のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

CX-RAYのストレートスポークについて  

ひとつ前の記事で、レイノルズの組み換えに
サピムのCX-RAYのストレートスポーク仕様を使っていますが、
これは最近 トライスポーツさんが取り扱いを始めてくれたものです。
たいへん助かります。

ただ、通常のスポークと違う点があるので それについて。
DSC03037amx4.jpg
↑これが その現物なのですが、

DSC03039amx4.jpg
ハブ側はストレートプル仕様の頭になっています。

DSC03040amx4.jpg
が、リム側は ねじを切っていないので
任意の長さにカットして ねじ山を転造しないといけません。
スポークカッターを所有していることが前提の仕様です。

通常のCX-RAYは、最大で8mm程度カットできますが
(私の内規では 6mmカットを限度としています)、
このスポークは補修用として使われることを想定した仕様なので
それ以上にカットできるようになっています。
取り扱いのある長さは310・270・240・210mmの4種類で
210mmは20mmカット可能、
270mmと240mmは30mmカット可能、
310mmは40mmカット可能ということになっているので
4種類のスポークで
190~210mm、210~240mm、240~270mm、270~310mmと
長さが取れるようになっています。

この特殊CX-RAYは シルバーとブラックの展開がありますが、
トライスポーツさんは レース(コンペティション相当)のストレート仕様のシルバーと
リーダー(チャンピオン相当)のストレート仕様のシルバーも取り扱っているので
銀スポークであれば ストレートスポーク用のハブでの
ホイール組みの自由度は かなり高くなりました。
実際、CX-RAYのストレートスポークが入手できないために
組み待ちになっていた ホイールの注文が当店に数件あります。
そのうち組むので許してください。

これがあればDTやパワータップのストレートスポーク用のハブで
ホイールが組めるのでは?と言われそうなので 先に書いておきます。
フロントハブは ラジアル組み一択でテンションを張ればいいだけなのですが、
リヤハブは多くの場合 ヨンヨン組みかヨンゼロ組みにしか
スポークを引けなくなっています。
この自由度の低さは致命的な問題で、それなら首折れスポークでいいので
左右異本組みをさせてくれるハブのほうが
ほとんどの場合 良いものが出来上がると思いますので
ホイールの性質を追求するのであれば
ストレート仕様のハブにメリットは無いと 私は考えています。
キシリウムエリートやゾンダくらい特殊な設計なら また話は別ですが。
(ストレートプルだと スポークの首折れのリスクが低いという点は確かです)

例えば 24Hヨンヨン組みの後輪のフリー側が
首折れスポークで120kgf止まりのところ
ストレートプルなら140kgfまで張れた!としても
反フリー側の是正度が低いのであれば あまり意味はないということです。
このことは シマノ10Sフリー仕様の完組みホイールの後輪を
11Sハブにする目的で 私が手組みハブのヨンロク組みで組み換えたところ
(実は半コンペのほうが重要なのですが・・・)組み換え前より
カッチリしたと ほとんどの場合言われることが 証明しています。
スポークの変形量(たわみ)が、フリー側で微増になっても
反フリー側で激減すれば 総合的には硬くなるということですね。

DSC03081amx4.jpg
あと、補修スポークの1本だけ
リム側のプレーン部分が長いスポークが混じると
見た目にかっこ悪いと言われるかもしれません。
スポーク比重が違うスポークが混じると
そこで縦振れが出たり ゆるみが出やすくなったりします。
もっとも 後者のほうは 周りより比重の小さい(細い)スポークの場合に起こることで
周りがCX-RAYなら それより比重の小さいスポークというのは
まず ありませんが。

補修用のスポークなので、カットする長さが短かった場合
どうしても こうなることはあります。
気になるなら 純正のスポークを取り寄せるか
片側すべて張りかえてください。

片側すべて張りかえても「プレーンのところが長いのが何となく嫌だ」
という問題は解決しませんが。

このスポークがあることで、ZI〇Pや イ〇ストンの補修が
かなり やりやすくなりました。
今まではどうしていたのかというと
CX-RAY相当の比重のスポークで長さの合うものを
完組みホイールのスペアスポークから切り出して
流用することもあったのです。

これに関して メーカーや代理店(全てではなく一部です)から
私が文句を言われる筋合いは無いはずです。
ホイールの完成品は売っておいてスポークの供給が悪い、
または一切無いという奴らが 何をえらそうに。

DSC03080amx4.jpg
とは言え スポーク比重が通常のCX-RAYと異なることは否定できません。
実測して確かめてみることにします。
上の画像は310mm×50本ですが、270.1gとなっています。
50本と半端な本数なのは 秤の ひょう量が300gまでだからです。
0.1gまで出る秤だと より少ない本数で信頼に足るデータが出ます。
スポーク比重の計算では、スポークヘッドの重量や
スポークの長さによって バテッド部分が全体に占める長さの割合などは
無視することにしています。
過去何度も書いていますが、700Cリムの場合で
80mm高リムに使うような240mm前後と
ローハイトリムでの300mm前後のスポークの長さの違いで、
バテッド部分の差によるスポーク比重の差というのは
顕著なものでは ありません。
水の蒸発や 滑車の摩擦を無視しても
実用上問題ない数値が求められるようなものだと思ってください。

私の計算ではCX-RAYは64.5%ですが、
これは様々な長さの 膨大な数のCX-RAYから算出されています。
サピムのメーカーサイトでは
260mm×64本で272gとありますが、
これで計算すると63.6%になります。
実際は(260mm×64本でも)63%台になることは まずありません。

で、上の画像からの概算ですが、スポークヘッドは無視するので
310mm×50本のスポークは
15500mmのスポーク1本と同じ重量ということになります。
これの1mmあたりの重量は0.0174258・・・gとなり
スポーク比重は2.0mmプレーンスポーク1mmを0.0257gとしているので、
ストレートプル補修仕様の310mmのCX-RAYの
未カット品のスポーク比重は約67.8%ということになります。
ストレートスポークを使うようなホイールの 実際の事情から考えると
310mmどころか300mmですら なかなか無いので
元が67.8%で 切れば切るほど64.5%に近づく
補修用CX-RAYが 1本混じる程度なら
ホイールのテンションバランスに問題はありません。

長さを指定して 通常のバテッド始まりの
ストレートプル仕様のCX-RAYを取り寄せることも可能ですが、
納期が数ヵ月なので 強いこだわりが無ければ
補修用のCX-RAYで十分だと思います。

category: スポークの話

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://pass13.blog.fc2.com/tb.php/2058-861d4e80
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

検索フォーム

最新記事

最新コメント

カテゴリ

月別アーカイブ

リンク

カウンター