のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

「全CX-RAY 対 半コンペ」的な組み換えをしました  

今日もホイー(以下略)。
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お客さんから ローハイトリムのカーボンホイールをお預かりしました。
かつて 私が組んだものです。

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24H全CX-RAYヨンロク組み結線ありで組んでいますが、
これを半コンペに組み換えてほしいということです。

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タイヤはチューベラーテープで張っていましたが
ブレーキングで多少ずれることもあるようです。

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タイヤとスプロケットを外し、リム側のテープも きれいに除去しました。
後輪とは思えない重量です。

今から これを半コンペ化しますが、ある手順に則って行います。
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↑組み換え前は こういう状態ですが、

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フリー側のスポークを きれいに除き、
反フリー側のニップルをきっかり3周ずつ ゆるめます。
このとき、リムは反フリー側に寄りますが
そもそもスポークテンションが解放されているので
そのことには意味はありません。

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つづいて、その状態から フリー側をコンペティションで張ります。
スポークテンションは 完成時の95%弱にします。
(残りは 反フリー側を増し締めすると つられて上がります)
反フリー側をゆるめてあるのは、
そうしないとフリー側がとても張れないからです。
このとき、3周ゆるめた反フリー側のニップルは 一切 触りません。

フリー側を十分に張りました。
リムはフリー側に かなり寄っています。
ここで、左右異径組みが嘘っぱちでないなら
反フリー側のニップルを きっかり3周締めても
リムはまだフリー側に寄っているはずです。
そこからセンター出しするのに 反フリー側を増し締めする量が、
全CX-RAYと半コンペの
反フリー側のスポークテンションの差ということになります。
同じCX-RAYなので スポークテンションの差と書きましたが、
大事なのはスポークの変形量の差です。

DSC03170amx4.jpg
反フリー側を3周締めました。
もしフリー側のスポークがCX-RAYで
組み換え前と同じに張ったなら
ホイールセンターが出ているはずですが、
反フリー側の寸法をフリー側に当てると
DSC03171amx4.jpg
↑これだけ空いています。
「3周きっちりゆるめた」といっても
確実に1079°以上1081°未満の範囲では無いでしょうし、
スポークの材質の伸びを無視しているのも認めますが
(フリー側を「新品の」CX-RAYで 組み換え前と同じに張ったなら
厳密にはホイールセンターが出ないだろうということです)、
この結果自体に大きな違いは出ないはずです。

この状態で 反フリー側のニップルのねじ山のスポーク巻き取り量は
組み換え前と同じなわけですが、
半コンペにしたことによって このすき間が無くなるまで
一方的に反フリー側を増し締めできる
ということです。

反フリー側を3周ゆるめ、フリー側を張る際に 反フリー側に一切触れず、
その後に また3周 増し締めしたわけですが
細かい縦振れ横振れが かなり出ました。
そんなに機械的に簡単に 復元はされないということです。

普段のホイール組みでは
そもそも こういう素人くさい振れを出さないように
あちこち事前に触るので、むしろ新鮮な体験でした。

横振れがあるので 上の画像の「暫定センター」は
寸法を取るリムの位相によって もちろん多少は変わりますが、
それでも概ね こんな感じです。

DSC03175amx4.jpg
組めました。

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DSC03174amx4.jpg
検証を兼ねたホイール組みをしたので
完全にバラした状態から組むよりも かえって時間がかかっています。

DSC03176amx4.jpg
↑組み換え前も 組み換え後も、
リムが許容する範囲で可能な限り スポークを張っています。
が、スポークの径が違うので変形量は全然違います。
反フリー側も 単純に増し締めできたので たわみが激減しました。

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全CX-RAYより 半コンペのほうが重量が重たくなる、
というのは否定しません。当然です。
結果として21g重たくなりましたが、ローハイトリムで これなので
もっとリム高が高いリムなら 差は20g以内になると思います。
この「20g重たくなった」という差を
乗って体感できるかどうかというと まず無理だと思いますが、
かかりの良さとかホイールの硬さが向上したことは
まず間違いなく分かると思うのです。

体感上 違いが分かることは重要(=大要素)で
分からないこと(=小要素)は どうでもいいとは言わないものの
大要素をスポイルしてまで こだわるのは間違い、
というのが私の考えです。
もし「軽いホイールが欲しい」なら 左右CX-RAYラジアル組みにして
24Hのハブからスポークを間引いて 12Hの後輪を組めばいいじゃん、
縦振れ出まくりとか そもそもたわみ過ぎるとか
軽さが最大要素なら別にいいじゃん、と言うと 極論が過ぎますが
小要素に固執するとは そういうことです。
私に言わせれば 例えば 反フリー側ラジアル組みや
首折れスポークでの左右異数組みや
ナローフランジのハブなども それと同類で、
ほとんどの場合 メリットがあるにしても「メリット<デメリット」です。
ただ、小径車のフロントハブはスポーク角の問題で
ナローフランジのほうが より良いホイールを組めたりとか、
トラックやTTでは空気抵抗を軽視できない
(そのためにパーツが重たくなっても構わない!)とか
状況や条件に応じて要素の大小が変わるので
「半コンペに固執するのはNG」な場合も
当然あるはずだと考えられるような柔軟さは必要です。
実際、乗り手の体重が50kg台だとか 32Hで後輪を組む場合などは
全CX-RAYの軽さを取ったほうが 良いと思われる場合もあります。

この落としどころを どこまで想像できるかが
手組みホイールで重要なポイントです。
実は 私は「乗り手の体重でスポークテンションを変える」ということを
ほとんど意識していません。
「リムの許す限りカッチリ」が基本であって
「狙ってヌルく組む」必要を感じる場合は あまり無いのです。
そういうのは タイヤの空気圧やフレーム選びなどでアジャストしてください。
かかりが悪くなる組み方を わざわざする必要はありません。
「乗り心地がいいホイール」というのを よく聞きますが
もし手組みホイールしか この世にまだ無いとすれば
私のレシピとテンションで組んだホイールは
「お前 なんちゅう硬いホイール組むんじゃ!」
と言われる部類になったはずなのです。
が、現実には 単純縦硬さが手組みホイールのそれを超越している
完組みホイールが 今は そこら中にあるので、
例えばキシリウムSLとか レーシングゼロを所有している
お客さんなどから 私のホイールについて
「手組みホイールの剛性感って 硬すぎなくて ちょうどいいですね」
とか言われることが多々あります。そのたびに
「いや これ 手組みとしては非常に硬い部類になるんですが・・・」
と ツッコんでしまいます。

私が持っているホイールで 最も、且つ ずば抜けて乗り味が硬いホイールは
マヴィックのコスミックカーボンアルチメイトですが、
今日 同じくコスミックカーボンアルチメイトを持っているお客さんに
「のむラボホイール6号(仮)は乗り心地と「適度な」バネ感がちょうどいい」
みたいなことを言われました。
・・・えーと「適度な」バネ感とかいうのは狙って出したわけではありません。
あの のむラボホイール6号(仮)は リムの限界を見定めて
張れるだけ張っているので
本来は「硬い!」と 文句を言われたいくらいなのです。
なのでコスミックカーボンアルチメイトのほうがオカシイ(←褒め言葉)のです。

完組みホイールのせいで(おかげで)、乗り手側の
ホイールの硬さの基準値が かなり引き上げられています。
よって 意識してヌルいホイールを組む必要はありません。

困ったなー
記事のタグ
「のむラボホイール」
「ホイールの話」
「手組み 対 完組み」
の どれにしよう。

category: ホイールの話

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