のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

ZIPPの404リムでホイールを組みました  

今日もホイー(以下略)。
どうでもいいことですが、今年の2月末で「今日もホイールを組みました。」が
まる3周年となりました。
休みの日と、振れ取り台が壊れた3日間を除いて
「店を開けた日でホイールを組まなかった日が3年間もの間 1日も無い」
ということです。
3年間 毎日 ホイールを組むというのは大したことではありませんが、
ホイール組みの需要が尽きなかったことは不思議でなりません。

それはともかく
DSC07915amx5.jpg
お客さんから404のリムをお預かりしました。

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どちらもリムサイドにディンプル加工が入っていますが、
年代は やや異なり
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ロプロスのステッカーが貼ってあるほうはファイアクレストなので
四角断面に近いリム形状で
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アルカンシエルのステッカーのほうは それ以前の
三角断面に近いリム形状となっています。
リムの内周側の頂点の幅が違うと言ってもいいでしょう。

ファイアクレストが16H、アルカンシエルが20Hなのですが、
体重のある人が乗るので 正直この穴数で組むのはキツイです。
もちろん、お客さんの体重について 具体的に何「キログラム」だとか
ここに書くようなことはしません。約25貫です。

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↑リム幅が広くテープ跡が残っているのがファイアクレスト、
新品で色がやや白んだ感じなのがアルカンシエルですが、
外周側の穴の大きさが違います。

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ニップルの首下に入れるワッシャーには
いろんな大きさと形状のものがありますが、
DSC07922amx5.jpg
上の画像の右側二つのうち
一番大きいワッシャーが使えるリムというのは ほとんどありません。
その次に大きい楕円ワッシャーはファイアクレストのほうにのみ合います。
これは非常に重要なことでして、
スポークテンションを際限なく上げていったときに
ニップルがリムを突き破る力に強い(許容限界が高い)のは
ファイアクレストのほうなのですが、それでも16Hともなると
スポーク1本当たりのテンションをかなり上げる必要があるので
大きなニップルワッシャー無しには カッチリと組めないのです。
もしこれが逆で、アルカンシエルのほうが16Hだったなら
お客さんに断りを入れて外周側の穴をドリルで拡張してでも
楕円ワッシャーを使えるようにしたかも知れません
(もし私のリムであったなら確実にやっています)。
という荒事をしなくて済みました。
アルカンシエルのほうは、20Hなので そこまで気を遣わなくてもいいです。

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ハブは、エクストラライトのウルトラハブというハブですが、
フロントと リヤの反フリー側が首折れスポーク用、
リヤのフリー側がストレートスポーク用という仕様です。
(これとは別に ウルトラハブでも 全てストレートスポーク用のフロントハブや
全て首折れスポーク仕様のリヤハブもあったりします)

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リヤハブのエンドに、エンデューロのベアリングを使っています、
と表記するのはいいのですがABEC5というのは書かないほうがいいですね。
以前にも、ABECというのはベアリングの規格のことで
9・7・5・3・1と分けられていて数字が上であるほど精度がいいと書きました。
この数字というのは、ベアリング球の真球度ではなく
ベアリングの内輪の振れの量に応じて決まるので
数字が低い=ダメなベアリング、というわけでもないのですが
ABEC7以下なら わざわざ表記しないほうがいい気がします。
ロルフプリマはABEC3でしたが。

ハブのダストキャップに付いている ギザ付きの部分は
玉当たりの微調整で回すための加工ですが、
リヤハブは右側にフリーボディがある関係上
これが左側に付いています。

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フロントハブでも これを左側にするように、という指定がありますが
それに従った場合フロントハブのロゴの向きが逆さになるという
ややこしい指定の仕方をしています。

ホワイトインダストリーのハブでも「玉当たり調整機構は左側」の
ルールに従った場合 フロントハブだけロゴの向きが逆になるものがありますが、
こういうことをする意図は分かりません。従いますが。

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あと、ラジアル組みをする場合の注意点として
「スポークをハブフランジより内側にするのだけを許可する」と
あるので、要はヌポーク通しのラジアル組みをするなということです。

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↑スポークと激しく干渉するわけではないですが、
フランジ外周を厚くしてある(補強目的と思われる)ので
反ヌポーク向きな形状というわけでもありません。

スポークですが、
16Hの前輪で 乗り手の体重も考えれば、
それなりに太いスポークを使いたいところです。
かといって少スポークの前輪に丸断面スポークというのも
バテッド・プレーン問わず 使いたくはありません。
CX-RAYはちょっとヤバイ気がするので却下、
かといって スリットありのハブではないのでCXも使えません。
ハブのマニュアルではスポークホールの径は2.5mmということですが、
これに通る エリプティックエアロではなくスクエアエアロな
そこそこのスポーク比重の扁平スポークで首とびに強いものを、
ということで頭をよぎったのが
星のエアロスターブライトIII型なのですが あいにく絶版です。
復刻したところで材質か工法(たぶん両方)が異なる
磁石にくっつかない クソスターブライトになると思うので
復刻してほしくも無いですが。

と困っていたところ
トレンチコートを着た鉄仮面の男が「これを使うといい」といって
エアロSB3を16本だけ ゆずってくれました。
いやー助かった。

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↑画像のホイールは、どーでもいいことですが
のむラボホイール6号です。
それにキャットアイのホイールマグネットを付けて
エアロSB3を貼り付けてみました。
今のスターブライトで同じ兆候を示すのであれば 認めてもいいってことです。
キャットアイのホイールマグネットにしたのは、
普通に手に入るものなので 対照実験に向いていると思ったからです。
このマグネットの磁力が全て同じで安定しているかといえば
ものすごく細かいことを言えば そうではないかもしれませんが、
恣意的に磁力が異常に強いマグネットを特別に用意したわけではない、
ということを示したかったのです。

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あるいは、これくらいぶら下がって付きます。
DSC07933amx5.jpg
↑マグネットに直接 接触していないスポークもあるくらいです。
これくらいの磁性を持っていないとスターブライトとはいえません。

これはエアロSBなので 扁平にする加工が入っているわけですが、
その加工のせいで磁石に付く性質を得ただけなのでは?という
コメントをいただいたことがあります。
その説が正しければ プレーン形状のスターブライトに対して
磁石がくっつかない説明にはなりますが、
私自身 ある時期以前のプレーンのスターブライトで
磁石に非常にくっつくものを 過去に何度となく見ています。
こういうのは「プレーン形状で磁石にめっちゃくっつくスターブライト」、
つまり「白いカラス」を一例でも見せれば済む話なのですが
その時代のプレーンのスターブライトは 私の手元には もうありません。
と思っていたら非常に興味深いホイールをお客さんからお預かりしました。
それは また後日。

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前輪が組めました。

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全反ヌポーク通し2本組みで
ヤマアラシさん方向のスポークが左右とも外側、という組み方にしました。
ラジアル組みをしたくなかったのですが、
ヌポークと反ヌポークを編む最小のタンジェント組みである4本組みは
16Hの場合 このブログでいうところの最接線組みとなります。
エアロリムのホイールで それもどうかと思い
空力と ねじれ剛性を勘案すると この辺りが落としどころではないかと思いました。

ちなみに、チューンのハブではラジアル組みおよびエキゾチックな組み方を
禁止していますが、これはおそらくエキゾチックな組み方に抵触すると思います。
ラジアル組みを嫌がる理由を考えれば、
この組み方はラジアル組みの次に
フランジの引っ張り方向に関して都合が悪いので
避けたほうがいいと思われるからです。
星の扁平スポークは、スポークヘッド側もねじ山側も
扁平部分の始まりが遅い(プレーン部分が長い)のですが、
これも今回は都合がいいです。
最終交差の部分が ちょうどバテッドの境目にかかると
異音の原因になりますが、今回は完全にプレーンの位置で交差しています。

あと もし仮に、スポークの軌跡がそのままで ハブフランジ穴の位置が
このホイールの最終交差の少し外周側にあったとすると
WH-9000のフロントハブに近い状態になります。

DSC07945amx5.jpg
フランジ穴のスポークヘッド用のヌスミが大きめなので、
スポークヘッドがハブに埋まる感じになるのは 良い点です。

DSC07936amx5.jpg
後輪も組めました。

DSC07926amx5.jpg
リヤハブのフリー側ですが、私の定義ではハブのH(ホール)数は
「スポークが出ずる処」の数なのでこの場合は5Hとなります。
私の定義というのは、スポーク長さの計算式の都合上そうなるからです。
そうすると 反フリー側は普通のフランジなので左右で15Hになる、
とすると ややこしいので便宜上(というより普通に)20Hということにします。
このフリー側のストレートスポーク用の穴ですが、
スポークヘッド用のヌスミ加工がどちらともにあるので
イタリアン/JIS相当組みと 逆イタリアン/逆JIS相当組みが
好きに選べるようになっています。
さらにうれしいのが、反フリー側が普通のフランジだということです。
なぜならエクストラライトのウルトラハブは
反フリー側がストレートスポークであった場合
ラジアル組みオンリーの形状となり
左右タンジェント組みが出来ないからです。

DSC07937amx5.jpg
左右2クロスで、スポークは
フリー側がサピムのリーダー14番プレーンのストレート仕様、
反フリー側がCX-RAYで 結線ありにしています。

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スモールフランジなので 最終交差がフランジに近く
結線によるスポークの変形量を少なくする効果は いくらか薄いですが、
それでも するとしないでは違ったので結線をしました。

DSC07939amx5.jpg
フリー側ですが、最終交差を編んでいます。
このせいで それより内側の最初の交差もスポーク同士が接触していますが、
最初の交差は ホイールの性質を変えるほどの力はありません。
先ほどの結線もそうですが、とにかく微細であったとしても
ホイールの剛性が増す要素を 余すところなく盛り込みたかったのです。
おかげで何とか 吊るしのZIPPではありえない硬さの後輪になりました。

DSC07941amx5.jpg
ニップルの色ですが、右側から見て時計回りに赤、
DSC07942amx5.jpg
紫、
DSC07943amx5.jpg
緑、
DSC07944amx5.jpg
青の順に90°位相ごとに色を変えました。
これは お客さんの希望です。

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