のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

キシリウムSLEさん  

お客さんから キシリウムSLEをお預かりしました。
DSC05236e.jpg
DSC05237e.jpg
前後ともセンターゲージが軽くガタつく程度のセンターずれがありましたが、
すぐに直りました。
タイヤの付け外しのほうが 時間がかかったかもしれません。

キシリウムの上位モデルはアルミスポークを採用しています。
過去何度か書きましたが、キシリウムの目的は
アルミスポークを採用することではなく、
「フリー側ラジアル組みをしたい」ということが
主題だったのではと 私は思っています。

フリー側ラジアル組みの弱点である
ペダリング時のスポークのねじれを起こさない
(または通常のホイール以下にする)ためのアイデアが
アルミスポークなのであって、
単純な剛性アップだけを狙っているわけでは無いはずです。

まず アルミスポーク化したヘリウムのようなホイールがあって
後日 急に思いついたように 次のモデルから
フリー側ラジアル組みを採用した・・・のではなく、
初代キシリウムが出たときに
同時にフリー側ラジアル組みを採用していることも
キシリウムの主題はフリー側ラジアル組みだと 私が考える根拠です。

じゃあアルミスポークでないフリー側ラジアル組みのホイール、
例えばキシリウムエリートであるとか WH-7801みたいなホイールは
ダメなのかと言われそうですが、
あれらは「フリー側ラジアル組みによる スポークバランスなどの性質を
アルミスポークのキシリウムと似たような感じで より安価に得られますよ~」
というのが売りなのであって、当然性能は違います。
アルミスポークの剛性感がスチールスポークで得られるなら、
レーシング3はレーシングゼロを超えうる ということになりますから。

似たような感じと書いたのは、
スポークの材質や断面積、ハブの寸法が変わると
スポークテンションが高い側に対する
低い側の追随度も変わるからです。
20Hゼロヨン組みで組んだ後輪は
疑似キシリウムなので キシリウム的性質を示しますが、
キシリウムとスポークテンションの左右差などまで
まったく同じにはなりませんし、
キシリウム並みにフリーボディの回転方向のねじれに
耐性があるわけでもありません。

ここまでで 何が言いたいのかというと、
今日見たキシリウムは久々に 生粋のキシリウムだということです。
後輪の左右ともアルミスポークで、フリー側ラジアル組みです。

R-SYSでは
・カーボンスポークをフリー側に配するとチェーン落ちで すぐ壊れる
・カーボンスポークは(自称)コンプレッションスポークなので
ハブに対して真っ直ぐ立つ必要があり、ラジアル組みになる
・フリー側に配するのが金属スポークならタンジェント組みにしておきたい
という論法(たぶん)により反フリー側ラジアル組みとなっています。
私は昔R-SYSのフリー側にカーボンスポークを配する場合、
タンジェント組みにするほどの横幅を
ハブ体に設定するのが困難だと書きましたが
カーボンスポークはコンプレッション構造にする必要があるので
ラジアル組みでないといけません。
(まさに「R-SYSの前輪にオチョコが出来てフリーボディが付いた状態」です)
それこそが真・R-SYSだと思うので、
片側がアルミスポークであるR-SYSの後輪は
仕方が無いとはいえ 色んなことにビビった妥協が入っていると思うのです。
ということで、R-SYSがやりたかったことを ちゃんと体現できているのは
いまのところ前輪だけです。

最近、最上位のキシリウムはR-SYSと後輪を共用しています。
そちらのほうが重量的に軽いとか 高価な材料を使っているとかで
グレード的には 上になってしまうのか、
フルアルミスポークのキシリウムの後輪は
2番手以降のモデルとなっていますが、
私はR-SYSより 本来のキシリウムのほうが
後輪としての理屈がより進んでいると思いますので
「何も知らない人が、高価なホイールのほうが より良いのだろうと思い
キシリウムと名の付くホイールを買った場合
後輪は知らぬ間に実質R-SYSを買ってしまっている」
という状況が好きではありません。
レースで使うにしても、トラコンプリング周りの異音などのトラブルが無い
フルアルミスポークのキシリウムのほうが有用だと思います。

キシリウムSLRの後輪は、キシリウムではなくて
R-SYSだということを事前に知っておいてほしい、
そのうえで それがいいと思って買うのなら別にいいのだけど、という話です。

中には、後輪が実質R-SYSであることを避けたくて
セカンドグレードのキシリウムSLを選択するという人もいるかもしれません。
今日のお客さんが このキシリウムにした理由がそうなのかどうかは
知りませんが、やっぱりいいホイールだなと思いました。

最後に書いておきますが、私はR-SYSが嫌いなわけではありません。
振れ取り調整にトラコンプリング外しを要する点は大嫌いですが
完組みホイールしか出来ないことをやっているという意味では極致です。
疑似キシリウムと違い 疑似R-SYSは手組みホイールでは絶対に組めません。

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