のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

プーリーの話  

はじめて まともなことを書きます(笑)。
7400デュラエースの頃までは コンポーネントのチューンナップパーツと称する
サードパーティ製の怪しい(夢あふれる)パーツが色々と出回っていたわけですが、
7700デュラエース以降は、デュラエース自体が軽かったりするので
軽量化をうたうパーツは激減しました。
今では もっぱら そういうメーカーの注力する部分は、
ベアリング関係に集中しています。
BBやハブの低抵抗化をうたうパーツがそうですね。
このあたりは純正品から置き換えても、はっきりと「良くなった」と
言えそうな部分だからです。

変速周りの事情に関しては現在、メーカー純正のコンポーネントの組み合わせに
割って入って 純正以上に変速性能が良くなるということは まず考えられません。

しかし、サードパーティ製のパーツをあれこれと付けている人は
必ずと言っていいほどリヤメカのプーリーに手を出しています。
リヤメカのプーリーというのは 実は変速性能にかなり大きく絡んでいます。
今日はその話を。

DSC08900amx.jpg
↑これはカンパニョーロ・コーラス10スピードのリヤメカです。
非純正のプーリーに交換しています。
プーリー以前にいろいろ間違っている気がしますが、気にしないでください。
DSC08903amx.jpg
上のプーリーはBBB、下のプーリーはKCNCです。
これらのプーリーはシールドベアリングを採用することで
低抵抗な回転を実現しています。が、プーリーとしての仕事を
果たしているかという点では十分ではありません。

上のプーリーは、上にあるのでアッパープーリーとも呼ばれますが、
変速時にチェーンを押して変速するので
ガイドプーリーとも呼ばれます。
しかし、チェーンを押しているというのは 一部ウソです。
またあとで書きます。

DSC08919amx.jpg
DSC08920amx.jpg
下のプーリーはローワープーリーとも呼ばれています。
またはテンションプーリーともいいます。
例えば20スピードの場合、アウター×ロー(大きいギヤ×大きいギヤ)から
インナー×トップ(小さいギヤ×小さいギヤ)まで 20種類のチェーンの長さが
ありえるわけですが、チェーンの下側がたるむことなく 適正に張っている状態を
維持する(チェーンのテンションを保つ)ことから そう呼ばれます。

ここでは役割に注目したいので、これ以降 上のプーリーをガイドプーリー、
下のプーリーをテンションプーリーと呼ぶことにします。

DSC08905amx.jpg
↑これはRD-7402、8速対応のデュラエースのリヤメカです。

DSC08906amx.jpg
裏を見ると、プーリーケージに「センタロン ガイドプーリー」と表記があり、
ガイドプーリー自体にも同様の表記があります。

DSC08908amx.jpg
これはシマノの特許で、左右にスライドしてカタカタ動く
ガイドプーリーの構造を指します。

DSC09014amx.jpg
↑右いっぱいの位置
DSC09016amx.jpg
↑左いっぱいの位置

このような構造にするわけは、変速時にトップ側のギヤから上がってきた場合と
ロー側のギヤから降りてきた場合とでは 理想的なプーリーの位置が異なるので、
どちらの場合でも適正位置に収まるようにしたいからです。
現在ではシマノとカンパニョーロが スライドするガイドプーリーを採用しています。
この「スライドするガイドプーリー」は 構造上プーリーの回転軸をブッシュ式に
しなければならないので、単純な回転の軽さという点ではベアリング式に劣ります。
サードパーティ製のプーリーはほとんど全てが 回転の軽さをうたった
ベアリング式であるため、スライド機構がありません。

ここではブッシュとベアリングを対義語のように書いてますが、
ブッシュもベアリングの一種です。
ブッシュ→ブッシュベアリング
ベアリング→シールドベアリング
のつもりで書いています。
それぞれをブッシュプーリー、ベアリングプーリーと言う人が多いので。

DSC08921amx.jpg
変速のストレス(上の図の赤い矢印)の多くは、ガイドプーリーにかかります。
さらに、ロー側への変速は トップ側への変速に比べて
プーリーとチェーンのインナープレートとの摩擦がより大きくかかります。
これについてもあとで書きます。

DSC08925amx.jpg
ガイドプーリーの部分の絵を変えて、下に左右向きの矢印を追加しました。
これがガイドプーリーのスライド幅です。
このスライド幅は、シマノ10Sの場合は0.7mmですが、
シールドベアリングプーリーに交換すると
この0.7mmがほぼ0になってしまいます。

↓これはRD-7800ですが、
DSC09004amx.jpg
↑右いっぱいの位置
DSC09003amx.jpg
↑左いっぱいの位置
これが0.7mmの動作量です。

DSC09018amx.jpg
0.7mmというのは、決して小さな数字ではありません。
シマノは9Sから10S化する際に スプロケットの横幅を1mm
広くしていますが、
DSC09019amx.jpg
その内訳はトップ側0.25mm、ロー側0.75mmです。
0.7mmというのは変速性能にとって かなり大きな数字です。

何が言いたいかというと、
ガイドプーリーをサードパーティ製の物に換えるということは、
かすかな低抵抗化と引き換えに変速性能を明らかに
ダウンさせている
のではないか、ということです。

DSC08928amx.jpg
サードパーティ製のプーリーの問題は まだあります。
上の画像のプーリーはTacx(タックス)のものですが、実質BBBと同じです。
このプーリーにはアッパー・ローワーとそれぞれ表記はあるものの、
どう見ても作り分けているようには見えません。

DSC08926amx.jpg
これはRD-7900のテンションプーリーですが、
回転方向を示す矢印の表記があります。
ロードバイクはクランクを逆回ししても前に進みませんから、
チェーンの進行方向は一様です。
テンションプーリーは歯先部分を チェーンとの関係で
より理想的な形状にしているので、回転方向の指定があります。
ほぼすべてのサードパーティ製のテンションプーリーには、
このような回転方向の指定がありません。
KCNCのプーリーなどは1枚単位で売っていますから、
それ自身が 上下や表裏を意識した作りであるはずがありません。

しかし、単なるドレスアップであってもパーツを色々交換してみたいという
気持ちもあると思います。私自身もそうです。
そこで、個人的なオススメは「テンションプーリーだけ換える」です。
真にシビアな変速性能を求めるなら 純正品が一番であることは
やはり間違いないです。これは はっきりしています。

DSC09022amx.jpg
DSC09021amx.jpg
DSC09020amx.jpg
↑冒頭のコーラス10Sは上下ともシールドベアリングプーリーですが、
このアテナ11SはテンションプーリーのみKCNCにしています。
プーリー以前にいろいろ間違っている気がしますが、気にしないでください。



ロー側への変速時にガイドプーリーだけで押しているわけじゃないよ疑惑について
DSC08932amx.jpg
↑これは冒頭のコーラス10Sで、
DSC08934amx.jpg
↑これはRD-7402ですが、
ガイドプーリーの摩耗とは別に、右プーリーケージの内側も
チェーンとの接触で摩耗しているのが分かります。

ということは、
DSC08954amx.jpg
ロー側への変速はガイドプーリーで押しているだけではなく、
DSC08955amx.jpg
右プーリーケージの内側でも押しているのでは?と思われます。

DSC09007amx.jpg
↑これはRD-7800ですが、右プーリーケージの内側のふちに
プラスチックのガードのようなものが付いています。
これはRD-7700からこういう仕様になっていて、
アルテグラや105に付いた例のない、
デュラエースだけの秘密?となっています。

DSC09011amx.jpg
で、これを内側から見る限り、思いっきり仕事してるっぽいですね。
金属部分も摩耗してます。このプラスチック部分単体のリペアパーツはないですが、
右プーリーケージ全体を交換することで、
プラスチック部分も新品に交換することができます。
シマノとしても、ガイドプーリーだけで押しているわけではないことが
分かっているので こうしたのでしょう。
7700・7800とデュラエースだけに採用された仕様なので、
「やっぱりデュラは違うわー」という差別化ポイントです。

DSC09023amx.jpg
で、RD-7900はどうなっているかといいますと・・・
DSC09024amx.jpg
なにか無くなっているようですね。「押すところ」が。
DSC09006amx.jpg
↑RD-7800で同じ角度で撮ってみました。
プーリーケージごと押すのが変速で有利なのであれば、
理論上は7800の方がいいのでは、と思うのは私だけでしょうか。
この点をフォローするような何かが7900にあればいいのですが。



プーリーの摩耗度について
DSC08946amx.jpg
↑これはチタンのプーリーです。
一度取り付けてから 外すまで、上下・表裏の位置関係を一切 変えていません。
激しく摩耗しているのでもう使っていないものです。
左右のプーリーとも、表裏を見て より摩耗している方を上に向けています。
左の方が歯先が減っていますね。肉抜き穴とつながりそうなくらいです。
写真ではわかりませんが、歯先の厚みも左の方が薄いです。
そう、左の方が元ガイドプーリーです。

DSC08948amx.jpg
↑そのままひっくり返しました。
特に右のプーリーですが、あまり摩耗していないのが
分かるでしょうか。先ほどの写真はかつて内側を向いていた方で、
こちらの写真がかつて外側を向いていた方だということが分かります。
プーリーの減りは平等ではないということですね。

DSC08943amx.jpg
↑冒頭のコーラスのテンションプーリーの外側
DSC08940amx.jpg
↑同 内側
アルマイトの色で分かりますが、
摩耗が進んでいるのは内側の方です。

ということは、
DSC08952amx.jpg
プーリーの摩耗しやすさは、このようになるということです。
上下ともベアリングプーリーにしている場合、チェーンの交換の時にでも
プーリーのローテーションをするといいかも知れません。

category: その他 機材の話

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