のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

ヴェロマックスのアセントIIを組み換えました  

今日もホイー(以下略)。
DSC02840amx4.jpg
お客さんから ヴェロマックスのアセントIIをお預かりしました。
ヴェロマックスは、イーストンがホイール事業を始めるにあたって
買収されたホイールブランドです。

アセントIIはアルミリムの最上位モデルですが、
フリーボディをシマノ11S化するにあたって
イーストンブランド以前の この10Sハブのまま
フリーボディを交換するのは難しそうなので
ハブそのものを換えることになりました。

DSC02841amx4.jpg
左右とも2.0-1.8-2.0mmバテッドのスポークですが、
ヴェロマックスは特殊な仕様になっています。
あと、ホイール重量から考えると かなり軽いアルミリムを
使っているはずなのですが、スポークテンションが異常に高いのが
アセントIIの特徴です。

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スポークは両端とも ねじ切りになっています。
生産性が悪いのか イーストンブランドではやめてしまった仕様ですが、
このことと 高テンションで組んであることは もちろん関係があります。
ハブフランジの中にスポークが飛び出しているのは
スポークが折れたときに 回収不能(=交換も不能)になるのを
防ぐためにそうしています。
ハブフランジ内部のスポークを バイスクリップでつかんで
ちょっとずつ回しなさいと マニュアルにはあります。
その際、ねじ止め剤が利いて回らないようであれば
ライターの火で炙るようにという指示もマニュアルにあります。

スポークの両端がねじなので、ニップルを回すと
供回りでフランジ側がゆるんでくる可能性がありますが
それが起きないように ロックタイト社のねじ止め剤(番号の指定もあり)を
塗布して 1日静置しておく必要があります。
このあたりのことも大量生産に不向きなのでしょう。

私の知る限り、超ディープリムを除いて
左右同数スポークで反フリー側がラジアル組みの後輪のうち、
最も反フリー側が張っているのは このアセントIIです。

DSC02843amx4.jpg
イーストンホイールは ショップやユーザーの振れ取りを
原則禁止していますが、それはヴェロマックスも同様です。
ただ、講習会を受けてマニュアルを持っている者であれば
条件付きで触ってもOKということになっていて、
私は一応該当しています。
後輪のニップルの色が交互に変わっていますが、
これは先日のレイノルズと同じく
分かる人にだけ向けたメッセージのようなもので、
フリー側が銀のしんちゅう、反フリー側が黒のアルミとなっています。
そして横振れ取りは反フリー側のニップルだけでしか
してはいけないことになっています。
精度を出すのに どうしても仕方がない場合でもです。

・・・イーストンでは幾分ましになりましたが、
ヴェロマックスは スポークを弾いたときの音(ヘルツで把握)が
同じなのがスポークテンションが同じ、という考えに固執し過ぎでして
「打音の高低が揃っているならば
リムの左右の細かい振れは別にかまわない」というような
馬鹿げた考えを表明していたことがあります。
イーストンホイールでも打音検査はしているようですが、
さすがにそれが見た目の横振れよりも重要とまでは言っていません。

私は見た目の横振れが無くなるのが大事という考えですので、
メーカーの考えを尊重して なるべく反フリー側だけで振れ取りを試みますが
どうしても仕方ない場合は フリー側を触ることもあります。
そもそも新品の段階で フリー側のニップルを触らざるを得ないような
横振れがあることも ざらにありました。
もしかしたら それらのホイールは
スポークの打音が揃っていたのかも知れませんが。 

「スポークの打音が同じ=テンションが同じ」というのは事実です。
バテッドスポークの バテッド具合のばらつき等で
ごくごくわずか狂うでしょうが。
ただ、そのときに リムが全く振れていない状態になるほど
リムの精度というのは高いものではありません。

むしろ、縦横振れを限界まで追い込んだ状態と
スポークテンションに一切のばらつきが生じていない状態を
同じホイールで両立するのは不可能です。
普通は前者を目指すのですが
ヴェロマックスは後者こそ精度の良いホイールと謳っていたわけです。

DSC02844amx4.jpg
アセントIIのスポークの リム側のねじ山ですが、
フランジ側とは番号が違うものの かなり強いねじ止め剤が塗布してあります。
さらに左右とも扁平スポークではないので
回り止め工具で押さえることができません。
フリー側はかなりの高テンションなので、どんなに丁寧に回そうとしても
アルミニップルだと 角をナメてしまう可能性大です。
これが先日 ちょっと触れた
「フリー側をしんちゅうニップルにしないといけない場合」です。

DSC02847amx4.jpg
リムの状態にバラしました。
私は入口の戸のガラスを疑似定盤として歪みを見ることがありますが、
このリムは大丈夫そうです。
というのも、実は過去に これのスポーク交換をしたことがありまして
そのときにちょっと反っているような感触があったのです。

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反フリー側ラジアル組みであっても
そこそこ反フリー側が張ってあった理由のうち、
「オフセットリムだから」というのも あるかもしれません。
これが私のホイールなら 一度わざと逆に組んでいますが。

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組めました。

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エボライトハブ24H半コンペヨンロク組み結線ありです。
フリー側のスポークの変形しにくさは
私の測り方で 組み換え前の約97%です。
100%未満で組み換えるのは まず無いことなのですが、
スポークが元の仕様と違うので あんなに張れません。
ただ、反フリー側は 元の120%オーバーなので
ペダリングのかかり感と 下りで左に倒しこんだ時の硬さは
組み換え前以上だとは思います。

このリム、作りからして 少なくともキンリン製ではありません。
キンリンのXR200などは非常に硬いリムですが
アセントIIのリムは ホイール組みのなじみ出しのときに
そのたわみにビビるくらい 軟らかいリムでした。
これでなぜ組み換え前のスポークテンションに耐えていたのかが不思議です。
個体差ではなく アセントIIは みんなこんな感じです。

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