のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

はねる話  

先日「歩留まり」の話を書きましたが、
メーカーの不良品チェックをかいくぐるものも 当然出てきます。
今日はそのうちのニップル・スポーク・リムについて
私のほうで はねたものについて書きます。
DSC01052amx3.jpg
うわー!ニップルをはねてしまった!

DSC02438amx3.jpg
DSC02439amx3.jpg
DSC02437amx3.jpg
↑見てのとおり加工前です。
穴もあいていません。
凹みがある側が穴あけ時のガイドになると思われます。

DSC02443amx3.jpg
DSC02440amx3.jpg
DSC02444amx3.jpg
↑先ほどよりは加工がすすんでいますが、同じく穴があいていません。

これらを見ると、おおよその加工工程が類推できますね。
ゴールドやブラックのアルマイトがかかっているのは
工作不良に気づかれずに 次の工程に回ったからであって、
アルマイト加工は最後のほうになるはずです。
ニップルのアルマイトカラーは 穴や ねじ山にも乗っていますので。

DSC02447amx3.jpg
DSC02448amx3.jpg
↑こんなバリが出るということは、プレス加工なのでしょうか?

DSC02450amx3.jpg
↑画像右の3つですが、アルマイトがかかっていません。
比較用に 先ほどのバリ付きを横に並べましたが、
シルバーの光沢がなく ねずみ色になっています。

DSC02453amx3.jpg
DSC02454amx3.jpg
↑これもアルマイト不良ですが、なぜかつぶれています。
やってみれば分かりますが、ニップルのつかみ面をペンチではさんで
思いっきり握りこんでも 四角をつぶすことは出来ません。
バイスではさむくらいでないと こうはならないのです。

DSC02451amx3.jpg
↑これもアルマイト不良です。
画像左から2番目は、分かりにくいですが先の部分だけ黒くなっています。
これ、「黒ニップルの なり損ね」だと思われるのですが
見つかるのは なぜかたいてい銀ニップルの袋からです。

DSC02452amx3.jpg
↑この緑ニップルですが、
14番スポーク用なのに なぜか14番スポークが通りません。
15番ニップルが混入しているというわけでもありません。謎です。
スポーク側の不良を疑って スポークを換えてみましたが やはり通りません。
アルマイトの被膜が厚いというわけでも無さそうです。
なぜか ある箱の100個入り緑ニップルで10個ほど集中的に出てきたので
ロット単位で不良が出ているようです。
他のカラーニップルで同様の不良は皆無です。



DSC01053amx3.jpg
うわー!スポークをはねてしまった!

DSC02455amx3.jpg
↑CX-RAYです。どこがおかしいかというと・・・
DSC02459amx3.jpg
加工不良です。扁平部分が波打っています。
スリットなしフランジ穴につっかえる感じがしたので気付きました。
ひとつ前の画像も よく見ると波打っているのが分かります。

DSC02460amx3.jpg
DSC02461amx3.jpg
↑なめてんのか。
これもCX-RAYです。当然 フランジ穴には通りません。

以前、CX-RAYの加工について
「型にはめて 叩いて作っているのかも」というようなことを書きました。
それだと衝撃加重、プレスだとしても静加重になりますが
金属加工に詳しい お客さんから聞いた話では
圧延加工の可能性が高いそうです。

DSC02483amx3.jpg
しかもローラーはただ平たい形状ではなく
スポークとの接触部分が特殊な形になっているのではないかということです。

DSC02480amx3.jpg
CX-RAYのスポークヘッド側をそろえて
DSC02481amx3.jpg
ぴっちり揃えたままでねじ山側を見ると・・・
DSC02482amx3.jpg
実はけっこう長さが ばらついています。
ニップルのねじ山で吸収できる範囲のばらつきなので問題は無いですが、
スポークカッターで加工したスポークのほうが
長さのばらつきが少なくなるためか
仮組み時の振れ(特に縦振れ)が少ないということは
経験的に知っていました。
例えば、公称276mmのスポーク20本よりは
278mmからカットした276mmのほうが長さに関して より正確だということです。
圧延の公差が大きくなるかもと思って 画像のスポーク5本は
300mmで撮りましたが、もっと短い他の長さでも 同じようにばらつきがあります。

DSC02484amx3.jpg
「たぶん圧延だろう説」について ちょっと思うところがあります。
DTもサピムも、丸穴に通る軽量エアロスポークのスポーク比重は
それぞれ同社の2.0-1.5-2.0mm丸バテッドスポークとほぼ同じです。
が、数値上はどちらもエアロのほうが かすかに軽いのです。
これはエアロスポークを売りこみたくて
カタログ値を操作しているのではと思っていたのですが・・・。

LASERとCX-RAYですが、メーカー公称の重量は
LASERが64本/260mm/273gで
CX-RAYが64本/260mm/272gです。
1g違いですが、ほぼ同比重と見ていいでしょう。
スポーク両端の2.0mm部分の長さも同じくらいなので
上の図のようにバテッド部分の断面積も ほぼ同じはずです。

これは推測ですが、LASERは引っ張り加工で
丸バテッド部分を加工していると思われます。
CX-RAYは、LASERそのものではないにしろ
LASER状の半製品をさらに圧延しているのではないかと思います。
なので

LASER(状の半製品) 64本/260mm/273g
CX-RAY 64本/圧延されて261mm/273g

LASER(状の半製品) 64本/259mm/272g→
CX-RAY 64本/圧延されて260mm/272g

と なり、ここで同じ長さ(260mm同士)で比較する関係上
1gの差が出るのでは、と私は考えています。
圧延で約1mm長くなるとしても カタログ値を採っている260mmと
例えばもっと短い210mmと もっと長い300mmでは
圧延でのびる長さに差があるとは思いますが、
260mmというのはだいたい常用するスポークの最短と最長の中間値くらいですし、
同じ長さでもばらつきがあるのは 先ほどの通りです。

このLASERとCX-RAYの1gの差に
「たぶん圧延だろう説」の正しさを感じるのです。

DSC02462amx3.jpg
↑これはCXです。
どこがおかしいのかは この画像では分かりっこありません。

DSC02464amx3.jpg
DSC02466amx3.jpg
DSC02467amx3.jpg
↑スポークヘッドから出ているスポークの位置が偏っています。
実際に組んで 幅が薄いところにテンションがかかった場合
すぐに首が飛びそうですね。
私も1本1本すべてのスポークヘッドを吟味しているわけではないので
これと同程度の偏りのあるスポークを過去使った可能性はありますが・・・。

DSC02468amx3.jpg
スポークカッターで まず任意の長さに切るときに、
ここにスポークの首をかけます。
DSC02469amx3.jpg
そのときに強烈な違和感を感じたので はねました。
カットするスポークについては、軽くではありますが
疑って見るようにしているので
今後はこれと同程度の偏りは はねることになるはずです。



DSC01059amx3.jpg
ヒャッハー!!

私がよく使っているキンリンのアルミリムですが、
継ぎ目の段差がひどいものが極端に少ないことも選んだ理由のひとつです。
これに関して最も優れたリムはマヴィックのオープンプロだと思います。
ひどいのはアレックスリムのリムです。
かつてシマノホイールのリムは
継ぎ目に 爪が引っかかるくらいの段差のあるものが散見されましたが
(WH-R550など)、最近は かなり減りました。
というより加工の方法が全く変わっていて、モデルによっては
継ぎ目そのものが見かけ上ありません。
キンリンはリムの継ぎ目が目視できますが、
あまりにひどいものは はねます(→こちら)。

DSC02470amx3.jpg
それとは別件で最近はねたものを。
XR200を はねました。

何がダメだったのか書く前に・・・

DSC02471amx3.jpg
↑これはXR300ですが、
キンリンのアルミWOリムは継ぎ目の左右に小さな穴があいています。
これは たまたまニップル穴の中間くらいに継ぎ目がありますが、
多少ずれていることも多いです。
(バルブ穴の対岸の位相の範囲ではありますが)

DSC02472amx3.jpg
これは私物の のむラボホイール1号3・3・7ですが、
32Hリムの倍の穴数である 64Hにしたいところ
DSC02473amx3.jpg
バルブ穴の部分にニップルを設けることができないので63Hとなっています。

DSC02474amx3.jpg
バルブ穴のちょうど対岸のスポークを赤く塗りました。
リムの継ぎ目は、分かりにくいので白い塗料を塗ってから ぬぐっています。
63Hにできたのは継ぎ目がずれていてくれたからです。

DSC02477amx3.jpg
で、問題のXR200ですが
継ぎ目の左右にあるはずの穴がずれています。
これ自体に問題はありませんが、
継ぎ目が小さい穴の間にありません。
で、なぜかニップル穴の真上にあいています。

DSC02478amx3.jpg
DSC02479amx3.jpg
これはあかん。死ぬ。
加工精度の高さには感心しますが、
もちろんホイールとしては組めません。

廃棄したものも たくさんありますが
いま当店にある はねた部品は 以上です。

category: その他 機材の話

tb: 0   cm: 2

コメント

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

# | 
2014/06/21 04:18 | edit

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

# | 
2014/06/21 23:06 | edit

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://pass13.blog.fc2.com/tb.php/1217-6dcb729e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

検索フォーム

最新記事

最新コメント

カテゴリ

月別アーカイブ

リンク

カウンター