のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

RUBYをシマノ電動コンポ内装仕様にしました  

ドリルがうなる!
DSC00249amx4.jpg
お客さんから スペシャライズドのルビーをお預かりしました。
女性用のスケルトンのロードフレームです。
この手のモデルでは ブリヂストンアンカーが
最も優れた設計になっていると思いますが、
私見では 次点はスペシャライズドです。

フロントセンターを取るのに
ヘッド角を狂ったように寝かせるブランド(※1)や
スケルトン表にヘッド角を載せないブランド(※2)、
あとスモールサイズのフレームにオフセット量が
50mmや55mmのものを採用しないどころか
全サイズで45mmくらいのもの1種類だけで通すブランド(※3)
などはレディースロードを真剣に考えているとは言いがたいです。

※1:
ヨーロッパ系のブランドはたいていそうですが(とくにイタ車)、
ちょっと前のオルベアでは最小サイズで69.3°とか69.1とか
70°未満のフレームがありました。
こういうのはステアリングが異常にねちっこいです。

※2:
コ○○ゴなんかはヘッド角もフォークオフセットも未記載です。
コ○○ゴで フレームサイズによる
ステアリングの感触の違いを比べたいのであれば、
まずフレームサイズ420と、
(450・480を飛ばして)500の完成車でサドル高を合わせます。
小さいほうのフレームではシートポストがドーンと出ますが気にしてはいけません。
前後タイヤに空気を十分に入れ(7barくらいでOK)、
バイクにまたがって時速0km/hで
前輪を地面にグリグリと押し付けるように左右にハンドルを切ると・・・
大きいほうのフレームでは前輪と地面が「点」で接触しているように感じますが
小さいほうのフレームでは「線」で接触しているように感じます。
この感触の違いはおもにフォークのトレイル量で決まるのですが、
優れた設計のメーカーならヘッド角の違いをフォークオフセットで
可能なかぎり打ち消すように努力しています。

※3:
フォークのオフセット量がフレームサイズに関係なく
1種類で通しているブランド、のほうが 実はむしろ大多数です。

脱線終わり

で、このフレームを可能なかぎり内装で
電動コンポを付けてほしいということなのですが、
バッテリーはシートポスト式を ご希望です。

私はこのバイクを何度か整備しているので知っていますが、
このフレームは BBが完全密室です。
さらに、ヘッドチューブも完全密室です。

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↑BB裏にワイヤーリードを取り付けるための
ねじ穴が貫通してはいますが、実質は密室です。

DSC00254amx4.jpg
↑ヘッドチューブは どこにも通じていません。

DSC00253amx4.jpg
BBシェルは、段差を見るかぎり ねじ山付きのアルミスリーブを
左右から入れて接着しているようです。

DSC00643amx4.jpg
現時点で分かっていることは
ヘッドチューブが密室、
シートチューブからトップチューブにも穴が通っていない、
BB穴も密室、ということです。

DSC00644amx4.jpg
さらに調べたところ、
シートチューブとダウンチューブは 一応はつながっていて
ワイヤーリード用のねじ穴とは別にある
申し訳程度の水抜き穴に通じていることが分かりましたが、
電動用のコードを通せないサイズなのが確認できたので
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↑実質はこういうことです。
シートチューブとチェーンステーが つながっていないことも確認しました。
BB穴のアルミスリーブの下側も コードは通せません。

DSC00649amx4.jpg
下ジャンクション(以下JC)をダウンチューブに仕込むには
それなりに大きな穴を BBかヘッドチューブに設ける必要がありますが、
不可能ではないものの 難しいうえにリスクが高いのでやりません。

DSC00650amx4.jpg
なのでシートチューブに下JCを仕込むことにしました。
この場合 楽なのは、フロントメカのためにBBに穴をあけなくてもいいことです。

DSC00263amx4.jpg
DSC00265amx4.jpg
まずは上下JCをつなぐコードを通しました。
電動用のコードの最長長さは1400mmですが、
フレームサイズが小さかったので通常使う1200mmで何とか足りました。

DSC00267amx4.jpg
続いてリヤメカに通します。
まずはBB穴から出しました。

DSC00272amx4.jpg
それから こうやって
DSC00269amx4.jpg
右チェーンステーから出します。

DSC00270amx4.jpg
あと2つは フロントメカとシートポストバッテリーです。

DSC00255amx4.jpg
時系列が前後しますが、上の画像は
右チェーンステー内に通った探査ワイヤーに
マグネットが反応している状態です。
あまり端のほうに 穴をあけられないということが分かったので
DSC00285amx4.jpg
↑ここにしました(せざるを得ませんでした)。
DSC00283amx4.jpg
アウター受けのスリットにコードを通し・・・
DSC00287amx4.jpg
↑こんな感じでテープで留めています。
このテープはビニールテープではなく、
夏場に熱で糊がわいてベタベタになったり
めくれてきたりすることがない特殊なテープです。
この穴の位置からコードが横に張り出すと
ペダリング時に 踵と干渉する可能性があります。
チェーンステー上側にあけることも考えましたが、
チェーン跳ねとの干渉があるので下側にしました。

DSC00279amx4.jpg
DSC00281amx4.jpg
DSC00276amx4.jpg
続いてフロントメカです。JCの位置の都合上
あまりに短いコードにはできないのが通常と違う点ですね。

シートポストバッテリーは、短いシートチューブに下JCを押し込めて
さらにシートチューブに沈めることができなかったので、
今回は名前の通りシートポストに内蔵しました。
付属のアダプターが使えないタイプの普通のシートポストなので
それなりに苦労しましたが、画像が無いのは わざとです。

DSC00652amx4.jpg
ヘッドチューブはここまで通しましたが、
事前に調べたところ
DSC00653amx4.jpg
トップチューブとダウンチューブもつながっていなかったので
(つながっていれば ヘッドチューブにはあけません)
DSC00654amx4.jpg
↑こんな感じで 通すことにします。

DSC00656amx4.jpg
↑結果としての全体図
穴をあける作業自体は難しいものではないのですが、
事前の下調べは非常に面倒です。
事前の下調べは非常に面倒です。
(なぜ2回書いたのかは謎)

DSC00296amx4.jpg
↑ヘッドチューブの中
フォームコラムと擦ったところで問題はないと思いますが、
擦らないように処理しています。

DSC00292amx4.jpg
↑上JCの穴は ここにしました。
DSC00294amx4.jpg
トップチューブの裏、ど真ん中です。
横側にあけてもいけそうでしたが、
こっちのほうが都合がいいので こうしました。
作業的には面倒です。
作業的には面倒です。
(なぜ2回(略))

DSC00288amx4.jpg
DSC00289amx4.jpg
このフレームは
ターマックSL(便宜上でいうならばSL1)の時代のルビーです。
ターマックはSL3から電動コンポに対応したので
このルビーが色んな点で内装仕様にしにくいのは仕方がありませんが、
それ以外で一つ うっとうしいことがあります。
ターマックSL1も同様ですが、トップチューブのブレーキアウター受けが
前側右から 後ろ側左へと 斜めにブレーキインナーが通るように
設定されているのです。

DSC00666amx4.jpg
↑これは私物ですが、アウター受けから出たライナーというのは
必ずしも全被覆である必要はありません
(これはシクロクロスということもあり やっていますが).。
アウター受けの位置関係を、インナーの横っ腹が全く擦らない
ドンピシャの位置同士に付けることは ほぼ不可能で、
大なり小なりインナーはアウター受けに擦ります。
この抵抗を減らすために 少なくともインナーワイヤーが
アウター受けのスリットを出るまではライナーで被覆したほうがいいわけですが、
ターマックSL1時代の 斜めブレーキアウター受けは
とくに精度が悪く 擦りまくりになるのでライナーは必須です。

お客さんはこのルビーを
ブレーキ右前/左後ろで乗っているので問題は無いのですが、
右後ろ/左前で配線する場合 リヤブレーキアウターが
ヘッドチューブ右側にベッタリと接触するので
欧米での一般的な設定では ちょっとうっとおしいことになるのです。
という事情があってなのか SL2からは普通になりました。

DSC00387amx4.jpg
最後に。
これは もう使わないBB裏ワイヤーリードですが、
DSC00388amx4.jpg
フレームに貫通している この部分を
DSC00658amx4.jpg
横から見るとこうなります。
DSC00660amx4.jpg
上から見るとこうです。
BBの後ろで右斜め上に抜けていますが、
ここの部分は完全にトンネルになっていて
フレームの空洞に通じてはいませんでした。

DSC00663amx4.jpg
なので そこと干渉しないように
BBから右チェーンステーに穴をあけるわけですが、
これが今回の穴あけで最も難所だった部分です。

記事中、冗長なので バッサリ切った方がいい部分が
(そもそも冒頭から)散見されますが 気にしてはいけません。

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