HUNTのディスクブレーキホイールを組み直しました(前輪なので前編) 
2023/05/30 Tue. 23:56 [edit]

お客さんから HUNTのディスクブレーキ用
ホイールをお預かりしました。
誓って私のほうから誘導したコメントではありませんが、
「のむラボホイール5号より走らない」とのことです。
それは悪いことをしました相すみません。
のむラボホイールを知っていなければ
こいつの性能に疑問を感じることも無かったでしょうに。

リムと

ハブにHUNTの表記があります。
今日やったのは前輪だけですが
前輪は20H、後輪は24Hで ピラーのスクエアエアロスポークで
左右同数同径同本組みをしており
最終交差は前後左右全てで編んであります。
同社の上位モデルにあるカーボンスポークではなく
スチールスポーク仕様です。
このピラーのエアロスポークですが、
サピムのCX-RAYと ほぼ同じスポーク比重ですが
ねじれ方向に軟らかいです。
スポーク比重が同じということは
スポークの伸長方向に対して垂直に切断した場合の
断面積が同じということになりますが、
ねじれや 弾性変形の範囲内での曲げが軟らかいのは
長方形と 端の尖った楕円の形状の差なのか
加工硬化などによるものなのかは分かりません。
前輪は20Hですが、ディスクブレーキの前輪で20Hというのは
やや心もとない本数です。
それに1本 足して 左右で14本と7本に分割するというのも
見かけ上のスポークテンションの総和という点では
優秀に見えますが、多スポーク側のフランジをラージフランジにして
最終交差の挟角を目いっぱい寝かせたりしない限りは
左右12Hずつの24Hにするのが無難です
そういえば先日、私はロヴァールのホイールで
組み直す前提のホイール状の素材としてみれば
左右同数組みのC38が良いと書きましたが
今日 別件で見たホイールに
アルピニストCL(CLXではない)というのがありました。
あれも2:1組みでは無いので組み直すこと前提であれば
優秀なホイールです。

ホイールの撮影時点で 調べごとのために
左右のスポークを1本ずつ外しています。
ところで このリム・・・

20Hで

WH260というリムですという この表記・・・
エキノックスのリムやないかい!

↑画像上と下が 旧のむラボホイール2号のリム、
真ん中がヴィットリアの2:1組みの21Hの後輪のリムです。

↑画像上が 旧のむラボホイール2号のリム、
下が のむラボホイール2.5号のリムです。
あと、エキノックスのリムについては
(→こちら)(→こちら)(→こちら)もどうぞ。

前後輪とも スポークの角度が立っている側をCXスプリントにして
寝ている側を結線するのですが、
半バラしからでも不可能ではないところ
結局 全バラしにしました。順番にバラしていって
最後に残った ニップルを一切回していないスポークを
リム外に出して調べましたが、スポークテンションがかかっていない
上の画像の状態では ニップルが手でゆるめられました。
ねじ止め剤が使われておらず それが元から塗布されている
ニップルでも無いということです。

組めました。

ローター台座側を 黒CXスプリントストレートにしています。
結線は あとでやります。
category: のむラボ日記
CLX32の後輪を組み直しました 
2023/05/29 Mon. 23:37 [edit]

先日のCLX32の前輪の相方の後輪ですが

2:1組みで反フリー側をタンジェント組みしているのに
左右逆異径組みをしていました。
それ自体は いいことなのですが、
タンジェント組みにするとスポークテンションが上がるので
2:1組みの逆異径組みで しっかり張るのは
かなり難しいのです。
実際、しっかり張っていました。
横振れも縦振れもセンターずれも 微細な修正、
つまり点検でどうにかなる程度だったので
半バラしから組み直そうと思ったのですが
(その場合は今日もホイー(以下略)。の条件を満たしません)、

半バラしにしろ全バラしにしろ
スポークのねじ山に ある処置を施すのですが、
そこそこの使用歴があるようで 歯周ポケットに
砂が詰まりまくっており、ここの洗浄を半バラしから行うのは
無理というか中途半端になるので

結局 バラしました。

組み直しました。
結線は あとでやります。

見かけ上はハブ胴がきれいになったことくらいしか
違いが分かりませんが、予後が全然違います。
ところで、今回の前後輪は
平均重量が明らかになっているCL/CLX50と違い
あまり出回っていないので 実測重量が広く知られていません。
今回のCLX32は ホイールを全バラしした以上
当然ながら量っていますが、
それはいいとしてCL/CLX50のほうを「実測重量」ではなく
「平均重量」と書いたのは
統計上「平均」を名乗ってもいいくらいには
サンプルを挙げているからです。
当然 誰のおかげか分かってるやろうな。
↑うわこいつえらそうなうえかんじわるい

オ待タセシマシタ!コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!

CLX32ノ ふろんとりむデス!

CLX32ノ りやりむデス!
↑やーめーろー!
category: のむラボ日記
完成車付属のMTBホイールを組み直しました 
2023/05/28 Sun. 23:02 [edit]

お客さんからMTBの完成車に付属していた
廉価グレードの後輪を お預かりしました。


ハブとリムにSTOUTとあります。
これとは関係ない話ですが、
新しいものにビビッて強度を過剰に設定したものの
実は それほどビビるほどでも無かったと 後から分かったか
技術が進んで昔出来なかったことが
後から出来るようになるという例があります。
カンパニョーロの最上位グレードのフロントメカの外側の羽根が
カーボンになった当初、インナーギヤに変速するときに
チェーンと接触する部分に 樹脂素材のプレートが付いていましたが
現行のスーパーレコードのフロントメカは
カーボンのプレートで 直接チェーンを押しています。
カンパニョーロのディスクブレーキ用の後輪で
G3組みの反フリー側ラジアル組みのスポークは
最初に出た ゾンダDBなどではスポーク1本に対して
重厚に取り囲むようなフランジ形状になっていて
ディスクブレーキをかけたときの応力に
ビビッていたのが よく分かりますが、
ボーラWTO DBなどでは もはやリムブレーキのラジアル組みと
変わらないようなフランジ形状になっています。
カンパニョーロが 未だにビビッている例としては
チェーンの接ぎ方が挙げられます。
10Sの初期の頃のペルマリンクや
11Sや12Sの「接いだ箇所が全リンク中で最強になる」ように
ピンの頭をカシメて潰す仕様は
チェーン切れに対して相当ビビッているということです。
昔のサンツアーのMTB用のハブで
サスペンション専用ハブというのがあり、
見た目は100mm幅のクイックハブですが 何が違うのかというと
ハブ軸やハブ胴を太くして サスペンションフォークのMTBで
サスペンションありきの乗り方をして ハードな着地をしても
ぶっ壊れないようにと設計されたハブです。
これも サスペンションフォークが「最近出てきた新しいもの」なので
当初はビビッていたという例です。
シマノの油圧ディスクブレーキはXTRではなく
750系のXTが初出ですが、ファーストモデルのみ
ステンレスメッシュホースを採用していました。
油圧でホースが広がったり 最悪 破れることにビビッていたようです。
メッシュホースとフレームの間に 接触点があった場合
フレームを異常に削るからか すぐに廃版になりました。
油圧がホースの内径を広げること自体は事実で、
リヤブレーキに使っていたディスクホースを切り詰めて
フロントブレーキ用に再利用する場合に
インサートを圧入しようとすると 新品より軽くスルッと入ります。
で、今回のリムとハブにSTOUT(スタウト)という表記がありますが
これは昔 スペシャライズドが出していた
スタウトな(どっしりとした・頑強な)強度を狙ったフロントハブに
当初 使われていたモデル名です。
ロゴが変わっているので 初めは気付きませんでした。
当初は フロントハブだけに使われていた名称で、
たいそうな木箱に入って売られていました。
「specialized stout hub wooden case」で検索すると出てきます。
その後はディスクブレーキ用のフロントハブとして
スタンプジャンパーなどの完成車にアッセンブルされる
やや廉価なハブのモデル名となりましたが
(この時点でも フロントハブ専用のモデル名)、
現在では フロントハブ以外のパーツでも
ホイール絡みなら とりあえず名乗っとけという
モデル名にな

今回のホイールを お預かりした理由ですが、
廉価帯のボスフリーギヤをよく製造している
サンレースというメーカーの
カセットスプロケットが付いていますが
これが悪いわけではなく
フリーボディの中のパーツが割れていて
スプロケット全体が ガタガタに動くようになっています。


↑スプロケットを持って ゆすると こんな感じ
ハブは たぶんフォーミュラ製ですが(ジョイテックでは無さそう)、
フリーボディを調べたところ シマノ純正のHGフリーボディへの換装が
出来ないタイプだったので リヤハブ自体を交換するか
なにか安い後輪に買い替える必要があります。
私は後者を提案したのですが 多少費用がかかっても
まともなホイールにしたいということで
リムを使い回してホイールを組み直すことになりました。

おっ!完成車用ホイール特有の
スペアパーツとして同じものが買えるのか怪しい
安っぽいリムテープです。
もっと安っぽいと梱包用PPバンドっぽい
素材になっているリムテープの場合もあります。
リムの内幅に合っているだけ
ひとつ前の記事のレフティよりはマシですね。

スポークヘッドの刻印にRとあるのは
リッチマンズというスポークメーカーで、
無銘でなく 名乗っているだけマシというところですが
会社の所在地は
今回と同じような話については(→こちら)

今回の後輪は32Hですが、
その片側のフリー側16本のスポークのうち
ヌポーク8本全てが チェーン落ちによる傷があり
変形していました。
これが全数とも異常無しなら スポークを使い回そうと思ったのですが
長さを調べたところ このハブは逆ハイローフランジなのもあり
反フリー側のスポークは短すぎて使い回せず、
元のフリー側を 組み直し後のフリー側に使うとしても
約3mm違いで無理でした。
ただ、私の計算値はニップルの端面までの長さで
元のスポークの長さは すり割りに達するかどうかと
いったところだったので、
ニップルに対する長さの解釈が同じであれば
約2mm違いといったところです。
同じ組み方だと どのみち使い回しは出来ないのですが、
ヨンロク組みでフリー側を4本組みする場合に
反フリー側のスポーク16本を使い回すのは
不可能ではありませんでした。
が、DTやサピムのスポーク以外で それをやると
そう遠くない未来に 首とびを直すはめになる確率が高そうなので
やめました。

ホイールの価格のわりには「マウンテンをはしるバイク」として
競技志向で使われており、ニップルの歯周ポケットには
砂が詰まっていました。

組めました。

ハブはM4000系アリビオのクイック仕様の
ディスクハブ FH-M4050で、
32H 黒チャンピ/コンペヨンロク組み結線無しです。
元の状態は 左右とも14番プレーンのロクロク組みで
左右同径同本組みでしたが
それを左右異径異本組みにしたのと

このリム、オフセットリムなので
結線無しでも スポークの変形量の左右差が
かなり小さくなりました。
あと、この構成単体の評価ではなく
元のホイールとの比較となると
逆ハイローフランジで無くなったことが かなり大きい点です。

元のハブは6穴ローター台座で
新しいハブはセンターロック仕様ですが、
これはアダプターなどで なんとかなります。
そもそもの組み直しに至った原因の
フリーボディ内部の破損ですが、
シマノのハブだと非常に起こりにくく
また 仮に起こったとしても スペアパーツの供給があるので
今後の安心感が違います。
category: のむラボ日記
レフティの前輪さん 
2023/05/26 Fri. 23:44 [edit]

リム径からして 同社のバッドボーイの前輪のようです。
これと別に のむラボホイール7号の後輪も同梱されており、
どちらも振れ取りをご希望でしたが のむラボホイールのほうは
振れが無かったとは言わないものの 非常に軽微な振れでした
(別に 私がすごいと言いたいわけではありません念のため)。
箱にはホイールが2本まで入りますが、
1本送ろうが2本送ろうが 送料に変わりはないので
ついでに 詰めたのでしょう。
で、このレフティの前輪ですが 振れ取りどころではなく
組みかけ途中のホイールを
最後まで仕上げるというくらい ひどいものでした。
確かに ゴクッと目立つ横振れがあり、
それは 最初には無かったものかも知れませんが
それと別の位相で 32Hのリム穴のうち
5つくらい連続した位相にわたる縦振れがあり、
冗談みたいな量のセンターずれも ありました。
今回の前輪がホイールとして仕上がったのは
私が触ったあとの状態が初めてと言ってもいいです。


レフティの前輪ですが、

ワンキーレリーズになっている
右側のスクリューキャップボルトをゆるめることで
ホイール全体が右側に にゅーっと圧出されるように動いて
フロントフォークから外れます。
このとき、ディスクローターが付いていると圧出の際に
ブレーキキャリパーと干渉するので
気付かずにボルトを無理やり ゆるめると
ホイールが外せないうえ ローターが ひん曲がります。
なので、レフティの前輪の着脱の際には
ブレーキを台座から外す必要がありますが、
そのときに台座を固定しているボルトを
ゆるめ切って 外さなくてもいいように
台座側の穴には切り欠きが設けてあることが多いです。


レフティ用の振れ取り台アダプターを取り付けて
センターゲージを当てると、これくらい ずれていました。
純正のアダプターなので、この状態のホイールセンターは
実車に取り付けたときのホイールセンターと同じです。

縦振れもひどく、最も外周側に振れていて
唯一 振れ取り台のゲージに触れる位相の
リムの位置を

もっとも内周側に振れている位相で見ると こうなります。
分かりにくいかもしれませんが これ、
非常に大きい縦振れです。
この縦振れですが、おそらくは
下手くそが振れ取りごっこをした結果・・・ではありません。

ニップルを回す初動に大きな抵抗があり、
ねじ止め剤でも塗布しているのかと思って
ニップルを ひとつ ゆるめ切ったのですが、
何も塗布されていませんでした。
そして、これをスポークのねじ山に戻すと
ニップルに リムとの接触抵抗がかかるところを過ぎても
とくに抵抗感がなく スルスルと回ります。
他のニップルも回してみましたが
やはり 初動はニップルとスポークの間が
固着しているような感触があり、
ニップルの回転に同期して スポークがねじれて
ある程度以上 回すと「パキーン!」と音を立てて
ねじれが一気に戻ります。
ここで要注意なのは、ねじれが解消されて戻る回転量は
元のスポークの位置だとは限らず
やや 戻り切っていないことも 多いという点です。
で、一度 ねじ山の焼き付き的な感触から解放されると
以降は わりと軽くニップルを回せるようになります。
調整に際して 全てのニップルで焼き付きを開放しましたが、
横振れはともかく 縦振れについては
あれだけの縦振れを起こすほど ニップルを増し締めるのは
下手くそには無理な話で、ホイールの出荷時以降で
それなりの回転数回されたニップルであれば
焼き付き感が抜けているはずなので
振れ取りごっこによる縦振れだとは考えられません。
センターずれですが、反ローター側、
つまり低テンション側を増し締めする方向だったので
たいへん助かりました。たまに書いていることですが
増し締めボーナスと解釈できるセンターずれです。
量が大きかったので あいさつ代わりに
まず1周 増し締めしても センターは出ませんでした。


縦横振れを追い込み切って センターも出しました。
おそらく、新品の材料から 新規でホイールを組んだ場合と
作業時間は それほど変わらないと思います。


丸スポークは ねじれを視認しにくいので
銀スポークなら黒の、黒スポークなら白の
目印を付けることがあります。
これらは作業後に全て拭き取っています。


↑これらは どちらも 元の状態からを1周以上増し締めした
反ローター台座側のニップルですが、スポークの長さが短いです。
ローター台座側も 同じく短いのですが、
今回は点検だけで済ませています。


時系列が戻りますが、
完成車のホイール特有の「安っぽいうえ
幅が合っていないストレッチバンドタイプのリムテープが
右端や左端に蛇行して付いている状態」になっていて
リム穴のきわに近い箇所もあったので

リムの内幅に合う スタンズのチューブレステープを貼りました。
category: のむラボ日記
WH-R9100-C40-CLさん 
2023/05/26 Fri. 23:14 [edit]

WOリム仕様のホイールを お預かりしました。
私が必要を感じれば ハブのオーバーホールと、
あと振れ取りなど点検をご希望です。
C40といいながら WOリム仕様は
前作の9000系のC35と同じリムなので
リム高が40mmになったわけではありません。
チューブラー仕様はリムが変更されていますが、
それでも37mm高で 40mmには届いていません。
まずは前輪から。



リム穴周りにだけ カーボンに気泡がありました。
このリムはチューブレス仕様ではないので
アルミリム部分でスポークテンションを受けていることから
ばくはつする危険性はありません。
というより R9100系には カーボンラミネート構造の
チューブレスリム仕様は存在せず、
9000系までで こっそり やめています。

オーバーホールの必要性を あまり感じない感触でしたが、
かすかに ソリソリとした抵抗があったので
洗浄とグリスアップをしました。
シマノのハブは、ではなく
デュラエースとXTRのハブに限られますが
ラビリンスシールが かなり堅牢なので
高圧洗浄機を直噴射でもしない限りは
中のグリスが抜けることは まずありません。
ハブにガタがある状態で 長期間使ったりなどしない限りは
リムのブレーキゾーンの限界のほうが先に来る程度には
ハブの耐用年数が長いので、
デュラエースグレードのホイールについては
ノーメンテで使い切れることも多いです。
(ブレーキゾーンの摩耗が やや早いということもあり
リムとハブの耐久性が 全く噛み合っていません)。
ハブについては 玉当たり調整をまともにできないけど
グリスアップを試みてみるのは好きという人のほうが
むしろハブ周りの寿命を縮めていることが多いです。
これはカンパニョーロ・フルクラムの上位モデルの
カップ&コーン式のハブのホイールについても同様です。
こだわりのグリス(笑)を詰めているのに
ハブの横ガタには無頓着で
ボールレースが虫食っていたという例を多々 見てきました。

分解洗浄とグリスアップをしてから


センターゲージを当てたらドンピシャでした。
微細な振れ取りで 数ヵ所ニップルを回しましたが
ホイールセンターは ずれませんでした。
上の画像は 厳密には最終状態ではないですが
最終状態も 実質 同じ画像になるので撮っていません。

つづいて後輪。

オプトバルですが、Ж(ジェー)組みの2:1組みなのはいいとして
もっと ハイローフランジにすればいいのにと思います。
まあ フルクラム並みのメガハイローフランジにした場合
ハブの重量が重たくなるので
前後輪の合計重量で100g単位の境をまたぐと
それだけを見てホイールを選んでいる人に
選ばれにくくなるからかもしれません。
と思ったので公称重量を調べたのですが
前後輪で 674g+834gで合計1508gでした。
これが1490gとかだったらリヤハブをハイローフランジにすると
1400g台のホイール!ではなくなるわけですが
1508gだと リヤハブの設計変更くらいでは
1600g台にはなりませんし、
後輪が900g台に突っ込むこともありません。
後輪ですが、ハブの中身が傷んでいないことだけを確認しただけで
オーバーホールは しませんでした。
ボールレースが適切に摩耗して
回転がスルスルになっていたので
オーバーホールをすると 少なくとも その直後は
ハブの回転は むしろ重たくなってしまいます。


うまく撮れていませんが 紙1枚未満のレベルで
ごくごくわずかに リムが右に寄っています。
センタードンピシャから 経年で ずれた分くらいでしょうか。
横振れも ほとんど無かったのですが、
反フリー側を増し締めさせてくれるイチャモンレベルの
微細な横振れを何ヵ所か無理やり見つけて
ニップルを回したところ


センターが出ました。
反フリー側のニップル全てを同量 増し締めるという
やり方を採った場合 センターを乗り越えて
リムが左側による可能性が高いです。
category: のむラボ日記
CLX32の前輪を組み直しました 
2023/05/26 Fri. 22:43 [edit]


お客さんから ロヴァールのCLX32の
ディスクブレーキ用の前輪をお預かりしました。
組み直しと結線をご希望ですが、
スポークをにぎにぎしたところ
XI組みの2:1組みにしては多スポーク側の
変形量が少ないなと思っていたら

↑多スポーク側

↑少スポーク側
このホイール、CLX32のリムブレーキモデルと同じく
左右逆異径組みでした。
多スポーク側のエアロライトは カンパニョーロの工具の
B溝に通りますが、少スポーク側のエアロコンプには通りません。
このリム高で左右逆異径組みをしたほうがいいと判断するなら
アルピニストCLXでもやったほうがいいと思うのですが、
あれは 前後輪の合計重量が千何百グラムとかいう情報だけで
ホイールを選ぶ層に訴求するために
持ったときの軽さ・秤の上での軽さ
(はっきり数値化できる要素ではある)を
追求しているので 全エアロライトの左右同径組みに
しているのかもしれません。
もし、この世に ロヴァールのホイールしかなく
しかも吊るしの状態で使わなければならないという
このCLX32が理論上でのベストではないでしょうか。
組み直しありきの 材料として見るなら
リムが軽い旧アルピニストCLXか、
頭の悪い2:1組みをしていない点に救いがある
左右タンジェント組み仕様の 旧C38が最強候補です。
新C38は 前輪のみ反ローター台座側がラジアル組みですが、
左右同数組みであり 首折れスポーク仕様の汎用ハブで組まれているので
左右タンジェント組みに変換は可能です。

今回の前輪ですが、リムブレーキ用のCLX32の後輪が
フリーハブから 片ねじ切りのピストハブになって
オチョコ量が減ったという仮想上のホイールと
ほとんど同じような状態です。
スポークの変更が不要ということは
点検後に多スポーク側だけ結線すればいいのですが、
それとは別に いつも ロヴァールの組み直しに際して
スポークに施している処置があるので
全てのスポークを上の画像くらいまではゆるめる必要があります。
CLX系はアルミニップルで 外周側からも回せるタイプなので
そのまま使い回しますが、
CL系など しんちゅうニップルの場合は
外周側からも回せるというメリットを捨ててでも
汎用アルミニップルに交換するので 全バラしは必須です。

今回のホイールでは 全バラし必須というわけではないですが
結局 全バラしました。半バラしよりも効率的に組み直せるので
実は作業時間は あまり変わりません。

多スポーク側の最終交差の接触点の摩耗痕は
これまで見られたものより 控え目ですが、
ホイールの使用期間が短いだけかもしれないので
これを以って「左右逆異径組みで変形量が少ないから
摩耗痕も小さいんだ!」と断定する材料にはなりません。


組み直し始めました。
オチョコ量が少ないハブで 左右異数組みへのカウンターで
左右逆異径組みをするとなれば、
あえて出す暫定センターずれの量を どこまで大きくできるのか
試してみたくなりますよね。←同意を求めるな


センターを出しました。
この時点では 縦振れとセンターを追い込んだだけで
微細な横振れが残っており、それを取ったら
紙1枚ほどセンターずれが出たので それをまた直しています。

組めました。
多スポーク側の結線は あとでやります。

↑この画像でも ギリギリ判別可能ですが、
組み直しに際して 最終交差で外側になるスポークを
7ヵ所全てで 摩耗痕が外側に向くように組んでいます。



元より スポーク比重78%/65%相当の左右逆異径組みなので
組み直しに際してスポークテンションは ほとんど変わっていません。
なので 摩耗痕が最終交差から外に出ませんでした。
組み直す前と比べて 縦振れを追い込んでいる点が
見かけ上の最大の違いでしょうか。

ちなみに過去の例を挙げると
CLX50の後輪の結線後が こんな感じで
(画像右側がハブ側)

アルピニストCLXの後輪の結線前が
こんな感じです(画像左側がハブ側)。
category: のむラボ日記
デュークのロード用リムで組まれた前輪を組み直しました 
2023/05/25 Thu. 23:21 [edit]

デュークのディスクロード用リムで組まれた
前輪を組み直しました。先日の後輪の相方です。

後輪と違い バルブ穴の位相は常識的な位置にあります。
ということは 後輪のあれは 何か確たる考えありきで
やったわけでは無かったということです。

ハブは ニューメンのストレートスポーク用ハブですが、
後輪が 28Hで左右3クロスであったのに対して
前輪は 24Hで左右2クロスとなっています。

スポークは左右同径組みで
ピラーのスクエアエアロスポークです。

↑画像上がディスク台座側ですが、
後輪と同じく オフセットリムの向きを間違えています。
よって 組み直し必須です。
それと、ホイールのニップルをゆるめる前に
リム内をライトで照らして 見てみたのですが、
このホイールは ある横着をしています。
しかし今回の場合は それが結果
良いほうに働いたのですが・・・。

隣り合うリム穴のスポークを1本ずつ
完全に ゆるめ切って 回収しました。
左右のフランジから1本ずつ抜き取ったということです。

↑こやつ


やはり、左右のスポーク長さを同じにするという
横着をこいていました。
スポーク長さは 長い側(反ローター台座側)寄りでしたが、
ローター台座側は このスポークよりスポーク比重が大きい
CXスプリントで左右異径組みにして組み直すので
元の24本中12本は スペアスポークとして使えます。
もし 左右で1mm長さを変えていたり
短い側で長さを合わせていたら この手は使えませんでした。

デューク製の ITLABのリムのときは
オフセットが無いリムで リム中央のかすかな突起の線から
左右に交互に穴振りがあったものの、
今回のオフセットリムでは 線の中央にある穴と
線の中央からずれた穴を交互に繰り返しています。

ずれた穴の穴振り方向は 間違いなく
上の画像の赤矢印の向きなので、

線の中央にある穴は
こちら側に振っていることになります。
これを実際のリムで見てみると・・・

線の中央を通るリム穴

の隣の穴は
線から画像上側にずれている穴

の隣の穴は
線の中央を通るリム穴

の隣の穴は
線から画像上側にずれている穴
というのを 交互に繰り返しており、

先ほどのテープを切ったものを
対応するリム穴に貼っていくと

このバルブ穴の両隣の穴振りから
このリムは 正リムであることが分かります。
ちなみに画像上側がローター台座側
(もし後輪ならフリー側)で、

↑バルブ穴とリムの線は これくらい ずれています。

正リム(または穴振りが無いリム穴を正リム扱いしたリム)で
左右同数組みで 左右ともタンジェント組みをしたホイールは、
ある最終交差と その対岸のフランジで
それに直近な最終交差を横から見ると

自分から見て手前の最終交差の位相のほうが
時計回りに ずれています。
画像のホイールは 私物ですが、


たとえば 現行のデュラエースのホイールでも
それは同じですし、この世のほとんどのホイールは こうなっています。
これと鏡映しに逆なのが このブログでいうところの
「正リム」に対する「逆リム」です。
逆リムは 上の画像でいうところの「てまえ」が
「おく」よりも反時計回りの位相にずれているわけですが
逆リムに対してホイールを組む場合
汎用の首折れスポーク用フランジのハブであれば
スポークをフランジに通す初手の 右落とし/左落としを
逆にすれば 対応できます。
が、ストレートスポークのハブの場合は そうもいきません。

今回のニューメンのハブに
2クロスの最終交差のスポーク 1ペア2本を通してみました。
このハブは 最終交差2本のスポークヘッドの位置
(ハブ中心からの半径)が同じなので
ハブの中心から フランジの山の中央を通る線を引くと、
そのフランジに通していないスポークの最終交差の上を通過します。
そうならない例は(→こちら)
で、上の画像のハブの フランジの山の位相の
ずれ方を見てもらうと分かりますが、
このストレートスポーク用のハブは
正リム前提の設計になっています。
これは このハブに限らず、ハブ単体で市販されている
ストレートスポーク用で左右タンジェント組み仕様のハブの
ほぼ全てが こうなっています。
以前に組み直したデューク製の
ITLABのリムですが、なぜか逆リムなのに
ハブはストレートスポーク用で
しかも組み手がアホなのか リム穴の穴振りを無視して
ホイール組みを強行していたので
リム穴が長穴に変形していました。
前輪は(→こちら)後輪は(→こちら)
あれ、謎が多いホイールでして
・そもそも逆リム仕様なのはオーダーの結果なのか
・組み手が 逆リムと気付かず組んだのか←アホ
・組み手が 穴振りに逆らっていると知りつつ
ホイール組みを強行したのか←カス
・組み手は もし首折れスポーク用ハブと
あのリムを渡されたら 逆リムだと気付いて
右落とし/左落とし反転ホイール(要は逆リム扱い)を
組むのだろうか
というあたりについて知りたいのです。

ちなみに、正リムの穴振りを間違えずに
左右の最終交差1ペア4本の束の間にバルブ穴が来る
普通の組み方をすると こうなりますが、
もし正リムの穴振りに従うという点は間違えずに
バルブ穴の位置を間違うとすると、
上の画像の位置から 2つずれたリム穴間の位置にしか
間違えようがありません。

↑つまり この位置です。
1つずれたり 3つずれたりする 奇数ずれをしている場合は
穴振りを間違えています。

↑これは 先ほどのリンク先の記事の画像で
私が組み直したあとの画像ですが、
逆リムに対して 正リム用のストレートスポークハブで
穴振りに従ってホイールを組んだ場合
バルブ穴の位置は 普通の場合の
1つずれか 3つずれのリム穴間になってしまいます。

それは ともかく組めました。
バルブ穴の位置は 常識的な位置です念のため。

ローター台座側を 黒CXスプリントにして、
元の状態だと 左右とも最終交差を編んでいなかったところ
反ローター台座側は結線の可能性もあるので 編みました。
いざ ホイールを組んでみれば オチョコ量の少なさに対して
左右異径組みが効いているようで、
ホイールを見ずに 左右の最終交差をにぎにぎすると
その変形量では左右の区別がつかないくらいになっています。

ハブの玉当たり調整ナットのイモネジが締まっておらず
手で ゆるんだので 玉当たり調整をしてから
イモネジで固定したのですが、ベアリングが死んでいるような
ゴリゴリ感がありました。
が、フランジにスポークテンションがかかると 回転がゆるくなり
ゴリゴリ感が ほぼ無くなりました。
カップ&コーンのハブだと顕著に分かる現象ですが、
カートリッジベアリングのハブで
ここまで感触が変わるものは珍しいです。
早とちりして お客さんに「ベアリング死んでますよ」とか
言ってしまうところでした。
ところで、デュークのリムといえば
MTB用のリムで とんでもなく軽いものがありますが
ロードのリムは この記事中のバルブ穴周りの画像に
限界テンション1100Nと写っているように
ビビらずに気持ちよく張れる反面
MTBのリムより むしろ重たかったです。
リム高もあるので 重くなるのは仕方がないですが
空力性能は上ということなのでしょう。
ハイト/ウェイトレシオでは ロヴァールの旧アルピニストCLXに
やや劣るくらいでしょうか。
対象ユーザー(体重)や 用途(常用するなとは言っていない)を
それほど絞っていない、いわゆる飛び道具ではないホイールとしては
大メーカーが出していることを考えると
やはり 旧アルピニストCLXは異例の軽さではあります。
リムの、実際に張れる限界はデュークのほうが上なのも確かで
しかもアルピニストは 組み直すにしても2:1組みを強いられるので
どちらのリムが 結果 より良いホイールになりうるかと言われれば
デュークのほうだと思いますが。
ただ、今回のデュークのリムでも
まともなホイールを組めないショップに組ませるくらいなら
吊るしのアルピニストのほうが まだ走るかもしれません。
え?具体的な重量?
下にスクロールするだけで そんなん教えるくれるような奴が
おるわけないやろ ちょっとは考えろや
↑うわこいつかんじわるい

オ待タセシマシタ!コチラノ画像ヲゴ覧クダサイ!

りや28Hりむデス!

ふろんと24Hりむデス!
ソレト、超軽量MTBりむノ りんくモ
貼ッテオキマスネ!(→コチラ)
↑やーめーろー!
category: のむラボ日記
ペンギンがせめてきたぞっ 
2023/05/23 Tue. 23:44 [edit]

お客さんからの いただきものを
基本的に ここは上げないという方針なのですが
上げてくれと言われたので上げます。
今後は 上げてくれと言われても上げないので
ご了承ください。

アトリエ・ド・マーというところの

ペンギン型クッキーです。
かわいい。

消費期限を1ヵ月としているっぽいので
製造日は5月21日です たぶん。
category: のむラボ日記
デュークのロード用リムで組まれた後輪を組み直しました 
2023/05/23 Tue. 23:29 [edit]


お客さんから デュークのディスクロード用リムで組まれた
後輪を お預かりしました。

ハブは ニューメン(温かい そうめんの「にゅうめん」とは無関係)の
ストレートスポーク用のXDRフリーボディ仕様、
28H 強制左右3クロス組みです。
このニューメンというブランド、ドイツに本社があるので
ドイツ系フレームブランドの完成車に
パーツが採用されていることもあります。
シマノが12SのMTBコンポでマイクロスプラインという
フリーボディの自社規格を発表しましたが、
「寸法を公開するから じゃんじゃんサードパーティが参入して良し!」
と言ったスラムのXDとは対照的に
「XTRとXTのハブか完組みホイールを買わないと
シマノ12Sコンポは使えません!
他者が勝手にマイクロスプラインのハブを作るのは許さない!」
という方針を当初 表明したうえ
完組みホイールは未だに XTのM8100系のものが
最高グレードになっていて XTRのホイールというのを出しておらず、
その8100系のホイールは リムが全く軽くないので
レース機材の選択肢として選ぶ人は ほぼいないという、
新コンポを普及させる気があるのかという展開をしていました。
かつて フルクラムのMTBホイールには
ロードバイクのホイールの仕様でいうと
レーシングライト(カーボンリム+スチールスポーク)や
レーシングゼロ(アルミリム+アルミスポーク)に相当する
モデルが存在していましたが、
マイクロスプライン仕様のホイールを作らせない方針に
腹を立てたのか 国内のレースシーンでも
完組みホイール需要を DTと二分するくらいのシェアがあったのに
突然 上位モデルを廃して ロードバイクのホイールでいうところの
レーシング5・6・7あたりのラインナップに展開を縮小しました。
現在では e-MTB向けのホイールに軸足を移しており
アルミスポークのホイールは出していませんが
レーシング3相当のモデルと カーボンリムのモデルは復活しています。
現在では フルクラム含め 他社がマイクロスプライン仕様の
ハブやホイールを出すことを条件付きで許可しています。
HGフリーボディや XDフリーボディ仕様のホイールでは
ちらほら欠品があるのに マイクロスプライン仕様のホイールは
現状 全て欠品が無いのですが 気にしてはいけません。
で、話が反れましたが 他社製のマイクロスプラインが
まだ許可されていなかったときに
ハブメーカーのホープが 製造ライセンスに関する姿勢が不透明だと
シマノを批判したこともありますが、
ホープやクリスキングに先駆けて
DTと同時期に いち早くライセンスを供与されたのが
今回のニューメンです。
って話を書きたかっただけです。

スポークは フリー側が(どこで手に入れたものか)
DT黒エアロコンプストレート、
反フリー側が サピム黒CX-RAYストレートです。
組み方を変更できないハブで 左右異径組みをしてるんだから
一見して 組み直す必要は無さそうですが・・・。
ちなみに このホイール、お客さんの知り合いの
素人さんが組んだものです。

↑画像はリムの下側がフリー側です。
このリム、オフセットリムなのですが

ハブのオチョコに対する リムのオフセットの向きを
逆にして組んでいます。

↑反フリー側の面を同じように撮ると こんな感じ


紙2枚ほどのセンターずれがあり、縦横振れも少しありましたが
これより低い精度のホイールを組んで
金を盗るプロショップも多いので
まあ良く出来ているほうです(上から目線)。

貼ってあったリムテープを剥がすと、
外周側の穴も オフセットに合わせて振ってありました。
やっぱり 逆です。

あと、バルブ穴が左右の最終交差1ペアの
スポーク4本の束の「間」ではなく「中」にあります。
それと、スポークの長さが短いのが気になります。
とくに フリー側が。

バルブ穴の周りの最終交差1ペアのスポーク4本の
ニップルを一切ゆるめずに それ以外を丁寧にバラしました。
ここからスポークを リムの外に出せば
元のスポークとニップルの関係を リムの外で観察できます。

↑反フリー側のCX-RAY

↑フリー側のエアロコンプ
どちらも短いですが、反フリー側は
リムのオフセットの向きが合っていれば
元の組み方以上に ねじ山が進むことと
元の状態より少し張るだろうと思われるので
ギリギリ使い回しが可能です。
それでも スポークが すり割りを越えるくらいで
ニップルの端面には達しないでしょうが。
フリー側は使い回しません。短すぎます。

組み直しました。

フリー側を 黒CXスプリントストレートにしています。
あと、元の状態だと 最終交差を左右とも編んでいなかったのを
あとで結線するために 反フリー側のみ編みました。

バルブ穴の位置は
最終交差の束と束の間にしています。
category: のむラボ日記
フックレスリムとダイナモハブで前輪を組みました 
2023/05/22 Mon. 23:06 [edit]

40mm高カーボンリムとダイナモハブで前輪を組みました。
リム高は実測39.7mmですが
35mm高リムでも C40とか名乗っちゃうホイールもあるので
別に いいでしょう。

ソン ナベンハブダイナモのソン デラックス 12ハブ 24H
全黒CX-RAYヨンヨン逆イタリアン組み結線無しです。
センターロック台座のディスクハブでもあり、
かすかにオチョコがありますが 左右異形組みや
異本組みを入れるほどではありません。
スポークの長さは 計算上では0.6mmほど違い、
四捨五入の結果では1mm違いとなりました。

リムは ハンプの無いチューブレスリムです。
ハンプが無いならチューブレスリムと断言できないのでは?
リム中央部の凹みだけなら チューブレス非対応の
旧アルピニストCLXなどでも付いてるし、と言われそうですが
このリム、フックレスリムなので
チューブレス非対応ということはありえません。

ハブ胴にシールが貼ってありますが
これはフランジにスポークを通すときに
スポークとハブ胴が接触するので
そのときに傷が付くのを防止するためです。

ハブ胴の丸い頂点に対する
左右フランジまでの距離は同じではなく、
ディスク台座側が狭くなっています。
とくに ディスク台座のフランジのヌポークは スッと通らず、
フランジ穴に対して スポークのねじ山を
回し進めないと通らないのですが
その際にスポークの扁平部分が ハブ胴に擦りそうになるので
ねじ山で ひっかくだけでなく
その点でも養生が必要になっています。
category: のむラボ日記
アイオロス3の後輪を組み直しました 
2023/05/21 Sun. 23:31 [edit]

お客さんから ボントレガーの
アイオロス3の後輪をお預かりしました。
リムはチューブラー仕様です。

あまりにも走らないということで 組み直しをご希望です。
このハブ、理屈上では 最低といってもいいくらいの設計ですが
「前後左右のスポークを全てラジアル組みにすれば
スポーク長さが最短なので 重量が最軽量になり
空力的にも有利、という状態から
フリー側のみ ペダリング応力に対してビビッているので
タンジェント組みを入れよう」という考えが
要素の大小を履き違えていないと思えるなら
あり得る形状ではあります。
こういうのを見たときに 気になるのが、
ホイールに対する理解度や
要素の大小の重み付けを間違っているのと同じ人が
同社の(フレームなどの)別の製品の開発に
関わったりしていないだろうかという点です。
別のメーカーの話になりますが、
あのクランクセットの構造を思いついたり
あれだけの完成度のシューズを作れるのに
ホイールになると途端に完成度が低くなる
某メーカーについては
部署も人員も全く違うことは知っています。


反フリー側のスポークをにぎにぎすると
信じられないくらい たわみますが、
これは 吊るしの状態より
テンションがタレていることも関係しています。
張っても 大化けするわけではありませんが。


経年使用も関係しているでしょうが
リムが フリー側に ずれていました。
フリー側のテンションは袋小路に近いので
ここから反フリー側を センターが出るまで
増し締めした状態が 吊るしの状態の個体差のうち
張っている側の個体の上限といったところであり、
振れ取り調整でごまかせる限界でもあります。
それでも まともな設計の他社の完組みホイールには
遠く及びませんが。
ロヴァールもそうですが、
フレームメーカーが所有してるブランドのホイールがヌルいと
完成車の評価に響かないかと心配になります。

このハブはDT製で、フリーボディもスターラチェット式の
シマノ11Sのものですが、もしシマノ10Sフリーボディだった場合
右のポン当てエンドの長さがシマノ10Sのほうが短いので
上の画像のセンターゲージとの すき間が もっと大きくなり、
それは別名「増し締めしろ」でもあるので
より 反フリー側を張れるのですが
シマノ11Sフリーボディだと それも少なくなります。
右ポン当てエンドの長さは シマノ10S用よりも
シマノ11S用のほうが長いですが、
カンパニョーロ用フリーボディは
それよりも さらに長くなっています。
が、実はDT系のハブでは
カンパニョーロ用フリーボディ装着時のオチョコ量は
それほど ひどくはありません。
なぜかというと ポン当てエンドが当たる深さが違うからです。
詳しくは(→こちら)

左ポン当てエンドを外しました。

現行のDTのセラミックベアリングのハブは
外側に向いている面のシールの色が黄色の
自社ブランドのセラミックベアリングが入っていますが
このハブでは エンデューロのゼロ セラミックでした。

組み直しました。

660ハブ 24H 黒半CXスプリントヨンロク組みです。
結線は あとでやります。
昨日組んだ AL22Wリムとエボライトハブの後輪も
半コンペではなく 半CXスプリントにしましたが
これは乗り手の体重が軽いからです。

660ハブはフランジ幅が広い反面
オチョコ量が大きいので 左右同本同径組みをすると
反フリー側が非常にヌルくなるので
「このハブで まともなホイール組めるかな?」テストの
問題に使えるハブその2と言ってもいいハブですが
(その1は 逆ハイローフランジのエボディスクリヤハブ)、


元のハブは それに匹敵するフランジ幅・・・ではありません。
上の画像では 左フランジがハブ胴から飛び出ているので。

↑左フランジをはめ込むと こんな感じ
左フランジを狭くすることによる空力的メリットと
それによる横剛性低下のデメリットを秤にかけた
要素の大小の評価で、空力のほうが大事だと判断したのでしょう。
どちらが「違いを体感できる可能性が高いか」を考えれば
それが間違いだと分かるはずなのですが。

時系列が戻りますが、
ホイールをバラすのにスポークテンションを
あらかた抜いたあとに 左ポン当てエンドを外そうとしたら
ハブ胴も一緒に抜けたので びっくりしました。
以前に 同じハブ単体を見たときには(→こちら)
気付きませんでした。

今回のハブ単体です。


エポキシ系の接着剤の跡などが一切 無いので
どうやら 元から単なる差し込みだけの構造だったようです。
なぜ そう思うのかというと もうひとつ根拠がありまして

リムの外周側には ペアスポークで組む場合の
穴が用意されているからです。
この穴は、ふさがっていることも たまにあります。
外周側の穴のガイドは リムの成型時から存在していて、
内周側の穴をドリリングするのは それ以降にして
ペアスポーク位相と作り分けるという製法のようです。
このリムに対して、リヤハブの左フランジが回転することで
均等間隔リム穴と ペアスポーク位相リム穴の
どちらにも対応させられます。
ハブ胴と左右フランジが接着されていないハブとしては


このエクストラライトのハブや


一時期のキシリウム系のハブなどがありますが
いずれもフロントハブのみで、
これらの相方のリヤハブは
ハブ胴と左右フランジは 一体となっています。
反フリー側のみとはいえ
駆動輪であるリヤハブで フランジを接着しないのは
ペダリング応力を甘く見すぎだと思うのですが・・・。

ちなみに、このTNTのリヤハブの
チタン製ハブ胴も 接着は していないので、
前例が全く無いというわけではありません。
ところで、お客さんは このホイールを
ヒルクライムの決戦用ホイールにするつもりですが
ホイールの構造に関してだけは
今回のアイオロスより多少マシな
別のホイールの購入を検討しておりまして、
しかし そのホイールはリムの重量が
今回のアイオロス3より重いので
このホイールを組み直せば
外周部重量の軽さと ホイール体の硬さの
どちらについても上位互換になるので
そのホイールは必要ないのでは?と言ったのですが
どうしても売りつけたい人の口車に乗ったのか
中古で そのホイールを買ってしまいました。
まあ その選択については尊重するというか
どうでもいいのですが 今回のホイールのリム重量だけは
抜き取れました。どう考えても こちらのほうが軽いです。
具体的な重量については 教えるつもりはありません。
↑うわこいつかんじわるい

オ待タセシマシタ!

コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!
↑やーめーろー!
category: のむラボ日記
やくそくは やぶられた 
2023/05/21 Sun. 06:41 [edit]
表題の話は2つめです。

まず 1つめ。
コンチネンタルのグランプリ5000TRの25Cが再入荷しました。
超長期欠品の注文品ではないので
現行の(値上げ後の)定価準拠の売価となります。
先日のグランプリ5000系の入荷の告知
(→こちら)の続きですが、
全てが旧定価準拠の売価だった
23Cが完売しました。
誓って 私物としては押さえていません。
完売直前の本数が2本だったのですが、
私物用に1本だけでもと買った場合 残り1本というのは
お客さんが前後ペアとして買えなくなるだろうと思い
間引かずにいたら あっさり完売しました。
もし 最後の残りが3本だったら 1本だけ買っていたと思います。
お、お買い上げありがとうございました
あと、28Cのチューブレスレディこと5000TRの
旧定価準拠分も完売しました。
これで 当店のグランプリ5000系の
旧定価準拠の売価の在庫は
非チューブレスWOタイヤの28Cが数本あるのみで
それ以外は全て新定価準拠分に切り替わっています。
5月22日追記:それも完売したので
当店のコンチネンタルのタイヤは
全て新定価のものに切り替わりました。
あと、常用チューブ応援価格などと称する
客寄的大熊猫価格として 長らく好評を博していた
レース28 チューブ(→こちら)ですが、
これも 値上げにより
不当廉売になってしまうので
次回以降の入荷分は税込100円アップとなります。
申し訳ありませんが よろしくお願いいたします。

2つめの話です。
先日、スラムのディスクブレーキホースのパーツについて
上の画像の 右のセットは
左のセットと同じ内容に加えて ナットとブーツが付くにも関わらず
日本の問屋さんの設定価格(本国のドル建ての定価は知りません)が
なぜか同じだけど 必要もないのに右のほうばっかり買うのは
やめようね!という話を書きましたが(→こちら)、
つい昨日 他の調べ事ついでに問屋さんの在庫を見たら
そこそこ数があったはずの右のセットが「欠品」となっており
完売していました(左のセットは現在も在庫があります)。
当ブログの影響だけだとは言い切れませんが、
どうやら 約束を破った同業者の方がいるようです。
ま・・・まさか こんなことにナルナンテ
想像だにしていませんデシタ。
category: のむラボ日記
AL22Wリムで後輪を組みました 
2023/05/20 Sat. 22:39 [edit]

AL22Wのリムブレーキ用リムで後輪を組みました。
材料は全て当店の在庫からですが、
ディスクブレーキ用のAL22Wリムであれば
のむラボホイール8号であるところ
リムブレーキ用リムの場合は
のむラボホイールという括りにはなりません。
明文化していないワランティなどは同じく適用されますが。

XDRフリーボディ仕様を希望された場合のために残してある
エボライトハブ 24H 黒半CXスプリントヨンロク組みで

基本は黒アルミニップル、バルブ穴の両隣のみ
赤アルミニップルです。
結線は あとでやります。
category: のむラボ日記
グランプリ5000が入荷しています 
2023/05/18 Thu. 23:11 [edit]
長期欠品していたものが 3月末から順次 入荷しています。

日本語の おすすめステッカーが
箱に貼ってある理由(たぶん)については
(→こちら)をどうぞ。
コンチネンタルをジャパンでゆいいつ扱っている
問屋さんですが、去年の9月に値上げをしました。
これは コンチネンタルの値上げではなく、
同じ問屋さんが扱っている主要な海外ブランドを
一斉に値上げしているので
為替を勘案した問屋さんの事情による値上げです。

去年の4月半ばに グランプリ5000の
23Cを注文していましたが、
問屋さんに入荷したのは今年の3月末なので
ほぼ 1年待ちとなりました。
23Cについては 当店に納品された以降も
問屋さんの在庫が 未だに無いままなので
日本全国の注文残分に全て充当するほどの数すら
入ってこなかったようです。
廃版の可能性も疑ってましたゴメンナサイ。
そして今でも 今回のロットで廃版かもと疑っています。
約1年ではないものの 他にも長期欠品していたものに
28Cのチューブレスタイヤなどが ありますが、
問屋さんのほうで 注文した日を管理してくれていて
当店からの注文日が値上げ前であれば
値上げ前の価格準拠で出荷してくれています。
「値上げ前の注文でも値上げ後の出荷なら
値上げ後の価格を適用する」という クソ商売ですが。
とっと ひとつ前の世代のクランクの
アウターチェーンリング作れや ボケが。
というわけで現在 当店では グランプリ5000の23C全てと
28Cのタイヤの一部が旧定価準拠の売価となっており
それらは 前出しで展示しているので よろしくお願いします。
私物用に買わせてください。
category: 新着情報!
R-SYS SLRさん 
2023/05/16 Tue. 23:55 [edit]

相方の後輪も 点検希望で お預かりしていました。

前輪のトラコンプリング周りはグリスでベタベタになっていましたが
後輪は 何も塗布されていませんでした。

非常に珍しい、溝4本エンドです。
まあ 溝が3~1本のエンドはホイールに付属もしていなければ
入手も困難なのですが。

時系列が とびますが、
トラコンプリングとスポークヘッドとの接触点に
シリコーングリスを塗布して

元の接触点と 違う点に当たるように
トラコンプリングをセットしています。

フリーボディの回転に カスカスした感じはなかったのですが
バラしてみると 内部は専用オイルが切れており、
爪に 錆びが浮いていました。
汚れをぬぐってから 専用オイルを充填して再組立てをしました。


暫定センターでは リムが左側に ずれていました。
マヴィック特有の傾向ですが ずれの量はマシなほうです。
これが新品なら そう思うところですが
けっこうな横振れがあることが 後から分かったので
暫定センターの時点で探せば センタードンピシャの位相や
上の画像より ずれている位相があったかもしれません。


フリー側の増し締め偏重で
あえて リムを一旦 右側にずらすつもりで
横振れ取りを終えました。
かなり増し締めしたつもりですが
思ったほど リムが右に移動しませんでした。
この時点では 振れが取れているので
どの位相で当てても 同じ結果になります。
R-SYSの反フリー側は ねじ山のピッチが荒いニップルで
(厳密には ニップルではなくスポークの一部ですが)、
しかもオチョコ量が大きく さらにはラジアル組みなので
ニップルの回転量当たりのリムの移動量が
あらゆるホイールの中で おそらく最大です。
上の画像の センターずれを修正する
ニップルの回転量は 微々たるものです。


センターを出しました。
category: のむラボ日記
ディスクハブで のむラボホイール5号の後輪を組みました 
2023/05/16 Tue. 23:17 [edit]

のむらぼホイール5号の後輪を組みました。

お客さんの希望で、
チューブレス非対応のナローリムで
銀色のブレーキゾーンがあっても かまわないから
外周部の軽さを重視するということで
あえて AL22リムことXR200リムで
ディスクブレーキ用のホイールを組みました。

レボディスクハブ 24H 黒半コンペヨンロクJIS組みで
黒アルミニップルです。
あと、このレボディスクハブは ホイールのご注文時に
お客さんからお預かりした持ち込み品であり
当店の在庫ではありません。
category: のむラボホイール
オリーブとインサートの話とか 
2023/05/15 Mon. 23:43 [edit]
それにかぶせるチューブ型ダストキャップが

50個セットになっているものを 2つ買いました。
上の画像では すでに分けた後ですが、

↑こういう出荷状態のものを

分割して

それぞれのケースに分けました。
実際に使うのはチューブ型ダストキャップのほうだけです。
ここ最近の、電動コンポ兼用といいながら ほぼ電動寄りな仕様で
一応 機械式コンポでも組めるようにしてあるようなフレームでは
ワイヤーが内蔵式で BBの後ろにあいた穴から
フロントメカに向かってシフトワイヤーが出るようなものが一般的ですが、
ライナーを通している場合 ライナーの端が上を向くので
経年仕様で 細かい砂が入り込み ワイヤーの引きが重たくなります。
そこにかぶせるチューブとして かなり昔に
これと同じチューブ単体のパーツを大量に買ったのですが
少し前に使い切りそうになったので 調べたところ
現在では ノーズ付きシフトアウターキャップとの
セット販売しか無いようなので
仕方なくセットで買って 分割しました。

それと、この容器に入っていたのも助かります。
最近のシマノは プラ容器をなるべく廃しているので
これを辞めていないかどうか不安だったのです。

このケース、小物を入れるのに たいへん便利です。
同じ容器で販売されているものとしては
チェーンのクイックリンク50個入りなどもありますが


かつてはシマノのSM-BH90ディスクブレーキホースの
オリーブとコネクターインサートが50個ずつ入っているセットも
この容器に入っていました。
現在では この販売形態はなく、
ちょうど1年前の 2022年5月14日に終売となっています。
これ絡みでオリーブとインサートの単価を
究極的に安く買う裏技があったのですが
それが出来なくなりました。
というか それに気付かれたのが
唐突に無くなった理由かもしれません。チッ!
現在では オリーブのみ100個か
インサートのみ100個という販売形態となっており、
オリーブ100個の税込定価が3956円、
インサート100個の税込定価が12409円です。
かつてあった50個セットの終売時点での税込定価が8932円、
それを100個ずつにするのに2セット買うと17864円なので
現行の3956+12409=16365円のほうが安いじゃないか!
と思うかもしれませんが そうでなくなる買い方がありました。
詳しくは書きませんが。

スラムのロード用コンポをジャパンでゆいいつ扱っている
問屋さんのサイトを見ていたら
オリーブとインサート5個入りセットというのが 2種類あり、
いったい何が違うんじゃと思ったので 両方 仕入れました。
スラムでは オリーブのことをフィッティング、
インサートのことをバーブと呼んでいますが
以下も オリーブとインサート呼びで続けます。

ひとつが 11.5378.803.002という品番のもので、
以下 5378と呼ぶことにします。
品番の末尾の002が 004になると
オリーブとインサート1個ずつ、
003になるとオリーブとインサート50個ずつのセットになります。

もうひとつが 11.5018.061.000という品番のものです。
こちらは以下 5018と呼ぶことにします。

5378の中身です。
少し前の画像を見てもらえれば分かりますが、
シマノのインサートは ガスの元栓のような
カエシがついた形状をしており
ホースに対して圧入で装着します。
スラムのインサートは、付属のトルクスレンチで
ホースに対してねじ込む方式で、
赤いオリーブは 片側がどん突きになっていて 向きの概念があり
間違った向きでホースに装着することができません。
どん突きになっている側は 端が ねじ穴になっていて
インサートのホースの外側(ねじ径が大きい側)と
ねじ山の関係で装着するようになっています。
なのでシマノと違い オリーブの位置が
ホースの端からが 少し浮いたまま
カシメてしまうという可能性はありません。

5018の中身です。
5378の中身に加えて スラムがナットとブーツと呼ぶパーツ
(見た目通りですが)が 5個ずつ付属しています。

↑画像左が5378、右が5018です。
なぜ私が この2つについて「何が違うねん」と思ったかというとですね、
この2つ、販売価格が同じなんです。
ちなみにどちらも 税込定価5110円です。
これが広く知られたら たとえ不要でもナットとブーツ付きの
5018こと11.5018.061.000のほうばかり
買われてしまうんじゃないか、
5378で事足りる場合でも 5018が買われることによって
本当にナットとブーツが必要な人に
行き渡らなくなる事態が起きるんじゃないかと思い
おもに 同業者の方に向けてですが
必要もないのに 5108のほうを わざわざ買うのはやめようね!
ということを告知したかったのです。
まあプロショップなら 5378のほうにのみある
単価が最も安い50個入りのセットを買うと思いますが。
以下 品番と セットの個数と 税込の定価/単価です。
11.5378.803.004 1個 1500円/1500円
11.5378.803.002 5個 5110円/1022円
11.5378.803.003 50個 20680円/413.6円
1個入りの1500円というのは税別ではなくて
税込で1500円になるように逆算した
税別1363円という価格設定です。
じゃあ ほかの個数もキリのいい金額にしたら
いいのにと思いますが。
なお、この記事への拍手は 私と同業者の方で
かつ 必要もなく5018のほうを
あえて買わないと約束するよ!という方だけが
押せるということで よろしくお願いいたします。
追記:
↓こんなに おるわけないやろ!
category: のむラボ日記
404さん 
2023/05/15 Mon. 22:59 [edit]

フルカーボンWOリムが一般的ではない時代のモデルなので
ブレーキゾーンの部分にはアルミを配してあります。

反フリー側ラジアル組み仕様のストレートスポーク用ハブです。
ハブ胴のアルマイトが剥げて 一円玉みたいな錆びかたをしていますが
それはまあいいとして・・・

右エンドのギザ付きワッシャのパーツが割れて外れたので
後輪を しっかり固定できなくなったのを
なんとかしてほしいとのことです。

シマノの7800系のハブも ここのギザワッシャが
割れはしないですが よく外れます。
一度 外れると 圧入の寸法が広がるのか
以後 接着しても しょっちゅう外れるようになります。
割れるわけではないので クイックを取り付けている限りは
紛失は しないのですが。

初めに外れる原因としては、
エンドに ハブスパナをかける平面があるのですが

↑ここにハブスパナをかけた状態で
横方向に こじる力をかけると
パチーンと外れることが多いです。

話をZIPPに戻します。
割れたギザワッシャも お預かりしました。
内径・外径はともかく 厚みが分かるのは助かります。
今回のZIPPの右エンドはハブシャフトの一部でもありますが

この次の年代のZIPPのリヤハブのジャンク品が
当店に あるので 交換できるか調べたところ、
ハブシャフト丸ごとの交換は
左エンドのねじ山の位置が違っていて無理でした。
ギザワッシャだけ抜き出せるかどうかも調べましたが
上の画像のギザは ハブシャフトと別体ではなく
ハブシャフトの端を加工したものなので 無理でした。

が、内径が ほぼ同じで 厚みも元々同じものが
別のメーカーのハブのパーツであったので
少し加工したところ うまく取り付けられました。
念のため 接着もしています。
ハブシャフトの端と ギザワッシャの端がツライチではありませんが、
お預かりした 元のギザワッシャの厚みと
同じであることは確認済みです。
category: のむラボ日記
RT520リムでピストの前輪を組みました 
2023/05/14 Sun. 22:27 [edit]

アラヤのRT-520というWOリムと

グランコンペのスモールフランジのピストハブで

前輪を組みました。

↑リムにピント

↑ハブにピント
デジカメが未だに慣れんというか使いにくい・・・
それはいいとして 32H 全コンペロクロクイタリアン組み
結線無しです。

この RT-520ですが、ダブルウォールの角型リムで
リム高が低いので、リムのサイドウォールの半分くらいは
ビードフックが占めています。

となると ビードフックを除いた中空のパイプ部分のリム高
(チューブラーリムと見なした場合の部分)は さらに低いので、
仮に ニップルからスポークが突き出した場合
リムテープが凹むと スポークがリムテープを破る可能性があるほど
内外のウォールが 近くなっています。

今回のハブとリムでの
計算上のスポーク長さは300.52mmで、
自動的に四捨五入されて301mmと概算で出ましたが
計算上の長さが あと 0.05mm短いだけで
300mmとされるところです。
こういうときはスポークカッターの設定で
0.5mm刻みくらいは出せるので
300.5mmに切るのですが、
今回はリム側の事情もあって300mmのスポークを使いました
(カットしなくても その長さで在庫を持っていました)。
この様子だと 301mmにした場合 ニップルの端面から
ねじ山が突き出る箇所が 確実に発生します。
category: のむラボ日記
のむラボホイール33号の後輪を組みました  
2023/05/13 Sat. 23:17 [edit]

のむラボホイール33号の後輪を組みました。

HB-7600の

片ねじ切りリヤハブ 36H 全チャンピハチハチイタリアン組みです。
結線は あとでやります。
先日組んだ前輪の相方ですが、これらは
大学生のタンデム競技用のホイールとして組みました。
レギュレーションは14番プレーンで しんちゅうニップル、
36Hで タンジェント組みで チューブラーリムということでした。
結線を「してはいけない」というルールは無いそうです。
スポークとニップルのメーカーは不問ということなので DTにしました。
聞いた範囲のレギュレーションからの解釈では
全ヌポークまたは全反ヌポークで1クロス組みでも
タンジェント組みだからOKなのかとか
フロントハブは100mm幅のクイックのハブでもいいのかとか
屁理屈はいろいろ思いつきますが、
「レギュ違反で試合に使えませんでした・・・」と
後日 言われると面倒なので
イタリアン組みにはしましたが 8本組みにしました。
6本組みにするくらいなら 何も言われなさそうですが、
ラージフランジの36Hであれば
8本組みのほうが都合がいいので やる理由がありません。
競輪のレギュレーションと似ていますが
あちらは 指定スポークが 星の15番ベースの
丸バテッドかエアロバテッドで
組み方は8本JIS組み指定である点が違います。
デュラエーストラックハブに対する8本組みの長さとして
星は NJSスポークとして305mmのみを用意していますが、
パイプリムの内径は メーカーが違っても似たり寄ったりなので
リムがアンブロージオのモントリオールだろうが
マヴィックのGL330だろうが ニジのカウンタックだろうが
フィアーメのイリデだろうが だいたい同じ長さになります。
今回のハブは 片ねじ切りなのでオチョコがあり
左右でスポークの長さが違いますが
実測寸法から計算すると 右側が304.9mm、
左側が306.2mmとなり どちらも305mm圏内から外れました。
これはNJSホイールでも ほぼ同じことが起こっており
片ねじ切りの7600ハブだと 計算上
右側が305mm 左側が306mmくらいになります。
が、1mm違うなら 長いよりは短いほうがマシということで
305mmのみの展開としているようです。
確かに、もし305mmと306mmを用意していたとして
右側に306mmを使うのは非常にマズイです。

GEL280と同じく、GL330というモデル名にある数字が
重量の公称値ですが 実際には
どちらもそれよりは重いのが通例です。
これより前の年代の、いわゆる「赤ラベル」時代のものであれば
だいたい公称値前後であることが多いですが。
赤ラベルについては(→こちら)(→こちら)をどうぞ。
category: のむラボホイール
旧々CRESTリムの前輪を後輪に組み換えました  
2023/05/11 Thu. 22:50 [edit]

先日の続きです。
クレストリムの前輪を 非BOOST規格のXTハブから
BOOST規格の中華ハブで後輪に組み換えます。

ZTTO P3 BOOSTハブ 32H 半コンペヨンロクJIS組みです。
結線は あとでやります。
フレームを新調したらBOOST規格になっていた、とのことですが
組み換えの目的は その点に適合させるためだけのようです。
というのも、最新の12Sシマノコンポは
当初 マイクロスプラインの他社製造を禁じていたり
11S時代には出していた電動コンポを
いつまで経っても出さないなど
ユーザーに そっぽを向かれるようなことを
いくつもやらかしており、私の周りのレース派の人は
だいたいスラムに乗り換えているので
このハブもXDフリーボディ仕様のものを買ったのだと思っていました。
シマノのハブは、XTRでなければ わりと安いので
ラインナップしているグレードや仕様が限られる28Hなら ともかく
32Hであれば XTのBOOSTハブでもいいじゃん、と思ったのですが
将来的にXDに変換することを考えて
シマノハブを避けたのかもしれません。
現行のXTはM8100ですが、
リヤハブは全てマイクロスプラインになっています。
HGフリーボディでBOOST規格の148mm幅のハブである
M8000系のリヤハブ、FH-M8010Bは
穴数が32H仕様のみですが 廃版にはなっていません。
フロントハブについてはハブ胴の色などが違いますが
HB-M8110Bを買えばOKです。
で、一応 それらの在庫も調べたのですが
FH-M8010B 32Hのみ 在庫無し 2024年1月23日予定
HB-8110B 36H 在庫あり
HB-8110B 32H 在庫無し 2023年7月12日予定
HB-8110B 36H 在庫無し 2024年2月13日予定
となっていました。ダメだ こりゃ。

これくらいのラージフランジであれば
32H8本組みができるので
ヨンパチ組みにしてもよかったかも知れません。
category: のむラボ日記
旧々CRESTリムの後輪を前輪に組み換えました 
2023/05/09 Tue. 23:47 [edit]

お客さんから スタンズのクレストリムで組まれた
後輪をお預かりしました。かつて当店で組んだものです。

このコスメチックのステッカーのときのクレストは
アイアンクロスの最終バージョンが存在していた時と
同時期ですが、リムの内幅が21mmでした。
これの次のモデルのクレストMK3は 内幅23mm、
その次で現行モデルのクレストMK4では
内幅25mmとなっています。

ハブはXTグレードのFH-M8010で、
32H 半チャンピヨンロク組み結線ありです。

緑ニップルだったので 特定が容易でしたが、
ちょうど7年前に組んだ(→こちら)ホイールでした。
フレームを新調したら XC用なのにBOOST規格になっていて
手持ちのホイールが使えなくなったから(←最近よく聞く話です)
ハブを交換して組み換えてほしい、というのが お客さんのご希望です。

組めました。

ZTTOという中華ブランドの

P3というハブのBOOST版ですが、
少し前にも 同じハブでホイールを組みました(→こちら)。
なにこれ 流行ってんの?

32H 半CXスプリントロクヨン逆イタリアン組みです。
結線は あとでやります。

今回のクレストリムのホイールは 前後輪でお預かりしていますが、
お客さんの希望ではなく 私の判断で
後輪を前輪に、前輪を後輪に組み換えることにしました。
前輪は銀ニップルですが ハブは同じくM8010です。
上の画像の時点では 前輪2つになっています。

スポークは全CX-RAYですが、これは
CXスプリントという選択肢が無かったころのホイールだからです。
長さが合えば 結線していない側のスポークを使い回すことも考えましたが
組んだのが7年前というのと レースでガンガン使っている履歴があるので
スポークは全て新調することにしました。
category: のむラボ日記
1.0mmロースペーサーの話 
2023/05/09 Tue. 22:34 [edit]
長くなったので、別記事として分割しました。

なぜ フリーボディの端が切れたのかという話です。

切れている部分を 割れに合うように
指で押して はめ込むと

欠けている箇所があるのが分かります。
このフリーボディについては お客さんのほうで
交換なり何なりするので とりあえず放置でいいということになりました。

↑これは 時系列が戻って ハブの分解洗浄前ですが、
今回のハブにはシマノ10S用フリーボディが付いていました。
シマノの10Sスプロケットには
ローギヤの奥に 厚み1.0mmの「ロースペーサー」なる
スペーサーの取り付けが必要ですが、
それを取り付け忘れると フリーボディのスプラインに占める
スプロケットパーツの寸法が1mm足りないことになります。
すると当然 スプロケットに左右のガタが発生するわけですが
それを ロックリングの締め込みがゆるいことによるものだと
勘違いして ロックリングをバカ締めすると
スプラインの端の薄い部分が切れて割れることになります。
これは ノヴァテックのフリーボディでも
起きた事例が複数件あります。
11Sフリーボディに 10Sスプロケットを取り付ける場合
11Sと10Sの寸法差を埋める1.85mmスペーサーを
フリーボディの奥に入れるわけですが、
その1.85mmスペーサーを入れると
なぜか1.0mmロースペーサーを抜く人がおり、
その状態でロックリングをバカ締めして
フリーボディの端を切るという発生の手順です。
さすがに1.85mmスペーサーの入れ忘れは
スプロケットがガチャガチャと動きすぎるので 気付きますが、
それが1.0mmだと 気付かないこともあるようです。
11Sフリーボディの場合は 1.85mmはハブ側のパーツ、
1.0mmはスプロケット側のパーツで
どちらも必要なので 都合 2枚入れることになります。

↑これが1.0mmロースペーサーです。
当然ながら フリーボディのスプラインの奥まで入ります。

↑これはシマノの7800ハブのフリーボディですが、
10S「専用」となっていて これ以前の9Sコンポの
スプロケットが取り付けられないように
スプラインの高さを途中から高くしています。
このフリーボディの場合には ロースペーサーは要りません。
「新10Sのデュラエースホイール(またはハブ)には
以前の9Sスプロケットの取り付けは不可!
これを使いたければコンポを10S化しろ!」
という ほんの一時の しょーもない嫌がらせ、
露骨な計画的陳腐化を図ったために
それ以降 ロースペーサーが要るだの要らんだのという
ややこしい問題を後世に残しました。
ちなみにスペーサー関係の問題は起こしていませんが
現行のデュラエースグレードの後輪も
「新12Sのデュラエースホイールには
以前の11Sスプロケットの取り付けは不可!
これを使いたければコンポを12S化しろ!」
と 全く同じことをしています。
物の売り方が透けて見える話です。
あっ、表向きの理由は「軽量化などを追求したら
どうしても こういう形になってしまったんだよ」
ということになっています念のため。

10S専用フリーボディには
1.0mmロースペーサーが奥まで入りません
(ついでに書くと 9Sスプロケットも ここで引っかかります)。
なので、ロースペーサーを要するフリーボディに
入れ忘れることはあっても
ロースペーサーが不要なフリーボディに
過分に入れてしまうことは無いということになります。

図にすると こうなります。
10Sスプロケットの裏側には
ロースペーサー用のヌスミ寸法が設けてあります。
ここまでの話であれば、ロースペーサーが不要な場合
そもそも取り付けようが無いのだから
「ロースペーサーが奥まで通るフリーボディの場合 必ず入れる」
ってことで いいんじゃないの?と思うかもしれませんが
これには例外があります。

↑これは 6600系アルテグラの
14-25Tの10Sスプロケットです。

トップギヤが13T以上あるスプロケットは、
UCIのジュニアカテゴリーのレギュレーションで
アウター×トップのギヤ倍数に制限があったころに(現在では撤廃)
高体連で よく使われていたころから
通称 高体連ギヤとも呼ばれていました。
CS-6600では13-25T・14-25T・
15-25T・16-27Tの4種類がありますが、
16-27Tは どちらかというと 当時のロード用として
最も大きいローギヤである27Tに加えて
18・20・22Tが付いていて
ロー側の歯数を詰めて寄せているので
ヒルクライム用としての用途が大きかったり、
13-25Tは 時速50kmオーバーの下りで
ガンガン踏むことをしない限り困らない
クロスレシオの歯数なので 使いでがあるなど
必ずしも高校生専用のスプロケットというわけではありません。
13-25Tの10Sに 11Tと12Tを加えた
11-25Tの12Sスプロケットというのがあれば
非常に有用なのですが、現在のロードバイクでは
最小ローギヤのコンビネーションを選んでも
11-30Tというクソアホワイドレシオだったりします。
まあシングルテンションのリヤメカで
最小ローギヤの歯数を 25Tにも34Tにも適合させるのは
無理でしょうから仕方がないのでしょう。
おっと。話が それましたが
この高体連ギヤ、

ローギヤの内側の形状が
ロースペーサー1.0mmを内包した寸法になっています。
なので 10S専用でないフリーボディに対してであっても
高体連ギヤの場合のみ ロースペーサーは不要という
例外となっています。ややこしい!

図にすると こうなります。
10S新デュラエースへの買い替え圧を より強めたいという
メーカー側の 一時の しょーもない都合の押し付けで
ロースペーサーが要るだの要らんだのという問題に
さらに ややこしい例外を設けているわけです。
ひとつまえの記事のレーシングゼロですが、
高校の自転車部の部室にあると書きました。
ホイールの年代からしても ギヤ比規制があったころのものです。
練習などで 11Tまたは12Tトップの
普通のスプロケットを使うことは違反ではないので、
普通のスプロケットと高体連ギヤを
部室でとっかえひっかえして
ロースペーサーを入れ忘れることは 充分にあり得ます。
なので 結果フリーボディの端を
ロックリングの締め付け力で切ってしまうのも
起こること自体は仕方がないという話です。
おまけ

↑これは11-25Tの11Sスプロケットですが、

10Sフリーボディに取り付けるために
ローギヤのスパイダーアームの内側を削いでいるものです。
この記事の論旨に全く関係ないので
見たことを忘れてください。←じゃあ載せるな
category: ホイールの話
レーシングゼロさん 
2023/05/09 Tue. 22:11 [edit]

高校の自転車部の部室に置いてあったものだそうですが、
今後は 特定の個人が使うのでオーバーホールを ご希望です。

ちなみに チューブラー仕様です。
まずは前輪から。

ハブの すき間から 浸み出した油分に
細かい獣毛のような毛が付いていましたが、
ハブの中には混入していませんでした。

黒ボールレース仕様のUSBという
最も虫食いを起こしやすい組み合わせのベアリングですが、
そもそも きれいな摩耗痕が出来てすらいないので
アタリが出ていません。
お客さんの自己申告で「フロントハブの回転が
カサカサしている」というのもあり
ハブのオーバーホールをします。

右ワンも

左ワンも 虫食いの兆候はありませんでした。
カンパニョーロ・フルクラムの カップ&コーンの
ハブのオーバーホールをすると
それ以前に スルスルに回っていた感触が
かえって失われることがあります。
今回の前後ハブとも洗浄後にグリスアップをしていますが
ハブの1回転の中に細かい砂を噛んだような つまづき感がありますが
これは新品のホイールにも見られるものであり異常ではありません。
使っていると そのうち消えて さらにそのあとにアタリが出ます。
今回のフロントハブの場合は、
回転自体は 元より軽くはなっています。

それはそうと、明らかに変形しているスポークがありました。

テンションを抜くと・・・

↑こんな感じ

↑画像右の 目印のテープを貼っているのが
スポークを交換した箇所です。
リム穴とステッカーの位置関係が違うのは
先ほどと逆側から撮っているからです。
で、画像の真ん中のスポーク、
交換したスポークと同じ側のフランジから出ている
ひとつ隣のスポークですが、


振れ取りごっこで ねじれていました。
あれほど変形したスポークが混ざったまま
横振れだけを取ると 縦振れが出ますが、
それを何とかしようとしたようです。
前輪については 縦振れも直しているので、
ブレーキの跡を 新たに付ける前であれば
ホイールを回転させれば ブレーキゾーンの中で摩耗痕の筋が
上下に踊っているのが確認できる最終状態になりました。
私が触る前は 摩耗痕の筋のほうが真円だったわけです。

ねじれていたスポークの
対岸の位相のスポークにも ねじれ跡がありました。
振れ取りごっこですが、直すというゴールに向かったという
意図が感じられる感じの調整にはなっておらず、
ホイールを回して ルーレットのように止めて
まったくランダムに ニップルをゆるめ/締めしたかのような
結果となっており 修正するのに大変な手間を要しました。


縦横振れだけを追い込みました。
変形したスポークに早くから気付いていたので
暫定センターは見ていません。
センターずれがありますが、

スポークを3本交換したのは いずれも
玉当たり調整ナット側で 同じ側のフランジだったので、
こちらの増し締め傾向で調整する都合上
リムが こちらに寄るのは必然です。


センターを出しました。

直りました。

この3本を交換しています。

つづいて後輪。

前輪で あんなことがあったので疑いたくもなりますが、
後輪にも 要交換スポークが1本ありました。
上の画像の真ん中、反フリー側ラジアル組みの1本です。
テンションを抜く前ですが 変形をギリギリ判別できるくらいです。

フリーボディの端が切れていました。
こうなる原因については特定できていますが
それについては あとで別記事にします。

↑フリー側のワン

↑反フリー側のワン
ベアリングパーツに問題はありません。
洗浄とグリスアップをしています。
フリーボディは 先ほどの通りですが、
爪起こしバネに変形はありませんでした。

↑ニップルをゆるめて 変形スポークをフランジから外すと こんな感じ


スポークを補填して振れを追い込みました。
リムが 反フリー側にずれています。


第1次センター出し後です。もうちょいです。


センターを出しました。
先ほどから フリーボディ側の画像の
フリーボディの位相をいろいろ変えて
切れている状態を見せつけるようにしているのは わざとです。


直りました。

↑交換したスポーク
画像上から3本が前輪、
一番下の1本が後輪のスポークで

前輪のスポーク3本の交換理由は
画像上から 変形、ねじれ、ねじれです。
category: のむラボ日記
R-SYS SLRの前輪のリムを交換しました 
2023/05/08 Mon. 23:13 [edit]

お客さんから R-SYSの前輪をお預かりしました。
ワイドリム化したバージョンが出ることもなく廃版となった
R-SYSの最終世代です。
現在のマヴィックでは
ジクラル式のアルミスポークとカーボンスポーク、
エグザリッドなども やめてしまいました。
ディスクブレーキ用の後輪は 左右タンジェント組みですが、
リムブレーキ用の後輪では イソパルスこと
フリー側ラジアル組みをスチールスポークでやっています。
いくら ストレートスポークでも
フリー側ラジアル組みはよろしくないと思うのですが・・・。
シマノもZIPPも 今では やってませんし。


座屈で リムが変形したのを
曲げ直して使っていたものの
やはり リム交換をしたいということで、
入手したスペアのリムに組み換えを ご希望です。
付いていた値札(¥46200)からして
海外通販ではなく日本の小売店での購入だと思いますが
リムだけ買って帰るお客さんに対して
「マヴィック取扱店たる当店以外で交換せずして
どこで 交換するんですか」とか聞かれなかったのでしょうか。
ちなみに お客さんは 近畿圏外のかたです。

組めました。

リムは同じものですが、
コスメチックは こちらのほうが 年代的に進んでいるようです。


時系列が戻りますが、
片側のトラコンプリングが変形していたので

交換しました。
赤くて切り欠きの無い初代トラコンプリングは
資料用として殿堂入りしているので 使わないものです。

お客さんがやった可能性があるので
手厳しくは書きませんが、ハブ内部に
カルシウム石鹸系グリス(たぶんシマノのグリス)が
意味の無いところまで塗りたくられていたので
ホイールをバラしたハブ体の状態のときに
洗浄しました。
現状では スポークヘッドとトラコンプリングの間に
シリコーングリスを必要な部分だけに塗布しています。

数グラムの軽量化のために 右エンド付きハブシャフトと
左エンドの間を ねじ山の関係にせずに
ポン当てエンドにした QRM SLですが、
左ポン当てエンドの溝は「3本」でした。
溝の数の意味については(→こちら)をどうぞ。
ちなみに、現状で左右エンドを両親指の腹で押すと
かすかながら コクコクとしたガタがあります。
こういうことをするなら ホイールの価格に
スペアの左エンドの価格を含めてもいいから
すべての寸法のエンドを ホイールに付属させるべきだと思うのですが。
今から 2本溝や1本溝の左エンドを売ってくれと言われて
メーカーは在庫を持ってたりするんでしょうか?
今回、一応 組み換え前後のリムの重量は量っています。
もちろん教えるつもりはありませんが。
↑うわこいつかんじわるい

オ待タセシマシタ!コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!

元ノ りむデス!

組ミ換エ後ノ りむデス!
↑やーめーろー!
category: のむラボ日記
404の後輪を11S化させるために組み直しました 
2023/05/07 Sun. 23:04 [edit]

お客さんからZIPPの404の後輪をお預かりしました。

FH-7900 24H 全CX-RAYヨンヨン組みですが、
シマノの積極的妨害(→こちら)により
フリーボディが11S化できないので
リヤハブを交換して組み直すことになりました。

なぜかスラムのステッカーが上から貼ってあります。
404という数字は Not Foundという意味でもなければ
公称重量でもないのですが

たまたまですが 名前よりは軽かったです。

組めました。

660ハブ 24H 半CXスプリントヨンロク組みです。
結線は あとでやります。
category: のむラボ日記