BMCのSL01を内装仕様に配線しました 
2014/10/28 Tue. 02:32 [edit]
ドリルがうなる!

お客さんからBMC(電動非対応)のフレームをお預かりしました。
電動アルテグラにするにあたって、
このフレームに内装式の配線をしてほしいとのことです。
出来るかどうかの判断をするのに
BBやシートポストを外して見てみましたが、これは無理です。

調べてみたところ、

BBが密室だったからです。
もし内装化がOKなら お客さんに連絡して
コンポ一式を送ってもらう手はずでしたが、
これでは お断りの電話をしないといけません。
が、なぜか「多分出来ます」と言ってしまったのでした。



↑密室です。
ワイヤーリードのねじを外せば M5ねじ穴はありますが、
それを除けば密室です。

さらに調べてみたところ、シートチューブとダウンチューブ、右チェーンステーの間に
一切の抜け道が無いことが分かりました。
ということは BB穴からそれぞれに穴をあけないといけません。
上の図の数字は穴に通すコードの数です。

右チェーンステー以外は2本以上のコードを通すので、
最低限 上の図のような長穴をあける必要があります。
もう断れないぜ!と、届いたコンポ一式を眺めてもアフターカーニバル。

↑最終的には このようにします。
内装バッテリーになっていますが、多分いけますと言ったのは私です。
これについては後で書きますが、
フレームサイズが小さい場合は 出来ない可能性大です。

まず、右チェーンステーの穴をあけました。
それから探査用のワイヤーを通し どこまで空洞なのか、
それ以前にワイヤーが通るのかを調べました。
結果はOKでした。
これが一番の不安要素だったのです。
チェーンステーにマグネットが張り付いていますが、
これはワイヤーに反応しています。
ワイヤーを引っぱると・・・

ずずずっと動きました。
(スチールフレームの場合はどうしよう、などと考えてはいけません)

コードの長さは お客さんにお任せしていたので 一般的な長さが届きました。
上ジャンクションから左右レバーまでの350mmが2本あるのを除けば
1200・800・750・300mmが1本ずつです。
このうち1200mmは上下ジャンクションの連結で確定、
300mmはフロントメカで確定となります。
800mmと750mmは状況次第でどちらか決めます。
内装用の下ジャンクションに各コードをパチンとはめるのは
フレームの外でないと無理ですが、
BBから下ジャンクションを入れることが出来ないので
例によって ヘッドチューブの外で はめます。
それからダウンチューブ内に引きずり込むわけですが
このとき、300mmだけはダウンチューブよりも短いので
ガイドワイヤーになるものを取り付けます。

ダウンチューブに通しました。

これを右チェーンステーとシートチューブに分けて通します。

↑こんな感じ
幸運にもBBシェル内部がアウトバテッドしていたので
BBのウォーターシース(防水用のパイプ)との干渉が容易に避けられます。
アウトバテッドしていなくても一応はOK(→こちら)なのですが、
その場合は ちょっと難しいです。

時系列が前後しますが、
これは いっぱいまで引き出してそろえた750mmと800mmです。
どう見ても50mmの差はありません。

というのも、下ジャンクションの接続の都合上
1200mm以外の3本のうち1本は折り返す形になるからです。
いろいろ考えた結果これがベストだと思ったのですが
長さが足りるかどうか・・・。



全然 余裕でした。

リヤメカ側の穴はチェーンステーの上側にあけました。
くさび形断面で 下側がとがっているので横か上にしか あけられません。
チェーン跳ねとの干渉があるので上にはあけたくなかったのですが
横にあけたくない事情もあり こうしました。
コードは もっとチェーンステー内に引き込みます。

フロントメカはシートチューブ前側にあけました。
前にも書きましたが、後ろにあけるより こっちのほうが
コードが浮いたり暴れたりしません。
サポートボルトや台座でコードをはさんだりつぶしたりしやすいので
その点には要注意です。

シートチューブの内装バッテリーが 次なる問題です。
フレームに付属の専用シートポストは かなり長く、
カットが出来ません。

斜ウスと同じ角度にシートポストを切り、
引き上げ棒をそれに合わせて作り直せば 話は別ですが・・・。
不可能ではないですが かなりの力技なので最後の手段にします。
シートポストの中にバッテリーを仕込むのは 寸法上無理でした。

内装用バッテリーですが、シートチューブ内部の
ある箇所で引っかかってしまいます。
その上からシートポストを突っ込んでも ほとんど入りません。
という状態でしたが 何とかしました。
「何とか」については書けません。
フレームサイズが これより1つでも小さければ たぶん無理でした。
無理な場合は・・・お客さんに訊いてから
シートポストを加工するか
ダウンチューブにバッテリーを仕込むか
あきらめて外装バッテリーにするか といったところでしょうか。

上下ジャンクションの連結をする1200mmのコードは
暴れ止めのパーツを付けてから

ここから出しました。位置は お客さんの希望ですが、
ここは たいへん穴をあけにくい位置です。
(文字が大きくなった理由は不明)

リヤブレーキアウターに沿わせて留めるには絶好の位置ですね。
というより それがここにした動機ですが。


外したパーツ類は、再度すぐ取り付けるかどうかに関わらず
すべて洗っておきました。

BMCのトップキャップですが、

裏にヌスミ寸法があります。

これのおかげでコラムの上端がステムと ツライチ、
または1mmほど出ていても ヘッドパーツにプレッシャーをかけられます。
ということを主張したいのか 完成車のコラム長さもツライチちょうどにしています。
ほとんどのトップキャップでは この状態にプレッシャーをかけられません。

あと、完成車の出荷状態でのコラムの端面の処理が異常にきれいです。
いい道具を使ってそうですね。
道具というほど こじんまりしたものではないと思いますが。

お客さんからBMC(電動非対応)のフレームをお預かりしました。
電動アルテグラにするにあたって、
このフレームに内装式の配線をしてほしいとのことです。
出来るかどうかの判断をするのに
BBやシートポストを外して見てみましたが、これは無理です。

調べてみたところ、

BBが密室だったからです。
もし内装化がOKなら お客さんに連絡して
コンポ一式を送ってもらう手はずでしたが、
これでは お断りの電話をしないといけません。
が、なぜか「多分出来ます」と言ってしまったのでした。



↑密室です。
ワイヤーリードのねじを外せば M5ねじ穴はありますが、
それを除けば密室です。

さらに調べてみたところ、シートチューブとダウンチューブ、右チェーンステーの間に
一切の抜け道が無いことが分かりました。
ということは BB穴からそれぞれに穴をあけないといけません。
上の図の数字は穴に通すコードの数です。

右チェーンステー以外は2本以上のコードを通すので、
最低限 上の図のような長穴をあける必要があります。
もう断れないぜ!と、届いたコンポ一式を眺めてもアフターカーニバル。

↑最終的には このようにします。
内装バッテリーになっていますが、多分いけますと言ったのは私です。
これについては後で書きますが、
フレームサイズが小さい場合は 出来ない可能性大です。

まず、右チェーンステーの穴をあけました。
それから探査用のワイヤーを通し どこまで空洞なのか、
それ以前にワイヤーが通るのかを調べました。
結果はOKでした。
これが一番の不安要素だったのです。
チェーンステーにマグネットが張り付いていますが、
これはワイヤーに反応しています。
ワイヤーを引っぱると・・・

ずずずっと動きました。
(スチールフレームの場合はどうしよう、などと考えてはいけません)

コードの長さは お客さんにお任せしていたので 一般的な長さが届きました。
上ジャンクションから左右レバーまでの350mmが2本あるのを除けば
1200・800・750・300mmが1本ずつです。
このうち1200mmは上下ジャンクションの連結で確定、
300mmはフロントメカで確定となります。
800mmと750mmは状況次第でどちらか決めます。
内装用の下ジャンクションに各コードをパチンとはめるのは
フレームの外でないと無理ですが、
BBから下ジャンクションを入れることが出来ないので
例によって ヘッドチューブの外で はめます。
それからダウンチューブ内に引きずり込むわけですが
このとき、300mmだけはダウンチューブよりも短いので
ガイドワイヤーになるものを取り付けます。

ダウンチューブに通しました。

これを右チェーンステーとシートチューブに分けて通します。

↑こんな感じ
幸運にもBBシェル内部がアウトバテッドしていたので
BBのウォーターシース(防水用のパイプ)との干渉が容易に避けられます。
アウトバテッドしていなくても一応はOK(→こちら)なのですが、
その場合は ちょっと難しいです。

時系列が前後しますが、
これは いっぱいまで引き出してそろえた750mmと800mmです。
どう見ても50mmの差はありません。

というのも、下ジャンクションの接続の都合上
1200mm以外の3本のうち1本は折り返す形になるからです。
いろいろ考えた結果これがベストだと思ったのですが
長さが足りるかどうか・・・。



全然 余裕でした。

リヤメカ側の穴はチェーンステーの上側にあけました。
くさび形断面で 下側がとがっているので横か上にしか あけられません。
チェーン跳ねとの干渉があるので上にはあけたくなかったのですが
横にあけたくない事情もあり こうしました。
コードは もっとチェーンステー内に引き込みます。

フロントメカはシートチューブ前側にあけました。
前にも書きましたが、後ろにあけるより こっちのほうが
コードが浮いたり暴れたりしません。
サポートボルトや台座でコードをはさんだりつぶしたりしやすいので
その点には要注意です。

シートチューブの内装バッテリーが 次なる問題です。
フレームに付属の専用シートポストは かなり長く、
カットが出来ません。

斜ウスと同じ角度にシートポストを切り、
引き上げ棒をそれに合わせて作り直せば 話は別ですが・・・。
不可能ではないですが かなりの力技なので最後の手段にします。
シートポストの中にバッテリーを仕込むのは 寸法上無理でした。

内装用バッテリーですが、シートチューブ内部の
ある箇所で引っかかってしまいます。
その上からシートポストを突っ込んでも ほとんど入りません。
という状態でしたが 何とかしました。
「何とか」については書けません。
フレームサイズが これより1つでも小さければ たぶん無理でした。
無理な場合は・・・お客さんに訊いてから
シートポストを加工するか
ダウンチューブにバッテリーを仕込むか
あきらめて外装バッテリーにするか といったところでしょうか。

上下ジャンクションの連結をする1200mmのコードは
暴れ止めのパーツを付けてから

ここから出しました。位置は お客さんの希望ですが、
ここは たいへん穴をあけにくい位置です。
(文字が大きくなった理由は不明)

リヤブレーキアウターに沿わせて留めるには絶好の位置ですね。
というより それがここにした動機ですが。


外したパーツ類は、再度すぐ取り付けるかどうかに関わらず
すべて洗っておきました。

BMCのトップキャップですが、

裏にヌスミ寸法があります。

これのおかげでコラムの上端がステムと ツライチ、
または1mmほど出ていても ヘッドパーツにプレッシャーをかけられます。
ということを主張したいのか 完成車のコラム長さもツライチちょうどにしています。
ほとんどのトップキャップでは この状態にプレッシャーをかけられません。

あと、完成車の出荷状態でのコラムの端面の処理が異常にきれいです。
いい道具を使ってそうですね。
道具というほど こじんまりしたものではないと思いますが。
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