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のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

POWERWAY SCORPIO 1さん  

パワーウェイのスコーピオ1というホイールを お預かりしました。
DSC05137amx3.jpg
白いアルミスポークで組まれた20Hヨンゼロ組みの後輪です。
ニップルは リム外周側に普通に穴があいているので
形状と対応工具こそ特殊ですが、形式は普通のホイールと変わりありません。
外周部にバルブ穴以外の穴がないフルクラムの形式とは違うので
訴えられる心配はありません。
フルクラムというブランド自体 キシリウムの特許侵害で
マヴィックから訴えられることを見越して
「カンパニョーロとは違う会社だ」という建前で始めたブランドであり、
もし訴えに負けたら 即たたむつもりだったはずなので
そんなフルクラムが よそのブランドに特許侵害を主張するのは
お笑いぐさだ、などと言ってはいけません。


DSC05139amx3.jpg
お客さんのほうで夢中になって振れ取りしまくったらしく、
反フリー側がギンギンに張ってありました。
それだけならいいのですが、
リムのセンターが リム幅2本分ほど左にガッツリとずれています。
シートステーが細いフレームであっても、
おそらくこのまま装着すればリムないしタイヤが干渉しそうです。

というわけで、一度 反フリー側を だるんだるんにゆるめてから
再度ホイール組みをするような感じで増し締めしていきました。
スポークテンションが低いと、ハブフランジでスポークヘッドが回ります。
フルクラムのスポークヘッドはスライスされたエリンギのような形状で
それ自体が回り止めになっていますが、
そういう工夫をしなかったのは、
しなかったわけではなく できなかったのだと思われます。

スポークを破損させた場合 換えの入手ができないので
かなり慎重に作業しました。

DSC05138amx3.jpg
反フリー側ラジアル組みはヌルい・・・と言いたいところですが
スポークの材質による変形しにくさのせいで
反フリー側のスポークも かなりカッチリとしています。
フルクラムにやや及ばない感じがするのは
2:1スポークでは無いからですが、
それでもスチールスポークのホイールでは実現不可能な域には達しています。

そういえば昔「レーシングゼロより走る」などとのたまう ある手組みホイールを
お客さんの希望で 左右異本異径組み結線ありに組み換えましたが、
「いままで、何となくヌルくて走らないのはフレームのせいだと思っていた」
というほどに見違えたとのことです。

でも私が思うところでは、組み換え後の状態であっても
レーシングゼロの「単純縦硬さ」には遠く及びません。
アルミスポークというのは絶大なのです。
なので組み換え前のホイールが
「レーシングゼロより走る」という根拠は さっぱり分かりません。

ところで「単純縦硬さ」というのはメシノタネコードがらみの のむラボ用語です。
「複雑縦硬さとかが別にあるのか?」と訊かれると非常に困るので
これ以上は触れません。すいません。


追記:
「リム2本分もずれてたら左フランジの真上まで行っちゃいますね。
実際はどれくらいずれてたんですか?」
というコメントをいただきましたが、本当にリム2本分くらいです。
40mmくらいでしょうか。
ニップルの調整で そうなってしまったわけですが、
その状態では使っていないはずです。というより使えません。
ある種のホイール組みで
「仮組み時にフリー側のみ ほぼ組み終わりのテンションにする」という
組み方をすることがありますが、その場合リムが リム2本分以上
フリー側にずれている瞬間がありますので
リム2本ほどのセンターずれはありえます。
反フリー側のほうが ニップル1周当たりのリムの横移動量が大きいことと
ニップルを増し締めする抵抗が大きくないことから、
素人さんがセンターをずらすのは フリー側より はるかに容易です。

category: のむラボ日記

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2014/10/23 06:01 | edit

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