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のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

ヘリウムのリヤリムで前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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一般的な意味での完組みホイールの祖、
マヴィックのヘリウムのリムで前輪を組みました。
ヘリウムは、前輪は26Hという特異なスポーク本数ですが
後輪は非オフセットリムの28Hです。
チューブラーリム仕様と WOリム仕様がありますが
WOリムのほうは一言でいうと
赤アルマイトのオープンプロと言っていいリムです。
リヤ用の28Hリムは 汎用の28Hハブでホイールが組めます。
このリムをお預かりしたのは9月24日です。
去年ではなく一昨年の。
お客さんは 広義での同業者なので 後回しにしていましたが
それにも限度があるので 組みました。

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これを組むために残しておいた
当店在庫のエボライトハブ 28H
黒CX-RAY反ヌポークラジアル組みで

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黒アルミニップルです。
このリムで赤アルミニップルに「しない」というのは
むしろ難しい選択で、それゆえにオシャレです(私見)。
ヘリウムの純正の仕様では ニップルは銀しんちゅうです。

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ETRTO406mmの50mm高リムでホイールを組みました(後輪だから後編)  

今日もホイー(以下略)。
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先日の前輪の相方の後輪を組みました。
前輪のほうですが、気にくわないことがあり 組み直しました。
工賃もパーツ代も お客さんに請求するのは最後の1回分だけで
それ以前の分は私の勉強代ですが、
あのハブとリムに対して 最後の分を含めて
スポークはホイール2本分、ニップルはホイール3本分 使っています。

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ハブ胴にサピムのステッカーが貼ってある
無銘のストレートスポーク用ハブ 24H
全黒14番チャンピストレート左右強制2クロス組みで
黒ニップルです。

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135mm幅のクイックハブで、センターロック台座です。

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フリーボディの状態などを見る限り ハブは新品ですが、
ハブフランジの スポークヘッドを受ける側のザグリが
刃物のスピードが遅そうな感じの仕上げでした。

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CLX32の後輪を点検したあとに結線しました  

先日 黒エアロライトから黒CXスプリントに組み直したCLX32の
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相方の後輪ですが、こちらも組み直しを ご希望です。
左右異数組みのカウンターとして左右逆異径組みをしたうえで
フリー側を結線する・・・と言いたいところですが
実は CLX32は

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↑フリー側 黒エアロライト
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↑反フリー側 黒エアロコンプ
元から左右逆異径組みで 半CXスプリント状態です。

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CLXのニップルは しんちゅうではなくアルミで、
基本は 可能な限り外周側の六角を つかんで回しますが
内周側の四角をつかんでも 汎用ニップルと同じ感覚で
ナメずに回せるものなので、

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リムテープを剥がしたくないという理由があるときは
内周側を つかんで調整します。

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暫定センターは 左に ずれていました。
振れもあったので、探せば もう少しマシな位相もあるかもしれません。

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スポーク比重が大きい側の反フリー側増し締め偏重で
振れ取りをしました。
当然ながら センターずれの量は増えています。
縦横振れが無くて センターだけが
反フリー側に グッと ずれているという状態から

RIMG2827amx15.jpg
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フリー側の増し締めでセンターを出しました。
つまり、全てのニップルが 量の差こそあれ
元より 締めているということです。
これ、別に とにかく張ったというわけではなく
タレていたのを 吊るしの範囲の上限くらいに
戻したというくらいで とどめています。

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という状態から 結線しました。

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ETRTO406mmの50mm高リムでホイールを組みました(前輪なので前編)  

今日もホイー(以下略)。
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ETRTO406mm、20インチHE径で
50mm高のカーボンリムで前輪を組みました。

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WH-S500という完組みホイールの前輪のバラし品のハブ
24H 全黒14番チャンピストレート左右強制2クロス組みで
黒ニップルです。
最終交差は編んでいないので 結線はしませんが、
小径かつディープリムで スポークが非常に短く
角度も きついので 最終交差でスポークが かすかに接触しています。

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時系列が戻りますが、今回のハブです。
WH-S500という 前輪がクイック、
後輪がナット留めの完組みホイールがあり、
後輪で センターロック台座付きの内装変速ハブで組まれた
リムブレーキ非対応リムのホイールが WH-S500-8D、
リムブレーキ対応リムのホイールが WH-S500-V-8D、
前輪で リムブレーキ対応リムのディスクハブのホイールが
WH-S500-V-F、
それのダイナモハブ版が WH-S500-V-3D、
そこからリムが リムブレーキ非対応となり
ディスクブレーキ専用になったのが WH-S500-3Dと
前後輪合わせて5種類の仕様があります。
今回のハブは ダイナモフロントハブなので
元のホイールは 2種類がありえますが、
どちらかは知りません。

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右側に ハブダイナモのコネクター、

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左側にセンターロック台座があります。

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実をいうと 今回の前輪はハブダイナモの規格からいうと
非適合な組み合わせです。
しかし お客さんのお持ち込み品だったので
ホイールを組まざるをえず 組んでしまいました。
一応、適合についてはお客さんに説明はしています。

大径ホイールに特化したダイナモハブで
小径リムのホイールを組むと、
ある速度あたりのハブの回転数が大きくなり
ハブが想定している発電量を超える場合があります。
シマノのダイナモハブには、
26~28インチと対応幅が狭いハブもあれば
20~28インチと広いハブもあります。
今回のハブは前者で、上の画像のハブ胴にある
646~716mmという数値は
リムではなく タイヤの直径です。

622mm径のクリンチャーリムに ロードバイクのタイヤを
取り付けて空気を入れると
直径が700mm(700C)くらいになるとされているので
700Cと呼び習わしているわけですが、
実は タイヤサイズが25C幅の場合
実測では670Cくらいしかありません。
622Cリムにタイヤを取り付けて
700Cになるタイヤ幅は 40Cくらいです。
ハブ胴にある下限の646mmですが、
これはWO(ワイヤード オン)リムで 呼び径26インチである
650Cをカバーしていそうですが、実は カバーしていません。
700×25Cが 実測670Cくらいであるように、
650Cだと タイヤ幅が23Cでも25Cでも
実測では 620Cくらいしかないからです。
同じ 呼び径26インチでも MTBの26インチリムの規格の
HE(フックド エッジ)リムであれば
26×1.95サイズのタイヤで
(ノブの高さを除外したスリックタイヤとして見て)
652Cくらいになるので カバーしてはいます。
が、26インチのHEリムで 24Hのものなど まず無いので
ハブ胴にある646~716mmというのは
実質「いわゆる700Cリムにのみ対応」と同義です。

category: のむラボ日記

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広島にイケアは無い  

今日もホイー(以下略)。
広島にイケアはありません。
出店計画を表明していて、用地の確保もしていたのですが
結局 立ち消えとなり 店舗の建設予定地も売却されました。
いや、なんでこんな話をするのかというとですね、
のむラボホイール2号の納期が迫っていた お客さんが
近日中に大阪に寄れるので
広島から直接ホイールを受け取りに来られると
先日 連絡があり、来られるという3月30日(木)までに
組めばいいかと思っていたのですが
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私の勘違いで 来られる日が今日、
28日(月)でしたあばbっばっばあああっばああ
どのみち この月・火くらいで組む予定ではあったので
材料は 全て揃っています。

今日中に前後輪を組んで
明日 送料無料で送りますと約束をして
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組みました。

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前輪は660ハブ 20H CX-RAY反ヌポークラジアル組み、

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後輪は660ハブ 24H 半コンペヨンロク組み結線ありです。

ちなみに、お客さんが広島から来られた理由は
イケアに行くついでだそうですが、
行ったイケアは大阪の鶴浜ではなく 神戸だそうです。
広島からだと東は神戸、西は福岡まで行かないと
イケアが無いということでした。

category: のむラボホイール

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雨なのを承知で夜練(朝練)してきました  

今日の 日の出前くらいから
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雨が降るのを承知というか
出る前から降ってましたが 奥水間を走ってきました。
上の画像の場所で写真を撮ることが多いのですが、
ここだけが とくに苔むした岩肌になっていて
全然 山奥じゃないのに「山奥まで来た感」があるからです。
奈良の吉野だとウソをついてもバレないかもしれません。

前輪に履いているグランプリ5000 25Cのトランスペアレントですが、
良い意味でも悪い意味でもフワフワした乗り心地です。
もし、グランプリ5000の25Cの黒と
トランスペアレントを 1本ずつ渡されたら
前輪にトランスペアレント、後輪に黒を履きます。
個人的には 逆は ありえません。
黒とトランスペアレントは
色違いなだけで 同じタイヤですよという建前に
無理があるほど タイヤの性能が違います。
もし、25Cに限って 前後のタイヤを選べるとしても
前後輪で色をそろえずに 同じ選択をすると思います。

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なんか・・・

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ガスってきたぞ・・・。

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路面がウェットなのが あまり気にならないほど
グリップが良く コーナーも信用できる感触です。
それはいいのですが・・・

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帰りの道中 家から10km弱のところで後輪がパンクしました。
パンクした瞬間にプシュンシュンシュン!と音がしたときに
見通しのいい直線だったので
シーラントの遠心力パワーを稼ごうと 少し加速しました。
すぐに大きなエア漏れは止まったのですが、
加速したことに ほぼ意味は無かったかもしれません。
ただ、もし停止していたら ふさがっていないとは思います。
上の画像は 信号待ちのときに歩道に上がって撮ったものですが、
シーラントのカサブタが完全に形成されないようで
傷口から血が止まらないように シーラントが浸み出し続けています。
言うまでもなく イメジのシーラントですが
完全にカサブタが形成されないのは 路面が濡れているからでしょうか。
少し走ると段差でもない路面で リム打ち感が出てきたので
インフレーターで4気圧くらいまで空気を足しました。
控えめに空気を入れたのは あまりに加圧すると傷口が開く
閾値を超えて ブシャーッと穴が開くのを避けるためです。
家の ごく近くで またリム打ち感が発生するほど
空気が抜けてきましたが そのまま家まで そっと走り切りました。

IMG_3661amx15.jpg
タイヤを外して、リムに お湯のシャワーをかけただけの状態です。
洗剤のCMみたいなことを言いますが、一切 こすっていません。

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↑パンクしていた箇所です。
あまり目立った跡は無いですが、

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タイヤを左右から つまむと

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けっこう 大きな傷でした。
シーラントのカサブタが完全に形成されなかったのは
路面が濡れていたのもあるでしょうが
単純に穴が大きかったというのもあります。

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↑内側から見ると こんな感じ
IRCのS-ライトですが、これが私の手持ちの
フックレスリム非対応モデルの23Cの最後の1本です。
フックレス対応の新バージョンは 25Cなら即入手可能で
23Cは5月以降になりそうなのと、
トレッドが壊滅的に減っているわけではないので
姑息的処置としてパッチを貼り 継続使用することにしました。

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ほぼ厚みの無いパッチを貼りました。

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パンクの箇所が ふくらんでいて分かるくらいです。
これは家では出来ないので
今日は電車通勤で タイヤだけを持って来ました。

このタイヤは お湯のシャワーでシーラントを流したあとに
布で拭いて 干しただけのものですが、
今日 それぞれ滋賀県と静岡県から来られた お客さんのうち
滋賀県の方から「これ、シーラントを入れていた
タイヤなんですか?」と訊かれました。
あまりに内側が きれいなのでビックリしたようです。
イメジの宣伝になる いいリアクションだ。いいぞ。

category: のむラボ日記

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のむラボホイール5号の後輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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のむラボホイール5号の後輪を組みました。

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お客さんお持ち込みの エボハブ(フリーボディは10S→11S化)28H
黒半コンペヨンロク組み結線ありで


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虹色配列ニップルです。

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HB-7710ハブで競輪の前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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HB-7710ハブで競輪の前輪を組みました。
という情報だけで スペックは ほぼ確定してしまいます。
HB-7710にはリヤハブもありますが
前輪と明言していて

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それと競輪と明言している以上
リムはアラヤの16Bゴールドの36H、
スポークは星の15番ベースのNJSスポークで
ハチハチJIS組みで確定です。
スポークだけは星の15番ベースのスターブライトで
丸バテッドとエアロがありますが、
今回は エアロのほうです。
いずれにしても NJSスポークの長さは305mmしかありません。

ラージフランジハブのHB-7600だと
前輪・片切りの後輪・両切りの後輪の いずれの場合でも
だいたい長さが合いますが、
スモールフランジのHB-7710だと
スポークが かなり短めというか 私の観念だとNGなのですが
それしかないので仕方がありません。

今回のリムの現物で実測した内径から計算した
スポーク長さは HB-7600のフロントハブだと305.41mm、
HB-7710のフロントハブだと306.49mmと出ました。
リムが別個体になるか 測るリム穴を変えるかすると
実測のリム内径が0.1~0.3mmくらい変わることは よくあります。
昔のZIPPのリムは、年代も含めて同じリムでも
(たとえば前後輪用として買った2本のリムでも)
リム内径が けっこうバラついていて 四捨五入後の整数mm長さで
1mm変わることも よくありました。
今回のリムだと、HB-7710フロントハブでの
8本組みの計算上の長さが306.49mmとなっていますが、
あと1/100mm長ければ 四捨五入後の整数mm長さが
307mmと判定されるところです。

スポーク長さを 切って用意できる場合、
端数が0.5mmに近ければ 整数mm長さの
ちょうど あいだで切ることもあります。
たとえば今回の件で競輪のホイールで無かった場合、
307mmではなく 306.5mmで切るといった具合です。

しかし元からある長さが305mmのみで、
計算上の長さのほうが長いので どうしようもありません。
もし仮に、逆に NJSスポークが307mmのみで
計算上の長さが305mmであったなら
2mmカットするかと言われれば、
厳密には違反になりそうなのと
「それで供されている以上 仕方ないやろ」ということで
結局 そのまま使います。

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↑画像上は DTの12mm長さアルミニップルで、
下は星のNJSスポークに付属している しんちゅうニップルですが
DTの公称長さ12mmニップルの実測長さは12.0mm、
星の しんちゅうニップルは実測長さが12.4mmで
しんちゅうだからか リム穴にかかっている箇所より外周側が
アルミニップルよりも薄いので
リム穴から内周側に飛び出す寸法でいうと
13mmニップルといった見た目になります。
で、ニップルの内周側の端面が
スポークのねじ山を ちょうど隠すところまで
36ヵ所の締め込み量を そろえたのですが、
すでにテンションが そこそこ張っており
あと何周も締められない感じになっていました。
もし DTの12mmニップルで同じことをしたら
ホイールの組み終わりでも ねじ山が1山くらい見えるかもしれません。

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↑ニップルの内周側の端面が
スポークのねじ山を ちょうど隠した時点での
外周側の見た目

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↑ホイール組み終わりの見た目
スポークの端面が ニップルのすり割りにすら達していませんが
これでも リムの許す限り 張りました。
ハブフランジにテンションがかかると
ハブ単体のときに無かった横ガタが出たので
玉当たり調整もしています。

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HB-7600と同じく ハブ胴にNJSの打刻印がありますが、

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品番がHB-7710で 名目上は7700系だからか
7700系デュラエース時代のデュラエースのロゴが
打刻印と 逆側に入っています。

ちなみに 7700系デュラエース時代の
シートポストの品番は SP-7410ですが、
ロゴは7400系ではなく7700系デュラエースのものです。

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今回は バルブ穴から覗いたときに見えるハブ胴の位相を
デュラエースのロゴに合わせました。

ところで このHB-7710のフロントハブ、
NJS非公認の穴数で 32Hや28Hもありますが、
100mm幅クイックハブ用のハブシャフトに交換すると
防水シールが やや甘く 回転が非常に滑らかで軽いという特性の
ロード用の神ハブになったりもします。
その場合、ラジアル組みは やめたほうがいいです。

あっ、結線は あとでやります。
左右全結線なので ホイール組み以上に
時間がかかると思われます。

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WH-RS300のハブで のむラボホイール1号の後輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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お客さんから シマノのWH-RS300の後輪をお預かりしました。

RIMG2759amx15.jpg
ストレートスポーク用ハブ 20H
左右同径エアロスポークで左右2クロス組みですが、

RIMG2760amx15.jpg
お客さんとしては ホイールではなく
「11Sスプロケットが使用可能な 20Hのリヤハブ」
としてしか見ていません。
バラしたリムもスポークも要らないということで、
このハブを使って のむラボホイール1号の
後輪を組んでほしいというのが希望です。

RIMG2762amx15.jpg
ホイールをバラしました。
上の画像は 元の黒スポークと銀CX-RAYです。
今回の後輪、スポーク長さが左右とも304mmで同じだったのですが
普通に後輪並みのオチョコがありますし
フランジもハイローなので スポークが同じ長さになるわけがありません。
カンパニョーロの完組みホイールのスチールスポークなどのように
汎用スポークより ずっと長いねじ山になっている 特殊な仕様で、
ねじ山の長さでスポークの長さの左右差を吸収しているのかと思ったら
汎用スポークと同じと言っていい長さでした。
テキトーが過ぎる。
私のほうで ハブの寸法を計った計算上の長さでは
約2.5mm違いと出ました。
これは 四捨五入して整数mm長さに均すと
リム内径によっては 左右で2mm違いになることもあれば
3mm違いだと判定されるときもあります。
元のリムは けっこうなオフセットリムなので
最大で1mm程度 スポーク長さの左右差は埋まりますが、
2mmや3mmが埋まるほどではありません。
実際、のむラボホイール1号のリムで組んだ際も
左右で2mm、長さを変えました。

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奴を召喚する言霊を発しないので
アーカイブには残りませんが、
このリムの重量は むしろ案外
記事としてのバリューが高いかもしれません。

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組めました。

RIMG2764amx15.jpg
フリー側は 14番リーダーストレート
(14番チャンピストレートでもよかったのですが)、

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反フリー側はCXスプリントストレートです。
結線は あとでやります。

category: のむラボホイール

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ボーラWTO45さん  

お客さんから ボーラWTO45の後輪をお預かりしました。
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リムブレーキ用で、2WAY-FITリムです。
タイヤビードにチューブを噛んだまま
空気を入れた結果 ばくはつしたり、
チューブレスタイヤの取り付けに不備があったりして
タイヤがリムから一気に外れた場合などに
ホイールが振れることはありますが、
そこまでではないものの
チューブレスタイヤのサイドが上がりきっていない状態で
走行中にバチン!と上がったときから 振れが出たということで
近所のショップ(当店から140kmくらいのところ)で
振れ取りをしてもらったのだが信用できないので
見てほしいとのことです。

まず、ハブの玉当たり調整にガタがありました。
ハブシャフトの両端を 親指の腹で押すと
カキカキと鳴るくらいにはガタがあります。
ハブにガタがあると センターゲージの測定子の
当て位置が 一定でなくなりうるのと、
横振れを見るときに ハブのガタで振れが誤検知されるので、
振れを見た時点(←ごく最近)で
このガタを取っていないということ自体が
まず おかしいです。

RIMG2735msn5.jpg
RIMG2736msn5.jpg
ハブのガタを取ってセンターゲージを当てました。
カンパニョーロの完組みホイールの、
とくに高級モデルでは まず見られない
左側へのセンターずれがあります。
振れを見てみると、まず振れ取りで目に付かないわけが無い
ゴクッと大きい横振れがありました。
さらに、G3のスポークの束直下の位相7ヵ所は
スポークが無い位相よりも リムの縦位置が
かすかに内側に入っているわけですが
その縦位置がメーカー出荷基準を超えているだろうというくらいに
そろっておらず、全て お客さんの見ている前で作業をしていますが
バルブ穴から数えてG3の束に1~7の番号を付けたときに
3と6の束に いぢくって出た縦振れがあるのを見てもらいました。
ニップルに擦れ跡などは残っていませんでしたが
触っているのは 確実です。

RIMG2738msn5.jpg
RIMG2737msn5.jpg
画像で示せるのはセンターずれだけですが
縦横振れも取って直しました。
私は よく この手の作業を ルービックキューブの色をそろえて
元に戻すのに例えますが、これも そんな感じでした。
せめて 完組みホイールの出荷基準くらいまで戻すことに
自信が無いのであればホイールを触らないほうがいいと思うのですが。
ちなみに 当店にお持ち込みされる前の
振れ取りごっこでは 工賃を盗られています。

category: のむラボ日記

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シャマルカーボンDBさん  

お客さんから シャマルカーボンDBをお預かりした・・・
という経緯では ありません。
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シフトワイヤー交換でお持ち込みされたバイクに付いていた後輪です。
フレームに貼ってあった購入店のステッカーを見て
「そこで交換してもらえばいいじゃん」と言ったのですが
そこが信用できないらしく 人からの紹介で
当店にお持ち込みされたとのことでした。
で、シフトワイヤーを交換しようとしたら
ワイヤーが通っていない状態のリヤメカのまま クランクを回しても
トップギヤではなく その2つ上のギヤに
チェーンがかかったままになっています。
しかも、フリーの空転音がおかしいです。

RIMG2714amx15.jpg
で、後輪を外したら 右エンドナットが 異常に ゆるんでいました。

RIMG2715amx15.jpg
スプロケットつきのフリーボディも、
ハブ体から 明らかに飛び出しています。
これだと ディスクローターが擦りっぱなしに
なるんじゃないのかと思ったのですが、
右エンド側が伸びても 左エンドからローター台座までの
距離は変わらないので
その点で異常に気付くのは無理なようです。
しかしこれ、トップ側2枚に変速できないとか
そもそもホイールの回転の感触がおかしいとかで
異常に気づかないものかと思いますが、
私がプロだからか 異常の前兆の前兆あたりで気付くことを
普通だと思ってはいけないようです。

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↑上側に押す
RIMG2719amx15.jpg
↑下側に押す
不動のハブシャフトに対して
スプロケット付きフリーボディが偏芯しています。

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エンドナットと その次に入っているスペーサーを外しました。
ハブシャフトにベアリング(の内輪)が錆びて固着しているので
手の力程度では抜けず、
フリーボディ付きハブシャフトを 一旦 ハブ体から外して
フリーボディの内側から叩き抜く形でないと

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フリーボディは外せませんでした。

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外側のベアリングの中身が腐りきっていたので
内輪がベアリングから抜ける形で 外れました。

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外輪は未だ 圧入状態でフリーボディ側に残っています。
これが起こるのは ほとんどの場合 外側のベアリングだけですが、
内側のベアリングで起こった場合 地獄を見ます。
それに対処する方法はメシノタネコードです。
今回は 内側のベアリングは
叩き抜ける程度には まともでした。
上の画像の状態でヤバイのは、フリーボディ内側の壁に
粘土状の泥汚れの層が分厚く形成されていたことです。

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外側ベアリングの外輪を抜き、内側の壁の汚れを落としました。
内側ベアリングも 要交換な程度には回転が濁っていたので、

RIMG2727amx15.jpg
交換しています。サイズは6902なので在庫がありました。
持ち込んだのが当店で良かったですね。
乗っているバイクの購入店であれば
この対処は絶対に不可能です。少なくとも即日では。
なぜ断言できるかというと、ようく知ってる連中だからですよ。
無能、無能、無能!
まあ、このシャマルウルトラカーボンDBについては
海外通販での購入品なので
それを理由として「直せません」と言うと思いますが。

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ハブシャフトは洗浄だけで この程度です。
ここから錆びを軽く削りました。

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ガタがあり 偏芯していた期間がそれなりに長かったようで、
フリーボディの爪周りの部分が
ラチェットの山と接触した痕があるだけでなく
内側の端が磨耗していました。

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パーツを組み付けました。
これは画像の撮影用に組み付けただけで
このあと またフリーボディを外してラチェット周りをグリスアップし、
画像にはありませんが エンドナットの次のスペーサーと
ベアリングの間にあるシールのパーツも取り付けています。

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↑交換したパーツ

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↑内側ベアリング

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↑外側ベアリング

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外側ベアリングのシール2枚は
サイズが違うように見えますが、

RIMG2749msn5.jpg
重ねてみると分かりますが うち1枚の内側が
偏芯で削れていて そう見えるだけです。
削れ方も、きれいな真円になっているわけではありません。

ところで、この作業により ハンドクリーナーでは取りきれず
風呂に入らないと落とせない油汚れが
爪の中や 指紋の奥まで付いたことにより
その日の晩に 手ナン(※)ができなくなりました。

※素手でナンを食べる行為のことです念のため

category: のむラボ日記

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ゾンダC15さん  

お客さんから ゾンダの後輪をお預かりしました。
RIMG2693msn5.jpg
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スポークが1本とんでいます。
これはC15リム時代のゾンダで、G3組みながら
フリー側のほうのスポーク比重を
大きくした仕様となっています。
これよりあとのC17リム仕様のゾンダは
反フリー側に合わせる形で 左右同径組みになったので
スポークの仕様も違います。

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直りました。

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↑交換したスポーク

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ストレートスポークの首下が とんでいます。
何かを巻き込んだだの 落車しただのといった
外的要因ではなく 普通のスポークとびです。
普通の、といいながらスポーク交換をする理由としては
こちらのほうが はるかにレアケースなのですが。

RIMG2756msn5.jpg
このスポークの変形は、スポークがとんだ瞬間に
リム内部に向かって スポークが跳ねた結果
スポークの一部がリムの中に入ったことによる変形です。
私が昔 夜練で阪奈道路の下りで
のむラボホイール4号の前輪のスポークがとんだときは
スポークのほとんどが引きずり込まれるように
リムの中に入り込んだことがあり、
取り出すのに苦労したことがありました。
ちなみにそのときは 店まで また自走で戻って
その日のうちに修理しています。

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CLX32の前輪を組み直しました  

今日もホイー(以下略)。
RIMG2181amx15.jpg
お客さんから CLX32のリムブレーキ用の前後輪をお預かりしました。
以前にロヴァールのCLX50のディスクブレーキ用の
前後輪を組み直したお客さんから 了解無しで
突然 送られてきたものですが、了解の有無はいいとして

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CLXはリム高が低いので 組み直しに必要なCXスプリントは
270mmではなく310mmのほうが必要です。
このホイールが送られてきた時点では
黒CXスプリントストレートの入荷時期が未定だったので
納期が不明だと お客さんに連絡しようと思っていたのですが
先日 運よく ちょうど必要なCXスプリントが入荷しました。

RIMG2750amx15.jpg
組めました。

RIMG2751amx15.jpg
黒CXスプリント 16H 強制ラジアル組みです。
元の状態、32m高で16Hとか どこかの
「首折れスポーク仕様の最廉価帯モデルを除いて
リムブレーキの前輪は リム高に関わらず絶対に16H!」にこだわる
下っ端の意見ガン無視で風通しの悪い社風なうえ
ホイール部門に関しては中の人の頭も悪い某メーカーを思い出しますが、
そこのホイールはディスクブレーキ用の最新モデルに関しては
だいぶマシになりました。未だに組み直し依頼が絶えませんが。

CL/CLX50は リムブレーキ用リムもディスクブレーキ用リムも
相当数の実測重量のデータがありますが
ブレーキの形式による有意な重量差がありません。
なので ディスクブレーキ用リムは穴数と穴振りの設定と
ブレーキゾーンの仕上げ以外に違いが無いというか、
少なくとも 始めからディスクブレーキ「専用」に
設計されたリムでは無いということです。
おそらくは、スルーアクスル仕様で
リムブレーキも選べるというフレームがあれば
(現実にも少数ながら存在します)
自己責任となりますが
CL/CLX50のディスクブレーキ用ホイールを
リムブレーキで使うことはできるでしょう。

今回のCLX32の実測重量を量りましたが、
CLX50のハイト/ウェイトレシオを保ったまま
リム高を低くすれば このくらいにはなるだろう
という感じの重量でした。
そして、リム高33mmと ほぼ同じリム高の
アルピニストCLX(IIではない)よりは ずっと重たかったので、
アルピニストCLXは 各部の肉厚がディスクブレーキ専用かつ
軽さに振って攻めている設計だということが
改めて分かりました。
え?それでCLX32のリム重量は いくらなのかって?
そんなん教えるわけないやろ
アルピニストCLXより重いってことだけで満足しとけや
↑うわなにこいつきわめてかんじわるい














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オ待タセシマシタ!私ハ毎回 描キオロシデスガ
今回ハ 昨日ノ使イ回シデス!ソレハ トモカク

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コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!
↑やーめーろー!

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TniのDragon50チューブラーホイールを組み直しました(後輪なので後編)  

今日もホイー(以下略)。
RIMG2730amx15.jpg
昨日の前輪の続きです。
Tniのドラゴン50の後輪を組み直します。

RIMG2731amx15.jpg
ドラゴンホイール オリジナルの
ストレートスポーク用左右引っかけ式フランジハブ 24H
全黒CX-RAYヨンゼロ組み相当です。

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ヨンゼロ組み「相当」と言ったのは
このフリー側の2クロス組みを4本組み「相当」と
解釈したからです。

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反フリー側はラジアル組みですが、
左右同数組みホイールの反フリー側を
ラジアル組みするのは よろしくないということは
20世紀のうちに結論が出ているでしょ!
2015年(このホイールが出た年)以降で
なんで こんなホイールを作るの!

RIMG2752amx15.jpg
というわけで組み直しました。

RIMG2753amx15.jpg
660ハブ 24H 黒半コンペヨンロク組みです。
結線は あとでやります。

ところで このドラゴン50ホイール、
完組みホイールの状態でしか供給が無く
破損などしていないリムの単体重量を量る機会は
ホイールの組み直しの際しかありません。
なので 実測重量を知る人は非常に少ないと思われます。
一応 前後リムとも量りましたが
ここを読んでいる人には 教えてやるつもりはありません。
↑うわこいつかんじわるい












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オ待タセシマシタ!コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!

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ふろんとりむデス!
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りやりむデス!
↑やーめーろー!

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スピードシティCLさん  

お客さんから マヴィックのスピードシティCLの
前後輪をお預かりしました。
CLとはセンターロック台座仕様を意味します。
RIMG2443amx15.jpg
ハブもリムも全面がグレーアルマイトですが
リムサイドは リムブレーキに対応しています。
フロント100mm幅、リヤ135mm幅のクイック用のハブで・・・
詳しくは(→こちら)をどうぞ。

ディスクブレーキが普及した後で
スルーアクスルが一般化する前の時期のMTBで、
通勤はじめアスファルト走行の際に
700Cのロードタイヤのホイール、
週末のトレイルライドの際には 26インチHEリムの
MTBタイヤのホイールを切り換えると
1バイク2ホイールで楽しいよ!という提案が
メーカー側からあり(※)その一環で出たホイールです。

フラットバーのクロスバイクでディスク台座を封印されて
リムブレーキ用ホイールとして使い続けられた例もありますが、
今回のホイールは 最初のオーナーがそんな感じで使っていて
現オーナーがディスクブレーキで使おうとして
その前に点検をご希望という感じでお預かりしました。

※メーカー(マヴィック)側からの提案なので
同じ趣旨(100/135幅 クイックの
700Cリム/ディスクブレーキ兼用)のホイールが
各社から出るほどでもなく
ブームというほどの現象は起きませんでした。
ところで、グラベルバイクのゴリ押しは
このスピードシティの比ではないくらいですが
なかなか定着しないですね。


まずは後輪から。
RIMG2444amx15.jpg
センターロック台座に かぶせてある ゴムのカバーを

RIMG2445amx15.jpg
外しました。
スプラインに砂が噛んでいますが
ディスクローターを取り付けての使用痕は ありません。

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今回の点検には関係ないですが、
シマノのセンターロックのカバーをかぶせて
合うかどうか確認しました。
ハブシャフトやエンドとの干渉も無く
問題なく取り付けられます。

このカバー、センターロックのハブが出回りつつも
まだVブレーキも そこそこ残っていたころだと
ハブに標準で付属していたものですが、
最近ではクイック仕様のMTBハブで
センターロック台座のものを買っても付属していません。
で、別売りで仕入れようとしたのですが
かつて標準で付属していたはずのハブの
スペアパーツの品番で打ち込んでも
出てきませんでした。
現在ではWH-M505というホイールのスペアパーツという名目で
Y25Y06000という品番で注文可能です。

RIMG2451amx15.jpg
フリーボディを外すと、
中のオイルが抜けてカスッカスになっていました。
2日前の記事のキシリウムで
FTS-Lフリーボディの奥で常に擦っている
蛇腹状のゴムシールが抜かれている話を書きましたが、
そのハブでは シールが無いためか
フリーボディが ハブの右エンド側を円錐の頂点として
かすかながら偏芯気味にガタがあったためか
ハブ内側への摩耗痕は 2つ爪より内側にありました。
が、今回のハブでは フリーボディ内部の
砂粒のような汚れが主因だからか
回転による摩耗痕が2つ爪より外側に付いています。

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↑奥にあるのが フリーボディ内部のオイルを密閉するために
軽く圧着し続けているゴムのシールです。

RIMG2453samx15.jpg
一旦 パーツを外して洗浄しました。

RIMG2454amx15.jpg
RIMG2455amx15.jpg
フリーボディに専用オイルを入れて
ハブを組み立ててから 暫定センターを見ました。
経年使用だけなのか 振れ取りごっこの履歴があるのか
判断しづらいところですが
(マヴィックの後輪は 高確率で左側にずれているのに
これは右側にガッツリずれている)
スポークテンションが左右とも かなりタレていました。
前後輪ともリムサイドが かすかに丸くなる程度には
ブレーキゾーンが減っていましたが
リムを交換するほどではなく、現オーナーのお客さんは
ディスクブレーキで使うつもりのようなので
なおさら問題ありません。

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RIMG2456amx15.jpg
センターを出しただけではありません。
左右全てのニップルを そこそこ増し締めしています。

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つづいて前輪。

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こちらのセンターロックカバーは かなり割れていて
崩壊寸前だったので 後輪のほうで
シマノのカバーが合うかどうかを試しました。
作業の都合上 結局 一旦 外したのですが。

RIMG2642amx15.jpg
リンク先の記事にも同じことを書いていますが
ディスク台座分のオチョコと相殺するくらいの
ハイローフランジになっていて、
作業後にホイールを見ずに 左右のスポークをにぎにぎしても
左右の区別ができないくらいには
左右同径組みのスポークの変形量が近かったです。
これ、偶然ではなく 狙って出しているっぽいので感心しました。

RIMG2643amx15.jpg
←←←こっちに押す
RIMG2644amx15.jpg
こっちに押す→→→
フロントハブに左右のガタがありました。
ハブ体から出ているダストキャップの長さで分かると思います。

RIMG2646amx15.jpg
ハブにガタがある状態で経年使用すると
ベアリングがダメになる可能性が高まるので
左右ともダブルナット式のハブシャフトを抜いて
ベアリングの状態を見てみましたが、
問題ありませんでした。

RIMG2647amx15.jpg
6001という やや珍しいサイズのベアリングが入っているのは、
ハブシャフトのベアリングを受ける部分の外径が12mmだからです。
6001は規格サイズのベアリングで、
内径12mm/外径28mm/厚み8mmです。

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RIMG2649amx15.jpg
ハブシャフトを取り付け 玉当たり調整をし、
再度カバーを取り付けて 暫定センターを見ました。
オチョコの理屈からいうと 経年使用で ずれる方向と合致する形で
リムがローター台座側に ずれています。
なので これが経年使用によるセンターずれだ!とは断言できません。
リヤハブのオチョコくらいの大要素であれば
経年使用によるリムの横移動を観測できますが
ディスクブレーキ用ハブで組んだ前輪では
そこまで顕著に センターがずれません。
前輪も、後輪と同じく スポークテンションが
マヴィックが これで出荷したわけが無いというくらいに
タレていたので 経年でずれた要素が大きいと思いますが・・・。

RIMG2650amx15.jpg
スピードシティのリムですが、
当時のMTBホイールの中堅モデル
(アルミスポーク仕様ではないが 汎用のリム穴でもない)に
採用されていたのと同じ「大きめのジクラルねじ穴に
汎用サイズのニップルを封入するアダプターを取り付ける」
という方式で組まれています。

RIMG2651amx15.jpg
RIMG2652amx15.jpg
このアダプターを着脱する工具もあります。
この方式にすることで、汎用ニップルでありながら
外周部にバルブ穴以外の穴が無いリムで
ホイールが組めます。
が、マヴィックはMTBの世界ではUSTチューブレスという
デファクトスタンダードになった規格の発案者なのに
ロードバイクのチューブレスでは
ずっと様子見で最後発組といってもいい遅さとなったので
スピードシティどころか R-SYS、
キシリウムだと キシリウム125の世代ですら
チューブレス非対応なので バルブ穴以外に穴が無いといっても
リムテープが不要という点くらいしかメリットがありません。

RIMG2653amx15.jpg
RIMG2654amx15.jpg
片側偏重の増し締めを意識したわけではなく、
こまごまとあった振れを追い込んでいったら
横振れを取り切った時点で
センターずれの向きが逆転しました。
ずれの量は暫定センターよりは少ないです。

RIMG2655amx15.jpg

RIMG2656amx15.jpg
という状態から ローター台座側を増し締めして
センターを出しました。
後輪と同じく、元より締めていないニップルは
ひとつも ありません。

RIMG2658amx15.jpg
リムの継ぎ目の処理を隠すテープが
リムの内側の横に乗るほど ずれていたので

RIMG2659amx15.jpg
剥がしました。
これと同じ黒いテープは 現在
ロードUSTチューブレスの茶色いテープ(→こちら)の
巻き終わりに貼ってありますが、
マヴィックのチューブレスタイヤのセッティング時の動きにやられてか
中央に向かって しわになるように潰れていることがほとんどです。
あのチューブレステープも、末端のテープに対する 付きが弱くて
シーラントが数センチほどテープの下に浸入し、
テープの糊付きが完全に失われているのを よく見かけます。

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リムの継ぎ目周りを アセトンで拭き取り・脱脂して

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スタンズのテープを貼っておきました。
これは前後輪とも やっています。
というか 後輪は黒いテープ自体が失われていました。

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TniのDragon50チューブラーホイールを組み直しました(前輪だから前編)  

今日もホイー(以下略)。
RIMG2706amx15.jpg
お客さんから Tniのドラゴン50完組みホイールをお預かりしました。
もっと走るようにしてくれという ざっくりした希望ですが
吊るしの仕様がたいしたこと無いので それ自体は余裕です。

RIMG2707amx15.jpg
左側から撮っているのは リムの右サイドに
シリアルナンバー入りの白いシールが貼ってあったからです。
ハブはドラゴンホイールオリジナルのTniブランドのもので、
引っかけ式のハブフランジで 黒CX-RAYストレートラジアル組みです。
リムの設計には ポール・リュー氏が関わっているらしいですが
LEWのリムとは製造元が違います。

片側のスポーク2本をまとめて にぎにぎしたときの
変形量が少ない気がしたので スポークテンションを調べましたが、
同じ全CX-RAY20Hの のむラボホイール5号より 少し低いくらいでした。
リム高が高い(=スポークが短い)ので そう感じただけのようです。
これの もっと極端な例は20インチ以下の小径リムのホイールです。
スポークの変形が ほぼ不動に感じられるのに
テンション的には それほどでもないという場合があります。

RIMG2708amx15.jpg
Tniのドラゴンというホイールには
今回の50mm高リムとは別に
35mm高チューブラーリムのホイールもあります。
どちらのリムも この完組みホイール専用で
リムの単品販売は ありません。

RIMG2710amx15.jpg
組めました。

RIMG2712amx15.jpg
660ハブ 20H 黒CXスプリント反ヌポークラジアル組みです。
元のフロントハブを使い回そうかと思ったのですが、
ベアリングが死んでいたのと
660ハブのほうが寸法的に優秀なので ハブも変更しました。

後輪は シリアルナンバーのステッカーが
左側(反フリー側)に貼ってあり、
前輪のリム(とくにブレーキゾーン)には
左右の属性が無かったので
リムの左右を反転させて組み直してもよかったのですが
一応 元と同じようにしました。
前輪はラジアル組みなので
スポーク比重とテンションだけの勝負になりますが
本題は後輪のほうです。
ドラゴン35のほうは何度か見たことがありますが
とくに後輪について 良いことを言っている人を
見たことがありません。
今回のドラゴン50の前後輪についても、
もし後輪が もう少しマシなものであれば
当店にお持ち込みされていない可能性が高いです。

category: のむラボ日記

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クレストMK4リム(650B)で前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
RIMG2681msn5.jpg
昨日の続きです。
クレストMK4リムで27.5インチMTBの前輪を組みました。
昨日の記事では 650Bという表現はあっても
27.5インチとは どこにもありませんが一応 併記しておきます。

RIMG2682msn5.jpg
RIMG2683msn5.jpg
ZTTOのBOOSTハブ 32H 半CXスプリントロクヨン組みです。
結線は あとでやります。

RIMG2680msn5.jpg
クレストMK4ですが、非オフセットリムだったMK3よりも
重たくなりました。
あと、リムの内幅も2mm広くなっています。
クレストMK3の29インチリムで公称364gで、
スタンズは スタンズ ウソツカナイという信頼があり
実測重量も そこから大きくは外れていませんでした。
現行のクレストMK4の29インチリムは公称399gです。
これが27.5インチリムだと公称374gなのですが、
前輪のリムしか量っていないものの公称値どおりでした。
厳密には 375gを たまに表示して ゆらいでいましたが
軽く出たほうを撮ってやりました。
この形だと 奴を召喚する言霊が文中にないため
アーカイブには残らないので要注意です。


スタンズのリムは
クレスト・アーチ・フロー・セントリー・バロンの順に
リムが広くなっていき 同社のチューブレステープにも
それぞれ対応するものがありますが、
MK4となったことで 概ね これが1つずつ ずれていった形となります。
ところが バロンのみ まだMK3のままなので
セントリーMK4と バロンMK3が ほぼ同じ幅のリムになるのでは?
と思っていたら セントリーのみMK3を最後に廃版で、
すでに問屋さんの在庫も無くなっていました。
問屋さんに在庫が残っていないということは
それなりに需要があったと思われるわけですが、
そういう人は今後はフローMK4を買ってねということなのでしょう。

RIMG2703amx15.jpg
スタンズの アルミリムのMK3とMK4、
カーボンリムのCB7の リムの内幅をまとめました。

フローには MK3と同じ内幅(29.0mm)で
リム内部に壁があり 形状も少し違う
耐座屈性能が高い「フローEX3」というモデルがあり
現在も入手可能ですが 表からは除外しています。
ちなみに フローMK3比で 27.5インチリムで約100g増、
29インチリムで約90g増という重量です。

クレストとアーチとフローには
MK3と寸法が同じで重量が重い「S1」と、
MK4と寸法が同じで重量が重い「S2」という
廉価グレードがあり 現状ではS1が廃版で
S2を展開していますが 日本の問屋さんは取り扱っていません。

内幅を赤字で書いたリムは廃版となっていますが、
クレストCB7やグレイルMK3が廃版となっているのは驚きました。

上のリムの図では ビードフックを描いていますが、
CB7はフックレスリムです。
MK3やMK4でもフックが浅いので
ほとんど フックレスリムみたいなものですが。

グレイル以外はMTB用のリムですが、
メーカーサイトでは クレストMK4のみ
推奨用途が「XCまたはグラベル」となっています。

チューブレステープの幅ですが、
25mmが もし24mmであったなら
全て3mm幅刻みなのに・・・と思います。
リムの内幅のほうがモデルチェンジで変わったりするので
あるリムに対して ちょうどの幅が得られるとは限りません。
スタンズのリムはフランジの高さが非常に低く
タイヤビードとの接触面積が少ないので
リムの内側の側面にテープがかかってしまうと
タイヤ外れの原因になりかねないので
「ちょうどでなければテープのほうが やや狭め」のほうが無難です。
実際、クレストMK3に21mm幅のテープを巻いたこともありますし
バロンMK3に33mm幅のテープを巻いたこともあります。
じゃあ36mm幅のテープは どこで使うねんという話になりますが。
スタンズのテープは空気圧で伸びるので、
リム中央の凹みに テープがきれいに貼り付いても
テープの横幅は あまり縮まない感じです。

上の図の廃版モデルのうち、
アーチCB7の27.5インチの28Hと32Hについては
この記事を書いている時点では
「完売したら終了」という形で
日本の問屋さんに わずかに在庫があります。
欲しい方は お早めに。

category: のむラボ日記

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キシリウムとレーシングゼロとWH-9000さん  

お客さんから キシリウムとレーシングゼロをお預かりしました。
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レーシングゼロのほうは ほぼ問題ありませんでした。
後輪がフリー側に紙1枚くらいずれている可能性が高いと
お客さんに言って 経年使用によるセンターずれを
言い当ててやろうとしたら 前輪だけでなく後輪もセンタードンピシャでした。
ただ、フリーボディを固定している 逆ねじなのにゆるんでいることが多い
エンドナットがゆるんでいたので それを締めたということだけでも
点検した意味はあったと思います。

キシリウムのほうは 後輪が例によって
反フリー側にガッツリずれていたのと
前輪も そこそこずれていたので
増し締めボーナスと解釈して 直しました。
お客さんには見せているので画像は撮っていません。
キシリウムは お客さんが最初のオーナーでは無いということで、
FTS-Lフリーボディの奥で常に擦っているゴムシールが
抜かれていました。
フリーボディの内部が汚れてくると
ハブ体の回転が半クラッチ状態になって
スプロケット付きフリーボディに伝わるので
後輪が浮いているスタンドにバイクをかけて
クランクを手で回すと 以降 幽霊がペダリングしているように
チェーンが回り続けるのも そのシールが原因ですが、
オイルというかローションのような粘度の
フリーボディ専用オイルが垂れて漏れ出さないのも
そのシールの仕事です。
お客さんに事情を説明して 純正の状態に戻すか
あえて このまま使うか訊いたところ
純正の状態を希望されたので、なぜか在庫があった
フリーボディ奥のシールをハブ体に取り付けて
なぜか在庫がある純正のフリーボディ専用オイルを
洗浄した爪周りに充填しました。

その前に、ハブの回転がゴリゴリだったので
このキシリウムの場合は ハブ体左右のベアリングを抜かずとも
ハブシャフトを左側に抜き取れるので
ハブシャフト無し状態で左右ベアリングの回転を見たところ
右側のみ顕著にゴリゴリだったので
それもお客さんに確認してもらってから 交換しました。
FTS-Lフリーボディ用のハブ体の右側ベアリングは
608という規格ベアリングのふりをしている
特殊なサイズのベアリングです。
608は 内径8mm/外径22mm/厚み7mmというベアリングですが
マヴィックのリヤ右ベアリングは そのうち
内径だけが9mmという仕様となっており 入手が困難です。
そのサイズの鉄球ベアリングを なぜか在庫で持っていたので
交換しました。

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↑交換したベアリング

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608とありますが

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裏返した 片側の内輪にのみ
セラミックベアリングだという表記があり

RIMG2679amx15.jpg
Tniのものでした。
内径8mmの普通の608は、
リヤハブに使うには サイズ自体が小さすぎ
フロントハブに使うには 内径が小さいので
(ベアリング直下の エンドまたは
ハブシャフトの外径が8mmというのは あまり無い)
ホイールに限らず 自転車で使われることが あまりありません。
このマヴィック用の608は、Tniでは内径のみ9mmという意味で
「608-9」という商品名となっています。
今回のマヴィックのハブ体左ベアリングは
純正の接触式シールのものでした。
マヴィックのホイールは ベアリングまでの防水が皆無で
ベアリングのシール自体が
防塵防水の最終防衛ラインとなっているので
接触式ベアリングを(セラミックベアリングに限らず)
非接触式にすると回転は軽くなりますが
ベアリングの寿命はガタ落ちします。
この608もどきのみ、フリーボディの内部にあるので
浸水しないと考えたのでしょう。
そのわりにはフリーボディ奥のシールを抜いていましたが。
今回のこのベアリングは 浸水うんぬんは おそらく関係なく
単にボールレースの硬さが セラミック球の硬さに負けて
虫食いを起こしているのだと思われます。
608は3桁品番のミニチュアベアリングの中では
内径と外径の差が大きいことから 中の鋼球も大きいので、
マヴィック純正の608もどきが ダメになって
交換するという事例は皆無です。
ハブシャフトの中央に近いところで
偏芯的な応力がかからない「ころ」として
受けているだけというのも傷みが出にくい理由でしょうか。
私の経験上では、マヴィックの608もどきを交換する理由は
「セラミックベアリング化して傷んだものを 元に戻す」
以外にはありません。

最近では、これくらいの件では記事にしません。
実際、今日はこれと別件で レーシングナイトの振れ取りと
ロヴァ―ルCL50が落車で振れたのを直しましたが
記事用の画像すら撮りませんでした。

書いてもいいというので書きますが、
このキシリウムとレーシングゼロのお客さんは
H島県のO道市から来られています。
で、当店を知ったきっかけというのが
先月 当店にWH-9000を点検希望で持ち込んだ人が
H島県F山市に住んでいる知り合いだからということでした。
そのときのホイールの画像は撮っていますが
記事にはしていなかったので上げておきます。

RIMG2282amx15.jpg
お客さんからWH-9000-C24の前輪をお預かりしました。
このホイールの最初のオーナーでは無いということで、
点検をご希望です。

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デュラエースの吊るしの前輪が
こんなに ずれているわけはないので、
間違いなく 振れ取りごっこの前歴があります。
振れ取りとセンター出しの結果は
お客さんに見せたので撮っていません。
後輪のハブの玉当たりにガタがあったのと
作業後に お持ち込みされたスプロケットを取り付けた気がしますが
画像は撮っていません。

category: のむラボ日記

tb: 0   cm: 0

クレストMK4リム(650B)で後輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
RIMG2668amx15.jpg
スタンズのクレストMK4の
650Bサイズのリムで後輪を組みました。

RIMG2672amx15.jpg
ハブは 中華ブランドのZTTOというところの
P3というモデルのブースト仕様です。
数年前から とくに意味もなく
いや ユーザーから さらにもう一度
金をむしる機会を得たという点では意味がありますが

XCレース用のMTBフレームセットが
こぞってBOOST規格となっています。
ロードバイクも フロントダブル×13Sコンポを出す頃には
BOOST規格を採用して 計画的陳腐化で
旧来のフレームセットとコンポを一掃するかもしれません。
で、今回のお客さん(一応)ですが
MTBのフレームが割れたので買い換えたら
今まで持っていたホイールが付かないということで(※)
しぶしぶ BOOSTハブでホイールを新調することになりました。

※ポン当てエンドの変更により
15×100mmを110mm化、12×142mmを148mm化、
つまりBOOST化できるハブもありますが
その場合 ハブ体としての寸法(とくにフランジ幅)は変わっておらず
ホイール体としての性能は ほぼ何ら向上していないことになるので
新規格によって性能が向上したという要素はありません。

RIMG2673amx15.jpg
32H 半コンペヨンロクJIS組みです。
結線は あとでやります。

RIMG2674amx15.jpg
ハブ胴の反対側とフリーボディにある 6PAWというのは
フリーボディの爪が6つですよという意味です。
あと、ハブ胴にBOOSTとありますが
このハブは 142mm幅にも148mm幅にも対応するハブ胴だけど
エンドの変更で148mm仕様にして出荷した・・・というわけではなく
一応 BOOST(148mm幅)でないと 成立しない
ハブ体の寸法ではありました。

RIMG2675amx15.jpg
ここから ホイールが組まれる前だったり後だったり
時系列がグチャグチャですが気にしないでください。
ハブのフランジ穴には 2.3mmの丸穴を通せないほどの
扁平なスポーク用のスリットがあいていました。
スポークの首元がかかる位相ではないとはいえ
ホイール使用時のスポークの動的な遊びが大きくなる気がするので
きしめんスポークでホイールを組まないのであれば
スリットは無いほうがいいです。
ロードバイクのハブであれば 頼んでも無いのに
勝手に この仕様だったりすることがあります。
Tniのハブでも リーフハブでも
ロットごとに コロコロ変わっていたこともありますが、
MTBのハブなら まず不要な仕様です。
穴数も32Hなので ロードバイクがBOOST仕様になったとしても
この穴数でホイールを組むことは まずありません。
グラベルバイクなら ありえるかというと、
今度はグラベルバイクのホイールを
きしめんスポークで組むことが まずありません。

RIMG2669amx15.jpg
スタンズのクレストですが、MK3からMK4になりました。
梱包を剥いたときに リムがつや消しブラックだったので
間違えて クレストCB7(カーボンリムのほう)を仕入れたかと思って
ヒヤッとしました。
泥離れがいい表面処理・・・にも見えませんが
もし そうだったらいいですね。

RIMG2663amx15.jpg
バルブ穴のところに貼ってあるステッカーの説明書きが
右側から見て正方向で読める向きに・・・とか考えましたが
あぶないあぶない。
このリム、もっと決定的に左右を決める要素がありました。
後輪の場合は 右から見て正方向で読める向きにはなりますが。

RIMG2670amx15.jpg
クレストは、MK4からオフセットリムになっています。
外周側のリムテープを貼る部分は
従来通り つやありブラックです。
スタンズのチューブレステープですが、
アルミやカーボンなど リムに対しての貼り付きがやや弱く
2周目以降のテープに対する貼り付きはいいので
2周 巻く場合もありますが、
スタンズでは 1周で十分に機能するので
2周 巻かなくてもいいと言っています。
が、スタンズのリムに限れば2周 巻いてはいけません。
ほぼフックレスリムのような浅いビードフックで、
しかも 高さも低いので リムテープを2周巻くと
タイヤのかかりが浅くなって
着地のショックで外れたという事例もあります。
バルブ穴周りで一部 2周になっているのは問題ありませんが。

RIMG2664amx15.jpg
RIMG2665amx15.jpg
縦横振れを取りきった状態で、
あえて フリー側にずらしているホイール組みの途中ですが
反フリー側のスポークテンションお腹いっぱいというところで
まだ 反フリー側の増し締めしろ(という名のセンターずれ)が
残っています。これ、オフセットリムだからです。
もし この後輪が24Hだったなら半コンペがいいですが、
32Hもあるので 半CXスプリントでもよかったかもしれません。

RIMG2666amx15.jpg
RIMG2667amx15.jpg
フリー側をゆるめるのも あれなので
反フリー側をセンターが出るまで増し締めしました。
まあこれでも「結線いらんやろ こいつ」というほど
左右差が少ないわけではありません。
オフセットリムが効いてるのが
組んでいて分かるのも事実ですが。

category: のむラボ日記

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ホログラム35カーボンさん  

お客さんから キャノンデールの
ホログラム35カーボンホイールの前後輪を お預かりしました。
RIMG2564amx15.jpg
前輪のベアリングがゴリゴリしているのを交換と、
あと全般的に点検を ということでしたが
前後輪とも かなり ひどかったです。
まずは前輪から。

RIMG2565amx15.jpg
先日も書きましたが 前輪のみ2:1組みで、
前輪は24H 後輪は28Hです。
それはいいのですが この前輪、XI組みでした。
ロヴァ―ル以外にも あったんですね。
このホイールがホログラムの初見というわけではないのですが
注意して見ていませんでした。
左右のスポークをにぎにぎすると
多スポーク側のほうが明らかに変形量が大きいです。
なんなら、今日組んだ 左右異径異本同数組みの
のむラボホイール8号の前輪(結線無し状態)のほうが
左右のスポークの変形量の差が少ないくらいです。
といっても のむラボホイール8号の前輪でも
スポークの角度が寝ている側のほうが
変形量が大きいのは分かります。
そちらは あとで結線をするんですが。
これがスピード25の前輪では、
ホイールを見ずにスポークをにぎにぎすると
変形量では左右の判別ができないくらい 近いです。

2:1組みの24Hなので、
32Hのハブで穴飛ばしをして2:1組みすれば
右右左右右左右右左右右左と
XI組みの反復になっているのを
多スポーク側の最終交差の挟角が鈍くなるように
右左右右左右右左右右左と
Ж組みの反復に変換して組み直すことも可能ですが、
首折れスポークのハブで2:1組みをすることになるのと
バルブ穴の位相がЖとЖの間ではなく
Жの中になって見た目がよろしくなくなるのが問題です。
まあ今回は そこまで いじりませんが。

RIMG2566amx15.jpg
スポークに擦れ傷があると申告されていましたが、
交換を要すると 私が判断しないなら
そのままでいいということでした。
後輪の話になりますが
「擦れ傷が理由では」交換はしていません。

RIMG2573amx15.jpg
右側のほうが 手の力で簡単に
ポン当てエンドが抜けたので 先に抜きました。

RIMG2574amx15.jpg
ベアリングの内輪と接触する部分に
もらい錆びがあります。

RIMG2575amx15.jpg
ベアリングの内側とハブ体との接触面は
ベアリングプーラーが かからないかのような形状をしていますが、
これはベアリングの内輪を内側から受けているスリーブが
バテッドしていて こういう形になっているだけです。
スリーブであれば ハブの中に棒を入れて
少し斜めに力をかければ スリーブが ハブ体の中で ずれますが、
このスリーブ状のパーツは もう片側ではベアリングの内径を受けているので
ハブシャフトの要素も あります。

RIMG2576amx15.jpg
先ほどの画像の右ベアリングは そのままに、
左ベアリング付きスリーブを 左側に叩き抜きました。

RIMG2577amx15.jpg
右側のポン当てエンドは 左側と違い
一部がスリーブに陥入しています。

RIMG2578amx15.jpg
少し 食いついてもいるようで、
銀色のスリーブを手の力で固定しつつ
もう片方の手で 黒いポン当てエンドを回すことができません。

RIMG2579amx15.jpg
ポン当てエンドを なんとか引き抜きました。

RIMG2580amx15.jpg
↑左側は エンドがスリーブ(ハブシャフト)に
これだけ挿し込まれています。

RIMG2589amx15.jpg
上の画像の時点では 右ベアリングもハブ体から外しています。
右ベアリングの直下にあるのは ポン当てエンドだけど
左ベアリングの直下にあるのは スリーブという
変わった構造です。

RIMG2582amx15.jpg
ホログラムのホイールは XERO(ゼロ)製ですが、
ベアリングのシールにもXEROの表記があります。
外径12mmのスルーアクスルシャフトが通る
内径12mmのハブシャフトの外径は、17mmでも可能です。
その場合、規格サイズベアリングの6903が
内径17mm/外径30mm/厚み7mmなので
よく使われます。
が、ハブシャフトの外径を18mmにしたい場合に
6903の内径だけを18mmに変更した
規格外サイズのベアリングとして
18307というのがあり、今回の前輪は左右とも そのサイズでした。
18307というのは 同上18/30/7mmの
数値を並べただけの名前です。
同じような例としては 同上15/28/7mmである
規格ベアリングの6902から 外径のみ26mmにした
15267というベアリングも よく使われるサイズです。
HGフリーボディの中に6902を入れると
スプラインの 山ではない部分の厚みが
かなり薄くなるので 外径28mmより26mmのほうが
都合がいいので採用されましたが
(たとえばTniのエボハブは6902ですが エボライトハブは15267です)、
いざ15267を調達するとなると
6902よりコスト面での都合がいいのか
ハブ体にも採用する例が増えました。

18307については マヴィックのインスタントドライブ360の
リヤハブにも入っていますが、
あれは非常に浸水しやすいハブで
気が付けば 中身が錆びて茶色い汁を無限に出す
18307になっていたというのを よく見かけます。

RIMG2581amx15.jpg
XEROのロゴもシールに入っています。

RIMG2583amx15.jpg
洒落たメッセージも入れています。

RIMG2584amx15.jpg
RIMG2585amx15.jpg
DTの ハブベアリングでも同じことをしていますが、
XEROのベアリングも外に向く側が接触式シール、
ハブ体内部に向く側が非接触式シールとなっています。
よく見ると シールと内輪の間に オレンジではヒダがあり、
グレーには ありません。
この仕様のベアリングを入手することは不可能では無いですが、
DTの場合 サイズにかかわらず鉄球ベアリングが
1個 税別2700円/税込2970円定価と お高めです。
ついでに書いておくと DTには18307のセラミックベアリング仕様は無いですが
セラミックベアリングの価格も サイズに関係なく一律で
1個 税別12200円/税込13420円定価です。
DTの場合は 鉄球ベアリングだと
外側がオレンジシール 内側が黒シールで、
セラミックベアリングだと
外側が黄色シール 内側が黒シールとなります。

RIMG2591amx15.jpg
XERO製のホイールですが、
スポークヘッドにもXEROのロゴを入れています。
ベアリングもスポークも メーカー内製というわけでは無くて
製造元に オーダーしているだけだと思いますが。

RIMG2587amx15.jpg
内輪が エンドのアルマイトがかかっていないアルミと
接触していた右側ベアリングは 錆びで擦れた跡があり、

RIMG2586amx15.jpg
内輪が スリーブのアルマイトがかかっていないアルミと
接触していた左側ベアリングは 比較的きれいです。
が、回転が よりゴリゴリしてたのは左ベアリングでした。

RIMG2590amx15.jpg
左右ベアリングを抜いたハブ体です。

RIMG2592amx15.jpg
左ベアリングのみ 先に圧入しました。

RIMG2593amx15.jpg
右側から スリーブというかハブシャフトを挿し込みました。

RIMG2594amx15.jpg
↑その時点でのハブ体右側は こんな感じ
もし 先に右ベアリングを圧入すると
スリーブの突起付き左ベアリングを圧入するはめになります。
それも不可能ではありませんが、面倒です。

RIMG2595amx15.jpg
この治具が

RIMG2596amx15.jpg
RIMG2597amx15.jpg
スリーブの突き出し部分に接触せず
ちょっとマイナス公差で 中心のガイドの機能を
保持するくらいには ぴったり合いました。

RIMG2598amx15.jpg
RIMG2599amx15.jpg
右側ベアリングを圧入しました。

RIMG2600amx15.jpg
RIMG2601amx15.jpg
抜き取った元のベアリングで撮っていますが、
外輪を ちょうど押すサイズです。

これは憶測ですが 18307という大きなサイズのベアリングが
左右ともイカれていたのは、普通に考えれば
スルーアクスルの締め過ぎが原因だと思われます。
しかし このホイールは キャノンデールの
フレームセットに取り付けて 使っていると考えられます。
キャノンデールのフレームセットは
マヴィックのスピードリリース規格の
二条ねじの ねじ穴になってるはずで、
スピードリリースは あまりバカ締めできないというか
それを防止する機構が 使用者に意識させない形で
実質 盛り込まれています。
なのでベアリングのサイズと キャノンデールの仕様からして
スルーアクスルの締め過ぎだとは考えにくいのですが・・・。

スペシャライズドが採用している
シンテース社が提唱したX-12規格のスルーアクスルは
もう十分にホイールが固定できただろというところから
まだ1/4周くらいは締め込めますが、
それをやるとベアリングの傷みが異常に進みます。
さらにロヴァ―ルの前輪は6802の規格ベアリング、
18307風に表記すると 15245という小径なベアリングであることも
ロヴァ―ルの前輪で ベアリングがゴリゴリなものが
散見される理由のひとつとなっています。

お客さんが このホイールを取り付けている
フレームセットが何なのかは知りませんが、
スルーアクスルの締め込みは
ハブの横ガタが無くなれば十分なので
(ホイールの上から タイヤごとリムをつかんで
左右にゆすってガタが無ければOK)
「ガタが無い範囲でなるべく ゆるく」みたいな
取り付けを試みてください。

RIMG2603amx15.jpg
RIMG2604amx15.jpg
ようやく 暫定センターです。
リムが左側(ローター台座側で多スポーク側)に
ずれていますが・・・

RIMG2605amx15.jpg
最も横振れがある位相で
振れ取り台のゲージにギリギリ接触するようにすると

RIMG2606amx15.jpg
それ以外の大抵の位相では これくらい空きます。
で、ゴバッと振れているのが
1ヵ所ではなく3ヵ所くらいあります。
さらに言うなら、これメーカーの検品 通らんだろと
いうくらいの縦振れもありました。

RIMG2608amx15.jpg
RIMG2609amx15.jpg
XI組みだから 余計にそう感じるというのも
あるかも知れませんが、
多スポーク側がヌルかったので
一旦 センターずれが増大するのを承知で
多スポーク側 増し締め偏重で縦横振れを取り、
「縦横振れが無くてリムが左にずれている状態」から
右側(少スポークj側)の増し締めで センターを出しました。
つまり、元より締めていないニップルは
ひとつとして ありません。

RIMG2611amx15.jpg
つづいて後輪。
左右同数組みの28Hです。
スポークは前後輪とも 全コンペ相当の
丸バテッドスポークで組まれています。

RIMG2613amx15.jpg
前後左右のエンドのうち リヤ右のみポン当てではなく
ねじ山の関係になっています。
ゆるめる方向は こっち、という注意書きがある場合は
たいていそうですが 逆ねじです。
これをゆるめ締めするのに 回転を押さえる手段は

RIMG2614amx15.jpg
左ポン当てエンドを外したあとのハブシャフトに
4mmアーレンキーを挿し込むというものです。

RIMG2615amx15.jpg
それはいいんですが、接触式シールを貫通して
汚れたグリスがベアリングから漏れています。

RIMG2616amx15.jpg
ポン当てエンドの内輪を押す段差あたりも
汚れていました。

RIMG2617amx15.jpg
フリーボディの爪周りも 汚れたグリスでドロドロですが、

RIMG2618amx15.jpg
ハブ体右側のベアリングには問題なさそうです。
前輪ほど ひどくは無いからか
お客さんが交換を提案していない程度には
ハブの回転がマシでしたが、
それはゴリッゴリの前輪よりマシというだけで
後輪も かなりゾリゾリした回転です。
フリー側のベアリングのほうが
傷んでいない可能性が高いと判断し、
左ベアリングをハブシャフトごと叩き抜いたあとに

RIMG2619amx15.jpg
ハブシャフトの左端を ハブの右側に挿し込み、
ホイール体を回しました。
上の画像はホイール体が回っています。
で、ハブ体右側のみのベアリングの回転が
ほぼ濁っていなかったので
こちらは そのまま使い回すことにしました。

RIMG2629amx15.jpg
RIMG2630amx15.jpg
元のハブ体左側のベアリングです。
フロントハブのベアリングと同じく
外側オレンジ接触式シール/内側グレー非接触式シールですが
サイズは6903で 規格サイズベアリングのため、
接触式シールにはLUかLLU、
非接触式シールにはLBかLLBの表記を入れようね!という
ベアリング業界のルールに則った仕様になっていました。

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シールをめくって パーツクリーナーを噴いてみました。

RIMG2622amx15.jpg
この錆び汁は、このベアリング由来のものだけです。

RIMG2623amx15.jpg
ハブ体左側のベアリングを交換しました。
前輪の左右と同じく 外側が非接触式シールになっているので、
フロントハブの左右とリヤハブの左側は
ポン当てエンドを はめ込む前にグリスを塗りこんでいます。

RIMG2624amx15.jpg
フリーボディの爪周りも洗浄しました。

RIMG2625amx15.jpg
RIMG2626amx15.jpg
ハブを組み立てて、後輪の暫定センターです。
経年使用でずれる方向と 逆方向にずれていて、
左右同数組みなので これは 増し締めしやすい低テンション側を
締めて締めて振れ取りごっこをして
最後にセンターゲージを当てないと こうなるといった感じです。
前輪のときから おかしいと思っていましたが、
横振れだけ頑張って振れ取りしました!みたいな
妙な縦振れが 後輪にもありました。
それとは別に、確たる理由でゴクッと縦振れがある位相があります。

RIMG2627amx15.jpg
RIMG2628amx15.jpg
スポークは全コンペ相当なのに
1本だけCX-RAYで補修されていました。
まともなショップなら これの補修の際にセンター出しをするはずです。
右側に紙1枚くらいのずれなら 私も目くじらを立てませんが、
明らかに いじった証拠があって左側に明確にずれているのは論外です。

スポークの径はコンペ相当なので
スポーク比重は85%近辺なのは確実です。
CX-RAYは約65%なのでマイナス20%差、
コンペ相当の黒ストレートスポークというのは入手困難なので
もし ここに違うスポーク比重のスポークを混ぜるなら
スポーク比重100%の14番プレーンのほうが
プラス15%と近いうえ 形状も近いので より適切です。
では なぜそうしなかったのか。
スポーク1本あたりの単価は
14番プレーンのストレートで入手可能な
DTの黒チャンピオン またはサピムの黒リーダーのほうが安いですが、
これらは100本売りなので この補修1件だけで考えるなら
CX-RAY1本のほうが安いです。
CX-RAYストレートは当初 補修用として
リム側のプレーン部分が長く
スポークカッターを必要とする仕様のものしか
日本の問屋さんでは 取り扱いがありませんでした。
このスポークの長さでいうなら
270mmまでカットできる310mmを仕入れればいいです。
そのあとに、首折れスポークと同じく偶数mm長さの
2mm刻みで 普通に ねじ山を切ってある
CX-RAYの取り扱いも始まりました。
今回のCX-RAYは、310mmからカットした場合の
プレーン部分の長さになっていないことから
普通のほうのCX-RAYストレートです。

丸プレーンストレートスポークの場合、
日本の問屋さんの取り扱っている仕様は
DTだと14番の銀と黒で320mm、
サピムだと14番の銀と黒で310mmのみとなっています。
コンペ相当のスポークだと14番プレーンより
15番プレーンのほうがスポーク比重が近いですが、
DTでもサピムでも 入手はできません。

で、不思議に思ったのですが
このホログラムのホイールが出るよりも何年も前に
サピムのスポークについては レースやストロングやCXを除いて
1本売りになっているものがあり、CX-RAYも そうですが
14番プレーンのリーダーストレートも
1本だけ買うことができるスポークになっています。
では なぜそれを仕入れなかったのか。
スポークカッターを持っていないからです。
「最初からねじ山があるストレートスポークで長さを選べるもの」となると
CX-RAYしか無いのです。
このホイールの来歴について あまり詳しく訊いていませんが、
お客さんは最初のオーナーだというのは訊きました。
ということは修理の履歴などは把握しているはずです。
あと、ホログラムのホイールの最初のオーナーということは
キャノンデールの販売店で これを買っているはずで、
そこであれば 純正のスポークの取り寄せを
試みることができるはずです。
もしかしたら 試みたうえで在庫が無かったうえ
スポークカッターも持っていないので
CX-RAYストレートにしたのかもしれません。

で、スポーク比重が大きく違うスポークを混ぜると
横振れとテンションを周りに合わせると 縦振れが出ます。
縦横振れを きっちり取ると 1本だけ違うスポークの
スポーク比重が小さい場合 テンションがキンキンに張ります。
逆に大きい場合は だるんだるんにヌルくなります。
今回は前者ですが、キンキンに張るのは相当に難しいので
顕著な縦振れが出ていました。
その、CX-RAYを混ぜたことによる その位相での縦振れと
ふつーに振れ取りごっこがヘタクソ極まりないことによって
前輪と同じような感じで出ている縦振れが合わさって
ムチャクチャな状態になっていました。
しかも横振れが取りきれていないうえ
センターずれについては先ほどの通りです。
ディスクブレーキのホイールだからバレないとでも思ったのでしょうか。
このホイール、具体的な県名は避けますが
九州から送られてきてるので
もはや信用されていないのは明白です。

この件に限らず 近所のショップの仕事ぶりを見るのと
このブログを読んで、当店のほうが
まだ信用できそうだと思われている時点で
相当ヤバいと思うのですが。
私は何も、近所のショップさまの面子を潰したくて
ホイールを直しているわけではありませんが、
結果として面子を潰してしまうことになった場合
心苦しく思っています(涙)。
よく その程度の技術で メシ食えてんなカスが。
○○県ではこの程度の腕でも通用するってことか
よく覚えとくわ(笑)。とか思ったことなどありません(爆)。

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縦横振れを取り センターも出しました。

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CX-RAYだった箇所のスポークは交換しています。
14番プレーンではなく 貴重品ですが黒コンペにしました。

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↑交換したパーツ
純正のニップルは内蔵用の12mmしんちゅうだったのに
CX-RAYのところだけ 付属品の14mm長さの
黒アルミを使っていたのもイケてないポイントです。

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↑CX-RAYの最終交差の摩耗痕

category: のむラボ日記

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のむラボホイール8号の前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
RIMG2634amx15.jpg
のむラボホイール8号の前輪を組みました。

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レボディスクハブ 24H 黒半CXスプリント
ロクヨン逆イタリアン組みです。
結線は あとでやります。

category: のむラボホイール

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スピード25が入荷していました  

フルクラムのスピード25が去年の9月に入荷していました!
RIMG2525amx15.jpg
セール用に置いておいたのですが
(値上げ後にでも 出そうかなと思っていたのですが)、
積んでいる箱を見て「これ、なんやねん」と聞かれることもあり
売ってしまったこともあります。

このスピード25というローハイトリムの
ディスクブレーキ用ホイールですが、
のむラボ的ホイール観に当てはめると
わりと理想のホイールに近くて
最初 見たときに ちびりそうになりました。
本当に「ぼくのかんがえたさいきょうのホイール」に近いです。
「不特定多数の人に販売するもの」という
完組みホイールが避けられないバイアスがかかってはいますが。

RIMG2526amx15.jpg
前輪は 2:1組みの24Hです。
ボーラWTOディスクの場合でも
リム高にかかわらず(33mmだけでなく 45mmや60mmでも)
前輪は G3組みが8ペアの24Hとしています。
WTOの意味するところの「風洞実験で最適化された」のは
リムやハブ胴やスポークの形状だけでなく、
スポークの本数も 風洞実験で吟味していると思いますが
空力性能「だけ」を最大要素だとカンチガイして
基本 前輪は14+7の21H、
さらに空力にトチ狂ったモデルだと12+6で18Hとしている
どこかのクソアホホイールとは違います。
あ、もうひとつ。均等間隔リム穴なので
Ж組みですよ 当たり前のことですが。

RIMG2527amx15.jpg
前輪は非オフセットリムです。
2:1組みをしていれば ディスクの前輪程度のオチョコだと
不要だという考えなのでしょう。
もし 私がこのホイールの設計者だとしても 同じ答えです。
もしかしてフルクラムは
私の思考を盗み見ているのでは・・・(妄想)。


対して、リヤリムはオフセットリムとなっています。

RIMG2528amx15.jpg
そして重要なのが、
フルクラムなのに 2:1組みになっていないということです。
なんという英断。
しかしこれ 実は、かつてフルクラムにあった
レース用グレードの29インチないし27.5インチのMTBホイールと
ほぼ同じ設計で、違うのは28Hが24Hになっていることくらいです。

RIMG2536amx15.jpg
ハブフランジも 極端なハイローではありません。
スポークは、スピード40ですら 丸スポークであったのに
このスピード25では扁平スポークとなっています。

RIMG2530amx15.jpg
リムの外周側は バルブ穴以外に穴が無い2WAY-FITリムですが、
内幅は21Cとなっています。
カンパニョーロのボーラWTOは リムブレーキ用とディスクブレーキ用、
リム高33mm・45mm・60mmの全てで内幅19mmのリムですが
ボーラウルトラWTO(ディスクブレーキ用のみ)では
33のみ 内幅21mm仕様に変更されています。
ローハイトリムだと幅を広げたい事情があったのでしょうか。
このスピード25は ボーラウルトラWTOより後に出たモデルです。
私が個人的に買うとすれば内幅は19Cのほうが良かったですね。
ここはフルクラムと私の考えが分かれるところです。
スルーアクスル仕様でディスクブレーキ用のフレームセットを
まだ所有したことが無い私が言うのもなんですが。


ちなみに、私はボーラウルトラWTOの
全てのリム高の リムの実測重量を知っています。
信頼できる ある筋、名前は伏せますが
カンパニョーロにジャパンいち詳しい会社の中の人から聞いたのですが、
信用していないわけでは無いものの
私が実際に量ったわけではないので ここには書きません。
それによれば、ウルトラの33は リム幅が広いので
45よりも絶対重量は軽いものの その差は小さく
リム高も勘案したハイト/ウェイトレシオでは
45が最も優秀で、純粋なヒルクライムを除けば
45が最も使いでがある気がします。
なので私の考えるボーラWTOのベストバイは33ですが
これがウルトラになると45になるかも知れないと思っています。
と言いながら絶対重量原理主義者なので
ウルトラを買う機会があれば33を買う可能性が高いですし、
それ以上にスピード25に惹かれているのですが。

RIMG2531amx15.jpg
RIMG2532amx15.jpg
横から見ても化粧カーボンで分からない継ぎ目が
外周側からは確認できます。
継ぎ目の数を数えると 90°位相ごとで 4ヵ所でした。

RIMG2534amx15.jpg
その継ぎ目の位相の横側で、4ヵ所中3ヵ所の片側に
水抜き穴があいていました。
上の画像はリヤリムの左側で、オフセットリムの
斜面ではなく 絶壁になる側です。
なので リヤリムに穴があいているのは 必ず左側ですが
画像を撮った前輪では 右側に3つの穴がありました。
フロントリムはオフセットでは無いので
フルクラムのマニュアル外の位置合わせしないテキトーさにより
左側に穴がある前輪も出回っていると思われます。

RIMG2537amx15.jpg
↑前輪
RIMG2539amx15.jpg
↑後輪
ホイール単体の実測重量です。
多くの人が不満を漏らすクソホイールであれば
組み直すことがあるので
リムの重量をすっぱ抜く機会もありますが、
ボーラなどのホイールは破損したリムの交換時くらいしか
リム単体の実測重量を量る機会がありません。
なので上の画像の数字を足した
前後輪の合計1332gという情報には あまり価値はありません。
もう少し弾数が多ければ 私物として押さえたぶんを
バラしたりしたでしょうが。
ちなみに、今回のセール特価は二度と出せない価格なので
新規に仕入れたスピード25を 同じ価格では売れません。

RIMG2545amx15.jpg
なお、フルクラムからの毒電波的指令により、
今回のホイールを 当店でお買い上げいただいた方には

RIMG2543amx15.jpg
エリートの フルクラム柄のFLYボトルを2本か

RIMG2540amx15.jpg
RIMG2541amx15.jpg
↑これ(非売品です)

RIMG2548amx15.jpg
ネックウォーマーから
ヘルメットのアンダーのスカルキャップまで幅広く使える
Buff(BuffではなくBuff的なものかも知れぬ)の
フルクラム柄のもの(非売品です)1枚のうち
いずれかを・・・

RIMG2549amx15.jpg
すみません どちらも付けることになりました。
スピード25ですが、税別定価346000円
税込定価380600円ですが、
今回のセール特価は いつものところに書いておきます。

category: 新着情報!

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スピード40DBさん  

セールの前振り その2。
それは ともかく
RIMG2515amx15.jpg
お客さんから フルクラムのスピード40 DBをお預かりしました。
新品未使用で、点検を ご希望です。
今日「届いた」と言っていましたが 聞かなかったことにしましょう。
まずは後輪から。

RIMG2511amx15.jpg
RIMG2512amx15.jpg
これは作業前の暫定センターですが、
ドンピシャでした。振れも ほぼありませんでした。

RIMG2513amx15.jpg
すき間が あるように見えるのは

RIMG2514amx15.jpg
割りが入っていてハブシャフトにパチンとはめ込む
エンド部分のパーツ
(エンドのパーツじゃなくて エンド「部分」のパーツ)の端が
ハブシャフトの端面とツライチでは無いからです。
ここツライチじゃないの いつも めっちゃ気になります。

RIMG2520amx15.jpg
つづいて前輪。

RIMG2518amx15.jpg
RIMG2519amx15.jpg
これは作業後の画像です。
紙1枚あるか無いか ずれていたのと、
後輪よりは振れていました。
かすかながら2ヵ所ほどですが。



RIMG2521amx15.jpg
RIMG2516amx15.jpg
これは このホイールの点検に関係ない話ですが、
前後ハブとも メガハイローフランジです。
左右同径組みで、リム高は40mmですが
2.0-1.8-2.0mmの丸バテッドスポークでした。
言うなれば 全コンペ相当ということです。
左右同径組みなので、第1STが同じか ほぼ同じであれば
第2STも同じか ほぼ同じということになります。
左右異径組みだと 第2STが同じでも
第1STが異なるので比較は出来ませんが。
また、左右同径組みでも 第1STが大きく異なっていれば
第2STにおける比が同じとは限りません。
第1STと第2STの関係は比例直線ではなく 弓なり曲線なので。
たとえば、フリー側の第1STが120で
反フリー側の第1STが100であった場合、
第2STの関係も120:100になるかというと
そうは限らないということです。
で、実際に第1STを測ると フリー側を100とするなら
反フリー側は98くらいといったところでした。
この程度であれば 第2STも左右ほぼ同じだと言っていいです。
そうなるように逆算した ハブの寸法なのでしょうが。
このハブに対して 異なるリム高のリムで組まれた
フルクラムの完組みホイールもありますが、
スポークテンション(←これは第1も第2も包括して言ってる)の
左右差の少なさは ほぼ変わりません
(理論上は リム高が高いほど大きくなる気がしますが)。

RIMG2517amx15.jpg
後輪の少スポーク側のラジアル組みのフランジは
スポーク1本に対して かなりビビった設計になっていますが、
最近のボーラWTOディスクのリヤハブなどでは
リムブレーキの反フリー側ラジアル組みと
変わらないような フランジ形状になっています。
先日のシャマルウルトラのカーボンハブの例(→こちら)のように
「最初はビビってたけど どうやら
もうちょっと軽薄な設計でも大丈夫そうだ」ということが
経験的に分かってきたのかも知れません。

category: のむラボ日記

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HUNTのホイールさん  

セールの前振り その1。
それは ともかく
RIMG2306amx15.jpg
RIMG2305amx15.jpg
お客さんから HUNTの前後輪をお預かりしました。
上の画像は作業後のもので、
当店で貼った スタンズの黄色いチューブレステープが見えています。
新品購入後 未使用の状態でお持ち込みされていますが、
前輪を回すと ビクつく位相が分かるくらいの縦振れがあったので
それの修正を含めた点検を ご希望です。

RIMG2303amx15.jpg
前輪のリムで たった1ヵ所
振れ取り台のゲージに触れる位相で
ギリギリ当たるようにすると

RIMG2304amx15.jpg
それ以外の位相だとこんな感じです。
伝わらないかもしれませんが
これは相当に大きな縦振れです。

RIMG2299amx15.jpg
過去に何度も書いていますが、
カーボンスポークのリム側にある これは
調整用のニップルではなくスポークの一部です。
外周側から つかみしろが六角のニップルを回すときに
供回りするのを抑えるために、
ニップル回しを抑え工具としてかけるための
四角のつかみしろです。

RIMG2297amx15.jpg
なので 振れ取り作業で
リムテープを必ず剥がす必要があるのですが、
HUNTのリムテープは リムテープとは別のエンドテープが
最後に貼られており、これがタイヤのビード上がりの動きに負けるのか
グズグズに潰れていることが多いです。

RIMG2298amx15.jpg
テープの付きも悪く、シーラントが浸入していました。
未使用のホイールで なぜシーラントが付いているのかというと、
チューブレスタイヤ付きで販売しているからだそうです。

RIMG2301amx15.jpg
これは後輪ですが、そこそこの長さを めくっているのに
シーラントが入り込んでいます。

RIMG2302amx15.jpg
なるべく 再使用可能なように
丁寧に剥がそうと試みてはいますが、
バルブ穴の部分を 缶切りの要領で切っていて
完全に切り取らなかった最後の部分(缶のフタに相当)を
バルブ穴からリムに落とし込んでいる場合
このように めくれてしまうことがほとんどです。
前後輪とも リムテープがきれいに剥がせなかったので
スタンズのテープを貼りました。



RIMG2307amx15.jpg
これは このホイールの点検に関係ない話ですが、
今回のHUNTのホイールは ディスクブレーキ用で
前輪のみ2:1組みをしています。
2:1のペアが6つで計18本ですが、
これはスチールスポークだと 明らかに少ないですが
カーボンスポークの場合は
(カーボンスポークにもピンキリあるので
一緒くたにしてるわけでは無いです)
私には評価できません。まあ たぶん大丈夫なのでしょう。
後輪は左右同数組みの20Hです。
ディスクブレーキ用のホイールですが
前輪の場合 スポークの角度が寝ていて少スポーク側になる側が
ローター台座側では無いので、
少スポーク側はラジアル組みが望ましい2:1組みと
できればラジアル組みでは無いほうがいいローター台座側が
同じ側になることはありません。
これが後輪だと、オチョコ量が ローター台座よりも
フリーボディ側のほうが大きいので2:1組みの
少スポーク側がローター台座側と一致します。
仮に 2:1組みという特徴が売りになっている
メーカーやブランドのホイールであっても
(あるいは そうでなくても)、
ディスクブレーキの後輪は2:1組みを
しないほうがいいというのが 私の考えです。

前輪のみ2:1組みというのが
今回のHUNT、キャノンデールのホログラム、
あと2つ先の記事のホイールなどです。

前後24Hで なぜか後輪のみ
2:1組みにしているホイールがシマノです。
反フリー側は 厳密には位相絞り0本組みであって
ラジアル組みではありませんが、性質的には ほぼ同じです。
この2:1組みの後輪、私が組み直した例では
今のところ100%「化けたのが体感レベルで分かる」
「元の状態では二度と使いたくない」という答えを
いただいています。

前輪21H、後輪24Hで 前後輪とも2:1組みをしているうえ
後輪の反フリー側を ブレーキの応力にビビってか
タンジェント組みしているうえ 均等間隔のリム穴でXI組みしている
最低のホイールがロヴァ―ルです。
まず前輪ですが、2:1組み8ペアで24Hにしておけば
いま一般に言われているほどには ヌルいとか
コーナーでヨレるとか言われなかったかもしれません。
ロヴァ―ルの要素の大小の判断では
スポーク3本ぶん失われる剛性より スポーク3本を除くことで得られる
軽さと空力のほうが大事だったのでしょう。
後輪ですが、2:1組みで少スポーク側がラジアル組みだと
ハブの寸法にもよりますが スポークの番手が左右同じだったときの
スポークの変形量の左右差が ほぼ無くなります。
2:1組みの場合は かかりの良さを考えると
フリー側の最終交差の角度は なるべく寝かすべきで
Ж(ジェー)組みを選択するべきですが、
ロヴァ―ルは ほぼ唯一と言ってもいいXI(エックスアイ)組みを
選択したメーカーです。
フリー側が ラジアル組みに近い組み方で、
さらに反フリー側をタンジェント組みしているので
「フリー側のスポークのほうが にぎにぎしたときの変形量が明らかに大きい」
という ほぼロヴァ―ルでしか見られない特徴を有しています。

なので 私の結論としては、
ディスクブレーキの後輪は
・2:1組みをしない
・どーしてもするなら ストレートスポ―クでラジアル組みにする
(ブレーキをかけている時間だけが問題で、
走行時間のうち ブレーキをかけていない時間のほうが
長いだろという考えもある)
・2:1組みをするし 反フリー側もタンジェント組みをする
の順で下に行くほど 頭が悪いということになります。

この話をすると「フルクラムでもXI組みをしている!」と
言う人がいるので それについても書いておきます。
RIMG2552amx15.jpg
↑レッドウインド50
RIMG2553amx15.jpg
↑レーシング7 DB
RIMG2554amx15.jpg
↑レーシングクアトロ LG
RIMG2555amx15.jpg
↑レーシングスポルト
(完成車メーカー向けホイールで単体販売は無し)
これらは2018年のカタログから撮りましたが、
全て 反フリー側ラジアル組みのスポークが
横から見て フリー側の最終交差を通っています。
つまり、Ж組みです。
ちなみにレーシング7 DB以外は
リムブレーキ用ホイールです。

RIMG2557amx15.jpg
↑レーシングクアトロ カーボン
RIMG2558amx15.jpg
↑レーシングゼロ
これらのホイールは 反フリー側ラジアル組みのスポークが
横から見て フリー側の最終交差を通って・・・いません。
なので XI組みだ!とするのは早計です。

RIMG2556amx15.jpg
↑これはリムブレーキ用のレーシング7 LGで、
ここまでのフルクラムのホイールの中で
唯一 2:1組みではなく左右同数組みのホイールです。
先ほどの 見かけ上 XI組みのホイールは
均等間隔リム穴ではなく、お休み位相のリム穴です。
フルクラムの後輪のお休み位相は右・左・右・左・・・・の
均等間隔のリム穴から 左側を半分 間引いた形で
右・左・右・休・・・・となっています。

RIMG2560amx15.jpg
なので たとえば お休み位相ありの21Hの後輪の場合は
普通の28Hの後輪から 反フリー側のスポークを
間引いたものと同じ構造をしていますが、
上の図にあるように 反フリー側のスポークのうち
AとBのどちらを間引こうが
フリー側の最終交差の角度は変わりません。
お休み位相ありのフルクラムの後輪の場合は
上の図でいうところのAのスポークを間引いているので
見かけ上は XI組みに見えますが、

RIMG2563amx15.jpg
均等間隔リム穴のXI組みのように
最終交差の挟角が鋭くなったりはしません。
カタログのフルクラムの後輪全てに採用されている
(とくにストレートスポーク仕様の)メガハイローフランジには
最終交差の挟角を鈍らせる効果もあります。

最後に。最終交差の挟角を鈍らせるのが大事なら
ヨンロク組みよりロクヨン組みのほうがいいだろという人も
湧いてきそうなので書いておきますが
最終交差の挟角が大要素になるのは2:1組みだからです。
あと、最終交差の三角が大きければ大きいほど
結線の効果が大きくなります。
ハブフランジに ほど近い2本組み(1クロス)の
第1交差にして最終交差を結線しても意味は ほぼありません。
最終交差が大きければ大きいほどと書きましたが、
厳密に言えばハブとリムの中間に
近いほど というのが正しいです。
ただ、通常の範疇では最終交差はハブとリムの中間より
ずっと ハブに近い側になるので
大きければ大きいほどと書きました。

category: のむラボ日記

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のむラボホイール8号の前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
RIMG2522amx15.jpg
のむラボホイール8号の後輪を組みました。

RIMG2523amx15.jpg
レボディスクハブ 24H 黒半コンペヨンロク組みで

RIMG2524amx15.jpg
赤アルミニップルです。
結線は あとでやります。

category: のむラボホイール

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コリマの32リムとレーシングライトのハブで前輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。の前に。
コリマに、比のうえでは3:2組みとなっている
左右異数組みの20Hの後輪があります。
フリー側が3ではタンジェント組みできないですが、
実際は6:4で構成される180°位相分の形を
2回反復して12+8で20Hとなっています。
これを120°位相の範囲で6:4として
3回反復の18+12で30Hとした後輪が
トッポリーノというブランドから出ていました。
厳密には コリマが反フリー側ラジアル組み、
トッポリーノが左右タンジェント組みでしたが。
ついでに書いておくと、トッポリーノは
ニップルで調整可能な
ケブラー製のスポークという仕様でした。

で、この30Hというスポーク本数は
他にはないユニークな本数です。
それ以外の例だと
マヴィックのヘリウムの前輪の26H
(片側13Hは 奇数どころか素数なので当然ラジアル組み)や、
複数のモデルで展開しているものの
カンパニョーロのエレクトロンと それの派生モデルの
ニュートロンやハイペロンなどの22H
(片側11Hは 奇数どころか素数なので当然ラジアル組み)も
他では見られないユニークな本数だと
過去に書いたことがある気がしますが、
この22Hに関しては誤りでした。

コリマから、22Hのリムブレーキ用リムが出ています。
コリマの完組みホイールのローハイトリムモデルの
「ウイニウム」にも存在していない穴数なので、
ハイペロンの補修や ニュートロンの改造用として
用意された穴数ということになります。


というわけで 今日もホイー(以下略)。
RIMG2503amx15.jpg
お客さんから コリマの32リムの22H仕様をお預かりしました。
「32」というのはリム高に由来するモデル名で、
同じ命名法則のリム高違いのリムには
「47」と「58」がありますが、なんとカタログ上では
これらのリムにも22Hが存在します。

DSC07382amx14.jpg
追記:
リムが チューブラーかクリンチャーか
教えてほしいというコメントがあったので
没画像から引っぱり出してきました。
チューブラーです。
リム穴が かなり極端な穴振りになっていますが
これは正穴振りです。
ついでに。これより前の世代で ワイドリム化する前の
ウイニウムプラスのリムについては(→こちら

RIMG2505amx15.jpg
同時にお預かりしたハブは、フルクラムのレーシングライトのもので
いわば フルクラム版ハイペロンです。
フロントハブの穴数は ハイペロンと同じく22Hです。
黒CXスプリントが4本 通してあるのは
スポーク長さが合っているかどうかの確認用で、
この4本を最後に 当店のCXスプリント黒310mmストレートの
在庫が尽きました。
ひとつ前の記事にもありますが、スポークが再入荷したので
ここからのホイール組みを再開できます。
4本だけ黒、それ以外の18本を銀にして組んで
一旦 お客さんにお渡ししようかと思ったのですが
二度手間になるのと 当初はスポークがすぐ再入荷しそうな
兆しがあったので この状態で眠っていました。

RIMG2508amx15.jpg
組めました。
たいへん お待たせしました。

RIMG2509amx15.jpg
22H 黒CXスプリントストレート強制ラジアル組みです。
去年、4本スポークの仮組み前に
リムの単体重量を量った画像があったのですが
すぐに出てこないので 一旦バラして撮り直しました。
ここを見ている人に教えてやるつもりがあって
したわけではありませんが。
↑うわこいつかんじわるい













RIMG2510amx15.jpg
オ待タセシマシタ!

RIMG2507amx15.jpg
コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!
↑やーめーろー!

category: のむラボ日記

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サピムのCXスプリントの欠品していた仕様が入荷しました!  

サピムのCXスプリントが再入荷しました!
RIMG2498amx15.jpg
CXスプリントですが、
色が銀と黒・長さが310mmと270mm・首がベントとストレートで
2×2×2=8種類の仕様が存在します。
310mmは270mmまで、270mmは240mmまで カット可能で
2種類の長さで310~240mmまで対応しています。

このうち、黒310mmストレートが
問屋さんでは去年の2月頃、当店では去年の5月頃に
在庫が尽きました。
これで困るのは、ある程度以上 リム高が低いうえ
理屈の程度も低い
完組みホイールの
組み直しができなくなったということです。

たとえば ロヴァ―ルのアルピニストCLXの組み直しに
必要なのも310mmで、これまで何人ものお客さんに
「CXスプリントが入荷したら ここに上げます」と言ってきましたが
それが ようやく入荷しました!

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当面は困らない数が入荷しています。

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黒310mmベントも仕入れましたが、

RIMG2501amx15.jpg
こちらは在庫が尽きていたわけではありません。

つい先日、黒CXスプリントが無いという理由で
銀CXスプリントを使って 前後左右とも銀スポークで
アルピニストCLXを組み直した件がありましたが、
お客さんには「もう組んだうえ結線もしたけど
黒CXスプリントが近日中に入荷することになりました。
もし黒スポークをご希望なら
一度目の材料費と工賃は無かったことにして
もう一度 組み直しをしますが」と提案をしたのですが、
銀スポークのままでいいということになりました。

category: 新着情報!

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シャマルウルトラ2WAY-FITさん  

お客さんから シャマルウルトラの後輪をお預かりしました。
RIMG2477msn5.jpg
スポークが折れているとのことです。

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なんじゃこりゃ。
相当に強い巻き込みの力がかかっています。

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ニップルの歯周ポケットの側面が
こんなふうに欠けているのは初めて見ました。

RIMG2480msn5.jpg
さらに 回転方向的に隣のスポークに
2撃目の跡がありました。

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直りました。

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↑交換したスポーク

category: のむラボ日記

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のむラボホイール5号の後輪のリムを交換しました  

今日もホイー(以下略)。
RIMG2485msn5.jpg
お客さんから のむラボホイール5号の後輪をお預かりしました。

RIMG2487msn5.jpg
RIMG2488msn5.jpg
スポークが1本とんでいます。
下の画像、錆びのように見えるのは
デジカメ本体のオレンジ色が映りこんでいるだけです。
反フリー側のCX-RAYで結線をしているので、
ハンダを解いて1本だけ換えるのも不可能では無いですが
最終交差のペアとなる 2本まるごと交換します。

それとは別に、リムを交換したほうがよさそうな理由があったので
ついでに リムも交換することにしました。
お客さんの希望ではなく 判断したのは私ですが、
判断の許可は いただいています。

RIMG2489msn5.jpg
リムのお引っ越し中・・・。

RIMG2490msn5.jpg
RIMG2491msn5.jpg
とくに意味は無いですが撮りました。

RIMG2492msn5.jpg
RIMG2493msn5.jpg
組めました。

RIMG2494msn5.jpg
交換したスポーの結線は あとでやります。

category: のむラボホイール

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45mm高カーボンチューブラーリムで後輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
RIMG2473amx15.jpg
接写した画像を撮り忘れましたが、
化粧カーボンの仕上げから
ファストップ(→こちら)と同じ製造元だと思われる無銘リム
(画像左側 9時の位相あたりで模様が確認できます)で
後輪を組みました。

RIMG2474amx15.jpg
FH-6600 32H 半チャンピヨンロクイタリアン組み
結線ありです。
だいたい いつも 省略する「イタリアン組み」を
今回 わざわざ書いたのは、

RIMG2471amx15.jpg
↑フリー側
RIMG2472amx15.jpg
↑反フリー側
時系列が戻って
これは ハブにスポークを通した時点の画像ですが、
ハブの履歴は ホイール1回分のみで
(全く同じ組み方を複数回した可能性も
ゼロでは無いですが まず無いです)
以前の通し方は 逆JISロクロク組みでした。

RIMG2476amx15.jpg
↑フリー側
RIMG2475amx15.jpg
↑反フリー側
これは 組み終わり時点の画像ですが、
ヌポークも反ヌポークも フランジ穴の新鮮な輪郭に
首下を引っかけることができました。

category: のむラボ日記

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