のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

カーボンリム用ブレーキシューについて  

カーボンリムに使うブレーキシューですが、
どこのメーカーでも指定外のものは使うな、純正を使えと言っています。
当たり前のことです。
私もここで「実は非純正のこれがいいよ」という話を書きたくはありません。
しかし、純正品がリムと合わないと思われる例もありますので(ひとつ前の記事)、
非純正のシューを選ぶ場合の指針について書いておきます。

カーボンリム用のブレーキシューに限ったことではなく
アルミリム用でも同様ですが、
ブレーキシューは 硬いものと軟らかいものに大別されます。
硬いものは
・リムへの攻撃性が高い(リムが削れやすい)
・リムが発熱しやすい
・シューの摩耗が遅い
・「キキーッ」というような異音が鳴りやすい(トーイン調整を要する場合もある)
という傾向があり 軟らかいものはその逆です。
これは一般的な傾向で例外もありますが だいたいそうです。

材質にも種類があり、私の勝手な分類ですが
DSC04126amx4.jpg
ゴム系のシュー
画像上からENVE、レイノルズ、シマノ、
スイスストップのイエローキングとブラックプリンスです。

DSC04129amx4.jpg
ゴムに コルク混じりのシュー
画像上からTRP、エキノックス、メーカー不明 です。
TRPはゴム系かもしれません。

DSC04130amx4.jpg
コルク系
画像上がZIPP、下がコリマです。

DSC04131amx4.jpg
これは一般的な(※)アルミリム用シューですが、
記事の内容に関係ないのでスルーしてください。

※:全然 一般的ではない


リムにやさしいシューとなるとカーボンリム用では コルク製のものが一番です。
ただ、摩耗が早いのと ウェット時の制動力が著しく落ちるので
ブレーキ性能で考えると微妙です。
コリマの場合は昔からコルクシュー(大昔は黄色かった)しか出していませんが
ZIPPでは ゴム系のシューと併売しています。
リムへのダメージがゴム系より軽微です、というのを売りにしているわけですが
もしブレーキの利きも上なら 完全上位互換になるので
ゴム系シューを出さなくてもいいはずです。
コルクはちょっと利きません、とは さすがに言えないわけです。

シマノが最初に出した7701カーボンホイール用のブレーキシューは、
コルクの中に硬いゴムを混ぜていました(上の画像の現行品とは違うものです)。
これはレース中にパンクしたときに貸し出されたホイールが
アルミリムであっても そこそこ利くようにという配慮からで、
カーボンリムのほうも シューに合わせて耐えられる設計となっています。
スイスストップのイエローキングは カーボン/アルミリム兼用と謳っていました。
(過去形なのは、日本の代理店のカタログでは カーボン用に分類されていて
兼用とも書いていないので 明言を避けたまでです)
ホイール交換でリムの材質が変わってもシューの交換は必要ない
というのが便利だ、という事情の人には向いていますが
アルミリムで使った後は シューに金属片が噛みこんでいる場合があり、
その状態でカーボンリムに使うと非常に良くないので その点は要注意です。
上記2つのブレーキシューは、カーボンリム用シューの中でも
リムへの攻撃性が高く 発熱もしやすいほうなので
指定外で使うのは避けたほうがいいです。
イエローキングはマヴィックやイーストンやFFWDなどで
スイスストップとホイールブランドのWネームになった純正品をよく見かけますが、
熱で溶けたシューがリムに食い込む場合は相性が悪いと思って避けたほうがいいです。
私個人の経験ですが、コスミックカーボンアルチメイトはイエローキングでも大丈夫でした。
ただ、現在は同社のブラックプリンスを使っています。
こちらの方がブレーキの利きがいいからというのもありますが、
ブレーキ熱の発生も少ない気がするからです。
同じスイスストップ同士なので、メーカー指定のイエローキングが
どうも良くないという方は ブラックプリンスを試してもいいかもしれません。
利く利かないとは 別にホイールの寿命が変わってくるかもしれません。
(この「しれません」というのがギリギリの表現です)

DSC04125amx4.jpg
↑これはTniのROAD38というリムです。
のむラボホイール2号のリムでもありますが、
私の知る限り これが最もブレーキが利くカーボンリムです。
ヘタなアルミリムより利くとか、ウェットでもちゃんと止まるなどと
お客さんから よく言われます。
これはエキノックスのSP38というリムをベースにしていますが、
SP38リムは ブレーキゾーンがこの仕上げにはなっていません。
Tniの特注仕様ということです。
これに付属しているブレーキシューはエキノックスの純正品ですが、
コルク成分が多そうなシューとなっています。
リムのブレーキゾーンが(大げさに言えば)ヤスリになっているのもあってか
純正のシューは異常な速度で摩耗します。
上りの多いコース(当然 下りも多い)で丸一日練習すると
ブレーキレバーの握りが甘くなったのが分かる、と 私が言っても
当初あんまり信じてくれなかったりしますが、誇張した表現ではありません。
本当にそれくらい減ります。
こういうリムこそ イエローキングに耐えられるというか向いているというか
相性が良いということになります。
そういえばTniを取り扱っているトライスポーツさんは
以前にニールプライドも取り扱っていましたが、
それの試乗車は このリムのホイールにイエローキングでした。
これがギリギリの表現です。
決して のむラボホイール2号の付属シュー以降のシューは
スイスストップを使ったほうがいいとか直接的に書いているわけではありません。
察してください。

DSC04123amx4.jpg
イエローキングがリムを実際にダメにした例です。
ブレーキ熱でリムが膨らんで ブレーキゾーンがボコボコになっています。
指定外の組み合わせなので これでリムをダメにしても保証は効きません。
先ほどの記事のF6Rはブレーキゾーンがこうなっていると思ったので
「ヤスリがけで平らにしたりとか無理です」と始めにお伝えしたのですが
実際はリムに黄色が溶け込んでいた程度だったので ほっとしました。
DSC04122amx4.jpg
↑この部分では かなり大きなこぶになっていて、
こぶの手前で黄色が引っかかって溜まっています。
ここまで来ると正常な感覚でブレーキがかけられません。
利きに疎密というか濃淡が出て危険です。
ENVEの場合は純正シューを使ったほうがいいです。
こう書くとまるで他のメーカーなら社外品のほうが
いい場合もあるのかと言われそうですが、
察してください。
口頭なら個別に答えられるでよ

近々出す のむラボホイール6号ですが、
リムにブレーキシューが付属していません。別売りとなります。
それはいいのですが、さすがに「シューは自己責任で選んでくれ」と
いうわけにはいかないので、使っても大丈夫なブレーキシューを
私のほうで見つけて 指定する必要があります。
それも まだ受注に至れない理由のひとつです。

いま、カーボンリムにとって一番の問題は 座屈強度ではなくブレーキ熱です。
コリマはサハラ砂漠でテストしたりもしているそうですが、
とくにクリンチャーリムの場合 熱でビードフックが開いてしまうというトラブルがあります。
当然 元には戻りません。
先日も それで修理不可だった事例がありました。
最近よく「カーボンWOリムで のむラボホイールを出さないんですか?」と
お客さんに訊かれますが 熱ダレによる破損のことを考えると
まだ 扱う気にはなりません。

あくまで私見ですが、純コルク系以外のシューで
利きと熱持ちを 秤にかけると ブラックプリンスが現状の最適解なのではないでしょうか。
もちろんメーカー指定外のシューは ご法度ですが、
ブラックプリンスにしたほうが結果として 高いブレーキパフォーマンスと
長い寿命が得られることもあるんじゃないでしょうか、という
奥歯に物が挟まったような物言いに 立場上 終始するわけですが
察してください。

category: ホイールの話

tb: 0   cm: 3

コメント

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

# | 
2015/09/05 07:15 | edit

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

# | 
2015/09/05 17:24 | edit

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

# | 
2015/09/06 01:42 | edit

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://pass13.blog.fc2.com/tb.php/2167-05406be7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

検索フォーム

最新記事

最新コメント

カテゴリ

月別アーカイブ

リンク

カウンター