のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

スラムのデュアルドライブハブで後輪を組みました  

今日もホイー(以下略)。
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お客さんからアウトプレイというブランドの18インチホイールをお預かりしました。
ロードのホイールもありますが小径ホイールの取り扱いが多いブランドです。

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12Hストレートスポークディスクハブで逆イタリアン相当組みとなっています。
12Hとしたのは私のスポーク長さ計算式上でそういうことになるからであって、
スポークは24本です。
普通に言えば24Hホイールということになります。

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用があるのはリムだけです。
黒アルミニップルは外周側からもつかめる優秀な形状のものですが、
内外ともにナメかけているというか 元からやや丸い感じのものなので
今回は使い回しません。

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このハブフランジですが「通し」にスリットが切ってある格好になっています。
もしエアロスポークであったなら、首下の丸断面の部分を越えて
扁平な部分がスリットにかかるまでニップルをゆるめれば
スリットを通してスポークが外せるので実質「引っかけ」となるわけですが
このスポークでは どこまで行ってもスリットを抜けるような径の箇所が無いので
通し式となり、バラすのが多少面倒です。

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つづいて もうひとつのホイールです。
スラムのデュアルドライブという36Hハブで組まれた18インチのホイールです。

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デュアルドライブというのは、外装変速のハブに
内装変速も盛り込まれているということです。
フリーボディに取り付けているスプロケットの歯数とは別に
ハブ内部で内装変速をするわけですが、
今回付いていたスプロケットは8S、ハブの内装変速が3Sなので
ひとつのリヤハブで24Sということになります。
(もしフロントギヤがトリプルであったなら前後で72Sということになります。
多くの場合シングルギヤだと思いますが)

最近のロードバイクでよく見られる ワイドレシオの11-28T 11Sギヤと
フロントが50-34Tのコンパクトの組み合わせでは、
アウター×ローの50×28Tは 概ね34×19Tに相当します。
つまり、フロントインナーギヤでしか出せない固有の軽さは
19Tより大きい21・23・25・28Tの4枚しかないということなります。
乱暴に言えば、34×19Tを含む それより小さいスプロケット歯数との
組み合わせは アウターギヤでもほぼ同じような重さが得られるわけで、
これを22本入りの色鉛筆のセットだとすると 実は22色ではなく
同じような色を同じ色だと見なせば
実質15色(アウター全部の11色と インナー×ロー側固有の軽さ4色)に
なるということです。

内装変速と外装変速をどちらも取り付けたハブは これだけではありませんが、
いずれのメーカーのものでも 先ほど書いたギヤ倍数のカブリが非常に多くなります。
実質で何S(何色)になるのかは分かりませんが 8S以上になるのは確実で、
とくに「内装で最も軽い×外装でローギヤ」という軽さが欲しいなら
ハブ重量がかさむ以上のメリットが 乗り手にとってあることになります。

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スラム デュアルドライブとありますが、
これは内側エンボス加工で文字を入れたシリコンバンドを
無銘のハブ胴に巻いているだけなので、
ホイールを組んでからバルブ穴との位相が気に食わない場合
後からそれを変更できるという お得な仕様となっています。
そーゆー いらん横着をかましたことで
シリコンバンドがプチンと切れたりすると 目も当てられないので
触らぬほうが良いのは当然ですが。

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組み換え前のリムはALEXRIMSのDV15ですが、
リムのラベルが逆向きなのが気になります。
すぐにバラしますが。

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組み方は、ヌポークと反ヌポークによる
交差のあやどり無し2本組み(1クロス)イタリアン組みです。
これをやるなら、全反ヌポーク通し1クロスのほうがいい気がします。
(反フリー側は全ヌポーク通し1クロスでも可)

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あやどりというのは、最終交差を編むことです。
あやとり(綾取り)と呼ぶのが正しいみたいですが、
私は あやどりと呼んでしまっています。

フランジ穴の厚みがそれなりにあり、スポークも扁平ではないので
これで あやどりをすると スポークの曲がりがエライことになります。

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組めました。

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36Hハブ24Hリム サンサンJIS組みです。
3本組みというのはフランジ穴の読みからで、実際は2本組み相当の1クロスです。
36:24は3:2なので、フランジ穴3つのうち2つをリムに対して対応させれば
一応こういうことができます。スポーク長さの補正の計算めんどくせえ

この記事を概要だけ上げている時点では
組み換え前のホイールを32Hと書いていました。
コメントでのご指摘ありがとうございます。
ちなみに、32Hハブ24Hリムの場合は 32:24が4:3なので
反フリー側にお休みの位相を設ける
「フ反フ休」の2:1組みで組むことができます。
詳しくは(→こちら

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最終交差がフランジから離れるのをいいことに、あやどりをしてしまいました。
やった理由は「やりたかったから」です。
もし編まない場合、フリー側のヌポークがリヤメカと接触する可能性・・・は
低いですね小径ホイールなので。
(それ以前に右フランジが やや内側にあるので接触は起きません)
ハブの構造か ホイールの組み方か、理由は違えど
組み換え前ホイールはどちらもあやどり無しでした。


スポークはサピム リーダーの14番プレーンですが、
お客さんの希望は黒スポーク黒ニップルということだけであり、
15番プレーンの用意もしてあったのですが
結局14番で組みました。
あやどりをするなら15番のほうがやりやすいのですが、
24Hという本数を考えて14番にしました。
(もし32Hなら15番にしています)

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↑バルブ穴の位相です。
シリコンバンドは一切 動かしていません。

ここからは、このホイールの細かい罠について。
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組み換え前後のリムは どちらとも「18インチ」です。

ETRTO規格のサイズでいうと リム内径355mmとなるのですが、
組み換え前のリムはHE、組み換え後のリムはWOです(たぶん)。
インチ表記の指すところは タイヤを含んだおおよその外径のことです。
なので622mmのリムに ロードのタイヤを履けば700C、
MTBのタイヤを履けば29インチと呼び名が変わります。
ちなみに、700C=700mm≒27.5インチですが、
700Cのインチ換算は28インチで呼びならわされています。
いわゆる700Cリムにタイヤを履いて
外径が本当に700mmくらいになるのは 28Cのタイヤを履いたときです。

逆にインチの呼称が同じだと、WOとHEでリム内径が変わります。
26インチのWOは571mmでHEだと559mm、
20インチのWOは451mmでHEだと406mmです。
が、18インチの場合はWOもHEも355mmなのです。

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なので、355と表記してあるタイヤが
355と表記してあるリムに必ず合うとは限りません。
ビードフックの径は合いますが、幅が全然違うので
実質の互換性は無いということになります。

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シマノのロックリング締め付け工具ですが、
ガイドシャフトが付いていることが当たり前になっています。
これは元々、プロチームのメカニックが
既存の工具をシャフト付きに改造したのを見て
シマノがそういう形のものを後から出したわけですが、

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ハブシャフトが中空でないハブに対しては、
当然 ガイドシャフト無しのものが必要になります。

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で、こうやって締めればいいのかといえば
それだけではダメです。
回転方向にも空転するからです。

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内装ハブなので、フリーボディを前に回転させると
ハブシャフトが後ろに向かって回ります。
シャフトの平面部分をフレームに対して固定した状態では
フリーボディは 前に向かって空転しません。

なので、ハブシャフトの平面部分をつかんで
ロックリングを締めればいいのですが、
シャフトにナメ跡が付くのが怖いので
スプロケットを外すときに使う空転止めの工具を
通常と逆向きにしてロックリングを締めました。

このことと関係あるかどうかは不明ですが、
組み換え前のホイールは ロックリングが
ほとんど締まっていませんでした(手でゆるみました)。

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タイヤを取り付けました。
シュワルベのタイヤと このホイールは、
文字が下側(一方向)に向かって落ちる系のロゴなので
それを合わせる必要があります。

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↑こういうことです。
フルクラムのホイールも、文字の重力が下側に向かって働いているので
図の通りにラベルの文字が読めますが、
コンチネンタルのタイヤは文字の重力が
ホイールの内側に向かっているので
図の下側のほうではリムとタイヤの文字の向きが逆転します。
念のため書いておきますが、コンチネンタルの文字が逆さになっても
ルタンネチンコとはなりません。


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これがレイノルズのホイールでは文字が外向きに落ちる方向、
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シマノのホイールでは内向きに落ちる方向になっています。

今回のアウトプレイのリムと シュワルベのタイヤでは、
どちらも下向きに落ちる文字の向きだったので それも揃えました。

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このタイヤ、センタートレッドはスリックパターンですが
サイドのチェッカーフラッグ模様に水切り方向があるので
明確に取り付け方向が存在します。
といっても、ここまでホイールを倒すことは無い
(このパターンが接地面になることは無い)ので
ほぼ意味はありませんが。

DSC02611amx6.jpg
ディスクローターも取り付けました。
JIS組みにしたのは このためです。

DSC02589amx6.jpg
↑元々のホイールに付いていたローターを取り付けました。
もうひとつあるのは無関係の私物です。

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