のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

TB25リムの組み換えをしました(前編)  

今日もホイー(以下略)。
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お客さんから キンリンのTB25リムで組まれたホイールをお預かりしました。
同じリムの新品も お持ち込みされていて、リムの交換をご希望です。
シクロクロスで使い続けたので、ブレーキゾーンがかなり摩耗しています。

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デイトナハブ32H 全レボロクロクイタリアン組みで組まれています。
テンションが異常にヌルいのですが、シクロクロス用としてのホイールなので
経年使用のぶんを差し引いても 元々からの味付けだと思われます。
(私は ホイールをあえてヌルく組むことについては否定派なので
こういうのは好みではありません)
ちなみに、TB25リムは それほど軟らかいリムではないので
レボリューションで張ると うにょーんが出ます。

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ハブの回転がかなりゴリゴリしているということで、
必要があればボールレースの交換も ご希望でしたが
摩耗しているものの虫食いは無いので 洗浄とグリスアップで対処します。
ホイールをバラす前に ハブを分解しているのは
もしボールレースの交換を要する場合 ハブ単体よりも作業がしやすいからです。

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グリスが「無駄空間」に詰まっています。
レストランで 小さな容器にすり切りいっぱいにして出されるバター、
ちょうどあんな感じです。
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パーツクリーナーを噴いて
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きれいにしました。
無駄空間のグリスは元から入っているメーカー純正のもので、
差し方も独特なので このハブが過去に
オーバーホールされたことが無いのは確実です。

現行のカンパニョーロの完組みホイールでは、
無駄空間がほぼ無いうえにグリスガードが付いていて
ハブ胴内にグリスが入らないようにしてあります。
(CULTの場合はグリス自体が不要なので グリスガードはありません)
このデイトナハブは ハブ胴の内径とハブシャフトの外径が非常に近いので
(当然 前者の方がかすかに大径)、ハブ胴に穴を開ければグリスホールになります。
グリスホールというのは グリスガンでグリスを充填するためのハブ胴の穴で、
これと同時期のレコードには元から設けてあります。
7700デュラエースの時代くらいまでは、シマノコンポを使っているプロチームの
メカニックは デュラエースのハブにグリスホールをあけていることが多かったものです。

無駄空間に充填されているグリスですが、
グリスホールからグリスが足された場合 ここにあるグリスが押し出されるので
その待機ぶんとしては 一応意味があります。
カンパニョーロのハブはダストシールが明らかに甘いですが、
これはグリスガンを使った際に廃グリスが むちゅ~と押し出される妨げに
ならないようにするため すき間をあえて取ってある、
という理由を付けて擁護することができました。
しかし、ではグリスホールを廃した現行のハブが
それ以前のハブよりシール性能が高まったかというと
別にそんなことはないので やっぱり擁護できません。

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組めました。

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32H 全コンペロクロクイタリアン組みです。
ついでに書いておきますがアルミニップルで組んでいます。
私は、特別な理由が無い限り しんちゅうニップルは使いません。

ハブ単体の状態で軽めの玉当たりにしたのですが、
全てのスポークにニップルのねじ山をかけて
ざっと増し締めした仮組み状態で けっこうな横ガタが出ました。
ハブフランジにスポークテンションがかかると 玉当たりはゆるくなります。
その、縦振れなどを追い込んでいない仮組み状態で
すでに組み換え前より張っていました。
といっても、最終状態で このリムの限界まで張ったわけではありません。
32Hなので1本あたりのスポークテンションをやや控えめにしただけで
20Hならもっと張っているという意味です。

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つづいて後輪です。

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こちらもデイトナハブ32H 全レボロクロク組みですが、
こんなに フリー側がたわむ後輪を久しぶりに見ました。
少なくとも 今年ではワースト1です。
なぜか逆イタリアン組みで、前輪が銀スポークなのに
後輪は黒スポークです。これについては だいたい察しがつきます。
このホイールは前後とも同じ組み手で 私も知っている人ですが、
前後でスポークの色が違うのは 店頭在庫のレボリューションが
その長さしかなく、仕入れるのが面倒だったからだと思われます。
レボリューションというスポークは
ねじ山終りのすぐあとにバテッドが始まっているので、
スポークカッターで長さを切り詰めて
ある程度の幅で使いまわすということが実質できないスポークなのです。
例えば、シマノハブでオープンプロ32Hロクロク組みをする場合、
フリー側295mm/反フリー側297mmくらいになりますが、
このときに297mmだけを仕入れて フリー側はマイナス2mmを作る、
ということもできません(ギリギリできるかもしれませんが 私はやりません)。
なので、在庫として余りやすい性質を持っているのです。
ちなみにCX-RAYでは8mm程度(私の内規では6mm)、
コンペティションでは30mm程度は切り詰め可能です。

前後のホイールでスポークの色が違うというのが
お客さんの希望ではなく ショップ側の都合として押し切った結果
ということが果たしてありえるのかとも思いますが、
この程度のことは平気でやるショップなので むしろ不思議には思いません。

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「レボリューションで組んでいるのに」しんちゅうニップルです。
この言い方には2つの意味がありまして、
まず軽量スポークであるレボリューションを使うのに
アルミニップルより重たい しんちゅうニップルを使うのは
本末転倒じゃないか!という意味です。
このスポーク長さで32(16+16)本での
全レボと全コンペの重量差は概算値で約47gなのですが、
しんちゅうニップル32個とアルミニップル32個の重量差は約22gなので
全コンペ+アルミニップルと比べると差し引きで約25gの軽量化にしかならず、
ニップルの差の22gは けっこうな外周部なので
数値以上に効いているはずです。

もうひとつの意味は、銀黒チャンピオンや 銀コンペティションは1箱100本入りで
しんちゅうニップルが100個付属していますが、
黒コンペティションと 銀黒レボリューションは1箱72本入りで
アルミニップルが72個付属しているのです。
つまり、重量が重たく価格も安い しんちゅうニップルを使ったということは、
何かこだわりがあってこうしたということを お客さんに説明していない限りは
アルミニップルをガメたことになるわけで、
レボにしんちゅうという組み合わせには違和感を感じます。

逆イタリアン組みにしてある理由も想像がつきます。
こだわりがあったわけではなく 単に左落としからテキトーに組んだだけです。

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バラしました。
ハブの回転が かすかに濁ってはいましたが、
フロントよりは ましだったので 中を見る前にハブの状態までバラしました。
すでにトレーが汚れているのは フロントハブの汚れです。

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フリーのラチェット部分に泥が浸入して、
爪の起き上がりが のそっとした感じになっていました。

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乳化しつつ汚れたグリスが ハブ胴直下まで入り込んでいます。

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無駄空間のグリスを落としました。
自然な使用で、無駄空間からハブベアリングに
適宜グリスが充填されるという機能はありません。
それがあればここのグリスは涸れているはずですし、
それが無いから無駄空間なのです。

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フリーボディの爪起こしバネは、変形があるので交換します。

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フリーボディをハブシャフトに挿したときだけ 回転のゴリゴリが増大するので、
ベアリングが(少なくともどちらかは)傷んでいるのは確定ですが
外側だけがとくに傷んでいました。
もちろん交換しています。

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↑あまり汚れていないグリスのカタマリがありますが、
これはフリーボディ内部に充填されていたグリスです。

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この時代の玉当たり調整ナットは スパナをかけられるような
無言の訴え的デザインをしていますが、これは罠です。
手で問題なく調整できるうえ、加減を知らない人がスパナでここを回すと
締め過ぎてしまう傾向があるのです。
イーストンのR4系リヤハブの、反フリー側のダストキャップ型玉当たり調整機構は
手で回すタイプと1 9mmスパナをかけるスリットが付いたタイプとがありますが、
これは後者のほうが調整がしやすいです。

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ハブのオーバーホールができました。
と、終電の時間なので ここまでです。
チャリ通なら組んでました。
前後ハブのオーバーホールにかかった時間は、
前輪を組むのにかかった時間を ゆうに越えています。

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2016/11/10 16:04 | edit

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