となっています。
対応工具は初代ホローテックII BBのみです。

↑なので内側には ねじ山がなく、

このように 通常のロックリングは合いません。
これの何が問題なのかというと、
おそらく お客さんは このホイールを使ったことが無いはずで
(エンドのパーツが欠品して使えない状態だったので まず確実)、
それなのに「なんかテキトーに安いローター付けててちょ」と
お願いされているので、このホイールの購入時に
専用ロックリングが付いていないことを知らない可能性が高いからです。
ロックリングは入手可能、しかも即入手可能ですが
1枚あたりの税別定価が2700円もします。
安いローターよりも 高いです。
どーしよう。


↑これは暫定センターで、わずかにあった振れを取ったあとも
センターずれは発生しませんでした。
ほぼ同じ画像になるので 撮っていませんが。
ハブの玉当たりは ゆるんでいるのではなく むしろ締め過ぎで、
回転にソリソリした感触がありましたが
少しゆるめてやると ガタが無いのに
回転に濁りが無くなるところが すぐに見つかりました。

つづいて後輪。

なんで後輪は ローター側なのにラジアル組みやねん。
しかし、ヌポークラジアルにしてある点は 好感が持てます。
絶対にラジアル組みをしないといけないとしたとして、
ローターと干渉しないことさえ確認されれば
私も同じことをします。


暫定センターは、リムが反フリー側に寄っていると出ました。
両エンドのパーツがピカピカなのは、
これが 取り寄せた新品だからです。

ゴクッと目立つ横振れが1ヵ所あり、
その位相のスポークに塗装欠けがありました。
振れと関係あると思い このスポークのテンションを抜いたのですが、
スポーク自体は全く曲がっていませんでした。
しかし 振れとは無関係だと考えにくいので
このスポークの周辺のスポークも慎重に触診したのですが
どれも曲がっていません。
番手は 14番プレーンだったので
DTの黒チャンピオン14番に交換しました。
それから フリー側のニップルを 3~4ヵ所
増し締め方向で かすかな振れ取りをしたのですが


振れ取りを終えた時点で 勝手にセンターが出ていました。
あの暫定センターを埋めるほど フリー側を締めていませんし、
そもそも 片側12ヵ所のニップル全てを増し締めてもいません。
どうも、たまたまですが 暫定センターは
最も振れていた位相直下あたりにセンターゲージを当てていたようです。


直りました。


↑交換したスポーク
見ての通り、全く曲がっていません。
CX-RAYの新品でも 製造工程の加工の結果か
これより反っているものがあるくらいです。

首元に、爪が引っかかるくらいのクラックがありました。
もしかしたら、スポークテンションがかかると
クラックが広がるのかもしれません。
というか、そうでないと
曲がってもいないスポーク直下の位相で
あんな横振れが出るわけがありません。

後輪のリム、とくに右側に チェーンオイルによると思われる
汚れがありましたが まだ何とかなりそうな感じだったので

何とか きれいにしました。

先ほども書きましたが
後輪も テープタイプのリムテープに換えています。
上の画像は ずれていた箇所です。


同じお客さんから スペシャライズドの完成車についている
AXISブランドの前後輪を お預かりしました。
レーシング700のエンドのパーツの入荷を待つ間に
つなぎとして オークションで落札してみたホイールとのことです。
こちらも点検をご希望で、ハブの回転がノッソリしているのが
気になるとのことです。

こちらもチューブレスレディリムに
ストレッチバンドタイプのリムテープが張ってありますが、
ハンプが無い(ほぼ無い)リムなので
折れた癖は付いていません。

凹みに引きずられて リムの全幅を
カバーしていない箇所はありましたが。
それはいいとして・・・




後輪の 高テンション側であるフリー側のリム穴ほぼ全てに
クラックが入っていました。

ひどいところだと

↑リムが持ち上がっています。
これに気付いたので作業に入っていません。
このホイールに リム交換をするほどの費用を
かけてもいいというのであれば やりますが。
category: のむラボ日記
プリンストンの前輪を組み直しました 
2023/02/16 Thu. 22:12 [edit]


お客さんから ホイール1本用バッグを2つ入れた
イケアの取っ手付き収納バッグを お預かりしました。
いわゆるブルーシートのクリア素材のもので、
商品名はDIMPA(ディムパ)です。
公称のサイズは65×65cmの正方形で
奥行きが22cmとなっていますが、
タイヤを履いていないホイールが
ホイールバッグ抜きでも650mmくらいの直径と、
ホイールバッグを除外した前後輪の
オーバーロックナット寸法の単純な合計が242mmなのに、
ハードケースでは無いので ホイールバッグ2本が
やや ゆとりを持って入っています。
中のホイールがタイヤを履いていたら きついかもしれませんが。
押し入れや物置や車載に ホイール2本分のバッグを
入れる手段として、ホイールの保護と
収納箇所のホイールからの汚れ防止の双方に いいかもしれません。

ジッパーのツマミは2つあり、どちら開きにするか
閉めたときのツマミをどこにするかが 自由に決められます。

それはともかく、お客さんからプリンストンというブランドの
ホイールを お預かりしました。

内周側が波のような輪郭になっている
カーボンチューブレスリムのホイールです。
今日は前輪を やります。
ZIPPに怒られそうなリム形状ですが、実際 訴えられました。
ZIPPというかSRAMは プリンストンに対して3倍額の賠償と
メーカーのリム在庫の破棄を求めていますが、
2年前から始まった告発→裁判が 陪審裁判になることが決定し、
ちょうど今月の 2月13日から2週間の予定で開始されます。
結果によっては このリムが入手不可になるかもしれません。

プリンストン

カーボンワークス

ウェイク(モデル名)6560とありますが
数字は 高低の部分のリム高それぞれを意味しています。
実測したら65/60mmではなく 65.7/60.2mmでしたが。

お預かりした理由ですが、後輪のスポークの
最終交差から ずっとパキパキと音がするのを
何とかしてほしいとのことです。
少し前に当店で 吊るしの状態から まだ張れると判断し
スポークテンションを張れるだけ張ったのですが、
多少マシになったものの 解決はしませんでした。
これを、DTのストレートスポーク用のハブで組み直します。
ハブを前後とも買っているので 前輪も組み直します。
元の状態は前後輪とも チューンのハブ 24H
全黒CX-RAYヨンヨン組みです。

うげっ、こいつ外周側に穴が無いリムやんけ!

バラしました。

ニップルがリム内に落ちないように
テープで留めていますが
24H中 1ヵ所だけはニップルを回収しました。

ニップルは14mm長さのもので
まず間違いないのですが 一応 ちゃんと測りました。

あと、リム内径を調べるのに
リム穴の厚みが知りたかったというのもあります。

リム+ニップル23個+テープの重量です。

テープ単体の重量です。
ごくまれに1gを示しますが大半の時間では0gでした。

その上から、実際にリムに付いていたものとは違いますが
同じサピムの14mm黒アルミニップルを23個 乗せました。
これを先ほどのニップル付きのリムの重量から差し引いたものが
ほぼ正確な リム単体の重量です。
絶対重量は大して軽くありませんが、
リム高を勘案した相対重量では まあまあ軽いリムでした。

組めました。

DT180ストレートスポーク用ハブ 24H
半黒CXスプリント 左右強制2クロス組み結線無しです。
お客さんから 前後左右12本ずつの
黒CX-RAYストレートを お預かりしており、
長さを調べたところ どう調べたものか
ちょうど合っていましたが
それが余ってもいいので 片側を黒CXスプリントにしてもいいと
言われています。

左右ともに最終交差を編みました。
このハブを使った メーカーもののホイールでは
最終交差を編んでいないことが多く、
編まなければ 絶対に交差からの異音は発生しませんが
お客さんと相談して編むことにしました。
もし 鳴ったら 結線をするかもしれません。
category: のむラボ日記
のむラボホイール5号の前輪のリムを交換しました 
2023/02/14 Tue. 22:50 [edit]

お客さんから のむラボホイール5号の前輪をお預かりしました。
原付に 横から ぶつかられたということで、


リムがポテチになっています。
リムの交換が必要です。

リムのお引っ越し中・・・。

組めました。

↑リムにピント

↑ハブにピント
こういう画像のときに、
ハブとリムの どっちにピントを合わせるのかの操作が
前に使っていたデジカメは簡単かつ確実に出来たのですが
いま使っているデジカメだと操作が煩雑です。
それはいいとして 元のホイールと同じく
HB-7700 28H CX-RAY ヨンヨンイタリアン組みです。

↑組み直したホイールに元のリムを添わせると こんな感じ
category: のむラボホイール
穴無しチューブレスリムで前輪を組みました 
2023/02/13 Mon. 22:02 [edit]

昨日の続きです。
穴なしチューブレスリムで前輪を組みました。

青アルミニップルで

レボディスクハブ 24H 半CXスプリントロクヨン逆イタリアン組みです。
結線は あとでやります。

前輪ならディスク台座側、後輪ならフリーボディ側を
こっちにしろというシールが貼ってあります。

このスポーク穴のスポークの向きを
こっちにしろというシールが貼ってあります。
別の言い方をするなら 正リムとして組めという指示です。

実測重量です。
今回のリムですが、

ライトバイシクルの ロゴ無しオーダー品です。
category: のむラボ日記
ボーラWTO45&60さん 
2023/02/12 Sun. 23:48 [edit]

WTO45の前輪とWTO60の後輪のペアです。
フルクラムのスピード40&55などもですが、
カンパニョーロ/フルクラムの完組みホイールを
前後リム高違いのペアで販売しているのは
某永世中立国の海外通販くらいしか 私は知りません。
現オーナーはセカンドオーナーで、点検を ご希望で
ファーストオーナーからの送り先として当店を中継しています。
つまり、未だ このホイールは
現オーナーに触れられたことが無いというわけです。
フリーボディに かすかながらスプロケットの取り付け痕があるので
いくらかは使っているようです。
つまり、海外通販の代理購入というわけではなく
ファーストオーナーのほうでも使用歴があります。

ブレーキゾーンのAC3処理の左右の向きは 合っていました。


リムが右側に ずれていました。

↑これくらい

新シャフトだいばくはつ防止処理を
ご希望だったので やりました。
ねじ止め剤を たっぷり塗布しているはずの
右エンドボルトが 先にゆるんできました。

なんとか 左エンドを外せました。
右エンドのねじ山に 元以上の強度のねじ止め剤を塗布、
左エンドのねじ山は グリスを塗布して
あとから ゆるんでこない程度に締めたので
今後 左右エンドに5mmアーレンキーをかけて
右が先にゆるむことは まず無いかと思います。


センターを出しました。
かすかながら 振れもありました。

つづいて後輪。
リムを振ると音がする異物が かなりの量 入っていました。

↑このバルーンのカスみたいなのは
リムを振るだけでは落ちてこないので

ピンセットで つまみ出しました。


振れほぼ無しで 暫定センタードンピシャだったのですが、
スポークテンションがヌルかったです。
明らかに出荷基準の振れ幅の下限を割っています。
このホイール、前のオーナーが手放した理由が
「ディスクブレーキバイクに移行したから」とかなら いいのですが、
もし「買ってはみたものの 思ったほど走らない気がする」とかであれば
非常に惜しいことをしています。
それは ずれている前輪と ヌルい後輪に対する評価なので。


というわけで まずフリー側を増し締めしました。
当然ながら リムは右側に ずれます。
この程度かよ、と思うかもしれませんが
吊るしのボーラのフリー側を増し締めするということ自体が異例で、
フリー側は 反フリー側よりニップルの回転量当たりの
リムの横移動量が少ないことを考えると
これでも かなり増し締めています。


反フリー側の増し締めでセンターを出しました。
元より締めていないニップルは ひとつとしてありません。
念のため書いておきますが、意味もなく無茶苦茶に張ったわけではなく
吊るしであり得る範囲の上限くらいまで張っただけです。
増し締め方向の振れ取りしろも 残しています。
category: のむラボ日記
穴無しチューブレスリムで後輪を組みました 
2023/02/12 Sun. 22:43 [edit]

お客さんからお預かりしたカーボンリムで後輪を組みました。

バルブ穴以外に 外周側に穴が無いチューブレスリムです。

レボディスクハブ 24H 半コンペヨンロクJIS組みで

青アルミニップルです。
結線は あとでやります。
category: のむラボ日記
XR361リムで後輪を組みました 
2023/02/11 Sat. 23:28 [edit]

昨日の続きです。
XR361リムで後輪を組みました。

ホワイトインダストリーズ CLD 135mm幅クイックハブ
32H 黒半コンペヨンロクJIS組みです。
結線は あとでやります。
スポークが32本と多く オフセットリムなので
フリー側はCXスプリントにしてもよかったのですが、
コンペティションにしました。


ホワイトインダストリーズのハブは
エンドのパーツを固定するイモネジが
120°位相ごとに 計3ヵ所ありますが、
そのイモネジにアーレンキーを通すための穴が
ハブ胴の端などに あいていたりします。
ホワイトインダストリーズ製のロルフプリマのホイールで、
前輪では ハブフランジの上に穴があります(→こちら)。

それが このハブでは
センターロックのスプラインの上にありました。
しかも わりと端っこギリギリです。
category: のむラボ日記
WH-7900-C35-TUさん 
2023/02/10 Fri. 23:40 [edit]
フルカーボンチューブラーリムの後輪をお預かりしました。

なぜ「フル」カーボンと書いたのかというと
これのWOリム版は アルミにカーボンをかぶせた
セミカーボンリムだからです。

製造年月コードはKCなので、2012年の3月製です。
厳密には このハブが作られた日付であって
ホイールに組み付けられるまで
数ヵ月のずれがある場合もありますが。

チェーン落ちなのか、フリー側のスポークが1本曲がっています。
このホイールのスポークですが、リペアパーツカタログを見ると
さらっと フリー側294mm/反フリー側295mmと書いてあるだけですが
実は左右異径組みです(左右異径組みに言及している資料も 別にあります)。

反フリー側のスポークは カンパニョーロのスポーク押さえ工具の
B溝に入りますが、

フリー側のスポークは入りません。
このスポーク、CXスプリントとは形状もスポーク比重も違います。
CXスプリントはスクエアエアロよりの形状ですが
このスポークはエリプティックエアロ寄りの形状です。
スポーク比重については、ひとつ前の記事の
アウトバテッドスポークほどの極端な差は無いので
もし純正のスポークが手に入らないなら
仕方なく使うことも可能ですが・・・

「あったよ!純正のスポークが!」

「でかした!」
ちなみに、反フリー側のスポークは 形状もスポーク比重も
CX-RAYとほぼ同じなので CX-RAYで補修します。


直りました。

↑交換したスポーク
category: のむラボ日記
ボーラウルトラツーさん 
2023/02/10 Fri. 23:11 [edit]


スポークが1本とんでいます。
最近は これくらいなら記事用の画像を撮らないことも多いのですが
記事としてのバリューが2つほどあるので 記事にすることにしました。

まず 1つめですが、ダストキャップを外したところ
ハブ体左側の玉当たり調整ナットの固定ボルトに
工具をかけるための切り欠きがあるところ
なぜか無く、

右側にありました。

↑これ
以前に このホイールをオーバーホールしたショップのスカタンです。
どこのショップか お客さんに訊きましたが ここには書けません。
ていうかCULTの前輪って 玉当たりにガタが無ければ
ベアリングのグリスアップも無いので
オーバーホールする要素ってあるんでしょうか?
めったに無いことですが CULTベアリングのボールレースが
虫食ったときに ベアリングパーツの交換をするくらいしか
ないと思うのですが。
と思って スポークを補填したあとにセンターゲージを当てたら
けっこう ずれていました。
スポークがとぶ前から ずれていたのは確実です。
オーバーホールということで預かったなら それくらい修正しろや。

スポークの交換に ハブシャフトの抜き取りが必要なので
(だから このことに気付いたのですが)
再組み付けの際にハブシャフトの左右を変えました。
変えたのは 厳密に「ハブシャフトの左右」だけです。
ハブシャフトを抜き取ると たいてい右側の玉押しが付いてきますが
それを 左側のベアリングに入れないように、
つまり元のパーツの左右の位置関係が変わらないように
注意しました。

2つめの話ですが、上の画像は交換したスポークです。

ねじ山始まりの位置で破断しており、
ペンチでつかめる程度には ニップルからねじ山が出ていたので
スポークのねじ山部分を回収しました。

それはいいとして このスポーク、

14-13-14番(2.0-2.3-2.0mm)バテッドという
スポーク比重100%以上に逆軽量化された
アウトバテッドスポークなのです。
一時期のカンパニョーロの完組みホイールで、
ラジアル組みの前輪のバルブ穴の対岸の位置の左右2本と
G3組みの後輪のバルブ穴の対岸の位相のフリー側の平行な2本が
このスポークになっていた時期があり、
今回のボーラウルトラツーは
クリンチャーリムやワイドリムの概念自体が無かった頃のもので
内蔵ニップル仕様ですが、
同じく内蔵ニップル仕様のボーラウルトラツーでも
後年のモデルでは このスポークが混ざっておらず
全てエアロスポークになりました。
このアウトバテッドスポークはバランス取り目的でやったのでしょうが、
GIANTのDBL(→こちら)と同じく ホイール片側で
あまりにスポーク比重が かけ離れたスポークを混ぜると
スポーク比重が大きいスポークが だるんだるんになったり
逆にスポーク比重が小さいスポークがキンキンに張ったり
横振れと縦振れを両立するのが まともな範疇では
実質 無理になったりします。
このアウトバテッドスポークですが、
やってますというアピールからか 他のスポークが黒なのに
アウトバテッドスポークだけ銀にするなどしている場合もあり、
「オークションで買ったボーラに 姑息的な修理の履歴なのか
丸スポークや銀スポークが混じっているので 直してほしい」
というようなことを言われたことが何度もあります。
そういうときは「その時代のモデルでの仕様ですが、気になるなら
すべて同じスポークになるように交換することもできます」
と言っています。
そういう提案を 今回もお客さんにしたのですが、
今回は丸スポークで補修しました。
category: のむラボ日記
XR361リムで前輪を組みました 
2023/02/10 Fri. 22:43 [edit]

DTのXR361リムで前輪を組みました。
リムの径は 29インチというか700Cです。

ホワイトインダストリーズ CLDクイックハブ
32H 黒半CXスプリントロクヨン逆イタリアン組みです。
結線 はあとでやります。

CLDというモデル名は
センターロックディスクを意味します。たぶん。

XR331リムと違い XR361はオフセットリムです。
category: のむラボ日記
カンパニョーロとDTのラチェットリングについて 
2023/02/09 Thu. 23:27 [edit]
ラチェットの山について書いていたら
長くなったので 別記事にしました。

このラチェットの山ですが、実は交換可能です。
今は載っていませんが、
かつてカンパニョーロのスペアパーツカタログには
このパーツの品番と 3個1セットでの価格が載っていました。
が、「サービスセンター オンリー」という注釈があり、
脱着する工具を一般販売していないので
交換は サービスセンターこと
カンパニョーロにジャパンいちくわしい問屋さん送り
という対応となります。
このラチェットの山が あまりに減ると
爪かかりが たまに前に滑る症状が出ます。
爪起こしバネが新品でも滑る場合は ここを交換したほうがいいです。
このパーツは3個1セットでの価格設定ですが、
1個を その3分の1の価格で売ってくれました
(取り付けはサービスセンターでですが)。

過去に交換してもらったラチェットリングです。

山の摩耗度がひどいものほど
下に置くようにすると こんな感じ

一番ひどいものです。
DTでは、同社のハブのラチェットリングの交換工具を販売しています。
なぜかというと、ハブ体右側ベアリングの交換に
このラチェットリングの脱着を要する仕様だからです。


↑画像左が3つ爪ポールスプリング用、
右がスターラチェット用の工具です。
どちらのラチェットリングも ハブ体に対する
ねじ山の寸法は同じなので、費用的に考えて
やる人は まずいないと思いますが
3つ爪ポールスプリングのリヤハブをスターラチェット化することも可能です。
さらに やる意味が不明ですが、その逆も可能です。
ちなみに この3つ爪ポールスプリング用の工具を
カンパニョーロのラチェットリングにかけようとすると
工具の径のほうが小さくて 全くかかりません。

私物として DTのX1900というホイールの後輪だけを買いました。
142mm幅のスルーアクスルですが、
私は この後輪に適合するフレームを所有しておりません。

3つ爪ポールスプリング仕様ですが、
全く同じ形状では無いものの 爪の納まる位置が
鏡対象に近くて 爪の向きを反転させても
機能しそうだったので反転させました。

↑こんな感じ

ラチェットリングを一度外し、逆さにして入れました。
フリーボディでレフトドライブのリヤハブが
作れないかと思ったのです。

フリーボディが右側にあるものだとして
ペダリング時の方向に回すと、空転します。
通常の逆です。
次に、フリーボディが左側にあるものだとして
ペダリング時の方向に回すと・・・

ラチェットリングが ゆるんで出てきました。
手の力で こうなるくらいなので、
脚の力で ゆるんでこないようにするのは無理です。
固定ギヤのレフトドライブの場合は
逆ねじのロックリングを締め込めば可能ですが。
また、ラチェットリングが ゆるみ出てくると
フリーボディ自体も外側に移動します。
上の画像では取り付けていませんが
右側ポン当てエンドも外れます。
もし フレームにスルーアクスルで取り付けていたら
それが押さえになる可能性はありますが、
危険なので使えません。

寸法が それほど悪くない
28Hのストレートスポークハブとして使うことにします。
レフトドライブが可能そうな フリーボディハブとしては、
一世代前のONYXのハブがあります。
スプラグの爪の取り付けを逆さにすることができますし、
スプラグを受ける部分は 単なる真円の円筒で、
ラチェットのように山があるわけではありません。
一世代前の、と書いたのは 現行のONYXのハブを
そこまでバラしたことが無いからです。
category: ホイールの話
初代レーシング1の後輪のリムを初代レーシングゼロのリムで組み直しました 
2023/02/09 Thu. 22:03 [edit]

お客さんから 初代レーシング1の後輪をお預かりしました。
リムの交換をしてほしいとのことです。

初代レーシング1ですが、

つかみしろの対辺5.5mmの
六角しんちゅうニップルで組まれています。
この時点では レーシング1はフラッグシップモデルですが、
このあとに出たレーシングゼロでは ニップルのつかみしろが
6mmのアルミニップルとなっており、
リムの内周側の穴の径も かすかに違います。
で、レーシング1のリムを注文したのですが
廃版ということでした。
このレーシング1と同時期に出ていた
マヴィック・キシリウムESや シマノ・WH-7800だと
10年前でも リムが入手できなかったことを思えば
よくやってくれたほうです。
そこで、ニップルを全て レーシングゼロ用のアルミニップルにすることで
レーシングゼロのリムで組み直すという裏技のために
リムの在庫を訊こうとしたところ、
カンパニョーロにジャパンいち詳しい問屋さんの中の人から
「レーゼロのリムなら まだ本国にあるから
ニップルをアルミにして そっちで組んだらいいのでは」
と 逆に提案されました。

リムを交換する理由ですが、
グレーチングに はまったのか 縁石で擦ったのか
落車したのか リムサイドに深い傷が付いており

お客さんのほうで 傷の前後を削ってみたようですが
ダメだったようです。

で、ホイールをバラしたのですが
この5本のスポークが完全固着しており
ビクとも ゆるみません。

ねじって ダメにしたりはしていませんが、
ねじったところで固着が解除されない確信があります。
この完全固着の前段階として、ある程度のところまで ゆるむのに
そこからは全く動かない、元あったところまで締めるのは可能で
ある範囲でのみ ニップルが回るという状態があります。

レーシング1のスポークは、長さが2種類だけです。
前輪が1種類なのは当たり前ですが、
後輪は左右のフランジ径を スポークの長さありきで設計しており、
スペアパーツの点数を減らすことを意識しています。
シマノの最初の完組みホイールである
WH-7700も 同じことをしていましたが、
WH-7701の後輪で ワイドフランジ詐欺(→こちら)と
フリー側をラジアル組みに変更したので
後輪のスポークの長さは2種類となりました。

で、それなりに スペアスポークの在庫は持っているのですが
このスポーク、かなりの貴重品なので
可能な限り 使いたくはありません。


ネクタイスポークの最も広い部分の幅が
8.5mmくらいだったので
リムのスポーク穴の位相の外周部に9mm径の穴をあけました。

おっと、どのみち ここで詰まるのか。

ニップルのツバの部分を ある程度切ることにはなりますが、
スポークをリムの中に落とし込んで
内周側から リムを半分ほど切ったあとに
スポークを内周側に引き上げた状態で
外周側から もう半分を切りました。

そうすると、このように外せます。


↑ノコギリの跡は こんな感じ

ここから、ねじ山ギリギリまで
ニップルのしんちゅうを削り取ります。
面圧が抜けたら ニップルに対してスポークが回せるはずです。

で、スポークを回して ニップルを外せたんですが
外周側の端のねじ山が腐食していて痩せているので
再使用は出来ないという結論に至りました。

ちなみに ニップル側は こんな感じ

お客さんから フリーボディの爪起こしバネを見ておいてほしい、
もしダメなら交換で、と言われていましたが
ハブのオーバーホールも ついでにやります。
フリーボディを抜き取ると、
ハブシャフトに もらい錆びのリングが出来ていましたが、

内側ベアリング直下のものは 拭き取ると無くなりました。
フリーボディ外側のベアリングは あとで交換しています。

この年代の 後輪右側以外のハブフランジには、
コニシボンドのG17のようなものが こびりついています。
最初にこれを見たときは ここから音鳴りがしていると感じたユーザーが
G17を塗布したものかと思ったくらいですが、
どうみても ホイール組みのときにしか仕込めない
両面テープが貼ってあるのが その正体です。
後年の仕様だと 後輪右側以外のハブフランジは
ジクソーパズルのピースのような はめ方をしていますが、
この方式だと スポークの首折れか ねじ山始まり側の破断か
チェーン落ちなどの外的要因で スポークが折れたときに
折れたスポークが ハブシャフトと接触して
削ってしまう可能性があります。
大して仕事をしていないように見えますが、
それの防止を狙っているのかも知れません。

テープ自体は(ハブ単体の状態であれば)簡単に回収できますが、

この汚らしい のりの跡は 簡単には落とせません。
ハブ単体のときにしか出来ませんが、
のむラボホイール2号のリムの
出荷時に貼られているステッカーを剥がしたあとの
強烈な のり残りを きれいに出来るリムーバーを ブラシに付けて

こすると わりと簡単に落とせました。

ハブ体自体も洗浄しています。

リム内に切削カスがありました。

回収しました。
たまたま目視で見つけたわけですが、
そうでなくとも どのみち音で気付いていたと思います。

バルブ穴の近くに小さい穴がありますが、
これは製造の都合上 必要なものだと思われます。
チューブレス仕様である2WAY-FITリムでは
この穴を わざわざ あとから塞いであります。

フリーボディを取り付けない「フロントハブ状態」で
ざっと縦横振れを取り テンションも組み終わり近くまで上げました。
ハブシャフトに付いていた もらい錆びは
可能な限り 磨いて落としています。
そういえば このハブシャフト、バテッド無しの旧バージョンです。
2006年頃のモデルから バテッドありのシャフトに切り換わっているので、
2005年からブランドが始まったフルクラムの
レーシング3以上のモデルは ほぼ全てバテッドありのシャフトということで
だいたい間違いないのですが
まれに2005年に買った初期ロットのものだと
レーシング1と3でバテッド無しシャフトの個体が流通しています。
今回の後輪も それに該当します。
ここから 事故ってリムを曲げたりすることなどが無ければ
テセウスの船的には「30年使えたホイール」ということになるかもしれません。

右エンドですが、フリーボディがある場合より 内側に入ります。
上の画像でも ハブシャフトの端面のほうが
エンドのギザより 外側に出ています。


その時点での暫定センター
普段は ほぼ無いことですが、
組み終える前で リムが左側にずれています。
フリーボディを取り付けると
エンドが外側に移動するということは
センターゲージの測定子が引っ込むので
左エンドとのすき間は増大する、つまり
センターずれが さらに大きくなるということです。

フリーボディの爪起こしバネですが、
変形が見られなかったので 使い回しました。

フリーボディを取り付けて、右エンドを しっかりと締め込みました。
ハブシャフトの端より エンドのギザのほうが外に出ています。


そして やっぱり センターずれが増大しました。


組み終わりまでに残しておいた フリー側の増し締めしろを
全部 使ったくらいで ちょうどセンターが出ました。



組めました。
この後輪、作業に取りかかってから
けっこう時間がかかっています。
画像のデータを見たら 最初の画像の日付は1月29日でした。
category: のむラボ日記
WH-R8170-C36-TLの前輪をDTのリヤハブで組み直しました 
2023/02/07 Tue. 23:31 [edit]

お客さんから WH-R8170-C36-TLの前輪をお預かりしました。
これも去年、値上げ前ギリギリで買えたものだそうです。
で、この前輪の DTのリヤハブでの組み直しをご希望です。

組めました。

DT 新240ハブ 24H 黒半コンペヨンロクJIS組みです。
結線は あとでやります。


時系列が戻りますが、
片バネ押しになったラチェットEXPの
新しいDTのハブのフランジは
スポークの軌道に より沿わせる角度が付けてありました。
フランジ穴の内径は デュラエースやクリスキングのハブほど
小さくは無いですが(これらは13番スポークが通らない)、
フランジの厚みが大きいので
そうでないハブよりは 首とびのリスクが軽減されていそうです。

びふぉー

あふたー
な、なんて背徳的な見た目なんだ・・・。
category: のむラボ日記
MOSTのステム一体型ハンドルバーにステー用の台座を設けました 
2023/02/06 Mon. 23:25 [edit]

お客さんからピナレロのパーツブランド、
MOST(モスト)のステム一体型
カーボンハンドルバーを お預かりしました。

レックマウントのサイクルコンピュータ台座付きステーが
タイラップと両面テープで留めてあります。
実際に これで使用していた期間があるとのことです。
ステーが かなり前に出ている気がしますが、
地図も見れるような大きなサイコンなのか
実際の機種を訊きました。ここには書きませんが。
このステム部分の裏に M5ボルト用のリベットナットを
打ち込んでほしいというのが お客さんの希望です。

裏から見ると こんな感じ

ステーを これ以上 後ろにすると、
フレームと干渉しそうになるとのことです。

というわけで 元のステーの後端の位置として
目印のテープを貼りました。

これはそれとは別の目印のテープで、
2つある長穴のうち 前の長穴の後端に貼りました。

ステム部分の底が 前のほうで上に向かって反っていて、
前の長穴を利用できる位置に
リベットナットを打ち込めそうにありません。

というわけで いろいろ考えて この位置にしました。

まず、元の位置と同じで
後ろの長穴を使いつつ かすかに前後移動もできる位置です。
これを以後 Aの位置と呼ぶことにします。

ほとんど調整幅は無いですが
前後の長穴を またげるようにしています。
これを以後 Bの位置と呼ぶことにします。

前の長穴を使う位置です。
これを以後 Cの位置と呼ぶことにします。
BとCの位置にするときは ステーを適宜ぶった切ってください。

↑Aの位置

↑Bの位置

↑Cの位置

これはBの位置の撮影時の裏側ですが、
ステーがステム本体に干渉したので
固定ボルトは最後まで締めていません。

ワッシャーとボルトはサービスで付けておきます。
このボルトの頭の形状は キャップスクリューというものですが、
トラスという半球状の低頭ボルトにすれば
見た目は すっきりします。が、その場合
使用するアーレンキーが4mmでなく 3mmになるので
しっかり締めこみたいというのがあり
あえて このボルトにしました。


できました。元と同じ Aの位置です。
category: ドリルがうなる!