のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

ヴェント リアクションさん  

お客さんから ヴェントをお預かりしました。
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前後ハブともガタがあるということです。
不思議なことに、ホイール単体で見て
シャフトを指で押すとガタが無いものの、
フレーム・フォークに取り付けてクイックで固定すると
横方向のガタが出ます。

「不思議なことに」と書きましたが、原因は分かっています。
前後輪とも カートリッジベアリングをポン当てしているだけなので、
ベアリングの中身が痩せたときに 玉当たり調整で追い込めないのです。
また、アンギュラ(角度)コンタクトで
ボールを受けているカップ&コーン式と違い、
ラジアルベアリングは横ガタが出た場合 大きく出ます。
というわけで、ベアリングを交換するしかないのです。

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ラジアルベアリングの中身が痩せると
外輪に対して 内輪が左右に動くようになり、
その量が大きくなると ホイールが扇状にガタつきます。

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バラしてパーツクリーナーを噴きました。
完全に錆びて死んでいます。

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↑画像左が新品のベアリング、右が死んでいたものです。
このベアリング、HB-SC013という純正品ですが、
私が リップシールをめくったわけではありません。
どういう自信なのか 困ったことに、ハブの内側に向いている側は
リップシールが無く 解放されており、
グリスがふんだんに塗ってあるものの
結局 浸水にやられて錆びる例が多いのです。
(上の画像の新品は、耐水性の高い
別のグリスを塗るので 洗浄しています)

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↑これが純正のベアリング「HB-SC013」です。
HBはフロントハブの品番、SCとはシロッコの品番です。
リヤハブだと「フリーハブ」なので FHという品番で始まりますが、
このベアリングは前後共用サイズなので
リヤハブでもHB品番のこれを使います。
カンパニョーロの完組みホイールで
ゾンダ以上がカップ&コーン式ベアリング、
シロッコ以下がカートリッジ式ベアリングなので
ヴェントとカムシンもこのベアリングになります。

DSC05483amx5.jpg
↑シールが貼ってあって見えにくいですが、
このベアリングは4個入りでの販売単位なので
4-HB-SC013と 箱に書いてあります。
シロッコとそれ以下のホイールのために
自社規格のベアリングを採用するとは考えにくいので
これも規格サイズのベアリングであるはずです。
(といってもウルトラトルククランクのベアリングは
規格ものから 厚みだけが1mm薄い特注品なのですが・・・)

結論から言うと、このベアリングは「6001」というサイズで、
外径28mm/内径12mm/厚さ8mmの規格品です。
内側にリップシールが付いていないなんてふざけている!と思う方は
6001の両面シールに交換するのもありです、とか書くと怒られるので
やっぱり純正品を使おうね!

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↑ちょっと昔の4-HB-SC013の箱には
バカ正直にベアリングの寸法の記載が入っていました。

ベアリングの交換について、後輪はそれほど苦労しないのですが
前輪は非常に面倒です。
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単なるポン当て式ではなく、
シャフトの端に溝が切ってあって スナップリングがはまっています。

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このように
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取り外しますが、
これ、私も専用の道具を作ったほど 外しにくく厄介な構造です。

このHB-SC013の進化形が
カップ&コーン式と同じ方式で玉当たり調整が可能になった
HB-SC113というわけですが、ポン当て式で無くなったものの
ハブ内側にシールが無いという点は変更無しです。
ベアリングの形式が違うので、CULT化もできません。
後々のCULT化や、ベアリングがこなれた状態の回転の軽さに期待するなら
カンパニョーロなら ゾンダ以上のホイールを買えばいいということですが、
ここにひとつ罠があります。

DSC04749amx5.jpg
バレットウルトラでない「バレット」は、
HB-SC013ベアリングです。
カンパニョーロのホイールは上から
カップ&コーン式のCULT、USB、鉄球、
その下に カートリッジのHB-SC013という構成になっていますが、
バレットの場合は バレットウルトラがCULTないしUSB、
その下のバレットが カップ&コーンの鉄球をすっ飛ばして
HB-SC013という構成となっています。

なので 通常のバレットはCULT化が不可で、
その点だけで見ればゾンダ以下ということになります。
また、浸水で ベアリングがあっさり錆びるので要注意です。

今回のヴェントの修理では純正のHB-SC013を使いましたが、
グリスについては 私の経験上 耐水性が純正より上で、
回転性能も遜色ないというか そちらもたぶん上というものに
差し直しました。

DSC04664amx5.jpg
バランス取りのためか、バルブ穴に直近の反フリー側のG3スポークが
太いスポークになっています(それ以外は丸バテッドです)。
かつてはボーラウルトラIIも、G3のフリー側2本が
むしろアウトバテッドして太くなるという形で
これを採用していましたが、ある年からやめました。

「片側のフランジで2つ以上の異なるスポーク比重の
スポークを混ぜてはいけない話」をいずれ書こうと思っていますが、
そのときに これも引き合いに出すかもしれません。

点検ですが、細かい振れだらけでしたが
ハブのオーバーホールに比べれば どうということはありませんでした。

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2015/10/30 07:53 | edit

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