のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

VIGOR αさん  

お客さんから ロルフプリマのヴィガー アルファをお預かりしました。
DSC06047e.jpg
買った当初はセンターがガッツリずれていたそうですが、
購入店で調整してもらったということです。


後輪だけ持ってこられた理由ですが、
反フリー側のスポークの交差からする異音が鳴り止まないということです。
これについては輸入代理店さんのサイトに
原因と対策が一応載っていますが、
いくつか不可解な点があるので あまり信用できません。

まず「かなりの走行距離を重ねた場合に起こる」とありますが
この現象は新品でも起こりえます。

次に 原因として「スポークの交差の間に
微細な埃が入り込んだ時に」とありますが
洗浄と脱脂をした交差からも鳴るので
原因はそれではありません。

「交差のスポーク角が大きいから」というのを
鳴りやすい理由に挙げていますが、
これも ほとんど関係ありません。
仮に、スポーク角が非常に小さい角度
(菜箸を持って 先端を軽く交差させたような角度)でも
鳴ると思います。

サイトに書かれていない原因としては、
まず黒スポークであることが大きいです。
同条件で銀スポークだった場合と比べると
音の有無と多寡は かなり変わります。
次に、これのスポークは サピムのCX-RAYですが、
CX-RAYは楕円断面の「エリプティックエアロ」という形状になります。
(DTのエアロライトも同様です)
エリプティックエアロ同士の交差は ほとんど線同士の接触になるので
音鳴りが起きやすいのです。
もっと幅広で平たい「スクエアエアロ」なスポーク同士の交差であれば
面同士の接触となり 音鳴りは あまり起きません。
マヴィックのキシリウムエリートは最終交差を編んでいて
そのひとつ下の交差も接触していますが、
音鳴りの事例は聞きません。これはかなりのスクエアエアロだからです。
(銀スポークにしているのも きっと音鳴りの回避のため)


サイトで提案している解決法は「交差に注油してください」なのですが、
これはごく短期間しか効きません。
さらにどうしても鳴る場合は
買ったショップでスポークテンションの低下を
見てもらってくださいということですが、
十分に張ってあっても音鳴りは起きます。
現に これもそうです。

ちなみに、出し直してもらったというホイールセンターですが
ついでにやった振れ取りの前に見たところ
ゲージで検知されるずれがあったので
私が さらにちょっと直しています。

この問題について、一応 高確率で解決する方法を
私は知っているのですが、それを施工することはできません。
なぜなら、入手不可能な あるパーツを使うからです。

DSC06044e.jpg
↑それがこれです。
シマノの7700系16H完組みホイールの交差にはさむ
専用のワッシャーですが、とっくの昔に廃版になっています。
ちなみに画像はネットから拝借したもので、
私は これを所有しておりません。

DSC06045e.jpg
1セット10個入りです。

お客さんに「何とかこのパーツを入手して、それに加えて注油もすれば
たぶん音鳴りは治まると思うのですが
当店に在庫はありません、すみません」と伝えたところ、
たまたま近くを通りかかった、トレンチコートを羽織り
顔に鉄仮面を付けた2mはあろうかという謎の男が
懐から油紙を取り出し「もしよかったら これをどうぞ」と言って
4つだけ分けてくれました。いやー良かった。

DSC06046e.jpg
ワッシャーに切ってある溝に合うよう
スポークに乗せてみました。
もう片側と角度が合いそうですね。

DSC06049e.jpg
取り付けました。
シマノの7700系ホイールの交差は、JIS組み相当となっています。
その理由のひとつとして、イタリアン組み相当にした場合
このワッシャーを鏡写しに逆にしたものが もう1種類必要になるからです。
ワッシャーに切ってある溝が90°で交差していれば
その必要もありませんが、実際は ひとつ前の画像にあるように
45°くらいの角度差です。
今回は たまたま交差に そのままはさめましたが、
もし反フリー側の交差が逆であった場合、このワッシャーは使えません。
その場合は一旦 半バラしをして
ワッシャーが使える交差に組み換えたと思います。

DSC06048e.jpg
この後輪は16Hですが、16Hの後輪ともなると
スポーク1本あたりのテンションを相当に張らないと
ヨレて危険なホイールになります。
普通の16Hの後輪の場合、反フリー側でも
スポークのたわみを ほぼ皆無な状態に出来るはずですし、
また そうしないと危険です。

このヴィガーですが、16Hの後輪にしては反フリー側がヌルくなっています。
これはローハイフランジのリヤハブであることも一因ですが、
オチョコがきついことも関係しています。
首折れスポークで全ヌポーク または全反ヌポークの1クロスにして後輪を組む場合、
フリー側は ロー側変速時のリヤメカとスポークの
干渉を避けるために反ヌポーク通しにします。
反フリー側は実効フランジ幅を広く取りたいために ヌポーク通しにします。
例として、HED製のアイオロスの16Hの後輪などは そういう組み方をしています。
ではなぜ ロルフプリマではフリー側をヌポーク通しにできるのかというと、
フリーボディのスプラインのどん突きの位置と 右フランジが離れているからです。
つまり、右フランジがホイール中央に寄っているということです。
よって非常にオチョコがきつくなり、
私の見立てでは「オフセットリムで組んだとしても
並みのホイールの左右差より遠くなる」のですが
それをオフセットではないリムでローハイフランジのハブで
組んでいるので「16Hの後輪としては」
反フリー側がイマイチ張れないということになっています。
(フリー側を異常に張っているので、追随度的には厳しくとも
反フリー側もかなりのテンションで張っており、
ホイールとして見れば 並みの手組みよりは硬いです)

ちょっと手厳しいことをエラソーに書いていますが、
私はロルフプリマは面白いホイールだと思います。
所有している人の感想でも 悪い話は聞きません。念のため。

という作業をしたのが 1週間ほど前のことなのですが、
このホイールのお客さんから 4日前にコメントをいただきました。
「先日はロルフのスポーク鳴りでお世話になりました。
帰宅して早々に実走したら残念ながら音鳴りしたんですけど、
付けて下さった樹脂パーツのとこに注油したら消えました♪
スポーク同士の干渉時は注油しても消えなかったので、
これでまた気持ち良く使えます!!
ありがとうございました!!!」
・・・えーと、本当に原文ママです(改行の位置以外は)。
個人情報が無いので まるまるコピペして晒してしまいました。
申し訳ありません。

やっぱりワッシャー+注油で音鳴りは消えるようですね。
スポーク同士の接触では注油が効かなかったとありますが、
もし効いたとしても 持続時間はワッシャー有りのほうが長いです。
これは 旧ロルフでも全く同じで、経験的に明らかなことです。
なので今回も この手がすぐに思いついたのですが、
残念ながら当店には専用ワッシャーの在庫がありませんので
今後 同じ手は使えません(予防線)

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2015/11/30 07:57 | edit

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