のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

32Hハブで24Hリムを組む話  

表題にあるように32Hハブで24Hリムを組みたいのですが、
グーグル先生に訊くとですね・・・
このブログの記事が一番上にあるんです(→こちら)。
自己解決するしかないということですね。
もしかしたら近い将来 この記事が一番上になるかもしれません。
DSC00822amx3.jpg
ペアスポーク位相などでない普通のハブの場合、
左右のフランジ穴は360/左右ホール数°だけずれて あいています。

DSC00823amx3.jpg
ハブでもリムでもいいのですが、仮に24Hで
ハブフランジの片側、もしくはリムで1穴飛ばししたときの穴の位置は
上の図のようになります。

DSC00824amx3.jpg
もう片側の穴も追加すると こうです。

半径の違う2つの同心円を書き、大きい円をリム 小さい円をハブとして
穴位置もそれぞれ書き込み リム穴とハブ穴を線(←スポーク)で結べば
ホイールの設計図にはなりますが、
32Hハブ24Hリムで左右同数スポークで組もうとすると
位相狂いが発生します。
その位相狂いを直感的に分かりやすく書こうと思うと 私の場合
「ラジアン感覚」的な円ではなく円弧を直線に展開した図のほうが
分かりやすいので 以下それについて書いていきます。
これはハブとリムの穴数違いであれこれするときに
頭の中で想像している図そのものです。

DSC00935amx3.jpg
ホイールの円弧の直線展開図は2種類あって、
ひとつはリムの穴振りを縫うように(穴振りがなければ交互に)
リムを分割して ハブの横に並べる「リム・ハブ・リム型」の展開図です。

DSC00937amx3.jpg
もうひとつはハブ胴を中心で分断、リムに切れ込みを入れて
平らにのした「ハブ・リム・ハブ型」の展開図です。
これはWOタイヤを切ってウナギの蒲焼状に広げた状態を
ホイールでやったものだと思ってください。
今回はこちらを使います。

DSC00940amx3.jpg
本来 ラジアンの0°はX軸上、時計でいうと3時の位置になりますが
私の「ラジアン感覚」では0°の位置は定まってはいません。
その都度 位相を想像しやすい位置になります。
上の図では12時の位置ですね。
時計回りになっているのも本来のラジアンとは逆です。

DSC00941amx3.jpg
ここから90°分だけ切り取ります。

DSC00943amx3.jpg
リム穴とハブ穴を 共に0°の線上に描いてみます。
今回は24Hリムと32Hハブですが、
32Hハブは フランジ片側90°が4H分で偶数なので
45°の線上にも穴が来ます。

DSC00944amx3.jpg
90°分のハブ穴とリム穴を全て描きました。

DSC00946amx3.jpg
これを直線展開図にするとこうなります。

DSC00947amx3.jpg
さらに、ハブの対岸の位相、リムの隣の穴の位相も書き加えました。
24Hリムだと90°分の穴が3つになり
奇数だとタンジェント組みに出来ないので

DSC00948amx3.jpg
6つになるよう180°まで図を延長しました。
といっても90°の図を反復して2つ並べただけです。

DSC00949amx3.jpg
ハブ穴は180°分で左右合わせて16Hですが、
これは左右同数スポークなら 右8H・左8Hです。

DSC00950amx3.jpg
このハブ片側8Hに対してリム片側6Hでタンジェント組みする場合、
位相狂いを起こさずに組めるのか、というのが今日の話です。

DSC00951amx3.jpg
まずは0°の部分でスポークを0本組みしてみました。
「0本組み=ラジアル組み」、ではありません。

0本組みのスポークの軌跡が
ハブ中心からのびた直線(以下 ラジアル線)上に無いのであれば
私は それはラジアル組みとは呼びません。

このスポークに関しては横軸と直交していますので「ラジアル組み」です。

DSC00954amx3.jpg
穴飛ばしなど一切せずに 端からリム片側6Hを
0本組みで引いてみました。
先ほどのスポークを除いた5本のスポークは
0本組みですがラジアル線上にのびていないので ラジアル組みではありません。
これが「0本組みだけどラジアル組みではない」場合です。

DSC00955amx3.jpg
この位相でリム穴6Hをタンジェント組みすると、
最終交差しているスポーク同士のスポーク長さが異なります。
これは大変な問題です。実害については後ほど。

DSC00956amx3.jpg
リム・ハブ・リム型でも ハブ・リム・ハブ型でも
真ん中の直線は循環しているので必要であれば
任意にずらすことも出来ます。

DSC00958amx3.jpg
↑こんな感じにずらせます。

DSC00959amx3.jpg
同じ図ですが 横幅にゆとりのあるものに描きかえました。
ここからは右リムの穴を、左リムの穴をで書くことにします。
ハブの穴も右フランジは、左フランジはにしています。

DSC00960amx3.jpg
位相が合わない原因は、当然ですが穴の間隔がリムとハブで違うからです。
直線展開図では横軸の長さは角度そのものになります。
それを書くと上の図の通りですが、これでは位相は合わないですね。

DSC00961amx3.jpg
もう一度タンジェント組みを試みてみます。

DSC00962amx3.jpg
次のハブ穴を使うとスポークがえらく斜めになるので
ここで1穴飛ばしをしてみましょう。
お休みの穴は二重丸で描いておきます。

DSC00963amx3.jpg
そうすると残りはこうなります。
ハブ3穴に対し リム2穴です。

DSC00965amx3.jpg
この場合どちらで通しても
スポークの長さの差は同じで、それぞれの交差は鏡対称になります。

DSC00966amx3.jpg
↑こっちで通しました。

DSC00968amx3.jpg
先ほどの2つの交差も鏡対称です。
「ヤマアラシさん方向の長さ→反ヤマアラシさん方向の長さ」の順で呼ぶなら
スポーク長さBとA、AとBになります。

DSC00969amx3.jpg
それに先ほどの交差も当てはめると これはCとDになります。
この時点で片側のフランジに4種類の長さのスポークが存在することになりますが、
このまま増し締めして縦振れも取ったとすると
ABCDのスポーク長さそのままで組めるわけではなく、
ハブの位相が回転してひずみます。
(もちろんスポークの長さが許す範囲でですが)

ハブ穴に端から番号を付けました。
お休みしている穴は3と6になります。

DSC00971amx3.jpg
直線展開図の真ん中を引っ張って循環させるのと
ラジアン感覚の図でハブ側だけを回すのは同じです。

DSC00972amx3.jpg
これを回すのですが、
DSC00974amx3.jpg
どの程度回すのかというと、
「4と5の穴から0本組みしたスポークの角度が鏡対象になるまで」です。

DSC00976amx3.jpg
ここですね。

DSC00978amx3.jpg
その状態からタンジェント組みを3つ作りました。
真ん中の交差だけは左右のスポーク長さが同じです。

これがおそらく32Hハブ・24Hリムで 左右同数スポークのとき
各スポーク間のバランスが最もましな組み方です。

DSC00981amx3.jpg
まずはスポーク長さの差違がない長さEのスポークの交差があり、
DSC00982amx3.jpg
そのそれぞれ隣が お休みの穴、
DSC00983amx3.jpg
その隣にFGスポークの交差が来ます。

DSC00984amx3.jpg
これは単純化して2本組みで描いていますが、
スポーク長さの計算さえ出来れば 4本組みなどにすることも もちろん可能です。

じゃあこの組み方で組むのかといえば、
ここまで引っ張っておいてなんですが 絶対にやりません。

「0本組みならスポークの軌跡そのもの、
タンジェント組みなら最終交差とハブ中心を結んだ線の延長が
ラジアル線から外れているホイールを組まない」

という私の中のかなり固い決まりがあるからです。

さっき触れなかった「そういうホイールを組んだ場合の実害」ですが、
スポークが異常にゆるみやすいからです。
それ自体は 強めのねじ止め剤で止めたとしても、
スポークバランスが悪いという点は同じです。

DSC00985amx3.jpg
角度のずれていないタンジェント組みの
ヤマアラシさん方向のスポークF1と 反ヤマアラシさん方向のスポークF2の
合力F3はラジアル線上になります。
(後日書きますがスポークの太さがそれぞれ違う場合は この限りではありません)

DSC00986amx3.jpg
ハブ穴とリム穴の位相がずれて スポークの角度が変わると
長さの違うスポーク同士でタンジェント組みすることになります。

DSC00987amx3.jpg
また、F3の方向がラジアル線から外れるのでNGです。

DSC00989amx3.jpg
では、32Hハブ・24Hリムでスポークの引っ張り方向を
ラジアル線からそらさずに組むことはできるのかといえば、
一応は出来ます。

DSC00990amx3.jpg
↑その場合このように0°の位置でハブ穴とリム穴の位相を決めてはいけません。

DSC00991amx3.jpg
24Hリムの180°分のリム穴振12Hを、
右左・右左・右左・右左・右左・右左から
右右左・右右左・右右左・右右左に振りかえました。
リムの穴振りの情報は 色分けとして残しています。

右6H・左6Hを右8H・左4Hにしたのですが

DSC00992amx3.jpg
そこから 左4Hからの0本組みがラジアル組みになるような
ハブ穴の位置決めをします。

DSC00993amx3.jpg
左フランジの残り半分は お休みの穴になります。
二重丸で追加しておきます。

DSC00994amx3.jpg
次に、右フランジ8H分を描き足しました。
区別しやすいように四角で描いています。
これはリム8Hに対するハブ8Hなので、もれなく使います。

DSC00996amx3.jpg
タンジェント組み4ペアのうち3ペアまでを描きました。
残る1ペアは
DSC00997amx3.jpg
位相ずらしで このように持ってきます。
要は2:1組みなら出来るということですね。

DSC00999amx3.jpg
このタンジェント組みのスポークの引っ張り方向の合力は
ラジアル線上となるので、先ほど書いた禁則事項には当たりません。

DSC01000amx3.jpg
0本組みする場合は別です。
ラジアル線からそれるのでNGになります。
しかしスポークの長さは片側フランジで全て同じではあるので、
先ほどのGFEEFGタンジェント組みほどスポーク間のバランスが
おかしいわけでは ありません。

DSC01001amx3.jpg
2:1組みですが、反フリー側ラジアル組みの場合
超ハイローフランジのフルクラムで
スポークテンション(一応書いておくと第2スポークテンション)は
フリー側:反フリー側で ほぼ100:100になっています。
エボライトハブやリーフハブでも100:90弱くらいには なります。
なので2:1組みで左右タンジェントや
フリー側ラジアル組み・反フリー側タンジェント組みなどは
かえって良くありません。

「反フリー側のスポークテンションの総和を本数で割って分担している」
という考えが私にあるのですが、それが半分になると
スポークテンションが倍にはならないものの 負担がかなり増大します。
倍数側でないフランジのスポークを、ラジアル組みよりテンションが上がる
タンジェント組みにするメリットを説明できないことから
私は2:1組みをせざるを得ない場合反フリー側はラジアル組みにします。
フリー側ほど耐ねじれ剛性も問われませんし、
ハブの寸法や 左右異径スポークをする場合の度合いによっては
左右のテンションが逆転することの デメリット以上のメリットを
説明できないからです。
なので上の図にあるような
「2:1組みで さらに反フリー側をタンジェント組みにする」組み方は
ラジアル線上問題に抵触しているわけではないですが やりません。
やったこと無いのに言ってるのではなく、やってダメだったから言ってます。

category: ホイールの話

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