のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

ヌポーク その3  

完組みホイールは、廉価モデルでない限り ストレートスポークを
採用していることが多いです。
ストレートスポークは ヌポークと反ヌポークの どちらに属しているかは
厳密に判定できません。
ヌポーク、反ヌポークといった分け方自体が
首折れスポークのためにあるものだからです。

DSC09340amx.jpg
ペダリング時に発生する フリーボディの前方向のねじれに対して、
スポークが絞られることによってカッチリ受け止める仕事をするのは
ヤマアラシさん方向に伸びているスポークですが、
最も右側にある右ヌポークをそういう風になるように配置すべき、
という話をここまでにしました。
イタリアンで組んでもJISで組んでも右ヌポークは
ヤマアラシさん方向なので、常識に従って組んでいれば
どちらで組んでも問題はありません。
リムブレーキのことを考えればイタリアンの方が望ましいのですが。

DSC09346amx.jpg
で、例えばこれはマヴィック・コスミックカーボンアルチメイトですが
DSC09348amx.jpg
最も右側にあるスポークが、ヤマアラシさん方向に伸びているのが分かると思います。
これが非常に重要な点です。
マヴィックとしては、最も右側から出ているスポークを 右ヌポークと同じ位置づけで
考えているということです。マヴィックとしては、と言いましたが
カンパニョーロもフルクラムもこのようになっていますし、
私もこれが正しいと思っています。

GJGJKLGc 559amx
↑私が撮った写真ですが、左側からなので 進行方向は左になります。
フルクラムのレーシング7ですが、
フリー側のスポークは ヌポークがヤマアラシさん方向です。

DSC00572amx.jpg
↑同 レーシングライトです。
最も右のスポークがヤマアラシさん方向です。

WH-77XX-Famx.jpg
↑右側を進行方向とした場合、ヤマアラシさん方向になる
スポークだけを残したWH-7700です。
このハブ体を 前に向かってすごい力で瞬間的に回した場合、
スポークは絞られて「ピーン」と張りますが、
後ろ向きに同じことをすると ニップル部分がハブ体から「スポッ」と
抜けそうですね。

ちがう表現をすると、
右側を進行方向としてこの前輪をバイクに装着し、
走行中に急ブレーキをかけるとニップルがハブ体に食い込んで
ハブがリムを前向きに絞るような感じになりますが、
逆につけると、急ブレーキ時にホイールがほどけてしまう感じになる
ともいえます。
私の言いたいことはそういうことです。

DSC09325amx.jpg
↑これは一世代前のジップのハブです。
現在のジップの完組みホイールはフリー側をラジアル組みで組んでおり、
この仕様ではありません。

DSC09328amx.jpg
スポークの出る場所は横から見て重なり合わせになるフランジ形状です。
軽量化とスポーク張力を受け止めるうえで合理的な形状ですが、
リムの穴との位相の関係が変わるので、
スポーク長さの計算式が普通とちょっと違ってきます。

ラジアル組みを例にとると
DSC09350amx.jpg
↑ラジアル組み
ハブフランジの穴と リムの穴の位置関係が変わると、

DSC09351amx.jpg
↑ラジアルっぽい組み(キシリウムエリートなどはこれに近いです)
スポークの長さも当然変わってきます。

DSC09329amx.jpg
で、重なり合わせなのは いいのですが、
このハブ、最も右から出ているスポーク(右ヌポークと同じ働きとみなす)が
反ヤマアラシさん方向に伸びているんですね。

DSC09337amx.jpg
私の感覚で言うと、フリーにねじれがかかると
DSC09338amx.jpg
こういう風にスポークが抜ける方向になるんじゃないかと思うんです。
(何度も書きますが、実際にスポークテンションのかかっている
ホイールの状態ではここまで変形しません。
でも、理論上こういう風になるという点が問題なんです。)

DSC09344amx.jpg
冒頭の図と同じように書くとこんな感じですね。
この、逆イタリアン的なスポークアレンジメントは
一世代前のジップだけではありません。
現状こうなっているのはシマノとイーストンです。

10152251_4e998fe864170amx.jpg
↑イーストンのホイールですが、最も右のスポークが
反ヤマアラシさん方向です。
ただ、イーストンはホイールメーカーの
VELOMAX(ヴェロマックス)社を買い取って、
ヴェロマックスのホイールにイーストンのラベルを張ったホイールを売り始め
その翌年くらいからオリジナルのホイールを売り出したという経緯があり、
反ヤマアラシさん方向なのはヴェロマックス時代からのことです。

DSC09352amx.jpg
↑ヴェロマックスは元々、両方にねじを切ったスポークであるというのを
売りにしていたメーカーです。初期のイーストンも この構造です。
ハブフランジにスポークがねじこまれていて、スポークがハブフランジから
浮いて抜けるような作用は起こりません。

DSC09354amx.jpg
↑で、それ以降のイーストンでは なぜかストレートスポークになったわけですが、
先ほどのジップと大きく違う点が2つあります。
1つは、スポークの出る位置が横から見て重なり合わせではないこと。
もう1つは、スポークの角度が比較的 立っていて、
ハブフランジの接線から ほど遠いということです。

DSC09357amx.jpg
ハブフランジの接線から 立っているということは、
フリーボディに前方向の大きなねじれ入力があっても、
上の図のようなスポークの首元が浮く作用は
起こりにくいのではないかということです。

DSC09358amx.jpg
DSC09359amx.jpg
↑こういうことですね。
接線に近しい角度でスポークが出ているハブで
最も右のスポークが反ヤマアラシさん方向な場合、
ペダリング入力が 後輪が地面を蹴る力に変換される過程で、
フランジ部分のスポーク首下で スポークの頭が抜けるような動きに
幾分か力を持ってかれているような気がする、という話です。

20120317112925cf2.jpg
で、シマノのロードホイールのハブです。
接線に近しい角度でスポークが出ていて
最も右のスポークが反ヤマアラシさん方向なので、
ペダリング入力が 後輪が地面を蹴る力に変換される過程で
フランジ部分のスポーク首下で スポークの頭が抜けるような動きに
幾分か力を持ってかれているような気がする形状になっています。

新型のWH-9000系列は反フリー側がラジアル組みで
スポーク本数が右:左で2:1になっていますが、
右フランジのスポークアレンジメントは
引き続きこれと同じです。

category: ヌポークの話

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