のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

キシリウムESの前輪を組み直しました  

今日もホイー(以下略)。
DSC00367e.jpg
お客さんから キシリウムESの前輪をお預かりしました。
作業前の全体画像を撮り忘れたので、上の画像は作業後のものです。

ひどく振れておりまして、横振れが そこら中にあります。
とくに、大きく目立つ横振れが ひとつあり
リムが曲がっているかのように見えます。
それだけでなく縦振れもひどいです。
ブレーキゾーンの内周側か外周側の端でシューの位置を合わせたなら
回転しているどこかで はみ出します。

この振れの原因について、お客さんによれば
「行きつけのショップでオーバーホールしたおりに、
キシリウム自体のスポークテンションが高いためか
調整時にリム打ちの症状が顕著に出るようになり、
正常な状態に戻せなくなったようです。」
とのことです。
えーと、意味が分かりません。

例えばシマノのC24のWOリムの場合、
16Hなので スポークテンションをそれなりに張る必要があり
実際にそうなっていますが、リムが軽くて 材質的にも軟らかいので
リムが左右に波打ちます。
波打ちとは8ヵ所 右に振れ、8ヵ所左に振れるといった状態です。
波打ちが出ないほど ゆるめると ホイールとして成立しないような剛性になります。
まあ元々ヌルいというのは置いておいて。
そのため横振れに関しては 妥協点がかなり低くなります。
私が組む のむラボホイール5号の20Hの前輪では、
この症状は出ませんが(少なくとも顕著には確認できない)、
もし16Hなら出るかもしれません。
キシリウムESのリムはC24より20gほど重いだけですが、
硬さに関しては 全くの別物で、相当に張ってもリムは波打たないはずです。
にも係わらず リムの波打ち「っぽい」振れが出ているのは、
単に振れが取り切れていないだけです。
上にあるような原因?の説明が
「信じられる同業者」の言葉かどうかは すぐに分かりました。

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前輪で このセンターずれを直せない奴は信用できません。
それ以前に、縦振れが ひどすぎますが。

あと「調整時にリム打ちの症状が顕著に出る」という言葉の意味が
私には さっぱり分かりません。
単に最後の「正常な状態に戻せなくなった」ということに
あれこれと わけの分からん理屈を付け足して
自分がおかしくしたホイールを お客さんに突っ返しているだけです。

DSC00353e.jpg
あと、ハブのステッカーに対して
こちら側に玉当たり調整6穴付きナットがあるのは 向きが逆なので、
ついでに ひっくり返しておきます。

調整と称する作業ですが、
とにかくスポークを締めに締めています。
(それでも この程度ではリムの波打ちは起きませんが)
これを ゆるめ傾向で振れ取りしてもいいのですが、
単にそれだけでは分からないことがあるので

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一旦バラしました。
結果、3つのことが分かりました。
1つめは、ガラスの定盤で分かる程度に
ほ~んのうっすら リムが反っているということです。
ホイールが組めないほどではありませんが。

2つめは、テンションを開放した状態で
曲がっているスポークが1本も無かったということです。

3つめは、スポークのうち1本がニップルと固着しているということです。
上の画像の、残ったスポークがそれですが
リムから外れないというわけではありません。

DSC00356e.jpg
↑スポークとニップルが ひとつのカタマリになっているのです。
ニップル自体は回せますが、スポークと同期して回ります。
なのでフランジにスポークヘッドが引っ掛けてある状態では
ニップルをゆるめることが 実質できません。
無理に回せば、固着が解けるより先に
アルミスポークがねじれたり 破断したりします。
(私も 何度もやらかしています)

今回は、固着スポークが1本だけだったので
それ以外をバラして ハブを持って ひねることで
ハブからスポークを外せました。
2本以上の場合は、位相によっては
切らないといけない場合があります。


冒頭に書いた「目立つ横振れ」ですが、
このニップルが固着して締められないのに
それ以外のニップルを締めたことで
スポークテンション的に取り残されたから、というのが原因です。
リムが曲がっているわけではありません。

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↑画像一番右が固着スポーク+ニップルです。
この状態では通常、ニップルは スポークに対してスライドし 回るのですが
固着しているので びくともしません。
スポークをつかんでニップルを回せば スポークがあっさりとねじれます。
(それができれば 固着じゃないのですが)

DSC00364e.jpg
超音波洗浄機にかけました。
画像は事後ですが、汚れが もわ~っと煙のようにふきだしてきて

DSC00365e.jpg
めっちゃきれいになりました。
が、固着は直りませんでした。
このスポークは お客さんにお返しします(証拠)。

DSC00368e.jpg
で、組み直したのですが
代替スポークがコスメチックスポークしかありませんでした。
あとで詳しく書きますが 黒の場合はステッカーなので
気に入らなければ剥がしてください。
赤コスメスポークはバルブ穴に対して組み直し前と同じ位相、
黒コスメスポークは その向かいにしてみました。

冒頭の画像は組み直し後なので、
赤スポークの隣が この黒コスメスポークになっています。

座屈によるリムの変形があり、そこだけは横振れを取り切れなかったのですが
リムのごくかすかな反りからすると 十分に「直った」と言えるくらいには
組めたと思います。
「正常な状態に戻せない」のが
ショップの腕の問題だと証明できて よかったよかった。

DSC00369e.jpg
DSC00370e.jpg
センターでてるよ。あとシャフトの向きを組み直し前と変えてあるよ。

DSC00371e.jpg
↑画像がぼけているので後日差し替えます。
今回の組み直しには、私物の「キシリウムES原器」が役に立ちました。
現在これは、ある種のモノサシとして使っているので 乗用にはしておりません。
これに対して お預かりしたESが色々とおかしかったので
バラすという面倒な作業の決意ができたようなものです。

キシリウムESの後年に それが一般化したSLが出ていますが、
スポークは共用なのでSLが出て以降は
フロントスポークは 普通の黒スポーク9本(8本だったかも?)、
ESの赤コスメスポーク1本、SLの赤コスメスポーク1本、
SLプレミアムの黒コスメスポーク1本、というのが1セットになっています。

SLプレミアムの黒コスメスポークは プリントではなくステッカーで、
それが先ほど使ったものです。
赤コスメスポークは いずれもプリントです。
上の画像では半周分の9本が赤コスメスポークですが、

DSC00372e.jpg
ESが5本続いて、
DSC00373e.jpg
あとはSLという構成にしています。
赤コスメスポークは 黒普通スポークより ちょっと重いので
バランサーにしたつもりなのですが、
理論上はともかく 実効的な効果はありません。

ところで、先ほどキシリウムESのWOリムは
C24リムより20gほど重いと書きましたが
今回も リム単体の状態にはしているわけで、
重量を測らなかったわけではありません。
もちろん教えませんが。←うわこいつかんじわるい












DSC00375e.jpg
オ待タセシマシタ!蟹光線ESデス!

DSC00366e.jpg
コチラノ画像ヲ ゴ覧下サイ!
↑やーめーろー!

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