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のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

カンパニョーロのG3組みの話 その2  

G3組みの話の続きです。
先日の「5つの作用」の話と関係します。
その前にカンパニョーロがG3組みについて解説した動画(→こちら)がありますので、
合わせてご覧ください。注:音が出ます。

G3 01amx
↑後輪のスポークアレンジメントを いちから考えるとして、
まず両側ともラジアル組みのスポークを考えます。
この時点ではスポーク数は左右同じです。

G3 02amx
スプロケットが飛んできました(笑)。
第3作用のねじれに耐えるために、今 フリー側に決定した側のスポークを
ヤマアラシさん方向にねじります。

G3 03amx
この赤いスポークは、先日の話でいうところのF1スポークであり、
ダフり角が正になっています。
フリー側がラジアル組みのままであるよりは、
こっちの方が第3作用の力をより高効率に伝えそうです。

G3 04amx
↑反フリー側から見ています。
フリー側がヤマアラシさん方向に倒れているスポーク、
反フリー側がラジアル方向のスポークです。

G3 05amx
そこからさらに、フリー側のヤマアラシさん方向のスポークと
対になるスポークを設定しました。
これをタンジェント組みの位相ではなく、
パラレル組みの位相に設定しているのがG3の特徴です。

私なりの解釈でのG3組みの成り立ちは
「右2本 左2本のスポークの束から 左の1本を間引く」というものです。
これはパラレル組みのスポークの張力特性のメリットを最大限にするために
G3組みになったのでは思っているからです。
カンパニョーロの動画では
「右1本 左1本のスポークの束から 右のF1スポークと対になる1本を足す」と
言う過程になっています。

G3 06amx
次に、ペダリング踏力がタイヤが地面を蹴る力に
変換されるまでの動画が続きます。
まず、ペダルを踏み込みます。私が言うところの第1作用です。

G3 07amx
その力がチェーンに伝達しました。これは第2作用です。
上の画像ではチェーンステーの下側で押している格好になっていますが、
これは間違いです。
この方向に力をかけても、リヤメカのプーリーケージに吸収されます。

DSC00974amx.jpg
DSC00985amx.jpg
先日、第2作用はチェーンを引く側で起きるということを
強調して書いたのはこのためです。
まあ重箱の隅をつつけばそういうことになりますが、
チェーンを通じてペダリング踏力をスプロケットに伝えているという点では
間違いないですから、ここはスルーします。

G3 08amx
第3作用、スプロケットの回転です。
フリーボディ部分が不規則かつ強大な力で前に向かってねじれます。

G3 09amx
第4作用、スポークへの伝達です。
ここが非常に重要です。上の画像では
ヤマアラシさん方向のスポーク(F1スポーク)にしか
スプロケットの回転が伝達されていません。

実際はここまで極端なことにはなっていない(F2スポークによる伝達もある)はずですが、
カンパニョーロの解釈では
第3作用の伝達はF1スポークがおもに担っているということですね。
これは私も同意見です。手組みのホイールでは この役割をヌポークにさせるのが
良いというのも再三 書いてきました。
イタリアン組みでもJIS組みでもフリーボディ側は
ヌポークがヤマアラシさん方向(F1スポークであり ダフり角が正)になるので、
手組みホイールでの一般論とも合致します。

上の画像ではタンジェンタルスポークのための配列とあります。
F1スポークと対になっているF2スポークは
フリー側のスポークテンションの総量を二分するための添え物のようなもので、
第4作用の仕事の大部分はF1スポーク側が受けているということです。

カンパニョーロの動画ではタイヤが地面を蹴る第5作用までは出ていませんが、
第4作用をおもに伝えるスポークの角度が違えば 第5作用への伝達率も変わるはず、
ということが ダフり角の話を思いついたきっかけです。

category: G3組みの話

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2012/12/12 02:07 | edit

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