のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

CXというスポーク  

先日組んだのむラボホイール2.5号の前輪について、

>CXという前後方向に変形しにくいスポーク
ここ、ダウトです。
そりゃ、テンションがかかった状態のスポークの真ん中に、前後方向の
力(にぎにぎですね)をかけたらエアロスポークの方が変形しない
でしょうけど、走行中にそんな力がかかることはありませんよね。
スポークはその両端(ハブ側、リム側)でその伸長方向の力を受け、
その伸長方向の力を伝えます。
その分力は縦、横、捩れ、の方向に分解はできますが。
その点において、丸断面のスポークとエアロ形状のスポークの差は
なく、断面積や素材の硬さ(圧延による変性等も含みます)の違いが
ホイールの剛性として現れるだけです。
と、考えますがいかがでしょうか。

というコメントをいただきました。
全面的にその通りです。
「スポークの前後方向の変形しにくさ」について、
走行中にそういう力が実際かかるわけでないことは承知しております。

ここで書きたかったことについて。
まず スポークテンションメーターでテンションを測る方法ですが、
スポークの前後または左右方向から
くの字に曲げるように測定子で押さえて測ります。
CXはスポーク比重が実測で100.3%なので
14番プレーン(スポーク比重100%)をつぶしたものだと考えられます。
CXは、扁平なスポークの形状により
同比重の丸断面スポークより前後方向での
テンションメーターの測定では 変形しにくさが 上と出ます(当たり前ですが)。

そのときのメーター読みの数字が
たまたまレーシングゼロのヌルめの個体をうっすら上回っていました、
というだけの話です。
これについて、もし
スポーク本数が18Hより多かったり
スポークがCX-RAYであったり
リム高が50mmより低かったりしたら
この数字は出なかったろうなぁ、というだけの話です。

元の記事中にもありますが、
スポークに対して 前後方向からスポークテンションを当てたときの数値、
つまり ある種の方法で検知される
数値上でのスポークの変形しにくさ「だけ」が
上回ったからといって、
すなわちレーシングゼロと同じ硬さのホイールを
組んだということにはなりません。
アルミスポークは断面積と材質(←コメントの言葉をお借りすれば
「素材の硬さ」)がスチールスポークと 別物だからです。

「CXという前後方向に変形しにくいスポーク」というのは
確かに不正確な表現でした。
同じ比重100%の14番プレーンより
実走時においても前後方向に変形しにくい、というような
ニュアンスで書いたのではありません。
なので「CXという前後方向でメーターを当てたときに
高い数値が出るスポーク」と書いたほうが正確でした。

その「高い数値」がレーシングゼロの下限を超えたので
「おー すごい」と思ったという話です。
スチールスポークの手組みホイールで
それを超えることは めったに無いので。

ホイール走行中のスポークの振る舞いについては
コメントにあるとおりです。

コメントありがとうございました。



追記:
いい機会なので ついでに前から書こうと思っていたことを。
現実的な範囲では、スポーク比重100%のスポークというのは
「形状にかかわらず」ホイールを組むときに
テンションを際限なく上げていったとして
真っ先に壊れるパーツではありません。
リム穴が抜けるか ニップルが破断するかが先でしょう。

ところが、スポーク比重65%のスポークになると 事情が変わってきます。
1200N以上に十分耐えられるリムであったならば、
丸断面スポークの場合
うにょーん(伸張方向の塑性変形)が 起きるのです。
これが扁平加工されたスポークであれば
現実的な ほとんどの範囲において うにょーんは起きません。
よって私がCX-RAYに期待していること評価していることというのは
レボリューションと同じ軽さなのに降伏がはるかに起きにくいという点です。
さらに、その対処法が扁平加工なので
ホイール組みの際にスポークを工具でつかんで
供回りを押さえることができるため 作業性に優れているという点もです。
実は この2つの条件を満たすだけなら、
スポークの扁平方向が 前後方向ではなく左右方向でもかまいません。
ただ、空力的なことを考えると どうせなら
前後方向に扁平であったほうがいいですね。
私がスポークに求めている空力特性というのは、
この「どうせなら」という程度のことです。
ホイールの組み手としては、スポークのエアロ効果というものを
過小評価している・・・とは思いませんが 崇拝まではしていないのは確かです。

スポーク比重が同じ100%同士の チャンピオンとCXで
各々スポークテンションをなるべく張った場合
同じ剛性のホイールを得ることは出来ますが、
スポーク比重が同じ65%同士の レボリューションとCX-RAYでは
各々スポークテンションをなるべく張った場合
同じ剛性のホイールにはなりません。
これはコメントにもある「圧延による変性等も含みます」というのが
スポーク比重によって 現実的なホイール組みの範囲で
無視できる場合と そうでない場合があるということです。

DSC04841e.jpg
ところで話は変わりますが、
これは旧ITMのクロノビップ3という製品の箱です。
なぜエアロバーと書かず DHバーと書かず エクステンションバーと書かず
製品と書いたのかについては 後ほど。

DSC04842e.jpg
DSC04843e.jpg
DSC04844e.jpg
↑それぞれ こんな形です。
それはどうでもいいのですが、
これが「何なのか」についての説明が
DSC04845e.jpg
箱の側面にあります。
上からイタリア語・英語・フランス語・ドイツ語と
ロゼッタストーンみたいになっていますが
イタリア語以外の言語は イタリア語の直訳・・・ではありません。

上から直訳すると
イタリア語  延長されたハンドルと 肘掛け
英語     調整可能なバーエンドと 腕休め
フランス語  空力ハンドルバーと 肘サポート
ドイツ語   空力ハンドルバーと 肘パッド
となります。
ここで言いたいのは、まったく同じものに対して
長さが調整できることについて言及している説明もあれば
使ったときの空力特性に着目している説明もあるということです。

複数のホイールの組み手に CX-RAYの特徴を尋ねれば
「扁平なので空力に優れたスポークだ」とか
「とにかく軽いスポークだ」とか
いろんな見解が返ってくると思うのですが、
私は「スポーク比重の割りに 異常に降伏が起きにくいスポークだ」
というのが第一の感想です。
私の場合は エアロがどうこうとかを強く意識して
CX-RAYを使っているわけではありません。
なので私にすれば CX-RAYのようなスポークを
エアロスポークと呼ぶのは、最も注目したい要素が
名前のなかで表現されていないという点が 少し気になります。

もしかしたら扁平スポークを最初に考えた人が
フラットスポークという呼び名を広めていたら
それが一般化したかも知れませんし、
圧延によってこの形にした!というのを強調したいなら
ロールドスポークとかプレスドスポークという
名前になっていたかもしれませんし、
きしめんに着想を得て作られたのなら
ナゴヤスタイルヌードルスポークという名称になっていたかもしれません。

そこで、多くの人に「これは加工硬化のために こうしたんだ」という
観念をまず得てもらうために、空力特性や形状に一切言及せず
ストレインハードニングスポークという呼び名を考えたのですが、
どう考えても普及しそうにはありません。
また この場合、ストレインハードニング(加工硬化)されている
スポークであれば 空力的に有利な形状かどうかは問われないのですが
現状存在しているものでは 空力的に有利な形状をしちゃってるので
形状を端的に表現してエアロスポークと呼ぶのはどうでしょうか。

レイノルズやローヴァルのホイールには、
40mm高以上のリムなのに
丸断面バテッドスポークを使っているものがありますが、
うにょーんさえ起きていなければ
「空力的に不利だからダメだ」などと思ったりはしません。

category: スポークの話

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