のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

ピラミッドなのか タワーなのか  

デュラエースの12スピード用のスプロケットを見ていて
ふと思ったのですが、1T刻みで際限なく大きくスプロケットを
大きくしていった場合、スプロケットの先が描く稜線はどうなるのでしょうか?
DSC08811amx.jpg
↑12速用のスプロケット(フロントダブル使用時)

DSC08812amx.jpg
歯数は13-15-16-17-18-19Tなんですね。
トップ側で一枚飛ばししているのは珍しいですが、
これには一応理由があります。でも書きません。

DSC08813amx.jpg
で、それはいいんですが、15Tから19Tまで1T飛ばしの構成になっていて
この歯先を結ぶと直線になる(と私は思う)というのが今回の話です。

DSC08822amx.jpg
上の図では7段目までしか書いていませんが、歯先を結んだ線(青い線)は
スプロケットがどこまで大きくなったとしても直線になると思うんです。

仮にギヤの厚みが1.65mm、スペーサーの厚みが2.35mmだとしましょう。
合わせて4mmです。250000Tでちょうど1000000mm、
1000mになります。最後がスペーサーで終わっているのが嫌なら
250001Tで1000001.65mmでもいいです。

DSC08824amx.jpg
その高さ1000mのスプロケットが街中に現れたら、
どのように見えるでしょうか。
私は上の絵のようにピラミッド状になると思うのですが、
DSC08825amx.jpg
このようにタワー状になると言い張る人がいるんですね。
高さ1000mでこうなるかどうかは別として、
いつかはこういう形態をとるという事らしいです。本当でしょうか?

DSC08826amx.jpg
その前にスプロケットの歯先について。
スプロケットの歯の先は変速が良くなるように加工されていて、
歯先までの長さが一定ではありません。
スラムの場合は歯そのものが1T欠けたような設計になっています。

これでは歯先の位置を同じように定めることができません。
そこで、ここでいう「歯先」の定義を決めてしまいます。

DSC08827amx.jpg
自転車のチェーンというのはママチャリ用であろうが11S用であろうが
チェーンのローラーのセンター~センターの寸法が定まっています。
2コマで1インチ(25.4mm)、1コマで1/2インチ(12.7mm)と
なっています。


~脱線~
DSC08848amx.jpg
むかしむかし、デュラエース10(テン)というピスト用のコンポがありまして、
DSC08849amx.jpg
これはその小ギヤ外しですが、10というのはチェーンのピッチが
10mmであることに由来します。
DSC08850amx.jpg
12.7mmピッチと比べると全然違いますね。
こういう例外もあります。

DSC08828amx.jpg
↑図が適当すぎる点はスルーしてください(笑)。
上の図では9Tの歯になっていますが、チェーン(のローラー部分)が
スプロケットの歯と歯の間にきれいに落ち込んだ時のローラーの中心を
線で結ぶと、nTのスプロケットの場合 正n角形になります。
この正n角形の頂点の部分を「歯先」と ここでは定義します。
スプロケットの中心から頂点までの長さrを
「歯先までの長さ」ということにします。

DSC08821amx.jpg
多段スプロケットは変速性能をよくするために、歯先の位相を少しずつ
ずらしていっています。

DSC08830amx.jpg
ここではスプロケットが増えていっても
1か所で位相をそろえているものとして考えていきます。


~またまた脱線~
シマノ10Sでもっともクロスレシオな歯数は?
と訊かれたら、どう答えますか?
12-21T?
それが正解なのでしょうが、
DSC08814amx.jpg
16-16-16-16-16-16-16-16-16-16T
という組み合わせもあります。

DSC08815amx.jpg
「デスとうもろこし」「死の美顔器」の異名を持っています。
(いま考えました)

DSC08818amx.jpg
こいつを作った目的とは違うところで気づかされたことがあります。

DSC08819amx.jpg
「歯先の位相がそろっていると、変速が恐ろしく悪い」ということです。
となりのギヤが同じ大きさだというのも原因の一つだとは思いますが。
リヤメカのスラント角もびっくりの構成ですね。

で、検証に移るまえに、
「タワー状になるよ派」の方の主張から。
DSC08834amx.jpg
フロントギヤは何Tでもいいんですが、
リヤギヤを11Tから12Tに変速すると、約10%軽くなります。
同じ1Tの変速でも、これがもし100Tから101Tだと
約1%しか軽くなりません。
さらに10000Tと10001Tだと、
約0.01%しか軽くなりません。

DSC08836amx.jpg
で、ギヤの軽さをグラフ化すると、こういう感じになるはずです。
1億Tから1億1Tに変速しても、
ほとんどギヤ比が変わらないということです。

DSC08837amx.jpg
で、その線と鏡対象の線を引き、立てた この形が、
歯の枚数が十分に大きいスプロケットの姿だということらしいです。

DSC08831amx.jpg
で、新たに定義した「歯先までの長さr」を図にしました。

DSC08832amx.jpg
これでnTのrと n+1Tのrの差(上の図の赤い点線)を
比べればいいわけです。
タワー状になるのであれば、nが十分大きければ
(n+1Tのr)-(nTのr)が0に近づいていくはずです。

DSC08840amx.jpg
歯先と呼ぶことにしたチェーンのローラーの中心を
直線で結ぶと、正多角形になります。
その正多角形の外接円の半径をr、
辺の長さは12.7mmですが、aとすると
DSC08842amx.jpg
↑この式でrを求めることができます。
以下、nとn+1のrの差を計算して書いていきます(単位はmm)。

n=11のとき
11Tのr 22.53910613
12Tのr 24.53451599
その差    1.99540986

n=12のとき
12Tのr 24.53451599
13Tのr 26.53399233
その差    1.99947634

n=13のとき
13Tのr 26.53399233
14Tのr 28.53664097
その差    2.00264864

ん?同じ数字にならない・・・ということは、
少なくとも稜線は直線ではないということが分かりました。
次に、nに大きな数を入れてみます。

n=1万のとき
1万Tのr  20212.67810515
1万1Tのr 20214.69937289
その差      2.02126774

n=1兆のとき
1兆Tのr  2021267777267.07076426
1兆1Tのr 2021267777269.09203204
その差                2.02126778

・・・これでだいたいの形がつかめてきました。
1万Tからの1Tと 1兆Tからの1Tではrの伸びしろがほぼ同じです。
スプロケットの歯数nが十分に大きいと0に収束するのは
「r」ではなく、「nとn+1のrの差」ということですね。
そして、nとn+1のrの差は nの数だけある(どの場合も少しずつ違う)ので、
稜線は直線ではありませんが、ほとんど直線に見えるといってもよさそうです。
歯数が小さい場合、nとn+1の差が大きいですが、
この差は 正多角形が円からほど遠くなるほど大きくなるようです。

DSC08844amx.jpg
↑6Tなんていう歯数はないですが、正6角形と外接円の間には
「円になりきれてない余剰面積」があります。
この余剰面積が大きいほど、nTのrとn+1Tのrの差が
大きくなるということです。

DSC08845amx.jpg
↑これは正6百万角形と書いてますが、ここまで来るとほとんど円です。

DSC08851amx.jpg
1万Tあたりの伸びしろと 1兆Tあたりの伸びしろがほぼ同じなので、
DSC08852amx.jpg
1万Tの歯先から1兆1Tの歯先まで直線を引きます。
これは真の稜線ではないですが、真の稜線に近しい線です。

DSC08853amx.jpg
その線をトップギヤまで延長すると、
大げさに書けばこういうことになります。

DSC08854amx.jpg
それでも、
「1兆Tは十分に大きい歯数とは言えない」
DSC08857amx.jpg
「1兆Tのはるか先、どこかでいずれタワー化するんだ」と言われたら・・・

DSC08858amx.jpg
1Tあたりのrの伸びしろがいずれ0に収束するとして、
ほぼ0に収束しそうな十分に大きな歯数nTを想像してみます。
11TからnTまでの高さの約10倍の位置に10nTがあるわけですが、
「チェーンのピッチが12.7mmと決まっていて ギヤの数が10倍も違うのに
ギヤの外径がほとんど同じっておかしくない?」と考えれば
タワー形状になりそうもないことは想像がつきます。
「最初からそういえばいいやん」と言われそうですが、
私は最初、歯先の稜線は直線だと思っていたので
rを計算したことは無駄ではありませんでした。

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