のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

超軽量ホイールを組みました  

今日もホイー(以下略)。
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お客さんから 組み換え希望のホイールをお預かりしておりました。
2年と8か月ほど。
一昨年(2014年)の乗鞍に間に合えばいいとのことだったのですが、
納期は後回しでもいいですよという お言葉に甘えてしまいました。
申し訳ありません。

このホイールのリム、どう見ても キンリンのXR300なのですが
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内蔵ニップル仕様です。
ついでに書くと、外出しニップル仕様の場合
内周側の穴には 穴振りが無い(見ても分からない)のですが、
このリムの場合は わずかながら穴振りがあります。

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ハブは前後ともエクストラライトのストレートスポーク仕様で、
フロントハブは 20Hラジアル組み、
リヤハブは 24Hヨンゼロ組み相当になっています。

この状態から、ローハイトカーボンチューブラーリムに
組み換えてほしいというのが お客さんの希望です。
お預かりした当時であれば ハイペ○ンのスポークなどを流用して
組んだと思うのですが、
現在ではCX-RAYのストレートスポークが
安定供給されていますので そちらを使います。

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組み換え後のリムと並べてみました。
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組み換え後のほうが リム高が低くなりますが、
それによって 必要なスポーク長さが長くなるのと
ニップルが内蔵から外出しになることによってスポーク長さが短くなるのが
ちょうど相殺されてスポークが使い回せ・・・ませんでした。
組み換え後のほうが、3mmほど長いスポークが必要です。

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フロントハブですが、フランジ自体がハブ胴にポン当て式で
スポークテンションで押さえているという形式です
(キシリウムSLのフロントハブも 実は同じ構造です)。
まず やらないでしょうが、穴数さえ合えば
ペアスポーク位相のリムでも組めます。

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先日 別件で書いたところですが、
ハブの向きに「左側はこっち」指定があり
それに従うと ハブの表記が逆向きになります。

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ハブフランジにスポークを通しました。

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ハブがナローフランジでも スポークテンションの多寡で
横剛性が確保できるというのなら、 こういうハブを作って
スポークをキンキンに張ればいいのです。
スポークの前面投影面積が ほぼ全てリムに隠れるので
空力的にも有利、しかもスポーク長さが短くなるので軽量化にもなります。
バトンホイールなら実用上問題の無い剛性を確保できますが、
スチールスポークでは無理ですね。
出来るくらいなら誰かが とっくにやっているはずです。
なので・・・

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レッツ!
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コンバイン!
オーバーロックナット寸法100mmにして
実効フランジ幅85mm(当店調べ)という
かなりのワイドフランジです。

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組めました。
黒アルミニップルにしています。

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つづいて後輪。
フリー側のフランジ穴ですが、ヤマアラシさん方向のスポークを
外側でも内側でも選べるようになっています。
イタリアン組み相当だと考えられるのが
「ヤマアラシさん方向のスポークが外側」なので
私はそうしますが、これは組み換え前と同じです。

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これは ある時期のZIPPのハブですが、
こういうフランジだと 逆イタリアン組み相当にしか組めない、ということです。
もし このリヤハブで後輪を組むとしたら、もちろん穴の意図に従います。
選べるなら イタリアン組みにしますが。

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フロントハブの左右と リヤハブの左フランジのスポークが
引っかけではなく「通し」になる関係上、
ホイール組みの際に どちらも一旦シャフトを抜かねばなりません。
フロントハブもそうですが、エクストラライトの名にし負うだけあって
軽さに特化した、なかなかイカレた構造になっています。
例えばリヤハブシャフトですが、
ハブ体 右ベアリングの内輪側にかかる「つば」の部分が あまりに薄すぎます。
しかもかからない側(外側)はテーパー状に削ぐという徹底ぶりです。

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↑こんだけ
あと、右ベアリングの端面が ラチェットの山よりも
ハブの内側に入っています。

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フリーボディの爪は2つです。
構造は違えど マヴィックもそうなので2つ爪の例が無いわけではないですが、
こいつがフザケているのは

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↑この部分に
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爪を はめ込んで
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Oリングで
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フリーボディの爪を起こしているという点です。
(しかも、Oリングを真円の状態で使っていない)

組み換え前のリムはXR300なので 460gくらいなわけですが、
リムの耐用年数とハブの耐用年数が 全く合っていません。
超軽量ハブには超軽量リムで、それなりに わきまえた使用頻度で
使うというのが良さそうです。
あと、爪の内側にある白いシリコンの部分は
先ほどのハブ体右側のくぼみに はまることで
縦方向のガタを吸収させているようです。

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組めました。

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組み換え前と同じ組み方にすると 先ほど書きましたが、
最終交差を編んだのも組み換え前と同様です。

私は、ストレートスポーク仕様のハブについて
「ストレートスポークは首折れスポークより 首がとびにくい」ということ以外に
利点を見い出せません。
スポークの選択肢も かなり狭まりますし、なにより 好きな組み方ができません。
24Hの場合はヨンヨン組みかヨンゼロ組み相当になっていることが多く、
同じ寸法の首折れスポーク仕様なら もっとカッチリ組めるのに!と思います。
これはこれで 与えられた条件の範囲でなるべくカッチリには張っていますが・・・。
パワータップやDTのストレートスポーク仕様のハブについて どう思いますか?
と訊かれることが たまにありますが これはそれの回答でもあります。

ちなみに このホイール、CYCLING TIME.comの中の人からの ご依頼ですが
記事にする可能性があるので(というかそういう企画なので)
パーツの重量を量っておいてほしいと言われておりました。
なので蟹光線の出番はありません。

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組み換え前 前輪
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組み換え前 後輪
どちらも リムテープ無しです。クイックは 元よりありません。

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フロントリム
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リヤリム
バルブ穴の隣に矢印があるのは
「スポークの向きがこっちになるように組め」という指示ですが、
一言でいうと「正リムとして組め」ということです。

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フロントハブ
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リヤハブ

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組み換え後 前輪
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組み換え後 後輪
私が嫌いな「単純にホイールの前後重量を足しただけの数字」では
866gとなります。

ところで先ほど「ストレートスポークは首がとびにくい」と書いた気がしますが、
私は 年がら年中 完組みホイールのスポークとびを直しているので
そうでも無いような気がしてきました。

全ての件をここに上げているわけではありませんが
(事実 今日も9000のC24のフリー側のスポークとびを1本直しましたが)、
年間で100件くらいは修理している気がします。
当店のような場末のショップでそうなのですから、
全国にあるプロショップの店舗数から考えると
年間に数万件は 完組みホイールのスポーク折れが
起きているということになります。
フェルミ推定にしては計算根拠がいろいろとおかしい気がしますが、
分かっててボケてるのでスルーしてくださいませ。

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