のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

反フリー側ラジアル組みについて  

手組みないし完組みホイールで 後輪の反フリー側をラジアル組みしている
ホイールというのがあまりにも多いですが、今日はこれについて書きます。
DSC01457amx.jpg
↑これは首折れスポークの反ヌポーク通しですが、
全てラジアル組みのホイールを考えます。
ラジアル組みはスポークの重量の総和が最低になるので
「持って軽い」ホイールだけでいうなら最適解です。

DSC01458amx.jpg
↑その状態から、フリーボディのねじれ対策にフリー側のみタンジェント組みとしました。
以上です。
おそらくフリー側タンジェント組み、反フリー側ラジアル組みのホイールは
本当にたったこれだけの考えで組まれています。

DSC01459amx.jpg
ある種の展開図ではこうなりますが、
DSC01461amx.jpg
反フリー側のスポークは他のスポークとの接触がないので
スポークテンションがぬるくても異音が出ることがありません。
手組みのホイール、
または ストレートスポークに置き換えた以外は手組みと同じホイールで
理由もなくこうしているのは、思考の放棄です。
ラジアル組みがタンジェント組みに比べて
「こっちの方が軽くなるから」「空力的においしいから」
というのは事実でしょう。

24Hのヨンロク組みでは、リム高やスポークにもよりますが
30gほど後輪が重たくなります。
しかしそれは外周部重量ではないですし、ホイールの性能の第一義である剛性の向上に
大きく関わってくるので 30gの重量増は目をつぶってほしいところです。
ここは本当に心苦しいところです。デメリットの説明ですから。
のむラボホイール2号と同じリムとハブを使った
Tniの吊るしのホイールのカタログ重量が735g、
のむラボホイール2号はヨンロク組み+反フリー側結線ハンダ付けで
実測759gです。
私が言うところの 重量面でのデメリット以上の剛性面でのメリットを
(一応は まず)信用してみたうえで のむラボホイールを買っていただいていますが、
感想を聞くときはいつもドキドキします。

DSC01463amx.jpg
反フリー側ラジアル組みを「悪い」と言ってしまうと
フリー側ラジアル組みのキシリウムはかなり異質なホイールですね。
左右同数スポークで スポークテンションの左右差を最小限に抑えるための
理論的極地ではないでしょうか。

さっき「反フリー側ラジアル組みは思考の放棄です」などと過激なことを書きましたが、
単純に反フリー側ラジアル組みにしているわけではない、擁護すべき事情や工夫のある
ホイールもたくさんあります。
DSC05780amx.jpg
元祖はローヴァル、今よく見かけるのはフルクラムでの2:1組みですが、
反フリー側が通常の半分のスポーク数で今までのスポークテンションの片側分全てを
受け持つことになり、反フリー側のスポークテンションがはね上がります。
これは反フリー側ラジアル組みにより下がったスポークテンションなど
問題にならないくらいに劇的な効果があります。
2:1組みのフリー側のスポーク2本を平行に見立てたパラレル組みと、
それに反フリー側のパラレル組みに挟まれた反フリー側の1本の
計3本を ひとつの組と見なすG3組みも、その点では同様です。

DSC01468amx.jpg
DSC09689amx.jpg
コスミックカーボンアルチメイトはフリー側タンジェント組み、
反フリー側ラジアル組みですが、けっこうなハイローフランジなのと
このリム高でオフセットリムにしています。
反フリー側ラジアル組みの弱点をほぼ払拭していると思います。おそろしいのは、
反フリー側がラジアル組みだからニップル式にでき、そのため振れ取りが可能
だということです。反フリー側をタンジェント組みにするとこれが出来ないので。
始めからこうするつもりだったのか(←多分こっち)、
転んでもタダでは起きない思いつきなのかは分かりませんが、
いずれにしても完組みでないと無理な設計です。

DSC01466amx.jpg
続いてR-SYS。これも反フリー側ラジアル組みです。
これに至った事情は簡単に想像できます。
フリー側をカーボンスポークのラジアル組みにすれば面白いホイールになったでしょうが、
万一スプロケットよりも内側にチェーンを落としてジャムってしまえば
ホイールが一発で終わります。やはり売り物としてはリスキーだと判断したのでしょう。
フリー側をやむなくアルミスポークにしました。

DSC01467amx.jpg
で、フリー側をアルミスポークのラジアル組み、
反フリー側をカーボンスポークのタンジェント組みにしたとすると、
かなりごついフランジの設計になります。
空力的にもホイールの理屈的にもあまりメリットが見いだせないので
しかたなくフリー側をタンジェント組み、反フリー側をラジアル組みにしたと思われます。
R-SYSのカーボンスポークは、構造上ニップルの締め緩めによる張力変化の特性が
従来のスポークと大きく異なるので、これを手組みの反フリー側ラジアル組みと同じ様に
評価することは出来ません。

と、ここまで「これなら許せる反フリー側ラジアル組みのホイールの例」を挙げましたが、
すべて完組みホイールなんですね。
手組み(特殊構造でない完組みも含む)ホイールで
反フリー側をラジアル組みにすることによるメリットは
先ほど書いた ちょっとの軽量化とちょっとの空力特性以外には見当たらないので、
私は基本的には組みません。
手組みの材料で反フリー側ラジアル組みをしても
ホイールバランスの問題を解決できる気がしないからです。
(むしろひどくなるのは普段のホイールの話でいろいろ触れています)
これが私が反フリー側をタンジェント組みする理由です。

DSC01464amx.jpg
エヘン虫さんたちには えらく評判が悪いですが(笑)。
ラジアル組みでもタンジェント組みでも 群体が引き裂かれるという点では
さほど変わりが無いように思うのですが。
彼らのいうことは無視してもいいと思いますが、
反フリー側タンジェント組みによる重量増は
それ以上のメリットがあると信じてほしいところです。

category: ホイールの話

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