のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

初代R-SYSさん  

お客さんから 初代R-SYSの前輪をお預かりしました。
n013amx.jpg
前後輪にR-SYSを履いたバイクに乗って来られました。
画像は作業後の状態ですが、
無理やり付けたキャットアイのホイールマグネットが斜めを向いているのは
振れ取りで スポーク全体が回ったからです。
撮影後に直しました。

前輪は スポークのニップル側に 銀色の3本ラインがあるので
初期のリコールで交換された対応品です。
後輪の反フリー側は 3本ライン無しのスポークなので
ごく初期の初代R-SYSですが、ライン入りのスポークが1本だけ
混じっていたので「スポーク交換をしたことがあるでしょ」と
言い当てました。

フロントハブから異音がするということですが、
立ちこぎや もがいたときにパキパキ鳴る「いつもの」症例ではなく
前輪を無負荷で回すと シャリシャリと擦ったような音が鳴るという
見たことが無い症状でした。

で、あけてみたのですが
n014amx.jpg
↑反玉当たり調整側(通常は右側)
画像では分かりませんが、トラコンプリングを指で押すと
グラグラと揺れます。
抜けかけの歯みたいと言えばいいでしょうか。

本来、圧入されたトラコンプリングを抜くのには
マイナスドライバーで栓抜き状にテコをかけるのですが、
そのときにハブ体に傷が付かないようにするために
専用の工具を 間にかませます。
が、これはドライバーで軽くえぐっただけでポロンと外れました。
圧入というほどの状態にもなっていません。

n015amx.jpg
↑玉当たり調整側(通常は左側)
こちらも、右側以上にトラコンプリングの圧入がゆるくなっています。
回り止めのプラスチックが 切り欠きに はまっていないのは、
その位相で圧入したわけではなく
回り止めも効かずに回ってしまったからです。
おそらくは、左右とも圧入が甘かったのではないでしょうか。
といっても工場組み立て時からの問題ではありません。
理由は後ほど。

異音の原因ですが、トラコンプリングが きちんとはまらずに浮いてきて
その角の部分で
n016amx.jpg
ダストキャップの裏を 擦り続けていたというもので、
こちら側のハブの中身が黒いのは 削りカスのせいです。

n017amx.jpg
左右とも あるブランドのセラミックベアリングが入っていましたが、
黒い削りカス側のベアリングの回転がゴリゴリなので
そちら側だけ新品の鉄球ベアリングに交換したところ、
比較的傷んでいない側のセラミックベアリングの回転も
新品の鉄球のスムースさより 明らかに回転が濁っていたため
結局両側とも 鉄球ベアリングに交換しました。

このブランドのセラミックベアリングですが、
球の硬さとボールレースの硬さが合っていないので
虫食いの発生が異常に早く 私はオススメしていません。
しかも、非接触式の鉄球ベアリングと比べて
初期状態の回転性能も大差ないので
価格に見合った性能アップも望めません。
ボールは確かにセラミック製です、というだけです。
これとは別件で、あるお客さんのコスミックカーボンアルチメイトを
このブランドから セラミックスピードのものに交換したところ
「全然違う!」と言われたことがありました。

あと、このブランドがやっているベアリングの脱着工具は
つくりがチャチ過ぎて はっきり言ってゴミです。
のむラボ開店以前に現物を見たことがあるので
当店では買わずに済みました。

さらに言うと、このブランドがやっているチェーンルブも
あまりいいものとは言えません。
チェーンに塗布してなじませてから軽く拭き取り、
一晩置いておくとチェーンのプレートの下半分が黒くなります。
食いつかずにタレているのです。
そこから走ると、チェーンルブが スプロケットからリヤリムに飛び散り
リヤリム(とくに右半分)がドロドロに汚れます。
念のため書いておきますが、異常な量を差したわけではありません。
仮に そうだとしても拭き取っていますし。
一応ケミカル屋さんが出しているものなので
「ロードバイク向けの油を もうちょっと勉強しろよ」と言ったことがありますが
打てば響く相手ではありませんでした。

上の画像は そのブランドのものではなくて
NTNの鉄球ベアリングです。

で、ベアリングがセラミックに交換されていたということは
トラコンプリングがそのときに一旦 抜かれているということになります。
抜かずに交換することも不可能ではないですが、
ベアリングを衝撃荷重ではなく 静荷重で圧入するなら
工具がトラコンプリングと干渉するはずなので
「一旦 抜かれている=お持ち込みの状態のトラコンプリングは
セラミックベアリングを交換したショップの仕事」ということになります。
マヴィックの出荷状態で トラコンプリングが
外れかけの状態で浮くということも 考えられません。

ついでに振れ取りもしましたが、
スポークのテンション(←構造上 テンションというのもおかしいですが)は
ゆるくはなかったので 結果的に軽い増し締めになった程度です。
お預かり時点のテンションで トラコンプリングがちゃんと圧入されていれば
ベアリングのゴリゴリ以外の問題は起きていなかったはずです。

n018amx.jpg
トラコンプリングと回り止め工具を新品に交換、
「いつもの」異音(トラコンプリングとスポークヘッドの間のパキパキ音)が
鳴っていなければ 稠度が高いグリスも不要なのですが
一応ムッチリと差しておきました。

DSC08046amx5.jpg
↑元のトラコンプリング
ここからデジカメが復活しました。接写バンザイ!
これでも汚れを拭き取ったのですが、
回った際の摩耗痕は消えませんでした。

今回の件で分かったことは、
「店主の人柄」とやらが優れていれば
仕事はクソでも ショップは成り立ちうる、ということですね。
私は文章の端々から滲み出ている通り
人格的にはクズなので、仕事のほうで結果を出さないと
お客さんがついてきてくれません。

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