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のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

WH-9000-C24-CLさん  

お客さんからWH-9000-C24のWOモデルをお預かりしました。
DSC03746amx3.jpg
DSC03749amx3.jpg
前後とも センターがほんのかすかにずれていましたが、
その方向を知ったうえで振れ取りをすれば勝手に消える程度でした。

ハブの中を見てほしいということだったので
一応は開けてみましたが、異常無しでした。

デュラエースのハブは回転が非常にスムースです。
すごいのは そのことよりも その初期性能の持続期間が
非常に長いということですね。
ボールの等級(真球度)については 価格から考えるに
ものすごく高いというわけではないはずなので
ボールレースの仕上げと ボールとの接触角に工夫があると思われます。
ただ、回転がスムースとはいえハチミツをこねくり回しているような
ノッソリした重さがあるのも事実ですが
これはハブの構造上 致し方の無いことです。
7900以降のデュラエースハブは 昔でいうところの「輪行ヘッド」のような
ローレット(ギザギザ)を手動で合わせてガタを取る機構を採用しています。
これの場合、玉当たり調整の作業性はいいのですが
ローレット1山単位でしか玉当たりを調整出来ません。
で、だいたいの場合
「横ガタがないものの回転がちょっとノッソリしてるな・・・」と思うところから
ローレットを1山ゆるめると シャフトが横にガタガタするので
もう1山ぶんだけ締めるという設定にするしかないのです。
横ガタが初めて無くなる山がベスト(というよりベター)な位置になります。
このローレット、1周40ノッチなので
1ノッチあたりの角度は9°ということになります。
古典的なハブの ハブスパナ2つによる玉当たり調整や
カンパニョーロのハブの玉当たり調整をしたことがある人なら
分かると思いますが、最後の最後の追い込みで
ボールレースを9°も一気に回すことはありえません。
かといってノッチをあまりに増やすと 山が細かくなって
滑ったり ナメたりしやすいなどという問題が出てきます。

回転の軽さを限界まで追い込めない代わりに、
誰が調整しても同じ結果が得られるというのが
デュラエースハブの目指した方向です。
あと、回転がノッソリなのはシール関係が堅固というのも多少は関係します。
クリスキングのハブも カップ&コーン式で
回転はノッソリ系ですが、デュラエースよりは軽く回ります。
が、中を開けると防水シールの頼りなさにびっくりします。
その外の構造と精度が優れているので
防水性能は ハブ全般では高いほうだと思いますが。

防水性能の高さと 初期性能の長期間の維持、
あと大まかな当たりが簡単に出せるメンテナンス性能が
特徴なのはいいのですが、
それのトレードオフが「軽い回転」というのが どうしても引っかかります。
プロレースの現場ではトラブルを起こさず
修理もしやすい機材が まず求められるので事情は分からないでもないですが・・・。

後者の「修理もしやすい」ですが、
先日書いたWH-7800のハブ側ニップルが無くなったのも そうですね。
「理論上の性能は確かに良いから」だけでは ダメってことです。

名作7700のハブでは、究極的な回転の軽さに追い込めますが
それなりの経験と技術が必要です。
特に段付きアルミシャフトになっているフロントハブは難しいです。

それとほぼ同仕様のスチールシャフトモデルがHB-7710です。
7710系はデュラエーストラックなので
リヤハブにフリーボディ仕様のモデルは無いですが、
フロントハブは中空シャフト+クイックに換装することで流用できます。
リヤハブはフリーハブでは無いのでFH-7710ではなく
HB-7710-Rという品番になります。
HB-から始まっているからフロントハブ、ではない点に要注意です。
ちなみに7710ハブはスモールフランジで、7600ハブはラージフランジです。

HB-7710-Fですが、競技の特性上 ハブの回転性能が非常に高い反面
シールは甘めなので ややデリケートな取り扱いを必要とします。
それを知ったうえで28・32・36H仕様しかないことにも 納得できるなら
超低抵抗回転のデュラエースフロントハブを作ることも出来ます。
といっても 7700以前の7400フロントハブを
究極的に調整したものと ほぼ同じものではありますが。
こんなものをプロロードレースの現場に投入したら
すぐに虫食いや錆びが出ること必至なので、
現行のデュラエースのハブの回転が ノッソリしているのも
理由あってのことです。
ただ、自分でちゃんとメンテできるなら
耐久性の低い機材も それほど問題にはなりません。
どっちを取るかといえば、ユーザーなら意見が分かれるかもしれませんが
メーカー、特に大メーカーのシマノなら間違いなく耐久性になります。
自社の出しているものが取り扱い要注意な飛び道具だと自覚しているような
小規模カスタムパーツメーカーなら トガッた性能が第一だったりもしますが。

いつもではないですが、これくらいの長さになる場合
たいていは危険な内容を含むのでガッツリ切るのですが
今日はこれで出してみるか。

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